JP3474694B2 - 非常用電源システム - Google Patents

非常用電源システム

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JP3474694B2
JP3474694B2 JP33436095A JP33436095A JP3474694B2 JP 3474694 B2 JP3474694 B2 JP 3474694B2 JP 33436095 A JP33436095 A JP 33436095A JP 33436095 A JP33436095 A JP 33436095A JP 3474694 B2 JP3474694 B2 JP 3474694B2
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Description

【発明の詳細な説明】
【0001】
【発明の属する技術分野】本発明は、エンジン駆動式発
電機とバッテリ式静止型無停電電源装置とを併用した非
常用電源システムに関する。
【0002】
【従来の技術】非常用無停電電源システムは、一般に静
止型無停電電源装置のみを使用し、バッテリによるバッ
クアップのみにより無停電化を図るものが多い。ところ
が、停電保障時間を大幅に延ばしたい場合には、バッテ
リの容量を大きくすることは不経済になるので、たとえ
ば特開平3−18237号公報に示されるように、無停
電電源装置の前段にエンジン駆動式発電機を設け、無停
電電源装置のバッテリによる給電は、停電後エンジン駆
動式発電機の出力が立ち上がるまでのつなぎの期間にの
み使用し、出力が立ち上がった後はエンジン駆動式発電
機の出力を利用して電力供給を行う方法が採られる場合
があった。
【0003】
【発明が解決しようとする課題】このように、エンジン
駆動式発電機とバッテリ式静止型無停電電源装置とを併
用して非常用電源システムを構成した場合には、エンジ
ン駆動式発電機の駆動を保障するために点検運転が必要
になる。このような点検運転は、たとえば30日に1回
というようにタイマ設定して運転させると自動で点検運
転できるので便利である。一方、エンジン駆動式発電機
を始動させる信号源としてバッテリ電圧の低下状態を検
出した信号を使用するとバッテリの充電状態に応じてエ
ンジン駆動式発電機を始動できるので便利である。
【0004】しかしながら、上記タイマによる点検運転
およびバッテリの充電状態に応じた運転を組み合わせて
エンジン駆動式発電機を運転するようにしたときには、
次のような不都合を生じる場合がある。
【0005】すなわち、タイマによる点検運転直後の慣
性回転中にバッテリ充電不足による始動信号で直ちにエ
ンジン始動を行わせると、スタータモータ(セルモー
タ)の回転とエンジン回転とが噛み合わず、ギヤを破損
する等の故障原因となる。
【0006】本発明は、上記問題に鑑みてなされたもの
で、タイマによる点検運転およびバッテリの充電状態に
応じた運転を組み合わせてエンジン駆動式発電機を運転
するようにした場合でも、動作すべき非常時に確実に始
動することが可能な非常用電源システムを提供すること
を目的とする。
【0007】
【課題を解決するための手段】上記目的を達成するため
本発明は、商用電源と負荷との間に挿入されるインバー
タを有し、前記商用電源からの入力電圧が停止される
と、内蔵バッテリの直流電力を前記インバータにより商
用周波数の交流電力に変換して前記負荷へ供給する無停
電電源装置と、前記インバータの電源として、運転開始
後に前記商用電源と切り換えて使用されるエンジン駆動
式発電機とを備えた非常用電源システムにおいて、前記
エンジン駆動式発電機を定期的に点検運転するためのメ
ンテナンスタイマ装置と、前記商用電源の停電を検出し
たときには前記バッテリの直流電力を前記インバータに
供給するとともに、この停電を検出している状態で、前
記バッテリの電圧が所定値以下に低下したことを検出し
たときには、所定開始遅延時間経過後に前記エンジン駆
動式発電機の運転を開始させるための遅延タイマ装置
と、前記停電の復帰を検出したときには、前記インバー
タに供給する電力を前記エンジン駆動式発電機から前記
商用電源に切り換え、このエンジン駆動式発電機を停止
させるように制御する制御手段とを有することを特徴と
する。
【0008】また、好ましくは、前記商用電源の停電を
検出したときには、所定バッテリ出力時間、前記バッテ
リの直流電力を前記インバータに供給した後に、前記エ
ンジン駆動式発電機の運転を開始させるためのバックア
