JP2009035627A - 塗料組成物及び塗膜形成方法 - Google Patents

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靖洋 富崎
Takuya Kawachi
卓哉 河内
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Abstract

【課題】耐酸性、耐擦り傷性及び貯蔵安定性並びに静電塗装適性に優れる、酸無水基/エポキシ基からなる架橋系の塗料組成物を提供すること。
【解決手段】(A)1分子中にエポキシ基を少なくとも2個有する樹脂、(B)特定の非環状の酸無水基を少なくとも2個有する化合物、並びに(C)(a)3級アミン及び(b)酸性リン酸エステルで構成される潜在性硬化触媒を必須成分として含有することを特徴とする塗料組成物。とくに、潜在性硬化触媒(C)の3級アミン(a)が、一般式(RN)(R、R及びRは炭化水素基であって、同一もしくは異なっていてもよく、また、R、R及びRのうちの少なくとも1つが炭素原子数8以上の炭化水素基であって、該炭化水素基の水素原子はハロゲン又は水酸基で置換されていてもよい)で表わされる化合物である塗料組成物。
【選択図】 なし

Description

本発明は、新規な耐酸性、耐擦り傷性及び貯蔵安定性に優れる塗料組成物に関する。
自動車車体等の被塗物に塗装される塗料には、仕上り外観、耐酸性及び耐擦り傷性等の塗膜性能に優れることが要求されている。耐酸性及び耐擦り傷性に優れる塗料として、例えば、特許文献1には、エポキシ基含有樹脂、特定の非環状酸無水基含有化合物、並びにオニウム塩及び酸性リン酸エステルで構成される硬化触媒を必須成分とする塗料組成物が開示されている。
しかしながら、上記塗料組成物は、耐酸性及び耐擦り傷性には優れるものの、貯蔵安定性の改良効果は不十分であった。また、オニウム塩化合物が高極性であるため、塗料の体積固有抵抗値が低下することにより、静電塗装適性に不具合を生じる場合もあった。
特開平8−59794号公報
本発明の目的は、耐酸性、耐擦り傷性及び貯蔵安定性並びに静電塗装適性に優れる、酸無水基/エポキシ基からなる架橋系の塗料組成物を提供することにある。
本発明者らは、上記課題を解決するため鋭意研究を行なった結果、エポキシ基含有樹脂、特定の非環状酸無水基含有化合物を主成分とする塗料組成物において、その硬化触媒として、3級アミン及び酸性リン酸エステルで構成される潜在性硬化触媒を使用することにより、上記の目的を達成できることを見出し、本発明を完成するに至った。
即ち、本発明は、
(A)1分子中にエポキシ基を少なくとも2個有する樹脂、(B)非環状の酸無水基を少なくとも2個有し、下記一般式(1)で示される化合物
Figure 2009035627
(式中、Rは炭素数2〜50の一価の炭化水素基であって、該炭化水素基は、エステル結合、エーテル結合及びウレタン結合の少なくとも一種を含んでもよい。R′は互いに同じであっても異なっていてもよい炭素数2〜50の二価の炭化水素基であって、該炭化水素基は、エステル結合、エーテル結合及びウレタン結合の少なくとも一種を含んでもよい。nは1〜500の整数である。)、並びに(C)(a)3級アミン及び(b)酸性リン酸エステルで構成される潜在性硬化触媒を必須成分として含有することを特徴とする塗料組成物を提供するものである。
また、本発明は、被塗物に順次、少なくとも1層の着色ベースコート塗料及び少なくとも1層のクリヤコート塗料を塗装することにより複層塗膜を形成する方法であって、最上層のクリヤコート塗料として上記記載の塗料組成物を塗装することを特徴とする複層塗膜形成方法を提供するものである。
本発明の塗料組成物において、3級アミン及び酸性リン酸エステルで構成される触媒は、加熱によって新たに触媒の機能が発生するいわゆる熱潜在性硬化触媒として作用するものと考えられる。該硬化触媒は、加熱することにより、その触媒作用が発現し、(B)成分の非環状酸無水基からカルボニウムイオンが生成することにより、非環状酸無水基の開裂及び該開裂によって生じたカルボキシル基と、(A)成分のエポキシ基との付加反応を促進する。
潜在性硬化触媒の上記特性により、貯蔵安定性及び硬化性に優れた塗料組成物を得ることができ、該塗料組成物により得られる硬化塗膜の耐酸性及び耐擦り傷性も優れている。
また、3級アミン化合物は、オニウム塩化合物に比べ低極性であるため、塗料の体積固有抵抗値の低下を抑えることができ、静電塗装適性の観点からも有利である。
以上、本発明の塗料組成物によれば、貯蔵安定性並びに静電塗装適性に優れ、かつ、耐酸性及び耐擦り傷性に優れる酸無水基/エポキシ基からなる架橋系の塗料組成物を得ることができるといった効果を奏することができる。
以下、本発明の塗料組成物(以下、「本塗料」ということがある。)及び複層塗膜形成方法について詳細に説明する。
本発明の塗料組成物は、エポキシ基含有樹脂(A)、特定の非環状酸無水基含有化合物(B)、並びに3級アミン(a)及び酸性リン酸エステル(b)で構成される潜在性硬化触媒(C)を必須成分として含有する塗料組成物である。
エポキシ基含有樹脂(A)
本塗料で用いられるエポキシ基含有樹脂(A)は、1分子中にエポキシ基を少なくとも平均2個、好ましくは平均2〜50個有する樹脂である。また、該樹脂(A)中にはアミノ基、アミド基等の官能基が併存してもよい。
該樹脂(A)としては、アクリル樹脂、ポリエステル樹脂、ポリウレタン樹脂、エポキシ樹脂等の基体樹脂骨格の末端及び/又は側鎖にエポキシ基が少なくとも2個結合してなる樹脂をあげることができる。これらの具体例としては、例えば、ビスフェノール型エポキシ樹脂;エポキシ基含有ビニルモノマー(グリシジルアクリレート、グリシジルメタクリレート等)を必須成分とし、必要に応じてこれらのモノマーと共重合可能なビニルモノマーを共重合してなるアクリル系樹脂;遊離のイソシアネート基を有するポリウレタン樹脂に、水酸基とグリシジル基とを有する化合物(グリシドール等)をウレタン化反応によって付加せしめてなる樹脂;等が挙げられる。
上記樹脂の中でも、塗膜の仕上り外観、耐候性、耐酸性等の諸性能の良好な硬化塗膜が得られることから、1分子中に平均約2〜50個のエポキシ基を有するアクリル系樹脂を好適に使用することができる。
該アクリル系樹脂は、エポキシ基含有ビニルモノマー及びその他のビニルモノマーを共重合することによって合成することができる。ビニルモノマーの共重合は、一般的なビニルモノマーの重合法を問題なく用いることができるが、汎用性やコスト等を考慮して、有機溶剤中における溶液型ラジカル重合法が最も適している。即ち、キシレン、トルエン等の芳香族溶剤;メチルエチルケトン、メチルイソブチルケトン等のケトン系溶剤;酢酸エチル、酢酸ブチル、酢酸イソブチル、3−メトキシブチルアセテート等のエステル系溶剤;n−ブタノール、イソプロピルアルコール等のアルコール系溶剤等の溶剤中でアゾビスイソブチロニトリル、ベンゾイルパーオキサイド等の重合開始剤の存在下、60〜150℃程度の範囲内で共重合反応を行なうことによって、容易に目的のアクリル系樹脂を得ることができる。
