JP3475063B2 - ポリアリーレンスルフィドの製造方法 - Google Patents

ポリアリーレンスルフィドの製造方法

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JP3475063B2 JP34617197A JP34617197A JP3475063B2 JP 3475063 B2 JP3475063 B2 JP 3475063B2 JP 34617197 A JP34617197 A JP 34617197A JP 34617197 A JP34617197 A JP 34617197A JP 3475063 B2 JP3475063 B2 JP 3475063B2
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  • Polymers With Sulfur, Phosphorus Or Metals In The Main Chain (AREA)

Description

【発明の詳細な説明】 【0001】 【発明の属する技術分野】本発明はポリアリーレンスル
フィドの製造方法に関する。さらに詳しくは、アミノ基
を末端に有するポリアリーレンスルフィドを含むポリア
リーレンスルフィドの製造方法に関する。 【0002】 【従来の技術】ポリアリーレンスルフィド(以下、PA
Sということがある)樹脂は、機械的強度,耐熱性,耐
薬品性等に優れるエンジニアリングプラスティックとし
て知られている。ところで、ポリアリーレンスルフィド
には、直鎖型のものや分岐型,架橋型のものがあるが、
分岐型,架橋型のものは直鎖型のものに比べて、溶融特
性に優れ成形時のバリ発生も少ないという長所があるも
のの、機械的物性が不十分であるという欠点がある。一
方、直鎖型のものはある程度の機械的物性は有するもの
の、溶融特性が不十分であり、また、他のナイロン等の
エンジニアリングプラスティックに比べると、機械的物
性の点ではまだ十分とは言えず、より一層の向上が望ま
れている。 【0003】近年、このようなポリアリーレンスルフィ
ド樹脂の性能向上を目的として、例えば、他の樹脂と複
合化したり(特開平4−213357号公報等)、共重
合させたり(特開平8−134352号公報等)、ポリ
アリーレンスルフィドを変性させたり(特開平5−17
0908号公報等)する技術が提案されているが、これ
らによっても、引張強度,曲げ強度,耐衝撃性等の機械
的物性に十分に優れたポリアリーレンスルフィド樹脂は
得られていないのが現状である。 【0004】 【発明が解決しようとする課題】本発明は上述の問題に
鑑みなされたものであり、引張強度や曲げ強度、耐衝撃
性等の機械的強度に格段に優れたポリアリーレンスルフ
ィドの製造方法を提供することを目的とする。 【0005】 【課題を解決するための手段】本発明者らは、鋭意検討
した結果、アミノ基を末端に有するポリアリーレンスル
フィドを含むポリアリーレンスルフィドについて、その
製造過程において、酸処理を行なうことにより、上記目
的を達成しうることを見出した。本発明はかかる知見に
基づいてなされたものである。 【0006】すなわち、本発明は、以下のポリアリーレ
ンスルフィドの製造方法を提供するものである。 (1)アミノ基を末端に有するポリアリーレンスルフィ
ドを含むポリアリーレンスルフィドであって、該末端ア
ミノ基とベンゼン環のモル比が、0.001〜0.1/0.9
〜0.999であるポリアリーレンスルフィドの製造方法
において、ポリアリーレンスルフィドオリゴマーを合成
し、ついで、アミノ化剤を加えてさらに重合反応を行な
い、重合終了後、酸処理することを特徴とするポリアリ
ーレンスルフィドの製造方法。 【0007】 【発明の実施の形態】以下、本発明を具体的に説明す
る。 1.アミノ基を末端に有するポリアリーレンスルフィド
を含むポリアリーレンスルフィドであって、該末端アミ
ノ基とベンゼン環のモル比が、0.001〜0.1/0.9〜
