JP3480048B2 - X線発生装置 - Google Patents

X線発生装置

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JP3480048B2
JP3480048B2 JP17460294A JP17460294A JP3480048B2 JP 3480048 B2 JP3480048 B2 JP 3480048B2 JP 17460294 A JP17460294 A JP 17460294A JP 17460294 A JP17460294 A JP 17460294A JP 3480048 B2 JP3480048 B2 JP 3480048B2
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Description

【発明の詳細な説明】
【0001】
【産業上の利用分野】本発明は、X線露光装置、X線顕
微鏡、X線分析装置などのX線装置に用いられるX線発
生装置に関するものである。
【0002】
【従来の技術】尖頭値の高いパルスレーザー光を減圧さ
れた真空容器内に置かれた標的部材(又は標的材料)に
集光すると、標的部材は急速にプラズマ化し、このプラ
ズマから非常に輝度の高いX線が輻射(放出)される
(X線を発生する)ことが知られている(このX線発生
源はLPX:Laser-Plasma X-ray source と呼ばれ
る)。
【0003】X線の放出と共に、前記プラズマからは高
速の電子やイオン等の飛散粒子が、また前記標的部材か
らは部材材料の飛散粒子(例えば、ガス化した材料、イ
オン化した材料、材料小片など)が放出される(以下、
これらをまとめて飛散粒子と呼ぶ)。このような、LP
Xから放出される飛散粒子は、前記X線装置に使用され
ているX線光学素子やX線被照射物(例えば、試料)な
どに衝突して、これらを破損したり、或いは付着、堆積
して機能や特性を低下させたり変化させるので、LPX
の実用化の上で大きな問題であった。
【0004】この問題を解決するために従来の方法で
は、X線源と、X線光学素子やX線被照射物との間に、
X線透過性の高い物質(例えば、Be)からなる薄膜
(以下、飛散粒子阻止用薄膜と呼ぶ)を設置して遮蔽す
ることにより、飛散粒子がX線光学素子やX線被照射物
などに到達しないようにしていた。その他の方法では、
真空容器内にX線に対する透過率の高い低原子番号のガ
ス(例えば、Heガス)を充填することにより、或いは
該ガスのガス流を形成することにより、飛散粒子にガス
分子を衝突させて飛散粒子の阻止を図っていた(特開昭
63-292553 参照)。
【0005】
【発明が解決しようとする課題】飛散粒子阻止用薄膜の
設置により、X線光学素子やX線被照射物などへの飛散
粒子の付着、堆積は防げるが、そのかわり、飛散粒子阻
止用薄膜上に飛散粒子が付着、堆積するので、飛散粒子
阻止用薄膜のX線透過率が次第に低下するという問題点
がある。
【0006】また、真空容器内にX線に対する透過率の
高い低原子番号のガスを充填することにより、或いは該
ガスのガス流を形成することにより、飛散粒子の阻止を
図る方法では、ガス分子の分子量が小さいので、飛散粒
子と衝突しても飛散粒子を十分に阻止できないという問
題点がある。また、飛散粒子を十分に阻止できるまでガ
ス圧を増大すると、X線に対する透過率が低下して実用
的ではなくなるという問題点がある。特に、近年X線縮
小露光に用いられている波長13nm近傍の長波長軟X
線に対する透過率の低下が著しく問題が大きい。
【0007】本発明は、かかる問題点に鑑みてなされた
もので、X線源から発生するX線(特に、波長13nm
近傍の長波長軟X線)の強度を大きく減少させることな
く、標的部材やプラズマから放出される飛散粒子を効果
的に減少させて、飛散粒子阻止用薄膜やX線光学素子、
X線被照射物などへの飛散粒子の付着、堆積を低減又は
防止して、その結果、長時間安定して使用できるX線発
生装置を提供することを目的とする。
【0008】
【課題を解決するための手段】そのため、本発明は第一
に「真空容器内の標的部材をプラズマ化し、該プラズマ
から放出される波長13nm近傍のX線を取り出すX線