エポキシ基含有ビニルモノマーとしては、例えば、グリシジル(メタ)アクリレート、アリルグリシジルエーテル、3,4−エポキシシクロヘキシルメチル(メタ)アクリレート等を挙げることができる。
なお、本明細書において、「(メタ)アクリレート」は「アクリレート又はメタクリレート」を意味する。また、「(メタ)アクリル酸」は、「アクリル酸又はメタクリル酸」を意味する。
その他のビニルモノマーとしては、例えば、水酸基含有ビニルモノマー;(メタ)アクリル酸エステル類;ビニルエーテル及びアリルエーテル;オレフィン系化合物及びジエン化合物;炭化水素環含有ビニルモノマー;含窒素ビニルモノマー等を挙げることができる。
水酸基含有ビニルモノマーとしては、例えば、2−ヒドロキシエチル(メタ)アクリレート、3−ヒドロキシプロピル(メタ)アクリレート、4−ヒドロキシブチル(メタ)アクリレート等のアクリル酸又はメタクリル酸の炭素数2〜8のヒドロキシアルキルエステル;ポリエチレングリコール、ポリプロピレングリコール、ポリブチレングリコール等のポリエーテルポリオールと(メタ)アクリル酸等の不飽和カルボン酸とのモノエステル;ポリエチレングリコール、ポリプロピレングリコール、ポリブチレングリコール等のポリエーテルポリオールと2−ヒドロキシエチル(メタ)アクリレート等の水酸基含有不飽和モノマーとのモノエーテル;無水マレイン酸や無水イタコン酸のような酸無水基含有不飽和化合物と、エチレングリコール、1,6−ヘキサンジオール、ネオペンチルグリコール等のグリコール類とのジエステル化物;ヒドロキシエチルビニルエーテルのようなヒドロキシアルキルビニルエーテル類;アリルアルコール等;2−ヒドロキシプロピル(メタ)アクリレート;α,β−不飽和カルボン酸と、カージュラE10(シェル石油化学(株)製、商品名)やα−オレフィンエポキシドのようなモノエポキシ化合物との付加物;グリシジル(メタ)アクリレートと酢酸、プロピオン酸、p−tert−ブチル安息香酸、脂肪酸類のような一塩基酸との付加物;上記水酸基含有モノマーとラクトン類(例えばε−カプロラクトン、γ−バレロラクトン)との付加物等を挙げることができる。
(メタ)アクリル酸エステル類としては、例えば、アクリル酸メチル、アクリル酸エチル、アクリル酸プロピル、アクリル酸イソプロピル、アクリル酸n−ブチル、アクリル酸イソブチル、アクリル酸tert−ブチル、アクリル酸ヘキシル、アクリル酸2−エチルヘキシル、アクリル酸n−オクチル、アクリル酸デシル、アクリル酸ステアリル、アクリル酸ラウリル、アクリル酸シクロヘキシル、メタクリル酸メチル、メタクリル酸エチル、メタクリル酸n−プロピル、メタクリル酸イソプロピル、メタクリル酸n−ブチル、メタクリル酸イソブチル、メタクリル酸tert−ブチル、メタクリル酸ヘキシル、メタクリル酸シクロヘキシル、メタクリル酸2−エチルヘキシル、メタクリル酸オクチル、メタクリル酸デシル、メタクリル酸ラウリル、メタクリル酸ステアリル等のアクリル酸又はメタクリル酸の炭素数1〜24のアルキルエステル又はシクロアルキルエステル;アクリル酸メトキシブチル、メタクリル酸メトキシブチル、アクリル酸メトキシエチル、メタクリル酸メトキシエチル、アクリル酸エトキシブチル、メタクリル酸エトキシブチル等のアクリル酸又はメタクリル酸の炭素数2〜18のアルコキシアルキルエステル;フェニル(メタ)アクリレート、フェニルエチル(メタ)アクリレート、フェニルプロピル(メタ)アクリレート、ベンジル(メタ)アクリレート、フェノキシエチル(メタ)アクリレート等の芳香環含有(メタ)アクリレート等が挙げられる。
ビニルエーテル及びアリルエーテルとしては、例えば、エチルビニルエーテル、n−プロピルビニルエーテル、イソプロピルビニルエーテル、ブチルビニルエーテル、tert−ブチルビニルエーテル、ペンチルビニルエーテル、ヘキシルビニルエーテル、オクチルビニルエーテル等の鎖状アルキルビニルエーテル類;シクロペンチルビニルエーテル、シクロヘキシルビニルエーテル等のシクロアルキルビニルエーテル類;フェニルビニルエーテル、トリビニルエーテル等のアリルビニルエーテル類、ベンジルビニルエーテル、フェネチルビニルエーテル等のアラルキルビニルエーテル類;アリルグリシジルエーテル、アリルエチルエーテル等のアリルエーテル類等が挙げられる。
オレフィン系化合物及びジエン化合物としては、例えば、エチレン、プロピレン、ブチレン、塩化ビニル、ブタジエン、イソプレン、クロロプレン等が挙げられる。
炭化水素環含有ビニルモノマーとしては、例えば、スチレン、α−メチルスチレン、ビニルトルエン等が挙げられる。
含窒素ビニルモノマーとしては、例えば、N,N−ジメチルアミノエチル(メタ)アクリレート、N,N−ジエチルアミノエチル(メタ)アクリレート、N−tert−ブチルアミノエチル(メタ)アクリレート等の含窒素アルキル(メタ)アクリレート;アクリルアミド、メタクリルアミド、N−メチル(メタ)アクリルアミド、N−エチル(メタ)アクリルアミド、N,N−ジメチル(メタ)アクリルアミド、N,N−ジメチルアミノプロピル(メタ)アクリルアミド、N,N−ジメチルアミノエチル(メタ)アクリルアミド等の重合性アミド類;2−ビニルピリジン、1−ビニル−2−ピロリドン、4−ビニルピリジン等の芳香族含窒素モノマー;アクリロニトリル、メタクリロニトリル等の重合性ニトリル;アリルアミン等が挙げられる。
エポキシ基含有樹脂(A)において、上記水酸基含有ビニルモノマーは、エポキシ基含有樹脂(A)と化合物(B)との相溶性の向上及び塗膜としたときの付着性向上等の目的により、必要に応じて使用される。水酸基含有ビニルモノマーを共重合成分とする場合、エポキシ基含有樹脂(A)の水酸基が、1〜200mgKOH/g、特に、50〜150mgKOH/gの範囲となるような量とするのが好ましい。
エポキシ基含有ビニルモノマーの共重合量は、通常、全モノマー中、塗料組成物の硬化性及び貯蔵安定性の観点から、5〜60質量%程度、特に、10〜45質量%程度であるのが好ましい。
その他のビニルモノマーは、40〜95質量%程度、特に55〜90質量%程度であるのが好ましい。
また、エポキシ基含有樹脂(A)は、通常、エポキシ基含有量が0.5〜5.0ミリモル/g、特に0.8〜3.5ミリモル/gの範囲内であるのが好ましい。
エポキシ基含有樹脂(A)のエポキシ基含有量が0.5ミリモル/gよりも小さくなると、得られる塗料組成物の硬化性が低下して塗膜の耐酸性等の塗膜性能が低下する場合があり、又、エポキシ基含有量が5.0ミリモル/gよりも大きくなると化合物(B)との相溶性が低下する場合がある。
