JP3469997B2 - サーマルヘッド - Google Patents
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Description
【発明の詳細な説明】
【0001】
【発明の属する技術分野】本発明は、ワードプロセッサ
やファクシミリ等のプリンタ機構として組み込まれるサ
ーマルヘッドの改良に関する。 【0002】 【従来の技術】近年、サーマルヘッドを用いてプラスチ
ックカードのような曲げることが困難なメディア等に感
熱記録を行うため、メディアと接するサーマルヘッドの
表面を出来るだけ平坦になす試みがなされている。 【0003】このような従来のサーマルヘッドとして
は、例えば図4に示す如く、グレーズ層12や発熱抵抗
体13、導電層14等を被着形成した絶縁基板11の上
面に所定の凹部11aを形成し、該凹部11a内に発熱
抵抗体13を選択的にジュール発熱させるためのドライ
バーIC15を埋設させた構造のものが知られており、
かかる従来のサーマルヘッドによれば前記凹部11aが
ドライバーIC15の厚みと略等しい深さに形成され、
IC15の上面を絶縁基板11の上面と略等しい高さに
位置させていることから、絶縁基板11上には発熱抵抗
体13より上に突出するものがなく、プラスチックカー
ドのような曲げることが困難なメディアであってもフラ
ットな形状のまま発熱抵抗体13上に搬送させて感熱記
録を良好に行うことができる。 【0004】尚、前記ドライバーIC15と凹部11a
との間にはエポキシ樹脂等の接着材16が充填され、こ
の接着材16によってドライバーIC15が凹部11a
内に固定されることとなる。 【0005】 【発明が解決しようとする課題】ところで、サーマルヘ
ッドは通常、一連の製造工程を経て製品が完成した後、
各製品の実際の動作状態を電気的に測定することで絶縁
基板11上に形成した発熱抵抗体13、導電層14等の
パターンや、ドライバーIC15の検査を行っている。 【0006】しかしながら、絶縁基板11の凹部11a
内に一旦埋め込んだIC15を再び外に取り出すことは
極めて困難であることから、例えば、上述のような検査
を行った結果、一部のドライバーIC15にのみ不良が
発見された場合であっても、発熱抵抗体13等が良好に
パターン形成された絶縁基板11や他の正常なIC15
まで破棄せざるを得ず、また、不良と認定されたIC1
5を凹部11aから無理やり取り出そうとすれば、それ
によって絶縁基板11上のパターンや凹部11aの周囲
を破損させてしまうことは必至で、いずれの場合におい
ても使用可能な部品を再利用して良品のサーマルヘッド
を形成することができず、サーマルヘッドの生産性が著
しく低下していた。 【0007】 【問題点を解決するための手段】本発明は、上記欠点に
鑑み案出されたものであり、上面に複数個の発熱抵抗体
を設けた絶縁基板に、その厚み方向に貫通する貫通孔を
設けるとともに、該貫通孔内に前記発熱抵抗体を選択的
にジュール発熱させるドライバーIC全体を収容させて
成るサーマルヘッドであって、前記ドライバーICは、
その側面のみが貫通孔の内壁に接着材を介して接着され
ていることを特徴とするものである。 【0008】 【発明の実施の形態】以下、本発明を添付図面に基づい
て詳細に説明する。 【0009】図1は本発明のサーマルヘッドの一形態を
示す平面図、図2は図1のX−X線断面図であり、1は
絶縁基板、1aは絶縁基板1の貫通孔、3は発熱抵抗
体、5はドライバーIC、6は接着材である。 【0010】前記絶縁基板1は厚み0.5〜1.5mm
程度のアルミナセラミックス、ガラス等から成り、例え
ばアルミナセラミックスにより形成する場合、アルミ
ナ、シリカ、マグネシア等のセラミックス原料粉末に適
当な有機溶剤、溶媒を添加混合して泥漿状と成すととも
にこれを従来周知のドクターブレード法やカレンダーロ
ール法等を採用することによってセラミックグリーンシ
ートを形成し、しかる後、前記セラミックグリーンシー