発生装置において、 前記真空容器内にKrガスを供給
して、前記X線と共に放出される飛散粒子及び前記標的
部材から放出される飛散粒子の運動エネルギー低減を可
能とするKrガス供給系を設けたことを特徴とするX線
発生装置(請求項1)」を提供する。
【0009】また、本発明は第二に、「前記真空容器か
らの排出ガスを回収するガス回収系を設けたことを特徴
とする請求項1記載のX線発生装置(請求項2)」を提
供する。また、本発明は第三に「前記真空容器からの排
出ガスを回収するガス回収系と、回収したガスを前記真
空容器内に供給して前記飛散粒子の運動エネルギー低減
を可能とするガス供給系を設けたことを特徴とする請求
項1記載のX線発生装置(請求項3)」を提供する。
【0010】 また、本発明は第四に「前記真空容器か
らの排出ガスからKrガスを再生して回収する再生Kr
ガス回収系と、回収した再生Krガスを前記真空容器内
に供給して前記飛散粒子の運動エネルギー低減を可能と
する再生Krガス供給系を設けたことを特徴とする請求
項1記載のX線発生装置(請求項4)」を提供する。
た、本発明は第五に「前記再生Krガス回収系が冷却ト
ラップを有することを特徴とする請求項4記載のX線発
生装置(請求項5)」を提供する。また、本発明は第六
に「前記真空容器内のKr圧力をp(torr)とし、
前記プラズマとX線被照射物との間隔をl(cm)とす
るとき、pl<15であることを特徴とする請求項1〜
5のいずれかに記載のX線発生装置(請求項6)」を提
供する。また、本発明は第七に「前記真空容器内のKr
圧力が0.01〜100torrであることを特徴とす
る請求項1〜6のいずれかに記載のX線発生装置(請求
項7)」を提供する。
【0011】
【作用】本発明のX線発生装置(請求項1〜)では、
真空容器内にKrガスを供給するKrガス供給系を設け
て、前記X線と共に放出される飛散粒子及び前記標的部
材から放出される飛散粒子の運動エネルギー低減を可能
とした。従って、飛散粒子阻止用薄膜やX線光学素子、
X線被照射物などへの飛散粒子の付着、堆積を低減又は
防止して、その結果、長時間安定してX線発生装置を使
用できる。
【0012】即ち、本発明では、飛散粒子阻止用のガス
として、原子番号(又は分子量)の大きいKr(原子番
号36、分子量=83.8) を使用しているので、分子量の
小さい従来ガス(例えば、分子量4のHeガス)に比べ
て、飛散粒子との衝突時に飛散粒子の運動エネルギーを
大きく低減することができるので、飛散粒子を減速又は
停止させる効果が大きい。
【0013】また、KrはHeに比べて、飛散粒子との
衝突断面積が約4倍であるので、飛散粒子との衝突確率
が高くなる。Krは殆どのX線波長領域において、He
よりもX線透過率が低いが、波長13.05nm と13.21nm に
その吸収端があるので、これらの吸収端よりも僅かに長
波長側のX線に対しては透過率が高い。
【0014】波長13.55nm のX線におけるHeとKrの
透過率比は、Heの透過率をTHe、Krの透過率を
Kr、圧力をp(torr)、X線源からの距離をl
(cm)とすると、THe/TKr=(1.007)pl となる。
pl<15 程度のときには、THe/TKr≒1 となる
ため、この条件の場合にはKrとHeの透過率は略等し
くなる。従って、この条件下でKrを使用することによ
り、従来のHeと同程度の透過率を確保しつつ、Heよ
りも大きい飛散粒子阻止効果を得ることができる。
【0015】本発明のX線発生装置には、真空容器から
の排出ガスを回収するガス回収系を設けることが好まし
い(請求項2)。ガス回収系により真空容器から排出さ
れたガスを回収した後、Krガスを再生して再度Krガ
スの供給に使用することにより、X線発生装置のランニ
ングコストを低減することができる。また、本発明のX
線発生装置には、真空容器からの排出ガスを回収するガ
ス回収系と、回収したガスを真空容器内に供給して前記
飛散粒子の運動エネルギー低減を可能とするガス供給系
を設けることが好ましい(請求項3)。Krガスを複数
回繰り返して使用できるので、Krガスの消費量を大幅
に低減して、ランニングコストを大きく低減することが
できる。
【0016】さらに、本発明のX線発生装置には、真空
容器からの排出ガスからKrガスを再生して回収する再
