JP3480339B2 - 電磁誘導加熱用複合材及びその製造方法 - Google Patents
電磁誘導加熱用複合材及びその製造方法Info
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Description
合材に関し、さらに詳しくは、アルミニウム基材などの
非磁性基材上に、高周波磁界により発生する誘導電流
(過電流)により発熱体となる磁性メッキ層が形成され
た高出力が可能な電磁誘導加熱用複合材、及びその製造
方法に関する。また、本発明は、このような高出力が可
能な電磁誘導加熱用複合材からなるIH(電磁誘導加
熱)ジャー炊飯器内釜などの電磁誘導加熱用調理器具に
関する。
釜に伝えて、中の米に熱を加えていたが、最近では、ヒ
ーターを使用せずに内釜自体を発熱させる電磁誘導加熱
方式のIHジャー炊飯器が普及してきている。発熱体と
なる内釜は、一般に、アルミニウム層(内側)とステン
レス層(外側)の二重構造となっている。このIHジャ
ー炊飯器では、内釜の下にコイルが設けられている。こ
のコイルに、周波数が20〜40KHzになるように、
インバーター回路中でスイッチのON/OFFを繰り返
して電流を断続的に流すと、スイッチのON時にはコイ
ルの周囲に磁界が発生し、OFF時には消失するため、
コイルの回りに磁力線が断続的に発生する。この磁力線
の数(磁束)の変化に誘起されて、渦電流がステンレス
層に発生する。ステンレスは、電気抵抗値が大きいた
め、電気エネルギーのほとんどは熱に変換される。この
熱は、熱伝導の良いアルミニウム層を伝わって、内釜の
全体に伝えられる。
用鍋などの電磁誘導加熱用器具(電磁加熱調理器具)
は、発熱を受け持つ鉄、ステンレスなどの磁性金属板と
熱伝導を受け持つアルミニウム板とからなる複合材を、
所定形状に打ち抜き加工した後、アルミニウム板を内側
として深絞り等のプレス成形加工をすることにより製造
されている。アルミニウム板の外表面側には、炊飯等の
こびりつきを防止するために、通常、フッ素樹脂被覆層
が設けられている。複合材としては、一般に、ロール圧
延によって磁性金属板とアルミニウム板とを複合化(ク
ラッド化)したものが用いられている。
る複合材は、(1)アルミニウム板を圧縮して接合する
ため、板厚のバラツキが大きく、このため、プレス成形
加工時に割れやしわが発生しやすい、(2)複合材を所
定形状に打ち抜き加工する際に多量に発生する打ち抜き
しろも複合材であって、金属または合金の単独材ではな
いため、リサイクルが不可能である、(3)磁性金属板
を発熱に必要な部分にのみ配置した複合材の製造が困難
である、といった問題を抱えていた。
どの非磁性基材の片面に、メッキ法により磁性体層を形
成した電磁誘導加熱用複合材が提案されている。例え
ば、特開平8−191758号公報には、アルミニウ
ムまたはアルミニウム合金からなるアルミニウム基材
と、前記基材の片面の少なくとも一部に形成された亜
鉛または亜鉛合金からなる中間層と、前記中間層の上
に形成された高周波の磁束により発生する渦電流が流れ
ることにより発熱体となる導電層とを備えた電磁加熱用
金属板が開示されている。この導電層は、ニッケル、ニ
ッケル合金、鉄、鉄合金、コバルト、コバルト合金など
の磁性材料から形成され、より具体的には、これらの金
属イオンを含有する溶液から電気化学的転化法(即ち、
電気メッキ、化学メッキ、無電解メッキなどのメッキ
法)により形成されている。中間層は、メッキ膜の密着
性を高めるために、アルミニウム基材上に形成されてい
る。特開平9−157886号公報には、少なくともニ
ッケルと鉄とを有し、膜厚を10〜100μmとした電
磁誘導加熱用合金メッキ膜を、非磁性材料などのメッキ
