JP3473514B2 - 薄膜トランジスタアレイの製造方法、トランジスタの製造方法及び薄膜トランジスタの製造方法 - Google Patents

薄膜トランジスタアレイの製造方法、トランジスタの製造方法及び薄膜トランジスタの製造方法

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JP3473514B2
JP3473514B2 JP21376499A JP21376499A JP3473514B2 JP 3473514 B2 JP3473514 B2 JP 3473514B2 JP 21376499 A JP21376499 A JP 21376499A JP 21376499 A JP21376499 A JP 21376499A JP 3473514 B2 JP3473514 B2 JP 3473514B2
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Description

【発明の詳細な説明】
【0001】
【発明の属する技術分野】本発明は、トランジスタアレ
イ形成に適したトランジスタ及びその製造方法に関し、
特には、アクティブマトリックス型液晶ディスプレイに
使用される薄膜トランジスタ及びその製造方法に関す
る。
【0002】
【従来技術】近年、液晶フラットパネルディスプレイの
各画素の駆動用デバイスとして用いられる薄膜トランジ
スタの研究開発が盛んに行われている。ノート型パソコ
ンの普及に伴い液晶ディスプレイの需要が急増し、更に
大型モニター用ディスプレイとしての需要も相まって、
その生産性の向上・高性能化等が要求されている。液晶
ディスプレイ製造の生産性を律速しているのは薄膜トラ
ンジスタアレイ基板製造工程であり、また液晶ディスプ
レイの性能(精細度等)を決定する重要な要素の一つが
薄膜トランジスタアレイの素子性能である。従って、高
性能薄膜トランジスタアレイをいかに生産性良く製造す
るかが今後重要になってくる。
【0003】画素の駆動用トランジスタとして現在一般
的に用いられている構造は、逆スタガード型構造であ
り、そのなかでもチャネルエッチ型構造は比較的簡単な
プロセスで形成できるため、最もよく用いられている構
造である。
【0004】図16(A)〜図17(F)に、従来のチ
ャネルエッチ型構造を用いた薄膜トランジスタアレイの
製造方法を示す。
【0005】まず初めに、図16(A)に示すように、
透明絶縁性基板1上にゲート配線用金属を成膜し、所望
の形状にパターニングする(第1フォトリソグラフィー
工程)ことによりゲート配線2を形成する。
【0006】その後、図16(B)に示すように、この
上にゲート絶縁膜である窒化シリコン膜3、非晶質シリ
コン膜4、n型化した非晶質シリコン膜5をプラズマC
VD法等で順次成膜する。
【0007】更に図16(C)に示すように、n型化し
た非晶質シリコン膜5及び非晶質シリコン膜4を薄膜ト
ランジスタを構成する部分のみにアイランド形状にパタ
ーニングする(第2フォトリソグラフィー工程)。
【0008】更にドレイン配線・ソース電極用金属を成
膜し、図16(D)に示すように、所望の形状にパター
ニングする(第3フォトリソグラフィー工程)ことによ
りドレイン配線7及びソース電極18を形成し、続い
て、薄膜トランジスタのチャネル上のn型化した非晶質
シリコン膜をエッチング除去する。
【0009】その後、図17(E)に示すように、保護
絶縁膜である窒化シリコン膜11を成膜し、ドレイン配
線端部の端子部及びソース電極部及びゲート配線端部の
端子部にコンタクトホールを所望の形状に形成する(第
4フォトリソグラフィー工程)。
【0010】最後に、図17(F)に示すように、透明
導電膜であるITO膜を成膜し、所望の形状に画素電極
10、ゲート配線端子12、ドレイン配線端子13をパ
ターニングする(第5フォトリソグラフィー工程)こと
により薄膜トランジスタアレイが完成する。
【0011】しかしながら、このような従来の方法で
は、上述のように薄膜トランジスタアレイを完成させる
ために5回のフォトリソグラフィー(PR)工程が必要
となる。1回のフォトリソグラフィー(PR)工程は、
レジスト塗布・ベーキング・露光・現像・レジスト剥離
等の多数のプロセスから成り、薄膜トランジスタアレイ
基板作成の時間がかかる結果その製造コストも高くなる
大きな原因となっている。
【0012】又、特開平10−268353号公報、及
び特許第27806881号公報には、PR工程を短縮
する方法に付いて開示されているが、本発明の様に一つ
のPR工程中で、異なるエッチング処理を行う技術に関
しては開示がない。
【0013】
【発明が解決しようとする課題】従って、本発明の目的
は、上記した従来技術の欠点を改良し、従来必要とされ
ていたフォトリソグラフィー工程の回数を大幅に低減さ
せる事によって、トランジスタの製造期間を短縮すると
共に、当該トランジスタの製造コストも大幅に低減させ
る技術を提供するものであり、より具体例な目標として
は、従来必要とされていた5回のフォトリソグラフィー
工程に対して、3回のフォトリソグラフィー工程を実行
する事によって、必要なトランジスタ、例えば液晶ディ
スプレイ等で使用される薄膜トランジスタを製造し、そ
の薄膜トランジスタアレイを完成させる事によって薄膜
トランジスタの製造コストを低減させる事が可能な薄膜
トランジスタの構成及び当該薄膜トランジスタの製造方
法を提供するものである。
【0014】
【課題を解決するための手段】本発明は上記した目的を
達成する為、以下に示す様な基本的な技術構成を採用す
るものである。即ち、本発明は、基板表面に形成された
ゲート配線上にゲート絶縁膜を介して配置されているチ
ャネル部と当該チャネル部に接続されているドレイン電
極及びソース電極とから構成されているトランジスタを
製造するに際し、当該基板上に所定のパターンで当該ゲ
ート配線を形成した後、当該ゲート配線上にゲート絶縁
膜を介して所定のアイランド形状のチャネル部を形成
し、次いで当該ゲート絶縁膜と当該アイランド形状チャ
ネル部上に、電極膜層を形成した後、当該電極膜をパタ
ーニングするに際して、当該電極膜層の第1の部位に形
成されるレジストの厚みと当該電極膜層の第2の部位に
形成されるレジストの厚みを異ならせ、次いでレジスト
の形成されていない電極膜を除去した後に、少なくとも
当該厚みが薄いレジストが完全に除去される第1の条件
でエッチング処理を実行した後、当該厚みの厚いレジス
トが完全に除去される第2の条件でエッチング処理を実
行する事によって、当該第1の部位と当該第2の部位に
所定のパターンを有する電極を形成する様に構成された
トランジスタの製造方法である。
【0015】
【発明の実施の形態】本発明に係るトランジスタ及びト
ランジスタの製造方法は、上記した構成を採用している
ので、半導体装置であるトランジスタの製造工程に於い
て最も時間のかかるPR工程を、レジスト膜の厚みを部
分的に変更し、1PR工程内で、異なる条件のエッチン
グ処理操作を実行しえる様に構成しする事によってその
必要回数を大幅に低減させる様にしたものである。
【0016】従って、例えば、薄膜トランジスタを形成
し、そのアレイを構成する場合には、ゲート配線とその
端子部、ドレイン配線とその端子部、ゲート配線とドレ
イン配線とが交差する各部分に形成された薄膜トランジ
スタ、薄膜トランジスタのソース電極に接続された画素
電極とから構成される薄膜トランジスタアレイの製造に
おいて、従来必要とされていた5回のフォトリソグラフ
ィー工程に対して、3回のフォトリソグラフィー工程で
薄膜トランジスタアレイを作成することが可能となる。
【0017】より具体的には、本発明に係る当該薄膜ト
