JP3479851B2 - 硬化性樹脂組成物 - Google Patents

硬化性樹脂組成物

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JP3479851B2 JP20201994A JP20201994A JP3479851B2 JP 3479851 B2 JP3479851 B2 JP 3479851B2 JP 20201994 A JP20201994 A JP 20201994A JP 20201994 A JP20201994 A JP 20201994A JP 3479851 B2 JP3479851 B2 JP 3479851B2
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理 磯崎
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Description

【発明の詳細な説明】
【0001】本発明は、特に耐酸性及び耐スリ傷性に優
れた塗膜を形成し得る硬化性樹脂組成物に関する。
【0002】
【従来の技術およびその課題】従来、金属等の素材には
防錆性及び美粧性を付与するために塗膜が被覆されてい
る。
【0003】近年、大気汚染が進み、森林が枯れる等、
酸性雨による被害が深刻な社会問題となっているが、自
動車外板等屋外で使用される物品に塗装された塗膜に於
ても酸性雨によって塗膜がエッチングされたり、塗膜に
白化、シミ等が発生するという問題があり、耐酸性の良
い塗膜の要求は非常に強い。
【0004】また、自動車外板等に塗装された上塗り塗
膜は走行中の砂やホコリ等との衝突又は洗浄ブラシ等に
よる摩擦等によってスリ傷がつき易く、外観低下の原因
の1つになっており、特に黒、紺、褐色等の濃彩色塗膜
に於てスリ傷発生が非常に目立ち易く、上塗り塗膜の耐
スリ傷性向上の要求は非常に強い。
【0005】現在、上塗り塗膜を形成する塗料組成物と
しては、水酸基含有樹脂及びアミノ樹脂をバインダーと
するアミノ硬化型塗料組成物が広く用いられているが、
耐酸性及び耐スリ傷性の両者を満足するものは得られて
いない。
【0006】また、上記アミノ硬化型塗料組成物以外に
も、エポキシ基及び水酸基を有する樹脂に硬化剤として
メチルヘキサヒドロフタル酸無水物等の環状酸無水物を
配合した塗料組成物を上塗り塗料組成物として用いたも
のが、特開昭63−84673号公報及び特開昭63−
84674号公報に記載されている。しかしながら、こ
れらのものには、塗膜の仕上り外観、耐スリ傷性、貯蔵
安定性等が劣るという欠点がある。
【0007】
【課題を解決するための手段】本発明の主な目的は、耐
酸性及び耐スリ傷性に優れた塗膜を形成できる新規な硬
化性樹脂組成物を提供することにある。
【0008】即ち、本発明は、下記の硬化性樹脂組成物
を提供するものである。
【0009】(I)1分子中にエポキシ基を少なくとも
2個有する樹脂、(II)非環状の酸無水基を少なくとも
2個有し、かつ末端に遊離のカルボキシル基を持たない
下記一般式(I)で示される化合物
【0010】
【化2】
【0011】(式中、Rは炭素数2〜50の一価の炭化
水素基であって、該炭化水素基は、エステル結合、エー
テル結合及びウレタン結合の少なくとも一種を含んでも
よい。R′は炭素数2〜50の二価の炭化水素基であっ
て、該炭化水素基は、エステル結合、エーテル結合及び
ウレタン結合の少なくとも一種を含んでもよい。nは1
〜500の整数である。)、並びに(III)(a)オニウ
ム塩及び(b)酸性リン酸エステルで構成される硬化触
媒を必須成分として含有することを特徴とする硬化性樹
脂組成物。
【0012】また、本発明は、上記硬化性樹脂組成物が
塗付されていることを特徴とする被塗物を提供する。
【0013】本発明者は、前記従来技術の問題点を解消
するために鋭意研究を重ねた。その結果、1分子中にエ
ポキシ基を少なくとも2個有する樹脂、非環状の酸無水
基を少なくとも2個有する上記特定の化合物、並びにオ
ニウム塩及び酸性リン酸エステルで構成される硬化触媒
を含有する硬化性樹脂組成物によれば、1液にした時で
も安定であること、且つ硬化時には該触媒の存在下に非
環状酸無水基が開裂し、これによって生じたカルボキシ
ル基と、樹脂中のエポキシ基との付加反応によって該樹
脂組成物が架橋硬化すること、このようにして形成され
る塗膜は、該問題点を解消するものとなることを見出し
た。
【0014】上記本発明は、かかる新知見に基づいて完
成されたものである。
【0015】本発明で用いる(I)〜(III)成分を必須
成分として含有する硬化性樹脂組成物について詳細に述
べる。
【0016】(I)成分 本発明の硬化性樹脂組成物で用いるエポキシ基含有樹脂
(I)は、1分子中にエポキシ基を少なくとも平均2
