JP3472784B2 - 研削装置および研磨装置 - Google Patents

研削装置および研磨装置

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JP3472784B2
JP3472784B2 JP12740097A JP12740097A JP3472784B2 JP 3472784 B2 JP3472784 B2 JP 3472784B2 JP 12740097 A JP12740097 A JP 12740097A JP 12740097 A JP12740097 A JP 12740097A JP 3472784 B2 JP3472784 B2 JP 3472784B2
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grinding
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沢 雅 喜 金
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  • Grinding And Polishing Of Tertiary Curved Surfaces And Surfaces With Complex Shapes (AREA)
  • Finish Polishing, Edge Sharpening, And Grinding By Specific Grinding Devices (AREA)

Description

【発明の詳細な説明】
【0001】
【発明の属する技術分野】本発明は、シリコン半導体材
料やガリウム砒素、ガリウム燐、インジウム燐等の化合
物半導体材料またはセラミック材料または金属材料の表
面を研削または研磨するための装置に関する。
【0002】
【従来の技術】近年のエレクトロニクス技術のめざまし
い発展により、多くの電子機器にさまざまな半導体装置
が使用されるようになってきた。半導体装置は、シリコ
ン等の半導体材料を円柱状に結晶させ、これをウェハと
呼ばれる薄い円盤状にスライスしたものをベースとして
製造される。ウェハは、非常に高度な平坦度が要求され
るため、機械研磨およびまたは化学研磨により鏡面に仕
上げられる。
【0003】研削装置によるウェハの研削は、一般に回
転テーブル上にウェハを真空吸着して回転させ、その表
面に回転テーブルとは逆方向に回転する砥石を押し当て
ることにより行う。砥石は、モータに連結されたスピン
ドルに取り付けられて回転するとともに、スピンドルを
保持するスピンドルヘッドが、装置本体のコラムに取り
付けられたボールねじにより垂直方向に移動して、回転
テーブル上のウェハに対し切り込みを行う。研削後のウ
ェハを研磨する研磨装置も、上記研削装置と同様な構成
を備え、下ラップ定盤の上にキャリアを用いて固定され
たウェハを、上ラップ定盤との間に供給された研磨剤に
より研磨する。
【0004】研削装置または研磨装置によりウェハを高
精度な平坦度(TTV)に仕上げるためには、回転テー
ブルまたは定盤の平面に対してスピンドルの少なくとも
前後方向の傾きを高精度に調整する必要がある。このよ
うな手段を備えた装置としては、例えば特開昭61−2
74873号公報に記載の装置がある。また特開平8−
90376号公報には、回転テーブルに対してスピンド
ルを傾けるのではなく、スピンドルに対して回転テーブ
ルを傾ける装置が開示されている。
【0005】
【発明が解決しようとする課題】しかしながら、直径が
300mmを越える次世代のウェハに対しては、上記従
来の研削方法および装置では十分に対応できないという
課題がある。半導体装置メーカーでは、チップの小型化
のための微細配線化技術が一層進み、ウェハ供給メーカ
ーに対しては、より一層の高精度な平坦度が要求されて
いる。しかしながら、ウェハを高精度に研削するために
は、砥石をウェハに対し水平に近づけなければならず、
砥石をウェハに対し水平に近づけると、研削中の加工圧
