JPH09237695A - X線発生装置 - Google Patents

X線発生装置

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JPH09237695A
JPH09237695A JP8042553A JP4255396A JPH09237695A JP H09237695 A JPH09237695 A JP H09237695A JP 8042553 A JP8042553 A JP 8042553A JP 4255396 A JP4255396 A JP 4255396A JP H09237695 A JPH09237695 A JP H09237695A
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JP
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plasma
ray
ray generator
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JP8042553A
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English (en)
Inventor
Noriaki Kamitaka
典明 神高
Hiroyuki Kondo
洋行 近藤
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Nikon Corp
Original Assignee
Nikon Corp
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Abstract

(57)【要約】 【課題】 飛散粒子を阻止するためにバッファガスを用
いるX線発生装置であり、X線の取り出し方向につい
て、不都合な飛散粒子の付着、堆積を低減して、その結
果、長時間安定して使用できるX線発生装置を提供する
こと。 【解決手段】 減圧された真空容器221内の標的部材
214に励起エネルギービームを211照射してプラズ
マ213を形成させ、該プラズマ213からX線212
を取り出すX線発生装置であり、前記標的部材214及
び/又は前記プラズマ213から放出される飛散粒子を
阻止するためにバッファガスを用いるX線発生装置にお
いて、前記励起エネルギービーム211が通過する開口
部Aと前記X線212が通過する別の開口部Bを有する
部材であり、前記標的部材214及び/又は前記プラズ
マ213から放出される飛散粒子を遮蔽する飛散粒子遮
蔽部材201を前記標的部材214及びプラズマ213
の近傍に設け、かつ、前記X線212を取り出す範囲に
相当する立体角領域Tに隣接または近接する飛散粒子阻
止部材202を設けたことを特徴とするX線発生装置。

Description

【発明の詳細な説明】
【0001】
【発明の属する技術分野】本発明は、X線露光装置、X
線顕微鏡、X線分析装置などのX線装置に用いられるX
線発生装置に関するものである。
【0002】
【従来の技術】レーザー光(励起エネルギービームの一
例)を減圧された真空容器内に置かれた標的部材に集光
して照射すると、標的部材は急速にプラズマ化し、この
プラズマから非常に輝度の高いX線が輻射(放出)され
る(X線を発生する)ことが知られている(例えば、こ
のようなX線発生源はLPX:Laser-Plasma X-raysour
ce と呼ばれる)。
【0003】X線の発生と共に、前記プラズマからは高
速の電子やイオン等の飛散粒子が、また前記標的部材か
らは部材材料の飛散粒子(例えば、ガス化した材料、イ
オン化した材料、材料小片など)が放出されて真空容器
内に飛散する(以下、これらをまとめて飛散粒子と呼
ぶ)。このような飛散粒子は、清浄光学面(例えば、X
線光学素子面)に衝突して、これらを破損したり、或い
は付着、堆積して機能や特性を低下させたり変化させる
ので、大きな問題であった。
【0004】この問題点を解決するために従来の方法で
は、X線源と清浄光学面との間に、X線透過性の高い物
質(例えば、Be)からなる薄膜(以下、飛散粒子阻止
用薄膜またはX線取り出しフィルターと呼ぶ)を設置し
て遮蔽することにより、飛散粒子が清浄光学面に到達し
ないようにしていた。その他の方法としては、真空容器
