JP3470672B2 - 電気二重層コンデンサ及びその製造方法 - Google Patents

電気二重層コンデンサ及びその製造方法

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Description

【発明の詳細な説明】
【0001】
【発明の属する技術分野】本発明は、電気二重層コンデ
ンサ及びその製造方法に関するものであり、特に、ラミ
ネート材を外装部材とする電気二重層コンデンサ及びそ
の製造方法に関する。
【0002】
【従来の技術】電気二重層コンデンサは、電荷の蓄積に
分極性電極と電解液の界面に生じる電気二重層を利用し
たコンデンサであり、この電気二重層の厚さが数ナノメ
ートルと非常に小さく、かつ、活性炭のような表面積の
大きな材料が分極性電極に用いられることによって、大
容量化を実現してきた。
【0003】また、電気二重層コンデンサは、構成材料
に重金属などの有害物質を使用していないことから環境
汚染の危険性がなく、さらに、二次電池のように化学反
応を伴わないことから充放電のサイクル寿命に優れてい
るといった特徴がある。このため、電気二重層コンデン
サは、二次電池の代替デバイスとして、マイコンやメモ
リなどのバックアップ電源として広く用いられるように
なった。
【0004】さらにまた、電気二重層コンデンサは、特
許第2054380号や特開昭57−60828号にお
いて開示されているように、アルミニウム箔を用いた分
極性電極により大容量・低抵抗化が可能となり、例え
ば、エンジンとモータとを併用するハイブリッド自動車
や電気自動車などのエネルギー回生,太陽光発電や風力
発電などの発電変動の緩和,瞬時停電などのバックアッ
プ電源,モータ起動時のラッシュ電流供給及び燃料電池
における負荷変動の緩和などの大きなパワーを必要とす
る用途にも用いられるようになってきた。
【0005】これらの用途において、電気二重層コンデ
ンサは、大きな電力を数秒間で充放電しなければならな
いため低抵抗である必要があり、また、配置スペースの
制約から小型化・薄形化が望まれている。
【0006】ここで、電気二重層コンデンサは、電解液
が、硫酸や水酸化カリウムのような水溶液系と、プロピ
レンカーボネートなどの有機溶媒および4級アンモニウ
ム塩などの電解質を使用する有機系とに分類され、いず
れの種類の電解液を使用するかによって、電気特性、構
成材料、構造などが大きく異なる。
【0007】例えば、電気二重層コンデンサの耐電圧
は、使用される電解液の電気分解能力によって制限され
るため、水溶液系電解液を使用する場合には約1Vとな
り、有機系電解液を使用する場合には約2.3〜3.3
Vとなる。このため、電気二重層コンデンサは、有機系
電解液を使用する方が大きなエネルギーを蓄積でき、小
型化・薄形化が可能となる。
【0008】また、有機系電解液の比抵抗が約100Ω
・cmであるのに対し、水溶液系電解液の比抵抗は約1
Ω・cmである。したがって、電気二重層コンデンサ
は、水溶液系電解液を使用する方が電解液の比抵抗が小
さくなり、コンデンサの内部抵抗を低くすることができ
る。
【0009】さらにまた、有機系電解液を使用した場合
には、アルミニウムなどの廉価な金属を使用できるが、
水溶液系電解液を使用した場合には、廉価な金属を使用
できない。したがって、電気二重層コンデンサは、有機
系電解液を使用した場合には、アルミ箔を集電体として
分極性電極を捲く捲回型やステンレス製のコインセル構
造などが採用されているが、水溶液系電解液を使用した
場合には、ゴムやプラスチック材料を基本として構成さ
れた積層構造が採用される。
【0010】次に、各従来例における電気二重層コンデ
ンサについて、図面を参照して説明する。 <第一従来例>図4は、水溶液系電解液を使用した第一
従来例における電気二重層コンデンサの概略拡大断面図
を示している。
【0011】同図において、電気二重層コンデンサは、
分極性電極2と集電体3とセパレータ4からなる基本セ
ル6がガスケット5を介して積層された積層体7と、こ
の積層体7を積層方向から挟む二枚の端子板8と、絶縁
ブッシュ9を介して、端子板8を締め付けるボルト10
およびナット11とで構成してある。
【0012】ここで、分極性電極2は、表面積が大きく
導電性があり、かつ、電気化学的に安定な材料が用いら
れており、電解液が含浸されている。一般的に、分極性
電極2の材料は、比表面積が約500m/gから約2
500m/gの活性炭粉末若しくは活性炭繊維、又は
フッ素系などのバインダ材で結合した活性炭粉末若しく
は活性炭繊維、又は特公平7−70448号において開
示された炭素で結合した固形状活性炭、又は活性炭粉末
及び/又は活性炭繊維をポリアセンで結合した活性炭/
ポリアセン複合材料である。
【0013】集電体3は、分極性電極2と外部とを電気
的に接続するとともに、電解液の漏れを防ぐためのもの
で、カーボンなどを添加して導電性を付与したブチルゴ
ムやエラストマーが使用される。また、一般的に、集電
体3は、厚さが約500μm以下であり、比抵抗が約1
0Ω・cm以下である。
【0014】セパレータ4は、一対の分極性電極2が接
触により短絡するのを防ぐとともに、電解質イオンを通
すためのもので、電解液が含浸された不織布や多孔質フ
ィルムが使用される。また、セパレータ4の材質は、ポ
