JP3479995B2 - ニトリル基含有高飽和共重合体ゴムラテックスの製造方法 - Google Patents

ニトリル基含有高飽和共重合体ゴムラテックスの製造方法

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Description

【発明の詳細な説明】
【0001】
【産業上の利用分野】本発明は、ラテックス状態のニト
リル基含有不飽和共重合体ゴムの炭素−炭素二重結合
を、水素化触媒の存在下、水素により選択的に水素化し
てニトリル基含有高飽和共重合体ゴムラテックスを製造
する方法に関し、さらに詳しくは、実質的に非溶媒系で
水素化反応を行い、水素化反応後もラテックス状態を保
持したニトリル基含有高飽和共重合体ゴムラテックスの
製造方法に関する。
【0002】
【従来の技術】従来、アクリロニトリル−ブタジエン共
重合体ゴム(NBR)などのニトリル基含有不飽和共重
合体ゴムの炭素−炭素二重結合を選択的に水素化する方
法としては、一般に、該共重合体ゴムの有機溶媒溶液
に、水素化触媒を添加し、水素により選択的に水素化す
る方法が採用されてきた。ところが、ニトリル基含有不
飽和共重合体ゴムは、乳化重合法により水性エマルジョ
ン(ラテックス)として得られることが多く、しかも水
素化反応により得られた飽和共重合体についても、ラテ
ックスとして使用することが多い。
【0003】そこで、最近、ラテックス状態のニトリル
基含有不飽和共重合体ゴムの炭素−炭素二重結合を、ラ
テックス状態を保持したまま、選択的に水素化する方法
について、各種の提案がなされている(例えば、特開昭
59−115303号、特開昭59−133219号、
米国特許第3,898,208号、特開平2−1783
05号など)。
【0004】ところが、従来提案されているラテックス
状態での水素化方法では、水素化反応を均一かつ効率よ
く行うために、ニトリル基含有不飽和共重合体ゴムを有
機溶媒により溶解または膨潤させている。具体的には、
反応系に、該不飽和共重合体ゴムを溶解ないしは膨潤さ
せる溶媒または水素化触媒溶液を添加してから、水素化
反応を行っている。したがって、水素化反応終了後に
は、有機溶媒の回収工程が必要となる。
【0005】また、特開昭59−161415号には、
ヒドラジンと過酸化水素水を用いてニトリル基含有不飽
和共重合体ゴムの炭素−炭素二重結合を水素化する方法
が提案されている。この方法では、有機溶媒は使用しな
いもののヒドラジンを水素発生源とするため、水素ガス
より高価であるばかりでなく、発癌性物質であるという
問題がある。
【0006】
【発明が解決しようとする課題】本発明の目的は、ラテ
ックス状態でニトリル基含有不飽和共重合体ゴムの炭素
−炭素二重結合を、実質的に非溶媒系で、選択的に水素
化するとともに、水素化反応後もラテックス状態を保持
することができるニトリル基含有高飽和共重合体ゴムの
製造方法を提供することにある。
【0007】本発明者等は、この目的を達成すべく鋭意
検討の結果、水素化触媒として、パラジウム化合物を用
いるとともに、酸の共存下にパラジウム化合物の水溶液
を調製し、得られた触媒水溶液をラテックス状態のニト
リル基含有不飽和共重合体ゴムに添加して、水素ガスに
より水素化反応を行うと、有機溶媒を使用することな
く、該不飽和共重合体ゴムの炭素−炭素二重結合を効率
よく選択的に水素化することができ、高飽和共重合体ゴ
ムラテックスの得られることを見出した。本発明は、こ
の知見に基づいて完成するに到ったものである。
【0008】
【課題を解決するための手段】かくして、本発明によれ
ば、ラテックス状態のニトリル基含有不飽和共重合体ゴ
ムを、水素化触媒の存在下、水素と反応させて、該共重
合体ゴム中の炭素−炭素二重結合を選択的に水素化する
に当たり、水素化触媒としてパラジウム化合物を使用
し、かつ、パラジウム化合物のパラジウム元素に対して
