JP2760299B2 - ニトリル基含有重合体ゴム水性分散体 - Google Patents
ニトリル基含有重合体ゴム水性分散体Info
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Description
【発明の詳細な説明】
【0001】
【産業上の利用分野】本発明は、未加硫フィルム強度及
び加硫フィルム強度が改善されたニトリル基含有高飽和
重合体ゴム水性分散体に関するものである。 【0002】 【従来の技術】従来からニトリル基含有重合体ゴムラテ
ックスとして、耐油性、耐薬品性あるいは繊維や皮革な
どの極性物質に対する接着性に優れたアクリロニトリル
−ブタジエン共重合体ゴム(NBR)ラテックスが広く
使用されている。しかしながら、NBRラテックスは、
天然ゴムラテックスに比して未加硫及び加硫乾燥フィル
ム強度が弱く、エチレン性不飽和カルボン酸あるいはイ
ソプレンを第3の成分として共重合させたNBR系ラテ
ックスが開発されているが、該特性は、未だ十分とはい
えず改善が待たれている。 【0003】 【発明が解決しようとする課題】従って、本発明の目的
は、前記の問題点のないニトリル基含有重合体水性分散
体の提供にある。 【0004】 【課題を解決するための手段】本発明のかかる目的は、
ニトリル基含有単量体単位の含有量が5〜60重量%
で、ヨウ素価が0〜85のニトリル基含有高飽和重合体
ゴムを水中に分散せしめてなるバインダーまたは接着剤
用のニトリル基含有高飽和重合体ゴム水性分散体を使用
することによって達成される。本発明で使用するニトリ
ル基含有高飽和重合体ゴムは、耐油性の要求から該ゴム
中のニトリル基含有単量体単位の含有量は、5〜60重
量%であり、バインダーや接着剤が適用される用途分野
に応じて、この範囲内で適宜選択することができる。ま
た、ニトリル基含有高飽和重合体ゴムのヨウ素価は、0
〜85である。ヨウ素価が大きいと、未加硫乾燥フィル
ム強度及び加硫乾燥フィルム強度が低下し、ひいては、
バインダーまたは接着剤としての強度が低下する。 【0005】本発明のニトリル基含有高飽和重合体ゴム
は、不飽和ニトリル−共役ジエン共重合体ゴムの共役ジ
エン単位部分を水素化したもの;不飽和ニトリル−共役
ジエン−エチレン性不飽和モノマー三元共重合ゴム及び
このゴムの共役ジエン単位部分を水素化したもの;不飽
和ニトリル−エチレン性不飽和モノマー系共重合ゴムが
挙げられる。これらのニトリル基含有高飽和重合体ゴム
は、通常の重合手法及び通常の水素化方法を用いること
により得られるが、本発明においては、該ゴムの製造方
法は、特に限定されない。 【0006】本発明で使用するニトリル基含有高飽和重
合体ゴムを製造するために使用されるモノマーを、以下
に例示する。不飽和ニトリルとしては、アクリロニトリ
ル、メタクリロニトリルなどが、共役ジエンとしては、
1,3−ブタジエン、2,3−ジメチルプタジエン、イ
ソプレン、1,3−ペンタジエンなどが挙げられる。エ
チレン性不飽和モノマーとしては、アクリル酸、メタク
リル酸、イタコン酸、マレイン酸などの不飽和カルボン
酸及びその塩;メチルアクリレート、2−エチルヘキシ
ルアクリレートのような前記カルボン酸のエステル;メ
トキシメチルアクリレート、エトキシエチルアクリレー
ト、メトキシエトキシエチルアクリレートのような前記
不飽和カルボン酸のアルコキシアルキルエステル;アク
リルアミド、メタクリルアミド;N−メチロール(メ
タ)アクリルアミド、N,N′−ジメチロール(メタ)
アクリルアミド、N−エトキシメチル(メタ)アクリル
アミドのようなN−置換(メタ)アクリルアミドなどが
含まれる。 【0007】不飽和ニトリル−エチレン性不飽和単量体
系共重合ゴムにおいては、該不飽和単量体の一部をビニ
ルノルボーネン、ジシクロペンタジエン、1,4−ヘキ