ランジスタの製造方法に於いては、後述する様に、ゲー
ト配線をパターニングするために1回、非晶質シリコン
膜及びn型化した非晶質シリコン膜を、薄膜トランジス
タを構成する部分に所望の形状にパターニングするため
に1回、レジストの厚さを制御してドレイン配線と画素
電極を同時にパターニングするために1回、の合計3回
のフォトリソグラフィー工程で薄膜トランジスタアレイ
を完成させることができる点に特徴がある。
【0018】
【実施例】以下に、本発明に係るトランジスタ及びトラ
ンジスタの製造方法の一具体例の構成を図面を参照しな
がら詳細に説明する。
【0019】上記した様に、本発明に係るトランジスタ
は、その用途、構成には特に限定されるものではなく、
あらゆるトランジスタに適用が可能であるが、以下の具
体例に於いては、特に液晶ディスプレイに使用される薄
膜トランジスタを製造する場合を例に取って説明する事
にする。
【0020】即ち、図2(G)は、本発明に係るトラン
ジスタの一具体例である薄膜トランジスタの構成を示す
断面図であり、図中、透明絶縁基板1表面に形成された
ゲート配線2上にゲート絶縁膜3を介して配置されてい
るチャネル部20と当該チャネル部20のコンタクト部
21に接続されているドレイン電極13及び画素電極1
0とから構成されているトランジスタ30であって、当
該画素電極10は透明導電膜6で構成されると共に当該
ドレイン電極13は、当該透明導電膜6と金属膜7の積
層体22で構成されており、且つその端子部13’を有
している薄膜トランジスタ30が示されている。
【0021】又、本発明に係る当該薄膜トランジスタ3
0に於いては、当該ドレイン電極13の当該チャネル部
20上に形成された端部40に於て、当該透明導電膜6
の端部側壁41には、当該金属膜7の成分が膜状に若し
くは点状に付着していない事が特徴であり、係る構成に
よって、当該薄膜トランジスタがより微細化された場合
でも、対向する導電性膜、導電性部材との接触による短
絡が発生する事がないので、微細化に適した構成であ
る。
【0022】更に、本発明に於ける当該薄膜トランジス
タ30に於ける当該チャネル部20の上部には、当該n
型化した非晶質シリコン膜5が改質された絶縁膜が存在
している事も望ましい。
【0023】又、本発明に係る当該薄膜トランジスタ3
0の製造方法としては、基本的には上記したとおり、基
板表面に形成されたゲート配線上にゲート絶縁膜を介し
て配置されているチャネル部と当該チャネル部に接続さ
れているドレイン電極及びソース電極とから構成されて
いるトランジスタを製造するに際し、当該基板上に所定
のパターンで当該ゲート配線を形成した後、当該ゲート
配線上にゲート絶縁膜を介して所定のアイランド形状の
チャネル部を形成し、次いで当該ゲート絶縁膜と当該ア
イランド形状チャネル部上に、電極膜層を形成した後、
当該電極膜をパターニングするに際して、当該電極膜層
の第1の部位に形成されるレジストの厚みと当該電極膜
層の第2の部位に形成されるレジストの厚みを異なら
せ、次いでレジストの形成されていない電極膜を除去し
た後に、少なくとも当該厚みが薄いレジストが完全に除
去される第1の条件でエッチング処理を実行した後、当
該厚みの厚いレジストが完全に除去される第2の条件で
エッチング処理を実行する事によって、当該第1の部位
と当該第2の部位に所定のパターンを有する電極を形成
する様に構成されたトランジスタの製造方法である。
【0024】本発明に係る当該トランジスタの製造方法
に於いては、当該第1の部位に形成される当該電極の厚
みと当該第2の部位に形成される当該電極の厚みとは互
いに異なっているものである。
【0025】又、本発明に係る当該トランジスタの製造
方法に於いては、当該第1の部位は、ドレイン電極が形
成される領域であり、当該第2の部位は、ソース電極が
形成される領域である事が望ましい。
【0026】更に、本発明に於いては、当該トランジス
タが液晶ディスプレイに使用される薄膜トランジスタで
ある場合には、特に当該ドレイン電極若しくは当該ソー
ス電極の少なくとも一方は画素電極10に接続されてい
る事が望ましい。
【0027】即ち、本発明に於ける当該トランジスタの
製造方法に於いて、当該厚みの異なる少なくとも2種の
レジスト膜を形成する工程は、一のレジスト塗布工程に
よって形成された一つのレジスト膜に対して実行するも
のである事が望ましい。
【0028】本発明に於けるトランジスタの製造方法に
於いて、当該レジストの膜厚を変化させる工程として
は、基本的には、当該第1の部位に形成される当該レジ
ストと当該第2の部位に形成される当該レジストに印加
される光エネルギーの総量を異ならせる事により実行さ
れるものである。
【0029】より具体的には、当該レジストの膜厚を変
化させる工程は、当該第1の部位に形成される当該レジ
ストと当該第2の部位に形成される当該レジストに照射
される光の強度を異ならせる事により実行されるもので
あってもよく、又、当該第1の部位に形成される当該レ
ジストと当該第2の部位に形成される当該レジストに照
射される光の照射時間を異ならせる事により実行される
ものであっても良い。
【0030】一方、本発明に於いては、当該レジストの
膜厚を変化させる工程として、当該レジスト膜に対して
所定の光を照射するに際して、当該第1若しくは第2の
部位の何れかに形成されたレジスト膜に対して、照射さ
れた光の少なくとも一部の透過を減少せしめる機能を有
するマスクを使用する事が望ましい。
【0031】本発明に於ける当該マクスは、例えば、メ
ッシュ状膜、格子状膜、薄い金属箔膜、半透明膜等から
選択された一つの膜が使用される事が望ましい。
【0032】本発明に於けるレジストの膜厚を変化させ
る方法の基本的な原理を図5(A)から6(B)を参照
して説明する。
【0033】即ち、図5(A)には、本発明に於けるマ
スクパターンの一具体例に於ける平面図が記載されてお
り、例えばドレイン電極13を形成する部分には、遮光
部分51が形成され、又、当該ドレイン電極13に対向
して設けられるソース電極部10’とそれに接続されて
いる画素電極部10が形成される領域に別の遮光部分5
2が形成されている。
【0034】又、その他の部分は、光を完全に透過させ
る透明部分53で構成されている。
【0035】さらに、図5(B)にも、本発明に於ける
マスクパターンの一具体例に於ける平面図が記載されて
おり、ドレイン電極13を形成する部分のみに形成され
た遮光部分51を持ち、その他の部分は、光を完全に透
過させる透明部分53で構成されている。
【0036】従って、本発明に於いては、先ず図5
(A)に示される様なパターンを有するマスクを使用
し、通常の光強度を持つ光を当該半導体装置に照射し、
当該遮光部分51と52に覆われている当該レジストに
は変化を与えず、当該光を完全に透過させる透明部分5
3に覆われている当該レジストを変化させ、所定のレジ
スト剥離処理工程で、容易に当該レジストが剥離しえる
様に構成するものである次に、当該半導体装置に図5
(B)に示されるパターンを有するマスクを被せ、前記
した工程に於て使用された光の光量よりも少ない光量を
有する光で、当該半導体装置を露光処理する事によっ
て、当該遮光部分51に覆われている当該レジストには
変化を与えず、上記した前に当該遮光部分52に覆われ
ていた部分を構成するレジストに弱い光を照射する事に
よって、当該画素電極を構成する膜状態の上に形成され
る当該レジストの膜厚を、当該遮光部分51に覆われて
いる部分に残存する当該レジストに比べて薄い膜厚とな
る様に形成するものである。
【0037】つまり、本発明に於ける当該レジストの膜
厚を変化させる操作を1PR工程で形成する為に、当該
レジストに照射される光の光量を変化させる事によって
実現する事が原理である。