リプロピレンやポリエチレンなどのプラスチックである
場合には、親水性を持たせるために、界面活性剤やシリ
カが添加されている。
【0015】ガスケット5は、一対の集電体2間の接触
による短絡と電解液の漏れを防ぎ、形状を維持するため
の構造材であり、プラスチック,ブチルゴム又はエラス
トマーなどが用いられる。
【0016】ここで、ガスケット5は、材質がプラスチ
ックである場合には、エポキシ接着剤などで集電体2と
接着される。また、ガスケット5は、材質がゴムやエラ
ストマーの場合には、特開昭60−216527号にお
いて開示されているように、100〜130℃で加硫さ
せることにより集電体2と結合させることもできる。
【0017】電気二重層コンデンサは、上述したように
耐電圧が電解液の電気分解によって制限されるため、使
用する電圧が高い場合には、基本セル6を直列に接続す
ることにより、耐電圧を上げることができる。
【0018】このような電気二重層コンデンサの構造と
しては、基本セル6を単純に積み重ねる構造と、特開平
6−005467号において開示されているように、基
本セル間の集電体を共用化したバイポーラ構造がある。
また、バイポーラ構造における基本セル6は、構成材料
間の接触抵抗を低減するために、外部より圧力を加え、
かしめやボルトなどで圧力を保持する構造としてあり、
特に、ボルトなどを用いる場合には、電気二重層コンデ
ンサが厚くなるといった短所があった。
【0019】この短所を改善し薄型化の要望に応えるた
めに、近年、電気二重層コンデンサの外装構造におい
て、ラミネート外装が用いられるようになってきた。次
に、このラミネート外装を有する電気二重層コンデンサ
について、図面を参照して説明する。 <第二従来例>図5は、第二従来例における電気二重層
コンデンサの概略拡大断面図を示している。
【0020】同図において、電気二重層コンデンサは、
積層体7と、この積層体7の両面を挟む端子板8と、周
辺部が溶融された融着層1c/アルミニウムまたはアル
ミニウム合金の箔1b/樹脂層1aからなるラミネート
フィルム1とからなっており、積層体7および端子板8
の側面に空隙12が生じ、特に、外部接続端子8a付近
に、大きな空隙12が生じる。
【0021】ここで、一般的に、ラミネート外装が用い
られる電気二重層コンデンサは、端子板8の付いた基本
セル(基本セルの積層体7を含む。)が、二つ折りにし
た長方形のラミネート材で挟まれ、この挟まれた空間を
真空に引きながら、ラミネート材の三辺が融着された構
造としてある(ただし、空隙12が発生する。)。この
ため、電気二重層コンデンサは、大気圧で積層体7を加
圧して電気特性を一定に保つことができる。
【0022】つまり、直接液体を封止する二次電池にお
いては、交換するまでの期間(一般的に、数年。)だ
け、液漏れを防ぐ程度の封止性があれば足りるのに対
し、電気二重層コンデンサにおいては、積層体を大気圧
によって、加圧することにより電気特性を安定化させて
いるので、気体の浸入は致命的であることから、ラミネ
ート材には、高度の封止性が必要とされる。
【0023】このラミネート材は、液体の封止性に優
れ、かつ、薄膜として製作可能なことから、電気化学部
品への応用が検討され、アルミ電解コンデンサ(例え
ば、特開昭56−049513号,特開昭59−051
512号及び特開昭60−213016号に記載されて
いる。)や電気二重層コンデンサ(例えば、特開平02
−094619号に記載されている。)などに採用さて
いる。
【0024】また、このようなラミネート材は、製造プ
ロセスが簡単で、コスト削減にも寄与するという特徴が
あり、さらに、電気二重層コンデンサにとっては、減圧
下で基本セルを封止する際に大気圧によって素子に加圧
が可能であり、構成材料間の接触抵抗を低減できるとい
った効果があった。
【0025】このラミネート材は、具体的には、厚さが
10〜100μmのアルミニウム箔またはアルミニウム
合金の箔の両側に、数十μmの樹脂フィルムが接着され
ており、内側の融着面には、一般的に、ポリエチレン樹
脂,エチレン共重合樹脂又はポリプロピレン樹脂などの
ポリオレフィン樹脂を使用している。
【0026】また、特に、ヒートシール性や金属との接
着性に優れた樹脂として、ポリプロピレン樹脂やエチレ
ン共重合樹脂の一種であるアイオノマー樹脂などが用い
られている。さらにまた、電気化学部品に用いられるラ
ミネート材は、一般的には、三層構造であるが、短絡防
止などを目的として四層以上の構造としたものもある。
【0027】このように、電気二重層コンデンサは、構
成部材の接触抵抗を低減するために外部より圧力を印加
して保持する機構が必要であり、かしめやボルトなどの
機械的な機構で加圧・保持を行なうため、形状が大きく
なり重量も重くなるという短所があったが、ラミネート
材で外装することで大気圧による加圧が可能となり、薄
形化・軽量化を行なうことができた。
【0028】
【発明が解決しようとする課題】ところが、従来技術に
おけるラミネート材を用いた電気二重層コンデンサは、
大気圧による加圧で電気特性を一定に保つため、気体の
浸入は致命的であるにもかかわらず、ラミネート材の融
着面、特に、端子取り出し部分の封止性が難しく、この
ため、封止の信頼性が低下し結果的に電気特性の長期安
定性に欠けるという問題があった。