エポキシ基含有樹脂(A)の数平均分子量は、800〜20000、特に1200〜10000の範囲内であるのが好ましい。数平均分子量が800より小さいと硬化塗膜の耐酸性が低下する場合があり、20000を越えると得られる塗膜の塗面平滑性が低下する場合がある。
なお、本明細書において、数平均分子量は、ゲルパーミエーションクロマトグラフで測定したクロマトグラムから標準ポリスチレンの分子量を基準にして算出した値である。ゲルパーミエーションクロマトグラフは、「HLC8120GPC」(東ソー社製)を使用した。カラムとしては、「TSKgel G−4000H×L」、「TSKgel G−3000H×L」、「TSKgel G−2500H×L」、「TSKgel G−2000H×L」(いずれも東ソー(株)社製、商品名)の4本を用い、移動相;テトラヒドロフラン、測定温度;40℃、流速;1cc/分、検出器;RIの条件で行った。
化合物(B)
本塗料で用いられる化合物(B)は、非環状の酸無水基を少なくとも2個有し、下記一般式(1)で示される化合物
Figure 2009035627
(式中、Rは炭素数2〜50の一価の炭化水素基であって、該炭化水素基は、エステル結合、エーテル結合及びウレタン結合の少なくとも一種を含んでもよい。R′は互いに同じであっても異なっていてもよい炭素数2〜50の二価の炭化水素基であって、該炭化水素基は、エステル結合、エーテル結合及びウレタン結合の少なくとも一種を含んでもよい。nは1〜500の整数である。)である。
該化合物(B)は、硬化剤成分として機能する。該化合物(B)は、例えば、1分子中に1個のカルボキシル基を有するモノカルボン酸と1分子中に2個のカルボキシル基を有するジカルボン酸とを脱水反応させることによって容易に得ることができる。
モノカルボン酸としては、例えば、安息香酸、メチル安息香酸、p−t−ブチル安息香酸等の芳香族モノカルボン酸;ギ酸、酢酸、乳酸、プロピオン酸、酪酸、カプロン酸、カプリル酸、ペラルゴン酸、イソノナン酸、カプリン酸、ウンデカン酸、ラウリン酸、ミリスチン酸、パルミチン酸、ステアリン酸、シクロヘキサンカルボン酸、9−デセン酸、オレイン酸、エレオステアリン酸、エライジン酸、ブラシジン酸、リノール酸、リノレイン酸等の飽和又は不飽和の脂肪酸モノカルボン酸又は脂環族モノカルボン酸;モノアルコールと環状酸無水物との付加体;等を挙げることができる。
また、モノカルボン酸として、やし油脂肪酸、大豆油脂肪酸、ひまし油脂肪酸、脱水ひまし油脂肪酸、あまに油脂肪酸、サフラワー油脂肪酸等も使用することができる。
これらは1種又は2種以上を使用することができる。これらのうち、安息香酸、イソノナン酸、やし油脂肪酸等を好適に使用することができる。
ジカルボン酸は1分子中に2個のカルボキシル基を有する化合物又はその酸無水物である。具体的には、テレフタル酸、イソフタル酸、フタル酸、ナフタレンジカルボン酸、4,4’−ビフェニルジカルボン酸、ジフェニルメタン−4,4’−ジカルボン酸等の芳香族ジカルボン酸又はその酸無水物;ヘキサヒドロイソフタル酸、ヘキサヒドロテレフタル酸、ヘキサヒドロフタル酸、テトラヒドロフタル酸等の脂環族ジカルボン酸又はその酸無水物;アジピン酸、セバシン酸、スベリン酸、コハク酸、グルタル酸、マレイン酸、クロロマレイン酸、フマル酸、ドデカン二酸、ピメリン酸、アゼライン酸、イタコン酸、シトラコン酸、ダイマー酸等の脂肪族ジカルボン酸又はその酸無水物;等を挙げることができる。
これらは1種又は2種以上を使用することができる。これらのうち、特に無水フタル酸、アジピン酸、コハク酸、セバシン酸等を好適に使用することができる。
化合物(B)のR′にエステル結合を導入するには、例えば、モノカルボン酸との反応に用いるジカルボン酸又はその変性物の一部または全部として、1分子中に2個のカルボキシル基を有する低分子量ポリエステル(数平均分子量は2000以下、特に150〜1000の範囲内が好ましい)を使用することにより行うことができる。該低分子量ポリステルはジカルボン酸とジオールとから容易に合成できる。該ポリエステル分子中には、カルボキシル基及びエステル結合以外の官能基及び化学結合は存在しないことが好ましいが、更に炭素−炭素結合、エーテル結合、ウレタン結合等が併存しても差支えない。この場合、それらの結合数は合計でエステル結合と同じまたは少ないことが好ましい。
低分子量ポリエステルの合成に用いるジカルボン酸としては、前記と同様のものを用いることができる。
低分子量ポリエステルの合成に用いるジオールは1分子中に2個の水酸基を有する化合物であり、具体的には、例えば、エチレングリコール、プロピレングリコール、ジエチレングリコール、トリメチレングリコール、テトラエチレングリコール、トリエチレングリコール、ジプロピレングリコール、1,4−ブタンジオール、1,3−ブタンジオール、2,3−ブタンジオール、1,2−ブタンジオール、3−メチル−1,2−ブタンジオール、1,2−ペンタンジオール、1,5−ペンタンジオール、1,4−ペンタンジオール、2,4−ペンタンジオール、2,3−ジメチルトリメチレングリコール、テトラメチレングリコール、3−メチル−4,3−ペンタンジオール、3−メチル−4,5−ペンタンジオール、2,2,4−トリメチル−1,3−ペンタンジオール、1,6−ヘキサンジオール、1,5−ヘキサンジオール、1,4−ヘキサンジオール、2,5−ヘキサンジオール、1,4−シクロヘキサンジメタノール、ネオペンチルグリコール、ビスフェノールAのアルキレンオキサイド付加物等をあげることができる。これらは1種又は2種以上を使用することができる。これらのうち、特にネオペンチルグリコール、1,6−ヘキサンジオール、1,4−ブタンジオール等を好適に使用することができる。
上記ジカルボン酸とジオールとのエステル化反応はそれ自体既知の方法で行なうことができ、また該両成分の反応比率は、得られるポリエステルの両末端又は側鎖にカルボキシル基が2個存在するような範囲であればよく、具体的にはジオール1モルあたりジカルボン酸が1.2〜2モル程度であるのが適している。
化合物(B)のRにエステル結合を導入するには、例えば、モノカルボン酸として、上記1分子中に2個のカルボキシル基を有する低分子量ポリエステルの片方のカルボキシル基をモノアルコールでエステル化した1分子中に1個のカルボキシル基を有する低分子量ポリエステルを使用することにより行うことができる。
モノアルコールとしては、例えば、メチルアルコール、エチルアルコール、プロピルアルコール、ブチルアルコール、エチルブタノール、ベンジルアルコール、ラウリルアルコール、ステアリルアルコール、エチレングリコールモノメチルエーテル、エチレングリコールモノエチルエーテル、ジエチレングリコールモノメチルエーテル、ジエチレングリコールモノエチルエーテル、ジエチレングリコールモノブチルエーテル等をあげることができる。これらは1種又は2種以上を使用することができる。