【0038】従って、本発明に於いては、先ず図5
(A)に示される様なパターンを有するマスクを使用
し、通常の光強度を持つ光を当該半導体装置に照射し、
当該遮光部分51と光を完全に透過させる透明部分53
とで構成され、例えば、ドレイン電極を金属配線で構成
し、ソース電極部10’と当該画素電極部10とを透明
導電膜で形成する場合には、図5(A)のマスクを最初
に使用し、次いで、光の光量を変化させた後、図5
(B)のマスクを使用するものである。
【0039】係る本発明の基本原理を実現する具体的な
マスク形状に関しては、一つのPR工程で、一回の露光
操作で、上記した本発明に於ける技術思想を実現させる
為のマスクとしては、図6(A)に示す様に、図5
(A)に於ける遮光部52を完全に光の透過を遮断する
ものではなく、一定の光の量を透過させる半透過部54
としたものである。
【0040】当該半透過部54の構成は、例えば図6
(B)に示す様にメッシュ状部分55にしても良く、又
前記した様に、スリットで構成された格子状部としても
良く、又、所定の厚みに形成された金属箔を透明なマス
クの所定の部位に貼着して使用しても良い。
【0041】尚、当該半透過部54としてスリット状格
子部を使用する場合には、当該スリットの間隔が、使用
する光の波長以下となる様に設定する事が望ましい。
【0042】本発明に於いて、当該レジストの膜厚を変
化させる工程にマスクを使用する場合には、当該レジス
トに対する光の露光は、一括露光方式が主として採用さ
れるが、当該マスクを使用しない場合には、例えば、E
B露光方式を採用し、当該レジストの膜厚を厚くする部
位を走査露光処理する場合に於いては、その照射光量を
大きくし、又当該レジストの膜厚を薄くする部位を走査
露光処理する場合に於いては、その照射光量を小さくす
る様に制御操作を実行すれば良い。
【0043】係る構成を採用する事によって、当該第1
と第2の部位にそれぞれ配置形成されたレジスト膜の
内、選択された一方の部位のレジスト膜のみを最初に除
去させる事が出来、その後に残りの部位に於ける当該レ
ジスト膜を除去する様に処理する事が可能である。
【0044】然も、本発明に於いては、上記したレジス
ト特性が互いに異なるレジスト膜を当該第1と第2の部
位に個別に形成する工程を同一の工程、つまり1回のリ
ソグラフィー操作で実現する事が望ましい。
【0045】本発明に於いては、上記の条件でレジスト
を処理する事によって、当該第1の部位と第2の部位に
於けるレジスト膜のエッチングレートを異ならせる事が
出来る。
【0046】本発明に係る上記の薄膜トランジスタの製
造方法のより具体例な構成は、以下の各工程で構成され
るものである。
【0047】即ち、透明絶縁基板表面に形成されたゲー
ト配線上にゲート絶縁膜を介して配置されているチャネ
ル部と当該チャネル部のコンタクト部に接続されている
ドレイン電極及び画素電極とから構成されている薄膜ト
ランジスタを製造するに際し、当該透明絶縁基板上に所
定のパターンで当該ゲート配線を形成した後、当該ゲー
ト配線上にゲート絶縁膜を介して所定のアイランド形状
のチャネル部を形成し、次いで当該ゲート絶縁膜と当該
アイランド形状チャネル部上に、透明導電膜と金属膜と
を積層して複合積層膜を形成した後、当該複合積層膜上
に所定のパターンを持ったレジスト膜を形成するに際
し、同一のリソグラフィー工程で当該レジスト膜の予め
定められた第1の部位と第2の部位に於ける当該レジス
ト膜の厚みが互いに異なる様に構成し、次いで、レジス
トの形成されていない電極膜を除去した後に、一方の部
位の当該レジスト膜を選択的に除去すると共に、当該一
方の部位に配置されている当該金属膜を除去する様に構
成されているものである。
【0048】即ち、本発明に係る薄膜トランジスタの製
造方法をより詳細に説明するならば、透明絶縁性基板上
にゲート配線を形成する第1の工程、当該透明絶縁性基
板全面にゲート絶縁膜、非晶質シリコン膜、n型化した
非晶質シリコン膜を順次成膜する第2の工程、非晶質シ
リコン膜及びn型化した非晶質シリコン膜を、薄膜トラ
ンジスタのチャネル部を構成する為の所望のアイランド
形状にパターニングする第3の工程、当該ゲート絶縁膜
及び当該アイランド形状チャネル部表面上に画素電極用
透明導電薄膜及びドレイン配線用金属薄膜を順次成膜し
て複合膜を形成する第4の工程、当該複合積層膜上に所
定のパターンを持ったレジスト膜を形成するに際し、同
一のリソグラフィー工程で当該レジスト膜の予め定めら
れた第1の部位と第2の部位に於ける当該レジスト膜厚
みが互いに異なる状態となる様に形成する第5の工程、
レジストの形成されていない前記配線用金属膜及び透明
導電薄膜を除去する第6の工程、少なくとも一方の部位
に於ける当該レジストのみを除去する第7の工程、当該
一方の部位に配置されている当該金属薄膜を除去する第
8の工程、他方の部位に残存している当該レジストを除
去する第9の工程、当該画素電極用透明導電薄膜及びド
レイン配線用金属薄膜上に保護絶縁膜を形成する第10
の工程、とから構成されている薄膜トランジスタの製造
方法である。
【0049】上記した本発明に於ける当該第4の工程に
於いて、当該レジスト膜の厚みを異ならせる場合の一具
体例としては、例えば、当該第1の部位に形成される当
該レジストの厚みは0.6μm以上に設定され、当該第
2の部位に形成される当該レジストの厚みは0.5μm
以下に設定されるものである事が好ましい。
【0050】又、本発明に於ける薄膜トランジスタの製
造方法の他の具体例に於いては、上記した各工程に加え
て、当該第5の工程以降、当該保護膜が形成される以前
の何れかの時点に於て、当該チャネル部の少なくとも一
部の表面上に形成された当該透明導電膜及び当該金属膜
を除去する11の工程が実行されるものである事も望ま
しい。
【0051】又、当該第11の工程が実行された以降、
当該保護膜が形成される以前の何れかの時点に於て、当
該チャネル部の少なくとも一部の表面上に形成された当
該n型化した非晶質シリコン膜を除去する工程が実行さ
れるものである事も望ましい。
【0052】更に、当該第11の工程が実行された以
降、当該保護膜が形成される以前の何れかの時点に於
て、当該チャネル部の少なくとも一部の表面上に形成さ
れた当該n型化した非晶質シリコン膜を絶縁膜に改質す
る工程が実行されるものである事も好ましい。
【0053】一方、本発明に於ける当該第7の工程にお
いては、例えば、酸素プラズマを使用するものである事
も望ましい。
【0054】以下に上記した本発明に係る第1の具体例
の詳細を図1乃至図4を参照しながら説明する。
【0055】以下に、本発明に係る薄膜トランジスタの
製造方法の更に詳細な具体例を図面を参照しながら説明
する。
【0056】即ち、図1〜図3を参照して、本発明の第
一の実施形態について説明する。まず図1(A)に示す
ように、透明絶縁性基板1上に成膜したゲート配線用金
属膜を、1回目のフォトリソグラフィー工程で所望の形
状にパターニングしてゲート配線2を形成する。
【0057】その後、図1(B)に示すように、ゲート
配線端部の端子部をマスクで覆いながら、端子部以外の
基板全面にプラズマCVD法等を用いてゲート絶縁膜で
ある窒化シリコン膜3、非晶質シリコン膜4、n型化し
た非晶質シリコン膜5を順次成膜する。
【0058】続いて、2回目のフォトリソグラフィー工
程で、図1(C)に示すように、非晶質シリコン膜4及
びn型化した非晶質シリコン膜5を所望のアイランド形
状にパターニングする。続いて、図1(D)に示すよう
に、画素電極用透明導電膜6、ドレイン配線用金属膜7
を順次成膜し、更に3回目のフォトリソグラフィー工程
で、ドレイン配線及びゲート配線端部の端子部上に0.
6μm以上の厚さのレジスト8を、画素電極部上に0.