サジエンのような非共役ジエンで置換して共重合させて
もよい。本発明で使用されるニトリル基含有高飽和重合
体ゴムは、具体的には、ブタジエン−アクリロニトリル
共重合ゴム、イソプレン−ブタジエン−アクリロニトリ
ル共重合ゴム、イソプレン−アクリロニトリル共重合ゴ
ムなどを水素化したもの;ブタジエン−メチルアクリレ
ート−アクリロニトリル共重合ゴム、ブタジエン−アク
リル酸−アクリロニトリル共重合ゴムなど及びこれらを
水素化したもの;ブタジエン−エチレン−アクリロニト
リル共重合ゴム、ブチルアクリレート−エトキシエチル
アクリレート−ビニルクロロアセテート−アクリロニト
リル共重合ゴム、ブチルアクリレート−エトキシエチル
アクリレート−ビニルノルボーネン−アクリロニトリル
共重合ゴムなどが例示できる。なお、本発明の各成分重
合体のヨウ素価は、JIS K−0070に従って求め
た値である。 【0008】本発明の該重合体ゴムを水中に分散せしめ
た水性分散体は、通常、転相法により製造される。転相
法は、ニトリル基含有高飽和重合体ゴムの溶液と乳化剤
水溶液とを混合し、強撹拌により該ゴムを微粒子として
水中に乳化分散させ、更に溶剤を除去する方法であり、
この方法によって、ニトリル基含有高飽和重合体ゴムの
水性分散体が得られる。その際のニトリル基含有高飽和
重合体ゴム溶液としては、重合及び水素化反応終了時の
溶液をそのまま、あるいは濃縮または希釈したものを用
いることも出来るし、また、固形状態とした該ゴムを溶
剤に溶解して用いることも出来る。溶剤としては、該ゴ
ム可溶性の、ベンゼン、トルエン、キシレンなどの芳香
族系溶剤、ジクロロエタン、クロロホルムなどのハロゲ
ン化炭化水素系溶剤、メチルエチルケトン、アセトン、
テトラヒドロフランなどのケトン類などが単独あるいは
混合して用いられる。溶液中のニトリル基含有高飽和重
合体ゴムの濃度は、1〜25重量%が適当である。 【0009】本発明で使用される乳化剤としては、オレ
イン酸、ステアリン酸等の脂肪酸、ロジン酸、アルキル
ベンゼンスルホン酸、アルキル硫酸エステルなどのカリ
ウム塩、ナトリウム塩、ポリオキシエチレン系のノニオ
ン性乳化剤など一般に知られているものが、単独である
いは混合して用いられる。ニトリル基含有高飽和重合体
ゴム溶液と水との容量比は、3:1〜1:20が適当で
ある。乳化分散させる際の撹拌機としては、各種のホモ
ミキサー、超音波乳化機などが使用される。乳化液から
の溶剤の除去は、スチームストリッピング法などの公知
の方法により行われる。製品として提供される場合に
は、ニトリル基含有高飽和重合体ゴム水性分散体中の全
固形分の割合は、1〜70重量%が適当である。 【0010】本発明のニトリル基含有高飽和重合体ゴム
水性分散体は、未加硫フィルム強度及び加硫フィルム強
度が極めて強く、かつ優れた耐油性、耐熱性を有するた
め、不織布のバインダーなどの繊維処理用、含浸紙など
の紙処理用、耐油性を有する特殊な浸漬製品やフォーム
ラバー、糸ゴム及びコルク等のバインダー等に、さらに
は本発明の水性分散体は、レゾルシン−ホルマリン樹脂
と混合してニトリル基含有重合体ゴムとポリアミド、ポ
リエステルなどの合成繊維、ガラス繊維などとの加硫接
着用の接着剤としても有効である。 【0011】 【実施例】以下、実施例及び比較例を挙げて本発明につ
いてより具体的に説明する。 【0012】[実施例及び比較例] (ニトリル基含有高飽和重合体ゴムの調製)メチルイソ
ブチルケトンに、乳化重合アクリロニトリル・ブタジエ
ン共重合ゴム(NBR)及びブタジエン−ブチルアクリ
レート−アクリロニトリル三元共重合ゴムを溶解し、P
d−カーボン触媒を用いて水素化して、表1記載のヨウ
素価を有する水素化NBR及び水素化アクリロニトリル
−ブタジエン−ブチルアクリレート三元共重合ゴムを作