生Krガス回収系と、回収した再生Krガスを真空容器
内に供給して前記飛散粒子の運動エネルギー低減を可能
とする再生Krガス供給系を設けることが好ましい(請
求項4)。Krガス交換までの期間をさらに延ばすこと
ができるので、さらにランニングコストを低減すること
ができる。
【0017】以下、実施例により、本発明をさらに具体
的に説明するが、本発明はこれらの例に限定されるもの
ではない。
【0018】
【実施例1】本発明の第1実施例を図1に示す。真空容
器101内に標的材料104が置かれている。パルスレ
ーザー光106は窓102を通り、レンズ103により
標的材料104上に集光される。真空容器101には、
容器内部の圧力が監視できるように圧力計115が取り
付けられている。
【0019】標的材料104上にレーザー光が照射され
ると、急速に高温高密度のプラズマ105が形成され
る。プラズマ105からは、X線の他に飛散粒子114
が放出される。発生(放出)したX線は、可視・紫外光
を遮断し、X線を透過させ、かつ飛散粒子を阻止する薄
膜112を通って、X線光学素子に入射する。なお、X
線光学素子を内蔵する別の真空容器は、フランジ107
により真空容器101に接続される。
【0020】当初、バルブ108は閉じられており、バ
ルブ110を開けて真空排気装置111により容器10
1内が真空排気される。その後、バルブ110を閉じ、
バルブ108を開けて、容器101内にボンベ109に
貯蔵されているKrガスを容器内が所定圧力になるまで
供給した後、バルブ108を閉じることにより容器10
1内にKrガスを封入する。
【0021】このようにしてKrガスを容器101内に
封入すると、プラズマ105や標的材料104からの飛
散粒子114は、Krガスとの衝突により減速又は停止
され、薄膜112や窓102に付着、堆積する飛散粒子
の量を大幅に減少させることができる。薄膜112は利
用する波長(13nm近傍)のX線に対して透過率が大
きく、可視光や紫外光に対して不透明な薄膜(例えば、
Be,Si薄膜)であり、飛散粒子114がX線光学素
子に到達するのを完全に阻止している。
【0022】また、薄膜112は圧力隔壁も兼ねてい
る。容器101内はKrガスにより所定圧力になってい
るが、薄膜112よりも下流側(X線光学素子が配置さ
れている側)は、残留ガス(空気等)によるX線吸収が
無視できる程度に十分に高い真空度(例えば、10-3to
rr以下)になっている。従って、X線の減衰は主に容器
101内のKrガスによる。容器101内に封入するK
rガスの圧力は、どの程度までKrガスのX線吸収によ
るX線の減衰が許容できるかということと、どの程度ま
で薄膜112への飛散粒子の付着を許容できるかという
ことにより決まる。さらに、Krガス圧の上限はレーザ
ー光によりKrガスが絶縁破壊しない圧力(レーザー光
強度に依存する)となる。以上のことから、容器101
内のKrガス圧は概ね0.01〜100torr の範囲が好まし
い。
【0023】前記の例では、容器101内にKrガスを
封入していたが、バルブ108及びバルブ110を流量
調整可能にし、容器101に取り付けた圧力計115の
信号に基づいて制御装置により各バルブの流量を自動調
整して、容器101内の圧力を所定圧力に保持してもよ
い。このように、容器101内のKrガスを僅かずつ排
気しながら、しかも容器101内にKrガスを僅かずつ
供給しながら、容器101内の圧力を所定圧力に保持す
る場合には、レーザー光照射により標的材料(部材)や
その周辺部材から発生する不純ガスも一緒に排気するこ
とができるので、不純ガスによるX線の吸収を低減する
ことができる。
【0024】このとき、容器101内に供給するKrガ
スの供給速度は、不純ガスの発生速度と同程度か、それ
以上にすればよい。排気速度をKrガスの供給速度及び
不純ガスの発生速度と均衡させることにより、容器10
1内の圧力を所定圧力に保持することができる。この方
法は、繰り返し周波数の高い(例えば、数十Hz以上)
レーザー装置を用いた場合に特に効果的である。その理
由は、レーザー発振の繰り返し周波数が高くなるにつれ
て不純ガスの発生速度が増大し、X線の透過率低下が著
しくなるからである。
【0025】