0.5〜10倍モルの酸を添加して調製した触媒水溶液
を該共重合体ゴムラテックスに添加して、水素ガスによ
り水素化反応を行うことを特徴とするニトリル基含有高
飽和共重合体ゴムラテックスの製造方法が提供される。
【0009】以下、本発明について詳述する。 (ニトリル基含有不飽和共重合体ゴム)本発明で用いら
れるニトリル基含有不飽和共重合体ゴムは、共役ジエン
とα、β−不飽和ニトリルとの共重合体が代表的なもの
であり、他にこれらと共重合可能なエチレン性不飽和単
量体を共重合成分として含む共重合体であってもよい。
これらの共重合体は、通常、乳化重合法によりラテック
ス状態で得られるものである。各単量体の構成比は、通
常、共役ジエン単量体単位30〜90重量、α、β−不
飽和ニトリル単量体単位10〜50重量部、エチレン性
不飽和単量体単位0〜20重量部である。
【0010】共役ジエンとしては、特に制限されない
が、その具体例として、1,3−ブタジエン、イソプレ
ン、2、3−ジメチルブタジエン、1、3−ペンタジエ
ン、ハロゲン置換ブタジエン等の脂肪族共役ジエンを挙
げることができる。これらの共役ジエンは、それぞれ単
独で用いてもよく、二種以上を併用してもよい。α、β
−不飽和ニトリルとしては、ニトリル基及び重合可能な
不飽和結合を有するものであればよいが、その具体例と
しては、アクリロニトリル、メタクリロニトリルなどを
挙げることができる。
【0011】エチレン性不飽和単量体としては、例え
ば、アクリル酸、メタクリル酸、イタコン酸、マレイン
酸等の不飽和カルボン酸、及びその塩;(メタ)アクリ
ル酸メチル、(メタ)アクリル酸エチル、(メタ)アク
リル酸ブチル、(メタ)アクリル酸2−エチルヘキシ
ル、(メタ)アクリル酸トリフルオロエチル、(メタ)
アクリル酸テトラフルオロプロピル、イタコン酸エチ
ル、イタコン酸ジ−n−ブチル、フマル酸ブチル、マレ
イン酸ブチル、(メタ)アクリル酸メトキシメチル、
(メタ)アクリル酸エトキシエチル、(メタ)アクリル
酸メトキシエトキシエチル等の不飽和カルボン酸エステ
ル;(メタ)アクリルアミド、N−メチロール(メタ)
アクリルアミド、N,N′−ジメチロール(メタ)アク
リルアミド、N−エトキシメタル(メタ)アクリルアミ
ド等のN−置換(メタ)アクリルアミド;(メタ)アク
リル酸シアノメチル、(メタ)アクリル酸2−シアノエ
チル、(メタ)アクリル酸1−シアノプロピル、(メ
タ)アクリル酸2−エチル−6−シアノヘキシル、(メ
タ)アクリル酸3−シアノプロル等の(メタ)アクリル
酸シアノアルキルエステル;フルオロエチルビニルエー
テル等のフルオロアルキルビニルエーテル;ビニルピリ
ジンなどが挙げられる。また、本発明において、ビニル
ノルボルネン、ジシクロペンタジエン、1、4−ヘキサ
ジエン等の非共役ジエンもエチレン性不飽和単量体とし
て使用することができる。
【0012】さらに、共重合可能な単量体として、例え
ば、N−(4−アニリノフェニル)(メタ)アクリルア
ミド、N−(4−アニリノフェニル)シンナムアミド、
N−(4−アニリノフェニル)クロトンアミド、N−
(4−アニリノフェニル)アミノ−2−ヒドロキシプロ
ピル(メタ)アリルエーテル、(メタ)アクリル酸−5
−N−(4−アニリノフェニル)アミノ−2−ヒドロキ
シベンチル、(メタ)アクリル酸−2−N−(4−アニ
リノフェニル)アミノエチル、N−〔4−(メチルアミ
ノ)フェニル〕(メタ)アクリルアミド、N−(4−ア
ニリノフェニル)マレインイミド、N−〔4−(メチル
アニリノ)フェニル〕マレインイミド、N−フェニル−
4−(3−ビニルベンジルオキシ)アニリン、N−フェ
ニル−4−(4−ビニルベンジルオキシ)アニリン等の
共重合性老化防止剤を共重合させることもできる。
【0013】本発明で使用するニトリル基含有不飽和共
重合体ゴムの具体例としては、例えば、ブタジエン−ア
クリロニトリル共重合体ゴム、イソプレン−ブタジエン
−アクリロニトリル共重合体ゴム、イソプレン−アクリ
