JP3475774B2 - 水産練製品の製造法 - Google Patents
水産練製品の製造法Info
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Description
具材の食感をよりはっきりと感じる水産練製品の製造法
に関するものである。
法には、魚肉に大豆蛋白を粉末添加する方法、或いは、
大豆蛋白水和物を魚肉に混練あるいは混和させる方法が
あった。食塩等の塩類は魚肉と大豆蛋白或いは大豆蛋白
水和物を混練する際に添加されるのが通常であった。
水和物として添加する際に食塩等塩類を添加した水産練
製品の食感は、均質で固くなり、具材を添加してもつな
ぎとしての水産練製品の食感に具 の微妙な食感が隠さ
れてしまい、具材の添加効果は半減したものとなってし
まう。
カルシウムやマρネシウムのようなアルカリ土類金属の
塩)を大豆蛋白水和物に添加しておき、該水和物と魚肉
を混練する方法が知られ、脆い水産練製品生地を得るこ
とが出来るが、大豆蛋白凝固性の塩類は温度の高低によ
り大豆蛋白との反応 速度が異なり、安定して脆いカー
ドを得たり、均質な食感の水産練製品を得にくいという
難点がある。
点を解消し、具材の食感をはっきりと感じさせ、かつバ
ランスのとれた良好な水産練製品の安定した製造法を提
供することを目的とした。
つき鋭意研究を行った結果、大豆蛋白水和物に予め食塩
等の大豆蛋白非凝固性塩類を添加して得られるカード状
物を利用することにより得られた水産練製品が、具材の
食感をはっきりと感じる知見を得て本発明を完成するに
到った。
非凝固性塩類を添加・混合した後のカード状物を魚肉或
いは魚肉摺身に混練あるいは混和することを特徴とちる
水産練製品の製造法である。大豆蛋白非凝固性塩類は大
豆蛋白100重量部(分離大豆蛋白換算)に対して1.
2〜4.8重量部が好ましい。水産練製品は具材を含む
ことが適当である。
は、大豆蛋白と水との水和物、或いは、大豆蛋白、水及
び油脂からなる水和物等が適当である。本発明の大豆蛋
白は、分離大豆蛋白、濃縮大豆蛋白などの蛋白含量が乾
物換算で60%以上のものが適当であり、脱脂大豆など
の蛋白質含量の低いものは適当ではない。特に分離大豆
蛋白が好ましいが、分離大豆蛋白と油脂を乳化後粉末化
したものでも良い。本発明に用いる水は、大豆蛋白に対
してその乾燥重量の約3〜6倍程度が適当である。又、
大豆蛋白水和物に油脂を用いる際には、混練或いは混和
によりエマルジョンカードとすることが出来る。油脂の
量は大豆蛋白の乳化力により異なるが、通常前記加水の
等量以下用いられる。換言すれば大豆蛋白の乾燥重量の
6倍未満とすることが出来る。
塩化ナトリウム,塩化カリウム等のアルカリ金属塩が好
ましい。苦汁やカルシウム塩,マグネシウム塩等のアル
カリ土類金属塩及びアンモニウム塩等の大豆蛋白凝固性
塩類は温度上昇に応じて水産練製品の生地を早く硬くし
易く好ましくない。
物において、大豆蛋白非凝固性塩類は大豆蛋白(粉末状
分離大豆蛋白に換算)に対して1.2〜4.8重量%が
適当であり、好ましくは1.5〜4.5重量%がよい。
本発明において、上記大豆蛋白水和物と大豆蛋白非凝固
性塩類、必要により油脂 を混合或いは必要により均質
化してカード状物とすることが出来る。本発明のカード
状物は、大豆蛋白質の乾燥固形分量が魚肉等に対して3
%〜65%程度となるように魚肉等に添加することができ
る。好ましくは4%以上が適当である。水産練製品中の
具材の食感を最も感じやすく仕上げることが出来るから
である。従来のように大豆蛋白非凝固性塩類無添加のカ
ードを魚肉等に添加する際に大豆蛋白非凝固性塩類を用
いた水産練製品は、経時的に固さや変形の多い弾力に富
んだ水産練製品になり、微妙な食感を有する具材を引き
立てることに適していない。しかし、本発明のカード状
物は、時間が経過しても固さや変形が少ないため、魚肉
等と混練した場合に、得られる水産練製品が、たわみの
弱いさっくりとした適度な固さを有する。
は生魚、魚肉摺身などの水産練製品原料を用いることが
できる。魚の種類、摺身原料魚の種類は特に限定しな
い。
が出来る。具材としては、従来のように大豆蛋白と魚肉
摺身を混練する際に具材を混合したのでは該水産練製品
の生地の硬さとの食感的区別が極めてつきにくいような
柔らかい具材を用いることが出来る。そのような具材
は、食感的に水産練製品の生地と同等の硬さか或いはそ
れより柔らかい微妙な食感を有する具材で、例えば、カ
ニ蒲鉾、コンニャク、麺類、米飯、ホウレンソウ、ツ
ナ、ヒジキなどに代表される藻類、キノコ類などをあげ
ることが出来る。