5μm以下のレジスト9を形成する。
【0059】このようにレジスト膜厚を1枚の基板内で
変化させる手段としては、以下のような方法が可能であ
る。
【0060】第一の方法としては、図6(A)に示すよ
うな一部に半透過膜を用いた露光用マスクを用いる方法
である。
【0061】露光時において、露光用マスクの透明部分
53ではほとんどの光が透過し現像後にはレジストは残
らない。遮光部分51では光は透過しないので、塗布さ
れたレジストは現像後にはそのままの厚さで残る。半透
過膜部分54では弱い光が透過するため、現像後には弱
い光が照射された部分のみ選択的に薄いレジストを形成
することができる。
【0062】第二の方法としては、図6(B)に示すよ
うな一部にメッシュ状パターンを用いた露光用マスクを
用いる方法である。図6(A)の場合と同様、露光時に
おいて、露光用マスクのメッシュ状部分55では光の透
過量が低下するので、現像後にはこの部分のみ選択的に
薄いレジストを形成することができる。
【0063】図1(D)の工程で得られたトランジスタ
の構造の平面図を図4(A)に示す。
【0064】つまり、ソース電極10’と画素電極10
との上面部に、薄い厚みを有するレジスト9が形成さ
れ、ドレイン電極13の上面部に厚い厚みを有するレジ
スト8が形成された状態が示されている。
【0065】このようなレジストをマスクとして、図2
(E)に示すように、レジストが全く存在しない部分の
画素電極用透明導電膜とドレイン配線用金属膜の積層膜
をエッチング除去する(プロセス1)。
【0066】引き続き、図2(F)に示すように、基板
を酸素プラズマに曝すことにより、画素電極部10上に
形成された0.5μm以下の薄いレジスト9のみを除去
する(プロセス2)。
【0067】図2(F)の工程で得られたトランジスタ
の構造の平面図を図4(B)に示す。
【0068】そして、図2(G)に示す様に、残された
レジスト8をマスクとして、画素電極部10上のドレイ
ン配線用金属膜5をエッチング除去し、画素電極10を
形成する(プロセス3)。
【0069】図2(G)の工程で得られたトランジスタ
の構造の平面図を図4(C)に示す。
【0070】ここで、上記プロセス1、2、3のいずれ
かの後でチャネル上のn型化した非晶質シリコン膜をエ
ッチングにより除去するか、あるいはプラズマ処理で絶
縁膜に改質する必要がある。ここでは、プロセス1の後
にチャネル上のn型化した非晶質シリコン膜をエッチン
グ除去した場合を示した。
【0071】そして、図3(H)に示す様に、残された
レジスト8を除去して、ドレイン電極13を形成するド
レイン配線用金属膜5を露出させる。
【0072】図3(H)の工程で得られたトランジスタ
の構造の平面図を図4(D)に示す。
【0073】最後に、図3(I)に示すように、ドレイ
ン配線端部の端子部13をマスクで覆いながら、当該端
子部12以外の基板全面にプラズマCVD法等を用いて
保護絶縁膜である窒化シリコン膜11を成膜することに
より、合計3回のフォトリソグラフィー工程で薄膜トラ
ンジスタアレイが完成する。
【0074】以下、上記具体例に係る詳細な実施例を以
下に示すが、本発明はこれらの実施例のみに限定される
ものではない事は言うまでも無い。
【0075】まず、図1(A)に示すように、透明絶縁
性基板であるガラス基板1上にゲート電極用金属として
クロミウムをスパッタ法により100nm成膜し、1回
目のフォトリソグラフィー工程を行い、ウェットエッチ
ング法により所望のゲート配線2形状にパターニングす
る。
【0076】その後、プラズマCVD法を用いて、基板
温度300℃で、シラン、アンモニア及び窒素の混合ガ
スを原料としてゲート絶縁膜である窒化シリコン膜3を
400nm、シラン及び水素の混合ガスを原料として活
性層である非晶質シリコン膜4を200nm、シラン、
ホスフィン及び水素の混合ガスを原料としてn型化した
非晶質シリコン膜5を30nm成膜した。
【0077】この時、図1(B)に示すように、ゲート
配線端部の端子部にはこれらの膜が堆積しないように、
端子部をマスクで覆いながら成膜を行った。続いて、図
1(C)に示すように、2回目のフォトグラフィー工程
を行い、非晶質シリコン膜及びn型化した非晶質シリコ
ン膜を所望のアイランド形状にパターニングした。
【0078】更に図1(D)に示すように、透明導電膜
としてITO膜を50nm、ドレイン配線用金属として
クロミウムを100nm順次スパッタ法により成膜し、
その後3回目のフォトリソグラフィー工程で、ドレイン
配線及びゲート配線端部の端子部上に厚さ1.3μmの
レジストを、画素電極部上に厚さ0.3μmのレジスト
を形成した。
【0079】このようなレジスト膜厚の変化を実現する
ために、厚さ1.3μmの第1のレジスト8を形成する
部分のマスクの光透過率が5%以下、厚さ0.3μmの
第2のレジスト9を形成する部分のマスクの光透過率が
60%程度、レジストが全く残らない部分のマスクの光
透過率が90%以上となるような露光用マスクを用い
た。
【0080】その後、図2(E)に示すように、これら
のレジストをマスクとして、クロミウム膜、ITO膜、
薄膜トランジスタのチャネル上のn型化した非晶質シリ
コン膜をエッチング除去した。
【0081】引き続き、図2(F)に示すように、基板
を酸素プラズマ中に曝すことにより、画素電極部上に選
択的に形成された厚さ0.3μmのレジスト9のみを除
去し、更に残されたレジスト8をマスクとして画素電極
部上のクロミウム膜をエッチング除去して、ITO膜の
画素電極10を形成した。
【0082】その後レジスト剥離を行い、最後に、プラ
ズマCVD法を用いて、基板温度280℃で、シラン、
アンモニア及び窒素の混合ガスを原料として保護絶縁膜
である窒化シリコン膜3を200nm成膜した。
【0083】以上、3回のフォトリソグラフィー工程の
みで、クロミウムゲート配線及びその端子部、チャネル
エッチ型トランジスタ、クロミウムドレイン配線及びそ
の端子部、ITO透明画素電極から構成される薄膜トラ
ンジスタアレイを作成することができた。
【0084】次に、本発明に係るトランジスタの製造方
法の第2の具体例に付いて以下に図7〜図9を参照しな
がら説明する。
【0085】即ち、本具体例に於いては、特に、薄膜ト
ランジスタアレイの製造方法において、特に非晶質シリ
コン膜、n型化した非晶質シリコン膜及びドレイン配線
用の金属膜を積層配置形成した後、薄膜トランジスタを
構成する部分に所望のアイランド形状にパターニングす
る際に、1回のフォトリソグラフィー工程でアイランド
形状の形成と、チャネル上の当該金属膜とn型化した非
晶質シリコン膜のエッチング除去又はプラズマ処理によ
る絶縁膜への改質を行うことにより、更に簡略な薄膜ト
ランジスタアレイの製造方法を実現する。
【0086】つまり、本具体例に於いては、透明絶縁性
基板上にゲート配線を形成する工程、透明絶縁性基板全
面にゲート絶縁膜、非晶質シリコン膜、n型化した非晶
質シリコン膜及びドレイン配線用金属膜とを順次成膜す
る工程、非晶質シリコン膜及びn型化した非晶質シリコ
ン膜及びドレイン配線用金属膜を、薄膜トランジスタを
構成する部分に所望の形状にパターニングして、薄膜ト
ランジスタのチャネル部を構成する所望のアイランド形
状にパターニングする工程、1回のフォトリソグラフィ
ー工程で、薄膜トランジスタのソース・ドレイン部位を
構成する部分の金属膜上に、所定の厚みを有する第1の
レジストを形成すると同時に、当該薄膜トランジスタの
チャネル上の金属膜上に当該第1のレジストよりも厚み
の薄い第2のレジストを形成する工程、これらのレジス
トをマスクとして、薄膜トランジスタを構成しない部分
の不要な非晶質シリコン膜、n型化した非晶質シリコン
膜及び金属膜をエッチング除去する工程、当該薄膜トラ
ンジスタのチャネル上の金属膜上に形成された当該第2
のレジストのみを除去する工程、残されたレジストをマ
スクとして、薄膜トランジスタのチャネル上の金属膜及
びn型化した非晶質シリコン膜を除去する工程、残され
たレジストを除去する工程、ドレイン電極及び透明画素
電極を形成する工程、を順次行う様に構成された薄膜ト
ランジスタアレイの製造方法である。
【0087】係る具体例の製造方法をより詳細に説明す
るならば、図7(A)に示す様に、ゲート絶縁膜2を形
成した基板1に、ゲート絶縁膜3を形成し、その上に非
晶質シリコン膜4、n型化した非晶質シリコン膜5及び
ドレイン配線用金属膜60とを順次成膜する及びを順次
成膜する。
【0088】その後、当該金属膜60の上に、レジスト
を塗布して、非晶質シリコン膜4、n型化した非晶質シ
リコン膜5及びドレイン配線用金属膜60を、薄膜トラ
ンジスタを構成する部分に所望のアイランド形状にパタ
ーニングする。
【0089】その際、図7(A)に示すように、1回の
フォトリソグラフィー工程で、薄膜トランジスタのソー
ス・ドレイン部位を構成する部分の金属膜60上に第1
のレジストとして、比較的厚みの厚い、例えば、0.6
μm以上の厚さのレジスト8を形成し、同時に当該薄膜
トランジスタのチャネル上の金属膜60上に、第2のレ
ジスト9として、当該第1のレジスト8の厚みよりも薄
い厚みを有する、例えば、厚みが0.5μm以下のレジ
スト9を形成する。
【0090】このようにレジスト膜厚を1枚の基板内で
変化させる手段としては、やはり図5或いは図6に示し
たような露光用マスクを用いることにより可能である。
【0091】より具体的なマスク形状としては、図8
(A)及び図8(B)に示される様な構造のマスクを使
用すると良い。
【0092】図7(A)に示された工程に於ける当該薄
膜トランジスタの平面状態を図9(A)に示す。
【0093】このようなレジストをマスクとして、図7
(B)に示すように、レジストが全く存在しない部分の
非晶質シリコン膜4及びn型化した非晶質シリコン膜5
及び金属膜60をエッチング除去する。
【0094】図7(B)に示された工程によって得られ
た当該薄膜トランジスタの平面状態を図9(B)に示
す。
【0095】続いて、図7(C)に示すように、基板を
酸素プラズマに曝すことにより、薄膜トランジスタのチ
ャネル上の金属膜60上に形成された0.5μm以下の
薄いレジスト9のみを除去する。
【0096】図7(C)に示された工程によって得られ
た当該薄膜トランジスタの平面状態を図9(C)に示
す。
【0097】更に図7(D)に示すように、残されたレ
ジスト8をマスクとして、薄膜トランジスタのチャネル
上の金属膜60及びn型化した非晶質シリコン膜5をエ
ッチング除去するか、又はプラズマ処理により絶縁膜に
改質する。
【0098】図7(D)に示された工程によって得られ
た当該薄膜トランジスタの平面状態を図9(D)に示
す。
【0099】最後に、図示されてはいないが、残された
レジストを除去した後、別のPR工程を使用して、ドレ
イン電極と透明画素電極を個別に形成して薄膜トランジ
スタを完成させるものであり、係る工程を採用すること
により、1回のフォトリソグラフィー工程で、アイラン
ド形状の形成と、チャネル上の金属膜60とn型化した
非晶質シリコン膜5のエッチング除去又はプラズマ処理
による絶縁膜への改質を行うことができる。
【0100】ここでは、エッチング除去する場合を示し
た。またn型化した非晶質シリコン膜のみでなくその下
部に存在する非晶質シリコン膜も一部エッチング除去し
ても良い。
【0101】また本発明では、厚いレジスト膜厚を0.
