JP3077308B2 - ポリエステル繊維及びポリエステル繊維とニトリル基含有高飽和共重合体ゴムとの複合体 - Google Patents

ポリエステル繊維及びポリエステル繊維とニトリル基含有高飽和共重合体ゴムとの複合体

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Description

【発明の詳細な説明】
【0001】
【産業上の利用分野】本発明はポリエステル繊維及びポ
リエステル繊維とニトリル基含有高飽和共重合体ゴムと
の複合体に関する。
【0002】
【従来の技術】自動車用タイミングベルト、ポリリブド
ベルト、コンベアーベルト、ホース、ダイヤフラム等に
は、繊維とゴムとの複合体が用いられている。そのため
のゴムとしては、従来、主に耐油性ゴムであるクロロプ
レンゴムやアクリロニトリル−ブタジエン共重合体ゴム
(NBR)が用いられてきたが、近年、自動車の排ガス
規制対策、自動車の軽量化のためのエンジンルームの小
型化及び騒音対策のためのエンジンルームの密閉化等に
対応して、耐熱性が要求されるようになった。このた
め、最近では耐熱性と耐油性とを兼ね備えたニトリル基
含有高飽和共重合体ゴムやクロロスルホン化ポリエチレ
ンゴムが賞用されるようになっている。本発明者らは、
ニトリル基含有高飽和共重合体ゴムと有機合成繊維の接
着剤として、水素化NBRラテックスとレゾルシノール
−ホルムアルデヒド樹脂とから成る接着剤(特開昭63
−248879)、高ビニルピリジン含有共役ジエン系
重合体ラテックスとレゾルシノール−ホルムアルデヒド
樹脂とを主成分とする接着剤組成物で処理したのち、水
素化NBRラテックスとレゾルシノール−ホルムアルデ
ヒド樹脂とを主成分とする接着剤組成物で処理する接着
方法を提案した(特開平2−264076)。しかし、
これらの接着剤組成物を使用してポリエステル繊維とニ
トリル基含有高飽和共重合体ゴムとを接着したときは、
長期間高温曝露後の接着力が必ずしも満足できるもので
はないことが判明した。
【0003】
【発明が解決しようとする課題】本発明者らは、初期接
着力に優れ、しかも長期間高温曝露後の接着力に優れた
ニトリル基含有高飽和共重合体ゴムとポリエステル繊維
との複合体を得るべく鋭意研究を進めた結果、先ず特定
の繊維処理剤で、次いで特定のラテックスと樹脂とを主
成分とする接着剤組成物で、ポリエステル繊維を処理す
ることにより、この目的が達成されることを見出し、こ
の知見に基いて本発明を完成するに至った。
【0004】
【課題を解決するための手段】かくして本発明によれ
ば、ポリイソシアネート化合物で浸漬処理した後、ニト
リル基含有高飽和共重合体ゴムラテックス、レゾルシノ
ール−ホルムアルデヒド樹脂及びハロゲン化フェノール
樹脂を主成分とする接着剤組成物で浸漬処理することよ
り成るポリエステル繊維の処理方法及び前記接着剤組成
物におけるレゾルシノール−ホルムアルデヒド樹脂のホ
ルムアルデヒド/レゾルシノールのモル比が1.2/
1.0〜2.5/1.0であり、レゾルシノール−ホル
ムアルデヒド樹脂/ニトリル基含有高飽和共重合体ゴム
ラテックスの重量比が10/100〜24/100であ
り、ハロゲン化フェノール樹脂/ニトリル基含有高飽和
共重合体ゴムラテックスの重量比が15/100〜35