ップタイマ装置を有し、前記遅延タイマ装置は、前記所
定バッテリ出力時間経過前に前記バッテリの電圧が所定
値以下に低下したときには、前記所定開始遅延時間経過
後に前記エンジン駆動式発電機の運転を開始させ、前記
制御手段は、前記停電の復帰を検出したときから所定停
止遅延時間経過後に前記エンジン駆動式発電機の運転を
停止させることを特徴とする。
【0009】さらに、好ましくは、前記メンテナンスタ
イマ装置を前記無停電電源装置の出力によって駆動する
ことを特徴とする。
【0010】
【発明の実施の形態】以下、本発明の実施の形態を図面
に基づいて詳細に説明する。
【0011】図1は、本発明の実施の一形態に係る非常
用電源システムの概略構成を示すブロック図である。
【0012】同図において、本実施の形態の非常用電源
システムは、入力された商用周波数の電源電圧を整流
し、インバータを介して安定した商用周波数の交流電力
を生成するとともに、停電したときに内蔵バッテリの直
流電力を前記インバータを介して商用周波数の交流電力
に変換する無停電電源装置(UPS)1と、商用周波数
の交流電力を発電する発動発電機10と、入力された各
種信号に基づいて各種構成要素の制御を行うATS(オ
ートマチック・トランスファ・スイッチ)20とにより
主として構成されている。
【0013】無停電電源装置1には、ATS20のスイ
ッチ21から商用周波数の交流電源電圧(AC100
V)が供給され、この交流電源電圧は2つに分岐され
て、その一方は、直接リレー回路2の一方の入力側に供
給され、他方は、整流回路3に供給される。整流回路3
の出力側は、インバータ4の入力側に接続されるととも
に、インバータ4の入力側には、停電により整流回路3
からの電力供給が停止したときに、インバータ4に直流
電力を供給するための内蔵バッテリ5が接続されてい
る。そして、インバータ4の出力側は、リレー回路2の
他方の入力側に接続され、リレー回路2の出力側は、図
示しない負荷に接続されている。このようにして、イン
バータ4は、整流回路3からの整流された電力またはバ
ッテリ5からの直流電力を商用周波数の交流電力(AC
100V)に変換し、リレー回路2を介して前記負荷に
供給する。
【0014】また、バッテリ5には、その電圧値を検出
することによりバッテリ5の充電残量を検出するバッテ
リ電圧センサ6が接続され、バッテリ電圧センサ6は、
バッテリ5の電圧値が所定値以下、すなわち充電容量が
残り少なくなると、ローバッテリ信号(ハイ(H)レベ
ル信号)を出力する。
【0015】本実施の形態では、負荷としてコンピュー
タ等の安定した交流電圧を必要とする装置を想定してい
るため、無停電電源装置1は、常時インバータ給電方式
の電源装置を採用している。すなわち、スイッチ21か
ら供給された電源電圧は、通常、整流回路3−インバー
タ4−リレー回路2という経路で負荷に供給され、過大
な突入電流を必要とする場合や故障した場合等の過渡時
にのみ、スイッチ21からの電力が直接リレー回路2を
介して負荷に供給される。
【0016】なお、整流回路3から電力が出力されてい
るときには、その電力はバッテリ5にも供給され、バッ
テリ5が満充電状態でないときには、バッテリ5は充電
される。
【0017】前記ATS20のスイッチ21は2つの電
源入力端子を備え、その一方の入力端子には商用電源が
接続され、他方の入力端子には発動発電機10の出力側
が接続されている。
【0018】発動発電機10は、たとえばディーゼルエ
ンジン駆動方式により商用周波数の電源電圧を発電する
発電機11と、この発電機11の燃料を蓄える燃料タン
ク12と、発電機11の始動に使用するセルモータ(図
示せず)を回転させるためのバッテリ13とにより主と
して構成されている。
【0019】発電機11は、ディーゼルエンジン、セル
モータ、およびこれらの構成要素を含む各種構成要素を
制御する制御回路(図示せず)等により構成され、この
制御回路は、エンジン潤滑用オイルが所定量以下になっ
たことを知らせるオイル警告信号や発電機11(すなわ
ちディーゼルエンジン)が運転中であることを知らせる
発電機運転信号をATS20側に出力する。
【0020】バッテリ13は、発電機11の出力側にも
接続され、発電機11が発電運転中のときには、発電さ
れた電力の一部はバッテリ13に供給されてバッテリ1
3は充電され、発電機11が待機状態のときには、後述
するATS20の補充電管理回路33から供給された電
力によりバッテリ13は充電される。このようにバッテ