6μm以上としたが、これは、これよりもレジスト膜厚
が薄くなると、基板を酸素プラズマに曝した時に、厚い
レジスト膜も全て除去されてしまう可能性が出てくるた
めである。
【0102】また薄いレジスト膜厚を0.5μm以下と
したが、これは、これよりも厚くなると、基板を酸素プ
ラズマに曝した時に、薄いレジスト膜を全て除去しきれ
ない可能性が出てくるためである。
【0103】次に、上記具体例を実施例の形でより詳細
に説明する。
【0104】まず、図7(A)に示すように、透明絶縁
性基板であるガラス基板1上にゲート電極用金属として
クロミウムをスパッタ法により100nm成膜し、1回
目のフォトリソグラフィー工程を行い、ウェットエッチ
ング法により所望のゲート配線2形状にパターニングす
る。
【0105】その後、プラズマCVD法を用いて、基板
温度300℃で、シラン、アンモニア及び窒素の混合ガ
スを原料としてゲート絶縁膜である窒化シリコン膜3を
400nm、シラン及び水素の混合ガスを原料として活
性層である非晶質シリコン膜4を200nm、シラン、
ホスフィン及び水素の混合ガスを原料としてn型化した
非晶質シリコン膜5を30nm成膜した。
【0106】更に、当該n型化した非晶質シリコン膜5
の上に、ドレイン配線用の金属膜60を100nmで成
膜した。
【0107】その後、1回のフォトリソグラフィー工程
で、薄膜トランジスタのソース・ドレイン部位を構成す
る部分のn型化した非晶質シリコン膜上に厚さ1.4μ
mのレジスト8を、薄膜トランジスタのチャネル上のn
型化した非晶質シリコン膜上に厚さ0.3μmのレジス
ト9を形成した。
【0108】このようなレジストをマスクとして、図7
(B)に示すように、2回目のフォトグラフィー工程を
行い、レジストが全く存在しない部分の非晶質シリコン
膜、n型化した非晶質シリコン膜及び金属膜をエッチン
グ除去し、非晶質シリコン膜、n型化した非晶質シリコ
ン膜及び金属膜を所望のアイランド形状にパターニング
した。
【0109】続いて、図7(C)に示すように、基板を
酸素プラズマに曝すことにより、薄膜トランジスタのチ
ャネル上のn型化した非晶質シリコン膜上に形成された
0.3μmの薄いレジストのみを除去すると共に、残さ
れたレジストをマスクとして、薄膜トランジスタのチャ
ネル上のn型化した金属膜及び非晶質シリコン膜をエッ
チング除去した。またn型化した非晶質シリコン膜のみ
でなくその下部に存在する非晶質シリコン膜も一部エッ
チング除去しても良い。
【0110】最後に、図7(D)に示すように、残され
たレジストを除去することにより、1回のフォトリソグ
ラフィー工程で、アイランド形状の形成と、チャネル上
のn型化した非晶質シリコン膜のエッチング除去を行う
ことができた。
【0111】次に、上記した本発明に係るトランジスタ
及びトランジスタの製造方法の第1の具体例に対する応
用として、当該トランジスタ或いは薄膜トランジスタ
を、例えば液晶ディスプレイに於ける周辺領域を構成す
るトランジスタ或いは薄膜トランジスタとして使用する
場合の、トランジスタの構成例及びその為の製造方法の
例を第3及び第4の具体例として説明する。
【0112】即ち、本発明に係る第3の具体例に係るト
ランジスタ、或いは薄膜トランジスタとしては、例え
ば、図11(D)に示される様に、当該トランジスタの
形成領域の外部に延びる当該ゲート配線2の端部70に
該ドレイン電極13とは同一の構成6、7からなる積層
体22で構成されているゲート配線端子部12が設けら
れているトランジスタである。
【0113】つまり、本具体例に於いては、当該トラン
ジスタ30は、当該ゲート配線2の端子部12と当該ド
レイン電極13とは同一の構成からなる積層体、即ち同
一の金属膜7と透明導電膜6からなる積層体で構成され
ているものである。
【0114】又、本発明に係る第4の具体例に係るトラ
ンジスタ、或いは薄膜トランジスタとしては、例えば、
図14(G)に示される様に、当該トランジスタの形成
領域の外部に延びる当該ゲート配線2の端部70に当該
透明導電膜6のみで構成されているゲート配線端子部1
2が設けられているトランジスタである。
【0115】此処で、本発明に係る当該第3の具体例に
係る当該トランジスタを製造する為の具体例を図10及
び図12を参照しながら詳細に説明する。
【0116】つまり、本具体例に係る当該トランジスタ
の製造方法は、基本的には、上記した第1の具体例と同
一であるが、当該液晶ディスプレイの周辺部に使用され
るトランジスタを形成する為に、コネクタとなる導電性
を有する端子部が形成される点で異なっているものであ
る。
【0117】即ち、 以下に、本発明に係る薄膜トラン
ジスタの製造方法の更に詳細な具体例を図面を参照しな
がら説明する。
【0118】即ち、図10(A)〜図11(H)を参照
して、本発明の第3の実施形態について説明する。まず
図10(A)に示すように、透明絶縁性基板1上に成膜
したゲート配線用金属膜を、1回目のフォトリソグラフ
ィー工程で所望の形状にパターニングしてゲート配線2
を形成する。その後、図10(B)に示すように、ゲー
ト配線端部の端子部71、72をマスクで覆いながら、
端子部以外の基板全面にプラズマCVD法等を用いてゲ
ート絶縁膜である窒化シリコン膜3、非晶質シリコン膜
4、n型化した非晶質シリコン膜5を順次成膜する。
【0119】続いて、2回目のフォトリソグラフィー工
程で、図10(C)に示すように、非晶質シリコン膜4
及びn型化した非晶質シリコン膜5を所望のアイランド
形状にパターニングする。
【0120】続いて、図10(D)に示すように、画素
電極用透明導電膜6、ドレイン配線用金属膜7を順次成
膜し、更に3回目のフォトリソグラフィー工程で、ドレ
イン配線13及びゲート配線端部70の端子部上に0.