可能な基材上に形成した電磁誘導加熱用合金メッキ材が
開示されている。
層が形成された電磁誘導加熱用複合材は、(1)圧縮に
よるクラッド化工程を必要としないため、アルミニウム
基材のプレス成形加工時に割れやしわが発生しない、
(2)アルミニウム基材を単独で打ち抜き加工するた
め、打ち抜きしろの再利用が可能である、(3)アルミ
ニウム基材を所望の形状にプレス成形加工した後、必要
な部分に磁性メッキ層を形成することができる、(4)
磁性メッキ層を形成する金属や合金の種類、合金の組成
などを選択することにより、透磁率や導電率を高めるこ
とができる、といった利点がある。
大きいため、大きな発熱量を必要としている。ところ
が、本発明者らが検討した結果、非磁性基材の片面に磁
性メッキ層が形成された電磁誘導加熱用複合材は、電磁
誘導加熱の出力を十分に高めることが困難であることが
判明した。本発明者らの実験結果によれば、例えば、ア
ルミニウム釜の外側底面にNi−Fe合金(Fe=20
%)メッキ層を形成した内釜は、メッキ層の厚み150
μmで900W程度の出力しか得られないことがわかっ
た。IHジャー炊飯器では、1200W以上の出力が必
要とされる。出力が小さな内釜を使用すると、炊飯時、
十分な火力が得られないため、米が生煮えとなったり、
飯に芯が残ったりする。磁性メッキ層の膜厚を大きくす
ると、出力を高めることができるものの、高価なNiな
どの金属の使用量が増大するため、材料費が高くなる。
膜厚を大きくするために、メッキ時間を長くすると、生
産性が低下する。膜厚を大きくするために、電流量を多
くするのは、メッキ条件が厳しくなり、限界がある。
キ層が開示され、また、試験片を用いた電磁誘導加熱で
の出力実験では、比較的高出力が得られた実験例も示さ
れているが、従来の磁性メッキ層を有する電磁誘導加熱
用複合材を実際に大容量のIHジャー炊飯器内釜に適用
した場合、十分な高出力を得ることが困難である。した
がって、磁性メッキ層を有する電磁誘導加熱用複合材を
実用化するには、電磁誘導加熱での高出力化を図ること
が求められている。
性基材の片面に磁性メッキ層を有し、高出力が可能な電
磁誘導加熱用複合材及びその製造方法を提供することに
ある。本発明の他の目的は、高出力が可能な電磁誘導加
熱用複合材からなる電磁誘導加熱用調理器具を提供する
ことにある。本発明者らは、前記従来技術の問題点を克
服するために鋭意研究した結果、非磁性基材の片面に磁
性メッキ層が形成された電磁誘導加熱用複合材を高温条
件下で熱処理することにより、高出力化が可能となり、
磁性メッキ層の膜厚をそれ程大きくすることなく、大き
な発熱量を達成できることを見いだした。
しくは300℃以上である。熱処理時間は、通常、5分
間以上、好ましくは10分間以上であり、熱処理温度が
高いほど短時間でよい。このような高温条件下での熱処
理により、電磁誘導加熱での出力が増大する機構は、現
段階では必ずしも明確ではないが、本発明者らは、常法
により作製された磁性メッキ層には内部歪みが存在して
おり、この内部歪みが熱処理により緩和されたためであ
ると推定している。熱処理により磁性メッキ層の内部歪
みが緩和されると、電磁誘導加熱での発熱量を決定する
パラメーターである透磁率や導電率が向上し、それによ
って、出力が大きくなるものと推定される。
部歪みが緩和されていることは、磁性メッキ層のX線回
折ピークの半価幅が小さくなることによって確認するこ
とができる。そして、本発明者らは、磁性メッキ層の
[111]面でのX線回折ピークの半価幅が0.40以
下、好ましくは0.35以下となれば、膜厚を比較的薄
くしても、十分な高出力の得られることを見いだした。