/100であるポリエステル繊維の処理方法、これらの
処理方法で処理されたポリエステル繊維並びにこれらの
処理方法で処理されたポリエステル繊維とニトリル基含
有高飽和共重合体ゴムとの複合体が提供される。
【0005】(ポリイソシアネート化合物)本発明にお
いて使用するポリイソシアネート化合物は、特に限定さ
れず、その具体例としては、トリレンジイソシアネー
ト、メタフェニレンジイソシアネート、ジフェニルメタ
ンジイソシアネート、ヘキサメチレンジイソシアネー
ト、ポリメチレンポリフェニルジイソシアネートを挙げ
ることができる。本発明において、ポリイソシアネート
化合物は有機溶媒溶液として使用するのが好ましい。有
機溶媒は、上記ポリイソシアネート化合物を溶解するも
のであれば特に制限されない。
【0006】(ニトリル基含有高飽和共重合体ゴムラテ
ックス)本発明に用いるニトリル基含有高飽和共重合体
ゴムラテックスは、通常の乳化重合法によって得られる
ニトリル基含有不飽和共重合体ゴムラテックスを構成す
るニトリル基含有不飽和共重合体ゴムの炭素−炭素二重
結合を、ラテックス状態で水素化触媒の存在下、水素に
より選択的に水素化して得られるものである。水素化の
方法としては、例えば、特開平2−178305公報に
記載された方法を示すことができる。ニトリル基含有高
飽和共重合体ゴムラテックスは、ニトリル基含有高飽和
共重合体ゴムのヨウ素価が120以下であることが必要
である。このヨウ素価が120を超えると、これを一主
成分とする接着剤組成物を使用して得られる複合体の長
期間高温曝露後の接着力が低下するので好ましくない。
ニトリル基含有不飽和共重合体ゴムラテックスは、共役
ジエンとα,β−不飽和ニトリルとの、更に所望により
これらと共重合可能な第三成分としてのエチレン性不飽
和単量体を含有する、共重合体ゴムのラテックスであっ
て、各単量体単位の構成比は、共役ジエン単量体単位3
0〜90重量%、α,β−不飽和ニトリル単量体単位1
0〜50重量%、これらと共重合可能なエチレン性不飽
和単量体単位0〜20重量%である。共役ジエンは特に
制限されないが、その具体例としては、1,3−ブタジ
エン、イソプレン、2,3−ジメチルブタジエン、1,
3−ペンタジエン、ハロゲン置換ブタジエン等の脂肪族
共役ジエンを示すことができる。これらの共役ジエンは
一種単独で用いてもよく、二種以上を併用してもよい。
α,β−不飽和ニトリルは、ニトリル基と重合可能な不
飽和結合を有するものであればよいが、その具体例とし
てはアクリロニトリル、メタクリロニトリル等を示すこ
とができる。共役ジエン及びα,β−不飽和ニトリルと
共重合可能なエチレン性不飽和単量体としてはアクリル
酸、メタクリル酸、イタコン酸、マレイン酸等の不飽和
カルボン酸及びその塩;(メタ)アクリル酸メチル、
(メタ)アクリル酸エチル、(メタ)アクリル酸ブチ
ル、(メタ)アクリル酸2−エチルヘキシル、(メタ)
アクリル酸トリフルオロエチル、(メタ)アクリル酸テ
トラフルオロプロピル、イタコン酸エチル、フマル酸ブ
チル、マレイン酸ブチル、(メタ)アクリル酸メトキシ
メチル、(メタ)アクリル酸エトキシエチル、(メタ)
アクリル酸メトキシエトキシエチル、(メタ)アクリル
酸シアノメチル、(メタ)アクリル酸2−シアノエチ
