JP3472543B2 - 空調用吹出口装置 - Google Patents

空調用吹出口装置

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JP3472543B2
JP3472543B2 JP2000297081A JP2000297081A JP3472543B2 JP 3472543 B2 JP3472543 B2 JP 3472543B2 JP 2000297081 A JP2000297081 A JP 2000297081A JP 2000297081 A JP2000297081 A JP 2000297081A JP 3472543 B2 JP3472543 B2 JP 3472543B2
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豊 中西
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Description

【発明の詳細な説明】
【0001】
【発明の属する技術分野】本発明は、自動車等に好適に
用いられる空調用吹出口装置に関し、特に、空気を拡散
させて吹出すことが可能な空調用吹出口装置の改良に関
する。
【0002】
【従来の技術】拡散吹出し機能を有する空調用吹出口装
置は、たとえば特開平6−211041号公報等により
既に知られており、このものでは、ハウジングに回動自
在に支承される複数の円盤状の軸支体の偏心位置に、各
軸支体に個別に対応したブレードの軸部が回動自在に支
承されており、各軸支体に噛合するラックを操作ノブで
動かして各軸支体を回動することにより、前記各ブレー
ドの軸部を左右に移動させて各ブレードを揺動させるよ
うにしている。
【0003】
【発明が解決しようとする課題】上記従来のものでは、
各軸支体にそれぞれ設けられているピニオンと、ラック
とを噛合させるので、その噛合位置を合わせるために各
軸支体のハウジングへの組付位置精度を高くする必要が
あり、また部品点数も多くなり、組付性に優れていると
は言い難い。
【0004】本発明は、かかる事情に鑑みてなされたも
のであり、部品点数の増加を抑えるとともに組付性を向
上しつつ、拡散吹出し機能を有するように構成した空調
用吹出口装置を提供することを目的とする。
【0005】
【課題を解決するための手段】上記目的を達成するため
に、請求項1記載の発明は、吹出口を有するハウジング
と、前記吹出口に並列配置されるとともに相互に平行な
軸線まわりの回動を可能として前記ハウジングに支承さ
れる複数のブレードと、それらのブレードの配列方向に
沿う中心位置の一側に配列されて組をなす第1組のブレ
ードに共通に連結されるとともに各ブレードの回動軸線
と平行である第1係合軸を有する第1リンク部材と、前
記各ブレードの配列方向に沿う中心位置の他側に配列さ
れて組をなす第2組のブレードに共通に連結されるとと
もに第1係合軸と平行な第2係合軸を有する第2リンク
部材と、第1および第2係合軸をそれぞれ係合せしめる
第1および第2係合凹部を有するとともに拡散位置およ
び非拡散位置間での作動を可能として前記ハウジングに
支承される切換部材と、全ての前記ブレードに共通に連
結される共通リンク部材とを備え、前記第1および第2
係合凹部は、切換部材が非拡散位置に在るときに前記共
通リンク部材で連結された全てのブレードが同一方向に
回動するのに応じた第1および第2係合軸の自由な動き
を許容する自由動許容部と、前記切換部材が拡散位置に
在るときに前記吹出口から吹出される空気が拡散する方
向に前記第1および第2組のブレードを向かせるように
第1および第2係合軸の位置を強制的に定める拡散強制
部とを有して、第1および第2係合軸を係合させるよう
に形成されることを特徴とする。
【0006】このような構成によれば、切換部材を拡散
位置に作動せしると、各ブレードの配列方向に沿う中心
位置の両側にそれぞれ配列される第1および第2組のブ
レードの向きが、吹出口から吹出される空気が拡散する
ように定められることになり、また切換部材を非拡散位