化合物(B)のR′にエーテル結合を導入するには、例えば、モノカルボン酸との反応に用いるジカルボン酸又はその変性物の一部又は全部として、2価アルコールの(ポリ)エーテル化物の両末端にある水酸基を酸化等によりカルボキシル基に変性してなる、両末端にカルボキシル基をそれぞれ1個ずつ有するジカルボン酸ポリエーテルを使用することにより行なうことができる。
化合物(B)のRにエーテル結合を導入するには、例えば、前記モノカルボン酸の一部又は全部として、該2価アルコールの(ポリ)エーテル化物の片方の水酸基のみをカルボキシル基に変性し、もう一方の水酸基にモノアルコールをエーテル付加することによって得られるエーテル結合含有モノカルボン酸を使用することにより行うことができる。
(ポリ)エーテル化物を得るための2価アルコールとしては、前記したジオール化合物を用いることができる。
また、上記エーテル結合含有モノカルボン酸を得るために使用するモノアルコールとしては、前記した1分子中に1個のカルボキシル基を有する低分子量ポリエステルを得るために用いるモノアルコールと同様のものを使用することができる。
化合物(B)のR又はR′にウレタン結合を導入するには、例えば、ジイソシアネート化合物と2価アルコールとをウレタン化反応させてなる両末端にイソシアネート基を有するポリウレタン化合物を使用することにより行うことができる。
化合物(B)のR′にウレタン結合を導入するには、例えば、モノカルボン酸との反応に用いるジカルボン酸の一部又は全部として、上記ポリウレタン化合物の両末端のイソシアネート基に、1分子中に水酸基とカルボキシル基とを併存する化合物をウレタン化反応させて得られる両末端にカルボキシル基を導入した化合物を使用することにより行なうことができる。
また、化合物(B)のRにウレタン結合を導入するには、前記モノカルボン酸の一部又は全部として、上記ポリウレタン化合物の片方のイソシアネート基にモノアルコールを付加し、もう一方のイソシアネート基に1分子中に水酸基とカルボキシル基とを併存する化合物をウレタン化反応により付加せしめることにより得られるモノカルボン酸を使用することにより行うことができる。
上記ジイソシアネート化合物は、1分子中に2個のイソシアネート基を有する化合物であり、例えば、ヘキサメチレンジイソシアネートまたはトリメチルヘキサメチレンジイソシアネート等の脂肪族系ジイソシアネート化合物;水添キシリレンジイソシアネート、イソホロンジイソシアネート、シクロヘキサンジイソシアネート等の脂環族系ジイソシアネート化合物;トリレンジイソシアネート、ジフェニルメタンジイソシアネート等の芳香族系ジイソシアネート化合物;等をあげることができる。
上記の水酸基とカルボキシル基とを併存する化合物としては、例えば、パラオキシ安息香酸、ジメチロールプロピオン酸、オキシピバリン酸、リシノール酸、12−ヒドロキシステアリン酸、ラクトン等をあげることができる。
上記の2価アルコール及びモノアルコールとしては、すでに例示したものを使用することができる。
化合物(B)は、上記モノカルボン酸とジカルボン酸とを脱水反応させることによって得ることができる。この脱水反応は80〜300℃程度で行なうことができる。また、脱水反応を促進するために、無水酢酸、酢酸クロライド、五酸化リン等の脱水剤を使用するのが好ましい。脱水剤の使用量は特に制限されないが、モノカルボン酸とジカルボン酸との合計固形分100質量部あたり、2〜200質量部が好ましい。また、モノカルボン酸とジカルボン酸との反応比率は、モノカルボン酸1モルあたり、ジカルボン酸が0.5〜250モル程度であるのが好ましい。
化合物(B)の分子量は、特に制限されないが、耐酸性及び耐擦り傷性の塗膜性能並びに仕上がり外観の観点から、数平均分子量で200〜50000、特に500〜10000の範囲であるのが好ましい。
また、化合物(B)は、硬化性並びに耐酸性及び耐擦り傷性の塗膜性能の観点から、1分子中に、非環状の酸無水基を2〜50個有するのが好ましい。
上記(A)及び(B)成分の配合比率は必要に応じて任意に選択できるが、耐酸性及び耐擦り傷性の塗膜性能並びに仕上がり外観の観点から、(A)成分100質量部あたり、(B)成分1〜1000質量部、特に10〜200質量部の範囲であるのが好ましい。
潜在性硬化触媒(C)
本塗料で用いられる潜在性硬化触媒(C)は、(a)3級アミン及び(b)酸性リン酸エステルから構成されるものであり、両者は混合物又は反応物のいずれであってもよい。
3級アミン化合物(a)は、一般式(RN)(R、R及びRは炭化水素基であって、同一もしくは異なっていてもよい。該炭化水素基の水素原子はハロゲン原子又は水酸基で置換されていてもよい。また、炭化水素基は直鎖もしくは分枝状のアルキル基、シクロアルキル基、アリール基(フェニル、トリル基など)、アラルキル基(ベンジル基など)などが包含される。)で表わされる化合物である。
具体的には、例えばトリメチルアミン、トリエチルアミン、トリイソプロピルアミン、トリn−プロピルアミン、トリn−ブチルアミン、N,N−ジメチルヘキシルアミン、N,N−ジメチルオクチルアミン、N,N−ジメチルデシルアミン、N,N−ジメチルラウリルアミン、N,N−ジメチルミリスチルアミン、N,N−ジメチルパルミチルアミン、N,N−ジメチルステアリルアミン、N,N−ジメチルベヘニルアミン、N,N−ジメチルココアルキルアミン、N,N−ジメチルオレイルアミン、N−メチルジヘキシルアミン、N−メチルジオクチルアミン、N−メチルジデシルアミン、N−メチルジココアルキルアミン、N−メチルジオレイルアミンなどのトリアルキルアミン;トリメタノ−ルアミン、トリエタノ−ルアミンなどのトリアルカノールアミン;N,N−ジメチルエタノ−ルアミン、N,N−ジエチルエタノ−ルアミンなどのN,N−ジアルキルアルカノールアミン;N−メチルジエタノ−ルアミン、N−エチルジエタノ−ルアミンなどのN−アルキルジアルカノールアミン;N−メチルモルホリン、N−エチルモルホリンなどのN−アルキルモルホリン;などがあげられ、これらは単独でもしくは2種以上を組合せて使用することができる。
これらのうち、塗料組成物の電気抵抗値の低下による静電塗装適性の低下を防ぐ観点から、一般式(RN)において、R、R及びRのうちの少なくとも1つが炭素原子数8以上、好ましくは12以上、より好ましくは16以上の炭化水素基である3級アミン化合物を好適に使用することができる。
上記のうち、特に、アルキルもとの炭素原子数が8以上である、メチルジアルキル3級アミン、ジメチルアルキル3級アミンを好適に使用することができる。これらのうち、メチルジアルキル3級アミンをより好適に使用することができる。