個、好ましくは平均2〜50個有する数平均分子量30
0〜100000の範囲のものであり、該樹脂(I)中
にはアミノ基、アミド基等の官能基が併存してもよい。
【0017】該樹脂(I)は、具体的には、ポリエステ
ル樹脂、アクリル樹脂、ポリウレタン樹脂、エポキシ樹
脂等の基本樹脂骨格の末端及び/又は側鎖にエポキシ基
が少なくとも2個結合してなる樹脂であり、これらはい
ずれも水酸基を有しない。これらの具体例としては、ビ
スフェノール型エポキシ樹脂;グリシジル基含有ビニル
モノマー(グリシジルアクリレート、グリシジルメタク
リレート等)を必須成分とし、更に必要に応じてこれら
のモノマーと共重合可能なビニルモノマーを用いてなる
アクリル系樹脂;遊離のイソシアネート基を有するポリ
ウレタン樹脂に、例えばグリシドール等の水酸基とグリ
シジル基とを有する化合物をウレタン化反応によって付
加せしめてなる樹脂;等が挙げられる。
【0018】(II)成分 本発明硬化性樹脂組成物で用いる (II) 成分は、非環状
の酸無水基を少なくとも2個有し、かつ末端に遊離のカ
ルボキシル基を持たない下記一般式(1)で示される化
合物である。該(II)成分は、硬化剤成分として機能す
る。
【0019】
【化3】
【0020】(式中、Rは炭素数2〜50の一価の炭化
水素基であり、該炭化水素基は、エステル結合、エーテ
ル結合及びウレタン結合の少なくとも一種を含むことが
できる。R′は炭素数2〜50の二価の炭化水素基であ
って、該炭化水素基もエステル結合、エーテル結合及び
ウレタン結合の少なくとも一種を含むことができる。n
は1〜500の整数である。)。
【0021】該(II)成分は、例えば、1分子中に1個
のカルボキシル基を有するモノカルボン酸と1分子中に
2個のカルボキシル基を有するジカルボン酸とを脱水反
応させることによって容易に得られる。
【0022】モノカルボン酸としては、例えば安息香
酸、メチル安息香酸、p−t−ブチル安息香酸等の芳香
族モノカルボン酸;ギ酸、酢酸、乳酸、プロピオン酸、
酪酸、カプロン酸、カプリル酸、ペラルゴン酸、イソノ
ナン酸、カプリン酸、ウンデカン酸、ラウリン酸、ミリ
スチン酸、パルミチン酸、ステアリン酸、シクロヘキサ
ンカルボン酸、9−デセン酸、オレイン酸、エレオステ
アリン酸、エライジン酸、ブラシジン酸、リノール酸、
リノレイン酸等の飽和又は不飽和の脂肪酸モノカルボン
酸又は脂環族モノカルボン酸;等が挙げられる。更に、
モノアルコールと環状酸無水物との付加体も使用でき
る。これらは1種又は2種以上併用できる。また、モノ
カルボン酸として、やし油脂肪酸、大豆油脂肪酸、ひま
し油脂肪酸、脱水ひまし油脂肪酸、あまに油脂肪酸、サ
フラワー油脂肪酸等も使用できる。これらのうち、安息
香酸、イソノナン酸、やし油脂肪酸等から選ばれたもの
が好ましい。
【0023】上記のジカルボン酸は1分子中に2個のカ
ルボキシル基を有する化合物又はその酸無水物であっ
て、例えばテレフタル酸、イソフタル酸、フタル酸、ナ
フタレンジカルボン酸、4,4′−ビフェニルジカルボ
ン酸、ジフェニルメタン−4,4′−ジカルボン酸等の
芳香族ジカルボン酸又はその酸無水物;ヘキサヒドロイ
ソフタル酸、ヘキサヒドロテレフタル酸、ヘキサヒドロ
フタル酸、テトラヒドロフタル酸等の脂環族ジカルボン
酸又はその酸無水物;アジピン酸、セバシン酸、スベリ
ン酸、コハク酸、グルタル酸、マレイン酸、クロロマレ
イン酸、フマル酸、ドデカン二酸、ピメリン酸、アゼラ
イン酸、イタコン酸、シトラコン酸、ダイマー酸等の脂
肪族ジカルボン酸又はその酸無水物等があげられる。こ
れらは1種又は2種以上併用できる。このうち、特に無
水フタル酸、アジピン酸、コハク酸、セバシン酸等から
選ばれたものが好ましい。
【0024】R´にエステル結合を導入するには、1分
子中に2個のカルボキシル基を有する低分子量ポリエス
テル(数平均分子量は2000以下、特に150〜10
00の範囲内が好ましい)を、モノカルボン酸と反応さ
せるために用いるジカルボン酸又はその変性物の一部ま
たは全部と置換すればよい。該低分子量ポリステルはジ
カルボン酸とグリコールとから容易に合成できる。その
分子中には、カルボキシル基及びエステル結合が存在
し、これ以外の官能基及び結合は存在しないことが好ま
しいが、更に炭素−炭素結合、エーテル結合、ウレタン
結合等が併存しても差支えない。この場合、それらの結
合数は合計でエステル結合と同じまたは少ないことが望
ましい。
【0025】低分子量ポリエステルの合成に用いるジカ
ルボン酸としては、前記と同様のものが用いられる。
【0026】また、低分子量ポリエステルの合成に用い
るグリコールは1分子中に2個の水酸基を有する化合物
である。具体的には、例えば、エチレングリコール、プ
ロピレングリコール、ジエチレングリコール、トリメチ