6μm以上の厚さのレジスト8を、画素電極部10上に
0.5μm以下のレジスト9を形成する。
【0121】このようにレジスト膜厚を1枚の基板内で
変化させる手段としては、前記した様な方法の何れかを
使用すれば良い。
【0122】この様な段階に於ける当該トランジスタの
平面形状は図12(A)に示す通りである。
【0123】このようなレジストをマスクとして、図1
1(E)に示すように、レジストが全く存在しない部分
の画素電極用透明導電膜6とドレイン配線用金属膜7の
積層膜をエッチング除去する(プロセス1)。
【0124】引き続き、図11(F)に示すように、基
板を酸素プラズマに曝すことにより、画素電極部10上
に形成された0.5μm以下の薄いレジスト9のみを除
去する(プロセス2)。
【0125】この様な段階に於ける当該トランジスタの
平面形状は図12(B)に示す通りである。
【0126】次いで、図11(G)に示すように、ドレ
イン配線用金属膜7をエッチング処理して取り除き、画
素電極用透明導電膜6を露出させ、画素電極10を形成
する(プロセス3)る。
【0127】この様な段階に於ける当該トランジスタの
平面形状は図12(C)に示す通りである。
【0128】ここで、上記プロセス1、2、3のいずれ
かの後でチャネル上のn型化した非晶質シリコン膜5を
エッチングにより除去するか、あるいはプラズマ処理で
絶縁膜に改質する必要がある。
【0129】ここでは、プロセス1の後にチャネル上の
n型化した非晶質シリコン膜をエッチング除去した場合
を示した。
【0130】残されたレジスト8を除去して、最後に、
図11(H)に示すように、ゲート配線端部70の端子
部12及びドレイン配線端部の端子部13’をマスクで
覆いながら、端子部以外の基板全面にプラズマCVD法
等を用いて保護絶縁膜である窒化シリコン膜11を成膜
することにより、合計3回のフォトリソグラフィー工程
で薄膜トランジスタアレイが完成する。
【0131】次に、本発明に係る当該第4の具体例に係
る当該トランジスタを製造する為の具体例を図13及び
図14を参照しながら詳細に説明する。
【0132】つまり、本具体例に係る当該トランジスタ
の製造方法は、基本的には、上記した第1の具体例と同
一であるが、当該液晶ディスプレイの周辺部に使用され
るトランジスタを形成する為に、コネクタとなる透明導
電性膜からなる端子部が形成される点で異なっているも
のである。
【0133】次に、図13(A)〜図14(G)を参照
して、本発明の第4の具体例について説明する。
【0134】まず図13(A)に示すように、透明絶縁
性基板1上に成膜したゲート配線用金属膜を、1回目の
フォトリソグラフィー工程で所望の形状にパターニング
してゲート配線2を形成する。その後、図13(B)に
示すように、ゲート配線端部の端子部71、72をマス
クで覆いながら、端子部以外の基板全面にプラズマCV
D法等を用いてゲート絶縁膜である窒化シリコン膜3、
非晶質シリコン膜4、n型化した非晶質シリコン膜5を
順次成膜する。
【0135】続いて、2回目のフォトリソグラフィー工
程で、図13(C)に示すように、非晶質シリコン膜4
及びn型化した非晶質シリコン膜5を所望のアイランド
形状にパターニングする。
【0136】続いて、図13(D)に示すように、画素
電極用透明導電膜6、ドレイン配線用金属膜7を順次成
膜し、更に3回目のフォトリソグラフィー工程で、ドレ
イン配線上に0.6μm以上の厚さのレジスト8を、画
素電極部及びゲート配線端子部及びドレイン配線端子部
上に0.5μm以下のレジスト9を形成する。
【0137】このようにレジスト膜厚を1枚の基板内で
変化させる手段としては、図4(A)、(B)に示した
ような露光用マスクを用いることにより可能である。
【0138】露光時において、露光用マスクの半透過膜
部分、またはメッシュ状パターン部分では光の透過量が
低下するため、現像後にはこの部分のみ選択的に薄いレ
ジストを形成することができる。
【0139】このようなレジストをマスクとして、図1
4(E)に示すように、レジストが全く存在しない部分
の画素電極用透明導電膜とドレイン配線用金属膜の積層
膜をエッチング除去する(プロセス1)。
【0140】引き続き、図14(F)に示すように、基
板を酸素プラズマに曝すことにより、画素電極部10及
びゲート配線端子部70及びドレイン配線端子部70’
上に形成された0.5μm以下の薄いレジストのみを除
去する(プロセス2)。
【0141】そして、残されたレジストをマスクとし
て、画素電極部10及びゲート配線端子部70及びドレ
イン配線端子部70’上のドレイン配線用金属膜7をエ
ッチング除去し、画素電極、ゲート配線端子、ドレイン
配線端子を形成する(プロセス3)。
【0142】ここで、上記プロセス1、2、3のいずれ
かの後でチャネル上のn型化した非晶質シリコン膜をエ
ッチングにより除去するか、あるいはプラズマ処理で絶
縁膜に改質する必要がある。ここでは、プロセス1の後
にチャネル上のn型化した非晶質シリコン膜をエッチン
グ除去した場合を示した。
【0143】残されたレジストを除去して、最後に、図
14(G)に示すように、ゲート配線端部の端子部及び
ドレイン配線端部の端子部をマスクで覆いながら、端子
部以外の基板全面にプラズマCVD法等を用いて保護絶
縁膜である窒化シリコン膜11を成膜することにより、
合計3回のフォトリソグラフィー工程で薄膜トランジス
タアレイが完成する。
【0144】第4の実施の形態では、端子部の最表面が
透明導電膜となり、外部回路との接続に用いられる異方
性導電膜と端子部との電気的接続がより良好になるとい
う利点がある。
【0145】以上、上記の発明の各具体例では、3回の
フォトリソグラフィー工程で薄膜トランジスタアレイを
実現できる。従来よりも2回少ないフォトリソグラフィ
ー工程で実現できるポイントは、レジストの膜厚を基板
内で選択的に変化させることにより、1回のフォトリソ
グラフィー工程でドレイン配線と画素電極の両方を形成
する点、プラズマCVD法等で絶縁膜等を成膜する際
に、アレイ周辺の端子部に膜が堆積しないように、マス
クで覆いながら成膜する点である。
【0146】上記実施の形態では、ゲート配線端部の端
子部とドレイン配線端部の端子部の最表面が共に配線用
金属の場合、及び共に透明導電膜の場合を示したが、そ
の他の実施の形態としては、ゲート配線端部の端子部の
最表面が透明導電膜、ドレイン配線端部の端子部の最表
面が配線用金属になるようにレジスト膜厚を制御する方
法、ドレイン配線端部の端子部の最表面が透明導電膜、
ゲート配線端部の端子部の最表面が配線用金属になるよ
うにレジスト膜厚を制御する方法もある。
【0147】
【発明の効果】以上説明したように、本発明を適用する
ことにより、ゲート配線とその端子部、ドレイン配線と
その端子部、ゲート配線とドレイン配線とが交差する各
部分に形成された薄膜トランジスタ、薄膜トランジスタ
のソース電極に接続された画素電極、から構成される薄
膜トランジスタアレイの製造において、従来必要とされ
ていた5回のフォトリソグラフィー工程に対して、3回
のフォトリソグラフィー工程で薄膜トランジスタアレイ
を作成することができ、液晶ディスプレイ製造工程の低
コスト化が実現できた。
【0148】
【図面の簡単な説明】
【図1】図1は、本発明に係るトランジスタの製造方法
の一具体例の構成を説明するための要部工程断面図であ
る。
【図2】図2は、本発明に係るトランジスタの製造方法
の一具体例の構成を説明するための要部工程断面図であ
る。
【図3】図3は、本発明に係るトランジスタの製造方法
の一具体例の構成を説明するための要部工程断面図であ
る。
【図4】図4は、本発明に係るトランジスタの製造方法
の一具体例の構成を説明するための要部工程平面図であ
る。
【図5】図5は、本発明に係るトランジスタの製造方法
に於けるレジスト膜の厚みを変化させる方法の原理を説
明するマスクの平面図である。
【図6】図6は、本発明に係るトランジスタの製造方法
に於けるレジスト膜の厚みを変化させる方法に使用され
るマスクの具体例を示す平面図である。
【図7】図7は、本発明に係るトランジスタの製造方法
の他の具体例の構成を説明するための要部工程断面図で
ある。
【図8】図8は、図7に於けるトランジスタの製造方法
に於けるレジスト膜の厚みを変化させる方法に使用され
るマスクの具体例を示す平面図である。
【図9】図9は、本発明に係るトランジスタの製造方法
の一具体例の構成を説明するための要部工程断面図であ
る。
【図10】図10は、本発明に係るトランジスタの製造
方法の別の具体例の構成を説明するための要部工程断面
図である。
【図11】図11は、本発明に係るトランジスタの製造
方法の別の具体例の構成を説明するための要部工程断面
図である。
【図12】図12は、図10及び図11に示されるトラ
ンジスタの製造方法の別の具体例の構成を説明するため
の要部工程平面図である。
【図13】図13は、本発明に係るトランジスタの製造
方法の別の具体例の構成を説明するための要部工程断面
図である。
