JP2010149025A - 自動車車体の塗装方法及び塗膜を有する自動車車体 - Google Patents

自動車車体の塗装方法及び塗膜を有する自動車車体 Download PDF

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Abstract

【課題】仕上がり外観が良好で、中塗り塗膜の下地隠蔽性が優れ、クリヤー塗膜の復元力が良好で耐擦傷性に優れた積層塗膜を形成する。
【解決手段】電着塗膜、第1中塗塗膜、第2中塗塗膜、ベース塗膜、クリヤー塗膜を順次形成する自動車車体の塗装方法であって、第2中塗塗料としてカルボキシル基とカルボン酸エステル基を含有するアクリル樹脂(A)、エポキシ基含有アクリル樹脂(B)及び顔料(C)を含有する酸エポキシ硬化型塗料を用い、クリヤー塗料として水酸基含有アクリル樹脂(L)及びポリイソシアネートプレポリマー(M)を含有する塗料を用いる塗装方法。
【選択図】なし

Description

本発明は、自動車車体の塗装方法及びその方法による塗膜を有する自動車車体に関する。
自動車車体の塗装には、エポキシ系樹脂を主剤とする電着塗料等が適用される下塗り塗料と、ポリエステル系樹脂を主剤とする中塗り塗料と、同様にポリエステル系塗料を主剤とする上塗り塗料の3種類の塗料を用い、下塗り塗装を施した後にこれを焼き付け、当該硬化した下塗り塗膜の上に中塗り塗装を施した後に、これを焼き付けて硬化させ、この上に上塗り塗装を施して焼き付けることで完成する塗装方法が採用されている。
自動車車体の塗膜には外観向上等の意匠性に関する役割や被塗装物の保護等の機能性に関する役割があり、特に中塗り塗膜には、この意匠性および機能性に関する優れた性能が要求され、電着粗度の隠蔽性(下地隠蔽性)や、耐チッピング性などの塗膜性能を満たす塗膜が形成される必要がある。
中塗り塗料のための樹脂組成物としては、上塗塗装適性、顔料分散性、ならびにサンディング適性の点からポリエステル樹脂を主成分(必須樹脂成分)として用いるのが一般的である(特許文献1等)。しかしながら、ポリエステル系樹脂を主剤とする中塗塗料の硬化形式はメラミン硬化系が一般的であり、仕上がり外観が十分満足できるものではない。また、中塗り塗料の塗装及び焼き付けを、二工程で行う塗装方法が提案されているが(特許文献2)、高性能の積層塗膜を形成するためには塗装工程全体を考慮する必要がある。
一方、上塗り塗料は、洗車の際や走行中に飛んでくる砂塵等による塗膜表面の損傷を防ぐ役割を有しており、塗膜の耐擦傷性を向上させる技術として、耐酸性に優れたアクリル系脂組成物(特許文献3)、架橋密度を上げることで塗膜の硬さを上げる光硬化性樹脂組成物(特許文献4)、ポリカプロラクトンを導入して弾力性を発現させる塗料組成物(特許文献5)等が提案されている。また、塗膜の耐擦傷性を更に向上させるものとして水酸基含有アクリル樹脂とポリイソシアナートプレポリマーを必須成分とし、必要に応じてポリラクトンポリオールを含む上塗り塗料が提案されている(特許文献6)。しかしながら、高性能の積層塗膜を形成するためには塗装工程全体を考慮する必要がある。
特開2002−126637号公報 特開2005−177631号公報 特開平8−9968号公報 特開2000−297112号公報 特開2001−11376号公報 特開2007−31690号公報
本発明の目的は、特定の組成物である中塗塗料およびクリヤー塗料を用いることにより、仕上がり外観が良好な塗膜を形成することおよび中塗塗膜の下地隠蔽性を向上させることができ、かつ復元力が良好で耐擦傷性に優れた積層塗膜を製造可能な塗装方法を提供することにある。
前記課題は以下の本発明(1)〜(6)によって解決される。
(1)電着塗膜を形成した鋼板上に、第1中塗塗料を塗布し焼付け硬化して第1中塗塗膜を形成する工程、この工程の後に第2中塗塗料を塗布し焼付け硬化して第2中塗塗膜を形成する工程、この工程の後に水性ベース塗料を塗布して未硬化のベース塗膜を形成する工程、次いでウエットオンウエット塗装でクリヤー塗料を塗布し焼付け硬化する工程、を包含する自動車車体の塗装方法であって、
前記第1中塗塗料および第2中塗塗料のうち、少なくとも、前記第2中塗塗料は、酸価が50〜300mgKOH/g(固形分)であるカルボキシル基とカルボン酸エステル基を含有するアクリル樹脂(A)、エポキシ基当量が50〜700であるエポキシ基含有アクリル樹脂(B)及び顔料(C)を含有する酸エポキシ硬化型中塗塗料であり、
前記クリヤー塗料は、水酸基価が100〜200mgKOH/g(固形分)である水酸基含有アクリル樹脂(L)およびポリイソシアネートプレポリマー(M)を用いる2液型クリヤー塗料であり、かつ、前記ポリイソシアネートプレポリマー(M)のイソシアネート基当量と前記水酸基含有アクリル樹脂(L)の水酸基当量との比率が、〔イソシアネート基当量〕/〔水酸基当量〕=1/0.5〜1/1.5であることを特徴とする塗装方法。
(2)前記第2中塗塗料が更に、酸価が50〜350mgKOH/g(固形分)であるカルボキシル基含有ポリエステル樹脂(D)を含有することを特徴とする前記(1)に記載の塗装方法。
(3)前記第2中塗塗料の顔料濃度(PWC)が7〜13質量%であることを特徴とする前記(1)または(2)に記載の塗装方法。
(4)前記クリヤー塗料が更に、ポリラクトンポリオール(N)を、(L)/(N)=60/40〜100/0(固形分質量比)の範囲内で含み、前記水酸基含有アクリル樹脂(L)が、短側鎖ヒドロキシル基(L1)と長側鎖ヒドロキシル基(L2)を(L1)/(L2)=3/1〜1/3(モル比)で有し、その水酸基当量LOHと前記ポリイソシアネートプレポリマー(M)のイソシアネート基当量MIとの比率がMI/LOH=1/0.3〜1/2.0であることを特徴とする前記(1)〜(3)のいずれかに記載の塗装方法。
(5)前記水性ベース塗料が、光輝性顔料を含有することを特徴とする前記(1)〜(4)のいずれかに記載の塗装方法。
(6)前記(1)〜(5)のいずれかに記載の塗装方法により形成された積層塗膜を有する自動車車体。
本発明の自動車車体の塗装方法によれば、中塗塗膜の硬化形式が酸エポキシ硬化系の付加反応であるために仕上がり外観が良好で、下地隠蔽性に優れており、またクリヤー塗膜の復元力が良好で、耐擦傷性に優れた積層塗膜を得ることができる。
以下、本発明の塗装方法を塗膜の形成工程順に説明する。
本発明の塗装方法においては、先ず、電着塗料を用いて自動車車体の鋼板上に電着塗膜が形成される。この電着塗装に使用する塗料は、りん酸亜鉛などで表面処理した鋼板に、電着塗装するもので、下塗塗料に相当する。本発明では、カチオン電着塗料およびアニオン電着塗料のいずれでも使用できるが、耐蝕性等の観点からカチオン電着塗料を使用することが好ましい。
カチオン電着塗料としては、公知のものを使用でき、カチオン性基体樹脂及び硬化剤を含有する塗料組成物を挙げることができる。
カチオン性基体樹脂としては、特に限定されないが、例えば、特公昭54−4978号公報、特公昭56−34186号公報等に記載されたアミン変性エポキシ樹脂系、特公昭55−115476号公報等に記載されたアミン変性ポリウレタンポリオール樹脂系、特公昭62−61077号公報、特開昭63−86766号公報等に記載されたアミン変性ポリブタジエン樹脂系、特開昭63−139909号公報、特公平1−60516号公報等に記載されたアミン変性アクリル樹脂系、特開平6−128351号公報等に記載されたスルホニウム基含有樹脂系等を挙げることができる。上記引例に記載されたものの他、ホスホニウム基含有樹脂系等を使用することもできる。上記カチオン性基体樹脂のなかでも、アミン変性エポキシ樹脂系を使用することが好ましい。硬化剤としては、アミノ樹脂や、ブロックポリイソシアネート化合物などが挙げられるが、これらに限定されない。
