JP3478165B2 - アゾ基含有ポリアミドおよびその製造法 - Google Patents

アゾ基含有ポリアミドおよびその製造法

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Description

【発明の詳細な説明】
【0001】
【発明の属する技術分野】本発明はラジカル重合活性を
有するアゾ基含有ポリアミドおよびその製造法に関す
る。さらに詳しくは、ビニル系ポリマーとポリアミドと
の共重合体製造に使用できるラジカル重合開始剤として
有用なアゾ基含有ポリアミドに関する。
【0002】
【従来の技術】汎用ポリマーやエンジニヤリングプラス
チックはそれぞれの特徴を生かした用途で使用されてい
るが、プラスチック材料への要求特性の多様化に伴い、
汎用ポリマーとエンジニヤリングプラスチック両者の特
徴を有する材料に対する要求が強くなり、両者からなる
コポリマーが注目されている。特に、汎用ポリマーとエ
ンジニヤリングプラスチックそれぞれの代表であるビニ
ル系ポリマーとポリアミドとの特徴を有するコポリマー
に対する要求が高くなっている。
【0003】従来、ビニル系ポリマーとポリアミドとの
コポリマーを製造する方法に関しては、ビニル系モノマ
ーのラジカル開始剤としてアゾ基含有ポリアミドを使用
する方法が知られている。アゾ基含有ポリアミドに関し
ては、特開昭49−17895号公報、J.Polym.Sci.Po
lym Chem Ed, Vol.22,1611(1984)、高分子論文集,Vo
l.33,131(1976)や大阪市工業研究所報告,第84回(198
9)などに報告されている。
【0004】例えば、特開昭49−17895号公報で
は、一般式(5)
【化6】 (式中、Xはハロゲン原子を、R8およびR9は水素原
子、炭素数1〜6のアルキル基またはニトリル基を、f
は0または1〜6の整数を示す。)で表されるアゾ基含
有ジカルボン酸ハロゲン化物と炭素数1〜10個の脂肪
族、脂環族または芳香族ジアミンと、必要ならば他のジ
カルボン酸ハロゲン化物の存在下に、重縮合させたアゾ
基含有ポリアミドが開示されている。
【0005】
【発明が解決しようとする課題】これら公知のアゾ基含
有ポリアミドはアゾ基含有ジカルボン酸ハロゲン化物と
ジアミンとの反応で得られ、分子鎖中に数多くのアゾ基
を含有している。このアゾ基含有ポリアミドをビニル系
モノマーの重合開始剤に使用した場合、アゾ基の多くが
分解すると開始剤としての効率は高くなるが、得られる
コポリマー中のポリアミド単位の分子鎖が短くなり、ポ
リアミドの性質を有するコポリマーを得ることは難し
い。一方、アゾ基の分解が少ない場合、開始剤としての
効率が不十分で、コポリマーの製造が困難となったり、
また、コポリマーが得られても、分子鎖中にアゾ基が数
多く存在するため、コポリマーの熱安定性が悪くなるな
どの問題がある。また、公知のアゾ基含有ポリアミドは
崩壊性ポリマー用途を目的の一つとして開発されてお
り、本質的に耐久性の乏しいものである。
【0006】本発明の目的は上記のような問題のないビ
ニル系ポリマーとポリアミドのコポリマー合成に有効な
重合活性を有するアゾ基含有ポリアミドおよびその製造
法の提供にある。
【0007】
【発明を解決するための手段】本発明者らは鋭意検討し
た結果、特定のアゾ基を含む化合物の両側あるいは一方
側にアミノカルボン酸および/またはラクタムから合成
された特定の数平均分子量を有するポリアミドが結合し
たアゾ基含有ポリアミドはビニル系モノマーの重合開始