【実施例2】本発明の第2実施例を図2に示す。実施例
1では、Krガスを真空容器から排気(排出)する場合
を示したが、Krガスは高価であるため、ランニングコ
ストが非常に高くなる。そこで、本実施例では、真空容
器から排出されたガス(Krガスを含むガス)を回収す
るガス回収系(例えば、コンプレッサーと回収容器)を
設けた。その動作について図2を用いて説明する。
【0026】始めに、真空容器201内を排気装置21
1により、X線透過率が十分に高くなる程度の真空度
(例えば、10-3torr以下)まで排気する。次に、容器
201と排気装置211の間にあるバルブ210を閉じ
た後、バルブ208を開けて、ボンベ209から容器2
01内にKrガスを所定圧力(本実施例では、10tor
r) になるまで供給する。
【0027】レーザー光206を標的材料204に照射
し始めたら、コンプレッサー218に接続されているバ
ルブ216を開けて、容器201内のガス(Krガス、
不純ガス)をコンプレッサー218に導入する。このと
き、容器201内の圧力が常に所定圧力になるように、
バルブ208とバルブ216の流量を調整する。コンプ
レッサー218の導出側から出たガスはバルブ219、
バルブ221を介してガス回収容器224内に回収され
る。回収容器224内は予めバルブ220、バルブ21
7を介して排気装置211により、十分な真空度(例え
ば、10 -3torr以下)まで排気され、その後、バルブ2
17、バルブ220は閉じられる。
【0028】回収容器224内に容器201からのガス
を回収し終わると、バルブ219、バルブ221を閉じ
て、回収容器224をフランジ222とフランジ223
で切り離し、新たな回収容器を取り付ける。回収容器2
24内に回収されたガスは、精製(再生)装置により不
純ガスが除去されてKrガスが再生される。このKrガ
スを別のボンベに充填して、再度Krガスの供給に使用
する。
【0029】このようにして、容器201から排出され
たガスを回収した後、Krガスを再生して再度Krガス
の供給に使用することにより、X線発生装置のランニン
グコストを低減することができる。
【0030】
【実施例3】本発明の第3実施例を図3に示す。真空容
器から排出されるガスには、Krガスの他に標的材料や
標的周辺部材から発生した不純ガス(例えば、H2 O,
CO2 など)も含まれる。この不純ガスの量はKrガス
量に比べると少なく、不純ガスによるX線吸収を無視で
きる場合(例えば、励起レーザーの繰り返し周波数が低
くて不純ガスの発生速度が低い場合など)がある。
【0031】このような場合には、実施例2のように、
真空容器から排出されたガスを回収した後、精製するの
ではなく、回収後そのまま数回繰り返して回収ガスを使
用することができる。Krガスは初め、ボンベ309a
に充填されている。真空容器301内を排気装置によっ
て排気した後、バルブ308aを開けてボンベ309a
から容器301内にKrガスを所定圧力になるまで供給
する。このとき、バルブ308b、バルブ316bは閉
じられ、バルブ316aは開かれている。
【0032】次に、バルブ318を開けて、コンプレッ
サー317により容器301内のガスをボンベ309b
に回収する。ボンベ309bは予め排気装置により真空
排気されている。バルブ308aとバルブ318の流量
は、容器301内の圧力が常に一定となるように制御装
置により制御する。ボンベ309aのKrガスを使いき
ったときには、バルブ308a,バルブ316aを閉
め、バルブ308b,バルブ316bを開けて、ボンベ
309bからKrガスを含む回収ガスを容器301内に
供給する。このとき、バルブ308bとバルブ318の
流量は、容器301内の圧力が常に一定となるように、
制御装置により制御する。このようにして、ボンベ30
9bから容器301内にKrガスを含む回収ガスを供給
し、容器301からのガスをボンベ309aに回収する
ことができる。
【0033】以上の動作を繰り返すことにより、Krガ
スを含むガスを繰り返して使用することができる。しか
し、前記の動作を繰り返しているうちに不純ガスの量が
次第に増大して、不純ガスによるX線の吸収が無視でき
なくなる。このときには、前記二つのボンベのうち、ど