このカチオン電着塗料は、公知の方法で水中に混合分散させることによって調製される。例えば、該成分を水混和性有機溶剤中に溶解させた状態で水及び酸(例えば酢酸、ギ酸、乳酸、りん酸、硫酸などの水溶性有機酸または無機酸)と混合し中和して電着塗料浴を形成するか、または該成分を水性媒体中に分散させ、酸で中和して電着塗料浴を形成する方法などがあげられる。カチオン電着塗料には、着色顔料、体質顔料、防錆顔料、沈降防止剤などを必要に応じて配合できる。
自動車車体の塗装は、例えば以下のように行われる。
自動車車体が車体組立工程から塗装工程に移され、最初に車体に付着した油や塵埃が除去されると共に、必要に応じて車体を構成する鋼板表面に防錆用の化成皮膜が形成される。次いで車体(被塗物)は洗浄され、電着塗料で満たされた電着塗装槽に浸漬される。電着塗装槽では、電着塗料に高電圧が印加されることにより電着塗料が電気泳動し、これにより、車体に電着塗膜(下塗り塗膜)が形成される。この電着塗装槽から出槽した車体は、次の電着水洗工程において洗浄されて、車体に付着した余分な電着塗料が洗い流される。このように電着水洗を終了した車体は、次に、電着乾燥炉に搬入されて電着塗膜を焼き付けて硬化させた後に、中塗塗装工程に移される。
電着塗膜が形成された鋼板上に、先ず第1中塗塗料が塗布され焼付け硬化されて第1中塗塗膜が形成される。この工程の後に第2中塗塗料が塗布され焼付け硬化されて第2中塗塗膜が形成される。
これらの中塗塗料は、基本樹脂、硬化剤及び有機溶剤を主成分とし、必要に応じて、着色顔料、沈降防止剤、体質顔料などを適宜配合した液状塗料である。有機溶剤としては、通常の塗料用有機溶剤が使用でき、例えば脂肪族系、脂環族系、芳香族系の炭化水素溶剤、アルコール系溶剤、エーテル系溶剤、エステル系溶剤、ケトン系溶剤などがあげられる。これらの中塗塗料は公知の方法で調製される。
第1中塗塗料および第2中塗塗料のうち、少なくとも、第2中塗塗料は、酸価が50〜300mgKOH/g(固形分)であるカルボキシル基とカルボン酸エステル基を含有するアクリル樹脂(A)(以下単に「酸基含有アクリル樹脂(A)」という)、エポキシ基当量が50〜700であるエポキシ基含有アクリル樹脂(B)及び顔料(C)を含有する酸エポキシ硬化型中塗塗料が使用される。
この酸基含有アクリル樹脂(A)は、例えば、酸無水物基を有するアクリル樹脂(a1)とモノアルコール(a2)とを反応させることにより得られる。
酸無水物基を有するアクリル樹脂(a1)は、例えば、酸無水物基含有エチレン性不飽和モノマー(a1−1)15〜40質量%、好ましくは15〜35質量%と、酸無水物基を有しないエチレン性不飽和モノマー(a1−2)60〜85質量%、好ましくは65〜85質量%とを共重合させることにより得られる。酸無水物基含有エチレン性不飽和モノマー(a1−1)の量が15質量%を下回ると硬化性が不足し、40質量%を上回ると得られる塗膜が固くもろくなりすぎて耐候性が不足する傾向がある。酸無水物基含有エチレン性不飽和モノマー(a1−1)としては、無水イタコン酸、無水マレイン酸および無水シトラコン酸等が挙げられる。
酸無水物基を有しないエチレン性不飽和モノマー(a1−2)は酸無水物基に悪影響を与えないものであれば特に限定されず、エチレン性不飽和結合を一つ有する炭素数3〜15、特に3〜12のモノマーであることが好ましい。具体例として、スチレン、α-メチルスチレン、p-t-ブチルスチレン、及び、(メタ)アクリル酸メチル、(メタ)アクリル酸エチル、(メタ)アクリル酸プロピル、(メタ)アクリル酸ノルマルブチル、(メタ)アクリル酸イソブチル、(メタ)アクリル酸ターシャリィブチル、(メタ)アクリル酸2-エチルヘキシル、(メタ)アクリル酸ラウリル、(メタ)アクリル酸シクロヘキシル、(メタ)アクリル酸イソボロニル等の(メタ)アクリル酸エステル類、並びに、シェル社製のVeoVa-9およびVeoVa-10等が挙げられる。また、アクリル酸、メタクリル酸、イタコン酸およびマレイン酸のようなカルボキシル基を有するモノマーも挙げられる。中でも、ε−カプロラクトン2モル変性アクリル酸〔東亞合成化学工業(株)製、アロニックスM−5300、分子量300〕のようなエチレン性不飽和基とカルボキシル基との間に炭素数5〜20個程度分のスペーサー部分を有する長鎖カルボン酸モノマーを用いれば、塗膜の耐擦傷性が向上し、特に好ましい。
例えば、水酸基含有エチレン性不飽和モノマー(a1−2−1)と酸無水物基含有化合物(a1−2−2)とを、水酸基と酸無水物基とがモル比で1/0.5〜1/1.0、好ましくは1/0.8〜1/1.0となる割合の量でハーフエステル化反応させることにより得られるカルボキシル基含有エチレン性不飽和モノマーを、酸無水物基を有しないエチレン性不飽和モノマー(a1−2)として用いることができる。このモル比が1/0.5を超えるとポリマー粘度が高くなり作業性不良となる。1/1.0未満になると過剰の酸無水物基含有化合物(a1−2−2)が残り、塗膜の耐水性が低下する。
ここで用いる水酸基含有エチレン性不飽和モノマー(a1−2−1)の炭素数は5〜23であることが好ましく、5〜13であることがさらに好ましい。この鎖長が短すぎると架橋点近傍のフレキシビリティーがなくなるため固くなりすぎ、長すぎると架橋点間分子量が大きくなりすぎるからである。一般には、次式で示す構造を有するモノマーが挙げられる。
Figure 2010149025
[式(1)中、Rは水素原子またはメチル基であり、Xは、下記の式(2)(式中、Yは炭素数2〜8の直鎖もしくは分岐鎖のアルキレン基であり、mは3〜7の整数であり、qは0〜4の整数である。)で示す有機鎖、または、下記の式(3)(式中、Rは水素原子またはメチル基であり、nは2〜50の整数である。)で示す有機鎖である。]
Figure 2010149025
具体的には、(メタ)アクリル酸2-ヒドロキシエチル、(メタ)アクリル酸2-ヒドロキシプロピル、(メタ)アクリル酸3-ヒドロキシプロピル、(メタ)アクリル酸2-ヒドロキシブチル、(メタ)アクリル酸4-ヒドロキシブチル、(メタ)アクリル酸6-ヒドロキシヘキシルおよびこれらのε-カプロラクトンとの反応物のような化合物および(メタ)アクリル酸と大過剰のジオール(例えば、1,4ブタンジオール、1,6ヘキサンジオール、ポリエチレングリコール、ポリプロピレングリコール)をエステル化することにより調製することができる化合物が挙げられる。
このような化合物は市販されており、例えば、三菱化学(株)製のアクリル酸4-ヒドロキシブチル「4HBA」およびメタクリル酸4-ヒドロキシブチル「4HBMA」等、ダイセル化学工業(株)社製「プラクセルFM1」および「プラクセルFA1」等が挙げられる。プロピレンオキサイド系モノマーとしては日油(株)製の「ブレンマーPP-1000」、「ブレンマーPP-800」およびエチレンオキサイド系モノマーとしては、「ブレンマーPE-90」がある。
ここで用いる酸無水物基含有化合物(a1−2−2)の具体例として、無水フタル酸、テトラヒドロ無水フタル酸、ヘキサヒドロ無水フタル酸、4-メチルヘキサヒドロ無水フタル酸、無水トリメリット酸、無水コハク酸等が挙げられる。
水酸基含有エチレン性不飽和モノマー(a1−2−1)と酸無水物基含有化合物(a1−2−2)とのハーフエステル化の反応は通常の方法に従い、室温から150℃の温度で行なわれる。