に有効であるとともに、ポリアミドの特性を有するコポ
リマーの合成に有効であることを見出し本発明に到達し
た。
【0008】すなわち、本発明は、一般式(1)
【化7】 (式中、aは1〜24の整数を示す。)で表される繰返
し単位からなるポリアミドと一般式(2)
【化8】 (式中、R1およびR2は水素原子、炭素数1〜6のアル
キル基またはニトリル基を示し、bは0または1〜6の
整数を示す。)で表されるアゾ基を含有する単位とから
なるアゾ基含有ポリアミドである。
【0009】また、本発明は上記の化学式(1)で表さ
れる繰返し単位からなるポリアミドの数平均分子量が5
00〜40,000であるアゾ基含有ポリアミドであ
る。
【0010】また、本発明は一般式(3)
【化9】 (式中、R3およびR4は水素原子、炭素数1〜6のアル
キル基またはニトリル基を示し、dは0または1〜6の
整数を示す。また、PA1およびPA2は化学式(1)を
繰返し単位とするポリアミドを示し、PA1とPA2の組
成は同一でも、あるいは異なっていても良い。)および
/または一般式(4)
【化10】 (式中、R5およびR6は水素原子、炭素数1〜6のアル
キル基またはニトリル基を示し、eは0または1〜6の
整数を示す。PA3は請求項1記載の化学式(1)を繰
返し単位とするポリアミドを示す。R7は炭素数1〜2
4の炭化水素基を示す。)で表される構造からなり、P
1、PA2およびPA3が数平均分子量500〜40,
000のポリアミドであるアゾ基含有ポリアミドであ
る。
【0011】また、本発明は、化学式(1)で表される
繰返し単位からなり、かつ、アミノ末端基を有するポリ
アミドと一般式(5)
【化11】 (式中、Xはハロゲン原子を、R8およびR9は水素原
子、炭素数1〜6のアルキル基またはニトリル基を、f
は0または1〜6の整数を示す)で表されるアゾ基含有
ジカルボン酸ハロゲン化物とを、水および/またはアル
コールの存在下、または不存在下に、反応させるアゾ基
含有ポリアミドの製造法である。
【0012】アゾ基を含む化合物の両側または一方側に
アミノカルボン酸および/またはラクタムから合成され
た特定の大きさの数平均分子量を有するポリアミドが結
合したアゾ基含有ポリアミドが有効なラジカル重合活性
を有することを見出したことは、本発明の特徴の一つで
ある。
【0013】
【発明の実施の形態】以下、詳細に本発明を説明する。
本発明において、前記の一般式(1)で表される繰返し
単位からなるポリアミドは、ω−アミノカルボン酸およ
び/またはラクタムから誘導される。ω−アミノカルボ
ン酸の具体例としては、5−アミノ吉草酸、6−アミノ
カプロン酸、7−アミノヘプタン酸、8−アミノオクタ
ン酸、9−アミノノナン酸、10−アミノカプリン酸、
11−アミノウンデカン酸、12−アミノドデカン酸な
どを挙げることができ、また、ラクタムの具体例として
は、ピロリドン、メチルピロリドン、カプロラクタム、
エナントラクタム、ウンデカンラクタム、ドデカラクタ
ムなどを挙げることが出来る。これらのω−アミノカル
ボン酸やラクタムは単独で使用しても、また、2種以上
を適宜組合せて使用しても良い。
【0014】本発明のアゾ基含有ポリアミドは化学式
(1)で表される繰返し単位を有し、かつ、アミノ末端
基を有するポリアミドとアゾ基含有ジカルボン酸ハロゲ
ン化物とを反応させることにより合成される。このポリ
アミドの数平均分子量は500〜40,000、好まし
くは1,000〜30,000、さらに好ましくは2,
000〜25,000である。数平均分子量が40,0