ちらか一方のボンベにガスを回収した後、該ボンベを切
り離して新たなKrガスボンベを取り付ける。なお、回
収したガスからは、精製(再生)装置によりKrガスを
再生する。
【0034】このように、本実施例ではKrガスを含む
ガスを複数回繰り返して使用できるので、Krガスの消
費量を大幅に低減して、ランニングコストを大きく低減
することができる。
【0035】
【実施例4】本発明の第4実施例を図4に示す。実施例
2及び3では、真空容器からの排出ガスをそのまま回収
していたが、真空容器からの排出ガスからKrガスを再
生して回収する再生Krガス回収系と、回収した再生K
rガスを真空容器内に供給して前記飛散粒子の運動エネ
ルギー低減を可能とする再生Krガス供給系を設けれ
ば、さらにKrガス交換までの期間を延ばすことができ
る。
【0036】本実施例では、真空容器401とコンプレ
ッサー417の間に、不純ガスを凝集するための冷却ト
ラップ(再生Krガス回収系の一例)418を設けた。
冷却トラップ418の内部には、ガス凝集部の温度を所
定温度に設定できるように、冷媒貯蔵部とヒーターが備
えられており、冷媒貯蔵部には液体窒素が入れられてい
る。
【0037】例えば、バルブ408aを開いてボンベ4
09aからKrガスを容器401内に供給し、さらにバ
ルブ421を開いて容器401内のKrガスの圧力を1
0torrにして装置を動作させているとき(バルブ408
b,410,411,416b,419は閉じ、バルブ
420は開いている)、冷却トラップ418の温度を−
180°Cに設定すると、−180°CにおけるKrの
飽和蒸気圧が約40torrであるので、Krガスは冷却ト
ラップ418内に凝集されることなく、コンプレッサー
417を通って回収ボンベ409bに回収される。
【0038】一方、容器401内に発生した不純ガスの
うち、H2 OやCO2 は、飽和蒸気圧が−180°Cに
おいて、それぞれ10-11torr 以下( H2 O) 、10-5
torr程度(CO2 )であるので、容器401内のこれら
の不純ガスの分圧が前記圧力を越えると、これらの不純
ガスは冷却トラップ418内で凝集されて、回収ボンベ
内に回収されることはない。
【0039】従って、容器401からの排出ガスからK
rガスを再生してボンベ409bに回収できる。回収し
た再生Krガスは、ボンベ409aのKrガスを使い切
った後、容器401内に供給され、このときはボンベ4
09aが回収ボンベとなる(バルブ408a,410,
411,416a,419は閉じ、バルブ408b,4
16b,420,421は開いている)。
【0040】以上の動作を繰り返すことにより、再生K
rガスを繰り返して使用することができる。なお、この
方法では、冷却トラップ418の設定温度における飽和
蒸気圧が十分に低いガスに対しては、有効に除去するこ
とができる。しかし、飽和蒸気圧が高いガス(例えば、
2 ,N2 )に対しては、除去することができない。即
ち、−180°CにおけるO2 ,N2 の飽和蒸気圧は1
気圧以上であるので、冷却トラップ418によりO2
2 をトラップすることができない。
【0041】温度をさらに低下させると、前記飽和蒸気
圧は低下するが、冷却トラップ418の設定温度を−2
00°C以下にすることはできない。−200°C以下
における、Krの飽和蒸気圧は、容器401内のKrガ
ス圧である10torr以下になるので、Krガスも凝集し
て除去されるからである。従って、本実施例では、冷却
トラップの設定温度における飽和蒸気圧が容器401内
のKrガス圧に対して十分に低い不純ガスだけを除去す
ることができるが、冷却トラップを設けない場合に比べ
て、回収されたガス中における不純ガスの量を低減でき
るので、Krガスを交換するまでの期間を長くすること
ができる。
【0042】冷却トラップ418内に凝集された不純ガ
スは、バルブ421、バルブ420を閉めてトラップ部
の温度を室温に戻すと、凝集されていた不純ガスが気化
するので、バルブ419を開けて排気装置により排気す
ることでトラップ部から除去することができる(トラッ
プ部の再生)。本実施例では、トラップ部の温度を冷媒
(例えば、液体窒素)とヒーターにより制御している
が、この制御に限らず、トラップ部をKrガスを凝集さ