【図14】図14は、本発明に係るトランジスタの製造
方法の別の具体例の構成を説明するための要部工程断面
図である。
【図15】図15は、図13及び図14に示されるトラ
ンジスタの製造方法の別の具体例の構成を説明するため
の要部工程平面図である。
【図16】図16は、従来に於けるトランジスタの製造
方法の一例を説明するための要部工程断面図である。
【図17】図17は、従来に於けるトランジスタの製造
方法の一例を説明するための要部工程断面図である。
【符号の説明】
1…透明絶縁性基板 2…ゲート配線 3…ゲート絶縁膜 4…非晶質シリコン膜、 5…n型化した非晶質シリコン膜 6…透明導電膜 7…ドレイン配線用金属 8…厚いレジスト 9…薄いレジスト 10…画素電極 11…保護絶縁膜 12…ゲート端子部13…ドレイン電極 13’…ドレイン端子部 14…透明部分 15…遮光膜部分 16…半透過膜部分 17…メッシュ状部分 18…ソース電極 20…チャネル部、アイランド状部 21…コンタクト部 22…積層体 30…トランジスタ、薄膜トランジスタ 40…積層膜の端部 41…透明導電膜の端部 51…ドレイン電極の遮光部分 52…画素電極の遮光部分 53…透明部分 54…半透明部分 55…メッシュ状部分 60…金属膜 70…ゲート端子部 70’…ドレイン端子部 71、72…基板端部
───────────────────────────────────────────────────── フロントページの続き (58)調査した分野(Int.Cl.7,DB名) H01L 29/786 H01L 21/336 G02F 1/1368

Claims (25)

    (57)【特許請求の範囲】
  1. 【請求項1】 少なくとも、透明絶縁性基板上にゲート
    配線を形成する工程、 透明絶縁性基板全面にゲート絶縁膜、非晶質シリコン
    膜、n型化した非晶質シリコン膜を順次成膜する工程、 非晶質シリコン膜及びn型化した非晶質シリコン膜を、
    薄膜トランジスタを構成する部分に所望の形状にパター
    ニングして、薄膜トランジスタのチャネル部を構成する
    所望のアイランド形状にパターニングする工程、 画素電極用薄膜、ドレイン配線用薄膜を順次成膜する工
    程、 1回のフォトリソグラフィー工程で、ドレイン配線及び
    ゲート配線端部の端子部上に0.6μm以上の厚さのレ
    ジストを、又当該画素電極部上に0.5μm以下のレジ
    ストを形成する工程、 これらのレジストをマスクとして画素電極用薄膜とドレ
    イン配線用薄膜の積層膜をエッチング除去する工程、 基板を酸素プラズマに曝すことにより、画素電極部上に
    形成された0.5μm以下のレジストのみを除去する工
    程、 残されたレジストをマスクとして、画素電極部上のドレ
    イン配線用薄膜をエッチング除去して、残されたレジス
    トを除去する工程、 ゲート配線端子部及びドレイン配線端子部をマスクで覆
    いながら、これら端子部以外の基板全面に保護絶縁膜を
    成膜する工程、 を順次行うことを特徴とする薄膜トランジスタアレイの
    製造方法。
  2. 【請求項2】 少なくとも、透明絶縁性基板上にゲート
    配線を形成する工程、 ゲート配線端部の端子部をマスクで覆いながら、端子部
    以外の透明絶縁性基板全面にゲート絶縁膜、非晶質シリ
    コン膜、n型化した非晶質シリコン膜を順次成膜する工
    程、 非晶質シリコン膜及びn型化した非晶質シリコン膜を、
    薄膜トランジスタを構成する部分に所望の形状にパター
    ニングする工程、 画素電極用薄膜、ドレイン配線用薄膜を順次成膜する工
    程、 1回のフォトリソグラフィー工程で、端部の端子部を除
    くドレイン配線上に0.6μm以上の厚さのレジスト
    を、画素電極部及びゲート配線端部の端子部及びドレイ
    ン配線端部の端子部上に0.5μm以下のレジストを形
    成する工程、 これらのレジストをマスクとして画素電極用薄膜とドレ
    イン配線用薄膜の積層膜をエッチング除去する工程、 基板を酸素プラズマに曝すことにより、画素電極部、ゲ
    ート配線端子部及びドレイン配線端子部上に形成された
    0.5μm以下のレジストのみを除去する工程、 残されたレジストをマスクとして、画素電極部、ゲート
    配線端子部及びドレイン配線端子部上のドレイン配線用
    薄膜をエッチング除去する工程、 残されたレジストを除去する工程、 ゲート配線端子部及びドレイン配線端子部をマスクで覆
    いながら、これら端子部以外の基板全面に保護絶縁膜を
    成膜する工程、 を順次行うことを特徴とする薄膜トランジスタアレイの
    製造方法。
  3. 【請求項3】 請求項1又は2に記載の薄膜トランジス
    タアレイの製造方法に於て、特に非晶質シリコン膜及び
    n型化した非晶質シリコン膜を、薄膜トランジスタを構
    成する部分に所望の形状にパターニングする際に、少な
    くとも、1回のフォトリソグラフィー工程で、薄膜トラ
    ンジスタのソース・ドレイン部位を構成する部分のn型
    化した非晶質シリコン膜上に0.6μm以上の厚さのレ
    ジストを、薄膜トランジスタのチャネル上のn型化した
    非晶質シリコン膜上に0.5μm以下のレジストを形成
    する工程、 これらのレジストをマスクとして、薄膜トランジスタを
    構成しない部分の不要な非晶質シリコン膜及びn型化し
    た非晶質シリコン膜をエッチング除去する工程、 基板を酸素プラズマに曝すことにより、薄膜トランジス
    タのチャネル上のn型化した非晶質シリコン膜上に形成
    された0.5μm以下のレジストのみを除去する工程、 残されたレジストをマスクとして、薄膜トランジスタの
    チャネル上のn型化した非晶質シリコン膜をエッチング
    除去する工程、 残されたレジストを除去する工程、 を順次行うことを特徴とする薄膜トランジスタアレイの
    製造方法。
  4. 【請求項4】 請求項1又は2に記載の薄膜トランジス
    タアレイの製造方法で、特に非晶質シリコン膜及びn型
    化した非晶質シリコン膜を、薄膜トランジスタを構成す
    る部分に所望の形状にパターニングする際に、少なくと
    も、1回のフォトリソグラフィー工程で、薄膜トランジ
    スタのソース・ドレイン部位を構成する部分のn型化し
    た非晶質シリコン膜上に0.6μm以上の厚さのレジス
    トを、薄膜トランジスタのチャネル上のn型化した非晶
    質シリコン膜上に0.5μm以下のレジストを形成する
    工程、 これらのレジストをマスクとして、薄膜トランジスタを
    構成しない部分の不要な非晶質シリコン膜及びn型化し
    た非晶質シリコン膜をエッチング除去する工程、 基板を酸素プラズマに曝すことにより、薄膜トランジス
    タのチャネル上のn型化した非晶質シリコン膜上に形成
    された0.5μm以下のレジストのみを除去する工程、 残されたレジストをマスクとして、薄膜トランジスタの
    チャネル上のn型化した非晶質シリコン膜をプラズマ処
    理で絶縁膜に改質する工程、 残されたレジストを除去する工程、 を順次行うことを特徴とする薄膜トランジスタアレイの
    製造方法。
  5. 【請求項5】 基板表面に形成されたゲート配線上にゲ
    ート絶縁膜を介して配置されているチャネル部と当該チ
    ャネル部に接続されているドレイン電極及びソース電極
    とから構成されているトランジスタを製造するに際し、
    当該基板上に所定のパターンで当該ゲート配線を形成し
    た後、当該ゲート配線上にゲート絶縁膜を介して所定の
    アイランド形状のチャネル部を形成し、次いで当該ゲー
    ト絶縁膜と当該アイランド形状チャネル部上に、電極膜
    層を形成した後、当該電極膜をパターニングするに際し
    て、当該電極膜層の第1の部位に形成されるレジストの
    厚みと当該電極膜層の第2の部位に形成されるレジスト
    の厚みを異ならせ、次いでレジストの形成されていない
    電極膜を除去した後に、少なくとも当該厚みが薄いレジ
    ストが完全に除去される第1の条件でエッチング処理を
    実行した後、当該厚みの厚いレジストが完全に除去され
    る第2の条件でエッチング処理を実行する事によって、
    当該第1の部位と当該第2の部位に所定のパターンを有
    する電極を形成する事を特徴とするトランジスタの製造
    方法。
  6. 【請求項6】 当該第1の部位に形成される当該電極の
    厚みと当該第2の部位に形成される当該電極の厚みとは
    互いに異なっている事を特徴とする請求項5記載のトラ
    ンジスタの製造方法。
  7. 【請求項7】 当該第1の部位は、ドレイン電極が形成
    される領域であり、当該第2の部位は、ソース電極が形