内にX線に対する透過率の高い低原子番号のガス(例え
ば、Heガス)を充填することにより、或いは該ガスの
ガス流を形成することにより、飛散粒子にガス分子を衝
突させて飛散粒子の阻止を図っていた(特開昭63-29255
3 参照)。
【0005】
【発明が解決しようとする課題】飛散粒子阻止用薄膜の
設置により、清浄光学面への飛散粒子の付着、堆積は防
げるが、そのかわり、飛散粒子阻止用薄膜上に飛散粒子
が付着、堆積するので、飛散粒子阻止用薄膜のX線透過
率が次第に低下する(X線取り出し方向における使用X
線強度が低下する)という問題点がある。
【0006】また、真空容器内にX線に対する透過率の
高い低原子番号のガス(バッファガス)を充填すること
により、或いは該ガスのガス流を形成することにより、
飛散粒子の阻止を図る方法では、必ずしも飛散粒子を有
効に阻止できるわけではないという問題点がある。例え
ば、標的部材がタンタルである場合に、十分に排気され
た(圧力10Pa以下)真空容器内では、飛散粒子は標
的部材表面の法線方向に多く分布する。そして、真空容
器内に飛散粒子阻止用のバッファガスを導入すると、飛
散粒子が多く放出される方向については、ガス分子によ
る散乱のために飛散粒子は減少するが、散乱した飛散粒
子はガス導入前には飛散粒子の放出が少なかった方向に
も飛散する。
【0007】そのため、飛散粒子を阻止するためにバッ
ファガスを使用すると、飛散粒子の放出方向の分布が均
一化される。このことは、飛散粒子の放出が少ない方向
については、飛散粒子の放出が多い方向と比較してガス
導入の効果が小さいか、むしろ逆効果となることを示し
ている。X線の取り出しは、飛散粒子の放出が少ない方
向において行うのが一般的であり、飛散粒子の放出が少
ないX線の取り出し方向について、ガス導入の効果が小
さいか、むしろ逆効果となることは大きな問題点であ
る。
【0008】特に、プラズマ近傍に飛散粒子の放出量の
方向分布を制御する飛散粒子制御部材であり、前記X線
を取り出す方向への飛散粒子の放出量を低減させる飛散
粒子制御部材を設ける場合に、X線の取り出し方向につ
いて、ガス導入の効果が小さいか、むしろ逆効果となる
ことは大きな問題点である。本発明は、かかる問題点に
鑑みてなされたもので、飛散粒子を阻止するためにバッ
ファガスを用いるX線発生装置であり、X線の取り出し
方向について、不都合な飛散粒子の付着、堆積を低減し
て、その結果、長時間安定して使用できるX線発生装置
を提供することを目的とする。
【0009】
【課題を解決する為の手段】そのため、本発明は第一に
「減圧された真空容器内の標的部材に励起エネルギービ
ームを照射してプラズマを形成させ、該プラズマからX
線を取り出すX線発生装置であり、前記標的部材及び/
又は前記プラズマから放出される飛散粒子を阻止するた
めにバッファガスを用いるX線発生装置において、前記
励起エネルギービームが通過する開口部と前記X線が通
過する別の開口部を有する部材であり、前記標的部材及
び/又は前記プラズマから放出される飛散粒子を遮蔽す
る飛散粒子遮蔽部材を前記標的部材及びプラズマの近傍
に設け、かつ、前記X線を取り出す範囲に相当する立体
角領域に隣接または近接する飛散粒子阻止部材を設けた
ことを特徴とするX線発生装置(請求項1)」を提供す
る。
【0010】また、本発明は第二に「減圧された真空容
器内の標的部材に励起エネルギービームを照射してプラ
ズマを形成させ、該プラズマからX線を取り出すX線発
生装置であり、前記標的部材及び/又は前記プラズマか
ら放出される飛散粒子を阻止するためにバッファガスを
用いるX線発生装置において、前記励起エネルギービー
ムが通過する開口部と前記X線が通過する別の開口部を
有する部材であり、前記標的部材及び/又は前記プラズ
マから放出される飛散粒子を遮蔽する飛散粒子遮蔽部材
を前記標的部材及びプラズマの近傍に設け、かつ、前記
X線を取り出す範囲に相当する立体角領域内に飛散粒子
阻止部材を設けたことを特徴とするX線発生装置(請求
項2)」を提供する。
【0011】また、本発明は第三に「前記飛散粒子遮蔽
部材は、前記飛散粒子の全放出範囲または略全ての放出
範囲を覆う形状を有することを特徴とする請求項1また
は2記載のX線発生装置(請求項3)」を提供する。ま
た、本発明は第四に「前記飛散粒子遮蔽部材に排気用の
開口部を設けたことを特徴とする請求項1〜3記載のX