せずに不純ガスを凝集させることができる温度にできる
制御であれば他の方法でもよい。
【0043】また、本実施例では、冷却トラップにより
不純ガスを除去しているが、冷却トラップに限らず、不
純ガスを除去できるものであれば他のもの(例えば、ガ
スフィルター)でもよい。
【0044】
【実施例5】本発明の第5実施例を図5に示す。実施例
2〜4では、真空容器内ガスの排気と回収をコンプレッ
サーにより行っているが、排気系と回収系を別々に設け
てもよい。本実施例では、排気を冷却トラップにより行
っている。
【0045】冷却トラップ525内は予め、バルブ52
6を介して排気装置により真空排気されている。冷却ト
ラップ525には冷媒として液体窒素が入れられてお
り、バルブ516及びバルブ527は閉じられている。
バルブ508を開けてボンベ509から容器501内に
所定圧力(例えば、10torr) までKrガスを供給した
後、バルブ516を開ける。液体窒素温度(−196 °
C)におけるKrガスの飽和蒸気圧は約1.5torr である
ので、Krガスは冷却トラップ525内で凝集し、容器
501内からKrガスが排気される。なお、バルブ50
8とバルブ516の流量を調整して容器501内の圧力
を所定圧力に保持する。
【0046】ボンベ509内のKrガスを使いきったと
き、或いは、冷却トラップ525内の容量が一杯になっ
たときには、バルブ516を閉じて冷却トラップ内の温
度を室温に戻すことにより、冷却トラップ内に凝集して
いたKrが気化する。気化したKrガスは、バルブ52
7を開けてコンプレッサー(回収系)518により回収
容器524に回収する。
【0047】本実施例では、冷媒に液体窒素を用いた
が、これに限らず、Krガスを凝集できる温度まで冷却
できるものであれば他のもの(例えば、液体ヘリウム、
冷凍機など)で冷却してもよい。また、Krガスを凝集
させるトラップの前段にH2 OやCO2 等を凝集できる
温度に設定されたトラップを設ければ(複数個でもよ
い)、凝集されたKrにこれらの不純物が混じらなくな
るので、Krの純度を高めることができる。
【0048】さらに、冷却トラップ系を複数個並列に使
用すれば、一つの冷却トラップ系でKrガスを凝集させ
ているときに、別の冷却トラップ系に凝集済みのKrを
回収することができるので、X線発生装置の運転を停止
させることなく、連続運転が可能となるので好ましい。
なお、実施例4及び実施例5では、真空容器内のKrガ
ス圧が10torrの場合について説明したが、Krガ
ス圧は10torrに限らず任意圧力で良い。また、そ
の場合のトラップ温度は、前述の条件を満たすように、
適宜変えればよい。
【0049】
【発明の効果】以上のように、本発明(請求項1〜
によれば、飛散粒子阻止用薄膜やX線光学素子、X線被
照射物などへの飛散粒子の付着、堆積を低減又は防止し
て、その結果、長時間安定してX線発生装置を使用でき
る。また、本発明(請求項2)によれば、X線発生装置
のランニングコストを低減することができる。
【0050】 また、本発明(請求項3)によれば、X
線発生装置のランニングコストを大きく低減することが
できる。また、本発明(請求項4)によれば、X線発生
装置のランニングコストをさらに低減することができ
る。また、本発明(請求項5)によれば、回収されたガ
ス中における不純ガスの量を低減できるので、Krガス
を交換するまでの期間を長くすることができる。その結
果、X線発生装置のランニングコストを低減することが
できる。また、本発明(請求項6)によれば、従来のH
eと同程度の透過率を確保しつつ、Heよりも大きい飛
散粒子阻止効果を得ることができる。その結果、長時間
安定してX線発生装置を使用できる。また、本発明(請
求項7)によれば、KrガスのX線吸収によるX線の減
衰を抑制しつつ、大きい飛散粒子阻止効果を得ることが
できる。その結果、長時間安定してX線発生装置を使用
できる。
【図面の簡単な説明】
【図1】は、実施例1のX線発生装置の構成を示すブロ
ック図である。
【図2】は、実施例2のX線発生装置の構成を示すブロ
ック図である。
【図3】は、実施例3のX線発生装置の構成を示すブロ
ック図である。
【図4】は、実施例4のX線発生装置の構成を示すブロ
ック図である。