リ13を常に満充電状態にするのは、バッテリ13が、
前記セルモータの電源という、すなわち発電機11を始
動させるという重要な働きを担っており、停電したとき
にバッテリ13が充電不足でセルモータが回らず、発電
機11が運転を開始しないという状態にならないように
するためである。
【0021】これと同様の目的で、燃料タンク12に
は、燃料の残量を検出する燃料量検出センサ(図示せ
ず)が設置され、この燃料量検出センサは、燃料が所定
量以下になったときに燃料残量警告信号をATS20側
に出力する。
【0022】ATS20は、前記スイッチ21と、ユー
ザが各種操作指示を行うための各種スイッチを備えたス
イッチ群23と、入力された各種信号およびスイッチ群
23からの入力に基づいて発電機11を制御したり、非
常用電源システム全体の運転状況を表示器24に表示し
たりする自動運転制御回路22と、自動運転制御回路2
2が発電機11に出力する信号、すなわち発電機11を
始動/停止させるための始動/停止信号の出力タイミン
グを制御するための各種タイマ26〜28と、スイッチ
21に入力された2種類の電源のうちいずれの電源を選
択するかを指示するセレクト信号を出力するタイマ3
1,32とにより主として構成されている。
【0023】自動運転制御回路22には、前記オイル警
告信号および燃料残量警告信号が入力されるとともに、
発電機11を運転させるための信号を出力するOR回路
25の出力側、および定期点検(メンテナンス)を行う
ために所定日時に所定時間(たとえば15分間)発電機
11を運転させるための信号を出力するメンテナンスタ
イマ26の出力側が接続されている。
【0024】OR回路25の2つの入力端子には、それ
ぞれ上記ディレイタイマ27および28の出力側が接続
されている。ディレイタイマ27は、停電を検出した時
点から所定時間(たとえば20分間)遅延させた後に発
電機11を始動させるためのタイマであり、ディレイタ
イマ28は、停電検出中に前記ローバッテリ信号が出力
された時点から所定時間(たとえば15秒間)遅延させ
た後に発電機11を始動させるためのタイマである。
【0025】ディレイタイマ27の入力側には、停電を
検出する停電検出センサ29の出力側が接続され、この
停電検出センサ29の出力側は、AND回路30の一方
の入力側および停電から復電したときに商用電源の電圧
が安定した後に電源供給を商用電源に切り換えるための
復電監視タイマ31の入力側にも接続されている。
【0026】AND回路30の他方の入力側には、前記
バッテリ電圧センサ6の出力側が接続され、AND回路
30は、停電検出中にローバッテリ信号が入力される
と、ハイレベル信号をディレイタイマ28に出力する。
【0027】復電監視タイマ31の出力側は、自動運転
制御回路22の入力側に接続されるとともに、スイッチ
21のセレクト端子に接続されている。このセレクト端
子には、発電機11が運転を開始した時点から所定時間
(暖機運転のための時間)経過後に、発電機11が発電
した電力に切り換えるための暖機タイマ32の出力側も
接続されている。
【0028】前記商用電源は、前述したように、スイッ
チ21の一方の入力側に供給されるとともに、停電検出
センサ29の入力側および前記補充電管理回路33に整
流された電力を供給するための整流回路34の入力側に
も供給される。
【0029】また、前記インバータ4が出力した安定な
商用周波数の電源電圧は、メンテナンスタイマ26に供
給されるととともに、整流回路34にも供給される。こ
の整流回路34の出力側は、バッテリに流す補充電電流
を管理するための補充電管理回路33を介して、自動運
転制御回路22のシステム電源として作用するバッテリ
35の入力側および前記発動発電機10のバッテリ13
の入力側に接続されている。このように整流回路34に
は、停電時においても電力が供給されるので、補充電管
理回路33は、常に、バッテリ13に補充電電流を供給
するとともに、システム電源(バッテリ)35にも補充
電電流を供給し、停電時においてもシステム全体が正常
に動作するように保障されている。
【0030】以上のように構成された非常用電源システ
ムが実行する制御処理を、以下、図2および3を参照し
て説明する。
【0031】図2は、停電後復電に至るまでの各種信号
のタイミングを示すタイミングチャートであり、縦軸は
各信号に応じたディメンジョンの信号レベルを示し、横
軸は時刻を示している。
【0032】同図において、時刻t1で、商用電源から
の電力供給が停止する、すなわち停電になる((a))