【0029】本発明は、上記の問題を解決すべくなされ
たものであり、特に、ラミネート外装において封止性の
長期安定化を行なうことにより、薄形化・軽量化され、
かつ、電気特性を長期間安定に保つことの可能な電気二
重層コンデンサ及びその製造方法の提供を目的とする。
【0030】
【課題を解決するための手段】上記目的を達成するため
に、本発明における請求項1記載の電気二重層コンデン
サは、セパレータ,このセパレータを挟んで積層された
一対の分極性電極,これらの分極性電極を挟んで積層さ
れた一対の集電体,前記セパレータの側面を囲うように
配設されたガスケット及び前記分極性電極に含浸された
電解液からなる基本セルと、この基本セルと電気的に接
続された端子部材と、ラミネート材からなる外装部材と
を備えた電気二重層コンデンサにおいて、前記ラミネー
ト材の、前記基本セルと前記端子部材の全面に接着した
内側融着層を熱溶融して、前記基本セルの電解液を封止
した構成としてある。
【0031】このように、ラミネート材の融着層の全体
が、融着層同士あるいは電気二重層コンデンサの内装部
品と接着することにより、接着強度を向上させることが
でき、結果的に、外気の侵入を効果的に防止し、電気特
性などの信頼性を向上させることができる。
【0032】請求項2記載の発明は、上記請求項1記載
の電気二重層コンデンサにおいて、前記融着層が、前記
基本セルおよび端子部材と密着した構成としてある。
【0033】このようにすると、特に、電気二重層コン
デンサの内装部品と融着層の間に空隙が存在しないの
で、外気が電解液まで侵入することを効果的に防止する
ことができる。
【0034】請求項3記載の発明は、上記請求項1又は
2に記載の電気二重層コンデンサにおいて、前記融着層
の材料が、ポリエチレン樹脂,エチレン共重合樹脂又は
ポリプロピレン樹脂の少なくともいずれか一つの原料か
らなる構成としてある。
【0035】このように、融着性に優れるポリエチレン
樹脂,エチレン共重合樹脂又はポリプロピレン樹脂を用
いることにより、外気の侵入を効果的に防止することが
できる。
【0036】請求項4記載の発明は、上記請求項1〜3
のいずれかに記載の電気二重層コンデンサにおいて、前
記外装部材が、前記ラミネート材と、剛体及び/又は弾
性体からなる構成としてある。
【0037】このように、外装部材の一部として、剛体
及び/又は弾性体からなる外装部材を用いることによっ
て、外力や衝撃に対する電気二重層コンデンサの強度を
向上させることができる。また、剛体及び/又は弾性体
の形状は、仕様に応じて自在に対応可能であることは勿
論である。
【0038】請求項5記載の発明は、上記請求項4に記
載の電気二重層コンデンサにおいて、前記剛体及び/又
は弾性体が、取り付け手段を有する構成としてある。
【0039】このように、外装部材に取り付け手段、例
えば、ねじ穴や係止部などを設けることにより、電気二
重層コンデンサを容易にかつ強固に固定することができ
る。
【0040】請求項6記載の発明は、上記請求項4又は
5に記載の電気二重層コンデンサにおいて、前記剛体及
び/又は弾性体が、電気的接続手段及び/又は電気的配
線手段を有する構成としてある。
【0041】このように、外装部材に電気的機能を持た
せることにより、例えば、半田などをメッキした外部端
子を外装部材に設けた場合は、電気二重層コンデンサを
基板などに直接半田付けすることが可能となり、小型
化、製造工程の改善、設計の自由度拡大などの効果を得
ることができる。
【0042】請求項7記載の発明は、上記請求項4〜6
のいずれかに記載の電気二重層コンデンサにおいて、二
組以上の前記基本セルあるいは基本セルの積層体が、前
記剛体及び/又は弾性体に配設された構成としてある。
【0043】このようにすることにより、剛体及び/又
は弾性体を共用化することができるので、小型化・軽量
化を行うことができるとともに、例えば、異なる仕様の
電気二重層コンデンサを配設することもでき、付加価値
を向上させることができる。
【0044】本発明における請求項8記載の電気二重層
コンデンサの製造方法の発明は、セパレータ,このセパ
レータを挟んで積層された一対の分極性電極,これらの
分極性電極を挟んで積層された一対の集電体,前記セパ
レータの側面を囲うように配設されたガスケット及び前
記分極性電極に含浸された電解液からなる基本セルと、
この基本セルと電気的に接続された端子部材と、融着層
を含むラミネート材を有する外装部材とを備えた電気二
重層コンデンサの製造方法において、前記ラミネート材
の融着層を、当該融着層の軟化点温度以上の流体を用い
た等圧プレスによって、前記基本セルおよび端子部材と
接着させる工程を有する方法としてある。
【0045】このように、本発明は、電気二重層コンデ
ンサの駆動方法としても有効であり、融着層の軟化点温
度以上に保持した流体により等圧プレスを行うことで、
ラミネート材の融着層を全体的に溶融するので、接着強
度を向上させることができ、結果的に、外気の侵入を効
果的に防止し、電気特性などの信頼性を向上させること
ができる。
【0046】請求項9記載の発明は、上記請求項8に記
載の電気二重層コンデンサの製造方法において、前記融
着層として、材料がポリエチレン樹脂,エチレン共重合
樹脂又はポリプロピレン樹脂の少なくともいずれか一つ