線発生装置(請求項4)」を提供する。
【0012】また、本発明は第五に「前記飛散粒子遮蔽
部材にガス導入用の開口部を設けたことを特徴とする請
求項1〜4記載のX線発生装置(請求項5)」を提供す
る。また、本発明は第六に「前記標的部材及び/又は前
記プラズマから放出される飛散粒子の放出量の方向分布
を制御する飛散粒子制御部材であり、前記X線を取り出
す方向への飛散粒子の放出量を低減させる飛散粒子制御
部材をさらに設けたことを特徴とする請求項1〜5記載
のX線発生装置(請求項6)」を提供する。
【0013】また、本発明は第七に「前記飛散粒子阻止
部材を冷却する冷却手段をさらに設けたことを特徴とす
る請求項1〜6記載のX線発生装置(請求項7)」を提
供する。
【0014】
【作用】本発明のX線発生装置においては、標的部材及
び/又はプラズマから放出される飛散粒子を遮蔽する飛
散粒子遮蔽部材を標的部材及びプラズマの近傍に設け、
かつ該飛散粒子遮蔽部材に励起エネルギービームが通過
する開口部とX線が通過する別の開口部を設けている。
【0015】そのため、X線源から発生するX線の強度
を減少させることなく、不都合な方向(飛散粒子阻止用
薄膜に向かう方向や清浄光学面へ向かう方向など)への
飛散粒子の放出量を低減させて、不都合な飛散粒子の付
着、堆積(飛散粒子阻止用薄膜や清浄光学面などへの付
着、堆積)を低減できる。さらに、本発明のX線発生装
置においては、X線を取り出す範囲に相当する立体角領
域の外側(隣接もしくは近接する領域)または内側に位
置する飛散粒子阻止部材を設けている。
【0016】そのため、X線の取り出し方向について、
不都合な飛散粒子の付着、堆積(飛散粒子阻止用薄膜や
清浄光学面などへの付着、堆積)を低減できる。従っ
て、本発明のX線発生装置によれば、長時間安定してX
線発生装置を使用できる(請求項1、2)。図1に本発
明のX線発生装置(一例)にかかる各部材の配置を示
す。
【0017】励起エネルギービーム111は、飛散粒子
遮蔽部材101に設けた開口部Aを通って標的部材11
4に向かい、またプラズマ113から発生したX線11
2は、飛散粒子遮蔽部材101に設けた別の開口部Bを
通ってX線取り出し方向に向かう。従って、X線源(プ
ラズマ)から発生するX線の強度が減少することはな
い。
【0018】標的部材114及び/又はプラズマ113
から放出された飛散粒子の殆どは、飛散粒子遮蔽部材1
01に衝突して反射、散乱される。これらの反射、散乱
された飛散粒子は、飛散粒子遮蔽部材101に設けた開
口部Bに向かう飛散粒子に衝突して、その飛散方向を変
化させる。そのため、本来、開口部Bを通過するはずの
飛散粒子は、開口部Bを通過できないことになる。
【0019】また、反射、散乱された飛散粒子、開口部
Bに向かう飛散粒子に衝突した後の飛散粒子や微粒子が
開口部Bを通過する確率は極めて小さい。飛散粒子遮蔽
部材101内で散乱を受けずに開口部Bを通過して、プ
ラズマ113からX線取り出し窓(清浄光学面の一例)
123を見込む立体角領域T内に飛びだした飛散粒子
は、飛散粒子阻止部材102の内部でバッファガスによ
る散乱を受ける。そして、散乱の結果、立体角領域T内
だけを通過しながらX線取り出し窓123に到達する粒
子は極めて少ない。
【0020】飛散粒子阻止部材102の内部の構造は、
立体角領域Tから外に飛びだした飛散粒子を効果的に阻
止するような形状を有しているので、X線取り出し窓1
23に付着・堆積する飛散粒子を効果的に低減すること
ができる。本発明にかかる飛散粒子阻止部材は、領域T
の外に出た飛散粒子が再度領域T内に進入するのを阻止
できる形状を有すればよく、部材102のような開孔付
きの板状の物に限定されるわけではない。
【0021】また、厳密には取り出すX線光量が低下す
ることになるが、X線を取り出す範囲に相当する立体角
領域T内に飛散粒子阻止部材を設けても、前記の効果が
得られる。例えば、立体角領域内にあるX線の光路上に
非常に薄い板を光路に沿って設ける場合である。なお、
プラズマ113からX線取り出し窓123を見込む立体
角領域T外に向かって放出された飛散粒子は、部材10
2がX線の入射する孔部分を除いて完全に気密性を保っ
ている場合には部材の内部に侵入することはできないた
め、部材101が配置されていない場合でも、散乱によ
ってX線取り出し窓123に到達することはない。
【0022】しかし、部材102の外側の空間といえど