レングリコール、テトラエチレングリコール、トリエチ
レングリコール、ジプロピレングリコール、1,4−ブ
タンジオール、1,3−ブタンジオール、2,3−ブタ
ンジオール、1,2−ブタンジオール、3−メチル−
1,2−ブタンジオール、1,2−ペンタンジオール、
1,5−ペンタンジオール、1,4−ペンタンジオー
ル、2,4−ペンタンジオール、2,3−ジメチルトリ
メチレングリコール、テトラメチレングリコール、3−
メチル−4,3−ペンタンジオール、3−メチル−4,
5−ペンタンジオール、2,2,4−トリメチル−1,
3−ペンタンジオール、1,6−ヘキサンジオール、
1,5−ヘキサンジオール、1,4−ヘキサンジオー
ル、2,5−ヘキサンジオール、1,4−シクロヘキサ
ンジメタノール、ネオペンチルグリコール、ビスフェノ
ールAのアルキレンオキサイド付加物等があげられる。
これらは1種又は2種以上使用できる。このうち、特に
ネオペンチルグリコール、1,6−ヘキサンジオール、
1,4−ブタンジオール等から選ばれたものが好まし
い。
【0027】上記ジカルボン酸とグリコールとのエステ
ル化反応はそれ自体既知の方法で行なうことができ、ま
た該両成分の反応比率は、得られるポリエステルの両末
端又は側鎖にカルボキシル基が合計2個存在するような
範囲であればよく、具体的にはグリコール1モルあたり
ジカルボン酸は1.2〜2モルが適している。
【0028】Rにエステル結合を導入するには、例えば
上記1分子中に2個のカルボキシル基を有する低分子量
ポリエステルの片方のカルボキシル基のみをモノアルコ
ールでエステル化した1分子中に1個のカルボキシル基
を有する低分子量ポリエステルをモノカルボン酸として
用いればよい。モノアルコールとしては、例えばメチル
アルコール、エチルアルコール、プロピルアルコール、
ブチルアルコール、エチルブタノール、ベンジルアルコ
ール、ラウリルアルコール、ステアリルアルコール、エ
チレングリコールモノメチルエーテル、エチレングリコ
ールモノエチルエーテル、ジエチレングリコールモノメ
チルエーテル、ジエチレングリコールモノエチルエーテ
ル、ジエチレングリコールモノブチルエーテル等があげ
られ、これらは単独又は2種以上で用いることができ
る。
【0029】また、R′にエーテル結合を導入する方法
として、例えば2価アルコールの(ポリ)エーテル化物
の両末端にある水酸基を酸化等によってカルボキシル基
に変性してなる、両末端にカルボキシル基をそれぞれ1
個ずつ有するジカルボン酸ポリエーテルを、モノカルボ
ン酸と反応させるために用いるジカルボン酸又はその変
性物の一部又は全部と置換することがあげられる。一
方、Rにエーテル結合を導入するには、例えば該2価ア
ルコールの(ポリ)エーテル化物の片方の水酸基のみを
カルボキシル基に変性し、残りの水酸基にモノアルコー
ルをエーテル付加することによって得られるエーテル結
合含有モノカルボン酸を前記モノカルボン酸の一部又は
全部と置換すればよい。
【0030】(ポリ)エーテル化物を得るための2価ア
ルコールは1分子中に2個の水酸基を有する化合物であ
って、前記したグリコールと同様のものが用いられる。
【0031】また、エーテル結合含有のRを形成するた
めに用いるモノアルコールは1分子中に1個の水酸基を
有する化合物であり、前記した1分子中に1個のカルボ
キシル基を有する低分子量ポリエステルを得るために用
いるモノアルコールと同様のものが用いられる。
【0032】更に、一般式(I)のR又はR′にウレタ
ン結合を導入するには、ジイソシアネート化合物と2価
アルコールとをウレタン化反応させてなる両末端にイソ
シアネート基を有するポリウレタンを使用すればよい。
即ち、該ポリウレタンの該両イソシアネート基に、1分
子中に水酸基とカルボキシル基とを併存する化合物をウ
レタン化反応させて両末端にカルボキシル基を導入した
ものを、モノカルボン酸と反応させるために用いるジカ
ルボン酸の一部又は全部と置換することによってR′に
ウレタン結合を導入することができる。また、該ポリウ
レタンの片方のイソシアネート基にモノアルコールを付
加し、残りのイソシアネート基に1分子中に水酸基とカ
ルボキシル基とを併存する化合物をウレタン化反応によ
り付加せしめてモノカルボン酸とし、これを前記モノカ
ルボン酸の一部もしくは全部と置換することによってR
にウレタン結合を導入できる。
【0033】上記ジイソシアネート化合物は1分子中に
2個のイソシアネート基を有する化合物であって、例え
ばヘキサメチレンジイソシアネートまたはトリメチルヘ
キサメチレンジイソシアネート等の脂肪族系、水素添加
キシリレンジイソシアネート、イソホロンジイソシアネ
ート、シクロヘキサンジイソシアネート等の脂環族系、
トリレンジイソシアネート、ジフェニルメタンジイソシ
アネート等の芳香族系等のものがあげられる。また、水