0.999であるポリアリーレンスルフィド (1)アミノ基を末端に有するポリアリーレンスルフィ
ドを含むポリアリーレンスルフィド 本発明にかかる「アミノ基を末端に有するポリアリーレ
ンスルフィドを含むポリアリーレンスルフィド」とは、
アミノ基を末端に有するポリアリーレンスルフィドのみ
からなるものでもよく、アミノ基を末端に有するポリア
リーレンスルフィドとアミノ基を末端に有さないポリア
リーレンスルフィドとの混合物でもよい。 【0008】ポリアリーレンスルフィドとは、具体的
には、構造式−Ar−S−(ただしArはアリーレン
基)で示される繰り返し単位を70モル%以上含有する
重合体である。その代表的なものは、下記構造式(I) 【0009】 【化1】 【0010】(式中、R1は炭素数6以下のアルキル
基、アルコキシ基、フェニル基、カルボン酸/金属塩、
アミノ基、ニトロ基、フッ素,塩素,臭素等のハロゲン
原子から選ばれる置換基であり、mは0〜4の整数であ
る。また、nは平均重合度を示し1.3〜30の範囲で
ある)で示される繰り返し単位を70モル%以上有する
ポリフェニレンスルフィドである。 【0011】PASとしては、繰り返し単位としてパラ
フェニレンスルフィド単位を70モル%以上、さらに好
ましくは80モル%以上含有するホモポリマーまたはコ
ポリマー(以下PPSと略称)が挙げられる。共重合構
成単位としては、例えばメタフェニレンスルフィド単
位、オルソフェニレンスルフィド単位、p,p’−ジフ
ェニレンケトンスルフィド単位、p,p’−ジフェニレ
ンスルホンスルフィド単位、p,p’−ビフェニレンス
ルフィド単位、p,p’−ジフェニレンエーテルスルフ
ィド単位、p,p’−ジフェニレンメチレンスルフィド
単位、p,p’−ジフェニレンクメニルスルフィド単
位、ナフチルスルフィド単位などが挙げられる。PAS
の好適例としては、例えば下記構造式(II)で示される
ポリフェニレンスルフィド(以下、PPSと称すること
がある。)を挙げることができる。 【0012】 【化2】 【0013】アミノ基を末端に有するポリアリーレン
スルフィドとは、上記ポリアリーレンスルフィドにおい
て、そのポリマー鎖の両末端又は片末端が−SHではな
く、−NH2 等のアミノ基であるものをいう。 (2)本発明にかかるポリアリーレンスルフィドが、ア
ミノ基を末端に有するポリアリーレンスルフィドとアミ
ノ基を有さないポリアリーレンスルフィドとの混合物の
場合においては、末端アミノ基とベンゼン環のモル比と
は、末端アミノ基と全ベンゼン環のモル比をいう。全ベ
ンゼン環とは、アミノ基を末端に有するポリアリーレン
スルフィド及びアミノ基を末端に有さないポリアリーレ
ンスルフィドにおけるベンゼン環の合計をいう。かかる
末端アミノ基とベンゼン環のモル比が、0.001〜0.1
/0.9〜0.999、好ましくは0.005〜0.05/0.9
5〜0.995である。末端アミノ基とベンゼン環のモル
比が、0.1/0.9を超える場合、ポリアリーレンスルフ
ィドとして分子量が低くなってしまうおそれがある。0.
001/0.999未満の場合、機械的強度が低下するお
それがある。 2.本発明にかかるポリアリーレンスルフィドの製造方
法 本発明にかかるポリアリーレンスルフィドの製造方法
は、ポリアリーレンスルフィドオリゴマーをまず合成
し、ついで、アミノ化剤を加えてさらに重合反応を行な
い、重合終了後、酸処理することを特徴とするものであ
る。 【0014】以下に該製造方法について詳述する。 (1)ポリアリーレンスルフィドオリゴマーの合成 ジハロ芳香族化合物と、硫黄源とを有機極性溶媒中で重
縮合反応させるという公知の方法により製造することが
できる。具体的には、水酸化リチウムを含有する非プロ
トン性溶媒中に、液体又は気体状のイオウ化合物を投入
させることにより、水酸化リチウムとイオウ化合物を直
接反応させ、その反応液中にジハロゲン化芳香族化合物
を投入して重縮合させる方法が好ましく挙げられる。水
酸化リチウムとイオウ化合物との反応が、Li/S=2