置に作動せしめたときには、相互に平行である全てのブ
レードの向きを自在に変化させることができる。しか
も、空気を拡散させつつ吹出すために新たに必要となる
のは、第1および第2リンク部材、ならびに第1および
第2リンク部材を係合させる切換部材だけであり、部品
点数の増加を極力抑えることができる。さらに第1およ
び第2リンク部材は切換部材の第1および第2係合凹部
に係合されればよいので、組付が容易であり、組付性を
向上することができる。
【0007】また請求項2記載の発明は、上記請求項1
記載の発明の構成に加えて、前記第1および第2係合凹
部は、前記自由動許容部を円弧状に配置するとともに前
記拡散強制部を要の位置とした扇形に形成されることを
特徴とし、かかる構成によれば、第1および第2係合凹
部の形状を単純化することができる。
【0008】請求項3記載の発明は、上記請求項2記載
の発明の構成に加えて、全ての前記ブレードが前記吹出
口からの空気を真っ直ぐ前方に吹出すようにした状態で
第1および第2係合軸が位置する部分の前記自由動許容
部と、前記拡散強制部とを結ぶ溝が前記第1および第2
係合凹部内にそれぞれ形成されることを特徴とし、かか
る構成によれば、切換部材を拡散位置から非拡散位置に
移動させたときには、吹出口からの空気を真っ直ぐ前方
に吹出すように各ブレードの向きが定められることにな
り、切換部材を拡散位置から非拡散位置に移動させたと
きの各ブレードの向きを一定に定めることができる。
【0009】さらに請求項4記載の発明は、上記請求項
1〜3のいずれかに記載の発明の構成に加えて、第1の
合成樹脂の1次射出により成形された前記ハウジングに
設けられた軸孔に嵌合する軸部が、第1の合成樹脂より
も低融点である第2の合成樹脂の前記ハウジング内での
2次射出により形成される前記各ブレードに一体に設け
られることを特徴とし、かかる構成によれば、ハウジン
グおよび各ブレードの2段射出成形が完了した時点で各
ブレードがハウジングに支承された状態となり、組付性
をより一層向上することができる。
【0010】
【発明の実施の形態】以下、本発明の実施の形態を、添
付の図面に示した本発明の一実施例に基づいて説明す
る。
【0011】図1〜図9は本発明の一実施例を示すもの
であり、図1は空調用吹出口装置の一部切欠き斜視図、
図2は空調用吹出口装置の縦断面図であって図3の2−
2線に沿う断面図、図3は切換部材が非拡散位置にある
状態での図2の3−3線断面図、図4は切換部材が非拡
散位置にある状態での図2の4−4線断面図、図5は切
換部材が拡散位置にある状態での図3に対応した断面
図、図6は切換部材が拡散位置にある状態での図4に対
応した断面図、図7は切換部材の平面図、図8は第1お
よび第2リンク部材を切換部材に係合させた状態を示す
斜視図、図9は図4の9矢視部拡大横断面図である。
【0012】先ず図1〜図4において、この空調用吹出
口装置のハウジング11は、前端を吹出口12として開
放するとともに後端も開放して矩形の筒状に形成され、
外側方に張出す鍔部11aがハウジング11の前端全周
に一体に設けられる。このハウジング11は、その後端
開放部を空調装置の送風ダクトに接続するようにして、
たとえば乗用車両のインストルメントパネルに取付けら
れる。
【0013】ハウジング11には、上下方向に並んで吹
出口12に配置される複数のブレード13,13…が支
承される。すなわち各ブレード13,13…が左右両端
に一体に備える軸部14,14…が、ハウジング11に
設けられている軸孔15,15…にそれぞれ嵌合される
ことで、各ブレード13,13…がハウジング11に支
承される。
【0014】また各ブレード13,13…よりも後方側
の吹出口12には、複数たとえば7つの同一形状のブレ
ードが横方向に並ぶように配置されるが、これらのブレ
ードには、説明の都合上、相互に異なる3つの符号16
C,16L,16Rを付すことにする。すなわち吹出口
12の横方向中央部に配置される1つのブレードには1
6Cを、また前記吹出口12を正面から見て前記ブレー
ド16Cの左側に配列される複数たとえば3つのブレー