00より大きくなると、このポリアミドとアゾ基を含有
する化合物との反応性が低下し、本発明のアゾ基含有ポ
リアミドを製造する時間が長くなるので好ましくない。
一方、500より小さくなると、ポリアミド本来の性質
を有するコポリマーが得られなくなるので好ましくな
い。
【0015】化学式(1)で表される繰返し単位および
アミノ末端基を有し、かつ、数平均分子量500〜4
0,000のポリアミドは溶融重合、溶液重合、固相重
合など公知のポリアミドの合成法により製造できる。例
えば、ω−アミノカルボン酸を必要ならば少量の水とと
もに加熱して重縮合する方法、あるいは、ラクタムを少
量の水とともに加熱して開環重合する方法により製造す
ることができる。この方法で製造したポリアミドの末端
基はアミノ基またはカルボキシル基となるが、本発明で
使用されるポリアミドは、少なくとも一方の末端基がア
ミノ基である。
【0016】この少なくとも一方の末端基にアミノ基を
有するポリアミドは、ポリアミドを合成する際、モノア
ミンを添加することにより得られる。添加できるモノア
ミンとしてはラウリルアミン、ステアリルアミンなどの
炭素数1〜24の直鎖および分岐状脂肪族モノアミン、
ベンジルアミンやβ−フェニルエチルアミンなどの芳香
族モノアミン、シクロヘキシルアミンのような脂環族モ
ノアミンなどを挙げることができる。これらを添加した
場合、合成されるポリアミドは、カルボキシル末端基が
ほとんど無く、アミノ基以外の分子末端は主として上記
モノアミンの残基となる。
【0017】本発明で、一般式(2)で表されるアゾ基
を含有する単位は、一般式(5)で表されるアゾ基含有
ジカルボン酸ハロゲン化物から誘導される。アゾ基含有
ジカルボン酸ハロゲン化物はアゾ基含有ジカルボン酸の
塩化物、臭化物または沃化物であり、アゾ基含有ジカル
ボン酸とホスゲン、塩化チオニル、三酸化りん、五酸化
りんなどの塩素系化合物またはこれらに対応する臭素系
化合物あるいは沃素系化合物との反応により得ることが
できる。アゾ基含有ジカルボン酸の具体例としては、
4,4'−アゾビス−シアノバレリアン酸、6,6'−ア
ゾビス−6−シアノヘプタン酸、2,2'−アゾビス−
2−メチルプロピオン酸、5,5'−アゾビス−5−メ
チルカプロン酸、7,7'−アゾビスカプリル酸、4,
4'−アゾビス−4−メチルカプロン酸、4,4'−アゾ
ビス−4−プロピルヘプタン酸、3,3'−アゾビスプ
ロピオン酸などが挙げられる。
【0018】なお、一般式(2)〜(5)中のR1
2、R3、R4、R5、R6、R8、R9は、それぞれ水素
原子、メチル基、エチル基、プロピル基、ブチル基、ペ
ンチル基、ヘキシル基など炭素数1〜6の直鎖または分
岐のアルキル基、または、ニトリル基から選ばれる。ま
た、R7は水素原子、メチル基、エチル基、プロピル
基、ブチル基、ベンジル基などの炭素数1〜24の炭化
水素基から選ばれる。
【0019】本発明のアゾ基含有ポリアミドは一般式
(1)で表される繰返し単位およびアミノ末端基を有
し、かつ、数平均分子量500〜40,000のポリア
ミドとアゾ基含有ジカルボン酸ハロゲン化物とを、水ま
たはアルコールの存在下、または、不存在下に、反応さ
せることにより得ることができる。
【0020】アミノ末端基を有するポリアミドと一般式
(5)で表されるアゾ基含有ジカルボン酸ハロゲン化物
との反応は、ポリアミドのアミノ基1モル当量に対して
アゾ基含有ジカルボン酸ハロゲン化物の酸ハロゲン基が
0.5〜10モル当量、好ましくは 0.7〜8モル当
量となる割合で行われる。酸ハロゲン基の量がアミノ基