成した。 【0013】 【表1】 (*) 未水素化NBR 【0014】(水性分散体の調製)表1に示すゴム試料
24.6gを275.4gのトルエン/ジクロロエタン
(75/25容積%)混合溶媒に溶解した。オレイン酸
カリウム1.2g、ロジン酸カリウム1.2g、水酸化
カリウム0.045g、及び水300gから成る乳化剤
水溶液中へ、撹拌下に、上記ゴムの溶液を注ぎ、次い
で、室温でTK−ホモミキサー(特殊機化工業製M型)
を使用して10,000回転/分で10分間強撹拌し
た。得られた乳化液からスチームストリッピングにより
溶媒を除去し、次いで、エバポレーターを用いて濃縮
し、固形分の割合が約30重量%の水性分散体を得た。
更に、室温で3,000回転/分で15分間遠心分離を
し、過剰の乳化剤の除去及び濃縮を行った。得られた水
性分散体の固形分及びpHを表3に示す。これらの水性
分散体を用いて、以下に記す方法で未加硫フィルム及び
加硫フィルムを作成し、JIS K−6301に準じて
引張り試験を行った。結果を表3に併記する。 【0015】(未加硫フィルムの作成)ガラス基板上に
水性分散体をひろげ、20℃、湿度65%で3日間乾燥
して得たフィルムからJIS3号ダンベル試験片を作成
した。 (加硫フィルムの作成)第2表の配合処方の水性分散体
配合物をガラス基板上にひろげ、20℃、湿度65%で
3日間乾燥した後、100℃で、30分間加硫し、得ら
れたフィルムからJIS3号ダンベル試験片を作成し
た。 【0016】 【表2】 (脚注)配合処方、部数は重量基準 【0017】 【表3】【0018】表3の結果から、本発明の水性分散体を用
いた未加硫フィルム及び加硫フィルムは、従来のNBR
水性分散体及び本発明範囲外の水性分散体を用いた未加
硫、加硫フィルムに比して、破断強度が著しく改善され
ていることがわかる。 【0019】 【発明の効果】本発明によれば、未加硫フィルム強度及
び加硫フィルム強度が改善され、ひいては繊維などに対
する接着性に優れたバインダーまたは接着剤用のニトリ
ル基含有高飽和重合体ゴム水性分散体が提供される。
び加硫フィルム強度が改善されたニトリル基含有高飽和
重合体ゴム水性分散体に関するものである。 【0002】 【従来の技術】従来からニトリル基含有重合体ゴムラテ
ックスとして、耐油性、耐薬品性あるいは繊維や皮革な
どの極性物質に対する接着性に優れたアクリロニトリル
−ブタジエン共重合体ゴム(NBR)ラテックスが広く
使用されている。しかしながら、NBRラテックスは、
天然ゴムラテックスに比して未加硫及び加硫乾燥フィル
ム強度が弱く、エチレン性不飽和カルボン酸あるいはイ
ソプレンを第3の成分として共重合させたNBR系ラテ
ックスが開発されているが、該特性は、未だ十分とはい
えず改善が待たれている。 【0003】 【発明が解決しようとする課題】従って、本発明の目的
は、前記の問題点のないニトリル基含有重合体水性分散
体の提供にある。 【0004】 【課題を解決するための手段】本発明のかかる目的は、
ニトリル基含有単量体単位の含有量が5〜60重量%
で、ヨウ素価が0〜85のニトリル基含有高飽和重合体
ゴムを水中に分散せしめてなるバインダーまたは接着剤
用のニトリル基含有高飽和重合体ゴム水性分散体を使用
することによって達成される。本発明で使用するニトリ
ル基含有高飽和重合体ゴムは、耐油性の要求から該ゴム
中のニトリル基含有単量体単位の含有量は、5〜60重
量%であり、バインダーや接着剤が適用される用途分野
に応じて、この範囲内で適宜選択することができる。ま
た、ニトリル基含有高飽和重合体ゴムのヨウ素価は、0
〜85である。ヨウ素価が大きいと、未加硫乾燥フィル
ム強度及び加硫乾燥フィルム強度が低下し、ひいては、
バインダーまたは接着剤としての強度が低下する。 【0005】本発明のニトリル基含有高飽和重合体ゴム