酸無水物基含有エチレン性不飽和モノマー(a1−1)と酸無水物基を有しないエチレン性不飽和モノマー(a1−2)との共重合は、例えばラジカル重合等の溶液重合のような公知の方法により行われる、例えば、常圧または加圧下で重合温度100〜200℃、重合時間3〜8時間で行うことができる。開始剤としてはアゾ系またはパーオキサイド系の開始剤が好適に用いられる。連鎖移動剤のような他の添加剤も用いうる。
得られるポリマーの数平均分子量は500〜8000、また800〜6000、特に1500〜4000とすることが好ましい。数平均分子量が8000を上回ると樹脂同士の相溶性が低下し、外観が低下する。数平均分子量が500を下回ると樹脂組成物の硬化性が不充分となる。得られるポリマーは1分子中に平均で少なくとも2個、好ましくは2〜15個の酸無水物基を有する、1分子中に含有される酸無水物基が2個を下回ると、樹脂組成物の硬化性が不充分となる。15個を上回ると固くもろくなりすぎ、耐候性が不足する。なお、上記数平均分子量は、ゲルパーミエーションクロマトグラフィー(GPC)を用いて、スチレンポリマー標準により換算値として得ることができる。
次いで、得られた酸無水物基を有するアクリル樹脂(a1)を、酸無水物基と水酸基とがモル比で1/10〜1/1、好ましくは1/5〜1/1、より好ましくは1/2.0〜1/1となる割合の量でモノアルコール(a2)と反応させることにより、カルボキシル基とカルボン酸エステル基とを有する酸基含有アクリル樹脂(A)を調製する。このモル比が1/10を下回ると過剰のアルコールが多すぎて硬化時にワキの原因となり、1/1を上回ると未反応の無水物基が残り、貯蔵安定性が悪くなる。
本発明で用いられるモノアルコール(a2)は、1〜12個、特に1〜8個の炭素原子を有することが好ましい。酸基含有アクリル樹脂(A)を加熱するとこれらのアルコール成分が容易に脱離し揮発するので、酸無水物基の再生が容易である。好ましいモノアルコールとしては、メタノール、エタノール、n-プロパノール、i-プロパノール、n-ブタノール、i-ブタノール、t-ブタノール、n-ヘキシルアルコール、ラウリルアルコール、メチルセロソルブ、エチルセロソルブ、メトキシプロパノール、エトキシプロパノール、フリフリルアルコール、ジメチルアミノエタノール、ジエチルアミノエタノール、アセトール、アリルアルコールおよびプロパルギルアルコール等が挙げられる。特に好ましいものはアセトール、フリフリルアルコール、アリルアルコール、プロパルギルアルコール、エタノールおよびメタノールである。
得られる酸基含有アクリル樹脂(A)の酸価は50〜300mgKOH/gであり、好ましくは50〜250mgKOH/gである。酸価が50mgKOH/gを下回ると塗膜の硬化性が不足となり、300mgKOH/gを上回ると中塗塗料の貯蔵安定性が不良となるので好ましくない。
酸基含有アクリル樹脂(A)成分は、中塗塗料中の全固形分の質量を基準として10〜70質量%、好ましくは15〜50質量%、より好ましくは20〜45質量%の割合で中塗塗料に配合される。この配合量は、塗膜の耐酸性を考慮すると多い方が好ましく、塗膜のもろさを考慮すると少ない方が好ましい。
本発明の中塗塗料に用いるエポキシ基当量が50〜700であるエポキシ基含有アクリル樹脂(B)は、1分子中にエポキシ基を平均で2個以上、好ましくは2〜10個、より好ましくは3〜8個有する化合物である。
例えば、多価アルコールのグリシジルエーテル類や多塩基酸のグリシジルエステル類が挙げられる。これらの例として、グリセリントリグリシジルエーテル、トリメチロールプロパントリグリシジルエーテル、ペンタエリスリトールテトラグリシジルエーテル、ソルビトールヘキサグリシジルエーテルおよびヘキサヒドロフタル酸ジグリシジルエステル等が挙げられる。
このエポキシ基含有アクリル樹脂(B)の数平均分子量は200〜10000、好ましくは500〜8000、より好ましくは800〜5000である。数平均分子量は、塗膜の十分な硬化性を考慮すると大きい方が好ましく、得られる塗料の固形分を多くするためには小さい方が好ましい。また、エポキシ基当量は50〜700、好ましくは80〜600、より好ましくは100〜500である。エポキシ基当量は、塗膜の十分な硬化性を考慮すると小さい方が好ましく塗膜のもろさを考慮すると大きい方が好ましい。
このエポキシ基含有アクリル樹脂(B)は、エポキシ基含有エチレン性不飽和モノマー10〜60質量%、好ましくは15〜50質量%とエポキシ基を有しないエチレン性不飽和モノマー40〜90質量%、好ましくは50〜85質量%とを、共重合することにより得られるアクリル系ポリエポキシドである。エポキシ基含有エチレン性不飽和モノマーの量は、塗膜の十分な硬化性を考慮すると多い方が好ましく、塗膜の耐候性を考慮すると少ない方が好ましい。
エポキシ基含有エチレン性不飽和モノマーとしては、例えば、グリシジル(メタ)アクリレート、β-メチルグリシジル(メタ)アクリレートおよび3,4-エポキシシクロヘキサニル(メタ)アクリレート等が挙げられる。バランスのとれた硬化性と貯蔵安定性を示す塗料を調製するためには、グリシジル(メタ)アクリレートを用いることが好ましい。
エポキシ基を有しないエチレン性不飽和モノマーとしては、酸無水物基を有しないエチレン性不飽和モノマー(a1−2)として前掲したモノマーが挙げられる。共重合も酸基含有アクリル樹脂(A)の場合と同様に行うことができる。
特に、水酸基含有エチレン性不飽和モノマーをエポキシ基を有しないエチレン性不飽和モノマーとして用いた場合、得られる塗膜の密着性およびリコート性等が向上する。また、水酸基含有エチレン性不飽和モノマーを用いて得られる、エポキシ基含有アクリル樹脂(B)は、後述するように、酸基アクリル樹脂(A)と、水酸基およびエポキシ基の両方の官能基において反応し結合するので、より強固な塗膜を得ることができる。
エポキシ基含有アクリル樹脂(B)の水酸基価は5〜300mgKOH/g、好ましくは10〜200mgKOH/g、より好ましくは15〜150mgKOH/gである。水酸基価が300を超えると、塗料固形分が低下したり硬化塗膜の耐水性が十分でなく、5未満では密着性に劣る。
特に好ましいエポキシ基含有アクリル樹脂(B)は、(i)前掲の式(1)の構造を有する水酸基含有エチレン性不飽和モノマー5〜70質量%と、(ii)エポキシ基含有エチレン性不飽和モノマー10〜60質量%と、必要に応じて(iii)水酸基とエポキシ基の両者を有しないエチレン性不飽和モノマー0〜85質量%とを共重合することにより得ることができる。
この場合、エポキシ基含有アクリル樹脂(B)は、1分子中にエポキシ基を平均で好ましくは2〜12個、より好ましくは3〜10個、および水酸基を平均で好ましくは0.5〜10個、より好ましくは1〜8個有する。
エポキシ基含有アクリル樹脂(B)は、中塗塗料中の全固形分の質量を基準として10〜80質量%、好ましくは20〜70質量%、より好ましくは30〜65質量%の量で配合される。エポキシ基含有アクリル樹脂(B)の量は、塗膜の十分な硬化性を考慮すると多い方が好ましく、塗膜の耐黄変性を考慮すると少ない方が好ましい。