【図5】は、実施例5のX線発生装置の構成を示すブロ
ック図である。
【主要部分の符号の説明】
101,201,301,401,501 ・・・真空容器 102,202,302,402,502 ・・・レーザー導入窓 103,203,303,403,503 ・・・集光レンズ 104,204,304,404,504 ・・・標的材料(標的部材) 105,205,305,405,505 ・・・プラズマ 106,206,306,406,506 ・・・レーザー光(励起エネルギ
ービームの一例) 107,207,307,407,507 ・・・フランジ 108,208,308,408,508 ・・・バルブ 109,209,309,409,509 ・・・ボンベ 110,210,310,410,510 ・・・バルブ 111,211,511 ・・・真空排気装置 311,411 ・・・バルブ 112,212,312,412,512 ・・・飛散粒子阻止薄膜 113,213,313,413,513 ・・・レギュレーター 114,214,314,414,514 ・・・飛散粒子 115,215,315,415,515 ・・・圧力計 216,217,220,221 ・・・バルブ 218 ・・・コンプレッサー、222,223 ・・・フランジ、
224 ・・・回収容器 316 ・・・バルブ、317 ・・・コンプレッサー 416,419,420 ・・・バルブ、417 ・・・コンプレッサー 418 ・・・冷却トラップ 516,517,519,520,521,526,527 ・・・バルブ 525 ・・・冷却トラップ、518 ・・・コンプレッサー 522,523 ・・・フランジ、524 ・・・回収容器 以 上
───────────────────────────────────────────────────── フロントページの続き (56)参考文献 特開 平1−137543(JP,A) 特開 昭64−6349(JP,A) 特開 昭58−225636(JP,A) 特開 昭61−179046(JP,A) 特開 昭62−268048(JP,A) 特開 昭63−292553(JP,A) (58)調査した分野(Int.Cl.7,DB名) H05G 1/00 - 2/00

Claims (7)

    (57)【特許請求の範囲】
  1. 【請求項1】 真空容器内の標的部材をプラズマ化し、
    該プラズマから放出される波長13nm近傍のX線を取
    り出すX線発生装置において、 前記真空容器内にKrガスを供給して、前記X線と共に
    放出される飛散粒子及び前記標的部材から放出される飛
    散粒子の運動エネルギー低減を可能とするKrガス供給
    系を設けたことを特徴とするX線発生装置。
  2. 【請求項2】 前記真空容器からの排出ガスを回収する
    ガス回収系を設けたことを特徴とする請求項1記載のX
    線発生装置。
  3. 【請求項3】 前記真空容器からの排出ガスを回収する
    ガス回収系と、回収したガスを前記真空容器内に供給し
    て前記飛散粒子の運動エネルギー低減を可能とするガス
    供給系を設けたことを特徴とする請求項1記載のX線発
    生装置。
  4. 【請求項4】 前記真空容器からの排出ガスからKrガ
    スを再生して回収する再生Krガス回収系と、回収した
    再生Krガスを前記真空容器内に供給して前記飛散粒子
    の運動エネルギー低減を可能とする再生Krガス供給系
    を設けたことを特徴とする請求項1記載のX線発生装
    置。
  5. 【請求項5】 前記再生Krガス回収系が冷却トラップ
    を有することを特徴とする請求項4記載のX線発生装
    置。
  6. 【請求項6】 前記真空容器内のKr圧力をp(tor
    r)とし、前記プラズマとX線被照射物との間隔をl
    (cm)とするとき、pl<15であることを特徴とす
    る請求項1〜5のいずれかに記載のX線発生装置。
  7. 【請求項7】 前記真空容器内のKr圧力が0.01〜
    100torrであることを特徴とする請求項1〜6の
    いずれかに記載のX線発生装置。
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