メチルジアルキル3級アミンとしては、N−メチルジオクチルアミン、N−メチルジデシルアミン、N−メチルジラウリルアミン、N−メチルジミリスチルアミン、N−メチルジパルミチルアミン、N−メチルジステアリルアミン、N−メチルジオレイルアミン、N−メチルジベヘニルアミン、N−メチルジココアルキルアミン、N−メチル硬化牛脂アルキルアミン等をあげることができる。
これらメチルジアルキル3級アミンのうち、N−メチルジココアルキルアミン、N−メチル硬化牛脂アルキルアミンを好適に使用することができる。
ジメチルアルキル3級アミンとしては、N,N−ジメチルオクチルアミン、N,N−ジメチルデシルアミン、N,N−ジメチルラウリルアミン、N,N−ジメチルミリスチルアミン、N,N−ジメチルパルミチルアミン、N,N−ジメチルステアリルアミン、N,N−ジメチルオレイルアミン、N,N−ジメチルベヘニルアミン、N,N−ジメチルココアルキルアミン、N,N−ジメチル硬化牛脂アルキルアミン等をあげることができる。
これらジメチルアルキル3級アミンのうち、N,N−ジメチルココアルキルアミン、N,N−ジメチル硬化牛脂アルキルアミンを好適に使用することができる。
(b)酸性リン酸エステルはリン酸、亜リン酸又はこれらの縮合物のいずれかの無機リン化合物の一部の水素をアルキル基又はアリール基等で置換した有機酸性(亜)リン酸エステルである。該アルキル基としては直鎖状又は分枝状のいずれのタイプであってもよく、例えば、メチル、エチル、n−プロピル、iso−プロピル、n−ブチル、iso−ブチル、sec−ブチル、tert−ブチル、n−ペンチル、n−ヘキシル、n−ヘプチル、2−エチルヘキシル、n−デシルなどの炭素数1〜20の基をあげることができる。
具体的には、ジメチルホスフェート、ジエチルホスフェート、ジプロピルホスフェート、モノブチルホスフェート、ジブチルホスフェート、モノ−2−エチルヘキシルホスフェート、ジ−2−エチルヘキシルホスフェート、ビス(エチルヘキシル)ホスフェート、モノフェニルホスフェート、ジフェニルホスフェート、モノ−2−エチルヘキシルホスファイトなどをあげることができる。
これらのうち、塗料組成物の貯蔵安定性の観点から、好ましいものとしてジフェニルホスフェートをあげることができる。
上記(a)3級アミン及び(b)酸性リン酸エステルの配合割合は両成分の合計量を基準にして、(a)3級アミンが約2〜90質量%、好ましくは約25〜75質量%及び(b)酸性リン酸エステルが約10〜98質量%、好ましくは約25〜75質量%の範囲である。(a)3級アミンの配合割合が約2質量%を下回ると塗料組成物の低温硬化性が低下する場合があり、一方(a)3級アミンの配合量が約90質量%を上回ると塗料組成物の貯蔵安定性が低下する場合がある。
潜在性硬化触媒(C)において、(a)成分と(b)成分の好ましい組合せとして、ア
ルキル基の炭素原子数が8〜24である、メチルジアルキル3級アミン又はジメチルアルキル3級アミンとジフェニルホスフェートとの組合せをあげることができる。
本発明の塗料組成物の潜在性硬化触媒は、4級アンモニウム塩等のオニウム塩及びリン酸エステル化合物の組合せからなるものに比べ、塗料の硬化性を損なうことなく、塗料の貯蔵安定性を向上させ、かつ、塗料の体積固有抵抗値の低下による静電塗装適性の低下を防ぐことができる点において優れている。
潜在性硬化触媒(C)の配合割合は、エポキシ基含有樹脂(A)と化合物(B)との合計量100質量部に対して、0.1〜10.0質量部となる割合であるのが好ましい。潜在性硬化触媒(C)の配合割合が、エポキシ基含有樹脂(A)と化合物(B)との合計量100質量部に対して、0.1質量部未満であると、配合量が少ないために十分な塗膜の硬化性が得られない場合がある。また、10.0質量部を超えると、低温硬化性の向上効果が低下したり、貯蔵安定性が低下する場合がある。
また、本発明の塗料組成物には、必要に応じて、塗料中や空気中に存在する水分による塗料の劣化を抑制するために、オルト酢酸トリメチル等のいわゆる脱水剤を使用することができる。
本発明の塗料組成物には、必要に応じて、着色顔料、体質顔料、光輝性顔料等の公知一般の顔料を配合することができる。
顔料としては、例えば、酸化チタン、亜鉛華、カーボンブラック、カドミウムレッド、モリブデンレッド、クロムエロー、酸化クロム、プルシアンブルー、コバルトブルー、アゾ顔料、フタロシアニン顔料、キナクリドン顔料、イソインドリン顔料、スレン系顔料、ペリレン顔料などの着色顔料;タルク、クレー、カオリン、バリタ、硫酸バリウム、炭酸バリウム、炭酸カルシウム、シリカ、アルミナホワイトなどの体質顔料;アルミニウム粉末、雲母粉末、酸化チタンで被覆した雲母粉末などの光輝性顔料;等をあげることができる。
本発明の塗料組成物には、更に必要に応じて、前記(A)成分及び(B)成分以外のアクリル樹脂、ポリエステル樹脂、アルキド樹脂、シリコン樹脂、フッ素樹脂等の各種樹脂を添加することも可能である。また、例えばメラミン樹脂、ブロックポリイソシアネート化合物等の架橋剤を少量併用することも可能である。
更にまた、必要に応じて、紫外線吸収剤、光安定剤、酸化防止剤、表面調整剤、消泡剤等の一般的な塗料用添加剤を配合することも可能である。
紫外線吸収剤としては、従来から公知のものが使用でき、例えば、ベンゾトリアゾール系吸収剤、トリアジン系吸収剤、サリチル酸誘導体系吸収剤、ベンゾフェノン系吸収剤等の紫外線吸収剤をあげることができる。
紫外線吸収剤の塗料組成物中の含有量としては、通常、樹脂固形分総合計量100質量部に対して0〜10質量部、特に0.2〜5質量部、さらに特に0.3〜2質量部の範囲内であるのが耐侯性、耐黄変性の面から好ましい。
光安定剤としては、従来から公知のものが使用でき、例えば、ヒンダードアミン系光安定剤をあげることができる。
光安定剤の塗料組成物中の含有量としては、通常、樹脂固形分総合計量100質量部に対して0〜10質量部、特に0.2〜5質量部、さらに特に0.3〜2質量部の範囲内であるのが耐侯性、耐黄変性の面から好ましい。
本発明の塗料組成物の形態は特に制限されるものではないが、通常、有機溶剤型の塗料組成物として使用される。有機溶剤としては、各種の塗料用有機溶剤、例えば、芳香族又は脂肪族炭化水素系溶剤;アルコール系溶剤;エステル系溶剤;ケトン系溶剤;エーテル系溶剤等が使用できる。使用する有機溶剤は、配合する(A)成分又は(B)成分の調製時に用いたものをそのまま使用しても良いし、更に適宜加えることもできる。本塗料の固形分濃度は、通常、30〜70質量%程度、好ましくは40〜60質量%程度とすることができる。
塗料組成物の塗装方法
本塗料を適用する被塗物としては、特に限定されるものではないが、例えば、冷延鋼板、亜鉛メッキ鋼板、亜鉛合金メッキ鋼板、ステンレス鋼板、錫メッキ鋼板等の鋼板、アルミニウム板、アルミニウム合金板等の金属基材;各種プラスチック素材等が好ましい。また、これらにより形成される自動車、二輪車、コンテナ等の各種車両の車体等であってもよい。