ル、(メタ)アクリル酸1−シアノプロピル、(メタ)
アクリル酸2−エチル−6−シアノヘキシル、(メタ)
アクリル酸3−シアノプロピル等のアルキル基が置換基
を有していてもよい(メタ)アクリル酸アルキルエステ
ル;(メタ)アクリルアミド、N−メチロール(メタ)
アクリルアミド、N,N’−ジメチロール(メタ)アク
リルアミド、N−エトキシメチル(メタ)アクリルアミ
ド等のN−置換(メタ)アクリルアミド;フルオロエチ
ルビニルエーテル等のフルオロアルキルビニルエーテ
ル;ビニルピリジン等が挙げられる。また、本発明にお
いては、ビニルノルボルネン、ジシクロペンタジエン、
1,4−ヘキサジエンのような非共役ジエンもエチレン
性不飽和単量体に包含される。更に、N−(4−アニリ
ノフェニル)(メタ)アクリルアミド、N−(4−アニ
リノフェニル)シンナムアミド、N−(4−アニリノフ
ェニル)クロトンアミド、N−(4−アニリノフェニ
ル)アミノ−2−ヒドロキシプロピル(メタ)アリルエ
ーテル、(メタ)アクリル酸−5−N−(4−アニリノ
フェニル)アミノ−2−ヒドロキシペンチル、(メタ)
アクリル酸−2−N−(4−アニリノフェニル)アミノ
エチル、N−〔4−(メチルアミノ)フェニル〕(メ
タ)アクリルアミド、N−(4−アニリノフェニル)マ
レインイミド、N−〔4−(メチルアニリノ)フェニ
ル〕マレインイミド、N−フェニル−4−(3−ビニル
ベンジルオキシ)アニリン、N−フェニル−4−(4−
ビニルベンジルオキシ)アニリン等の共重合性老化防止
剤を共重合させることもできる。上記単量体混合物の乳
化重合方法に特に制限はない。重合時に使用する乳化剤
は、特に制限されず、アニオン性界面活性剤、カチオン
性界面活性剤、ノニオン性界面活性剤又は両性界面活性
剤等を使用できるが、なかでもアニオン性界面活性剤、
とりわけ脂肪酸系のものが好ましい。その使用量は、通
常、このラテックスから得られる接着剤組成物の接着力
の観点から全単量体混合物100重量部に対して1〜1
0重量部、好ましくは2〜6重量部の範囲である。ま
た、重合開始剤、分子量調整剤等も、通常使用されてい
るものでよい。このようなニトリル基含有不飽和共重合
体ゴムの具体例として、ブタジエン−アクリロニトリル
共重合体ゴム、イソプレン−ブタジエン−アクリロニト
リル共重合体ゴム、イソプレン−アクリロニトリル共重
合体ゴム;ブタジエン−アクリル酸メチル−アクリロニ
トリル共重合体ゴム、ブタジエン−アクリル酸−アクリ
ロニトリル共重合体ゴム;ブタジエン−エチレン−アク
リロニトリル共重合体ゴム等が挙げられる。なお、本発
明において接着剤組成物中のニトリル基含有高飽和共重
合体ゴムラテックスの一部を、本発明の趣旨が損なわれ
ない範囲で、スチレン−ブタジエン共重合体ゴムラテッ
クス及びその変性ラテックス、アクリロニトリル−ブタ
ジエン共重合体ゴムラテックス及びその変性ラテック
ス、天然ゴムラテックス等で代替することができる。
【0007】(レゾルシノール−ホルムアルデヒド樹
脂)本発明で使用するレゾルシノール−ホルムアルデヒ
ド樹脂は、ノボラック型のものでもレゾール型のもので
もよいが、ホルムアルデヒド/レゾルシノールのモル比
は1.2/1.0〜2.5/1.0の範囲にあることが
必要であり、好ましくは1.6/1.0〜2.0/1.