本発明は、これらの知見に基づいて完成するに至ったも
のである。
ば、非磁性基材の片面に磁性メッキ層が形成された電磁
誘導加熱用複合材において、該磁性メッキ層がNi−F
e合金からなる厚み40〜160μmの磁性メッキ層で
あり、かつ、該磁性メッキ層の[111]面でのX線回
折ピークの半価幅が0.40以下であることを特徴とす
る電磁誘導加熱用複合材が提供される。また、本発明に
よれば、非磁性基材の片面にNi−Fe合金からなる厚
み40〜160μmの磁性メッキ層を形成した後、乾熱
雰囲気下、270℃以上の温度で5分間以上の時間、該
磁性メッキ層を熱処理することにより、該磁性メッキ層
の[111]面でのX線回折ピークの半価幅を0.40
以下とすることを特徴とする電磁誘導加熱用複合材の製
造方法が提供される。
れた容器の外面に、厚み40〜160μmで、[11
1]面でのX線回折ピークの半価幅が0.40以下のN
i−Fe合金からなる磁性メッキ層が形成されている電
磁誘導加熱用調理器具が提供される。磁性メッキ層とし
ては、Ni−Fe合金からなる厚み40〜160μmの
磁性メッキ層が用いられる。非磁性基材としては、アル
ミニウムまたはアルミニウム合金などのアルミニウム基
材が好ましい。
ては、アルミニウムやアルミニウム合金からなるアルミ
ニウム基材、セラミック基材、非磁性ステンレス基材、
ガラス基材などを挙げることができるが、熱伝導性や加
工性などの点でアルミニウム基材が好ましい。また、I
Hジャー炊飯器の内釜の用途には、アルミニウム基材が
特に好ましい。非磁性基材の厚みは、強度、熱伝導性、
用途などに応じて、適宜定めることができるが、通常、
0.5〜5mm程度である。
ッ素樹脂被覆層を形成して、非粘着性とすることができ
る。非磁性基材を容器の形状に成形する場合には、その
内側の面にフッ素樹脂被覆層を形成する。フッ素樹脂被
覆層は、非磁性基材を容器の形状に成形してから、その
内側の表面に形成してもよいし、あるいは、アルミニウ
ム基材などの場合には、フラットな板材(例えば、サー
クル板)の形状でフッ素樹脂被覆層を形成してから容器
の形状にプレス成形加工してもよい。フッ素樹脂被覆層
の厚みは、特に限定されないが、熱伝導性の観点から、
通常、5〜50μm、好ましくは10〜30μm程度と
することが望ましい。フッ素樹脂としては、四フッ化エ
チレン樹脂(PTFE)、テトラフルオロエチレン/パ
ーフルオロアルキルビニルエーテル共重合体(PF
A)、テトラフルオロエチレン/ヘキサフルオロプロピ
レン共重合体(FEP)などを挙げることができるが、
これらの中でも四フッ化エチレン樹脂が好ましい。
キ層を形成するが、必ずしも全面に形成する必要はな
く、例えば、IHジャー炊飯器の内釜として使用する場
合は、加熱用コイルの配置されている底部(底面や底面
から立ち上がる外側壁面の下部)にのみ磁性メッキ層を
形成することができる。
は、メッキが可能で、かつ、高周波磁界により渦電流が
流れて発熱体となる磁性層を形成することができるNi
−Fe合金が用いられる。Ni−Fe合金における原子
数比は、通常、5:95〜95:5、好ましくは10:
90〜90:10である。透磁率などの観点から、Ni
−Fe合金が好ましい。また、この合金に各種元素を添
加することができる。このような元素としては、例え
ば、P、C、及びBなどを挙げることができる。これら
の元素を磁性メッキ層中に分散させることにより、電磁
誘導加熱したときの「固有抵抗/浸透深さ」の比で表さ
れる表皮抵抗を高めて、発熱量を高めることができる
(特開平8−191758号公報)。これらの元素は、
磁性メッキ層中に分散させる。
キ、化学メッキ、無電解メッキなどのメッキ処理するこ
とにより形成することができる。即ち、金属イオンを含