が上がるため、研削送り速度を遅くしなければならず、
加工効率が悪くなるという問題が発生する。従来は、加
工精度と加工効率の双方を両立させるために、スピンド
ルをある角度で固定した状態で加工を行っていたが、ス
ピンドルの角度調整は難しく、熟練した技術者が手作業
により調整するので、多くの時間と専門的な技術を必要
としていた。しかも、一度角度を設定しても使用してい
る間にずれが生じるので、定期的な確認および角度調整
が必要となっていた。
【0006】本発明は、このような従来の問題を解決す
るものであり、高精度な平坦度が得られるとともに、サ
イクルタイムの短い、加工効率の優れた研削/研磨方法
および装置を提供することを目的とする。
【0007】
【課題を解決するための手段】本発明は、上記目的を達
成するために、水平面内で回転駆動される加工材料を、
垂直方向に配置されたスピンドルヘッドの下部に取り付
けられた砥石またはラップ定盤により研削または研磨す
る装置であって、スピンドルヘッドの送り量(送り速
度)およびスピンドルヘッドの加工材料に対する相対的
な傾斜を研削または研磨の段階に応じて初めは大きく設
定し、加工の移行に従って次第に小さく段階的または連
続的に変化させることを特徴とするものであり、スピン
ドルヘッドの送り量およびスピンドルヘッドと加工材料
との相対的な傾斜角度を、初めは大きく設定することに
より高速加工が可能になり、粗加工が終了して精加工か
ら微加工に移行するにつれて、送り量および傾斜角度を
次第に小さくすることにより、高精度な平坦度を得るこ
とができ、ウェハの大口径化にも十分に対応することが
できる。
【0008】
【0009】
【発明の実施の形態】 本発明の請求項に記載の発明
は、水平面内で回転駆動される加工材料を、垂直方向に
配置されたスピンドルヘッドの下部に取り付けられた砥
石により研削する研削装置において、前記スピンドルヘ
ッドと加工材料を垂直方向であるz軸方向に相対移動さ
せる駆動手段と、前記スピンドルヘッドまたは加工材料
を水平面内のx軸およびy軸の回りに回転させる傾動手
段と、前記駆動手段および傾動手段を制御してスピンド
ルヘッドの送り量およびスピンドルヘッドと加工材料
の相対的な傾きを研削の段階に応じて段階的または連続
的に変化させる制御手段とを備えた研削装置であり、加
工段階に応じてスピンドルの送り量と傾斜角度を変える
ことにより、高精度で効率のよい加工を行うことができ
る。
【0010】本発明の請求項に記載の発明は、制御手
段が、スピンドルヘッドの送り量およびスピンドルヘッ
ドと加工材料の相対的な傾きを初めに大きく、次第に小
さく制御することを特徴とする請求項記載の研削装置
であり、加工段階に応じてスピンドルの送り量と傾斜角
度を変えることにより、高精度で効率のよい加工を行う
ことができる。
【0011】本発明の請求項に記載の発明は、制御手
段が、砥石の加工材料に対する加工開始点から加工終了
点の間に位置する最深切り込み点の砥石中心からの方向
と、前記加工開始点と加工終了点の加工材料からの高さ
の差とを入力パラメータとして、z軸方向の送り量とx
軸回りおよびy軸回りの回転量を算出する手段を備え
た請求項または記載の研削装置であり、簡単な入力
操作により自動的にスピンドルの送り量と傾斜角度を変
えることができる。
【0012】本発明の請求項に記載の発明は、算出手
段がソフトウエアで実現したプログラムを記録した記録
媒体を使用して行う請求項3記載の研削装置であり、本
発明をコンピュータを使用して実施することができる。
【0013】本発明の請求項に記載の発明は、請求項
からのいずれかに記載の研削装置における砥石に代
えて、ラップ定盤を使用して加工材料との間に研磨剤を
供給して研磨を行う研磨装置であり、本発明を研磨装置
にも同様に適用することができる。
【0014】
【実施例】以下、図面を参照して本発明の一実施例を説
明する。図1は本発明の一実施例における平面研削装置
の概略側面図、図2は同装置のスピンドル角度調整機構
の斜視図である。これらの図において、装置の前後方向