身と混練或いは混和することが出来るが、これらの手段
としては公知の装置を用いることが出来、例えばサイレ
ントカッターのような混練器あるいはミキサーのような
混和器等を用いることが出来。上記カード状物が、油脂
を添加したエマルジョンカードである場合は、乳化機能
を有するサイレントカッターのような混練器を用いてエ
マルジョンカードを調製し、これに魚肉或いは魚肉摺身
を混練するほうが好ましい。
大豆蛋白と摺身等を混練する際に大豆非凝固性塩類を添
加する方法で製造した水産練製品と比較して、以下のよ
うな利点を有する。 a.さっくりとした歯切れの良い適度の弾力を有するた
め、具材の食感を引き立てる。 b.大豆臭が感じられなくなる等の風味が改良される。 c.大豆蛋白を多量使用可能で経粧効果が期待できる。 d.カード状物が短時間に作成可能なため、魚肉との混練
時間の短縮が行え、作業時間の効率化が行える。 e.様々な具材が縦横に使用できるために、様々な惣菜が
製造可能になる。
を更に具体的に説明するが、この発明の範囲はこれらの
例示に限定されない。なお、例中に示す部及び%は 重
量基準を意味する。
製油株式会社製)10部に対して、5重量倍の水を添加
し、サイレントカッターにて水によるカード(以下カー
ドと記す)及び食塩を添加したカード(以下加塩カード
と記す)を作製した。大豆蛋白に対する食塩濃度は実施
例1で2%、実施例2で3%、実施例3で4%となって
いる。また比較例1では0%(従来のカード法)、比較
例2で1%、比較例3で5%とした。
ードを使用し、表1の配合によりすり身生地を調製し、
キザミ蒲鉾を混合した後、蒸し蒲鉾を作製した。なお、
蒸し蒲鉾中の食塩量、水分量は一定とした。尚、ここで
具材として使用したキザミ蒲鉾とは、キザミカニ風味蒲
鉾を指したもので、具材として使用した場合、最も食感
の感じられにくいものであった。
折り径48mm塩化ビニール製のケーシングに充填し、
90℃の温浴中で中心温度が85℃になるまで加熱した
後、一晩冷却して官能評価を行った。
た。具材の食感(具材の存在感)に関しては以下の通り
である。 2−:全く感じない −:ほとんど感じない +:感じる 2+:強く感じる
較例1の食塩0%の従来のカードを使用したものは、食
感自体が蒲鉾的であり、具材の食感が全く感じられなか
った。また比較例2のように、食塩を大豆蛋白に対して
1%添加しても、具材の食感を殆ど感じられなかった。
実施例1のように大豆蛋白に対して食塩を2%添加し
て、初めて具材の食感が感じられるようになった。実施
例2の大豆蛋白に対する食塩3%添加区では、具材の食
感が非常に感じられるものとなっている。実施例3で食
塩を大豆蛋白に対して4%添加した区は、具材の食感が
非常に感じられるものの、蒲鉾の食感がやや脆い傾向と
なっていた。比較例3で、食塩の添加量が大豆蛋白に対
して5%になると、具材の食感は、はっきりと感じられ
るものの、ボソついた食感となり、食品としてはやや好
ましくない傾向となっていた。
化させて、揚げ蒲鉾を製造した。使用した大豆蛋白は、
粉末乳化油脂(「サンラバー15;不二製油株式会社
製、分離蛋白を約3分の2含んでいる)であり、その1
5部に対して3.5重量倍の水を添加して、食塩を添加
したカードを作成した。使用した混練機は、サイレント
カッターを使用してカードの調整を行った。大豆蛋白
(分離大豆蛋白換算)に対する食塩濃度は、比較例4が
0%、実施例4が2.25%、また実施例5が3%、実
施例6が3.75%、実施例7が4.5%である。なお
豆腐蒲鉾様の配合であるため、魚の黒皮が少なく色の白
い、スケソウFA級すりみを使用した。
直径20mmのスタハーで押し出し成形し、60gに整
え、蒸し機で90℃15分間蒸し加熱を行い、一晩冷却
後、翌日官能評価を行った。
4の食塩0%の加塩のカードを使用したものは、食感自
体が蒲鉾的であり、具材の食感が全く感じられない。ま
た比較例5のように、食塩を多すぎて添加した区は、蒲
鉾全体の食感が弱く、脆くなっており、具材の食感を感
じる以前に、全体の食感がバランスを欠いたものとなっ
ている。実施例4の食塩添加区から、実施例7の食塩添
加区までは、具材の食感を感じる良好な食感となってお
り、特に実施例5の食塩添加区、実施例6の食塩添加区
は、咀嚼中にキザミカニ風味蒲鉾の食感を良好に感じる
ものであった。
基準は実施例1、2、3及び比較例1、2、3と同様に
行った。結果は表4に示したものである。
例6、7 表3の処方中の、実施例5と同様の、食塩2%(対「サ
ンラバー」)の加塩カードを作成し、その添加量を変化
させて具材を感じる食感の効果を確認した。尚、加塩カ