に対して0.5モル当量より少ない場合、アゾ基を含有
しない未反応のポリアミドが多く残り、アゾ基含有ポリ
アミドの収率が低くなるので好ましくない。また、酸ハ
ロゲン基の割合がアミノ基に対して10モル当量より多
い場合は、ポリアミドと結合していない未反応のアゾ基
含有ジカルボン酸ハロゲン化物が多く残り、アゾ基含有
ポリアミドの収率が低くなるので好ましくない。
【0021】水および/またはアルコールの不存在下の
場合、一般式(3)で表されるアゾ基含有ポリアミドが
得られる。また、水および/またはアルコールの存在下
の場合、一般式(3)だけでなく、一般式(4)で表さ
れるアゾ基含有ポリアミドも得られる。一般式(4)の
アゾ基含有ポリアミドが得られる割合は水および/また
はアルコールの添加量が多くなるほど、多くなる。
【0022】水および/またはアルコールを添加する場
合、添加量は酸ハロゲン基の過剰分、すなわち、(酸ハ
ロゲン基の数−アミノ基の数)に相当するモル当量数以
上の量が必要であり、好ましくは、酸ハロゲン基過剰分
の1.5倍モル当量以上である。水および/またはアル
コールの添加は、ポリアミドとアゾ基含有ジカルボン酸
ハロゲン化物の仕込み時に行っても良く、また、反応途
中あるいは終了後に行っても良い。添加されるアルコー
ルは炭素数1〜24のアルコールであり、具体例として
はメチルアルコール、エチルアルコール、プロピルアル
コール、ブチルアルコール、オクチルアルコール、ステ
アリルアルコール、シクロヘキサノール、ベンジルアル
コール、フルフリルアルコールなどがある。
【0023】本発明のアゾ基含有ポリアミドの合成は、
アゾ基の熱安定性を考慮して、できるだけアゾ基が分解
しない条件で行う必要があり、反応温度の制御が容易な
溶液反応で行うことが好ましい。合成反応に使用できる
溶媒としては、ポリアミドを溶解し、かつ、酸ハロゲン
基やアミノ基との反応性が無い、または、反応性が非常
に低いものが選ばれる。このような溶媒の具体例として
は、フェノール、クレゾールなどのフェノール系溶媒お
よびこれらと炭化水素系溶媒との混合溶媒、塩化リチウ
ム、塩化カルシウムなどのハロゲン化無機物を溶解した
N−メチル−2−ピロリドン、N,N−ジメチルアセトア
ミド、N,N−ジメチルホルムアミド、1,3−ジメチル−
2−イミダゾリジノンのようなアミド系溶媒などを挙げ
ることができる。
【0024】反応温度はアゾ基の分解温度を考慮して6
0℃以下、好ましくは0〜50℃の温度範囲であり、反
応時間は1〜150時間が好ましい。反応温度が60℃
より高いとアゾ基が短時間で分解し、目的のアゾ基含有
ポリアミドを得ることが難しくなる。一方、反応温度が
過度に低い場合は、反応速度が極端に遅くなるので好ま
しくない。
【0025】上記のアミノ末端基を有するポリアミド、
一般式(5)であらわされるアゾ基含有ジカルボン酸ハ
ロゲン化物および必要に応じて添加する水および/また
はアルコールとの反応をすみやかに進行させるために、
トリエチルアミン、ピリジン、キノリン、イソキノリン
などの第3級アミンなどの塩基性化合物を添加すること
もできる。
【0026】アゾ基含有ポリアミドの合成反応終了後、
アゾ基含有ポリアミドを含む反応溶液はそのままビニル
系モノマーの重合に利用することができる。また、反応
溶液を多量の貧溶媒に注ぎ込むか、または、貧溶媒を反
応溶液に添加することにより、合成したアゾ基含有ポリ
アミドを析出させ、濾別した後、乾燥して固体として使
用することもできる。
【0027】この様にして得られる本発明のアゾ基含有