以上(モル比)の条件下で行われたものが好ましい。 【0015】用いられる非プロトン性有機溶媒として
は、一般に、非プロトン性の極性有機化合物(たとえ
ば、アミド化合物,ラクタム化合物,尿素化合物,有機
イオウ化合物,環式有機リン化合物等)を、単独溶媒と
して、または、混合溶媒として、好適に使用することが
できる。これらの非プロトン性の極性有機化合物のう
ち、アミド化合物としては、例えば、N,N−ジメチル
ホルムアミド,N,N−ジエチルホルムアミド,N,N
−ジメチルアセトアミド,N,N−ジエチルアセトアミ
ド,N,N−ジプロピルアセトアミド,N,N−ジメチ
ル安息香酸アミド等を挙げられ、ラクタム化合物として
は、例えば、カプロラクタム,N−メチルカプロラクタ
ム,N−エチルカプロラクタム,N−イソプロピルカプ
ロラクタム,N−イソブチルカプロラクタム,N−ノル
マルプロピルカプロラクタム,N−ノルマルブチルカプ
ロラクタム,N−シクロヘキシルカプロラクタム等のN
−アルキルカプロラクタム類,N−メチル−2−ピロリ
ドン(NMP),N−エチル−2−ピロリドン,N−イ
ソプロピル−2−ピロリドン,N−イソブチル−2−ピ
ロリドン,N−ノルマルプロピル−2−ピロリドン,N
−ノルマルブチル−2−ピロリドン,N−シクロヘキシ
ル−2−ピロリドン,N−メチル−3−メチル 2−ピ
ロリドン,N−エチル−3−メチル−2−ピロリドン,
N−メチル−3 4,5−トリメチル−2−ピロリド
ン,N−メチル−2−ピペリドン,N−エチル−2−ピ
ペリドン,N−イソプロピル−2−ピペリドン,N−メ
チル−6−メチル−2−ピペリドン,N−メチル−3−
エチル−2−ピペリドンなどを挙げることができる。 【0016】また、尿素化合物としては、例えば、テト
ラメチル尿素,N,N’−ジメチルエチレン尿素,N,
N’−ジメチルプロピレン尿素などが挙げられ、有機イ
オウ化合物としては、たとえば、ジメチルスルホキシ
ド,ジエチルスルホキシド,ジフェニルスルホン,1−
メチル−1−オキソスルホラン,1−エチル−1−オキ
ソスルホラン,1−フェニル−1−オキソスルホランな
ど、また、前記環式有機リン化合物としては、たとえ
ば、1−メチル−1−オキソホスホラン,1−ノルマル
プロピル−1−オキソホスホラン,1−フェニル−1−
オキソホスホランなどを挙げることができる。 【0017】これら各種の非プロトン性極性有機化合物
は、それぞれ一種単独で、または二種以上を混合して、
さらには、本発明の目的に支障のない他の溶媒成分と混
合して使用することができる。前記各種の非プロトン性
有機溶媒の中でも、好ましいのはN−アルキルカプロラ
クタム及びN−アルキルピロリドンであり、特に好まし
いのはN−メチル−2−ピロリドンである。 (2)ポリアリーレンスルフィドの合成 上記のポリアリーレンスルフィドオリゴマーを含む反応
液に、アミノ化剤、さらには必要に応じて、分岐剤,水
酸化リチウム及び水を添加し、昇温して反応を起こさせ
ることにより得ることができる。 【0018】末端アミノ基とベンゼン環のモル比は、
アミノ化剤の投入量によって制御することが可能であ
る。アミノ化剤としては、特に制限はないが、例えば、
(i)アミノ基とチオール基、(ii)アミノ基とチオール
基とアルカリ性化合物との組合せ、(iii)アミノ基とチ
オラート基(−SM;Mは、アルカリ又はアルカリ土類
金属)を有する化合物を挙げることができ、なお、(i)
〜(iii)を適宜組み合わせてもよい。(i) としては、パ
ラアミノチオフェノール、オルソアミノチオフェノー
ル、アミノアルキルメルカプタン等を挙げることがで
き、パラアミノチオフェノール、オルトアミノチオフェ
ノールが好ましい。(ii)のアルカリ性化合物として
は、原理的には、(i) の化合物のチオール基をチオラー
ト基に変換できるものであればよく、具体的には、アル
カリ金属もしくは土類金属の水酸化物または炭酸塩を挙
げることができ、水酸化物と炭酸塩との混合物であって
もよい。(iii)としては、パラアミノチオフェノール,