も、飛散粒子の密度は低く抑え、真空容器内の飛散粒子
による汚れを防ぐことが望ましい。また、厳密な気密性
を達成するよりも、部材101によって部材102の外
側の空間の飛散粒子密度を十分に下げ、部材102には
厳密な気密性を要求しないほうが、これらの部材の製作
と配置の調整にあたっては容易である。
【0023】飛散粒子の遮蔽を確実に行うために、飛散
粒子遮蔽部材は、飛散粒子の全放出範囲または略全ての
放出範囲を覆う形状にすることが好ましい(請求項
3)。例えば、ドーム形状や箱型形状が好ましい。標的
部材等からの飛散粒子が増大して、標的部材と飛散粒子
遮蔽部材との間の真空度が悪くなることがあり、これは
励起エネルギー光(例えば、パルスレーザー光)の繰り
返し周波数が高くなるにつれて顕著となる。
【0024】標的部材と飛散粒子遮蔽部材との間の真空
度が悪くなると、励起エネルギー光が標的部材に到達す
る前にブレークダウンしたり、またプラズマから放出さ
れるX線が吸収されて、使用する(取り出す)X線強度
が低下するという問題が発生する。従って、飛散粒子遮
蔽部材に排気用の開口部を設けることが好ましい(請求
項4)。排気用の開口部に排気装置からの配管を接続し
て、標的部材と飛散粒子遮蔽部材との間の空間を排気す
れば、前記真空度の悪化を防ぐことができるので、X線
強度の低下も防ぐことができる。
【0025】なお、励起エネルギービームが通過する開
口部またはX線が通過する別の開口部を排気用の開口部
として兼用してもよい。また、飛散粒子遮蔽部材にガス
導入用の開口部を設けることが好ましい(請求項5)。
ガス導入用の開口部に真空容器外のガスボンベからの配
管を接続して、標的部材と飛散粒子遮蔽部材との間の空
間にガスを導入すれば、ガスにより飛散粒子を前記空間
外に排出して、前記真空度の悪化を防ぐことができるの
で、X線強度の低下も防ぐことができる。
【0026】なお、前記空間外に排出されたガス及び飛
散粒子は、真空容器全体を排気する排気装置により、或
いは前記排気用の開口部に接続した排気装置により真空
容器外に排出される。導入するガスは、利用する(取り
出す)波長のX線に対する吸収が少ないものが好まし
く、例えば、ヘリウム、酸素、チッ素、空気、アルゴ
ン、クリプトンなどのガスのうちから、利用するX線に
対する吸収が少ないものを選択して導入すればよい。
【0027】ガスの導入量は、標的部材と飛散粒子遮蔽
部材との間の空間における、導入ガスによるX線吸収量
が問題とならない程度にすることが好ましい。飛散粒子
の放出量の方向分布を制御する飛散粒子制御部材であ
り、X線を取り出す方向への飛散粒子の放出量を低減さ
せる飛散粒子制御部材をさらに設けると、X線の取り出
し方向における飛散粒子阻止効果が増大するので好まし
い(請求項6)。
【0028】かかる飛散粒子制御部材に用いる材料とし
ては、例えば、タンタル、タングステン、ダイヤモン
ド、セラミック、ステンレスなどの高融点、又は高硬度
の材料が好ましい。これは、飛散粒子制御部材がプラズ
マに非常に近接した位置に配置されるので、プラズマか
ら飛来するイオンや電子の該部材表面への衝突による該
部材材料の放出を防止するためである。即ち、該部材材
料の放出があると飛散粒子と同様に不都合な付着、堆積
が生じるので、これを防止するのである。
【0029】本発明にかかる飛散粒子阻止部材を冷却す
る冷却手段をさらに設けると、該部材が飛散粒子を吸着
しやすくなって、阻止効果が増大するので好ましい(請
求項7)。或いは、飛散粒子を吸着しやすいように、飛
散粒子阻止部材の表面を加工(例えば、つや消し加工)
することも好ましい。本発明にかかる標的部材の形状
は、巻き取り可能なテープ状が特に好ましいが板状、バ
ルク状、円柱状でもよい。また、標的部材の材料は、T
a,Wなどが好ましい。
【0030】以下、本発明を実施例により更に詳細に説
明するが、本発明はこれらの実施例に限定されるもので
はない。
【0031】
【実施例】図2に標的部材214としてテープ状のタン
タルを用い、波長13nmのX線を利用する本実施例の
X線発生装置の部分構成図を示す。YAGレーザー光
(励起エネルギービームの一例)211が集光レンズ2
24により集光され、入射窓222を透過した後、真空
容器221内に配置されたタンタルターゲット214の
表面に集光される。
【0032】タンタルターゲット214は厚さ15μm