酸基とカルボキシル基とを併存する化合物としては、例
えばパラオキシ安息香酸、ジメチロールプロピオン酸、
オキシピバリン酸、リシノール酸、12−ヒドロキシス
テアリン酸及びラクトン等があげられる。更に、上記2
価アルコール及びモノアルコールとしてはすでに例示し
たものが使用できる。
【0034】(II)成分は、上記モノカルボン酸とジカ
ルボン酸とを脱水反応させることによって得られる。こ
の脱水反応は約80〜約300℃で行なうことができ、
また、この反応を促進させるために例えば無水酢酸、酢
酸クロライド、五酸化リン等の脱水剤を使用することが
好ましい。その使用量は特に制限されないが、上記両成
分の合計固形分100重量部あたり2〜200重量部が
好ましい。また、上記両成分の反応比率は、一般式
(I)で示したように遊離のカルボキシル基が残存しな
い範囲内であればよく、具体的には、モノカルボン酸1
モルあたり、ジカルボン酸を0.5〜250モル用いる
ことが好ましい。
【0035】また、上記両成分が有しているカルボキシ
ル基の一部又は全部を、例えば酸クロライド及びアルカ
リ金属塩、アミン塩(1、2、3、4級のいずれか)に
して脱塩反応によって酸無水基を作ってもよい。
【0036】(II)成分の分子量は特に制限されない
が、数平均分子量で100〜50000、特に500〜
10000の範囲が好ましく、また非環状の酸無水基を
1分子中、2個以上、特に2〜50個有することが適し
ている。
【0037】上記(I)及び(II)成分の配合比率は目
的に応じて任意に選択できるが、(I)成分100重量
部あたり、(II)成分1〜1000重量部、特に10〜
200重量部の範囲が好ましい。
【0038】(III)成分 本発明組成物で用いる(III)成分は、(a)オニウム塩
及び(b)酸性リン酸エステルで構成される硬化触媒で
ある。
【0039】該(III)成分は、加熱により、上記(I)
成分と(II)成分との架橋反応を促進させる機能を有し
ている。具体的には、(I)、(II)、(III)成分を主
成分とする組成物は、室温で貯蔵すると粘度上昇は殆ど
認められない(架橋反応が殆ど進行しない)が、加熱す
ると(III)成分が触媒機能を発揮して(I)成分と(I
I)成分との架橋反応を促進させるという潜在的作用を
持っている。該(III)成分において、(a)及び(b)
成分の併用が必須であり、(a)オニウム塩単独では室
温でも(I)と(II)との架橋反応を促進しゲル化させ
るので好ましくない。
【0040】また、該(III)成分における(a)成分及
び(b)成分の状態については十分明らかになっていな
いが、両成分の単なる混合物であるか、両成分の反応物
であるか、または混合物と反応物の両者であると推測し
ている。
【0041】(a)オニウム塩は窒素、リン、イオウ等
のような孤立電子対をもつ元素を含む化合物において、
これらの孤立電子対にプロトンあるいは他の陽イオン形
の化合物が配位結合してなる化合物である。
【0042】上記(a)オニウム塩としては具体的には
一般式(A)(R1 2 3 4 N)Xで表わされる第
4級アンモニウム塩、一般式(B)(R1 2 3 4
P)Xで表わされる第4級ホスホニウム塩、一般式
(C)(R1 2 3 S)Xで表わされる第3級スルホ
ニウム塩等が挙げられる。
【0043】上記一般式(A)〜(C)において、
1 、R2 、R3 及びR4 は炭化水素基であって同一又
は異なっていてもかまわない。該炭化水素基はハロゲン
原子又はヒドロキシル基で置換されていてもよい。ま
た、炭化水素基としては、炭素数が1〜30の直鎖又は
分枝状のアルキル基(メチル基、エチル基、プロピル
基、ブチル基、ヘキシル基、ラウリル基等)、シクロア
ルキル基(シクロペンチル基、シクロヘキシル基等)、
アリール基(フェニル、トリル基等)、アラルキル基
(ベンジル基等)等が包含される。
【0044】また、Xは塩酸、硫酸、リン酸等の無機
酸、酢酸、クエン酸、酪酸、マロン酸、塩素化酢酸等の
有機酸の酸基又は水酸基である。
【0045】(a)オニウム塩の代表例としては、テト
ラエチルアンモニウムクロライド、テトラエチルアンモ
ニウムブロマイド、テトラブチルアンモニウムクロライ
ド、テトラブチルアンモニウムブロマイド、ジエチルジ
ブチルアンモニウムブロマイド、ジメチルジオレイルア
ンモニウムクロライド、ジメチルベンジルラウリルアン
モニウムクロライド、ジメチルジシクロヘキシルアンモ
ニウムブロマイド、テトラエチルホスホニウムクロライ
ド、テトラエチルホスホニウムブロマイド、テトラブチ
ルホスホニウムクロライド、ジメチルベンジルラウリル
ホスホニウムブロマイド、トリエチルスルホニウムクロ
ライド等が挙げられる。
【0046】(b)酸性リン酸エステルはリン酸、亜リ
ン酸及びこれらの縮合物のいずれかの無機リン化合物の