オルソアミノチオフェノール,アミノアルキルメルカプ
タン等の金属塩を挙げることができる。 【0019】本発明においては、オルソアミノチオフェ
ノールが好ましく用いられる。 必要に応じて用いられる分岐剤としては、特に制限は
ないが、例えば、1,2,4−トリクロロベンゼンのよ
うに1分子あたり3個以上のハロゲンを有するポリハロ
ゲン芳香族化合物や1,2,4−トリクロロニトロベン
ゼンのような多官能性化合物が好ましい。 【0020】反応条件 非プロトン性有機溶媒中でのPASオリゴマーとアミノ
化剤との反応については、特に制限はないが、以下の条
件が好ましい。 (i) 反応濃度,配合割合 ポリアリーレンスルフィドの反応濃度は、非プロトン性
有機溶媒1リットルに対し50〜500gが好ましく、
100〜400gがさらに好ましい。50g未満である
と、生産性が低下することがあり、500gを超えると
反応率の低下および副反応が起こることがある。 【0021】アミノ化剤の配合割合は、ポリアリーレン
スルフィド1基本モルに対して0.1〜10モル%が好ま
しく、0.5〜5モル%がさらに好ましい。0.1モル%未
満であると、生成PAS中の末端アミノ化PASの割合
が小さくなり、機械的強度の低下を招くおそれがある。
また、10モル%を超えると生成PAS全体の分子量が
低下するおそれがある。 (ii)アミノ化剤の添加時期 特に問わないが、ポリアリーレンスルフィドオリゴマー
を含む反応液にアミノ化剤を最初から添加しておく方法
や、反応中に添加する方法も行なわれる。 (iii)反応温度 反応温度は、180℃〜300℃が好ましく、200〜
280℃がさらに好ましい。180℃未満であるとアミ
ノ化が十分進行しないことがあり、300℃を超えると
PASが劣化してしまうことがある。 (iv) 反応時間 反応時間は、一概には規定できないが、通常30分〜3
0時間が好ましく、1〜15時間がさらに好ましい。3
0分未満であると反応が不十分となるおそれがあり、3
0時間を超えると副反応が起こると共に末端アミノ化P
ASの分子量が低下することがある。 【0022】ポリマー回収及び後処理 上記により得られたポリアリーレンスルフィドの回収に
ついては特に問わず、ろ過等の通常の方法を用いればよ
い。 ポリマーの後処理 回収して得たポリアリーレンスルフィドの後処理につい
ては、アルカリ中和のための酸洗浄を含めることが必須
であるが、該酸洗浄を行なう前に、ポリマーのろ過後、
まず塩除去のための水洗浄を行うことが望ましい。さら
には、酸洗浄後、残留している酸性溶媒及び塩除去のた
めの水洗浄を行なうことが望ましい。 【0023】酸洗浄については、以下のように行なうの
が好ましい。 (i)洗浄方法としては、特に制限はないが、例えば、前
記の非プロトン性有機溶媒中にポリマーと酸を入れ、振
盪等の手段により、よく混ざるようにして行なうのが望
ましく、加圧さらには加熱することがより望ましい。 (ii)用いる酸の種類には、ポリアリーレンスルフィドを
分解する作用をもたないものであれば特に制限はない
が、取り扱い及び後処理の容易さから、酢酸又は塩酸が
好ましく用いられる。 (iii) ポリマー,非プロトン性有機溶媒及び酸の配合割
合としては、用いる酸の種類、あるいは重合反応時の条
件によって異なるが、通常、非プロトン性有機溶媒1リ
ットルに対しポリマー50〜500g、好ましくは10
0〜400gであり、酸については、非プロトン性有機
溶媒をイオン交換水にて10倍に希釈したときの実測p
Hが1〜5、好ましくは2〜4になるように選ばれる。 【0024】具体的にいえば、例えば、酸として酢酸を
用いる場合、非プロトン性有機溶媒1リットルに対しポ
リマー50〜500g及び酢酸0.3〜3000g、さら
にはポリマー100〜400g及び酢酸3〜300gが
好ましい。 (iv)洗浄温度は、50〜300℃、好ましくは80〜2
80℃である。300℃を超えるとポリマーが分解する
おそれがあり、50℃未満では洗浄効果が発揮されない
おそれがある。 (v) 洗浄時間は、一概には規定できないが、通常30分