これらの中塗塗料には、着色顔料や体質顔料等の顔料(C)が含有される。顔料を添加することにより、中塗塗膜の下地である電着塗膜表面の微細な凹凸を隠蔽し、塗膜の平滑性を向上させることができる。着色顔料としては、アゾレーキ系顔料、ジケトピロロピロール系顔料、ベンズイミダゾロン系顔料、フタロシアニン系顔料、インジゴ系顔料、ペリレン系顔料、キノフタロン系顔料、ジオキサジン系顔料、キナクリドン系顔料、イソインドリノン系顔料、金属錯体等の有機顔料系、黄鉛、黄色酸化鉄、ベンガラ、二酸化チタン、カーボンブラック等の無機顔料類が挙げられる。また体質顔料としては、硫酸バリウム、炭酸バリウム、炭酸カルシウム、炭酸マグネシウム、シリカ、タルク等が挙げられる。顔料濃度(PWC)は好ましくは7〜13質量%である。特に、第2中塗塗料の顔料濃度(PWC)が7〜13質量%の範囲にあると、中塗塗膜の下地隠蔽性を保ちながら中塗塗膜及びベース塗膜を含む複合塗膜の塗膜外観が特に良好である。
(A)成分、(B)成分及び(C)成分を含む第2中塗塗料には、必要に応じて、酸価が50〜350mgKOH/g(固形分)であるカルボキシル基含有ポリエステル樹脂(D)を含有させることができる。
カルボキシル基含有ポリエステル樹脂(D)は、例えば、3個以上の水酸基を有するポリエステルポリオールと酸無水物基含有化合物とをハーフエステル化反応させて得ることができる。尚、「ポリエステルポリオール」とは、エステル結合鎖を2個以上有する多価アルコールをいう。また、多価アルコールとは、水酸基を2個以上有するアルコールをいう。
ここで用いるポリエステルポリオールは、酸無水物基含有化合物と反応して一分子当たり2個以上の酸官能性および下記の特性を有するカルボキシル基含有ポリエステル樹脂(D)を提供する。
一般に、このようなポリエステルポリオールは、少なくとも3個の水酸基を有する炭素数3〜16までの低分子多価アルコールと線状脂肪族ジカルボン酸とを縮合させることにより調製される。低分子多価アルコールに線状の脂肪族基を導入することにより、得られる塗膜に可撓性が付与され耐衝撃性が向上する。
低分子多価アルコールとしては、トリメチロールプロパン、トリメチロールエタン、1,2,4-ブタントリオール、ジトリメチロールプロパン、ペンタエリスリトール、ジペンタエリスリトール、グリセリンおよびこれらの混合物が挙げられる。
ジカルボン酸としては、フタル酸、イソフタル酸、テレフタル酸、コハク酸、アジピン酸、アゼライン酸、セバシン酸、テトラヒドロフタル酸、ヘキサヒドロフタル酸、マレイン酸、フマル酸およびこれらの混合物のような二塩基酸が挙げられる。また、無水コハク酸、無水フタル酸、テトラヒドロ無水フタル酸、ヘキサヒドロ無水フタル酸、無水ハイミック酸、無水トリメリット酸、メチルシクロヘキセントリカルボン酸無水物、無水ピロメリット酸およびこれらの混合物のような酸無水物基含有化合物も用いることができる。
ポリエステルポリオールは、多価アルコールと多塩基酸による脱水縮合反応、多価アルコールと酸無水物基含有化合物との反応等の通常のエステル化反応により合成される。このような操作により比較的低分子量のポリエステルポリオールのオリゴマーが得られ、ハイソリッドの中塗塗料が提供される。
本発明において特に好ましいポリエステルポリオールは、低分子多価アルコールにε-カプロラクトンのようなラクトン化合物を付加させて鎖延長することにより得られるものである。分子量分布がシャープとなるので、更に中塗塗料のハイソリッド化が可能となり、耐候性および耐水性に優れた塗膜が得られるからである。この場合に特に好ましく用いられる低分子多価アルコールには、トリメチロールプロパン、ジトリメチロールプロパン、ペンタエリスリトール等が挙げられる。
本発明で用いる「ラクトン化合物」は、環内に酸素原子を有するために吸核試薬と反応して開環し、末端に水酸基を生成する環状化合物であればよい。炭素数4〜7個のラクトン化合物が、開環付加反応を起こし易いので好ましい。
具体的には、ε-カプロラクトン、γ-カプロラクトン、γ-バレロラクトン、δ-バレロラクトンおよびγ-ブチロラクトン等が挙げられるが、好ましくはε-カプロラクトン、γ-バレロラクトンおよびγ-ブチロラクトンが用いられる。
鎖延長は、通常の開環付加反応と同様の条件で行うことができる。例えば、適当な溶媒中で、または無溶媒で、温度80〜200℃で5時間以内反応させることにより低分子多価アルコールが鎖延長されたポリエステルポリオールが得られる。スズ系触媒等を用いても良い。
その際、低分子多価アルコールのOH基のモル量に対し、ラクトン化合物のモル量は0.2〜10倍量であり、好ましくは0.25〜5倍量であり、より好ましくは0.3〜3倍量である。OH基のモル量に対するラクトン化合物のモル量は、塗膜の耐衝撃性を考慮すると多い方が好ましく、塗膜の十分な硬度を確保するためには少ない方が好ましい。
カルボキシル基含有ポリエステル樹脂(D)は、酸価50〜350 mgKOH/g(固形分)、好ましくは100〜300 mgKOH/g、より好ましくは150〜250mgKOH/g、および数平均分子量400〜3500、好ましくは500〜2500、より好ましくは700〜2000、重量平均分子量/数平均分子量1.8以下、好ましくは1.5以下、より好ましくは1.35以下の樹脂である。
酸価は、中塗塗料の十分な固形分濃度を確保するためには小さい方が好ましく、塗膜の十分な硬化性を確保するためには大きい方が好ましい。数平均分子量は、中塗塗料の十分な固形分濃度を確保するためには小さい方が好ましく、塗膜の十分な硬化性や塗膜の耐水性を考慮すると大きい方が好ましい。重量平均分子量/数平均分子量の比は、塗膜の耐水性や耐候性を考慮すると小さい方が好ましい。
ポリエステルポリオールと酸無水物基含有化合物とのハーフエステル化反応は、無水フタル酸、テトラヒドロ無水フタル酸、ヘキサヒドロ無水フタル酸、4-メチルヘキサヒドロ無水フタル酸、無水トリメリット酸及び無水コハク酸等のような酸無水物基含有化合物を用いて、室温〜150℃、常圧のような通常の反応条件において行なわれる。但し、ポリエステルポリオールの全ての水酸基をカルボキシル基に変性する必要はなく、水酸基を残しても良い。
水酸基を有するカルボキシル基含有ポリエステル樹脂(D)は、塗膜の表面にカルボキシル基と水酸基とを同時に提供するので、例えば、リコートしたような場合、水酸基を有しないポリエステルポリカルボン酸に比べて、優れた密着性を提供する。
その場合、カルボキシル基含有ポリエステル樹脂(D)の水酸基価は、150mgKOH/g(固形分)以下、好ましくは5〜100mgKOH/g、より好ましくは10〜80mgKOH/gである。水酸基価は、塗膜の耐水性を考慮すると小さい方が好ましい。
また、水酸基を有するカルボキシル基含有ポリエステル樹脂(D)は、後述するように、エポキシ基含有アクリル樹脂(B)および酸基含有アクリル樹脂(A)の両方と反応し結合しうるので、より強固な塗膜を得ることができる。1分子中に平均0.1個以上の水酸基を有するものが好ましい。
一般に、ポリエステルポリオールのOH基のモル量に対する酸無水物基含有化合物の酸無水物基のモル量を0.2〜1.0倍、特に0.5〜0.9倍とすることが望ましい。この値は、塗膜の十分な硬化性を確保するためには大きい方が好ましい。
カルボキシル基含有ポリエステル樹脂(D)は、中塗塗料中の全固形分の質量を基準として5〜70質量%、好ましくは5〜50質量%、より好ましくは10〜40質量%の量で配合されうる。この量は、中塗塗料の十分な固形分濃度を確保するためには少ない方が好ましく、塗膜の耐候性を考慮すると多い方が好ましい。
本発明において第1中塗塗料としては、第2中塗塗料として挙げた前記酸エポキシ硬化型の中塗塗料やメラミン硬化系中塗塗料等を用いることができるが、得られた塗膜の平滑性という観点から、前記酸エポキシ硬化系中塗塗料を用いることが好ましい。