ドには16Lを、さらに前記吹出口12を正面から見て
前記ブレード16Cの右側に配列される複数たとえば3
つのブレードには16Rをそれぞれ付すことにする。
【0015】前記各ブレード16C,16L…,16R
…もハウジング11に支承されるものであり、各ブレー
ド16C,16L…,16R…が上下両端部にそれぞれ
備える軸部17,17…が、ハウジング11に設けられ
ている軸孔18,18…にそれぞれ嵌合されることで、
各ブレード16C,16L…,16R…がハウジング1
1に支承される。
【0016】ところで、ハウジング11は、たとえばA
BS樹脂等の第1の合成樹脂により形成されるのに対
し、前記各ブレード13,13…,16C,16L…,
16R…は、第1の合成樹脂よりも低融点である第2の
合成樹脂たとえばポリプロピレン樹脂により形成される
ものであり、第1の合成樹脂の1次射出により成形され
たハウジング11に設けられた軸孔15,15…;1
8,18…に嵌合する軸部14,14…;17,17…
が、第1の合成樹脂よりも低融点である第2の合成樹脂
のハウジング11内での2次射出により形成されるブレ
ード13,13…,16C,16L…,16R…に一体
に設けられる。
【0017】すなわちハウジング11およびブレード1
3,13…,16C,16L…,16R…は、2段射出
成形方法により成形されることになり、ブレード13,
13…,16C,16L…,16R…を形成する合成樹
脂が、ハウジング11を形成する合成樹脂よりも低融点
であることから、ブレード13,13…,16C,16
L…,16R…およびハウジング11の接触部が融着す
ることはない。むしろ2次出成形後の熱収縮により、各
ブレード13,13…,16C,16L…,16R…の
軸部14,14…,17,17…が、ハウジング11に
おける軸孔15,15…,18,18…の内面から剥離
し、軸部14,14…,17,17…の外面および軸孔
15,15…,18,18…の内面が適度に摩擦接触す
ることになる。
【0018】ところで、前記ブレード13,13…,1
6C,16L…,16R…のうち、吹出口12の内方側
で横方向に配列されたブレード16C,16L…,16
R…の向きが、本発明に従う構成により変更されるもの
であり、ブレード16C,16L…,16R…の配列方
向に沿う中心位置すなわちブレード16Cの左側に3つ
配列されて組をなす第1組のブレード16L…に共通に
第1リンク部材19が連結され、前記各ブレード16
C,16L…,16R…の配列方向に沿う中心位置すな
わちブレード16Cの右側に3つ配列されて組をなす第
2組のブレード16R…に第2リンク部材20が共通に
連結される。しかも第1および第2リンク部材19,2
0は、ハウジング11に支承された切換部材21に係合
され、ブレード16C,16L…,16R…の全てに
は、共通リンク部材22が共通に連結される。
【0019】ブレード16L…,16R…の後方側下部
側面には、上下に間隔をあけた一対の突部23,24…
がそれぞれ一体に突設されており、それらの突部23,
24…間には、上下に延びるリンク軸25…がそれぞれ
設けられる。一方、第1および第2リンク部材19,2
0には、ブレード16L…,16R…の前記リンク軸2
5…に後方側から弾発嵌合する略C字状の嵌合部19a
…,20a…が3つずつ設けられており、それらの嵌合
部19a…,20a…を対応の前記リンク軸25…に嵌
合することにより、3つのブレード16L…に第1リン
ク部材19が連結され、3つのブレード19R…に第2
リンク部材20が連結される。
【0020】各ブレード16C,16L…,16R…の
後方側上部側面には突部26…がそれぞれ一体に設けら
れており、各突部26…上に共通リンク部材22が載せ
られる。しかも共通リンク部材22において、ブレード
16L…,16R…の各突部26…に対応する部分には
長孔状の連結孔27…が設けられており、ブレード16
Cの突部26に対応する部分には円形の連結孔28が設
けられる。一方、ブレード16C,16L…,16R…
の各突部26…にはリンク軸29…が一体に設けられて