の原料からなり、かつ、前記基本セルおよび端子部材と
接着する前における状態の厚さが100μm以上のフィ
ルムを用いた方法としてある。
【0047】このように、一定の厚さ以上の融着層を用
いることによって、電気二重層コンデンサの電気的特性
の信頼性を向上させることができる。
【0048】請求項10記載の発明は、上記請求項8又
は9に記載の電気二重層コンデンサの製造方法におい
て、前記等圧プレスを行なう工程の前に、前記セパレー
タ,前記分極性電極,前記集電体,前記ガスケット及び
前記電解液を一体形成する工程を有する方法としてあ
る。
【0049】このように、分極性電極,集電体,ガスケ
ット及び電解液からなる基本セルを一体成形することに
より、等圧プレスを行なう工程における基本セルのハン
ドリング性を向上させることができる。
【0050】請求項11記載の発明は、上記請求項8〜
10のいずれかに記載の電気二重層コンデンサの製造方
法において、前記等圧プレスを行なう工程において、等
圧プレスを行なう前記基本セル,端子部材及び外装部材
を、内部を真空状態とした袋に密閉して、前記等圧プレ
スを行なう方法としてある。
【0051】このようにすると、特に、電気二重層コン
デンサの複雑な形状の内装部品に対しても等方的に圧力
が加わるため、空隙を小さくかつ少なくすることがで
き、外気が電解液まで侵入することを効果的に防止する
ことができる。
【0052】
【発明の実施の形態】以下、本発明に係る電気二重層コ
ンデンサ及びその製造方法について、図面を参照して説
明する。先ず、本発明の電気二重層コンデンサに係る第
一実施形態について説明する。
【0053】「第一実施形態」図1は、電気二重層コン
デンサの発明に係る第一実施形態の概略拡大断面図を示
している。同図において、電気二重層コンデンサは、積
層体7と、この積層体7の両面を挟む端子板8と、この
積層体7および端子板8に隙間なく溶融された融着層1
cを有するラミネートフィルム1とからなっている。
【0054】ここで、積層体7は、図示してないが、セ
パレータ,このセパレータを挟んで積層された一対の分
極性電極,これらの分極性電極を挟んで積層された一対
の集電体,セパレータの側面を囲うように配設されたガ
スケット及び分極性電極に含浸された電解液からなる基
本セルを、必要とする耐電圧に対応できるように積層し
てある。この積層体7の両面を挟むように、端子板8が
配設されており、この端子板8は、側面に外部接続端子
8aが突設してある。なお、この外部接続端子8aは、
同図に示した形状および突設位置に限定されるものでは
ない。
【0055】ラミネートフィルム1は、融着層1c/ア
ルミニウム又はアルミニウム合金の箔1b/樹脂層1a
が積層された構造としてあり、融着層1cが、外部接続
端子8aを除く端子板8と積層体7を包み込むように全
体的に溶着してある。ここで、融着層1cは、外部接続
端子8aを除く端子板8および積層体7と密着すると良
く、これにより、外部接続端子8aを除く端子板8およ
び積層体7が外気に触れないように密閉することができ
る。
【0056】なお、製造技術上、外部接続端子8aを除
く端子板8や積層体7の間の一部に空隙が残ることもあ
りえるが、外気が電解液まで侵入しない程度の空隙であ
れば許容できる。したがって、本発明において密着と
は、外気侵入を防止できる程度に空隙を除去してある状
態を意味する。例えば、接着面において、容積が0.1
25mm以上の空隙が生じていない場合は、密着して
いるといえる。
【0057】ここで、好ましくは、融着層1cの材料
は、ポリエチレン樹脂,エチレン共重合樹脂又はポリプ
ロピレン樹脂の少なくともいずれか一つの原料からなる
材料とすると良く、これにより、接着強度が向上し外気
の侵入を効果的に防止することができる。
【0058】このような構造とすることにより、電気二
重層コンデンサは、外気が積層体7と接して電気特性が
劣化するのを効果的に防止することができ、また、外部
接続端子8aを除く端子板8および積層体7樹脂層1a
のほぼ全面に、樹脂層1aが空隙を形成することなく溶
着されるので、溶着強度が向上し電気特性などの信頼性
を向上させることができる。
【0059】次に、本発明の電気二重層コンデンサに係
る第二実施形態について説明する。 「第二実施形態」図2は、電気二重層コンデンサの発明
に係る第二実施形態の概略拡大断面図を示している。同
図において、電気二重層コンデンサは、積層体7と、こ
の積層体7の上面に配設された端子板8と、積層体7の
下面に配設された剛体及び/又は弾性体8bと、この積
層体7,端子板8及び剛体及び/又は弾性体8bに空隙
を生じることなく溶融された融着層1cを有するラミネ
ートフィルム1とからなっている。
【0060】ここで、積層体7および端子板8は、ラミ
ネートフィルム1と剛体及び/又は弾性体8bによって
外装してある。つまり、剛体及び/又は弾性体8b上に
積層体7が載置され、積層体7上に端子板8が積層して
あり、さらに、積層体7と端子板8を覆うように、ラミ
ネートフィルム1が全体的に融着している。
【0061】このように、剛体及び/又は弾性体8bを
部分的に使用した外装部材を用いることによって、外力
や衝撃に対する電気二重層コンデンサの強度を向上させ
ることができる。なお、一般的に、剛体及び/又は弾性
体8bは、形状が、平板状あるいは板状であるが、これ