上記メラミン硬化系中塗塗料としては、数平均分子量が1000〜4500、水酸基価が70〜220mgKOH/g(固形分)、酸価が5〜20mgKOH/g(固形分)であるオイルフリーポリエステル樹脂および/またはアルキド樹脂(以下、総称して「ポリエステル樹脂」という。)と、メチル/ブチル混合アルキルエーテル化メラミン及びブチルエーテル化メラミン樹脂のうちの少なくとも1種からなるメラミン硬化剤、並びに、顔料を含有するものが特に好ましい。
上記ポリエステル樹脂は、中塗塗料が有する機能である耐チッピング性と下地の隠蔽並びに表面平滑性等を付与する基本樹脂成分である。ポリエステル樹脂は、数平均分子量が1000〜4500、水酸基価が70〜220、酸価が5〜20の範囲のものが好ましい。数平均分子量が小さすぎると充分な硬化が得られず、大きすぎると平滑性が不充分となり良好な外観が得られなくなると同時に、塗着時の粘度が高くなりすぎる。水酸基価が小さすぎると硬化性が不良となり、大きすぎると弾性が低下して耐チッピング性が不良となる。同様に、酸価が小さすぎると硬化性が不良となり、大きすぎると耐水性が後退する。ポリエステル樹脂は、必須成分として多価カルボン酸および/または酸無水物と多価アルコールを重縮合することによって製造することができる。上記必須成分以外の他の反応成分として、モノカルボン酸、ヒドロキシカルボン酸、ラクトン等を含んでいてもよい。また、乾性油、反乾性油及びそれらの脂肪酸を含有していてもよい。
上記ポリエステル樹脂は、固形分中20〜70質量%の比率で配合することが好ましい。配合比率が少なすぎると分散が悪くなって光沢性が低下し、多すぎると下地の隠蔽性が不充分になる。より好ましい配合量は、30〜50質量%である。
上記硬化剤としては、メチル/ブチル混合アルキルエーテル化メラミン樹脂が好ましい。この硬化剤を用いた場合は、硬化剤成分が低縮合度であって反応開始速度が遅いために加熱時のフロー度合が大きくなり塗膜の表面平滑性を高めると同時に、反応開始速度が遅いにもかかわらず自己縮合率が低いので、塗膜性能が優れたものが得られる。しかし、低温での焼き付けの可能性がある場合には、上記メチル/ブチル混合アルキルエーテル化メラミン樹脂のみでは充分な塗膜性能が得られないことがある。このようなときは、メチル/ブチル混合アルキルエーテル化メラミン樹脂にブチルエーテル化メラミン樹脂を併用することができる。上記硬化剤の固形分に対する配合比率は10〜40質量%であり、好ましくは15〜35質量%である。この比率が少なすぎると硬化性が不充分となり、多すぎると形成される塗膜が硬く脆くなる。
上記顔料としては、第2中塗塗料の場合と同様に、着色顔料や体質顔料等の顔料(C)を配合することができる。顔料は、固形分中の7〜60質量%であることが好ましい。この比率が少なすぎると下地隠蔽性が充分に確保されず、多すぎると分散性が低下して光沢が後退する。より好ましくは、固形分中10〜50質量%である。
上記第1中塗塗料中には、ポリエステル樹脂、硬化剤、顔料のほか、増粘剤として架橋樹脂粒子、有機ベントナイト、脂肪酸ポリアマイド、ポリエチレンワックス等、有機溶媒として芳香族炭化水素系、脂肪族炭化水素系、エステル系、アルコール系溶媒等、添加剤として酸触媒、紫外線吸収剤、ヒンダードアミン光安定剤、酸化防止剤、表面調整剤、レベリング剤、顔料分散剤、可塑剤、消泡剤等を使用することができる。
本発明の塗装方法においては、第2中塗塗膜の形成工程の後に水性ベース塗料が塗布される。水性ベース塗料は、基本樹脂、硬化剤、有機溶剤及び水を主成分とし、さらに必要に応じて、着色顔料、沈降防止剤、体質顔料などを適宜配合した液状塗料であり、公知の方法で調製される。
基本樹脂としては、例えば、アクリル樹脂、ポリエステル樹脂、アルキド樹脂、エポキシ樹脂、ウレタン樹脂等が挙げられる。塗装作業性、耐候性、耐水性等の塗膜性能面からアクリルエマルションおよび/または水溶性アクリル樹脂を使用することが好ましく、なかでも、アクリルエマルションがより好ましい。
硬化剤としては、例えば、メラミン樹脂、エポキシ樹脂等を挙げることができ、塗膜の諸性能、コストの点からメラミン樹脂が好ましい。また、低温での硬化性向上の観点から、ブロックイソシアネート樹脂、カルボジイミド化合物、または、オキサゾリン化合物を併用して添加することも好ましい。
また、水性ベース塗料には、クリヤー塗膜とのなじみ防止、塗装作業性を確保するために粘性制御剤、その他の添加剤を適宜配合してもよい。
水性ベース塗料は、光輝性顔料を配合してメタリックベース塗料として用いることもでき、また、光輝性顔料を配合せずにレッド、ブルーあるいはブラック等の着色顔料及び必要によりさらに体質顔料を配合してソリッド型ベース塗料として用いることもできる。
光輝性顔料としては特に限定されず、例えば、金属又は合金等の無着色若しくは着色された金属性光輝材及びその混合物、干渉マイカ粉、着色マイカ粉、ホワイトマイカ粉、グラファイト又は無色有色偏平顔料等を挙げることができる。分散性に優れ、透明感の高い塗膜を形成することができるため、金属又は合金等の無着色若しくは着色された金属性光輝材及びその混合物が好ましい。その金属の具体例としては、アルミニウム、酸化アルミニウム、銅、亜鉛、鉄、ニッケル、スズ等を挙げることができる。
光輝性顔料の形状は特に限定されず、更に、着色されていてもよいが、例えば平均粒径(D50)が2〜50μmであり、厚さが0.1〜5μmである鱗片状のものが好ましい。平均粒径(D50)は、レーザー光散乱法による測定値であるメジアン径である。平均粒径10〜35μmの範囲のものが光輝感に優れ、より好ましい。光輝性顔料の水性ベース塗料中の顔料濃度(PWC)は、一般に23質量%以下である。顔料濃度は、塗膜外観を考慮すると少ない方が好ましい。好ましくは、0.01〜20質量%であり、より好ましくは、0.01〜18質量%である。光輝性顔料を含有する水性ベース塗料を使用した場合、陰影感が際立つ。
光輝性顔料以外の顔料としては、中塗塗料において記載した着色顔料、体質顔料を用いることができる。顔料としては、光輝性顔料、着色顔料及び体質顔料のなかから、1種又は2種以上を組み合わせて用いることができる。光輝性顔料及びその他の全ての顔料を含めた水性ベース塗料中の顔料濃度(PWC)は、一般的には0.1〜50質量%であり、好ましくは0.5〜40質量%であり、より好ましくは1〜30質量%である。顔料濃度は、塗膜外観を考慮すると少ない方が好ましい。その他の添加剤としては、中塗塗料において例示したものを挙げることができる。
本発明の塗装方法においては、ベース塗膜が形成された後に、ウエットオンウエット塗装でクリヤー塗料が塗布される。クリヤー塗料は、基本樹脂、硬化剤及び有機溶剤を主成分とし、さらに必要に応じて、光安定剤、紫外線吸収剤などを適宜配合した液状塗料であり、公知の方法で調製される。
クリヤー塗料は、水酸基価が100〜200mgKOH/g(固形分)である水酸基含有アクリル樹脂(L)およびポリイソシアネートプレポリマー(M)を用いる2液型クリヤー塗料であり、かつ、前記ポリイソシアネートプレポリマー(M)のイソシアネート基当量と前記水酸基含有アクリル樹脂(L)の水酸基当量との比率が、〔イソシアネート基当量〕/〔水酸基当量〕=1/0.5〜1/1.5である。
この2液型クリヤー塗料は、更にポリラクトンポリオール(N)を、(L)/(N)=60/40〜100/0(固形分質量比)の範囲内で含み、水酸基含有アクリル樹脂(L)は、短側鎖ヒドロキシル基(L1)と長側鎖ヒドロキシル基(L2)を(L1)/(L2)=3/1〜1/3(モル比)で有し、ポリイソシアネートプレポリマー(M)のイソシアネート基当量MIと水酸基当量LOHの比率がMI/LOH=1/0.3〜1/2.0であることが好ましい。尚、長側鎖とは、炭素数6以上の側鎖をいい、短側鎖とは炭素数6未満の側鎖をいう。長側鎖の炭素数は15以上が好ましく、短側鎖の炭素数は3以下が好ましい。