    成される領域である事を特徴とする請求項5又は6に記
    載のトランジスタの製造方法。
  8. 【請求項8】 当該ドレイン電極若しくは当該ソース電
    極の少なくとも一方は画素電極に接続されている事を特
    徴とする請求項5乃至7の何れかに記載のトランジスタ
    の製造方法。
  9. 【請求項9】 当該トランジスタは、薄膜トランジスタ
    である事を特徴とする請求項5乃至7の何れかに記載の
    トランジスタの製造方法。
  10. 【請求項10】 当該厚みの異なる少なくとも2種のレ
    ジスト膜を形成する工程は、一のレジスト塗布工程によ
    って形成された一つのレジスト膜に対して実行するもの
    である事を特徴とする請求項5乃至9の何れかに記載の
    トランジスタの製造方法。
  11. 【請求項11】 当該レジストの膜厚を変化させる工程
    は、当該第1の部位に形成される当該レジストと当該第
    2の部位に形成される当該レジストに印加される光エネ
    ルギーの総量を異ならせる事により実行されるものであ
    る事を特徴とする請求項10記載のトランジスタの製造
    方法。
  12. 【請求項12】 当該レジストの膜厚を変化させる工程
    は、当該第1の部位に形成される当該レジストと当該第
    2の部位に形成される当該レジストに照射される光の強
    度を異ならせる事により実行されるものである事を特徴
    とする請求項10記載のトランジスタの製造方法。
  13. 【請求項13】 当該レジストの膜厚を変化させる工程
    は、当該第1の部位に形成される当該レジストと当該第
    2の部位に形成される当該レジストに照射される光の照
    射時間を異ならせる事により実行されるものである事を
    特徴とする請求項10記載のトランジスタの製造方法。
  14. 【請求項14】 当該レジスト膜に対して所定の光を照
    射するに際して、当該第1若しくは第2の部位の何れか
    に形成されたレジスト膜に対して、照射された光の少な
    くとも一部の透過を減少せしめる機能を有するマスクを
    使用するものである事を特徴とする請求項10乃至13
    の何れかに記載のトランジスタの製造方法。
  15. 【請求項15】 当該マクスは、メッシュ状膜、格子状
    膜、薄い金属箔膜、半透明膜等から選択された一つの膜
    が使用されるものである事を特徴とする請求項14記載
    のトランジスタの製造方法。
  16. 【請求項16】 透明絶縁基板表面に形成されたゲート
    配線上にゲート絶縁膜を介して配置されているチャネル
    部と当該チャネル部のコンタクト部に接続されているド
    レイン電極及び画素電極とから構成されている薄膜トラ
    ンジスタを製造するに際し、当該透明絶縁基板上に所定
    のパターンで当該ゲート配線を形成した後、当該ゲート
    配線上にゲート絶縁膜を介して所定のアイランド形状の
    チャネル部を形成し、次いで当該ゲート絶縁膜と当該ア
    イランド形状チャネル部上に、透明導電膜と金属膜とを
    積層して複合積層膜を形成した後、当該複合積層膜上に
    所定のパターンを持ったレジスト膜を形成するに際し、
    同一のリソグラフィー工程で当該レジスト膜の予め定め
    られた第1の部位と第2の部位に於ける当該レジスト膜
    の厚みが互いに異なる様に構成し、次いでレジストの形
    成されていない電極膜を除去した後に、一方の部位の当
    該レジスト膜を選択的に除去すると共に、当該一方の部
    位に配置されている当該金属膜を除去する事を特徴とす
    る薄膜トランジスタの製造方法。
  17. 【請求項17】 当該第1の部位と第2の部位に於ける
    レジスト膜のエッチングレートを異ならせる事を特徴と
    する請求項16記載の薄膜トランジスタの製造方法。
  18. 【請求項18】 透明絶縁性基板上にゲート配線を形成
    する第1の工程、 当該透明絶縁性基板全面にゲート絶縁膜、非晶質シリコ
    ン膜、n型化した非晶質シリコン膜を順次成膜する第2
    の工程、 非晶質シリコン膜及びn型化した非晶質シリコン膜を、
    薄膜トランジスタのチャネル部を構成する為の所望のア
    イランド形状にパターニングする第3の工程、 当該ゲート絶縁膜及び当該アイランド形状チャネル部表
    面上に画素電極用透明導電薄膜及びドレイン配線用金属
    薄膜を順次成膜して複合膜を形成する第4の工程、 当該複合積層膜上に所定のパターンを持ったレジスト膜
    を形成するに際し、同一のリソグラフィー工程で当該レ
    ジスト膜の予め定められた第1の部位と第2の部位に於
    ける当該レジスト膜厚みが互いに異なる状態となる様に
    形成する第5の工程、 レジストの形成されていない前記配線用金属膜及び透明
    導電薄膜を除去する第6の工程、 少なくとも一方の部位に於ける当該レジストのみを除去
    する第7の工程、 当該一方の部位に配置されている当該金属薄膜を除去す
    る第8の工程、 他方の部位に残存している当該レジストを除去する第9
    の工程、 当該画素電極用透明導電薄膜及びドレイン配線用金属薄
    膜上に保護絶縁膜を形成する第10の工程、 とから構成されている事を特徴とする薄膜トランジスタ
    の製造方法。
  19. 【請求項19】 当該第1の部位は、ドレイン電極配線
    領域であり、当該第2の部位は、当該画素電極配線領域
    である事を特徴とする請求項18記載の薄膜トランジス
    タの製造方法。
  20. 【請求項20】 当該第1の部位に形成される当該レジ
    ストの厚みは0.6μm以上に設定され、当該第2の部
    位に形成される当該レジストの厚みは0.5μm以下に
    設定されるものである事を特徴とする請求項18又は1
    9記載の薄膜トランジスタの製造方法。
  21. 【請求項21】 当該第5の工程以降、当該保護膜が形
    成される以前の何れかの時点に於て、当該チャネル部の
    少なくとも一部の表面上に形成された当該透明導電膜及
    び当該金属膜を除去する11の工程が実行されるもので
    ある事を特徴とする請求項18乃至20の何れかに記載
    の薄膜トランジスタの製造方法。
  22. 【請求項22】 当該第11の工程が実行された以降、
    当該保護膜が形成される以前の何れかの時点に於て、当
    該チャネル部の少なくとも一部の表面上に形成された当
    該n型化した非晶質シリコン膜を除去する工程が実行さ
    れるものである事を特徴とする請求項21記載の薄膜ト
    ランジスタの製造方法。
  23. 【請求項23】 当該第11の工程が実行された以降、
    当該保護膜が形成される以前の何れかの時点に於て、当
    該チャネル部の少なくとも一部の表面上に形成された当
    該n型化した非晶質シリコン膜を絶縁膜に改質する工程
    が実行されるものである事を特徴とする請求項21記載
    の薄膜トランジスタの製造方法。
  24. 【請求項24】 当該第7の工程は、酸素プラズマを使
    用するものである事を特徴とする請求項18乃至23の
    何れかに記載の薄膜トランジスタの製造方法。
  25. 【請求項25】 透明絶縁性基板上にゲート配線を形成
    する工程、 透明絶縁性基板全面にゲート絶縁膜、非晶質シリコン
    膜、n型化した非晶質シリコン膜及びドレイン配線用金
    属膜とを順次成膜する工程、 非晶質シリコン膜及びn型化した非晶質シリコン膜及び
    ドレイン配線用金属膜を、薄膜トランジスタを構成する
    部分に所望の形状にパターニングして、薄膜トランジス
    タのチャネル部を構成する所望のアイランド形状にパタ
    ーニングする工程、 1回のフォトリソグラフィー工程で、薄膜トランジスタ
    のソース・ドレイン部位を構成する部分の金属膜上に、
    所定の厚みを有する第1のレジストを形成すると同時
    に、当該薄膜トランジスタのチャネル上の金属膜上に当
    該第1のレジストよりも厚みの薄い第2のレジストを形
    成する工程、 これらのレジストをマスクとして、薄膜トランジスタを
    構成しない部分の不要な非晶質シリコン膜、n型化した
    非晶質シリコン膜及び金属膜をエッチング除去する工
    程、 当該薄膜トランジスタのチャネル上の金属膜上に形成さ
    れた当該第2のレジストのみを除去する工程、 残されたレジストをマスクとして、薄膜トランジスタの
    チャネル上の金属膜及びn型化した非晶質シリコン膜を
    除去する工程、 残されたレジストを除去する工程、 ドレイン電極及び透明画素電極を形成する工程、 を順次行うことを特徴とする薄膜トランジスタアレイの
    製造方法。
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