ポリアミドはメチルメタクリレート、エチルメタクリレ
ート、メタクリル酸、スチレン、酢酸ビニル、ブタジエ
ン、イソプレンなどのビニル系モノマーの重合開始作用
を有し、これらのビニル系モノマーから合成されるビニ
ル系ポリマーとポリアミドとの共重合体製造に利用でき
る。
【0028】
【実施例】以下に、実施例を挙げて本発明をさらに詳し
く説明する。なお、実施例に記載した特性評価は次の方
法で行った。
【0029】1)ポリアミドの溶液粘度の測定 0.5g/100mlの濃度でm−クレゾールを溶媒と
して、25℃でウベローデ粘度計を用いて測定し、式
(1)により溶液粘度ηsp/c(単位;ml/g)を
求めた。
【数1】 ηsp/c={(t−t0)/t0}/c (1) ここで、t;溶液の流出時間(秒)、t0;溶媒のみの
流出時間(秒)、c;溶液濃度(g/ml)
【0030】2)アミノ基濃度の測定 フェノール/メタノール(4/1;体積比)混合溶媒4
0mlに試料を溶解し、チモールブルーを指示薬として
数滴加えた後、1/20N塩酸を用いて室温で滴定し
た。アミノ基濃度[NH2](単位;モル/g)は式
(2)で計算した。
【数2】 [NH2]=(L1−L2)×f×10-4/(2×S) (2) ここで、L1;試料溶液の滴定量(ml)、L2;溶媒の
みの滴定量(ml)、f;1/20N塩酸のファクタ
ー、S;試料量(g)
【0031】3)ポリアミドの数平均分子量(以降、
「Mn」で示す) Mnは、上記2)の方法で測定したアミノ基濃度[NH
2]を用いて、式(3)により計算した。
【数3】 Mn=1/[NH2] (3)
【0032】4)アゾ基含有ポリアミドおよびポリアミ
ドとビニル系ポリマーとのコポリマーの1H−NMR測
定 日本電子(株)のJEOL EX−270を用いて、重
硫酸を溶媒として測定した。 測定周波数;300MHz、測定温度;室温、試料濃
度;5重量%、標準物質;トリメチルシラン
【0033】合成例1 アミノ末端基を有するポリアミ
ド(PA−1)の合成 ε−カプロラクタム11.3重量部、水0.5重量部と
ステアリルアミン0.6重量部をオートクレーブに仕込
み、窒素置換後、250℃、圧力5気圧で、5時間重合
した。温度を保持したまま圧力を大気圧まで降圧した
後、窒素気流下、さらに、4時間重合した。その後、重
合物を取出し、粉砕、メタノールでソックスレー抽出し
てから、乾燥し、ポリアミド(以降、「PA−1」で示
す。)を得た。PA−1の溶液粘度は0.50であり、
アミノ基濃度から計算した数平均分子量Mnは4,90
0であった。
【0034】合成例2 アミノ末端基を有するポリア
ミド(PA−2)の合成 ε−カプロラクタム11.3重量部、水0.5重量部と
ベンジルアミン0.2重量部を使用した以外は、合成例
1と同様の方法で重合し、ポリアミド(以降「PA−
2」と記す。)を得た。PA−2の溶液粘度は0.55
であり、アミノ基濃度から計算した数平均分子量Mnは
5,700であった。
【0035】合成例3 アミノ末端基を有するポリア
ミド(PA−3)の合成 ε−カプロラクタム11.3重量部、水0.5重量部と
ステアリルアミン0.4重量部を使用した以外は、合成
例1と同様の方法で重合し、ポリアミド(以降「PA−
3」と記す。)を得た。PA−3の溶液粘度は0.97
であり、アミノ基濃度から計算した数平均分子量Mnは
8,300であった。
【0036】合成例4 アミノ末端基を有するポリア
ミド(PA−4)の合成 ε−カプロラクタム11.3重量部、水0.5重量部と
ステアリルアミン0.1重量部を使用した以外は、合成