トを所定形状に打ち抜き加工するとともに高温で焼成す
ることによって製作される。 【0011】また前記絶縁基板1の上面には、断面山型
の部分グレーズ層2が帯状に被着形成されており、その
上面には複数個の発熱抵抗体3とその両端に接続される
導電層4とが順次、被着形成されている。 【0012】前記部分グレーズ層2はガラスや耐熱性樹
脂等の低熱伝導性材料から成り、その頂部付近に被着さ
れる複数個の発熱抵抗体3を上に突出させて感熱記録媒
体に対する押圧力(印圧)を有効に高めるとともに、こ
れら発熱抵抗体3の発する熱を適当な温度となるように
蓄積してサーマルヘッドの熱応答特性を良好に維持する
作用を為す。 【0013】また前記部分グレーズ層2上の発熱抵抗体
3は所定のピッチ、例えば62.5μmのピッチで高密
度に被着配列されており、その各々が窒化タンタル等の
電気抵抗材料により形成されているため、導電層4等を
介して外部からの電力が印加されるとジュール発熱を起
こし、感熱記録媒体に印字画像を形成するのに必要な所
定の温度に発熱する。 【0014】また前記導電層4は部分グレーズ層2上か
ら絶縁基板1上にかけて被着形成されており、前記発熱
抵抗体3や後述するドライバーIC5に外部からの電力
や印画信号等を供給する作用を為す。 【0015】尚、前記部分グレーズ層2は例えばガラス
によって形成する場合、ガラス粉末に適当な有機溶剤等
を添加混合して得た所定のガラスペーストを従来周知の
スクリーン印刷等によって帯状に印刷・塗布し、これを
約1000℃〜1200℃の温度で焼き付けることによ
って絶縁基板1の上面に帯状に被着形成され、また前記
発熱抵抗体3及び導電層4は、部分グレーズ層2を形成
した絶縁基板1の上面に従来周知の薄膜手法、例えばス
パッタリング法及びフォトリソグラフィー技術を採用し
所定パターンに加工することで被着形成される。 【0016】そして、このような絶縁基板1の厚み方向
には複数個の貫通孔1aが前記発熱抵抗体3の配列と略
平行に並んで形成されている。 【0017】前記貫通孔1aはその各々が後述するドラ
イバーIC5よりも若干大きめに、具体的にはドライバ
ーIC5の縦横寸法よりそれぞれ0.1〜0.3mm程
度大きく形成され、内部にドライバーIC5を個々に配
置させることによってIC5の上面を絶縁基板1の上面
と同じか、もしくは、それ以下の高さに位置させる作用
を為し、これによってメディアが接するサーマルヘッド
の表面を略平坦になし、プラスチックカードのような曲
げることが困難なメディアに対して印画を行う場合であ
っても、メディアを安定走行させることができる。 【0018】尚、このような貫通孔1aは、レーザー等
を用いて絶縁基板1を加工することにより形成され、こ
のとき、前記貫通孔1aの開口部にR面加工、もしくは
C面加工等の面取りを施しておくことによりドライバー
IC5を各貫通孔1a内に埋設させ易くなり、ドライバ
ーIC5の実装作業が簡単になる。 【0019】また前記貫通孔1aの内部に配置されるド
ライバーIC5は、スイッチングトランジスタ等の論理
回路やシフトレジスタ、ラッチ回路等の電気回路を有し
ており、その上面には前記電気回路を絶縁基板1上の導
電層4に接続させるための複数個の端子電極5aが形成
されている。 【0020】前記ドライバーIC5はその上面に形成し
た複数個の端子電極5aを導電層4を介して発熱抵抗体
3に電気的に接続させることにより発熱抵抗体3に印加
される電力のオン・オフを外部からの印画信号に基づい
て制御する作用を為し、その側面と貫通孔1aの内壁と
の間に充填される接着材6によって絶縁基板1に接着さ
れ、貫通孔1a内の所定位置に保持されることとなる。 【0021】また前記ドライバーIC5を絶縁基板1の
貫通孔1a内で保持する接着材6は、例えばポリイミド
樹脂やアクリル樹脂、エポキシ樹脂等から成り、ディス
ペンサー等を用いることによって貫通孔1aとドライバ
ーIC5との間に充填される。このとき、前記接着材6
の上面を絶縁基板1の上面と略等しい高さに設定してお