水酸基含有アクリル樹脂(L)としては、例えば、(1)(メタ)アクリル酸ヒドロキシメチル、(メタ)アクリル酸ヒドロキシエチル、(メタ)アクリル酸ヒドロキシプロピル、(メタ) アクリル酸ヒドロキシブチル、N−メチロールアクリルアミン等のヒドロキシ基を有するエチレン性モノマー、(2)(メタ)アクリル酸、クロトン酸、イタコン酸、フマル酸、マレイン酸等のカルボキシル基を有するエチレン性モノマー、(3)(メタ)アクリル酸メチル、(メタ)アクリル酸エチル、(メタ)アクリル酸プロピル、(メタ)アクリル酸ブチル、(メタ)アクリル酸n−プロピル、(メタ)アクリル酸n−ブチル、(メタ)アクリル酸イソブチル、(メタ)アクリル酸2−エチルヘキシル、(メタ)アクリル酸n−オクチル、(メタ)アクリル酸n−ドデシル等の(メタ)アクリル酸アルキルエステル等の前記モノマー(1)および(2)と共重合可能なエチレン性モノマー、並びにε−カプロラクトン、(メタ)アクリロニトリル、スチレン等を共重合させて得られた共重合体が好ましく挙げられる。水酸基含有アクリル樹脂(L)は1種のみでもよいし2種以上であってもよい。
水酸基含有アクリル樹脂(L)において、短側鎖ヒドロキシル基は(メタ)アクリル酸ヒドロキシエチルに由来する基であり、長側鎖ヒドロキシル基は(メタ)アクリル酸ヒドロキシエチルとε−カプロラクトンの付加物に由来する基であることが、耐擦り傷性と耐候性を両立させる点で、好ましい。このような水酸基含有アクリル樹脂(L)は、(メタ)アクリル酸ヒドロキシエチルおよび(メタ)アクリル酸ヒドロキシエチルとε−カプロラクトンの付加物を含むモノマー成分を共重合することによって得ることができる。この付加物は、(メタ)アクリル酸ヒドロキシエチル1モルに対してε−カプロラクトン2〜5モルを付加してなるものであることが、耐擦り傷性発現の点で、好ましい。
水酸基含有アクリル樹脂(L)は、短側鎖ヒドロキシル基(L1OH)と長側鎖ヒドロキシル基(L2OH)の含有比率が(L1OH)/(L2OH)=3/1〜1/3(モル比)であることが好ましく、2/1〜1/2(モル比)であることがより好ましい。長側鎖ヒドロキシル基の含有比率は、塗膜の加水分解による耐侯性の低下を抑制するためには少ない方が好ましく、塗膜の復元力と耐擦傷性を確保するためには多い方が好ましい。
水酸基含有アクリル樹脂(L)は、合計水酸基当量が100〜200であることが好ましく、120〜180であることがより好ましい。合計水酸基当量が100未満であると、塗膜にした場合に光劣化が生じやすく耐侯性が低下することになり、一方、200を超えると、復元力が不充分になり衝撃で生じた凹みを元の塗膜表面状態に戻すことができず耐擦傷性が低下することとなる。
水酸基含有アクリル樹脂(L)は、ガラス転移温度が5〜50℃であることが好ましく、より好ましくは10〜40℃である。ガラス転移温度は、塗膜の復元力と耐擦傷性を確保するためには低い方が好ましく、塗膜の耐侯性や耐汚染性を考慮すると高い方が好ましい。
なお、上記ガラス転移温度は、水酸基含有アクリル樹脂(L)を合成する際に得られた、該水酸基含有アクリル樹脂(L)を含む樹脂ワニスから溶剤を減圧下で留去した後、示差走査熱量計(DSC)(熱分析装置SSC/5200H、セイコー電子社製)にて以下の昇温工程、降温工程および昇温工程を行い、その第3工程の昇温時に測定した値である。
第1工程:20℃→100℃(昇温速度10℃/min)
第2工程:100℃→−50℃(降温速度10℃/min)
第3工程:−50℃→100℃(昇温速度10℃/min)
水酸基含有アクリル樹脂(L)の重量平均分子量は、特に制限されないが、6,000〜20,000であることが好ましい。なお、上記重量平均分子量は、ゲルパーミエーションクロマトグラフィー(GPC)を用いて、スチレンポリマー標準により換算値として得ることができる。
ポリラクトンポリオール(N)としては、特に制限はないが、例えば、下記一般式(1)で表される化合物のような2官能ポリカプロラクトンジオール類、下記一般式(2)で表される化合物のような3官能ポリカプロラクトントリオール類、その他4官能ポリカプロラクトンポリオール等が挙げられる。ポリラクトンポリオール(N)は1種のみでもよいし2種以上であってもよい。
Figure 2010149025
(式(1)中、Rは、C24、C24OC24、C(CH22(CH22のいずれかであり、mおよびnは4〜35の整数である。)
Figure 2010149025
(式(2)中、Rは、CH2CHCH2、CH3C(CH22、CH3CH2C(CH23のいずれかであり、l+m+nは3〜30の整数である。)
ポリラクトンポリオール(N)は、官能基数が2〜5であることが好ましく、より好ましくは3〜4である。官能基数は、塗膜の復元力と耐擦傷性を確保するためには少ない方が好ましく、塗膜の耐侯性や耐汚染性を考慮すると多い方が好ましい。
クリヤー塗料において、水酸基含有アクリル樹脂(L)とポリラクトンポリオール(N)の固形分割合は(L)/(N)=60/40〜100/0(質量比)であることが好ましい。ポリラクトンポリオール(N)は、配合しなくても良いのであるが、配合する場合は、その固形分割合が前記(L)/(N)=60/40の割合を超えて多くなると、加水分解が起きやすく耐侯性が低下するので、(L)成分と(N)成分の合計固形分量に対し40質量%を超えないようにすることが好ましい。より好ましくは、(L)/(N)=80/20〜100/0(質量比)の範囲内である
ポリイソシアネートプレポリマー(M)としては、例えば、メチレンジイソシアネート、トルエンジイソシアネート、ヘキサメチレンジイソシアネート、イソホロンジイソシアネート等が挙げられる。ポリイソシアネートプレポリマー(M)は1種のみであってもよいし2種以上であってもよい。
クリヤー塗料において、ポリイソシアネートプレポリマー(M)は、そのイソシアネート基当量(MI)の、水酸基含有アクリル樹脂(L)とポリラクトンポリオール(M)の合計水酸基当量(LOH)に対する比率が(MI)/(LOH)=1/0.3〜1/2.0となるように配合されていることが好ましく、1/0.5〜1/1.5となるように配合されていることがより好ましい。
イソシアネート基当量(MI)が前記範囲よりも少ないと、光劣化が生じやすく耐侯性が低下することになり、一方、イソシアネート基当量(MI)が前記範囲よりも多いと、復元力が不充分になり衝撃で生じた凹みを元の塗膜表面状態に戻すことができず耐擦傷性が低下することとなる。
クリヤー塗料における樹脂成分も、分子構造中に一般にソフトセグメントと呼ばれる構造単位−(CH2)n−が含まれているが、このソフトセグメントが多すぎると、塗膜の硬さや耐候性、耐薬品性が低下するおそれがあるので、その含有割合は、水酸基含有アクリル樹脂(L)とポリイソシアネートプレポリマー(M)の固形分全量に対して25質量%未満であることが好ましく、20質量%以下であることがより好ましい。
クリヤー塗料には、必要に応じて、有機溶剤、紫外線吸収剤、光安定剤、酸化防止剤、黄変防止剤、ブルーイング剤、顔料、レベリング剤、消泡剤、増粘剤、沈降防止剤、帯電防止剤、防曇剤等を適宜配合することができる。有機溶剤は、通常の塗料用有機溶剤が使用でき、例えば脂肪族系、脂環族系、芳香族系の炭化水素溶剤、エーテル系溶剤、エステル系溶剤、ケトン系溶剤などがあげられる。