と、停電検出センサ29は直ちに停電を検出して、ハイ
レベル信号をディレイタイマ27に出力する
((d))。ディレイタイマ27は、このハイレベル信
号の立ち上がりを検出して、所定時間(たとえば20分
間)に相当するカウント値を初期値としてレジスタ(図
示せず)にセットし、この初期値から、ハイレベル信号
が入力されている間ダウンカウントを続ける。そして、
ディレイタイマ27が“0”をカウントすると、すなわ
ち停電後20分経過(時刻t2)すると、ディレイタイ
マ27は、ハイレベル信号を自動運転制御回路22に出
力する((e))。
【0033】自動運転制御回路22は、このハイレベル
信号に応じて、発電機11に対して始動信号(ハイレベ
ル信号)を出力し((f))、これにより、前記セルモ
ータに前記バッテリ13から電源電圧が所定のタイミン
グで供給される。その電源供給は、具体的には、(g)
に示すように、所定時間(たとえば5秒間)電源電圧を
供給した後に所定時間(たとえば5秒間)その供給を停
止するという動作を1サイクルとして、所定サイクル
(たとえば5サイクル)繰り返すことにより行われる。
【0034】そして、たとえば2サイクル目(時刻t
3)で発電機11のエンジンが始動を開始すると、
(h)に示すように、エンジン回転数が所定回転数に到
達するまでの所定時間(たとえば3秒)経過後、発電機
11は、ハイレベル信号を暖機タイマ32に出力する
(時刻t4)。暖機タイマ32は、このハイレベル信号
の立ち上がりを検出すると、前記ディレイタイマ27と
同様に、所定時間(たとえば30秒間)ダウンカウント
する。この暖機タイマ32がカウントする所定時間は、
エンジン回転が安定するまで、すなわち安定した電力供
給が行えるまで、エンジンを暖機運転させる時間であ
る。暖機タイマ32が“0”をカウントすると、すなわ
ち暖機運転時間が経過すると、暖機タイマ32は、スイ
ッチ21に対して、発電機11により発電された電源電
圧を無停電電源装置1に供給するようなセレクト信号を
出力する(時刻t5)。これにより、(i)に示すよう
に、発電機11が発電した電力が無停電電源装置1に供
給される。
【0035】次に、時刻t6で復電すると、停電検出セ
ンサ29は直ちに復電を検出して、ロー(L)レベル信
号を復電監視タイマ31に出力する((d))。復電監
視タイマ31は、このローレベル信号の立ち下がりを検
出し、前記ディレイタイマ27と同様に、所定時間(た
とえば30秒間)ダウンカウントする。このダウンカウ
ント中に、停電検出センサ29が、復電直後によく発生
する瞬停等の停電状態を検出すると、復電監視タイマ3
1はカウントを停止する。そして、再び停電検出センサ
29が復電を検出すると、復電監視タイマ31は、停電
検出センサ29からのローレベル信号の立ち下がりを検
出して、カウント値をリセットした後にダウンカウント
を開始する。この後、復電監視タイマ31が“0”をカ
ウントする(時刻t7)と、すなわち復電監視期間が経
過すると、復電監視タイマ31は、スイッチ21に対し
て、商用電源からの電源電圧を無停電電源装置1に供給
するようなセレクト信号を出力するとともに、自動運転
制御回路22に対して、ローレベル信号を出力する。こ
のローレベル信号に応じて、自動運転制御回路22は、
発電機11に運転停止信号(ローレベル信号)を出力し
((f))、これにより、エンジンは、所定時間(たと
えば4〜8秒間)経過後(時刻t8)、完全に停止する
((i))。
【0036】図3は、停電検出中にローバッテリ信号が
出力された場合の停電後復電に至るまでの各種信号のタ
イミングを示すタイミングチャートである。
【0037】同図において、時刻t1で停電になり、前
述したように、ディレイタイマ27が所定時間カウント
を行っている間に、(e′)のように、バッテリ電圧セ
ンサ6からローバッテリ信号(ハイレベル信号)が出力
される(時刻t11)と、AND回路30の両入力側に
はハイレベル信号が供給されるため、AND回路30
は、ハイレベル信号をディレイタイマ28に出力する。
【0038】ディレイタイマ28は、このハイレベル信
号の立ち上がりを検出して、前記ディレイタイマ27と
同様に、所定時間(たとえば15秒間)ダウンカウント
する。このディレイタイマ28がカウントする所定時間
とは、発電機11のディーゼルエンジンが運転を停止し
た直後のエンジンの慣性回転中にエンジンを再始動させ
る、すなわちセルモータを回転させると、セルモータの
回転とエンジンの回転とが噛み合わずに、ギヤを破損す