一部の水素をアルキル基又はアリール基等で置換した有
機酸性(亜)リン酸エステルである。該アルキル基とし
ては直鎖状又は分枝状のいずれのタイプであってもよ
く、例えばメチル、エチル、n−プロピル、iso−プ
ロピル、n−ブチル、iso−ブチル、sec−ブチ
ル、tert−ブチル、n−ペンチル、n−ヘキシル、
n−ヘプチル、2−エチルヘキシル、n−デシル基等の
炭素数1〜20のものが挙げられる。
【0047】上記(b)酸性リン酸エステルとしては具
体的にはジメチルホスフェート、ジエチルホスフェー
ト、ジプロピルホスフェート、モノ−ブチルホスフェー
ト、ジブチルホスフェート、モノ−2−エチルヘキシル
ホスフェート、ジ−2−エチルヘキシルホスフェート、
モノフェニルホスフェート、モノ−2−エチルヘキシル
ホスファイトなどが挙げられる。
【0048】上記(a)オニウム塩及び(b)酸性リン
酸エステルの配合割合は両成分の合計量換算で(a)オ
ニウム塩が約2〜90重量%、好ましくは約25〜75
重量%及び(b)酸性リン酸エステルが約10〜98重
量%、好ましくは約25〜75重量%の範囲である。
(a)オニウム塩の配合割合が約2重量%を下回り、そ
して(b)酸性リン酸エステルが約98%を上回ると樹
脂組成物の低温硬化性が低下し、一方(a)オニウム塩
の配合量が約90重量%を上回り、そして(b)酸性リ
ン酸エステルが約10重量%を下回ると樹脂組成物の貯
蔵安定性が低下するので好ましくない。
【0049】本発明の(III)成分では該(a)及び
(b)成分を併用するが、該両成分は単なる混合物であ
っても、またはカウンターイオンによる交換反応生成物
等の反応物でも使用できる。
【0050】この(III)成分の添加量は、(I)及び
(II)成分の合計固形分100重量部当り0.01〜2
0重量部程度、好ましくは1〜10重量部が適してい
る。
【0051】本発明の硬化性樹脂組成物には、(I)〜
(III)の必須成分以外に、必要に応じて、着色顔料、紫
外線吸収剤、光安定剤、流動性調整剤、重合体微粒子、
その他の塗料用添加剤等を配合できる。
【0052】本発明組成物を含む塗料組成物を用いて塗
膜を形成するには、これを素材の表面に塗布し、次いで
加熱硬化させれば良い。
【0053】上記素材としては、具体的には化成処理し
た鋼板にプライマーを電着塗装し、中塗り塗料(省略す
る場合もある)を塗装した素材、又は各種プラスチック
素材(必要に応じて、表面処理、プライマー、中塗り塗
料等を処理又は塗装を施したもの)等が挙げられる。
【0054】本発明の樹脂組成物を含有する塗料組成物
の塗装は、特に限定されず従来から公知の手段で実施で
きるが、好ましくは静電塗装(ベル型、REA型等)、
エアースプレー塗装等によって行なうことができる。塗
装膜厚は、乾燥膜厚で通常、約10〜100μm、好ま
しくは約20〜80μmの範囲が好ましい。また、塗膜
は焼付けにより硬化されるが、その焼付け条件は例えば
40℃〜100℃程度の温度では5分間〜3時間程度、
約100℃〜140℃の温度では5分間〜30分間程度
で行なうことができる。
【0055】本発明組成物は、特に自動車用上塗り塗膜
を形成するものとして適している。該塗膜形成方法とし
ては、自動車工業分野で公知の塗装系(例えば着色ベー
スコート/トップクリヤーコートを2コート1ベーク方
式又は2コート2ベーク方式等で仕上げる方法;着色ベ
ースコート/トップクリヤーコート/トップクリヤーコ
ートを3コート1ベーク方式又は3コート2ベーク方式
等で仕上げる方法等)が適用できる。本発明組成物は、
これらの塗装系の中でも、特に2コート1ベーク方式の
クリヤーコートとして適用することが好ましい。
【0056】本発明硬化性樹脂組成物は、特に耐酸性、
耐スリ傷性に優れた塗膜を形成できるので、これを上記
塗装系のトップコート用塗料組成物として用いることが
好ましい。
【0057】本発明硬化性樹脂組成物は、粉体、有機溶
剤に溶解又は分散した形態で使用することができる。
【0058】
【発明の効果】本発明硬化性樹脂組成物では、前記
(a)及び(b)成分からなる硬化触媒(III)の存在下
で、硬化剤成分として機能する化合物(II)に含まれる非
環状酸無水基からカルボニウムイオンが生成し、これが
エポキシ基と反応して3次元に架橋硬化するものと思わ
れる。そして、この様にして形成した硬化塗膜は、メラ
ミン硬化塗膜と比べて耐候性、耐酸性、耐スリ傷等に優
れたものとなる。
【0059】また、硬化剤成分として機能する非環状酸
無水基を有する化合物(II)は、環状酸無水基をもつもの
と比べて、次のような優れた性質を有する。
【0060】(1)それ自体有機溶媒に溶解しやすいの
で、架橋が効率がよく、しかも均一に行なわれ、仕上り
外観、性能等に優れた塗膜を形成できる。
【0061】(2)一般式(1)における非環状酸無水