おり、それらのリンク軸29…は、対応の連結孔27
…,28に挿通される。これによりブレード16C,1
6L…,16R…の全てに共通リンク部材22が共通に
連結される。
【0021】第1および第2リンク部材19,20に
は、各ブレード16C,16L…,16R…の回動軸線
と平行である第1係合軸31,32が、ハウジング11
の底部に設けられた一対の挿通孔33…を貫通してハウ
ジング11の下方に突出するようにして一体に設けられ
ており、各挿通孔33…は、第1および第2リンク部材
19,20の作動に応じた第1および第2係合軸31,
32の動きを規制することがないように形成される。
【0022】切換部材21は、ハウジング11の下方に
配置されており、各ブレード16C,16L…,16R
…の回動軸線と平行な軸線を有する支持孔35が切換部
材21に設けられ、その支持孔35に嵌合してハウジン
グ11の下部に固定される支軸34により、図3および
図4で示す非拡散位置と、図5および図6で示す拡散位
置との間での回動作動を可能としてハウジング11に支
承される。
【0023】切換部材21の一部は、ハウジング11が
備える鍔部11aの下部に設けられたスリット36を貫
通してハウジング11の前方側に突出されており、ハウ
ジング11から前方に突出した部分で切換部材21に
は、該切換部材21を非拡散位置および拡散位置間での
回動操作するための摘み部21aが設けられる。
【0024】図7および図8を併せて参照して、切換部
材21の上面には、第1および第2係合軸31,32を
それぞれ係合される第1および第2係合凹部38,39
が設けられる。
【0025】第1および第2係合凹部38,39は、切
換部材21が図3および図4で示す非拡散位置に在ると
きに共通リンク部材22で連結された全てのブレード1
6C,16L,16Rが同一方向に回動するのに応じた
第1および第2係合軸31,32の自由な動きを許容す
る自由動許容部38a,39aと、切換部材21が図5
および図6で示す拡散位置に在るときに吹出口12から
吹出される空気が拡散する方向に第1および第2組のブ
レード16L…,16R…を向かせるように第1および
第2係合軸31,32の位置を強制的に定める拡散強制
部38b,39bとを有するものであり、自由動許容部
38a,39aを円弧状に配置するとともに拡散強制部
38b,39bを要の位置とした扇形に形成される。
【0026】しかも第1および第2係合部38,39内
には、全てのブレード16C,16L…,16R…が吹
出口12からの空気を真っ直ぐ前方に吹出すようにした
状態で第1および第2係合軸31,32が位置する部分
の自由動許容部38a,39aと、前記拡散強制部38
b,39bとを結ぶ溝38c,39cとが形成されてお
り、各溝38c,39cの両側で第1および第2係合部
38,39は、自由動許容部38a,39aから拡散強
制部38b,39b側に向かうにつれた高くなる斜面と
して形成される。これにより切換部材21を非拡散位置
から拡散位置に移動させたときには、第1および第2係
合軸31,32が自由動許容部38a,39aのいずれ
の位置にあっても第1および第2係合軸31,32を拡
散強制部38b,39bに直ちに移動させることがで
き、また切換部材21を拡散位置から非拡散位置に移動
させたときには、第1および第2係合軸31,32が溝
38c,39cを通って自由動許容部38a,39aに
案内されるので、吹出口12からの空気を真っ直ぐ前方
に吹出すように各ブレード16C,16L…,16R…
の向きが定められることになり、切換部材21を拡散位
置から非拡散位置に移動させたときの各ブレード16
C,16L…,16R…の向きを一定に定めることがで
きる。
【0027】ところで、切換部材21が非拡散位置に在
るときに、全てのブレード16C,16L…,16R…
を同一方向に向かせるように回動するために、各ブレー
ド16C,16L…,16R…の1つ、たとえばブレー
ド16Cには、吹出口12まで延びる操作部40が連設
されており、この操作部40を操作することで、共通リ