は、不飽和ニトリル−共役ジエン共重合体ゴムの共役ジ
エン単位部分を水素化したもの;不飽和ニトリル−共役
ジエン−エチレン性不飽和モノマー三元共重合ゴム及び
このゴムの共役ジエン単位部分を水素化したもの;不飽
和ニトリル−エチレン性不飽和モノマー系共重合ゴムが
挙げられる。これらのニトリル基含有高飽和重合体ゴム
は、通常の重合手法及び通常の水素化方法を用いること
により得られるが、本発明においては、該ゴムの製造方
法は、特に限定されない。 【0006】本発明で使用するニトリル基含有高飽和重
合体ゴムを製造するために使用されるモノマーを、以下
に例示する。不飽和ニトリルとしては、アクリロニトリ
ル、メタクリロニトリルなどが、共役ジエンとしては、
1,3−ブタジエン、2,3−ジメチルプタジエン、イ
ソプレン、1,3−ペンタジエンなどが挙げられる。エ
チレン性不飽和モノマーとしては、アクリル酸、メタク
リル酸、イタコン酸、マレイン酸などの不飽和カルボン
酸及びその塩;メチルアクリレート、2−エチルヘキシ
ルアクリレートのような前記カルボン酸のエステル;メ
トキシメチルアクリレート、エトキシエチルアクリレー
ト、メトキシエトキシエチルアクリレートのような前記
不飽和カルボン酸のアルコキシアルキルエステル;アク
リルアミド、メタクリルアミド;N−メチロール(メ
タ)アクリルアミド、N,N′−ジメチロール(メタ)
アクリルアミド、N−エトキシメチル(メタ)アクリル
アミドのようなN−置換(メタ)アクリルアミドなどが
含まれる。 【0007】不飽和ニトリル−エチレン性不飽和単量体
系共重合ゴムにおいては、該不飽和単量体の一部をビニ
ルノルボーネン、ジシクロペンタジエン、1,4−ヘキ
サジエンのような非共役ジエンで置換して共重合させて
もよい。本発明で使用されるニトリル基含有高飽和重合
体ゴムは、具体的には、ブタジエン−アクリロニトリル
共重合ゴム、イソプレン−ブタジエン−アクリロニトリ
ル共重合ゴム、イソプレン−アクリロニトリル共重合ゴ
ムなどを水素化したもの;ブタジエン−メチルアクリレ
ート−アクリロニトリル共重合ゴム、ブタジエン−アク
リル酸−アクリロニトリル共重合ゴムなど及びこれらを
水素化したもの;ブタジエン−エチレン−アクリロニト
リル共重合ゴム、ブチルアクリレート−エトキシエチル
アクリレート−ビニルクロロアセテート−アクリロニト
リル共重合ゴム、ブチルアクリレート−エトキシエチル
アクリレート−ビニルノルボーネン−アクリロニトリル
共重合ゴムなどが例示できる。なお、本発明の各成分重
合体のヨウ素価は、JIS K−0070に従って求め
た値である。 【0008】本発明の該重合体ゴムを水中に分散せしめ
た水性分散体は、通常、転相法により製造される。転相
法は、ニトリル基含有高飽和重合体ゴムの溶液と乳化剤
水溶液とを混合し、強撹拌により該ゴムを微粒子として
水中に乳化分散させ、更に溶剤を除去する方法であり、
この方法によって、ニトリル基含有高飽和重合体ゴムの
水性分散体が得られる。その際のニトリル基含有高飽和
重合体ゴム溶液としては、重合及び水素化反応終了時の
溶液をそのまま、あるいは濃縮または希釈したものを用
いることも出来るし、また、固形状態とした該ゴムを溶
剤に溶解して用いることも出来る。溶剤としては、該ゴ
ム可溶性の、ベンゼン、トルエン、キシレンなどの芳香
族系溶剤、ジクロロエタン、クロロホルムなどのハロゲ
ン化炭化水素系溶剤、メチルエチルケトン、アセトン、
テトラヒドロフランなどのケトン類などが単独あるいは
混合して用いられる。溶液中のニトリル基含有高飽和重
合体ゴムの濃度は、1〜25重量%が適当である。 【0009】本発明で使用される乳化剤としては、オレ
イン酸、ステアリン酸等の脂肪酸、ロジン酸、アルキル
ベンゼンスルホン酸、アルキル硫酸エステルなどのカリ
ウム塩、ナトリウム塩、ポリオキシエチレン系のノニオ