基に結合するR´については分子量を自由に選択できる
ので、長鎖のものを選択するか、又はエステル結合を導
入することにより、仕上り外観、耐スリ傷性、可撓性等
に優れた塗膜を形成できる。
【0062】(3)分子末端が炭素数2〜50の炭化水
素基で構成されるので、非極性で低粘度の上塗り塗料と
して適切な性質を有するものとなり、これにより仕上り
外観に優れた塗膜を形成できる。
【0063】(4)一般式(1)におけるnの数を変化
させることにより、分子内の非環状酸無水基の数の増減
が可能であり、目的に応じて架橋密度の異なった塗膜を
形成できる。
【0064】(5)一般式(1)において、R´の分子
量を適宜選択することにより、架橋間分子量の異なった
塗膜を形成できる。
【0065】また、硬化触媒である(III)成分を上記
(I)成分と(II)成分との混合系に使用することによ
って、下記に示す技術的効果が得られた。
【0066】(1)耐酸性及び耐スリ傷性の要求水準が
高くなっており、それを満たすために、例えば(I)成
分の架橋官能基量を多くしたり、硬化剤としての(II)
成分を多量配合するなどして塗膜の架橋密度を高くする
ことが考えられる。しかし、かかる系に、触媒として従
来の3級アミンやオニウム塩{前記(a)成分}単独等
を配合すると、貯蔵中に室温で上記(I)成分と(II)
成分との反応が進行し、増粘又はゲル化したが、本発明
における上記(III)成分を使用すれば増粘又はゲル化の
傾向は著しく軽減された。
【0067】(2)上記(I)成分と(II)成分とから
なる塗膜を実用的性能を有する程度以上に架橋硬化せし
めるのに、触媒として3級アミンやオニウム塩等を使用
した系ではその程度までの硬化は可能であるが、硬化に
至るまでの時間がほぼ一定で変動させることが困難であ
るために、該組成物を2コート1ベイク方式のクリヤー
塗料に適用した場合、ベースコートの硬化性との関連で
平滑性、鮮映性及び光沢等仕上り外観が低下することが
あり好ましくなかった。一方、本発明において触媒とし
て上記(III)成分を使用すると、前記(a)及び(b)
成分の組成や比率を選択することによってその硬化速度
を任意に調整することが可能となり、ベースコートによ
って仕上り外観が低下するということは皆無となった。
【0068】
【実施例】以下製造例、実施例及び比較例を挙げて本発
明を更に具体的に説明する。
【0069】製造例1 成分(I)の製造 グリシジルメタクリレート2.5モル及びn−ブチルメ
タクリレート4.5モルのモノマー成分をキシロール中
でラジカル共重合反応させて、アクリル樹脂溶液である
エポキシ基含有樹脂I−(1)を得た。このものは、樹
脂数平均分子量20000で、樹脂固形分含有率50重
量%であった。
【0070】製造例2 成分(I)の製造 3,4−エポキシシクロヘキシルメチルメタクリレート
2.5モル及びn−ブチルメタクリレート3.6モルの
モノマー成分をキシロール中でラジカル共重合反応させ
て、アクリル樹脂溶液であるエポキシ基含有樹脂I−
(2)を得た。このものは、樹脂数平均分子量6000
で、樹脂固形分含有率50重量%であった。
【0071】製造例3 成分(II)の製造 アジピン酸5モル、安息香酸2モル及び無水酢酸10モ
ルを混合し、140℃で、副生する酢酸を除去しながら
反応させ、酢酸の流出がなくなった段階で160℃まで
昇温し、過剰の無水酢酸を除去し反応を終えて、非環状
酸無水基含有化合物II−(1)を得た。このものはガー
ドナー粘度P(20℃)、GPC(ゲルパーミュエーシ
ョンクロマトグラフィー)ピーク分子量約1000(数
平均分子量約400)であった。
【0072】製造例4 成分(II)の製造 アゼライン酸クロライド9モル、アジピン酸アンモニウ
ム10モル及び安息香酸クロライド2モルを混合し、2
0℃以下で1時間反応させた。副生したアンモニウムク
ロライドを除去して、非環状酸無水基含有化合物II−
(2)を得た。このものは、ガードナー粘度Z1、GP
Cピーク分子量4000(数平均分子量約1400)で
あった。
【0073】製造例5 成分(II)の製造 式
【0074】
【化4】
【0075】で示される化合物20モル、安息香酸2モ
ル及び無水酢酸40モルを混合し、140℃で、副生す
る酢酸を除去しながら反応させ、酢酸の流出がなくなっ
た段階で160℃まで昇温し、過剰の無水酢酸を除去し
反応を終えて非環状酸無水基含有化合物II−(3)を得
た。このものは、ガードナー粘度Z(20℃)、GPC
ピーク分子量約4000(数平均分子量約1400)で
あった。
【0076】製造例6 成分(II)の製造 式
【0077】
【化5】
【0078】で示される化合物10モル、イソノナン酸
2モル及び無水酢酸20モルを混合し、140℃で、副
生する酢酸を除去しながら反応させ、酢酸の流出がなく