けば、前記導電層4を絶縁基板1の上面からドライバー
IC5の上面にかけて良好な連続膜として形成すること
ができ、また、その線膨張係数を絶縁基板1を形成する
アルミナセラミックスとドライバーIC5を形成するシ
リコン等の中間に設定しておけば、接着材6の体積変化
等に起因する導電層4の破損等が有効に防止され、信頼
性の高いサーマルヘッドを形成することができる。 【0022】以上のように、本発明のサーマルヘッドに
よれば、発熱抵抗体3を取着させた絶縁基板1の厚み方
向にドライバーIC5よりも大きな貫通孔1aを形成
し、この貫通孔1a内でドライバーIC5を保持するよ
うにしたことから、例えば、発熱抵抗体3、導電層4等
のパターンや、ドライバーIC5の検査を行った結果、
特定のドライバーIC5にのみ不良が発見された場合で
あれば、不良と認定されたIC5を絶縁基板1の上面側
から強く押圧する等してIC5を絶縁基板1の下側に押
し出し絶縁基板1の貫通孔1aより簡単に取り出すこと
ができ、これを別の正常なドライバーIC5’と交換す
ることで、発熱抵抗体3等が正確にパターン形成された
絶縁基板1や他の正常なドライバーIC5を無駄にする
ことなく良品のサーマルヘッドを構成することができ
る。また、上述の検査の結果、絶縁基板1上のパターン
にのみ不良が発見された場合であれば、全てのIC5を
前述のようにして絶縁基板1より取り出し、これらを別
の絶縁基板1上に搭載することで正常なドライバーIC
5を一切無駄にすることなく良品のサーマルヘッドを構
成することができる。従って、使用可能な部品の再利用
ができ、サーマルヘッドの生産性を飛躍的に向上させる
とともに、製品としてのサーマルヘッドを低コストで製
作することが可能となる。 【0023】尚、前記導電層4とドライバーIC5の端
子電極5aとの電気的接続は、導電層4を前述の薄膜手
法によってパターン形成する際に、その一部をドライバ
ーIC5の端子電極5a上まで延在させておくことによ
り行われる。 【0024】かくして上述したサーマルヘッドは、感熱
記録媒体を発熱抵抗体3上に搬送しながらドライバーI
C5の駆動に伴って発熱抵抗体3を個々に選択的にジュ
ール発熱させるとともに該発熱した熱を感熱記録媒体に
伝導させ、感熱記録媒体に所定の印字画像を形成するこ
とによってサーマルヘッドとして機能する。 【0025】次に、上述したサーマルヘッドにおけるド
ライバーIC5のリペア作業について図3を用いて説明
する。 【0026】まず、図3(a)(b)に示す如く、検査
の結果、不良と認定されたドライバーIC5の上面に絶
縁基板1の貫通孔1aより若干、小さな押圧部材Aを2
0〜40g/mm2 の押圧力で押圧し、ドライバーIC
5を接着材6と共に絶縁基板1の下に押し出す。次に図
3(c)に示す如く、別の正常なドライバーIC5’を
IC保持用治具Bを用いてその上面が絶縁基板1の上面
と略等しい高さとなるように貫通孔1a内に配置させ、
この状態でIC5’と貫通孔1aとの間に接着材6’を
流し込み、これを硬化させる。そして最後に絶縁基板1
上の導電層4上からドライバーIC5’の端子電極5
a’上にかけて従来周知のスクリーン印刷等によって導
電性ペーストを印刷・塗布するとともにこれを焼成する
ことにより導電層4とドライバーIC5’の端子電極5
a’とを厚膜導体8によって接続し、これによってドラ
イバーIC5のリペア作業が完了する。 【0027】尚、本発明は上述した実施形態に限定され
るものではなく、本発明の要旨を逸脱しない範囲におい
て種々の変更、改良等が可能であり、例えば、上述の形
態においてはドライバーICを交換する際、絶縁基板1
の上面側から押圧部材Aを押圧することでドライバーI
C5を取り出したが、これに代えて、絶縁基板1の下面
側から押圧部材Aを押圧することでドライバーIC5を
取り出しても良く、この場合、電気回路や端子電極等が
形成されているドライバーIC5の上面が傷付きにくい
ので、取り出したドライバーIC5を再利用する際に有
効である。 【0028】また上述の形態においては、ドライバーI