ンク部材22で共通に連結されたブレード16C,16
L…,16R…が同一方向に向くように回動する。
【0028】而して共通リンク部材22は、切換部材2
1が非拡散位置にあるときには、図4で示すように、吹
出口12からの空気を真っ直ぐ前方に吹出す方向に向き
を定められた各ブレード16C,16L…,16R…に
対して直交して水平方向に延びた姿勢にあり、操作部4
0の操作によるブレード16cの回動に応じて長手方向
に作動して他の16L…,16R…をブレード16Cと
同一方向に回動させることになる。
【0029】この際、各ブレード16L…,16R…の
突部26…に設けられたリンク軸29…は、共通リンク
部材22に設けられている長孔状の連結孔27…のいず
れか一方側の端部に位置しており、共通リンク部材22
の長手方向の移動時に各リンク軸29…の共通リンク部
材22への連結状態を維持するために、図9で示すよう
に、各連結孔27…の両側には、切換部材21が非拡散
位置にある状態でリンク軸29…を連結孔27…のいず
れか一方側の端部との間で保持する突部27a,27a
がそれぞれ突設されている。
【0030】また切換部材21が拡散位置となったとき
には、第1および第2リンク部材19,20により、左
右のブレード16L…,16R…が相互に反対側に向く
のに応じて、前記連結孔27…の両側の突部27a,2
7aを各リンク軸29…は乗越えて連結孔27…内を移
動し、図6で示すように、ブレード16Cが備えるリン
ク軸29の軸線まわりに共通リンク部材22が回動す
る。
【0031】次にこの実施例の作用について説明する
と、ハウジング11の吹出口12に並列配置されるとと
もに相互に平行な軸線まわりの回動を可能としてハウジ
ング11に支承される複数のブレード16C,16L
…,16…のうち、それらのブレード16C,16L
…,16…の配列方向に沿う中心位置の左側に配列され
て組をなす第1組のブレード16L…に第1リンク部材
19が共通に連結され、各ブレード16C,16L…,
16…の配列方向に沿う中心位置の右側に配列されて組
をなす第2組のブレード16R…に第2リンク部材20
が共通に連結される。しかも第1および第2リンク部材
19,20がそれぞれ備える第1および第2係合軸3
1,32を係合せしめる第1および第2係合凹部38,
39が、拡散位置および非拡散位置間での回動作動を可
能としてハウジング11に支承される切換部材21に設
けられており、第1および第2係合凹部38,39は、
切換部材21が非拡散位置に在るときに全てのブレード
16C,16L…,16R…が同一方向に回動するのに
応じた第1および第2係合軸31,32の自由な動きを
許容する自由動許容部38a,39aと、切換部材21
が拡散位置に在るときに吹出口12から吹出される空気
が拡散する方向に第1および第2組のブレード16L…
16R…を向かせるように第1および第2係合軸31,
32の位置を強制的に定める拡散強制部38b,39b
とを有するものである。
【0032】したがって切換部材21を拡散位置に作動
せしると、第1および第2組のブレード16L…,16
R…の向きが、吹出口12から吹出される空気が拡散す
るように定められることになり、また切換部材21を非
拡散位置に作動せしめたときには、相互に平行である全
てのブレード16C,16L…,16R…の向きを自在
に変化させることができる。しかも、空気を拡散させつ
つ吹出すために新たに必要となるのは、第1および第2
リンク部材19,20、ならびに第1および第2リンク
部材19,20を係合させる切換部材21だけであり、
部品点数の増加を極力抑えることができる。さらに第1
および第2リンク部材19,20は切換部材21の第1
および第2係合凹部38,39に係合されればよいの
で、組付が容易であり、組付性を向上することができ
る。
【0033】第1および第2係合凹部38,39は、自
由動許容部38a,39aを円弧状に配置するとともに
拡散強制部38b,39bを要の位置とした扇形に形成
されて切換部材22に設けられており、第1および第2
係合凹部38,39の形状を単純化することができる。