をx軸、左右方向をy軸、上下方向をz軸とする。図1
において、1は平面研削装置の基台であり、上部前方に
はテーブル回転モータ2により回転駆動される回転テー
ブル3が配置されている。基台1の上部後方には、コラ
ム4が立設され、その前部には送りモータ5により回転
駆動されるボールねじがz軸方向に設けられている。コ
ラム4の前面には、ガイドレール6がz軸方向に設けら
れており、このガイドレール6にスライド板7が係合す
るとともに、スライド板7に上記したボールねじが係合
している。スライド板7には、背面板8がx軸回転軸9
を介してx軸の回りに回動可能の取り付けられており、
スライド板7と背面板8との間には、x軸回転モータ1
0とx軸傾動部11とが設けられている。背面板8に
は、スピンドルヘッド12がy軸回転軸13を介してy
軸の回りに回動可能に取り付けられており、背面板8と
スピンドルヘッド12との間には、y軸回転モータ14
とy軸傾動部15とが設けられている。スピンドルヘッ
ド12の内部には、上部のスピンドル回転モータ16に
より回転駆動されるスピンドル17が支持され、その下
部には砥石18が着脱可能に取り付けられている。
【0015】次に、この装置の動作の概略について説明
する。図1において、装置の初期設定時または砥石18
を交換した場合は、まず送りモータ5によりボールねじ
を回転させ、ボールねじのナット部に結合されたスライ
ド板7をガイドレール6に沿ってスライドさせ、スピン
ドルヘッド12を降下させて砥石18を回転テーブル3
の上面または回転テーブル3に真空吸着したダミーウェ
ハに当接させ、その位置でインプロセスゲージのゼロ設
定を行う。実際にウェハを研削する場合は、研削しよう
とするウェハを回転テーブル3の上面に真空吸着すると
ともに、モータ5によりスピンドルヘッド12を所定の
位置まで早送りして砥石18をウェハ表面に近接させた
後、所定の送り速度すなわち切り込み量でスピンドルヘ
ッド12を降下させる。そして、回転テーブル3をテー
ブル回転モータ2により比較的低速で回転させるととも
に、スピンドル回転モータ16によりスピンドル17を
比較的高速で、回転テーブル3とは逆方向に回転させ、
砥石18により回転テーブル3上のウェハを研削する。
ウェハを研削している間、砥石18には研削水が供給さ
れる。ウェハに対する研削が基準の厚さ近くまで進む
と、初めのゼロ設定が回転テーブル3の上面を基準にし
た場合は、インプロセスゲージがウェハの基準厚さにな
った時点で研削を終了し、初めのゼロ設定が回転テーブ
ル3上のダミーウェハの上面を基準にした場合は、イン
プロセスゲージがゼロになった時点で研削を終了し、送
りモータ5が逆回転してスピンドルヘッド12を所定位
置まで上昇させる。
【0016】次に、上記平面研削装置のスピンドル傾動
機構について図2を参照して説明する。図2において、
スライド板7には、x軸回転軸9をねじ19により固定
する軸穴20が設けられ、かまぼこ型のy軸回転軸13
の中心部には、x軸回転軸9に回転可能に嵌合する軸穴
21が設けられている。一方、背面板8には、その4隅
に逃げ穴22が設けられ、この逃げ穴22を通してねじ
23をワッシャ24を介して、スライド板7の4隅に設
けられたねじ穴25に固定することにより、背面板8は
スライド板7に対しx軸回転軸9の回りに回動可能にな
る。これを動作させるのが、x軸回転モータ10とx軸
傾動部11である。x軸回転モータ10は、ブラケット
26を介してスライド板7に固定され、その回転軸には
小歯車27が固定されている。小歯車27は、差動ねじ
28に固定された大歯車29に噛み合っている。差動ね
じ28は、一端部に右雄ねじ、他端部に左雄ねじを有
し、スライド板7側の右雌ねじ部と背面板8側の左雌ね
じ部とにそれぞれ螺合させることにより、x軸回転モー
タ10により背面板8をスライド板7に対しx軸回転軸
9の回りに回動させることができる。
【0017】一方、スピンドルヘッド12には、背面板
8に設けられたかまぼこ型y軸回転軸13に回動可能に
嵌合する受け部30が設けられている。スピンドルヘッ