本発明の塗装方法においては、このようにしてクリヤー塗膜が形成された後にベース塗膜とクリヤー塗膜が焼付け硬化される。
本発明の塗装方法の各工程における、塗装条件として例えば以下の条件が挙げられる。
電着塗装は、特に限定されることはなく、通常の電着塗装方法を適用することができる。
本発明では、電着塗膜を架橋硬化させた硬化塗膜面に第1中塗塗料を塗装する。第1中塗塗料をフォ−ドカップNo.4を用いて20℃で測定したときの粘度が20〜30秒となるようにシンナーで希釈し、それを、静電塗装、エア−スプレ−、エア−レススプレ−などにより塗装する。その膜厚は、硬化塗膜に基いて20〜50μm、特に30〜40μmであることが好ましい。次いで、塗膜を約120〜160℃の雰囲気中に10〜30分間保持して架橋硬化させて硬化塗膜面を形成し、その上に第2中塗塗料を塗装する。
第2中塗塗料の粘度を13〜25秒に調整し、それを静電塗装、エア−スプレ−、エア−レススプレ−などにより塗装する。その膜厚は硬化塗膜に基いて20〜40μm、特に25〜35μmであることが好ましく、そして室温で放置後、約120〜160℃の雰囲気中に10〜30分間保持して架橋硬化させる。
次いで、硬化せしめた第2中塗塗料の塗膜面に、水性ベース塗料を塗装する。塗料の粘度を50〜60秒に調整し、それを、静電塗装、エア−スプレ−、エア−レススプレ−などにより塗装する。その膜厚は硬化塗膜に基いて5〜40μm、特に10〜20μmであることが好ましく、そして室温で放置後、予備加熱する。予備加熱は、塗布された中塗塗膜が硬化しない条件下、例えば室温〜100℃未満の温度で1〜10分間放置または加熱する工程であり、予備加熱によって固形分量を調整等することができる。
予備加熱後に、ウエットオンウエットで該塗面にクリヤー塗料を塗装する。具体的には、水性ベース塗料を塗装し、室温またはその付近の温度で数分間放置してから、クリヤー塗料を塗装する。室温で放置後、約120〜160℃に加熱して架橋硬化させる。なお、水性ベース塗料の膜厚は硬化塗膜に基いて5〜40μm、特に10〜30μmであることが好ましく、クリヤー塗料の膜厚は硬化塗膜に基いて20〜60μm、特に30〜50μmであることが好ましい。
以下、具体的な実施例を挙げて本発明を詳細に説明する。尚、「部」は「質量部」を意味する。
製造例1 カルボキシル基とカルボン酸無水物基とを含有するポリマーの製造
温度計、攪拌機、冷却管、窒素導入管、滴下ロートを備えた3Lの反応槽に、キシレン700部、混合溶媒 ソルベッソ100(エクソン化学(株)製)350部仕込み、130℃に昇温した。この容器に滴下ロートを用い、スチレンモノマー300部、メタクリル酸2−エチルヘキシル109部、アクリル酸イソブチル325部、アクリル酸25.7部、無水マレイン酸240部、プロピレングリコールモノメチルエーテルアセテート300部、t−ブチルパーオキシ2−エチルヘキサノエート150部とキシレン150部からなる溶液を3時間かけて滴下した。滴下終了後30分の間130℃で保持した後、t−ブチルパーオキシ2−エチルヘキサノエート20部及びキシレン20部からなる溶液を30分間かけて滴下した。滴下終了後、更に1時間、130℃にて反応を継続した後、溶剤1100部を蒸留し、不揮発分70%、数平均分子量2000のカルボキシル基とカルボン酸無水物基を含有するポリマー溶液(a−1)を得た。
製造例2 カルボキシル基とカルボン酸エステル基とを含有する酸基含有アクリル樹脂(A−1)の製造
製造例1で得たポリマー溶液(a−1)1590部に、トリエチルアミン2部、メタノール125部を加え、60℃で8時間反応させて、カルボキシル基とカルボン酸エステル基とを含有するポリマー溶液(A−1)を得た。このポリマー溶液(A−1)について、赤外線吸収スペクトルを測定し、酸無水物の吸収(1785cm-1)が消失するのを確認した。ポリマー溶液(A−1)の固形分酸価は、158(mgKOH/g)であった。
製造例3 エポキシ基当量50〜700であるエポキシ基含有アクリル樹脂(B―1)の製造
温度計、攪拌機、冷却管、窒素導入管、滴下ロートを備えた3Lの反応槽に、キシレン700部、プロピレングリコールモノメチルエーテルアセテート525部を仕込み、130℃に昇温した。上記の容器に、滴下ロートを用い、スチレンモノマー200部、メタクリル酸グリシジル229部、アクリル酸4−ヒドロシキブチル231部、メタクリル酸シクロヘキシル340部、t−ブチルパーオキシ−2−エチルヘキサノエート120部、及びキシレン200部とからなる溶液を3時間かけて滴下した。滴下終了後30分間にわたり130℃に保持した後、t−ブチルパーオキシ−2−エチルヘキサノエート10部及びキシレン50部からなる溶液を30分間滴下した。この滴下終了後、更に1時間の間130℃にて反応を継続させた後、溶剤1200部を蒸留し、不揮発分77%、数平均分子量1800、エポキシ基当量625、水酸基当量623の水酸基とエポキシ基とを含有するポリマー溶液(B−1)を得た。
製造例4 酸価が50〜350mgKOH/g(固形分)であるカルボキシル基含有ポリエステル樹脂(D−1)の製造
温度計、攪拌機、冷却管、窒素導入管、水分離機、精留塔を備えた反応槽に、アゼライン酸183部、イソフタル酸285部、トリメチロールプロパン221部、カージュラE(シェル化学(株)製)110部、ネオペンチルグリコール290部を仕込み、加熱した。原料が融解し攪拌が可能となった後、ジブチル錫オキサイド0.2部を投入して攪拌を開始し、昇温速度を一定に保ちながら3時間かけて反応槽温度を180℃から220℃まで昇温した。この間に生成する縮合水は系外へ留去した。220℃に達したところで反応液を220℃で1時間保温した。その後反応槽内に還流溶剤としてキシレン30部を徐々に添加し、溶剤存在下の縮合に切り換えて反応を続けた。樹脂酸価が1以下に達したところで150℃に冷却し、ヘキサヒドロ無水フタル酸238部を滴下し、赤外線吸収スペクトルを測定して酸無水物基の吸収(1785cm-1)が消失するまで保温した後、100℃まで冷却した。更に、キシレン383部を加え、不揮発分75%、数平均分子量1100、酸価70(mgKOH/g)、水酸基価200(mgKOH/g)のポリエステル樹脂溶液(D−1)を得た。
製造例5 カルボキシル基を含有するアクリル樹脂(A’−2)の製造
モノマー配合を、スチレンモノマー300部、メタクリル酸2−エチルヘキシル125部、アクリル酸イソブチル373部、アクリル酸202部とする以外は、製造例1と同様にして、カルボキシル基を含有するアクリル樹脂(A’−2)を得た。酸価は158(mgKOH/g)であった。
製造例6 水酸基含有アクリル樹脂(L―1)の製造
攪拌機、温度計、還流管、滴下ロート、窒素導入管およびサーモスタット付き加熱装置を備えた反応容器に、酢酸ブチルとキシレンが質量比で1:3の混合溶剤(S0)を30部仕込み、攪拌しながら、内部溶剤温度を120℃まで昇温した。次いで、短鎖ヒドロキシル基モノマーとして2−ヒドロキシエチルメタクリレート(HEMA)21.58部、長鎖ヒドロキシル基モノマーとしてε−カプロラクトン基が3個ついたプラクセルFM3(ダイセル化学工業(株)製)39.53部、イソボロニルメタクリレート(IBX)24.5部、n−ブチルメタクリレート(nBMA)12.85部、メタクリル酸(MAA)1.53部からなるモノマー混合溶液と、パーオキサイド系重合開始剤「カヤエステルO(日本化薬(株)製)」6部と上記混合溶剤(S0)32部とからなる重合開始剤溶液とを、それぞれ別の滴下ロートに入れ、反応容器内部を攪拌しながら、それぞれ、3時間かけて滴下し、重合反応を行った。反応中は、常に内部溶液を攪拌しながら、液温度を120℃に保持した。次いで、上記パーオキサイド系重合開始剤「カヤエステルO」0.5部と上記混合溶媒(S0)9部からなる重合開始剤溶液を、攪拌しながら液温を120℃に保持している反応容器内に、1時間かけて滴下し、水酸基含有アクリル樹脂(L―1)を製造した。