ン性乳化剤など一般に知られているものが、単独である
いは混合して用いられる。ニトリル基含有高飽和重合体
ゴム溶液と水との容量比は、3:1〜1:20が適当で
ある。乳化分散させる際の撹拌機としては、各種のホモ
ミキサー、超音波乳化機などが使用される。乳化液から
の溶剤の除去は、スチームストリッピング法などの公知
の方法により行われる。製品として提供される場合に
は、ニトリル基含有高飽和重合体ゴム水性分散体中の全
固形分の割合は、1〜70重量%が適当である。 【0010】本発明のニトリル基含有高飽和重合体ゴム
水性分散体は、未加硫フィルム強度及び加硫フィルム強
度が極めて強く、かつ優れた耐油性、耐熱性を有するた
め、不織布のバインダーなどの繊維処理用、含浸紙など
の紙処理用、耐油性を有する特殊な浸漬製品やフォーム
ラバー、糸ゴム及びコルク等のバインダー等に、さらに
は本発明の水性分散体は、レゾルシン−ホルマリン樹脂
と混合してニトリル基含有重合体ゴムとポリアミド、ポ
リエステルなどの合成繊維、ガラス繊維などとの加硫接
着用の接着剤としても有効である。 【0011】 【実施例】以下、実施例及び比較例を挙げて本発明につ
いてより具体的に説明する。 【0012】[実施例及び比較例] (ニトリル基含有高飽和重合体ゴムの調製)メチルイソ
ブチルケトンに、乳化重合アクリロニトリル・ブタジエ
ン共重合ゴム(NBR)及びブタジエン−ブチルアクリ
レート−アクリロニトリル三元共重合ゴムを溶解し、P
d−カーボン触媒を用いて水素化して、表1記載のヨウ
素価を有する水素化NBR及び水素化アクリロニトリル
−ブタジエン−ブチルアクリレート三元共重合ゴムを作
成した。 【0013】 【表1】 (*) 未水素化NBR 【0014】(水性分散体の調製)表1に示すゴム試料
24.6gを275.4gのトルエン/ジクロロエタン
(75/25容積%)混合溶媒に溶解した。オレイン酸
カリウム1.2g、ロジン酸カリウム1.2g、水酸化
カリウム0.045g、及び水300gから成る乳化剤
水溶液中へ、撹拌下に、上記ゴムの溶液を注ぎ、次い
で、室温でTK−ホモミキサー(特殊機化工業製M型)
を使用して10,000回転/分で10分間強撹拌し
た。得られた乳化液からスチームストリッピングにより
溶媒を除去し、次いで、エバポレーターを用いて濃縮
し、固形分の割合が約30重量%の水性分散体を得た。
更に、室温で3,000回転/分で15分間遠心分離を
し、過剰の乳化剤の除去及び濃縮を行った。得られた水
性分散体の固形分及びpHを表3に示す。これらの水性
分散体を用いて、以下に記す方法で未加硫フィルム及び
加硫フィルムを作成し、JIS K−6301に準じて
引張り試験を行った。結果を表3に併記する。 【0015】(未加硫フィルムの作成)ガラス基板上に
水性分散体をひろげ、20℃、湿度65%で3日間乾燥
して得たフィルムからJIS3号ダンベル試験片を作成
した。 (加硫フィルムの作成)第2表の配合処方の水性分散体
配合物をガラス基板上にひろげ、20℃、湿度65%で
3日間乾燥した後、100℃で、30分間加硫し、得ら
れたフィルムからJIS3号ダンベル試験片を作成し
た。 【0016】 【表2】 (脚注)配合処方、部数は重量基準 【0017】 【表3】【0018】表3の結果から、本発明の水性分散体を用
いた未加硫フィルム及び加硫フィルムは、従来のNBR
水性分散体及び本発明範囲外の水性分散体を用いた未加
硫、加硫フィルムに比して、破断強度が著しく改善され
ていることがわかる。 【0019】 【発明の効果】本発明によれば、未加硫フィルム強度及
び加硫フィルム強度が改善され、ひいては繊維などに対
する接着性に優れたバインダーまたは接着剤用のニトリ
ル基含有高飽和重合体ゴム水性分散体が提供される。