また、該被塗物は、金属基材や上記車体等の金属表面に、リン酸塩処理、クロメート処理、複合酸化物処理等の表面処理が施されたものであってもよい。
更に、被塗物としては、上記車体、金属基材等に、各種電着塗料等の下塗り塗膜及び/又は中塗り塗膜が形成されたものであってもよい。
また、被塗物はさらに、中塗塗面上に、着色塗料等を塗装することにより塗膜が形成されてなるものであってもよい。該着色塗料等を塗装してなる塗膜は、硬化塗膜又は未硬化塗膜のいずれであってもよいが、加熱硬化工程削減の観点から、未硬化塗膜に対して本塗料を塗装し、本塗料により形成される塗膜の加熱硬化と併せて着色塗料を塗装してなる塗膜を一緒に加熱硬化させるのが好ましい。
着色塗料としては、具体的には、ソリッドカラー塗料、メタリック塗料および光干渉塗料をあげることができ、特に、樹脂成分、顔料及び必要に応じて添加される、揮発成分である有機溶剤又は水を主成分とする液状の熱硬化性塗料が適している。
該樹脂成分としては、具体的には、架橋性官能基(例えば、水酸基、エポキシ基、カルボキシル基、アルコキシシラン基など)を有するアクリル樹脂、ビニル樹脂、ポリエステル樹脂、アルキド樹脂、ウレタン樹脂などから選ばれる少なくとも1種の基体樹脂と、これらを架橋硬化させるための架橋剤、例えば、アルキルエーテル化したメラミン樹脂、尿素樹脂、グアナミン樹脂、ブロックされていてもよいポリイソシアネート化合物、エポキシ化合物、カルボキシル基含有化合物などの塗料用途に公知の架橋剤から選ばれた少なくとも1種とからなるものをあげることができる。上記基体樹脂及び架橋剤の合計質量を基準として、基体樹脂は50〜90質量%、架橋剤は50〜10質量%の比率であることが好ましい。
顔料には着色顔料、メタリック顔料および光干渉顔料が包含され、着色顔料としては、酸化チタン、亜鉛華、カーボンブラック、カドミウムレッド、モリブデンレッド、クロムエロー、酸化クロム、プルシアンブルー、コバルトブルーなどの無機顔料、アゾ顔料、フタロシアニン顔料、キナクリドン顔料、イソインドリン顔料、スレン系顔料、ペリレン顔料などの有機顔料をあげることができる。メタリック顔料としては、代表的なものとして、鱗片状のアルミニウム等をあげることができ、又、特殊な金属蒸着フィルムフレークやガラスフレーク等も含まれる。光干渉顔料としては、雲母、金属酸化物で表面被覆した雲母、雲母状酸化鉄、ホログラム顔料などをあげることができる。これらは単独で又は2種以上を併用することができる。
また、着色塗料として、本発明の塗料組成物を使用することもできる。
着色塗料の塗装は、例えば、自動車外板のような金属製及び/又はプラスチツク製の被塗物に直接、又はカチオン電着塗料などの下塗塗料及び場合によりさらに中塗塗料を塗装し、硬化させた塗膜に対して、該着色塗料を20℃において、フォードカップ粘度計No.4を用いて15〜60秒に調整し、エアレススプレー、エアスプレー、回転霧化塗装などの塗装法により行なうことができる。塗装の際、必要に応じて静電印加を行なってもよい。
着色塗料の塗装膜厚は、硬化塗膜として5〜50μm、好ましくは10〜30μmの範囲内とすることができる。
また、被塗物は通常のクリヤ塗膜が塗装された硬化又は未硬化の塗膜が形成されてなるものであってもよい。
着色塗料の塗膜の硬化は、樹脂成分により異なるが、通常、80〜180℃、好ましくは100〜160℃の温度で、10〜40分間程度加熱することにより行なうことができる。
上記加熱硬化の前に、又は、未硬化塗膜に対して本塗料を塗装する前に、必要に応じて揮発成分の揮散を促進するために、例えば、50〜80℃程度の温度で3〜10分間程度のプレヒートを行なうこともできる。
本塗料の塗装方法としては、特に限定されないが、例えば、エアスプレー塗装、エアレススプレー塗装、回転霧化塗装、カーテンコート塗装などの塗装方法で塗膜を形成することができる。これらの塗装方法は、必要に応じて、静電印加してもよい。このうちエアスプレー塗装、回転霧化塗装が特に好ましい。本塗料の塗布量は、通常、硬化膜厚として、10〜50μm程度となる量とするのが好ましい。
また、エアスプレー塗装、エアレススプレー塗装及び回転霧化塗装する場合には、本塗料の粘度を、該塗装に適した粘度範囲、通常、フォードカップ#No.4粘度計において、20℃で15〜60秒程度の粘度範囲となるように、有機溶剤等の溶媒を用いて、適宜、調整しておくことが好ましい。
被塗物に本塗料を塗装してなるウエット塗膜の硬化は、加熱することにより行われ、加熱は公知の加熱手段により行うことができ、例えば、熱風炉、電気炉、赤外線誘導加熱炉等の乾燥炉を適用できる。加熱条件は、通常、100〜140℃程度の温度で、5分間〜30分間程度とすることができる。
本塗料は、特に1液型で低温硬化性に優れ、かつ仕上り外観、耐酸性及び耐擦り傷性に優れた塗膜が形成できることから、上塗りトップクリヤコート塗料として好適に用いることができる。本塗料は、自動車用上塗り塗料として特に好適に用いることができる。該自動車上塗り塗料としては、例えばソリッドカラー及び2コート1ベーク、2コート2ベーク、3コート1ベーク、3コート2ベークなどのメタリックカラー用クリヤーとして好適に使用することができる。
複層塗膜形成方法
上塗りトップクリヤコート塗料として、本塗料が塗装される複層塗膜形成方法として、
被塗物に順次、少なくとも1層の着色ベースコート塗料及び少なくとも1層のクリヤコート塗料を塗装することにより複層塗膜を形成する方法であって、最上層のクリヤコート塗料として本発明の塗料組成物を塗装することを特徴とする複層塗膜形成方法をあげることができる。
具体的には、例えば、電着塗装及び/又は中塗り塗装が施された被塗物上に、溶剤型又は水性のベースコート塗料を塗装し、該塗膜を硬化させることなく、必要に応じてベースコート塗料中の溶媒の揮散を促進させるために例えば、40〜90℃で3〜30分間程度のプレヒートを行なった後、その未硬化のベースコート塗膜上にクリヤコート塗料として本塗料の塗装を行った後、ベースコートとクリヤコートを一緒に硬化させる2コート1ベーク方式の複層塗膜形成方法をあげることができる。
また、3コート2ベーク方式又は3コート1ベーク方式の上塗り塗装におけるトップクリヤコート塗料としても好適に使用することができる。
上記で用いられるベースコート塗料としては、従来から公知の通常の熱硬化型ベースコート塗料を使用することができ、具体的には、例えば、アクリル樹脂、ポリエステル樹脂、アルキド樹脂、ウレタン樹脂などの基体樹脂にアミノ樹脂、ポリイソシアネート化合物、ブロックポリイソシアネート化合物等の硬化剤を基体樹脂が含有する反応性官能基と適宜組合せてなる塗料を使用することができる。