Cを交換する際、絶縁基板1上の導電層4とドライバー
IC5’の端子電極5a’とを接続するのに導電ペース
トを用いたが、これに代えて、ボンディングワイヤ等の
接続部材を用いても良い。この場合、ドライバーIC
5’はその上面が絶縁基板1の上面よりも少し低くなる
よう配置させることが好ましく、これによってボンディ
ングワイヤが絶縁基板1の上面より大きく突出して感熱
記録媒体の走行が妨げられるのを有効に防止することが
できる。 【0029】 【発明の効果】本発明のサーマルヘッドによれば、発熱
抵抗体が取着される絶縁基板の厚み方向に貫通孔を形成
し、該貫通孔内にドライバーIC全体を収容するととも
に、該ドライバーICの側面のみが接着材を介して貫通
孔の内壁に接着するようにしたことから、ドライバーI
Cのリペア作業が簡単になり、使用可能な部品を無駄に
することなく良品のサーマルヘッドを形成することがで
きるようになる。これにより、サーマルヘッドの生産性
が向上し、製品としてのサーマルヘッドを低コストで製
作することが可能となる。
やファクシミリ等のプリンタ機構として組み込まれるサ
ーマルヘッドの改良に関する。 【0002】 【従来の技術】近年、サーマルヘッドを用いてプラスチ
ックカードのような曲げることが困難なメディア等に感
熱記録を行うため、メディアと接するサーマルヘッドの
表面を出来るだけ平坦になす試みがなされている。 【0003】このような従来のサーマルヘッドとして
は、例えば図4に示す如く、グレーズ層12や発熱抵抗
体13、導電層14等を被着形成した絶縁基板11の上
面に所定の凹部11aを形成し、該凹部11a内に発熱
抵抗体13を選択的にジュール発熱させるためのドライ
バーIC15を埋設させた構造のものが知られており、
かかる従来のサーマルヘッドによれば前記凹部11aが
ドライバーIC15の厚みと略等しい深さに形成され、
IC15の上面を絶縁基板11の上面と略等しい高さに
位置させていることから、絶縁基板11上には発熱抵抗
体13より上に突出するものがなく、プラスチックカー
ドのような曲げることが困難なメディアであってもフラ
ットな形状のまま発熱抵抗体13上に搬送させて感熱記
録を良好に行うことができる。 【0004】尚、前記ドライバーIC15と凹部11a
との間にはエポキシ樹脂等の接着材16が充填され、こ
の接着材16によってドライバーIC15が凹部11a
内に固定されることとなる。 【0005】 【発明が解決しようとする課題】ところで、サーマルヘ
ッドは通常、一連の製造工程を経て製品が完成した後、
各製品の実際の動作状態を電気的に測定することで絶縁
基板11上に形成した発熱抵抗体13、導電層14等の
パターンや、ドライバーIC15の検査を行っている。 【0006】しかしながら、絶縁基板11の凹部11a
内に一旦埋め込んだIC15を再び外に取り出すことは
極めて困難であることから、例えば、上述のような検査
を行った結果、一部のドライバーIC15にのみ不良が
発見された場合であっても、発熱抵抗体13等が良好に
パターン形成された絶縁基板11や他の正常なIC15
まで破棄せざるを得ず、また、不良と認定されたIC1
5を凹部11aから無理やり取り出そうとすれば、それ
によって絶縁基板11上のパターンや凹部11aの周囲
を破損させてしまうことは必至で、いずれの場合におい
ても使用可能な部品を再利用して良品のサーマルヘッド
を形成することができず、サーマルヘッドの生産性が著
しく低下していた。 【0007】 【問題点を解決するための手段】本発明は、上記欠点に
鑑み案出されたものであり、上面に複数個の発熱抵抗体
を設けた絶縁基板に、その厚み方向に貫通する貫通孔を
設けるとともに、該貫通孔内に前記発熱抵抗体を選択的
にジュール発熱させるドライバーIC全体を収容させて
成るサーマルヘッドであって、前記ドライバーICは、
その側面のみが貫通孔の内壁に接着材を介して接着され
ていることを特徴とするものである。 【0008】 【発明の実施の形態】以下、本発明を添付図面に基づい