のテープ形状であり、テープ上の同じ位置にレーザー光
が繰り返し集光されることのないように、プラズマ発生
時には、駆動手段(例えば、モーター、不図示)によ
り、リール215を回転させてタンタルテープを巻き取
っている。タンタルテープの移動速度は、一つのプラズ
マが生成されてから次のプラズマを生成するためのレー
ザー光が入射するまでに、プラズマ発生に伴ってタンタ
ルテープに生ずる孔の直径に相当する距離以上にテープ
が移動する速度である。
【0033】YAGレーザー211は、タンタルテープ
ターゲット214上に45度の入射角で入射、集光さ
れ、生成したプラズマ213から発生したX線212
は、YAGレーザー211とは反対側の45度の方向に
設けられたX線取り出し窓223からX線光学系へと導
かれる。プラズマ213の近傍には、ターゲット214
に入射するYAGレーザー211が通過する開口Aと取
り出すX線212が通過する開口Bを有する飛散粒子遮
蔽部材201が配置されている。
【0034】部材201の開口BからX線取り出し窓2
23付近にかけては、飛散粒子阻止部材202が配置さ
れている。部材202は、プラズマ213からX線取り
出し窓223を見込む立体角の領域Tを遮らないように
孔の開いた板241,242,243を複数配置した形
状を有している。真空容器221には、バッファガスと
してKrガスが0.1torrの圧力で充填されている。Kr
ガスは、波長13nmのX線に対して、同じ圧力のHe
と同程度の透過率を有する。
【0035】本実施例のX線装置では、YAGレーザー
211が入射する方向と、取り出すX線212の方向に
それぞれ飛び出す飛散粒子以外の飛散粒子が部材201
により遮蔽される。そのため、充填されたガスとの散乱
により、真空容器内に拡散する飛散粒子量を低減し、X
線取り出し窓223に到達する飛散粒子を低減すること
ができる。加えて、飛散粒子による真空容器内の汚染を
軽減することができる。
【0036】また、部材202は、X線の取り出し方向
に飛び出した飛散粒子のうち、真空容器内に充填された
Krガス分子との散乱により孔を有する板状の部分24
1,242,243を通過できないものを阻止して、X
線取り出し窓223に到達する飛散粒子量を減少させ
る。さらに、部材202の外殻を形成している部分は、
真空容器内(部材202の外側)に拡散した飛散粒子が
X線取り出し窓223に到達するのを妨げることができ
る。
【0037】バッファガスとして充填したKrガスは、
Heガスなどの質量数の小さい元素のガスに比べると、
非常に効果的に飛散粒子を散乱させることができる。本
実施例では、標的部材表面へのYAGレーザーの入射角
と、X線の取り出し角をいずれも45度としたが、この
角度に限定されるものではない。本実施例では飛散粒子
阻止部材として、部材202のような形状のものを用い
たが、図3に示すようなコーン状の部材341を配置す
ることによっても同様の効果が得られる(第2実施
例)。
【0038】また、飛散粒子遮蔽部材401、501に
より真空容器内に拡散する飛散粒子量を十分に低減した
上で、図4に示すように、X線が通過する領域に孔の開
いた形状を有する板を一枚あるいは複数枚配置したり
(第3実施例)、図5に示すように、コーン状の部材を
一つあるいは複数配置する(第4実施例)ことによって
も同様の効果が得られる。
【0039】本実施例のX線装置によれば、X線の取り
出し方向について、不都合な飛散粒子の付着、堆積(飛
散粒子阻止用薄膜や清浄光学面などへの付着、堆積)を
低減できる。即ち、本発明のX線発生装置によれば、長
時間安定してX線発生装置を使用できる。
【0040】
【発明の効果】本発明のX線発生装置によれば、X線の
取り出し方向について、不都合な飛散粒子の付着、堆積
(飛散粒子阻止用薄膜や清浄光学面などへの付着、堆
積)を低減できるので、その結果、長時間安定してX線
発生装置を使用できる。
【図面の簡単な説明】
【図1】は、本発明のX線発生装置(一例)にかかる各
部材の配置を示す図である。
【図2】は、第1実施例のX線発生装置の概略構成図で
ある。
【図3】は、第2実施例のX線発生装置の概略構成図で
ある。
【図4】は、第3実施例のX線発生装置の概略構成図で
ある。
【図5】は、第4実施例のX線発生装置の概略構成図で
ある。
【主要部分の符号の説明】
101,201,301,401,501 飛散粒子遮
蔽部材 102,202 飛散粒子阻