る等の故障原因をなるため、エンジン回転が完全に停止
するまでエンジンの始動を待機する必要があり、この待
機時間のことである。このようなエンジンの慣性回転中
にエンジンを再始動させようとする状態は、たとえば以
下のような場合に発生する。
【0039】すなわち、本実施の形態では、前述したよ
うに、メンテナンスタイマ26を設け、設定した日時に
なるとメンテナンスタイマ26は、自動運転制御回路2
2に対してハイレベル信号を出力し、自動運転制御回路
22は、発電機11に前記始動信号を出力する。これに
より、発電機11のディーゼルエンジンは始動を開始す
る。このメンテナンス運転中に、停電検出センサ29が
停電を検出すると、自動運転制御回路22は発電機11
に停止信号を出力し、無停電電源装置1のインバータ4
に入力される電源電圧は、スイッチ21を介して供給さ
れる電源電圧からバッテリ5により供給される電源電圧
に切り換えられる。このとき、バッテリ5が何らかの事
情により、所定電圧以下になっていた場合には、バッテ
リ電圧センサ6からローバッテリ信号が出力される。こ
のローバッテリ信号により、自動運転制御回路22が直
ちに発電機11に始動信号を出力すると、上述のような
状態が発生する。
【0040】またさらに上述のような状態は、停電復帰
直後のエンジン発電機の慣性回転中でもあらわれる場合
があり得るが、定期的なメンテナンス運転時に比べると
頻度はきわめて小さい。
【0041】前記ディレイタイマ28が“0”をカウン
トすると、すなわちこの所定時間(待機時間)が経過
し、ディーゼルエンジンの回転が完全に停止すると、デ
ィレイタイマ28は、OR回路25にハイレベル信号を
出力し、これによりOR回路25はハイレベル信号を自
動運転制御回路22に出力する。なお、この待機時間
は、上述のように、ディレイタイマ27がカウントする
所定時間(20分間)と比較して非常に短いので、ディ
レイタイマ27のカウント中にローバッテリ信号が出力
されたときには、通常、ディレイタイマ27よりも先に
ディレイタイマ28がカウントを終了し(時刻t1
2)、自動運転制御回路22に対して始動信号の出力を
指示することになる。
【0042】時刻t12以降の制御処理は、前記図2を
用いて説明した処理と同様であるので、その説明を省略
する。
【0043】以上説明したように、本実施の形態では、
停電検出センサ29が停電を検出している状態で、バッ
テリ5の電圧が所定値以下となり、バッテリ電圧センサ
6からローバッテリ信号が出力されると、ディレイタイ
マ28により所定時間(15秒間)遅延した後に、自動
運転制御回路22に対して、発電機11への始動信号出
力を要求する信号が出力されるので、メンテナンスタイ
マ26によるメンテナンス運転中に停電となり、その直
後にローバッテリ信号が出力された場合でも、発電機1
1のディーゼルエンジンの回転が完全に停止した後にセ
ルモータが回転を開始し、これにより、セルモータの回
転とエンジンの回転とが噛み合わずにギヤを破損する等
の故障を回避することができ、動作すべき非常時に確実
に発電機11を始動させることができる。
【0044】また、停電時にローバッテリ信号が出力し
たときには、所定時間(20分間)経過前でも発電機1
1のエンジンを運転し、発電機11から負荷に電力を供
給するようにしたので、この所定時間の設定に際して余
裕度を必要以上に大きく採らなくてもよく、バッテリ容
量を最適値に近い値に設定して、余分なコストを削減す
ることができる。さらに、このように構成したので、バ
ッテリ5が弱っている場合や、停電間隔が短いためにバ
ッテリ5が十分充電されていない場合にも、確実に停電
補償を行うことができる。
【0045】また、メンテナンスタイマ26をインバー
タ4の出力によって駆動するようにして、停電時におい
てもメンテナンスタイマ26に設定したメンテナンス運
転日時がリセットされないようにしたので、メンテナン
ス運転日時が変更されず、発電機11のディーゼルエン
ジンの運転音が予定日時以外に発生されることによる周
囲のユーザへの迷惑を防止することができる。
【0046】
【発明の効果】以上説明したように、本発明に依れば、
エンジン駆動発電機の動作は定期的なメンテナンス運転
で確認できる。そして商用電源の停電を検出したときに
はバッテリの直流電力がインバータに供給されるととも
に、この停電を検出している状態で、前記バッテリの電
圧が所定値以下に低下したことを検出したときには、所
定開始遅延時間経過後に前記エンジン駆動式発電機の運