例1と同様の方法で重合し、ポリアミド(以降「PA−
4」と記す。)を得た。PA−4の溶液粘度は1.52
であり、アミノ基濃度から計算した数平均分子量Mnは
17,000であった。
【0037】実施例1 塩化リチウム10重量%を溶解した1,2−ジメチル−
2−イミダゾリジノンからなる溶媒500重量部に、P
A−1を5重量部とトリエチルアミン1.5重量部とを
入れ、60℃で溶解した。この溶液を氷冷しながら、
4,4'−アゾビス−シアノバレリアン酸ジクロリド
0.162重量部を溶解したテトラヒドロフラン5重量
部を滴下した。滴下後、溶液温度を10℃としてから、
40時間撹拌しながら、反応させた。次いで、反応溶液
を多量のメタノール中に注ぎ入れ、反応物を析出させた
後、濾別、減圧乾燥した。この反応物は1H−NMR測
定からアゾ基とポリアミドの構造を有していた。また、
この反応物の溶液粘度は0.86であった。この反応物
2.5重量部を、フェノール−メタノール混合溶媒(フ
ェノール:メタノール=4:1、体積比)200重量部
に室温で溶解し、その溶液にメタクリル酸メチル10重
量部を加えた。次いで、窒素雰囲気下、60℃、攪拌下
に、24時間、重合させた。その後、反応溶液をメタノ
ール中に注ぎ入れ、重合物を析出させ、濾過、減圧乾燥
した。得られた重合物は1H−NMRの測定により、ナ
イロン6のシグナルとポリ(メタクリル酸メチル)のシ
グナルが観察され、ポリアミドとポリ(メタクリル酸メ
チル)とのコポリマーであった。
【0038】実施例2 塩化リチウム10重量%を溶解した1,2−ジメチル−
2−イミダゾリジノンからなる溶媒の代りに、ベンゼン
25重量部とフェノール75重量部からなる混合溶媒5
00重量部を用いた以外は実施例1と同様にして反応物
を得た。この反応物は1H−NMR測定からアゾ基とポ
リアミドの構造を有していた。また、この反応物の溶液
粘度は0.85であった。この反応物2.5重量部を用
いた以外は、実施例1と同様の方法でメタクリル酸メチ
ルを重合させ、重合物を得た。この重合物は1H−NM
Rの測定により、ナイロン6のシグナルとポリ(メタク
リル酸メチル)のシグナルが観察され、ポリアミドとポ
リ(メタクリル酸メチル)とのコポリマーであった。
【0039】実施例3 フェノール75重量部にPA−2を5重量部、トリエチ
ルアミン1.5重量部およびメタノール25重量部を入
れ、50℃で溶解した。この溶液を氷冷しながら、4,
4'−アゾビス−シアノバレリアン酸ジクロリド0.4
2重量部を溶解したテトラヒドロフラン5重量部を滴下
した。滴下後、溶液の温度を10℃としてから、40時
間撹拌しながら反応させた。反応溶液を多量のメタノー
ル中に注ぎ込み、反応物を析出させた後、濾別、減圧乾
燥した。1H−NMR測定から、この反応物は末端メト
キシ基にもとづくシグナルが3.9ppmに観察され、
このシグナル強度とPA−2に基づくシグナル強度とか
ら、反応物の98モル%が末端メトキシ基を有するアゾ
基含有ポリアミドであることがわかった。得られた反応
物の溶液粘度は0.55であった。この反応物2.5重
量部を用いた以外は、実施例1と同様の方法でメタクリ
ル酸メチルの重合を行い、重合物を得た。得られた重合
物は1H−NMRの測定から、ナイロン6およびポリ
(メタクリル酸メチル)のシグナルが観察され、ポリア
ミドとポリ(メタクリル酸メチル)とのコポリマーであ
った。
【0040】実施例4 PA−2の代りにPA−3を5重量部、4,4'−アゾ
ビス−シアノバレリアン酸ジクロリド(ACPC)0.