0である。
【0008】(ハロゲン化フェノール樹脂)ハロゲン化
フェノール樹脂としては、2,6−ビス(2,4−ジヒ
ドロキシフェニルメチル)−4−ブロムフェノール、
2,6−ビス(2,4−ジクロロフェニルメチル)−4
−クロロフェノール等のフェノール化合物及び多価フェ
ノールポリサルフファイド化合物を例示することができ
る。これらのハロゲン化フェノール樹脂は単独で使用し
てもよく、2種以上を併用してもよい。
【0009】(接着剤組成物)本発明で使用する接着剤
組成物は、ニトリル基含有高飽和共重合体ゴムラテック
ス、レゾルシノール−ホルムアルデヒド樹脂及びハロゲ
ン化フェノール樹脂を主成分とするものである。本発明
の接着剤組成物において、レゾルシノール−ホルムアル
デヒド樹脂/ニトリル基含有高飽和共重合体ゴムラテッ
クス(固形分)の重量比は10/100〜24/10
0、好ましくは15/100〜20/100である。ま
た、ハロゲン化フェノール樹脂/ニトリル基含有高飽和
共重合体ゴムラテックス(固形分)の重量比は15/1
00〜35/100、好ましくは20/100〜30/
100である。これらの三成分の比率が上記範囲を外れ
ると初期接着力が低下する。接着剤組成物の調製方法は
特に限定されないが、通常、レゾルシノール−ホルムア
ルデヒド樹脂とニトリル基含有高飽和共重合体ゴムラテ
ックスとを混合して熟成したのち、ハロゲン化フェノー
ル樹脂を添加して更に熟成して調製する。
【0010】(ポリエステル繊維)本発明で使用するポ
リエステル繊維としては、ステープル、フィラメント、
コード状、ロープ状、帆布等の織布等の形態のものが例
示されるが、その他の形態であってもよい。
【0011】(接着剤組成物によるポリエステル繊維の
処理)本発明においては、ポリエステル繊維をポリイソ
シアネート化合物の有機溶媒溶液で浸漬処理したのち、
上記接着剤組成物で浸漬処理をすることが必要である
が、浸漬の方法には特に限定はない。ポリイソシアネー
ト化合物で浸漬処理したのち、100〜150℃で0.
5〜10分間程度乾燥したのち、加熱処理してポリイソ
シアネート化合物を繊維に定着させるのが好ましい。ポ
リイソシアネート化合物による処理の際、分子内にエポ
キシ基を2個以上有するエポキシ化合物を併用しても差
支えない。このようなエポキシ化合物としては、エピク
ロルヒドリンと多価アルコール、ポリアルキレングリコ
ール、フェノール樹脂等との反応生成物があり、具体的
にはグリセリンポリグリシジルエーテル、ソルビトール
ポリグリシジルエーテル、ペンタエリスリトールポリグ
リシジルエーテル及びビスフェノールAジグリシジルエ
ーテルを例示することができる。また、接着剤組成物で
浸漬処理したのち、必要ならば、通常100〜150℃
で0.5〜10分間程度乾燥したのち、加熱処理する。
加熱処理の条件は、特に制限されるものではなく、浸漬
により付着した接着剤組成物を反応定着させるのに十分
な時間と温度であり、通常、約140〜250℃で数分
間である。本発明において、ポリイソシアネート化合物
のポリエステル繊維に対する付着量は、特に限定されな
いが、通常、繊維に対して1〜10重量%、好ましくは
3〜7重量%である。また、接着剤組成物のポリエステ
ル繊維に対する付着量も特に限定されないが、通常、固
形分換算で、繊維に対して2〜15重量%、好ましくは
3〜10重量%である。
【0012】(ポリエステル繊維とニトリル基含有高飽
和共重合体ゴムとの複合体)本発明のポリエステル繊維
とニトリル基含有高飽和共重合体ゴムとの複合体は、上
記の処理方法によって得られたポリエステル繊維(以
下、浸漬処理ポリエステル繊維ということがある。)と
ニトリル基含有高飽和共重合体ゴムとを加硫接着するこ
とにより得られる。本発明において浸漬処理ポリエステ
ル繊維との複合体を形成するニトリル基含有高飽和共重
合体ゴムは、上述の接着剤組成物に使用するニトリル基
含有高飽和共重合体ゴムラテックスを構成するニトリル
基含有高飽和共重合体ゴムと同様のものである。本発明
の浸漬処理ポリエステル繊維をニトリル基含有高飽和共
重合体ゴムと加硫接着するための加硫剤には特に制限は
無く、通常の硫黄系加硫剤及びパーオキサイド系加硫剤
が使用できる。具体的な複合体の製造方法(加硫接着方
法)としては、ニトリル基含有高飽和共重合体ゴムに加
硫剤、充填剤等の配合剤を添加して調製されたゴム配合
物に浸漬処理ポリエステル繊維を埋め込んだ後、加硫す
る方法を示すことができる。加硫の条件は、通常、0.