〜30時間が好ましく、1〜15時間がさらに好まし
い。 【0025】洗浄後、100℃以上での熱風乾燥又は
真空乾燥を5時間以上行なうことが望ましい。 〔実施例〕以下、本発明を実施例によってさらに具体的
に説明する。尚、評価は次の方法で行なった。 (1) 溶液粘度(ηinh ) ウベローデ粘度計を用い、0.4g/デシリットルの濃
度、温度235℃のα−クロロナフタレン溶液に試料を
30分保持して溶解させた後、206℃で測定した。 (2) 溶融粘度(ηm ) 20gのサンプルをシート状にプレス後ペレット状に粉
砕したものについて、東洋精機社製 キャピログラフ測
定装置を用いて、測定温度300℃、L/D=40/1
の条件にて測定した。 (3) アミノ基の定量 FT−IR(BIO−LAD社製、FTS−165)に
より、NH伸縮振動(N−H,3370cm-1)と、芳
香族水素伸縮振動(ベンゼン−H,3066cm-1)と
の吸光度比を求め、元素分析値を基に算出した。 (4) アイゾッド耐衝撃性(ノッチ有り/ノッチなし) 評価用サンプルは次のようにして作製した。 【0026】上記ポリフェニレンスルフィド顆粒600
gにカップリング剤(東レ・ダウコーニング・シリコー
ン社製,商品名SH6040)をディスポーザブルシリ
ンジで均一にふりかけ、ポリプロピレン製の袋に入れて
ドライブレンドした。その後、ガラスファイバー(旭ガ
ラス社製、商品名 JAFT591)400gを該袋の
中に入れ、ガラスファイバーが折れないようにゆっくり
とドライブレンドを行なった。これを20mmφの単軸
押出機によりペレタイズした。 【0027】このようにして得たペレットを用いて、3
0t射出成形機(金型温度135℃,射出圧49%)に
よりアイゾッド耐衝撃性評価用サンプルを作製した。こ
のサンプルを用いて、ASTM−D256に準拠して測
定した。 [実施例1]攪拌翼のついた攪拌機付きステンレス製1
0リットルオートクレーブに、N−メチル−2−ピロリ
ドン(NMP)4.5リットル、パラジクロロベンゼン
(PDCB)1323.0g及び硫化リチウム(Li
2S)413.5gを仕込み、窒素雰囲気下、200℃ま
で昇温し、5時間反応させ、ポリアリーレンスルフィド
オリゴマーを合成した。 【0028】次にこの反応液を一旦室温に戻し、この中
に、オルトアミノチオフェノール22.6g,水酸化リチ
ウム4.3g,純水48.6gを添加し、窒素雰囲気下、2
60℃で3時間反応させた。反応終了後、内温を60℃
まで下げ、内容物を取り出しろ過した。次いで10リッ
トルのイオン交換水で3回洗浄した。引き続き、洗浄し
たポリマー,NMP5リットル及び酢酸20ミリリット
ルを10リットルオートクレーブに仕込み、窒素雰囲気
下、温度150℃で1時間酸洗浄を行なった。冷却後取
り出したポリマーをさらに10リットルのイオン交換水
で4回洗浄し、ポリマーをろ別した。 【0029】このようにして得たポリマーを100℃に
て8時間減圧乾燥し、白色,粒状のポリフェニレンスル
フィドポリマーを得た。このポリマーの溶液粘度(η
inh )は0.22デシリットル/g、剪断速度200cm
/秒における溶融粘度(η200)は95Pa・s、アミ
ノ基の全ベンゼン環量に対するモル比は0.85%であっ
た。またアイゾッド耐衝撃性(ノッチ有り/ノッチな
し)は、10.8/71.5(単位はいずれもkJ/m2
であった。 [実施例2]実施例1において、純水48.6gを添加す
るかわりに、純水24.3gにした以外は実施例1と同様
に行なった。得られたポリマーの溶液粘度(ηinh )は
0.24デシリットル/g、溶融粘度(η200 )は110
Pa・s、アミノ基の全ベンゼン環量に対するモル比は
0.86%であった。またアイゾッド耐衝撃性(ノッチ有
り/ノッチなし)は、11.3/75.0(単位はいずれも
kJ/m2 )であった。 [実施例3]実施例1において、オルトアミノチオフェ
ノール22.6g,純水48.6gを添加するかわりに、オ
ルトアミノチオフェノール11.3g,純水56.7gにし