ド12にはまた、その下部両側に逃げ穴31が設けら
れ、この逃げ穴31を通してねじ32をワッシャ33を
介して、背面板8のy軸回転軸13に設けられたねじ穴
34に固定することにより、スピンドルヘッド12が背
面板8に対しy軸回転軸13の回りに回動可能になる。
これを動作させるのが、y軸回転モータ14とy軸傾動
部15である。y軸回転モータ14は、ブラケット35
を介して背面板8に固定され、その回転軸には小歯車3
6が固定されている。小歯車36は、差動ねじ37に固
定された大歯車38に噛み合っている。差動ねじ37は
一端部に右ねじ、他端部に左ねじを有し、背面板8側の
右雌ねじ部とスピンドルヘッド12側の左雌ねじ部とに
それぞれ螺合させることにより、y軸回転モータ14に
よりスピンドルヘッド12を背面板8に対しy軸回転軸
13の回りに回動させることができる。このようにスピ
ンドルヘッド12を背面板8に対しy軸の回りに回転さ
せるとともに、背面板8をスライド板7に対しx軸の回
りに回転させることにより、スピンドル17すなわち砥
石18を回転テーブル3に吸着されたウェハに対して傾
斜させることができる。
【0018】次に、本実施例における制御系について説
明する。図3において、41は装置全体を制御するCP
U、42はCPU41に制御を行わせるためのプログラ
ムを格納したメモリ、43はCPU41に所定の動作を
行わせるための入力指示を行うキーボード等の操作部、
44は動作表示を行うCRTや液晶デバイス等の表示
部、45は上記した送りモータ5、x軸回転モータ10
およびy軸回転モータ14を駆動するための駆動部であ
る。これら送りモータ5、x軸回転モータ10およびy
軸回転モータ14は、それぞれステッピングサーボモー
タ(アブソリュートパルスモータ)であり、駆動部45
はCPU41からの指令に基づいて必要なパルス数をこ
れら各モータに分配する。メモリ42はROMとRAM
からなり、加工の順番を定めたプログラムの他に、操作
部43から入力されたパラメータに基づいてスピンドル
の傾きに必要なx軸回転モータ10およびy軸回転モー
タ14の回転量を計算するプログラム等が格納されてい
る。
【0019】次に、本実施例における制御系の動作につ
いて説明する。まず初期設定について説明する。図4は
スピンドルに取り付けられた砥石51と回転テーブルの
チャックに吸着されたウェハ52との関係を示してい
る。砥石51の外周がウェハ52の中心Wを通るように
両者の位置を設定するとともに、砥石51の中心Cとウ
ェハ52の中心Wを結ぶ直線に対し砥石51を角度αだ
け傾けて研削が行われる。砥石51によるウェハ52の
加工は、加工開始点S、加工終了点Tまでの範囲で行わ
れ、角度αの方向が最深切り込み点Nになる。いま、砥
石51が取り付けられるスピンドル軸53にアーム54
を介してダイアルゲージ55を取り付け、ウェハ52の
上面を走らせた場合、S、N、W、Tそれぞれのポイン
トのウェハ52に対する垂直方向の距離(ダイアルゲー
ジ55の読み取り値)がスピンドル53の傾斜を決める
パラメータとなる。
【0020】従来におけるスピンドル53の角度調整
は、実際にダイアルゲージ55をウェハ52の上面に走
らせ、加工開始点Sをゼロとし、ウェハ中心Wおよび加
工終了点Tを決められた値になるように手動で調整ボル
トを調整し、ダイアルゲージ55で確認しながら再度調
整ボルトを調整する作業を、決められた値になるまで繰
り返して行っていた。これに対し本実施例では、最初に
S、N、W、Tのポイントがゼロ(ウェハ52に対して
垂直)になるように調整した後、粗研加工、精研加工、
微研加工のそれぞれについて、最深切り込み点Nの砥石
中心Cからの方向と、加工開始点Sと加工終了点Tのウ
ェハ52からの高さの差を求め、その数値を入力パラメ
ータとして図3の操作部43からメモリ42に格納して
おく。ここまでが初期設定である。
【0021】次に実際の加工動作について図5のフロー
図を参照して説明する。まずステップS1において、C
PU41は、送りモータ5を制御して砥石を早送りして