ロニトリル共重合体ゴム、ブタジエン−アクリル酸メチ
ル−アクリロニトリル共重合体ゴム、ブタジエン−アク
リル酸−アクリロニトリル共重合体ゴム、ブタジエン−
エチレン−アクリロニトリル共重合体ゴム、アクリル酸
ブチル−アクリル酸エトキシエチル−ビニルノルボルネ
ン−アクリロニトリル共重合体ゴムなどが挙げられる。
【0014】上記単量体を乳化重合する方法は、従来の
公知の方法を採用すればよい。すなわち、乳化重合の方
法は、回分式、半回分式、連続式のいずれでもよく、重
合温度や圧力も制限されない。重合時に使用する乳化剤
も、特に制限されず、アニオン性界面活性剤、カチオン
性界面活性剤、ノニオン性界面活性剤、両性界面活性剤
などを使用できるが、なかでもアニオン性界面活性剤が
好ましい。これらの乳化剤は、それぞれ単独で使用する
か、あるいは二種以上を併用してもよい。その使用量
は、特に制限されないが、水素化反応の前後で実質的に
同一の平均粒子径を有するラテックスを得るには、20
重量%以下の濃度が好ましい。なお、水素化反応を行う
際に、高濃度のラテックスを水で希釈して、濃度調節を
行うこともできる。また、重合開始剤、分子量調整剤等
も、通常使用されているものでよい。
【0015】(水素化触媒) 本発明で使用される水素化触媒のパラジウム化合物とし
ては、例えば、ギ酸、酢酸、プロピオン酸、ラウリン
酸、コハク酸、ステアリン酸、オレイン酸、フタル酸、
安息香酸等のカルボン酸のパラジウム塩;塩化パラジウ
ム、ジクロロ(シクロオクタジエン)パラジウム、ジク
ロロ(ノルボルナジエン)パラジウム、ジクロロビス
(トリフェニルホスフィン)パラジウム、テトラクロロ
パラジウム酸ナトリウム、ヘキサクロロパラジウム酸ア
ンモニウム等のパラジウム化合物の塩素化物;臭化パラ
ジウム;ヨウ化パラジウム;硝酸パラジウム、硫酸パラ
ジウム、テトラシアノパラジウム酸カリウム等の無機の
化合物や錯塩;等を挙げることができる。これらの中で
も、カルボン酸のパラジウム塩、硝酸パラジウム、硫酸
パラジウム、塩化パラジウム、テトラクロロパラジウム
酸ナトリウム、ヘキサクロロパラジウム酸アンモニウム
等が好適であり、特に、カルボン酸のパラジウム塩が好
ましい。
【0016】本発明では、パラジウム化合物を水に溶解
ないしは分散させた水溶液として使用するが、触媒活性
を高めるために、酸を共存させる。酸の具体例として
は、例えば、硝酸、硫酸、塩酸などの無機の強酸、燐
酸、酢酸などの有機酸が挙げられる。触媒活性を大幅に
向上させるには、無機の強酸が好ましい。これらの酸
は、パラジウム化合物のパラジウム元素に対して、通常
0.5〜10倍モル、好ましくは1〜5倍モルの範囲で
使用する。具体的には、パラジウム化合物の水溶液を作
成する際に、これらの酸を添加することにより、触媒水
溶液を調製する。触媒水溶液の安定性を維持する目的
で、分散剤、コロイド保護剤を添加することも可能であ
る。パラジウム化合物の使用量は、ニトリル基含有不飽
和共重合体ゴムの種類や目的とする水素化率等に応じて
適宜定めることができるが、通常、ニトリル基含有不飽
和共重合体ゴム当たり5〜6000ppm、好ましくは
10〜4000ppmの範囲である。
【0017】(水素化反応条件)本発明において、ニト
リル基含有高飽和共重合体ゴムラテックスは、ニトリル
基含有不飽和共重合体ゴムラテックスを、水素化触媒の
存在下、ラテックス状態で水素化反応を行うことによ
り、ニトリル基含有不飽和共重合体中の炭素−炭素二重
結合を選択的に水素化することによって得られる。水素
化触媒としては、前記パラジウム化合物と酸とを含む触
媒水溶液を使用し、これを該ラテックスに添加する。添
加方法は、特に限定されない。ラテックスと触媒水溶液
とを単に混合してもよい。
【0018】水素化反応温度は、通常20〜150℃、
好ましくは30〜100℃である。水素化反応温度が高
過ぎると、ニトリル基の水素化等の副反応が起こり、望