に限定するのではなく、例えば、円筒の内側側面上に積
層体7を載置する構成とすることも可能であり、また、
電気二重層コンデンサが組み込まれる装置の部品を利用
することも可能であり、設計自由度の拡大、省スペース
化、小型化・薄形化、共用化による部品点数の削減など
の効果が期待できる。
【0062】また、好ましくは、剛体及び/又は弾性体
8bが、取り付け手段を有する構成とすると良い。この
ように、外装部材に取り付け手段、例えば、ねじ穴や係
止部などを設けることにより、電気二重層コンデンサを
容易にかつ強固に固定することができる。つまり、電気
二重層コンデンサを、例えば、配線基板に対して固定す
るときに、接着剤により接着固定したり、両面テープに
より固定するよりも、信頼性が高くかつ作業性に優れた
取り付け手段を剛体及び/又は弾性体8bに設けること
により、接着固定不良や固定位置ずれ不良などといった
不具合を解消することができる。
【0063】また、好ましくは、剛体及び/又は弾性体
8bが、電気的接続手段及び/又は電気的配線手段を有
する構成とすると良い。このように、剛体及び/又は弾
性体8bに電気的機能を持たせることにより、例えば、
半田などをメッキした外部端子を剛体及び/又は弾性体
8bに設けた場合は、電気二重層コンデンサを基板など
に直接半田付けすることが可能となり、小型化、製造工
程の改善、設計の自由度拡大などの効果が期待できる。
さらに、剛体及び/又は弾性体8bとして、電子部品が
搭載された配線基板を用いることも可能であり、例え
ば、電気二重層コンデンサを制御する配線基板との一体
化が可能となり、部品点数の削減や軽量化などの効果が
期待できる。
【0064】また、好ましくは、二組以上の基本セルあ
るいは基本セルの積層体8を、剛体及び/又は弾性体8
bに配設した構成とすると良い。このようにすることに
より、剛体及び/又は弾性体8bを共用化することがで
きるので、小型化・軽量化を行うことができるととも
に、例えば、異なる仕様の電気二重層コンデンサを配設
することができ(具体的には、出力電圧が異なる積層体
7を剛体及び/又は弾性体8bの両面に設けるといった
ことも可能である。)、異なる仕様に効果的に対応可能
な電気二重層コンデンサを提供することができる。
【0065】さらにまた、積層体7および端子板8が、
剛体及び/又は弾性体8bと被固定物体によって挟まれ
るように取り付けられ、かつ、剛体及び/又は弾性体8
bの弾性力によって、積層体7が与圧されるようにする
ことによって、基本セルの電気的接触の信頼性が向上
し、結果的に、電気特性の信頼性が向上するといった構
成とすることも可能である。その他の構造および作用
は、電気二重層コンデンサの第一実施形態と同様として
ある。
【0066】次に、本発明に係る電気二重層コンデンサ
の製造方法の実施形態について説明する。本発明は、電
気二重層コンデンサの製造方法としても有効であり、基
本セルと、この基本セルと電気的に接続された端子部材
と、融着層を含むラミネート材を有する外装部材とを備
えた電気二重層コンデンサの製造方法において、ラミネ
ート材の融着層を、当該融着層の軟化点温度以上の流体
を用いた等圧プレスによって、基本セルおよび端子部材
と接着させる工程を有する方法としてある。
【0067】具体的には、等圧プレスとして、静水圧プ
レスを用いる。電気二重層コンデンサに静水圧プレスを
行うために、ラミネートフィルム1で挟んだ端子板8と
積層体7とをナイロンとポリエチレンの二層構造からな
る真空用樹脂袋内に入れて真空パックし、温度約90℃
に保った静水圧プレスに入れて約9.8MPa(約10
0kg/cm)で加圧することで、電気二重層コンデ
ンサを得ることができる。
【0068】ここで、温度条件としては、融着層が完全
に溶融する温度において、等圧プレスする場合と、融着
層が完全に溶融することなく、かつ、軟化点以上の温度
において、等圧プレスする場合とがある。
【0069】前者は、融着条件(温度および圧力のプロ
ファイル)の設定が容易であるが、外部接続端子が、ラ
ミネートフィルムのアルミニウムまたはアルミニウム合
金の箔と接触しないように、スペーサを用いるなどの対
応が必要となる場合がある。これに対し、後者は、融着
層が軟化した状態であることから、スペーサを用いるな
どの対応を行なわなくても、外部接続端子が、ラミネー
トフィルムのアルミニウムまたはアルミニウム合金の箔
と接触することを避けることができるといった長所があ
る。
【0070】ここで、好ましくは、等圧プレスを行なう
工程の前に、セパレータ,分極性電極,集電体,ガスケ
ット及び電解液を一体形成する工程を設けると良い。こ
のようにすることにより、等圧プレスを行なう工程にお
ける基本セルのハンドリング性を向上させることができ
る。
【0071】また、好ましくは、等圧プレスを行なう工
程において、等圧プレスを行なう電気二重層コンデンサ
を真空状態(具体的には、約1333Pa以下まで真空
を引く。)の袋に密閉して、前記等圧プレスを行なうと
良い。このようにすると、特に、電気二重層コンデンサ
の複雑な形状の内装部品に対しても等方的に圧力が加わ
るため、空隙をより小さくかつ少なくすることができ、
外気が電解液まで侵入することを効果的に防止すること
ができる。
【0072】また、好ましくは、融着層1cは、材料