有する溶液からの電気化学的転化により、磁性メッキ層
を形成する。これらのメッキ処理に使用するメッキ浴の
組成やメッキ処理条件などは、公知技術に基づいて、適
宜選択することができる(特開平8−191758号公
報、特開平9−157886号公報など)。磁性メッキ
層の厚みは、熱伝導性と経済性のバランス等の観点から
みて、40〜160μmとする。多くの場合、磁性メッ
キ層の膜厚は、50〜150μm程度で良好な結果を得
ることができる。なお、磁性メッキ層は、1層としてだ
けではなく、所望により2層以上の多層に形成してもよ
い。多層に形成する場合は、各層のメッキ組成が異なっ
ていてもよい。
る場合は、その表面が酸化アルミニウムを主成分とする
層で覆われているため、そのままでは磁性メッキ層との
密着性に劣る場合がある。そのため、ジンケート処理に
より、アルミニウム基材の表面に亜鉛または亜鉛合金
(鉄、ニッケル、コバルトなどとの合金)からなる中間
層(亜鉛置換メッキ処理層など)が形成される(特開平
8−191758号公報)。
処理を行う点にある。熱処理を行うと、磁性メッキ層の
内部歪みが緩和されて、電磁誘導加熱での発熱量を決定
するパラメーターである透磁率や導電率が向上し、その
結果、出力が大きくなるものと推定される。熱処理によ
り磁性メッキ層の内部歪みが緩和されることは、X線回
折ピークの半価幅が熱処理前に比べて小さくなることに
より確認することができる。本発明では、この熱処理に
より、磁性メッキ層の[111]面でのX線回折ピーク
の半価幅(以下、X線半価幅と略記)が0.40以下と
なるように磁性メッキ層の内部歪みを緩和する。熱処理
条件としては、X線半価幅が0.40以下となる条件で
あれば特に限定されないが、処理効率の観点から、27
0℃以上の温度で5分間以上の時間、磁性メッキ層を熱
処理することが好ましい。顕著な出力の改善効果を得る
には、X線半価幅は、好ましくは0.38以下、より好
ましくは0.35以下となるように熱処理することが望
まし。最も好ましい改善効果は、X線半価幅が0.30
以下の場合に得ることができる。X線半価幅の下限は、
好ましくは0.05、より好ましくは0.10程度であ
る。X線半価幅が大きすぎると、出力の向上効果が小さ
くなる。なお、熱処理により、[200]面での半価幅
も減少し、その減少傾向は、熱処理温度が高くなるにつ
れて、あるいは熱処理時間が長くなるにつれて大きくな
る。
が、基材としてアルミニウム合金を用いた場合は550
℃程度である。また、熱処理時間の上限は、30時間程
度である。熱処理効率の観点から、熱処理条件は、好ま
しくは、270〜500℃の熱処理温度で5分間〜2時
間の熱処理時間、より好ましくは、300〜450℃の
熱処理温度で10〜60分間の熱処理時間である。熱処
理温度が低すぎると、短時間の熱処理により、磁性メッ
キ層のX線半価幅を十分に小さくすることが難しくな
る。熱処理温度が高すぎると、エネルギー効率が悪くな
る。熱処理時間は、短すぎると、X線半価幅を十分に小
さくすることができず、長すぎると経済的ではない。ま
た、Ni−Fe合金においては、512℃以下の温度
で、あまり長時間熱処理すると、透磁率の低い合金相を
形成することが知られており、有効ではない。熱処理の
効率と出力増大とのバランスの観点から、350〜40
0℃で10〜50分間熱処理することが最も好ましい。
熱処理は、乾熱雰囲気下で実施するが、通常は大気中で
行う。
薄い膜厚で1200W以上の出力を達成することが可能
であるため、IHジャー炊飯器の内釜として用いた場
合、生煮えや飯粒に芯が残るといった不都合を生じるこ
とがない。本発明の電磁誘導加熱用複合材の出力(発熱