30重量部を溶解したテトラヒドロフランを使用した以
外は実施例3と同様の方法で反応物を得た。得た反応物
の溶液粘度は0.97であった。この反応物2.5重量
部を用いた以外は、実施例1と同様にしてメタクリル酸
メチルの重合を行い、重合物を得た。得られた重合物
は、1H−NMRの測定から、ナイロン6およびポリ
(メタクリル酸メチル)のシグナルが観察され、ポリア
ミドとポリ(メタクリル酸メチル)とのコポリマーであ
った。
【0041】フェノール75重量部にPA−4を10重
量部、トリエチルアミン1.5重量部およびメタノール
25重量部を入れ、50℃で溶解した。この溶液を氷冷
しながら、4,4'−アゾビス−シアノバレリアン酸ジ
クロリド0.55重量部を溶解したテトラヒドロフラン
5重量部を滴下した。滴下後、溶液の温度を5℃で30
分間攪拌した後、20℃に昇温してから、40時間撹拌
しながら反応させた。反応溶液を多量のメタノール中に
注ぎ込み、反応物を析出させた後、濾別、減圧乾燥し
た。得られた反応物の溶液粘度は1.55であった。こ
の反応物2.5重量部と酢酸ビニル10重量部を2,
2,2−トリフルオロエタノール20重量部に溶解し、
窒素雰囲気下、60℃で24時間攪拌した。その後、反
応溶液をメタノール中に注ぎ入れ、重合物を析出させ、
濾過、減圧乾燥した。得られた重合物は1H−NMRの
測定により、ナイロン6のシグナルとポリ(酢酸ビニ
ル)のシグナルが観察され、ナイロン6とポリ(酢酸ビ
ニル)のコポリマーであった。
【0042】
【発明の効果】一般式(1)
【化12】 (式中、aは1〜24の整数を示す。)で表される繰返
し単位からなるポリアミドと一般式(2)
【化13】 (式中、R1およびR2は水素原子、炭素数1〜6のアル
キル基またはニトリル基を示し、bは0または1〜6の
整数を示す。)で表されるアゾ基を含有する単位とから
なるアゾ基含有ポリアミドは、ポリアミドとビニル系ポ
リマーとのコポリマーの合成に有効な重合活性を有す
る。

Claims (4)

    (57)【特許請求の範囲】
  1. 【請求項1】 一般式(1) 【化1】 (式中、aは1〜24の整数を示す。)で表される繰返
    し単位からなるポリアミドと一般式(2) 【化2】 (式中、R1およびR2は水素原子、炭素数1〜6のアル
    キル基またはニトリル基を示し、bは0または1〜6の
    整数を示す。)で表されるアゾ基を含有する単位とから
    なることを特徴とするアゾ基含有ポリアミド。
  2. 【請求項2】 請求項1記載の化学式(1)で表される
    繰返し単位からなるポリアミドの数平均分子量が500
    〜40,000であることを特徴とする請求項1記載の
    アゾ基含有ポリアミド。
  3. 【請求項3】 一般式(3) 【化3】 (式中、R3およびR4は水素原子、炭素数1〜6のアル
    キル基またはニトリル基を示し、dは0または1〜6の
    整数を示す。PA1およびPA2は請求項1記載の化学式
    (1)を繰返し単位とするポリアミドを示し、PA1
    PA2の組成は同一でも、または異なっていても良
    い。)および/または一般式(4) 【化4】 (式中、R5およびR6は水素原子、炭素数1〜6のアル
    キル基またはニトリル基を示し、eは0または1〜6の
    整数を示す。PA3は請求項1記載の化学式(1)を繰
    返し単位とするポリアミドを示す。R7は炭素数1〜2
    4の炭化水素基を示す。)で表される構造であり、PA
    1、PA2およびPA3が数平均分子量500〜40,0
    00のポリアミドであることを特徴とする請求項1記載
    のアゾ基含有ポリアミド。
  4. 【請求項4】請求項1記載の化学式(1)で表される繰
    返し単位からなり、かつ、アミノ末端基を有するポリア
    ミドと一般式(5) 【化5】 (式中、Xはハロゲン原子を、R8およびR9は水素原
    子、炭素数1〜6のアルキル基またはニトリル基を、f
    は0または1〜6の整数を示す。)で表されるアゾ基含
    有ジカルボン酸ハロゲン化物とを、水および/またはア
    ルコールの存在下、または、不存在下に反応させること
    を特徴とする請求項1〜3のいずれか1項に記載のアゾ
    基含有ポリアミドの製造法。
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