が、ポリエチレン樹脂,エチレン共重合樹脂又はポリプ
ロピレン樹脂の少なくともいずれか一つの原料からな
り、かつ、基本セルおよび端子板8と接着する前におけ
る状態の厚さが約100μm以上のフィルムとすると良
い。このように、一定の厚さ以上の融着層を用いること
によって、電気二重層コンデンサの電気的特性の信頼性
を向上させることができる。
【0073】続いて、本発明に係る電気二重層コンデン
サを製作し、評価試験を行なったので、これらについて
図面を参照して説明する。先ず、上述した電気二重層コ
ンデンサの各製作例について説明する。
【0074】(第一製作例)第一製作例における電気二
重層コンデンサの分極性電極は、材料が活性炭/ポリア
セン複合材料であり、大きさが約68×48×0.5m
mとしてあり、また、比表面積が約1200m/gの
多孔性電極である。この分極性電極は、約40wt%の
硫酸中に入れられ、さらに硫酸の入った容器全体が減圧
されることで、硫酸が内部に含浸してある。
【0075】集電体は、大きさが約84×64mmであ
り、厚さが約100μmとしてあり、比抵抗が約0.2
Ωcm(面方向)の未加硫の導電性ブチルゴムとしいて
いる。また、セパレータは、大きさが約70×50mm
であり、厚さが約50μmとしてあり、目付けが約16
g/mのポリプロピレン不織布としている。さらにま
た、ガスケットは、厚さが約1.0mm、外寸が約84
×64mm、内寸が約70×50mmの環状に加工した
未加硫のブチルゴムである。
【0076】図1に示す積層体7は、一対の分極性電極
でセパレータを挟み、従来例における図4に示すよう
に、集電体を共有するように重ねて組み立て、全体を約
120℃に加熱することで、集電体とガスケットとを加
硫接着し、基本セルが三個重なった構造としてある。ま
た、アルミニウムに錫メッキを施した端子板8は、積層
体7の上下両面に配置され、積層体7と銀ペーストによ
り接着してある。
【0077】ラミネートフィルム1は、厚さが約40μ
mのアルミニウム合金1bの箔に対して約25μmのナ
イロンフィルム1aと約100μmのアイオノマーフィ
ルムからなる融着層1cでサンドイッチした構造として
ある。大きさが約104×84mmの一対のラミネート
フィルム1は、積層体7を挟むように、端子板8側に融
着層がくるように配置してある。
【0078】そして、電気二重層コンデンサに静水圧プ
レスを行うために、ラミネートフィルム1で挟んだ端子
板8と積層体7とをナイロンとポリエチレンの二層構造
からなる真空用樹脂袋内に入れて真空パックし、温度約
90℃に保った静水圧プレスに入れて約9.8MPa
(約100kg/cm)で加圧することで、電気二重
層コンデンサを得る。
【0079】(第二製作例)第二製作例における電気二
重層コンデンサは、第一製作例の電気二重層コンデンサ
において、アイオノマーフィルムからなる融着層1cの
厚さを、厚さ約70μmのアイオノマーフィルムをさら
に貼り合わせることで、約170μmに変更してある。
また、その他の構造および製造方法は、第一製作例にお
ける電気二重層コンデンサと同様としてある。
【0080】(第三製作例)第三製作例における電気二
重層コンデンサは、第一製作例の電気二重層コンデンサ
において、アイオノマーフィルムからなる融着層1cの
厚さを、約30μmに変更してある。また、その他の構
造および製造方法は、第一製作例における電気二重層コ
ンデンサと同様としてある。
【0081】(第四製作例)第四製作例における電気二
重層コンデンサは、第一製作例の電気二重層コンデンサ
において、電解液が約40wt%硫酸(水溶液系)の代
わりに、プロピレンカーボネートと1モルの四フッ化テ
トラエチルアンモニウムからなる有機系電解液を用いて
おり、また、積層体は、一個の基本セルだけで構成して
ある。その他の構造および製造方法については、第一製
作例の電気二重層コンデンサと同様としてある。
【0082】(第五製作例)第五製作例における電気二
重層コンデンサは、図2に示すように、アルミニウム板
に錫メッキを施した厚さ約100μmの端子板8と、電
気的接続手段として接続端子を有し、かつ、アルミニウ
ム板に錫メッキを施した厚さ約2mmの剛体及び/又は
弾性体8bを積層体7の上下両面に配設し、積層体7と
銀ペーストにより接着してある。
【0083】また、剛体及び/又は弾性体8bは、大き
さが約130×84mmの板状であり、四隅に取り付け
用の直径約3mmの孔を設けており、さらに、この剛体
及び/又は弾性体8bの中央に、積層体7が配設してあ
る。そして、、端子板8側に融着層1cを向けて、大き
さが約104×84mmのラミネートフィルム1を融着
する。その他の構造および製造方法については、第一製
作例の電気二重層コンデンサと同様としてある。
【0084】続いて、前述した第二従来例の製作例につ
いて説明する。 (第二従来例の製作例)第二従来例の製作例における電
気二重層コンデンサは、図5に示すように、大きさが約
208×84mmのラミネートフィルム1を、融着層1
cが内側になるように折り曲げて、外形寸法が約104
×84mmとしてある。さらに、この約104mmの両
辺を、融着しろが約5mmになるように熱融着して袋状
に加工する。
【0085】そして、この袋の中に、第一製作例の電気
二重層コンデンサと同様に、積層体7と銀ペーストで接