【0034】さらに第1および第2係合凹部38,39
内には、全ての前記ブレード16C,16L…,16R
…が吹出口12からの空気を真っ直ぐ前方に吹出すよう
にした状態で第1および第2係合軸31,32が位置す
る部分の自由動許容部38a,39aと、拡散強制部3
8b,39bとを結ぶ溝38c,39cとがそれぞれ形
成されており、切換部材21を拡散位置から非拡散位置
に移動させたときには、拡散強制部38b,39bに在
った第1および第2係合軸31,32が前記溝38c,
39cで案内されて自由動許容部38a,39a側に強
制的に移動せしめられる。この第1および第2係合軸3
1,32の移動により、ブレード16L…,16R…
は、それらのブレード16L…,16R…に設けられた
リンク軸29…が共通リンク部材22の連結孔27…内
で突起27a,27a…を強制的に乗越えるように移動
させつつ、非拡散位置に回動することになる。これによ
り吹出口12からの空気を真っ直ぐ前方に吹出すように
各ブレード16C,16L…,16R…の向きが定めら
れることになり、切換部材21を拡散位置から非拡散位
置に移動させたときの各ブレード16C,16L…,1
6R…の向きを一定に定めることができる。
【0035】しかも第1の合成樹脂の1次射出により成
形されたハウジング11に設けられた軸孔15…,18
…に嵌合する軸部14…,17…が、第1の合成樹脂よ
りも低融点である第2の合成樹脂のハウジング11内で
の2次射出により形成される各ブレード13…,16
c,16L…,16R…に一体に設けられるので、ハウ
ジング11および各ブレード13…,16c,16L
…,16R…の2段射出成形が完了した時点で各ブレー
ド13…,16c,16L…,16R…がハウジング1
1に支承された状態となり、組付性をより一層向上する
ことができる。
【0036】以上、本発明の実施例を説明したが、本発
明は上記実施例に限定されるものではなく、特許請求の
範囲に記載された本発明を逸脱することなく種々の設計
変更を行うことが可能である。
【0037】
【発明の効果】以上のように請求項1記載の発明によれ
ば、部品点数の増加を極力抑えつつ、吹出口から吹出さ
れる空気が拡散するようにブレードを回動することがで
き、しかも組付性を向上することができる。
【0038】また請求項2記載の発明によれば、第1お
よび第2係合凹部の形状を単純化することができる。
【0039】請求項3記載の発明によれば、切換部材を
拡散位置から非拡散位置に移動させたときの各ブレード
の向きを一定に定めることができる。
【0040】さらに請求項4記載の発明によれば、ハウ
ジングおよび各ブレードの2段射出成形が完了した時点
で各ブレードがハウジングに支承された状態となり、組
付性をより一層向上することができる。
【図面の簡単な説明】
【図1】空調用吹出口装置の一部切欠き斜視図である。
【図2】空調用吹出口装置の縦断面図であって図3の2
−2線に沿う断面図である。
【図3】切換部材が非拡散位置にある状態での図2の3
−3線断面図である。
【図4】切換部材が非拡散位置にある状態での図2の4
−4線断面図である。
【図5】切換部材が拡散位置にある状態での図3に対応
した断面図である。
【図6】切換部材が拡散位置にある状態での図4に対応
した断面図である。
【図7】切換部材の平面図である。
【図8】第1および第2リンク部材を切換部材に係合さ
せた状態を示す斜視図である。
【図9】図4の9矢視部拡大横断面図である。
【符号の説明】
11・・・ハウジング 12・・・吹出口 16C,16L,16R・・・ブレード 17・・・軸部 18・・・軸孔 19・・・第1リンク部材 20・・・第2リンク部材 21・・・切換部材 22・・・共通リンク部材 31・・・第1係合軸 32・・・第2係合軸 38・・・第1係合凹部 39・・・第2係合凹部 38a,39a・・・自由動許容部 38b,39b・・・拡散強制部 38c,39c・・・溝