転が開始されるので、エンジン駆動式発電機の停止動作
の直後であっても確実に始動することができ、前記停電
の復帰を検出したときには、前記インバータに供給する
電力が前記エンジン駆動式発電機から前記商用電源に切
り換えられ、このエンジン駆動式発電機が停止するの
で、動作すべき非常時には確実にエンジン駆動式発電機
を始動することが可能となる効果を奏する。
【0047】また、好ましくは、所定バッテリ出力時間
経過前に前記バッテリの電圧が所定値以下に低下したと
きには、前記所定開始遅延時間経過後に前記エンジン駆
動式発電機の運転が開始し、前記停電の復帰を検出した
ときから所定停止遅延時間経過後に前記エンジン駆動式
発電機の運転が停止するので、この所定停止遅延時間の
設定に際して余裕度を必要以上に大きく採らなくてもよ
く、バッテリ容量を最適値に近い値に設定して、余分な
コストを削減することができる。さらに、バッテリが弱
っている場合や、停電間隔が短いためにバッテリが十分
充電されていない場合にも、確実に停電補償を行うこと
ができる。
【0048】さらに、好ましくは、前記メンテナンスタ
イマ装置は前記無停電電源装置の出力によって駆動され
るので、点検運転日時が変更されず、エンジン駆動式発
電機の運転音が運転予定日時以外に発生されることよる
周囲のユーザへの迷惑を防止することができる。
【図面の簡単な説明】
【図1】本発明の実施の一形態に係る非常用電源システ
ムの概略構成を示すブロック図である。
【図2】停電後復電に至るまでの各種信号のタイミング
を示すタイミングチャートである。
【図3】停電検出中にローバッテリ信号が出力された場
合の停電後復電に至るまでの各種信号のタイミングを示
すタイミングチャートである。
【符号の説明】
1 無停電電源装置 4 インバータ 5 バッテリ 11 発電機(エンジン駆動式発電機) 22 自動運転制御回路(制御手段) 26 メンテナンスタイマ(メンテナンスタイマ装置) 27 ディレイタイマ(バックアップタイマ装置) 28 ディレイタイマ(遅延タイマ装置) 29 停電検出センサ(制御手段) 31 復電監視タイマ(制御手段)

Claims (3)

    (57)【特許請求の範囲】
  1. 【請求項1】 商用電源と負荷との間に挿入されるイン
    バータを有し、前記商用電源からの入力電圧が停止され
    ると、内蔵バッテリの直流電力を前記インバータにより
    商用周波数の交流電力に変換して前記負荷へ供給する無
    停電電源装置と、前記インバータの電源として、運転開
    始後に前記商用電源と切り換えて使用されるエンジン駆
    動式発電機とを備えた非常用電源システムにおいて、 前記エンジン駆動式発電機を定期的に点検運転するため
    のメンテナンスタイマ装置と、 前記商用電源の停電を検出したときには前記バッテリの
    直流電力を前記インバータに供給するとともに、この停
    電を検出している状態で、前記バッテリの電圧が所定値
    以下に低下したことを検出したときには、所定開始遅延
    時間経過後に前記エンジン駆動式発電機の運転を開始さ
    せるための遅延タイマ装置と、 前記停電の復帰を検出したときには、前記インバータに
    供給する電力を前記エンジン駆動式発電機から前記商用
    電源に切り換え、このエンジン駆動式発電機を停止させ
    るように制御する制御手段とを有することを特徴とする
    非常用電源システム。
  2. 【請求項2】 前記商用電源の停電を検出したときに
    は、所定バッテリ出力時間、前記バッテリの直流電力を
    前記インバータに供給した後に、前記エンジン駆動式発
    電機の運転を開始させるためのバックアップタイマ装置
    を有し、 前記遅延タイマ装置は、前記所定バッテリ出力時間経過
    前に前記バッテリの電圧が所定値以下に低下したときに
    は、前記所定開始遅延時間経過後に前記エンジン駆動式
    発電機の運転を開始させ、 前記制御手段は、前記停電の復帰を検出したときから所
    定停止遅延時間経過後に前記エンジン駆動式発電機の運
    転を停止させることを特徴とする請求項1記載の非常用
    電源システム。
  3. 【請求項3】 前記メンテナンスタイマ装置を前記無停
    電電源装置の出力によって駆動することを特徴とする請
    求項1または2のいずれかに記載の非常用電源システ
    ム。
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