なった段階で160℃まで昇温し、過剰の無水酢酸を除
去し反応を終えて非環状酸無水基含有化合物II−(4)
を得た。このものは白色の固体であったが、メチルイソ
ブチルケトンで固形分含有率90重量%溶液にしたもの
はガードナー粘度Z3(20℃)、GPCピーク分子量
約8000(数平均分子量約2500)であった。
【0079】製造例7 成分(II)の製造 アジピン酸5モル、ネオペンチルグリコール4モルから
なる末端カルボキシル基の線状ポリエステル樹脂(数平
均分子量960)を合成し、さらに、このものに安息香
酸2モル及び無水酢酸3モルを混合し、140℃で、副
生する酢酸を除去しながら反応させ、酢酸の流出がなく
なった段階で160℃まで昇温し、過剰の無水酢酸を除
去し反応を終えて、非環状酸無水基含有化合物II−
(5)を得た。このものはガードナー粘度K(20
℃)、GPCピーク分子量約1200(数平均分子量約
500)であった。
【0080】製造例8 シルバーメタリックベース塗料
の製造 アクリル樹脂(メチルメタクリレート/エチルメタクリ
レート/ブチルメタクリレート/ヒドロキシエチルメタ
クリレートの共重合体、分子量30,000、水酸基価
100)/ブチル化メラミン樹脂=75/25(重量
比)の硬化性樹脂組成物100部に、アルミペースト4
919(東洋アルミニウム(株)、商品名、固形分65
%)7.7部、カーボンMA(カーボンブラック、三菱
化成工業株式会社製、商品名)0.005部を混合分散
し、塗装粘度15秒(フォードカップ#4)になるよう
に混合溶剤(n−ヘプタン/キシレン/ブチルセロソル
ブ=1/1/1重量比)で調整して、シルバーメタリッ
クベース塗料を得た。
【0081】実施例1〜7及び比較例1〜2 クリヤー
トップコート塗料1〜9の製造 表1の配合物(重量部、固形分)を混合溶剤(n−ヘプ
タン/キシレン/メトキシブチルアセテート=1/1/
1重量比)で塗装粘度22秒に調整し、本発明樹脂組成
物であるクリヤートップコート塗料1〜7及び比較樹脂
組成物であるクリアートップコート塗料8〜9を得た。
【0082】
【表1】
【0083】上記表1中、樹脂I−(1)、(2)及び
化合物II−(1)〜(5)は、夫々製造例1〜7で得ら
れたものである。また、化合物(II)−(6)は、環状
酸無水物であるヘキサヒドロフタル酸である。また、触
媒III −a−(1)はテトラメチルアンモニウムクロラ
イドであり、触媒III −a−(2)はベンジルトリフェ
ニルホスホニウムクロライドであり、触媒III −b−
(1)はビス(エチルヘキシル)ホスフェートである。
【0084】比較例3 クリヤートップコート塗料10
の製造 アクリル樹脂(スチレン/メチルメタクリレート/エチ
ルメタクリレート/ブチルアクリレート/ヒドロキシエ
チルメタクリレートの共重合体、分子量20,000、
水酸基価100)/ブチル化メラミン樹脂=75/25
(重量比)の硬化性樹脂組成物を混合溶剤(n−ヘプタ
ン/キシレン/メトキシブチルアセテート=1/1/1
重量比)で塗装粘度22秒(フォードカップ#4)に調
整して、比較樹脂組成物であるクリヤートップコート塗
料10を得た。
【0085】上記で得たクリアートップコート塗料1〜
10について、下記方法で貯蔵安定性を調べた。
【0086】貯蔵安定性:各硬化性樹脂組成物を混合溶
剤(n−ヘプタン/キシレン/メトキシブチルアセテー
ト=1/1/1重量比)で30秒(フォードカップ#
4)に調整して、密封した後に60℃で12時間貯蔵
し、その増粘度を下記基準で評価した。
【0087】○はまったく増粘が見られなかったこと
を、△は0〜10秒程度の増粘が見られたことを、×は
著しい増粘又はゲル化が見られたことを、夫々示す。
【0088】次に、製造例8で得たベース塗料並びに実
施例1〜7及び比較例1〜3で得たクリアートップコー
ト塗料を用いて、2コート1ベーク方式により、塗膜を
形成した。
【0089】即ち、りん酸亜鉛処理した鋼板にカチオン
電着塗料(「エレクロン#9400」、関西ペイント株
式会社製、商品名、エポキシポリアミン系)を塗装し
(膜厚20μm)、加熱硬化後、中塗り塗料(「TP3
7」、関西ペイント株式会社製、商品名、ポリエステル
樹脂・メラミン樹脂系)を塗装し(膜厚30μm)、加
熱硬化させてから、上記ベース塗料及びクリヤートップ
コートを塗装した。
【0090】まず、ベース塗料をスプレー塗装機で膜厚
が15μm(硬化塗膜)になるように塗装し、室温で3
−5分放置してから、クリヤートップコートをスプレー
塗装機で40μm(硬化塗膜)になるように塗装し、次
いで、140℃で30分加熱して、両塗膜を硬化させる
ことにより、塗膜を形成した。
【0091】上記で得られた硬化塗膜につき、次の方法
で性能試験を行った。
【0092】塗膜性能試験方法 外観:塗膜表面を目視で評価した。