て詳細に説明する。 【0009】図1は本発明のサーマルヘッドの一形態を
示す平面図、図2は図1のX−X線断面図であり、1は
絶縁基板、1aは絶縁基板1の貫通孔、3は発熱抵抗
体、5はドライバーIC、6は接着材である。 【0010】前記絶縁基板1は厚み0.5〜1.5mm
程度のアルミナセラミックス、ガラス等から成り、例え
ばアルミナセラミックスにより形成する場合、アルミ
ナ、シリカ、マグネシア等のセラミックス原料粉末に適
当な有機溶剤、溶媒を添加混合して泥漿状と成すととも
にこれを従来周知のドクターブレード法やカレンダーロ
ール法等を採用することによってセラミックグリーンシ
ートを形成し、しかる後、前記セラミックグリーンシー
トを所定形状に打ち抜き加工するとともに高温で焼成す
ることによって製作される。 【0011】また前記絶縁基板1の上面には、断面山型
の部分グレーズ層2が帯状に被着形成されており、その
上面には複数個の発熱抵抗体3とその両端に接続される
導電層4とが順次、被着形成されている。 【0012】前記部分グレーズ層2はガラスや耐熱性樹
脂等の低熱伝導性材料から成り、その頂部付近に被着さ
れる複数個の発熱抵抗体3を上に突出させて感熱記録媒
体に対する押圧力(印圧)を有効に高めるとともに、こ
れら発熱抵抗体3の発する熱を適当な温度となるように
蓄積してサーマルヘッドの熱応答特性を良好に維持する
作用を為す。 【0013】また前記部分グレーズ層2上の発熱抵抗体
3は所定のピッチ、例えば62.5μmのピッチで高密
度に被着配列されており、その各々が窒化タンタル等の
電気抵抗材料により形成されているため、導電層4等を
介して外部からの電力が印加されるとジュール発熱を起
こし、感熱記録媒体に印字画像を形成するのに必要な所
定の温度に発熱する。 【0014】また前記導電層4は部分グレーズ層2上か
ら絶縁基板1上にかけて被着形成されており、前記発熱
抵抗体3や後述するドライバーIC5に外部からの電力
や印画信号等を供給する作用を為す。 【0015】尚、前記部分グレーズ層2は例えばガラス
によって形成する場合、ガラス粉末に適当な有機溶剤等
を添加混合して得た所定のガラスペーストを従来周知の
スクリーン印刷等によって帯状に印刷・塗布し、これを
約1000℃〜1200℃の温度で焼き付けることによ
って絶縁基板1の上面に帯状に被着形成され、また前記
発熱抵抗体3及び導電層4は、部分グレーズ層2を形成
した絶縁基板1の上面に従来周知の薄膜手法、例えばス
パッタリング法及びフォトリソグラフィー技術を採用し
所定パターンに加工することで被着形成される。 【0016】そして、このような絶縁基板1の厚み方向
には複数個の貫通孔1aが前記発熱抵抗体3の配列と略
平行に並んで形成されている。 【0017】前記貫通孔1aはその各々が後述するドラ
イバーIC5よりも若干大きめに、具体的にはドライバ
ーIC5の縦横寸法よりそれぞれ0.1〜0.3mm程
度大きく形成され、内部にドライバーIC5を個々に配
置させることによってIC5の上面を絶縁基板1の上面
と同じか、もしくは、それ以下の高さに位置させる作用
を為し、これによってメディアが接するサーマルヘッド
の表面を略平坦になし、プラスチックカードのような曲
げることが困難なメディアに対して印画を行う場合であ
っても、メディアを安定走行させることができる。 【0018】尚、このような貫通孔1aは、レーザー等
を用いて絶縁基板1を加工することにより形成され、こ
のとき、前記貫通孔1aの開口部にR面加工、もしくは
C面加工等の面取りを施しておくことによりドライバー
IC5を各貫通孔1a内に埋設させ易くなり、ドライバ
ーIC5の実装作業が簡単になる。 【0019】また前記貫通孔1aの内部に配置されるド
ライバーIC5は、スイッチングトランジスタ等の論理
回路やシフトレジスタ、ラッチ回路等の電気回路を有し
ており、その上面には前記電気回路を絶縁基板1上の導
電層4に接続させるための複数個の端子電極5aが形成
されている。 【0020】前記ドライバーIC5はその上面に形成し