量)の程度は、メッキの組成や膜厚など種々の要因によ
って変化するが、熱処理前(X線半価幅の低下処理前)
のものに比べて、明らかに顕著な出力の増大を得ること
ができる。このような熱処理による顕著な作用効果は、
従来、当業界では知られていなかったことである。
メッキ、クロメート処理被膜、亜鉛メッキ被膜などの耐
蝕性金属被膜を形成することが好ましい。また、磁性メ
ッキ層の上に、フッ素樹脂、ポリイミド樹脂、ポリアミ
ド樹脂などの耐熱性樹脂の被覆層を形成することもでき
る。本発明の電磁誘導加熱用複合材は、IHジャー炊飯
器の内釜や電磁調理器用鍋などとして好適である。
についてより具体的に説明する。本発明で採用している
測定法は、次のとおりである。 (1)出力 各実施例及び比較例で作成した内釜を市販のIHジャー
炊飯器に備えつけて加熱し、ワットメータを使用して最
大出力を測定した。 (2)磁性メッキ層のX線回折ピークの半価幅 CuKα線を用いて、磁性メッキ層の[111]面での
X線回折ピークの半価幅を測定した。半価幅は、ピーク
高さが1/2になるところのピーク幅(deg)により
求めた。 (3)炊飯試験 各実施例及び比較例で作成した内釜を市販のIHジャー
炊飯器に備えつけ、実際に1升の米を炊飯してみて、飯
の炊き上がり状態を観察し、飯粒に芯のない炊飯ができ
たものを「良好」と評価し、飯粒に芯があったり、生煮
えの場合を「芯あり、生煮え」と評価した。
S3004系アルミニウム合金、厚み=1.5mm、直
径=525mmφのサークル板〕に、NaCl水溶液中
で20クーロン/cm2 の電気量で電解エッチングを施
し、その表面に微細な凹凸を設けた。その片面に、四フ
ッ化エチレン樹脂分散液を塗布し、焼き付けて、四フッ
化エチレン樹脂被覆層(厚み20μm)を形成した。こ
のフッ素樹脂被覆板を油圧プレスを用いて、市販のIH
ジャー炊飯器に備えつけることができる1升炊き用の内
釜状にプレス成形加工した。プレス成形加工により得ら
れた内釜状成形物の外側の底部を120g/Lの水酸化
ナトリウム水溶液に80℃で処理した後、亜鉛置換メッ
キ(厚み0.1μm)処理を施した。
(480g/L)、硫酸鉄七水和物(25g/L)、硼
酸(30g/L)、NH4 OH・HCl(5g/L)、
サッカリン酸ナトリウム(1g/L)、ラウリル硫酸ナ
トリウム(0.1g/L)、及びNH2 SO3 H(15
g/L)を含有するNi−Feメッキ浴を使用し、浴温
55℃、陰極電流25A/dm2 でメッキ処理を行い、
前記内釜状成形物の外側の底部の亜鉛メッキ層の上に厚
み150μmのNi−Fe(Fe=20%)合金メッキ
層を形成した。さらに、得られた内釜を大気中で400
℃で30分間の熱処理を行った。このようにして得られ
た内釜を市販のIHジャー炊飯器にセットし、加熱した
際の出力をワットメーターで測定した。また、この内釜
を用いて、IHジャー炊飯器による炊飯試験を行った。
さらに、このNi−Fe合金層の[111]面のX線回
折ピークの半価幅をCuKα線を用いて測定した。結果
を表1に示す。
処理時間を20分間に変えたこと以外は、実施例1と同
様に操作した。結果を表1に示す。
処理時間を10分間に変えたこと以外は、実施例1と同
様に操作した。結果を表1に示す。
みを100μmに変えたこと以外は、実施例1と同様に
操作した。結果を表1に示す。
処理条件を300℃に変えたこと以外は、実施例1と同
様に操作した。結果を表1に示す。
処理温度を350℃に変えたこと以外は、実施例1と同
様に操作した。結果を表1に示す。
処理時間を10分間に変えたこと以外は、実施例6と同
様に操作した。結果を表1に示す。
処理温度を450℃に変えたこと以外は、実施例1と同
様に操作した。結果を表1に示す。