水酸基含有アクリル樹脂(L―1)の特性は、短鎖ヒドロキシル基/長鎖ヒドロキシル基のモル比が2/1、計算OH価(OHV)が140、実測ガラス転移温度(Tg)が20℃、ゲルパーミエーションクロマトグラフィ(GPC)測定による重量平均分子量が12,000、樹脂固形分(NV)が60%であった。
製造例7 クリヤー塗料の製造
攪拌容器に、水酸基含有アクリル樹脂(L―1)125部、ポリカプロラクトン「プラクセル308」(固形分100%、官能基数3、ダイセル化学工業(株)製)25部、を攪拌しながら順次仕込み、十分混合した。次いで攪拌容器内に、「チヌビン900」(紫外線吸収剤;チバスペシャリティケミカルズ(株)製)2部、「チヌビン292」(光酸化防止剤;チバスペシャリティケミカルズ(株)製)1部、「BYK306」(表面調整剤;ビック・ケミー(株)製)1部、キシレン/酢酸ブチル=50/50の混合溶媒(S1)96部からなる添加剤溶液50部を追加仕込み、十分に攪拌したのち、硬化剤としてイソシアヌレート化合物「デュラネートTHA100(固形分75%、旭化成(株)製)」を70部使用して、実施例1に用いるクリヤー塗料組成物を製造した。
この塗料組成物の〔イソシアネート基当量〕/〔水酸基当量〕の値は、1/1であった。
実施例1
(1)塗料の調製
製造例4で得られた樹脂(D−1)、メラミン樹脂(三井化学(株)製、ユーバン2ON−60)及び表1の顔料を表1に示す割合で混合して、シンナー(日本ペイント(株)製のN175/N150=5/5)で、フォードカップNo. 4を用いて20℃で測定したときの粘度が25秒になるように希釈し第1層用の中塗塗料を調製した。
製造例2で得られた樹脂(A−1)、製造例3で得られた樹脂(B−1)、製造例4で得られた樹脂(D−1)、及び表1の顔料を表1に示す割合で混合して、シンナー(日本ペイント(株)製のN175/N150=5/5)で、粘度が18秒になるように希釈し、第2層用の中塗塗料を調製した。
水性ベース塗料としては、光輝性顔料を含有する水性ベース塗料(日本ペイント(株)製AR−2200シルバー)を脱イオン水で粘度が60秒になるように希釈したものを準備した。
クリヤー塗料としては、製造例7で得られたクリヤー塗料組成物をシンナー(日本ペイント(株)製N1297)で粘度が18秒になるように希釈したものを準備した。
(2)塗膜形成及び評価
ダル鋼板に対して、サーフダインSD2000(日本ペイント(株)製)を用いて前処理し、次いで、パワーニックスPN1030(日本ペイント(株)製カチオン電着塗料)を用いて、乾燥膜厚が20μmになるような電着塗装し、170℃で30分間焼付けた。
次いで回転霧化塗装で、第1層用の中塗塗料を膜厚35μmで塗装し、140℃で20分間焼付けた。更に、回転霧化塗装で、第2層用の中塗塗料を膜厚30μmで塗装し、140℃で20分間焼付けた。
次いで、エアスプレー塗装で、水性ベース塗料を膜厚15μmで塗装し、60℃で3分間予備加熱し、ウエットオンウエットで該塗面にクリヤー塗料をエアスプレー塗装にて膜厚40μmで塗装した後、140℃で20分間焼付けた。
得られた多層塗膜について、以下の測定及び試験を行い、表1の結果を得た。塗膜外観の鮮映性は、ビッグ・ケミー(株)製WAVE SCAN DOIを使用し、長波長(Lw)を平滑感、短波長(Sw)をツヤ感として評価した。さらに、平滑感、ツヤ感について、目視評価も行なった。尚、表1において、各記号は以下の意味を有する。
◎:歪みがない。
○:殆んど歪みがない。
△:少し歪みがある。
×:かなりの歪みがある。
実施例2〜5
第1中塗塗料及び又は第2中塗塗料の組成を表1に示す値に変更し、その他の条件は実施例1と同様にして、多層塗膜を形成し、表1の結果を得た。
比較例1
第2中塗塗膜形成工程を実施せず、その他の条件は実施例1と同様にして、多層塗膜を形成し、表1の結果を得た。
比較例2
第2中塗塗料の組成を表1に示す値に変更し、その他の条件は実施例1と同様にして、多層塗膜を形成し、表1の結果を得た。
比較例3
第1中塗塗料の組成を表1に示す値に変更し、また第2中塗塗膜形成工程を実施せず、その他の条件は実施例1と同様にして、多層塗膜を形成し、表1の結果を得た。
比較例4〜6
第2中塗塗料の組成を表1に示す値に変更し、その他の条件は実施例1と同様にして、多層塗膜を形成し、表1の結果を得た。
Figure 2010149025
本発明の塗装方法によれば、仕上がり外観が良好で十分な下地隠蔽性と耐擦傷性に優れた積層塗膜を有する自動車車体を提供できる。

Claims (6)

  1. 電着塗膜を形成した鋼板上に、第1中塗塗料を塗布し焼付け硬化して第1中塗塗膜を形成する工程、この工程の後に第2中塗塗料を塗布し焼付け硬化して第2中塗塗膜を形成する工程、この工程の後に水性ベース塗料を塗布して未硬化のベース塗膜を形成する工程、次いでウエットオンウエット塗装でクリヤー塗料を塗布し焼付け硬化する工程、を包含する自動車車体の塗装方法であって、
    前記第1中塗塗料および第2中塗塗料のうち、少なくとも、前記第2中塗塗料は、酸価が50〜300mgKOH/g(固形分)であるカルボキシル基とカルボン酸エステル基を含有するアクリル樹脂(A)、エポキシ基当量が50〜700であるエポキシ基含有アクリル樹脂(B)及び顔料(C)を含有する酸エポキシ硬化型中塗塗料であり、
    前記クリヤー塗料は、水酸基価が100〜200mgKOH/g(固形分)である水酸基含有アクリル樹脂(L)およびポリイソシアネートプレポリマー(M)を用いる2液型クリヤー塗料であり、かつ、前記ポリイソシアネートプレポリマー(M)のイソシアネート基当量と前記水酸基含有アクリル樹脂(L)の水酸基当量との比率が、〔イソシアネート基当量〕/〔水酸基当量〕=1/0.5〜1/1.5であることを特徴とする塗装方法。
  2. 前記第2中塗塗料が更に、酸価が50〜350mgKOH/g(固形分)であるカルボキシル基含有ポリエステル樹脂(D)を含有することを特徴とする請求項1に記載の塗装方法。
  3. 前記第2中塗塗料の顔料濃度(PWC)が7〜13質量%であることを特徴とする請求項1または2に記載の塗装方法。
  4. 前記クリヤー塗料が更に、ポリラクトンポリオール(N)を、(L)/(N)=60/40〜100/0(固形分質量比)の範囲内で含み、前記水酸基含有アクリル樹脂(L)が、短側鎖ヒドロキシル基(L1)と長側鎖ヒドロキシル基(L2)を(L1)/(L2)=3/1〜1/3(モル比)で有し、その水酸基当量LOHと前記ポリイソシアネートプレポリマー(M)のイソシアネート基当量MIとの比率がMI/LOH=1/0.3〜1/2.0であることを特徴とする請求項1〜3のいずれかに記載の塗装方法。
  5. 前記水性ベース塗料が、光輝性顔料を含有することを特徴とする請求項1〜4のいずれかに記載の塗装方法。
  6. 請求項1〜5のいずれかに記載の塗装方法により形成された積層塗膜を有する自動車車体。
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