ましくない。水素源としては、水素ガスを使用し、ラテ
ックス状態のニトリル基含有不飽和共重合体ゴムと接触
させる。水素圧は、通常大気圧〜150kg/cm2
好ましくは5〜100kg/cm2の範囲で操作するの
がよい。それ以上の高圧でも構わないが、設備費が高価
になるため、可能な限り低圧で操作することが望まし
い。水素化反応終了後、反応系にイオン交換樹脂等を添
加して触媒を吸着後、遠心分離法、濾過等の方法を用い
て触媒を除去することができる。
【0019】(ニトリル基含有高飽和共重合体ゴムラテ
ックス)不飽和の指標としてヨウ素価を用いると、本発
明の製造方法により得られるニトリル基含有高飽和共重
合体ゴムのヨウ素価は、120以下であることが好まし
い。ヨウ素価が高過ぎると、当該ゴムの耐熱性や耐オゾ
ン性等の特性が損なわれる。
【0020】水素化反応により得られたニトリル基含有
高飽和共重合体ゴムラテックスは、水素化反応後、必要
に応じて濃縮することができる。濃縮方法としては、ロ
ータリーエバポレータ、スプレー蒸発法、高速遠心分離
機法等の通常の方法が採用できる。多くの用途におい
て、固形分濃度は、通常30〜70重量%の範囲に調節
する。
【0021】
【実施例】以下に実施例及び比較例を挙げて本発明をさ
らに具体的に説明する。なお、これらの例において、部
及び%は、特に断りのない限り重量基準である。
【0022】[実施例1〜8、比較例1]ニトリル基含
有不飽和共重合体ゴムラテックスとして、ドデシルベン
ゼンスルホン酸ナトリウム石鹸を乳化剤として乳化重合
することにより得られた結合アクリロニトリル量37.
5重量%のアクリロニトリル−ブタジエン共重合体ゴム
(NBR)ラテックス(平均粒子径0.09μm)を用
いて、以下の手順により水素化反応を行った。
【0023】全固形分濃度を30重量%に調整したNB
Rラテックス400ml(全固形分120g)と、酢酸
パラジウム(Pd/NBR比=1000ppm)に表1
に示す各種の酸を添加して調製した水素化触媒水溶液3
00mlとを、撹拌機付きの1Lのオートクレーブに投
入し、窒素ガスを10分間流してラテックス中の溶存酸
素を除去した。
【0024】系内を2回水素ガスで置換後、30気圧ま
で水素ガスを加圧し、内容物を50℃まで加温して、6
時間反応させた。その後、減圧下でロータリーエバポレ
ーターを用いて濃縮した後、各共重合体のヨウ素価、水
素化率、及び該ゴムラテックスの平均粒子径を測定した
結果を表1に示す。比較のために、酸を添加せずに酢酸
パラジウムの水溶液を用いた場合についても示す(比較
例1)。
【0025】
【表1】 表1より、パラジウム化合物の水溶液を調製する際に、
酸を添加して触媒水溶液を調製することによって、触媒
の活性が向上することが分かる。特に、無機の強酸を用
いると、水素化効率が顕著に向上する。
【0026】[実施例9〜15]実施例1〜8で使用し
たのと同じニトリル基含有不飽和共重合体ゴムラテック
スを使用して、以下の手順によって水素化反応を行っ
た。全固形分濃度を30重量%に調整したNBRラテッ
クス400ml(全固形分120g)と、表2に示す各
種パラジウム化合物(Pd/NBR比=1000pp
m)にパラジウム元素の3倍モルの硝酸を添加して調製
した水素化触媒水溶液300mlとを、撹拌機付きの1
Lのオートクレーブに投入し、窒素ガスを10分間流し
てラテックス中の溶存酸素を除去した。
【0027】系内を2回水素ガスで置換後、30気圧ま
で水素ガスを圧入し、内容物を50℃まで加温して、6
時間反応させた。その後、減圧下でロータリーエバポレ
ーターを用いて濃縮した後、各共重合体のヨウ素価、水
素化率、及び該ゴムラテックスの平均粒子径を測定した
結果を表2に示す。
【0028】
【表2】 表2より、パラジウム化合物の種類によって触媒活性の
違いは見られるが、酸の共存下で触媒水溶液を調製する
ことにより、パラジム化合物からなる水素化触媒の活性