着した端子板8を入れ、全体を減圧にして端子部分を熱
融着することにより、外周約5mmだけ熱融着した第二
従来例の電気二重層コンデンサを得る。
【0086】続いて、上述した第一製作例〜第五製作例
および第二従来例における電気二重層コンデンサの評価
試験結果について、図面を参照して説明する。図3は、
各製作例および第二従来例の電気二重層コンデンサに関
する評価結果表を示している。
【0087】評価項目は、各製作例およびタ第二従来例
の電気二重層コンデンサについて、組み立て直後及び約
70℃のオーブンの中に約1000時間(約42日)間
放置した後の外観検査,約1kHzでの等価直列抵抗測
定(適宜、ESRと略称する。)及び静電容量測定であ
る。ここで、ESRは、約1kHz、約10mVの交流
をコンデンサに印加し、電流の大きさと電圧に対する位
相差を測定することで求める。また、このとき直流バイ
アスは印加しない。また、静電容量の測定方法は、定電
流放電法による。
【0088】具体的には、コンデンサに約2.5Vを印
加して30分充電する。その後、ただちに定電流Iで放
電し、充電電圧の60%から50%、すなわち1.5V
から1.25Vに変化した時間Δtを測定する。このと
き静電容量は(1)式で求めることができる。 C=I×Δt/ΔV (1)式
【0089】第一製作例、第二製作例、第四製作例、お
よび第五製作例は、約1000時間、約70℃の環境下
に放置しても外観上変化は見られない。第一製作例と、
第二製作例のESR値を比べると、ESRが上昇してい
るが、これは温度によって基本セルの内圧が上がったた
めと思われる。また、第一製作例と、第二製作例の静電
容量が増加しているが、これは分極性電極の表面が一部
酸化されて、静電容量が増加したものと考えられる。つ
まり、第一製作例と、第二製作例はほぼ同様の結果が得
られ、また、第一製作例、第二製作例、第四製作例、お
よび第五製作例のおける電気二重層コンデンサは、良好
な評価結果を得ることができた。
【0090】ところが、第三製作例は、外観上の問題が
なかったが、端子板8が融着層1cを突き抜けて短絡を
起こしていた。したがって、第一製作例、第二製作例、
および第三製作例の評価データより、短絡を防ぐために
は、融着層はある程度の厚さが必要であり、厚さ約10
0μm以上あれば十分であることがわかる。
【0091】また、第二従来例では、組み立て直後は問
題なかったが、約1000時間、約70℃の環境下に放
置すると膨れが発生した。これについては、この試料を
水に浸けて膨れを抑えるとラミネートフィルム1の外部
接続端子8a部分から気泡が発生したことから、ラミネ
ートフィルム1の外部接続端子8a部分の密封性が悪か
ったために外気が入り、大気圧による加圧力が低下した
ためと思われる。
【0092】また、膨れそのものは、第一製作例および
第二製作例と同様、温度によって基本セルの内圧が上が
ったためであるが、第二従来例では、電気特性を保持で
きない状態まで圧力が抜けてしまっている。なお、第二
従来例ではESRが上昇したため、静電容量を測定でき
なかった。
【0093】このように、本発明による電気二重層コン
デンサ及びその製造方法によれば、外気が積層体7と接
して電気特性が劣化するのを効果的に防止することがで
き、また、外部接続端子8aを除く端子板8および積層
体7のほぼ全面に、樹脂層1aが空隙を形成することな
く融着してあるので、融着強度が向上し電気特性などの
信頼性を向上させることができる。
【0094】
【発明の効果】以上説明したように、本発明における電
気二重層コンデンサ及びその製造方法によれば、ラミネ
ートフィルムの密着性(融着性)を高めて、ラミネート
外装における封止性の長期安定化を行なうことにより、
薄形化・軽量化され、かつ、電気特性を長期間安定に保
つことの可能な工業的価値の高い電気二重層コンデンサ
を提供することができる。
【0095】また、外装部材として、剛体及び/又は弾
性体をも用いることによって、外力や衝撃に対する電気
二重層コンデンサの強度を向上させることができ、ま
た、剛体及び/又は弾性体に、取り付け手段および電気
的接続手段及び/又は電気的配線手段設けることによ
り、容易にかつ強固に固定することができ、さらに、小
型化、製造工程の改善、設計の自由度拡大などの効果を
得ることができる。また、電気二重層コンデンサは、二
組以上の基本セルあるいは基本セルの積層体が、剛体及
び/又は弾性体に配設されることにより、小型化・軽量
化を行うことができる。
【0096】さらにまた、本発明による電気二重層コン
デンサの製造方法によれば、外気が積層体と接して電気
特性が劣化するのを効果的に防止することができ、ま
た、外部接続端子を除く端子板および積層体のほぼ全面
に、樹脂層が空隙を形成することなく融着してあるの
で、融着強度が向上し電気特性などの信頼性を向上させ
ることができる。
【図面の簡単な説明】
【図1】図1は、電気二重層コンデンサの発明に係る第
一実施形態の概略拡大断面図を示している。
【図2】図2は、電気二重層コンデンサの発明に係る第
二実施形態の概略拡大断面図を示している。
【図3】図3は、各製作例および第二従来例の電気二重
層コンデンサに関する評価結果表を示している。
【図4】図4は、第一従来例における電気二重層コンデ
ンサの概略拡大断面図を示している。