降下させ、回転テーブル3の上面に真空吸着したウェハ
に当接させる。次にステップS2において、CPU41
は、粗研加工に必要な条件を送りモータ5、x軸回転モ
ータ10およびy軸回転モータ14に設定して研削を開
始する。この粗研加工においては、図6に示すように、
砥石51のウェハ52に対する角度すなわちスピンドル
の傾斜角度θが大きく設定されているので、それだけ切
り込み量を大きくすることができ、高速研削が行われ
る。次にステップS3において、粗研が終了したかどう
かを判断する。これは、加工に際して常にウェハの厚み
を測定しているインプロセスゲージからの信号を、CP
U41が加工の段階に応じた基準値と比較することによ
り行われる。粗研が終了した場合は、ステップS4で次
の精研加工の設定を行う。この精研加工においては、図
6に示すように、砥石51のウェハ52に対するスピン
ドル傾斜角度θが少し小さく設定されているので、切り
込み量も少なくなり、中速研削が行われる。次にステッ
プS5において、精研が終了したかを判断し、終了した
場合はステップS6で微研加工の設定を行う。この微研
加工においては、図6に示すように、砥石51のウェハ
52に対するスピンドル傾斜角度θがゼロに設定されて
いるので、切り込み量もゼロに設定して研磨のみが行わ
れ、高精度な平坦度が得られることになる。そしてステ
ップS7で微研が終了すると、CPU41は、ステップ
S8で送りモータ5を逆転させて砥石を早送りさせ、ス
ピンドルを元のホームポジションまで上昇させて1加工
サイクルを終了する。
【0022】次に、入力パラメータに基づいて送りモー
タ5の送り量およびx軸回転モータ10とy軸回転モー
タ14の回転量を求めるための具体的な計算方法につい
て説明する。図7において、x軸、y軸、z軸は図2の
それらと同じである。Oはスピンドル傾動機構の回転中
心すなわち図2のx軸回転軸9およびy軸回転軸13の
中心であり、Pは作用点すなわち図2の差動ねじ28お
よび37の中心である。Cは砥石の中心でその座標はx
c c c であり、rは砥石の半径、n→は砥石面の法
線ベクトル、Wはウェハの中心でその座標はxW W
W 、Rはウェハの半径である。SとTは図4と同じであ
る。lはOからPまでの距離、LはOからCまでの距離
である。また砥石がウェハに水平に面接触し、かつ砥石
の外周がウェハの中心Wを通る状態を初期状態とする。
なお、このときのウェハの中心をW0(xW0, 0, zW0)
とする。また、x軸とOCのなす角度φとすると、C
0(Lcos φ, 0, Lsin φ)となり、C0 やW0 を決定
することができる。
【0023】Pにおいてx軸およびy軸を回転軸として
スピンドルヘッドを2軸制御することにより、砥石の傾
きを制御する方法を考える。このとき、x軸回りの回転
角をΔθx 、y軸回りの回転角をΔθy とする。実際に
は、作用点Pにおいてx軸またはy軸への水平送りによ
って制御することも考えられる。その際には、OP=l
であることを考えて、角度の変位量を水平送りの変位量
に換算して考えればよい。また、実際の装置では、スピ
ンドルヘッドをz軸方向に移動できるが、ここではウェ
ハをz軸方向に移動させるものとして計算を行う。この
とき、z軸方向の送りをΔz=zW −zW0とする。ま
た、このとき注意すべき点として、砥石外周とウェハ外
周のxy平面への投影像どうしがSとTの2点で交わる
ように、Δθx とΔθy とを設定するものとする。
【0024】初期状態において、砥石外周上の点aはθ
を変数として、また、ウェハ外周上の点bはφを変数と
して、それぞれ次のように表すことができる。
【数1】
【0025】また、砥石面はx軸の回りの回転とy軸の
回りの回転によって制御されるが、そのとき砥石上の点
aは、ベクトルの一次変換により次のように表せる。
【数2】
【0026】このとき、X、Yはそれぞれx軸回りにΔ
θx 、y軸回りにΔθy だけ回転させたときの変換行列
であり、次のように表せる。
【数3】
【0027】これより、砥石外周とウェハ外周が接触す