が非常に高いことがわかる。
【0029】[実施例16〜22、比較例2]ニトリル
基含有不飽和共重合体ゴムラテックスとして、アルキル
ベンゼンスルホン酸Na石鹸を乳化剤として乳化重合す
ることにより得られた結合アクリロニトリル量36.5
重量%、メタクリル酸量4.0重量%のカルボキシル化
アクリロニトリル−ブタジエン共重合体ゴム(X−NB
R)ラテックス(平均粒子径0.10μm)を使用し
て、以下の手順により水素化反応を行った。
【0030】全固形分濃度を30重量%に調整したX−
NBRラテックス400ml(全固形分120g)と、
表3に示す各種パラジウム化合物(Pd/NBR比=1
000ppm)にパラジウム元素の3倍モルの硝酸を添
加して調製した水素化触媒水溶液300mlとを、撹拌
機付きの1Lのオートクレーブに投入し、窒素ガスを1
0分間流してラテックス中の溶存酸素を除去した。
【0031】系内を2回水素ガスで置換後、30気圧ま
で水素ガスを加圧し、内容物を50℃まで加温して、6
時間反応させた。その後、減圧下でロータリーエバポレ
ーターを用いて濃縮した後、各共重合体のヨウ素価、水
素化率、及び平均粒子径を測定した結果を表3に示す。
【0032】
【表3】 表3より、カルボキシル基を含有する共重合体ゴムラテ
ックスについても、パラジウム化合物の種類によって触
媒活性の違いは見られるが、酸の共存下で触媒水溶液を
調製することにより、パラジウム化合物からなる水素化
触媒の活性が顕著に向上することが分かる。
【0033】
【発明の効果】本発明によれば、ニトリル基含有不飽和
共重合体ゴムラテックスを、有機溶媒を使用することな
く、ラテックス状態で水素化反応できるため、従来の水
素化反応法に比べ、工程を大幅に簡略化できる。しか
も、ラテックス粒子を有機溶媒で膨潤させることがない
ため、ラテックス粒子同士の合一による粒子の肥大化も
防止できる。したがって、水素化反応前後のラテックス
平均粒子径は、ほとんど変化しない。本発明の製造方法
により得られるニトリル基含有高飽和共重合体ゴムラテ
ックスは、未加硫及び加硫フィルム強度が強く、かつ耐
熱性、耐油性に優れるため、不織布のバインダー等の繊
維処理用、含浸紙等の紙処理用、特殊な浸漬製品やフォ
ームラバー、糸ゴム及びコルク等のバインダー等に有用
である。ニトリル基含有高飽和共重合体ゴムラテックス
をレゾルシノール−ホルムアルデヒド樹脂と混合した組
成物は、ニトリルゴムや水素化ニトリルゴムと、ポリア
ミド、アラミド、ポリエステル等の有機合成繊維、ガラ
ス繊維等の各種繊維との接着剤としても有用である。
───────────────────────────────────────────────────── フロントページの続き (56)参考文献 特開 平3−167239(JP,A) 特開 平5−131140(JP,A) 特開 平3−252405(JP,A) (58)調査した分野(Int.Cl.7,DB名) C08F 8/00 - 8/50

Claims (2)

    (57)【特許請求の範囲】
  1. 【請求項1】 ラテックス状態のニトリル基含有不飽和
    共重合体ゴムを、水素化触媒の存在下、水素と反応させ
    て、該共重合体ゴム中の炭素−炭素二重結合を選択的に
    水素化するに当たり、水素化触媒としてパラジウム化合
    物を使用し、かつ、パラジウム化合物のパラジウム元素
    に対して0.5〜10倍モルの酸を添加して調製した触
    媒水溶液を該共重合体ゴムラテックスに添加して、水素
    ガスにより水素化反応を行うことを特徴とするニトリル
    基含有高飽和共重合体ゴムラテックスの製造方法。
  2. 【請求項2】 請求項1記載の製造方法により得られる
    ニトリル基含有高飽和共重合体ゴムのラテックス。
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