た以外は実施例1と同様に行なった。得られたポリマー
の溶液粘度(ηinh )は0.235デシリットル/g、溶
融粘度(η200 )は105Pa・s、アミノ基の全ベン
ゼン環量に対するモル比は0.45%であった。またアイ
ゾッド耐衝撃性(ノッチ有り/ノッチなし)は、11.0
/73.5(単位はいずれもkJ/m2 )であった。 [実施例4]実施例1において、オリゴマー合成後、オ
ルトアミノチオフェノール22.6g,純水81.0g,水
酸化リチウム4.3g及び1,2,4−トリクロロベンゼ
ン8.2gを加えて、窒素雰囲気下、260℃で3時間反
応させた以外は実施例1と同様に行なった。得られたポ
リマーの溶液粘度(ηinh )は0.201デシリットル/
g、溶融粘度(η200 )は32Pa・s、アミノ基の全
ベンゼン環量に対するモル比は1.03%であった。また
アイゾッド耐衝撃性(ノッチ有り/ノッチなし)は、
9.7/63.5(単位はいずれもkJ/m2 )であった。 [比較例1]実施例1において、酸洗浄を行なわなかっ
た以外は実施例1と同様に行なった。得られたポリマー
の溶液粘度(ηinh )は0.22デシリットル/g、溶融
粘度(η200 )は95Pa・s、アミノ基の全ベンゼン
環量に対するモル比は0.85%であった。またアイゾッ
ド耐衝撃性(ノッチ有り/ノッチなし)は、7.2/5
0.0(単位はいずれもkJ/m2 )であった。 [比較例2]実施例2において、酸洗浄を行なわなかっ
た以外は実施例2と同様に行なった。得られたポリマー
の溶液粘度(ηinh )は0.24デシリットル/g、溶融
粘度(η200 )は110Pa・s、アミノ基の全ベンゼ
ン環量に対するモル比は0.86%であった。またアイゾ
ッド耐衝撃性(ノッチ有り/ノッチなし)は、7.8/5
5.0(単位はいずれもkJ/m2 )であった。 [比較例3]実施例3において、酸洗浄を行なわなかっ
た以外は実施例3と同様に行なった。得られたポリマー
の溶液粘度(ηinh )は0.235デシリットル/g、溶
融粘度(η200 )は105Pa・s、アミノ基の全ベン
ゼン環量に対するモル比は0.45%であった。またアイ
ゾッド耐衝撃性(ノッチ有り/ノッチなし)は、7.5/
52.0(単位はいずれもkJ/m2 )であった。 [比較例4]実施例4において、酸洗浄を行なわなかっ
た以外は実施例4と同様に行なった。得られたポリマー
の溶液粘度(ηinh )は0.201デシリットル/g、溶
融粘度(η200 )は33Pa・s、アミノ基の全ベンゼ
ン環量に対するモル比は1.01%であった。またアイゾ
ッド耐衝撃性(ノッチ有り/ノッチなし)は、6.7/3
9.0(単位はいずれもkJ/m2 )であった。 【0030】 【発明の効果】以上説明したように本発明によって、引
張強度や曲げ強度、耐衝撃性等の機械的強度に格段に優
れた優れたポリアリーレンスルフィドを得ることができ
る。
フロントページの続き (72)発明者 千賀 実 千葉県市原市姉崎海岸1番1号 (56)参考文献 特開 平5−105757(JP,A) 特開 平9−71652(JP,A) 特開 平8−193131(JP,A) (58)調査した分野(Int.Cl.7,DB名) C08G 75/00 - 75/04 CA(STN) REGISTRY(STN)

Claims (1)

  1. (57)【特許請求の範囲】 【請求項1】 アミノ基を末端に有するポリアリーレン
    スルフィドを含むポリアリーレンスルフィドであって、
    該末端アミノ基とベンゼン環のモル比が、0.001〜
    0.1/0.9〜0.999であるポリアリーレンスルフィド
    の製造方法において、ポリアリーレンスルフィドオリゴ
    マーを合成し、ついで、アミノ化剤を加えてさらに重合
    反応を行ない、重合終了後、酸処理することを特徴とす
    るポリアリーレンスルフィドの製造方法。
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