る点xは、a=bの解、すなわち次式の解により、Δθ
x 、Δθy の関数として得られる。
【数4】
【0028】具体的には、次の3つの式について考えれ
ばよい。 Rcos φ=rcos θcos Δθy −rsin θsin θx sin Δθy +(xW0−r) cos Δθy −zW0cos Δθx sin Δθy −xW0 ・・・(1) Rsin φ=rsin θcos Δθx −zW0 sin Δθx ・・・(2) Δz=( xW0−r+rcos θ)sinΔθy +rsin θsin θx cos Δθy +zW0 cos Δθx cos Δθy −zW0 ・・・(3) 上記式(1)と(2)において、変数をθとφとして考
えて式(1)と(2)を連立させることにより、θおよ
びφをΔθx とΔθy の関数として表すことができる。
つまり、砥石外周とウェハ外周のxy平面への投影像ど
うしの交点s’とt’におけるxy座標をΔθx とΔθ
y の関数として求めることができる。
【0029】この結果から、ウェハ面に砥石が入る加工
開始点sと出る加工終了点tにおけるウェハ面からの高
さの値をそれぞれΔθx とΔθy の関数として表すこと
ができる。sとtにおける高さの値をそれぞれΔzs
よびΔzt とすると、これらの差が装置使用者により逃
げ量λというパラメータで設定される。このとき、 λ=Δzs −Δzt ・・・(4) と表すことができ、Δzs およびΔzt は共にΔθx
Δθy の関数であるから式(4)によりΔθx とΔθy
の関係が得られる。
【0030】次に、砥石面の法線ベクトルn→について
考える。初期状態の法線ベクトルをn→とすると、以下
のように表すことができる。
【数5】 したがって、砥石面の法線ベクトルn→は次のように表
せる。
【数6】 このとき、ベクトルn→’が、砥石が最も深く切りこむ
点Nの砥石中心Cからの方向となる。そこで、ベクトル
n→’がx軸となす角度をαと設定する。ここでk=ta
n αとすると、
【数7】 となり、これから次の式を得ることができる。 sin Δθy =1/k(tan Δθx ) ・・・(5)
【0031】上記式(4)と(5)を連立させることに
より、Δθx とΔθy の値を得ることができる。また、
得られたΔθx とΔθy の値と式(3)からz軸方向の
送り量Δzを得ることができる。これらの式を解析的ま
たは数値的に解くことにより、砥石が最も深く切り込む
点Nの砥石の中心Cからの方向すなわち上記したベクト
ルn→’と、加工開始点Sと加工終了点Tのウェハから
の高さの差すなわち上記した逃げ量λをパラメータとし
て与えたときの適切な変位量を算出し、砥石の角度およ
びz軸方向の変位を制御することが可能になる。そし
て、上記した計算式をメモリ内にプログラムとして格納
しておき、コンピュータと連動させることにより、スピ
ンドルの傾きと送り量を加工の段階に応じて段階的また
は連続的に変化させることができる。
【0032】以上のように、本実施例によれば、砥石の
ウェハに対する加工開始点から加工終了点の間に位置す
る最深切り込み点の砥石中心からの方向と、この加工開
始点と加工終了点のウェハからの高さの差とを入力パラ
メータとして、z軸方向の送り量とx軸回りおよびy軸
回りの回転量とを算出して、砥石を必要な角度だけウェ
ハに対し傾け、必要な量だけ送ることにより、加工の初
期には砥石の送り量および傾きを大きくして加工効率を
高め、加工の中期から終期にかけては砥石の送り量およ
び傾きを小さくすることにより、高精度で効率のよい研
削を行うことができる。
【0033】なお、上記実施例においては、スピンドル
傾動機構として差動ねじを用いているが、他の構造を用
いてもよい。またスピンドルヘッド12を回転テーブル
3に対して傾ける構成について説明したが、スピンドル
ヘッド12に代えて回転テーブル3を傾ける構成でもよ
い。さらに、上記実施例においては、平面研削装置を例
にして説明したが、回転テーブル3の代わりに下定盤を
使用し、砥石18の代わりに上定盤を使用して、下定盤