処理時間を20分間に変えたこと以外は、実施例8と同
様に操作した。結果を表1に示す。
熱処理時間を10分間に変えたこと以外は、実施例8と
同様に操作した。結果を表1に示す。
処理を行わなかったこと以外は、実施例1と同様に操作
した。結果を表1に示す。
処理温度を250℃に変えたこと以外は、実施例1と同
様に操作した。結果を表1に示す。
IS3004系アルミニウム合金、厚み=1.5mm、
直径=525mmφのサークル板〕をプレス成形加工し
て鍋を作成した。この鍋の底部に、実施例1と同様にし
て、亜鉛メッキ処理を施した後、厚み80μmのNi−
Fe(Fe=25%)のメッキ層を形成し、次いで、大
気中で400℃で30分間加熱した。メッキ層の[11
1]面でのX線回折ピークの半価幅は、0.21であっ
た。このようにして得られた電磁調理器用鍋に1Lの水
を入れ、市販の電磁誘導加熱調理器のトッププレート上
に載せて発熱特性を評価した。その結果、5分間で水の
温度が80℃に到達した。
を行わなかったこと以外は、実施例11と同様に操作し
た。その結果、1時間以上でも、50℃までしか上がら
なかった。熱処理を行わない場合、実施例11と同じ5
分間で水の温度が80℃に到達するようにするには、メ
ッキ層の厚みを120μmにしなければならなかった。
性メッキ層を有し、高出力が可能な電磁誘導加熱用複合
材及びその製造方法が提供される。また、本発明によれ
ば、高出力が可能な電磁誘導加熱用複合材からなる電磁
誘導加熱用調理器具が提供される。
Claims (4)
- 【請求項1】 非磁性基材の片面に磁性メッキ層が形成
された電磁誘導加熱用複合材において、該磁性メッキ層
がNi−Fe合金からなる厚み40〜160μmの磁性
メッキ層であり、かつ、該磁性メッキ層の[111]面
でのX線回折ピークの半価幅が0.40以下であること
を特徴とする電磁誘導加熱用複合材。 - 【請求項2】 非磁性基材が、アルミニウム基材である
請求項1記載の電磁誘導加熱用複合材。 - 【請求項3】 非磁性基材の片面にNi−Fe合金から
なる厚み40〜160μmの磁性メッキ層を形成した
後、乾熱雰囲気下、270℃以上の温度で5分間以上の
時間、該磁性メッキ層を熱処理することにより、該磁性
メッキ層の[111]面でのX線回折ピークの半価幅を
0.40以下とすることを特徴とする電磁誘導加熱用複
合材の製造方法。 - 【請求項4】 非磁性基材から形成された容器の外面
に、厚み40〜160μmで、[111]面でのX線回
折ピークの半価幅が0.40以下のNi−Fe合金から
なる磁性メッキ層が形成されている電磁誘導加熱用調理
器具。
Priority Applications (1)
Application Number | Priority Date | Filing Date | Title |
---|---|---|---|
JP31813998A JP3480339B2 (ja) | 1998-11-09 | 1998-11-09 | 電磁誘導加熱用複合材及びその製造方法 |
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JP2000144479A JP2000144479A (ja) | 2000-05-26 |
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- 1998-11-09 JP JP31813998A patent/JP3480339B2/ja not_active Expired - Lifetime
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