また、ベースコート塗料としては、環境問題、省資源等の観点から、有機溶剤の使用量の少ないハイソリッド型塗料又は水性塗料が好ましい。
複層塗膜形成方法において、クリヤコートを2層以上塗装する場合、本塗料以外に、1層目のクリヤコート塗料として、従来から公知の熱硬化型クリヤコート塗料を使用することができる。
以下、実施例及び比較例を挙げて、本発明をより具体的に説明する。ただし、本発明は以下の実施例に限定されるものではない。なお、以下、「部」及び「%」はいずれも質量基準によるものとし、また、塗膜の膜厚はいずれも硬化塗膜に基づくものである。
エポキシ基含有樹脂(A)の製造例
製造例1
撹拌機、温度計、冷却管、窒素ガス導入口を装備した四つ口フラスコに、キシレン1100部及びn−ブタノール210部を仕込み、窒素ガス通気下で125℃に昇温した。125℃に達した後、窒素ガスの通気を止め、下記モノマーと重合開始剤からなる組成のモノマー混合物を均等に4時間かけて滴下した。尚、アゾビスイソブチロニトリルは重合開始剤である。
グリシジルメタクリレート 504部(35%)
n−ブチルメタクリレート 936部(65%)
アゾビスイソブチロニトリル 86.4部
次いで、125℃で窒素ガスを通気しながら30分間熟成しさせたあと、更にキシレン90部、n−ブタノール40部及びアゾビスイソブチロニトリル14.4部の混合物を2時間かけて滴下して、その後2時間熟成して、エポキシ基含有樹脂(A−1)の溶液を得た。
得られた重合体溶液の固形分は50質量%、数平均分子量は2000であった。また、この重合体のエポキシ基含有量は2.47ミリモル/gであった。
製造例2
製造例1において、モノマー混合物を下記の組成とする以外は、製造例1と同様にして重合を行なうことにより、エポキシ基含有樹脂(A−2)の溶液を得た。
グリシジルメタクリレート 504部(35%)
n−ブチルメタクリレート 792部(55%)
2−ヒドロキシエチルアクリレート 144部(10%)
アゾビスイソブチロニトリル 86.4部
得られた重合体溶液の固形分は50質量%、数平均分子量は2000であった。また、この重合体のエポキシ基含有量は2.47ミリモル/g、水酸基価は48mgKOH/gであった。
化合物(B)の製造例
製造例3
アジピン酸5モル、安息香酸2モル及び無水酢酸12モルを混合し、140℃で、副生する酢酸を除去しながら反応させ、酢酸の流出がなくなった段階で160℃まで昇温し、過剰の無水酢酸を除去し反応を終えて、化合物(B−1)を得た。化合物(B−1)はガードナー粘度P(20℃)、全酸価は777mgKOH/g、ピーク分子量約1000(数平均分子量約400)であった。
製造例4
アジピン酸5モル、ネオペンチルグリコール4モルからなる末端カルボキシル基の線状ポリエステル樹脂(数平均分子量約1000)を合成し、さらに、このものに安息香酸2モル及び無水酢酸4モルを混合し、140℃で、副生する酢酸を除去しながら反応させ、酢酸の流出がなくなった段階で160℃まで昇温し、過剰の無水酢酸を除去し反応を終えて、化合物(B−2)を得た。化合物(B−2)はガードナー粘度K(20℃)、全酸価は192mgKOH/g、ピーク分子量約1200(数平均分子量約1200)であった。
カルボキシル基含有樹脂(比較例用)の製造例
製造例5
撹拌装置、温度計、冷却管、窒素ガス導入口を備えた四つ口フラスコに、スワゾール1000(コスモ石油社製、商品名、炭化水素系溶剤)680部を仕込み、窒素ガス通気下で125℃に昇温した。125℃に達した後、窒素ガスの通気を止め、下記モノマー、溶剤及び重合開始剤からなる組成のモノマー混合物を均等に4時間かけて滴下した。尚、p−tert−ブチルパーオキシ−2−エチルヘキサノエートは重合開始剤である。
スチレン 500部
シクロヘキシルメタクリレート 500部
イソブチルメタクリレート 500部
無水マレイン酸 500部
プロピオン酸2−エトキシエチル 1000部
p−tert−ブチルパーオキシ−2−エチルヘキサノエート 100部
次いで、125℃で窒素ガスを通気しながら30分間熟成させた後、更に、p−tert−ブチルパーオキシ−2−エチルヘキサノエート10部及びスワゾール1000 80部との混合物を1時間かけて滴下した。その後、60℃に冷却し、メタノール490部とトリエチルアミン4部を加え、4時間加熱還流下、ハーフエステル化反応を行なった。その後、余分なメタノール326部を減圧下で除去し、カルボキシル基含有樹脂の溶液を得た。
得られた樹脂溶液の固形分は55質量%、数平均分子量は約3500であった。また、このカルボキシル基含有樹脂の半酸価は130mgKOH/gであった。
塗料組成物の製造
実施例1〜8及び比較例1〜8
上記製造例1〜4で得られたエポキシ基含有樹脂(A)、化合物(B)及び後記表1に記載の原材料を用いて、後記表1に示す配合にて回転翼式攪拌機を用いて攪拌して混合し、塗料化を行い各塗料組成物No.1〜15を得た。比較例8の塗料組成物No.16は、有機溶剤型クリヤ塗料(KINO#1200TW、関西ペイント社製、酸・エポキシ硬化型アクリル樹脂系クリヤ塗料)である。なお、表1に示す塗料組成物の配合は各成分の固形分質量比である。
後記表1における(*1)〜(*11)は、それぞれ下記の意味を有する。
(*1)アーミンM2HT:LION AKZO社製、N−メチル硬化牛脂アルキルアミン(3級アミン、主成分;アルキル基炭素原子数が18の成分(64%)、12の成分(30%))。
(*2)アーミンDMCD:LION AKZO社製、N,N−ジメチルココアルキルアミン(3級アミン、アルキル基炭素原子数が12の成分(61%)、14の成分(31%)、16の成分(8%))。
(*3)アーミンM2C:LION AKZO社製、N−メチルジココアルキルアミン(3級アミン、主成分;アルキル基炭素原子数が12の成分(60%)、14の成分(22%)、16の成分(8%)、10の成分(7%))。
(*4)アーミン2C:LION AKZO社製、ジココアルキルアミン(2級アミン、主成分;アルキル基炭素原子数が12の成分(60%)、14の成分(22%)、16の成分(8%)、10の成分(7%))。
(*5)アーミンCD:LION AKZO社製、ココアルキルアミン(1級アミン、主成分;アルキル基炭素原子数が12の成分(60%)、14の成分(22%)、16の成分(8%)、10の成分(7%))。
(*6)TBAB:LION AKZO社製、テトラブチルアンモニウムブロマイド。
(*7)リン酸A:ビス(エチルヘキシル)ホスフェート。
(*8)リン酸B:ジフェニルホスフェート。
(*9)リン酸C:ジブチルホスフェート。
(*10)DDBSA:ドデシルベンゼンスルホン酸。
(*11)BYK−300:商品名、ビックケミー社製、表面調整剤。
上記実施例1〜8及び比較例1〜8で得られた各塗料組成物No.1〜16は、スワゾール1000(コスモ石油社製、商品名、炭化水素系溶剤)を添加してフォードカップ#No.4を用いて粘度調整を行なった。