【0093】○はワキ、チヂミ等の欠陥がなく高光沢の
ものを、△はワキ、チヂミ等が認められツヤボケを生じ
たものを、×はワキ、チヂミ等が多く認められ低光沢の
ものを、夫々示す。
【0094】耐酸性:塗膜表面に40%硫酸水溶液を
0.4cm3 滴下した後熱風乾燥機にて60℃、15分間
加熱し、試験塗板水洗後、目視評価した。
【0095】○はシミ、白化、フクレ等の異状のないこ
とを、△はシミ、白化、フクレがやや認められること
を、×は塗膜がシミ、白化、フクレが著しいことを、夫
々表わす。
【0096】耐スリキズ性:ルーフに試験用塗板を貼り
つけた自動車を洗車機で5回洗車した後の該塗板の塗面
状態を観察した。洗車機はヤスイ産業製「PO 20F
WRC」を用いた。評価基準は次の通りである。
【0097】○は目視観察で殆んどスリキズが見つから
ず、合格であることを、△は少しスリキズが見つかる
が、その程度は極く軽微であることを、×は目視観察で
スリキズが目立ち、不合格であることを、××は目視観
察ではっきりと著しいスリキズが判り、不合格であるこ
とを、夫々示す。
【0098】耐溶剤性:キシロールを浸みこませたガー
ゼで塗面を10回払拭した後、塗面を観察し、次の基準
で評価した。
【0099】○は全く変化がないことを、△は塗面にキ
ズが目立つことを、×は塗面が膨潤し、白化傾向にある
ことを、夫々示す。
【0100】結果を下記表2に示す。
【0101】
【表2】
───────────────────────────────────────────────────── フロントページの続き (72)発明者 生島 聡 神奈川県平塚市東八幡4丁目17番1号 関西ペイント株式会社内 (72)発明者 五十嵐 浩史 神奈川県平塚市東八幡4丁目17番1号 関西ペイント株式会社内 (72)発明者 西口 滋郎 神奈川県平塚市東八幡4丁目17番1号 関西ペイント株式会社内 (72)発明者 磯崎 理 神奈川県平塚市東八幡4丁目17番1号 関西ペイント株式会社内 (56)参考文献 特開 昭55−13797(JP,A) 特開 平3−88301(JP,A) 特開 平5−295236(JP,A) 特開 平6−73155(JP,A) 特開 平7−133340(JP,A) 国際公開93/011188(WO,A1) (58)調査した分野(Int.Cl.7,DB名) C08G 59/42 C08G 59/68 C09D 163/00 - 163/10

Claims (9)

    (57)【特許請求の範囲】
  1. 【請求項1】(I)1分子中にエポキシ基を少なくとも
    2個有する樹脂、(II)非環状の酸無水基を少なくとも
    2個有し、かつ末端に遊離のカルボキシル基を持たない
    下記一般式(1)で示される化合物 【化1】 (式中、Rは炭素数2〜50の一価の炭化水素基であっ
    て、該炭化水素基は、エステル結合、エーテル結合及び
    ウレタン結合の少なくとも一種を含んでもよい。R′は
    炭素数2〜50の二価の炭化水素基であって、該炭化水
    素基は、エステル結合、エーテル結合及びウレタン結合
    の少なくとも一種を含んでもよい。nは1〜500の整
    数である。)、並びに(III)(a)オニウム塩及び
    (b)酸性リン酸エステルで構成される硬化触媒を必須
    成分として含有することを特徴とする硬化性樹脂組成
    物。
  2. 【請求項2】エポキシ基含有樹脂(I)が、1分子中に
    エポキシ基を2〜50個有する請求項1に記載の樹脂組
    成物。
  3. 【請求項3】エポキシ基含有樹脂(I)が、数平均分子
    量300〜100000である請求項1に記載の樹脂組
    成物。
  4. 【請求項4】化合物(II)が、1分子中に非環状の酸無
    水基を2〜50個有する請求項1に記載の樹脂組成物。
  5. 【請求項5】化合物(II)が、数平均分子量100〜5
    0000である請求項1に記載の樹脂組成物。
  6. 【請求項6】(I)成分100重量部当り、(II)成分
    1〜1000重量部配合されている請求項1に記載の樹
    脂組成物。
  7. 【請求項7】硬化触媒(III)が、両者の合計量換算で、
    (a)オニウム塩が約2〜90重量%及び(b)酸性リ
    ン酸エステルが約10〜98重量%である請求項1に記
    載の樹脂組成物。
  8. 【請求項8】(III)成分の添加量が、(I)及び(II)
    成分の合計固形分100重量部当り0.01〜20重量
    部程度である請求項1に記載の樹脂組成物。
  9. 【請求項9】請求項1に記載の硬化性樹脂組成物により
    塗布された被塗物。
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