───────────────────────────────────────────────────── フロントページの続き (56)参考文献 特開 平8−197940(JP,A) 特開 平3−213316(JP,A) 実開 昭62−17750(JP,U) 実開 平5−40007(JP,U) 実開 昭63−147650(JP,U) 特公 昭59−48745(JP,B1) (58)調査した分野(Int.Cl.7,DB名) B60H 1/34 611

Claims (4)

    (57)【特許請求の範囲】
  1. 【請求項1】 吹出口(12)を有するハウジング(1
    1)と、前記吹出口(12)に並列配置されるとともに
    相互に平行な軸線まわりの回動を可能として前記ハウジ
    ング(11)に支承される複数のブレード(16C,1
    6L,16R)と、それらのブレード(16C,16
    L,16R)の配列方向に沿う中心位置の一側に配列さ
    れて組をなす第1組のブレード(16L)に共通に連結
    されるとともに各ブレード(16C,16L,16R)
    の回動軸線と平行である第1係合軸(31)を有する第
    1リンク部材(19)と、前記各ブレード(16C,1
    6L,16R)の配列方向に沿う中心位置の他側に配列
    されて組をなす第2組のブレード(16R)に共通に連
    結されるとともに第1係合軸(31)と平行な第2係合
    軸(32)を有する第2リンク部材(20)と、第1お
    よび第2係合軸(31,32)をそれぞれ係合せしめる
    第1および第2係合凹部(38,39)を有するととも
    に拡散位置および非拡散位置間での作動を可能として前
    記ハウジング(11)に支承される切換部材(21)
    と、全ての前記ブレード(16C,16L,16R)に
    共通に連結される共通リンク部材(22)とを備え、前
    記第1および第2係合凹部(38,39)は、切換部材
    (21)が非拡散位置に在るときに前記共通リンク部材
    (22)で連結された全てのブレード(16C,16
    L,16R)が同一方向に回動するのに応じた第1およ
    び第2係合軸(31,32)の自由な動きを許容する自
    由動許容部(38a,39a)と、前記切換部材(2
    1)が拡散位置に在るときに前記吹出口(12)から吹
    出される空気が拡散する方向に前記第1および第2組の
    ブレード(16L,16R)を向かせるように第1およ
    び第2係合軸(31,32)の位置を強制的に定める拡
    散強制部(38b,39b)とを有して、第1および第
    2係合軸(31,32)を係合させるように形成される
    ことを特徴とする空調用吹出口装置。
  2. 【請求項2】 前記第1および第2係合凹部(38,3
    9)は、前記自由動許容部(38a,39a)を円弧状
    に配置するとともに前記拡散強制部(38b,39b)
    を要の位置とした扇形に形成されることを特徴とする請
    求項1記載の空調用吹出口装置。
  3. 【請求項3】 全ての前記ブレード(16C,16L,
    16R)が前記吹出口(12)からの空気を真っ直ぐ前
    方に吹出すようにした状態で第1および第2係合軸(3
    1,32)が位置する部分の前記自由動許容部(38
    a,39a)と、前記拡散強制部(38b,39b)と
    を結ぶ溝(38c,39c)が前記第1および第2係合
    凹部(38,39)内にそれぞれ形成されることを特徴
    とする請求項2記載の空調用吹出口装置。
  4. 【請求項4】 第1の合成樹脂の1次射出により成形さ
    れた前記ハウジング(11)に設けられた軸孔(18)
    に嵌合する軸部(17)が、第1の合成樹脂よりも低融
    点である第2の合成樹脂の前記ハウジング(11)内で
    の2次射出により形成される前記各ブレード(16C,
    16L,16R)に一体に設けられることを特徴とする
    請求項1〜3のいずれかに記載の空調用吹出口装置。
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