5〜10MPaの加圧下、130〜200℃で1〜12
0分間である。
【0013】
【発明の効果】かくして本発明によれば、ポリイソシア
ネート化合物及びニトリル基含有高飽和共重合体ゴムの
ラテックスとレゾルシノール−ホルマリン樹脂とハロゲ
ン化フェノール樹脂とを主成分とする接着剤組成物で処
理して得たポリエステル繊維を使用することによって、
優れた初期接着力を有するとともに、従来のポリエステ
ル繊維を用いて得られる複合体に比べて、長期間高温曝
露後の耐熱接着力に優れた、ニトリル基含有高飽和共重
合体ゴムとポリエステル繊維との複合体を得ることがで
き、この複合体は、特に耐熱性が要求されるポリリブド
ベルトの芯材処理等の用途に適している。
【0014】
【実施例】以下に実施例を挙げて本発明を更に具体的に
説明する。なお、実施例、比較例及び参考例中の部及び
%は、特に断りのないかぎり、重量基準である。また、
各表中、ラテックス重量は固形分換算である。
【0015】(参考例) (ニトリル基含有高飽和共重合体ゴムラテックス(A)
の調製)内容積1リットルの耐圧ボトルに、水240ミ
リリットル、オレイン酸カリウム4g、アクリロニトリ
ル37gをこの順で入れ、ボトル内を窒素で置換した
後、ブタジエン63gを圧入した。重合開始剤として過
硫酸アンモニウム0.25gを添加して重合を行ないア
クリロニトリル−ブタジエン共重合体ゴム(NBR)ラ
テックスを得た。次に、全固形分濃度12%に調整した
NBRラテックス400ミリリットルを撹拌機付きの1
リットルのオートクレーブに投入し、窒素ガスを10分
間流してラテックス中の溶存酸素を除去した後、水素化
触媒をアセトン240ミリリットルに溶解して添加し
た。反応系内を2回水素ガスで置換後、30気圧まで水
素ガスを加圧し、内容物を50℃まで加温して6時間反
応させた。その後、エバポレーターを用いてアセトンを
除去したのち、固形分濃度が約40%となるまで濃縮し
てヨウ素価28の高飽和NBRラテックス(A−1)を
得た。さらに、水素化条件を変えて、ヨウ素価の異なる
高飽和NBRラテックス(A−2)及び飽和度の低いラ
テックス(A−3)を得た。これらのラテックスのヨウ
素価、平均粒子径、固形分濃度及びpHを表1に示す。
【0016】
【表1】
【0017】(被着用ゴム配合物の調製)表2に示す配
合処方に従って、ニトリル基含有高飽和共重合体ゴムと
配合剤とをロール上で混練し、約2.5mmの厚さのゴ
ム配合物シートを作製した。
【0018】
【表2】
【0019】(実施例1〜2)ポリエステルコード(構
造:1000d/2×3)を試験用シングルディップマ
シーンでポリイソシアネート化合物(PAPI−13
5、化成アップジョン社製) のトルエン10重量%で浸
漬処理した後、220℃で1分間熱処理した。次いで、
表1に示すニトリル基含有高飽和共重合体ゴムラテック
ス(A−1〜2)を用いて表3の条件で調製した接着剤
組成物(AR−1〜2)の20重量%水溶液で浸漬処理
した後、240℃で1分間熱処理を行なった。得られた
浸漬処理ポリエステルコードを、表2の配合処方(イ)
により調製したゴム配合物に、埋め込み幅25mmで埋
め込み、プレス圧5MPa、150℃で30分間加硫し
て繊維とゴムとの複合体を得た。得られた複合体につい
てASTM−D−2630に準拠してコード剥離試験を
行って初期接着力を測定した。同様にして得られた複合
体を120℃で14日間空気オーブン中で熱処理したあ
とのコード剥離試験を行って長期間高温曝露後の接着力
を測定した。測定結果を表4に示す。
【0020】(比較例1)ラテックス(A−1)に代え
てラテックス(A−3)を使用するほかは、実施例1と
同様の評価を行なった。結果を表4に示す。
【0021】(比較例2)ポリエステルコードのポリイ