止部材 111,211,311,411,511 YAGレー
ザー光(励起エネルギービームの一例) 112,212,312,412,512 取り出すX
線 113,213,313,413,513 プラズマ 114,214,314,414,514 ターゲット
(標的部材) 123,223,323,423,523 X線取り出
し窓(清浄光学面の一例) 215,315,415,515 リール 221,321,421,521 真空容器 222,322,422,522 YAGレー
ザー光入射窓 224,324,424,524 集光レンズ 241,242,243 開孔を有す
る板状部材(飛散粒子阻止部材202を構成する部材) 441,442,443,444 開孔を有す
る板状部材 341,541,542,543 コーン状部
材 A YAGレーザー光が通過する開口 B 取り出すX線が通過する開口 T 取り出すX線が通過する領域(立体角領域) 以 上

Claims (7)

    【特許請求の範囲】
  1. 【請求項1】 減圧された真空容器内の標的部材に励起
    エネルギービームを照射してプラズマを形成させ、該プ
    ラズマからX線を取り出すX線発生装置であり、前記標
    的部材及び/又は前記プラズマから放出される飛散粒子
    を阻止するためにバッファガスを用いるX線発生装置に
    おいて、 前記励起エネルギービームが通過する開口部と前記X線
    が通過する別の開口部を有する部材であり、前記標的部
    材及び/又は前記プラズマから放出される飛散粒子を遮
    蔽する飛散粒子遮蔽部材を前記標的部材及びプラズマの
    近傍に設け、かつ、前記X線を取り出す範囲に相当する
    立体角領域に隣接または近接する飛散粒子阻止部材を設
    けたことを特徴とするX線発生装置。
  2. 【請求項2】 減圧された真空容器内の標的部材に励起
    エネルギービームを照射してプラズマを形成させ、該プ
    ラズマからX線を取り出すX線発生装置であり、前記標
    的部材及び/又は前記プラズマから放出される飛散粒子
    を阻止するためにバッファガスを用いるX線発生装置に
    おいて、 前記励起エネルギービームが通過する開口部と前記X線
    が通過する別の開口部を有する部材であり、前記標的部
    材及び/又は前記プラズマから放出される飛散粒子を遮
    蔽する飛散粒子遮蔽部材を前記標的部材及びプラズマの
    近傍に設け、かつ、前記X線を取り出す範囲に相当する
    立体角領域内に飛散粒子阻止部材を設けたことを特徴と
    するX線発生装置。
  3. 【請求項3】 前記飛散粒子遮蔽部材は、前記飛散粒子
    の全放出範囲または略全ての放出範囲を覆う形状を有す
    ることを特徴とする請求項1または2記載のX線発生装
    置。
  4. 【請求項4】 前記飛散粒子遮蔽部材に排気用の開口部
    を設けたことを特徴とする請求項1〜3記載のX線発生
    装置。
  5. 【請求項5】 前記飛散粒子遮蔽部材にガス導入用の開
    口部を設けたことを特徴とする請求項1〜4記載のX線
    発生装置。
  6. 【請求項6】 前記標的部材及び/又は前記プラズマか
    ら放出される飛散粒子の放出量の方向分布を制御する飛
    散粒子制御部材であり、前記X線を取り出す方向への飛
    散粒子の放出量を低減させる飛散粒子制御部材をさらに
    設けたことを特徴とする請求項1〜5記載のX線発生装
    置。
  7. 【請求項7】 前記飛散粒子阻止部材を冷却する冷却手
    段をさらに設けたことを特徴とする請求項1〜6記載の
    X線発生装置。
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* Cited by examiner, † Cited by third party
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USRE43036E1 (en) 1998-02-19 2011-12-20 Asml Netherlands B.V. Filter for extreme ultraviolet lithography
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