ードの処方、原材料及び副資材は、表3の処方と同様に
調整をおこなった。
を行い、具材の食感の現れ方に関して確認した。
6では大豆蛋白が対すりみ2%で、添加量が少なく、食
感が均一な蒲鉾的であり、具材としてのカニキザミ蒲鉾
の食感がかくれて、感じられなくなっている。しかし、
対すりみ4%添加区の実施例8、8%添加区の実施例
9、20%添加区の実施例10、50%添加区の実施例1
1、60%添加区の実施例12では、具材の食感がはっき
りと感じられるものとなっていた。しかし比較例7の7
0%添加区では、食感全体がベトツキが感じられ、違和
感があり、具材の本来認められる良好な食感も変化して
感じられなくなっていた。これは、すりみに対する大豆
蛋白の添加量が増加しすぎたため、すりみの本来持つゲ
ル形成能が阻害されたためと思われる。
蛋白質水和物に添加、混合してカード状物を作成し、こ
れに魚肉または魚肉すりみを添加混練することにより、
従来の製造法の水産練製品生地では感じることの難しか
ったような生地の柔らかさに似たような柔らかい具材を
使用した場合でも、その具材の食感を感じさせることが
可能となったものである。
Claims (3)
- 【請求項1】大豆蛋白水和物に予め塩化ナトリウムまた
は塩化カリウムを添加・混合した後のカード状物を魚肉
或いは魚肉摺身に混練あるいは混和することを特徴とす
る水産練製品の製造法。 - 【請求項2】塩化ナトリウムまたは塩化カリウムが大豆
蛋白100重量部(分離大豆蛋白換算)に対して1.2
〜4.8重量部である請求項1記載の水産練製品の製造
法。 - 【請求項3】具材を含む請求項1又は請求項2記載の水
産練製品の製造法。
Priority Applications (1)
Application Number | Priority Date | Filing Date | Title |
---|---|---|---|
JP08733598A JP3475774B2 (ja) | 1998-03-31 | 1998-03-31 | 水産練製品の製造法 |
Applications Claiming Priority (1)
Application Number | Priority Date | Filing Date | Title |
---|---|---|---|
JP08733598A JP3475774B2 (ja) | 1998-03-31 | 1998-03-31 | 水産練製品の製造法 |
Publications (2)
Publication Number | Publication Date |
---|---|
JPH11276119A JPH11276119A (ja) | 1999-10-12 |
JP3475774B2 true JP3475774B2 (ja) | 2003-12-08 |
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ID=13912010
Family Applications (1)
Application Number | Title | Priority Date | Filing Date |
---|---|---|---|
JP08733598A Expired - Fee Related JP3475774B2 (ja) | 1998-03-31 | 1998-03-31 | 水産練製品の製造法 |
Country Status (1)
Country | Link |
---|---|
JP (1) | JP3475774B2 (ja) |
Families Citing this family (1)
Publication number | Priority date | Publication date | Assignee | Title |
---|---|---|---|---|
JP5740926B2 (ja) * | 2010-11-16 | 2015-07-01 | 不二製油株式会社 | 練製品及びその製造法 |
-
1998
- 1998-03-31 JP JP08733598A patent/JP3475774B2/ja not_active Expired - Fee Related
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JPH11276119A (ja) | 1999-10-12 |
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