ソシアネート化合物による浸漬処理を行なわないほか
は、実施例1と同様の評価を行なった。結果を表4に示
す。
【0022】
【表3】
【0023】
【表4】
【0024】表4の結果から、ポリイソシアネート化合
物で処理したのち、ヨウ素価120以下のニトリル基含
有高飽和共重合体ゴムラテックス、レゾルシノール−ホ
ルムアルデヒド樹脂及びハロゲン化フェノール樹脂を主
成分とする接着剤組成物で浸漬処理したポリエステルコ
ードとニトリル基含有高飽和共重合体ゴムとの複合体
は、初期接着力及び長期間高温曝露後の接着力のいずれ
にも優れていることが分かる。
【0025】(実施例3〜4)実施例1〜2と同様にし
て浸漬処理ポリエステルコードを得た。得られたポリエ
ステルコードを、表2の配合処方(ロ)により調製した
ゴム配合物に、埋め込み幅10cmで埋め込み、プレス
圧5MPa、160℃で30分間加硫してポリエステル
繊維とニトリル基含有高飽和共重合体ゴムとの複合体を
得た。得られた複合体について実施例1と同様に剥離試
験を行なった。測定結果を表5に示す。
【0026】(比較例3)ラテックス(A−1)に代え
てラテックス(A−3)を使用するほかは、実施例3と
同様の評価を行なった。結果を表5に示す。
【0027】
【表5】
【0028】表5の結果から、加硫剤として有機過酸化
物を用いても、初期接着力及び長期間高温曝露後の接着
力がともに優れたニトリル基含有高飽和共重合体ゴムと
ポリエステル繊維との複合体が得られることが分かる。
【0029】(実施例5〜10、比較例8〜13)表1
のニトリル基含有高飽和共重合体ゴムラテックスA−1
を用いて表6及び表7に示す接着剤組成物(AR−4〜
16)を得た。これらの接着剤組成物を使用して実施例
1と同様にして得られた複合体について同様の評価を行
なった。結果を表8に示す。
【0030】
【表6】
【0031】
【表7】
【0032】
【表8】
【0033】表8の結果から、接着剤組成物の各成分の
構成比率が本発明の範囲を外れるときは、ニトリル基含
有高飽和共重合体ゴムとポリエステル繊維との複合体の
初期接着力及び長期間高温曝露後の接着力がともに劣る
ことが分かる。
フロントページの続き (58)調査した分野(Int.Cl.7,DB名) D06M 15/00,15/72 C08J 5/06

Claims (4)

    (57)【特許請求の範囲】
  1. 【請求項1】 ポリイソシアネート化合物で浸漬処理し
    た後、ヨウ素価120以下のニトリル基含有高飽和共重
    合体ゴムラテックス、レゾルシノール−ホルムアルデヒ
    ド樹脂及びハロゲン化フェノール樹脂を主成分とする接
    着剤組成物で浸漬処理することにより成るポリエステル
    繊維の処理方法。
  2. 【請求項2】 接着剤組成物におけるレゾルシノール−
    ホルムアルデヒド樹脂のホルムアルデヒド/レゾルシノ
    ールのモル比が1.2/1.0〜2.5/1.0であ
    り、レゾルシノール−ホルムアルデヒド樹脂/ニトリル
    基含有高飽和共重合体ゴムラテックスの重量比が10/
    100〜24/100であり、ハロゲン化フェノール樹
    脂/ニトリル基含有高飽和共重合体ゴムラテックスの重
    量比が15/100〜35/100であることを特徴と
    する請求項1のポリエステル繊維の処理方法。
  3. 【請求項3】 請求項1又は請求項2の処理方法で処理
    されたポリエステル繊維。
  4. 【請求項4】 請求項3のポリエステル樹脂とヨウ素価
    120以下のニトリル基含有高飽和共重合体ゴムとの複
    合体。
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