得られた各塗料組成物につき、以下の試験を行なった。
貯蔵安定性:塗料組成物をフォードカップNo.4で35秒(20℃)の粘度になるように希釈し、60℃で、16時間密閉状態で貯蔵した後の粘度を再度、フォードカップNo.4(20℃)で測定した。
電気抵抗値:塗料組成物をフォードカップNo.4で25秒(20℃)の粘度になるように希釈したものを試料とし、ランズバーグテスターを用いて、試料の体積固有抵抗値を測定した。1MΩ程度以上であれば、静電塗装を行なうにあたり問題のないレベルである。
キシレン溶出率(%):塗料組成物をフォードカップNo.4で25秒(20℃)の粘度になるように希釈し、ブリキ板に膜厚40μmとなるように塗装し、140℃で30分間加熱硬化させてから塗膜を剥離して試料とした。
予め重量を測定した試料塗膜約0.2gを30℃でキシレン中に3時間浸漬し、キシレン中から取り出し、110℃で1時間乾燥した後の重量を測定した。キシレン溶出率(%)を下記式(1)により測定した。
A:初期塗膜重量
B:キシレン中に1時間浸漬した後、110℃で1時間乾燥後の塗膜重量
キシレン溶出率(%)=〔(A−B)/A〕×100 (1)
さらに、各塗料組成物No.1〜16につき、試験板を作製して以下の試験を行なった。試験板は以下の様にして作製した。
試験板の作製
リン酸亜鉛化成処理を施した厚さ0.8mmのダル鋼板上に、熱硬化性エポキシ樹脂系カチオン電着塗料(エレクロンGT−10、商品名、関西ペイント社製)を膜厚が20μmとなるように電着塗装し、170℃で30分間加熱し硬化させ、その上にポリエステル樹脂・メラミン樹脂系自動車中塗り塗料(アミラックTP−65−2、商品名、関西ペイント社製)を膜厚35μmとなるようにエアスプレー塗装し、140℃で30分間加熱硬化させた。該塗膜上に水性メタリックベースコート(WBC713T#202、商品名、関西ペイント社製、アクリル・メラミン樹脂系自動車用水性ベースコート塗料、黒塗色)を膜厚15μmとなるように塗装し、室温で5分間放置してから、80℃で10分間プレヒートを行なった後、未硬化の該塗膜上にフォードカップNo.4で25秒(20℃)の粘度になるように希釈した各塗料組成物を膜厚35μmとなるように塗装し、室温で10分間放置してから、140℃で30分間加熱してこの両塗膜を一緒に硬化させることにより試験板を得た。得られた各試験板につき下記方法により塗面平滑性、耐酸性及び耐擦り傷性の評価を行なった。
塗面平滑性:塗膜面の平滑性を「Wave Scan」(商品名、BYK Gardner社製)を用いて測定した。Wave ScanによりLong Wave値(LW)及びShort Wave値(SW)が測定される。
Long Wave値は、1.2〜12mmの波長の表面粗度の振幅の指標であり、塗膜面のユズ肌等の大きな振幅を評価することができる。Short Wave値は、0.3〜1.2mmの波長の表面粗度の振幅の指標であり、塗膜面の微少肌である小さな振幅を評価することができる。
各Wave Scan値は、測定値が小さいほど塗膜面の平滑性が高いことを示す。一般に、Wave Scan値が15未満であれば、塗面平滑性が良好とされる。
耐酸性:40%硫酸を各試験板の塗膜上に0.4cc滴下し、60℃に加熱したホットプレート上で15分間加熱した後、試験板を水洗した。硫酸滴下箇所のエッチング深さ(μm)を表面粗度計(東京精密社製、表面粗さ形状測定機 サーフコム570A)を用いて、カットオフ0.8mm(走査速度0.3mm/sec、倍率5000倍)の条件で測定することにより耐酸性の評価を行なった。エッチング深さの値が小さいほど耐酸性が良好であることを表わす。
耐擦り傷性:ルーフにニチバン社製耐水テープにて試験板を貼りつけた自動車を、20℃の条件下、洗車機で15回洗車を行なった後の試験板の20度鏡面反射率(20°光沢値)を測定し、試験前の20°光沢値に対する光沢保持率(%)により評価した。該光沢保持率が高いほど耐擦り傷性が良好であることを表わす。洗車機は、ヤスイ産業社製「PO20 FWRC」を用いた。
Figure 2009035627

Claims (10)

  1. (A)1分子中にエポキシ基を少なくとも2個有する樹脂、(B)非環状の酸無水基を少なくとも2個有し、下記一般式(1)で示される化合物
    Figure 2009035627
    (式中、Rは炭素数2〜50の一価の炭化水素基であって、該炭化水素基は、エステル結合、エーテル結合及びウレタン結合の少なくとも一種を含んでもよい。R′は互いに同じであっても異なっていてもよい炭素数2〜50の二価の炭化水素基であって、該炭化水素基は、エステル結合、エーテル結合及びウレタン結合の少なくとも一種を含んでもよい。nは1〜500の整数である。)、並びに(C)(a)3級アミン及び(b)酸性リン酸エステルで構成される潜在性硬化触媒を必須成分として含有することを特徴とする塗料組成物。
  2. エポキシ基含有樹脂(A)が、1分子中にエポキシ基を2〜50個有する請求項1に記載の塗料組成物。
  3. エポキシ基含有樹脂(A)が、数平均分子量800〜20000である請求項1に記載の樹脂組成物。
  4. 化合物(B)が、1分子中に非環状の酸無水基を2〜50個有する請求項1に記載の樹脂組成物。
  5. 化合物(B)が、数平均分子量200〜50000である請求項1に記載の樹脂組成物。
  6. 潜在性硬化触媒(C)が、3級アミン(a)として、一般式(RN)(R、R及びRは炭化水素基であって、同一もしくは異なっていてもよく、また、R、R及びRのうちの少なくとも1つが炭素原子数8以上の炭化水素基であって、該炭化水素基の水素原子はハロゲン又は水酸基で置換されていてもよい)で表わされる化合物を含有する請求項1に記載の塗料組成物。
  7. 潜在性硬化触媒(C)が、3級アミン(a)として、アルキル基の炭素原子数が8以上である、メチルジアルキル3級アミン又はジメチルアルキル3級アミンから選ばれる少なくとも1種を含有する請求項6に記載の塗料組成物。
  8. (A)成分100質量部あたり、(B)成分1〜1000質量部配合されている請求項1に記載の塗料組成物。
  9. (C)成分の添加量が、(A)及び(B)成分の合計固形分100質量部あたり0.01〜20質量部である請求項1に記載の塗料組成物。
  10. 被塗物に順次、少なくとも1層の着色ベースコート塗料及び少なくとも1層のクリヤコート塗料を塗装することにより複層塗膜を形成する方法であって、最上層のクリヤコート塗料として請求項1〜9のいずれかに記載の塗料組成物を塗装することを特徴とする複層塗膜形成方法。
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