に吸着したウェハを研磨材を使用して研磨する研磨装置
に対しても同様に適用することができる。
【0034】
【発明の効果】本発明は、上記実施例から明らかなよう
に、水平面内で回転駆動される加工材料を、垂直方向に
配置されたスピンドルヘッドの下部に取り付けられた砥
石またはラップ定盤により研削または研磨する装置であ
って、スピンドルヘッドの送り量およびスピンドルヘッ
ドの加工材料に対する相対的な傾きを研削または研磨の
段階に応じて段階的または連続的に変化させることを特
徴とするものであり、スピンドルヘッドの送り量と傾き
を初めは大きくすることにより高速加工が可能であり、
粗加工が終了して精加工から微加工に移るにつれて、送
り量と傾きを次第に小さくすることにより高精度な平坦
度を得ることができ、サイクルタイムの短い、加工効率
の優れた研削/研磨装置を実現することができる。
【図面の簡単な説明】
【図1】本発明の一実施例を示す平面研削装置の概略側
面図である。
【図2】同装置のスピンドル傾動機構の分解斜視図であ
る。
【図3】同装置の概略制御ブロック図である。
【図4】同装置における砥石とウェハの位置関係を示す
模式図である。
【図5】同装置における制御系の動作を示すフロー図で
ある。
【図6】同装置における各加工状態におけるスピンドル
角度をウェハの断面を示す一覧図である。
【図7】同装置におけるスピンドル傾斜角度を求める際
の砥石とウェハとスピンドル傾動機構との関係を示す模
式図である。
【符号の説明】
1 基台 2 回転テーブル 3 テーブル回転モータ 4 コラム 5 送りモータ 6 ガイドレール 7 スライド板 8 背面板 9 x軸回転軸 10 x軸回転モータ 11 x軸傾動部 12 スピンドルヘッド 13 Y軸回転軸 14 y軸回転モータ 15 y軸傾動部 16 スピンドル回転モータ 17 スピンドル 18 砥石
フロントページの続き (56)参考文献 実開 平4−92735(JP,U) (58)調査した分野(Int.Cl.7,DB名) B24B 1/00 B24B 37/04 B24B 41/047

Claims (5)

    (57)【特許請求の範囲】
  1. 【請求項1】 水平面内で回転駆動される加工材料を、
    垂直方向に配置されたスピンドルヘッドの下部に取り付
    けられた砥石により研削する研削装置において、前記ス
    ピンドルヘッドと加工材料を垂直方向であるz軸方向に
    相対移動させる駆動手段と、前記スピンドルヘッドまた
    は加工材料を水平面内のx軸およびy軸の回りに回転さ
    せる傾動手段と、前記駆動手段および傾動手段を制御し
    てスピンドルヘッドの送り量およびスピンドルヘッドと
    加工材料との相対的な傾きを研削の段階に応じて段階的
    または連続的に変化させる制御手段とを備えた研削装
    置。
  2. 【請求項2】 制御手段が、スピンドルヘッドの送り量
    およびスピンドルヘッドと加工材料との相対的な傾きを
    初めに大きく、次第に小さく制御することを特徴とする
    請求項記載の研削装置。
  3. 【請求項3】 制御手段が、砥石の加工材料に対する加
    工開始点から加工終了点の間に位置する最深切り込み点
    の砥石中心からの方向と、前記加工開始点と加工終了点
    の加工材料からの高さの差とを入力パラメータとして、
    z軸方向の送り量とx軸回りおよびy軸回りの回転量と
    を算出する手段を備えた請求項または記載の研削装
    置。
  4. 【請求項4】 算出手段がソフトウエアで実現したプロ
    グラムを記録した記録媒体を使用して行うものであるこ
    とを特徴とする請求項に記載の研削装置。
  5. 【請求項5】 請求項からのいずれかに記載の研削
    装置における砥石に代えて、ラップ定盤を使用して加工
    材料との間に研磨剤を供給して研磨を行う研磨装置。
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