─────────────────────────────────────────────────────
フロントページの続き
(58)調査した分野(Int.Cl.6,DB名)
C08L 9/04
C09J 109/04
Claims (1)
- (57)【特許請求の範囲】 1.ニトリル基含有単量体単位の含有量が5〜60重量
%で、ヨウ素価が0〜85のニトリル基含有高飽和重合
体ゴムを水中に分散せしめてなるバインダーまたは接着
剤用のニトリル基含有高飽和重合体ゴム水性分散体。
Priority Applications (1)
Application Number | Priority Date | Filing Date | Title |
---|---|---|---|
JP6304367A JP2760299B2 (ja) | 1994-11-14 | 1994-11-14 | ニトリル基含有重合体ゴム水性分散体 |
Applications Claiming Priority (1)
Application Number | Priority Date | Filing Date | Title |
---|---|---|---|
JP6304367A JP2760299B2 (ja) | 1994-11-14 | 1994-11-14 | ニトリル基含有重合体ゴム水性分散体 |
Related Parent Applications (1)
Application Number | Title | Priority Date | Filing Date |
---|---|---|---|
JP61043718A Division JPH0832802B2 (ja) | 1986-02-28 | 1986-02-28 | 破断強度に優れた加硫フィルム形成用水性分散体 |
Publications (2)
Publication Number | Publication Date |
---|---|
JPH07207069A JPH07207069A (ja) | 1995-08-08 |
JP2760299B2 true JP2760299B2 (ja) | 1998-05-28 |
Family
ID=17932174
Family Applications (1)
Application Number | Title | Priority Date | Filing Date |
---|---|---|---|
JP6304367A Expired - Lifetime JP2760299B2 (ja) | 1994-11-14 | 1994-11-14 | ニトリル基含有重合体ゴム水性分散体 |
Country Status (1)
Country | Link |
---|---|
JP (1) | JP2760299B2 (ja) |
Family Cites Families (1)
Publication number | Priority date | Publication date | Assignee | Title |
---|---|---|---|---|
JPH0832802B2 (ja) * | 1986-02-28 | 1996-03-29 | 日本ゼオン株式会社 | 破断強度に優れた加硫フィルム形成用水性分散体 |
-
1994
- 1994-11-14 JP JP6304367A patent/JP2760299B2/ja not_active Expired - Lifetime
Also Published As
Publication number | Publication date |
---|---|
JPH07207069A (ja) | 1995-08-08 |
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