【図5】図5は、第二従来例における電気二重層コンデ
ンサの概略拡大断面図を示している。
【符号の説明】
1 ラミネートフィルム 1a 樹脂層 1b アルミニウムまたはアルミニウム合金の箔 1c 融着層 2 分極性電極 3 集電体 4 セパレータ 5 ガスケット 6 基本セル 7 積層体 8 端子板 8a 外部接続端子 8b 剛体及び/又は弾性体 9 絶縁ブッシュ 10 ボルト 11 ナット 12 空隙
───────────────────────────────────────────────────── フロントページの続き (56)参考文献 特開 平11−345599(JP,A) 特開 昭60−211762(JP,A) 特開 平9−199175(JP,A) 特開 平9−283387(JP,A) 特開 昭64−101617(JP,A) (58)調査した分野(Int.Cl.7,DB名) H01G 9/155 H01G 9/10

Claims (11)

    (57)【特許請求の範囲】
  1. 【請求項1】 セパレータ,このセパレータを挟んで積
    層された一対の分極性電極,これらの分極性電極を挟ん
    で積層された一対の集電体,前記セパレータの側面を囲
    うように配設されたガスケット及び前記分極性電極に含
    浸された電解液からなる基本セルと、この基本セルと電
    気的に接続された端子部材と、ラミネート材からなる外
    装部材とを備えた電気二重層コンデンサにおいて、前記ラミネート材の、前記基本セルと前記端子部材の全
    面に接着した内側融着層を熱溶融して、前記基本セルの
    電解液を封止した ことを特徴とする電気二重層コンデン
    サ。
  2. 【請求項2】 上記請求項1に記載の電気二重層コンデ
    ンサにおいて、 前記融着層が、前記基本セルおよび端子部材と密着した
    ことを特徴とする電気二重層コンデンサ。
  3. 【請求項3】 上記請求項1又は2に記載の電気二重層
    コンデンサにおいて、 前記融着層の材料が、ポリエチレン樹脂,エチレン共重
    合樹脂又はポリプロピレン樹脂の少なくともいずれか一
    つの原料からなることを特徴とする電気二重層コンデン
    サ。
  4. 【請求項4】 上記請求項1〜3のいずれかに記載の電
    気二重層コンデンサにおいて、 前記外装部材が、前記ラミネート材と、剛体及び/又は
    弾性体からなることを特徴とする電気二重層コンデン
    サ。
  5. 【請求項5】 上記請求項4に記載の電気二重層コンデ
    ンサにおいて、 前記剛体及び/又は弾性体が、取り付け手段を有するこ
    とを特徴とする電気二重層コンデンサ。
  6. 【請求項6】 上記請求項4又は5に記載の電気二重層
    コンデンサにおいて、 前記剛体及び/又は弾性体が、電気的接続手段及び/又
    は電気的配線手段を有することを特徴とする電気二重層
    コンデンサ。
  7. 【請求項7】 上記請求項4〜6のいずれかに記載の電
    気二重層コンデンサにおいて、 二組以上の前記基本セルあるいは基本セルの積層体が、
    前記剛体及び/又は弾性体に配設されたことを特徴とす
    る電気二重層コンデンサ。
  8. 【請求項8】 セパレータ,このセパレータを挟んで積
    層された一対の分極性電極,これらの分極性電極を挟ん
    で積層された一対の集電体,前記セパレータの側面を囲
    うように配設されたガスケット及び前記分極性電極に含
    浸された電解液からなる基本セルと、 この基本セルと電気的に接続された端子部材と、 融着層を含むラミネート材を有する外装部材とを備えた
    電気二重層コンデンサの製造方法において、 前記ラミネート材の融着層を、当該融着層の軟化点温度
    以上の流体を用いた等圧プレスによって、前記基本セル
    および端子部材と接着させる工程を有することを特徴と
    する電気二重層コンデンサの製造方法。
  9. 【請求項9】 上記請求項8に記載の電気二重層コンデ
    ンサの製造方法において、 前記融着層として、材料がポリエチレン樹脂,エチレン
    共重合樹脂又はポリプロピレン樹脂の少なくともいずれ
    か一つの原料からなり、かつ、前記基本セルおよび端子
    部材と接着する前における状態の厚さが100μm以上
    のフィルムを用いたことを特徴とする電気二重層コンデ
    ンサの製造方法。
  10. 【請求項10】 上記請求項8又は9に記載の電気二重
    層コンデンサの製造方法において、 前記等圧プレスを行なう工程の前に、前記セパレータ,
    前記分極性電極,前記集電体,前記ガスケット及び前記
    電解液を一体形成する工程を有することを特徴とする電
    気二重層コンデンサの製造方法。
  11. 【請求項11】 上記請求項8〜10のいずれかに記載
    の電気二重層コンデンサの製造方法において、 前記等圧プレスを行なう工程において、等圧プレスを行
    なう前記基本セル,端子部材及び外装部材を、内部を真
    空状態とした袋に密閉して、前記等圧プレスを行なうこ
    とを特徴とする電気二重層コンデンサの製造方法。
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