た複数個の端子電極5aを導電層4を介して発熱抵抗体
3に電気的に接続させることにより発熱抵抗体3に印加
される電力のオン・オフを外部からの印画信号に基づい
て制御する作用を為し、その側面と貫通孔1aの内壁と
の間に充填される接着材6によって絶縁基板1に接着さ
れ、貫通孔1a内の所定位置に保持されることとなる。 【0021】また前記ドライバーIC5を絶縁基板1の
貫通孔1a内で保持する接着材6は、例えばポリイミド
樹脂やアクリル樹脂、エポキシ樹脂等から成り、ディス
ペンサー等を用いることによって貫通孔1aとドライバ
ーIC5との間に充填される。このとき、前記接着材6
の上面を絶縁基板1の上面と略等しい高さに設定してお
けば、前記導電層4を絶縁基板1の上面からドライバー
IC5の上面にかけて良好な連続膜として形成すること
ができ、また、その線膨張係数を絶縁基板1を形成する
アルミナセラミックスとドライバーIC5を形成するシ
リコン等の中間に設定しておけば、接着材6の体積変化
等に起因する導電層4の破損等が有効に防止され、信頼
性の高いサーマルヘッドを形成することができる。 【0022】以上のように、本発明のサーマルヘッドに
よれば、発熱抵抗体3を取着させた絶縁基板1の厚み方
向にドライバーIC5よりも大きな貫通孔1aを形成
し、この貫通孔1a内でドライバーIC5を保持するよ
うにしたことから、例えば、発熱抵抗体3、導電層4等
のパターンや、ドライバーIC5の検査を行った結果、
特定のドライバーIC5にのみ不良が発見された場合で
あれば、不良と認定されたIC5を絶縁基板1の上面側
から強く押圧する等してIC5を絶縁基板1の下側に押
し出し絶縁基板1の貫通孔1aより簡単に取り出すこと
ができ、これを別の正常なドライバーIC5’と交換す
ることで、発熱抵抗体3等が正確にパターン形成された
絶縁基板1や他の正常なドライバーIC5を無駄にする
ことなく良品のサーマルヘッドを構成することができ
る。また、上述の検査の結果、絶縁基板1上のパターン
にのみ不良が発見された場合であれば、全てのIC5を
前述のようにして絶縁基板1より取り出し、これらを別
の絶縁基板1上に搭載することで正常なドライバーIC
5を一切無駄にすることなく良品のサーマルヘッドを構
成することができる。従って、使用可能な部品の再利用
ができ、サーマルヘッドの生産性を飛躍的に向上させる
とともに、製品としてのサーマルヘッドを低コストで製
作することが可能となる。 【0023】尚、前記導電層4とドライバーIC5の端
子電極5aとの電気的接続は、導電層4を前述の薄膜手
法によってパターン形成する際に、その一部をドライバ
ーIC5の端子電極5a上まで延在させておくことによ
り行われる。 【0024】かくして上述したサーマルヘッドは、感熱
記録媒体を発熱抵抗体3上に搬送しながらドライバーI
C5の駆動に伴って発熱抵抗体3を個々に選択的にジュ
ール発熱させるとともに該発熱した熱を感熱記録媒体に
伝導させ、感熱記録媒体に所定の印字画像を形成するこ
とによってサーマルヘッドとして機能する。 【0025】次に、上述したサーマルヘッドにおけるド
ライバーIC5のリペア作業について図3を用いて説明
する。 【0026】まず、図3(a)(b)に示す如く、検査
の結果、不良と認定されたドライバーIC5の上面に絶
縁基板1の貫通孔1aより若干、小さな押圧部材Aを2
0〜40g/mm2 の押圧力で押圧し、ドライバーIC
5を接着材6と共に絶縁基板1の下に押し出す。次に図
3(c)に示す如く、別の正常なドライバーIC5’を
IC保持用治具Bを用いてその上面が絶縁基板1の上面
と略等しい高さとなるように貫通孔1a内に配置させ、
この状態でIC5’と貫通孔1aとの間に接着材6’を
流し込み、これを硬化させる。そして最後に絶縁基板1
上の導電層4上からドライバーIC5’の端子電極5
a’上にかけて従来周知のスクリーン印刷等によって導
電性ペーストを印刷・塗布するとともにこれを焼成する
ことにより導電層4とドライバーIC5’の端子電極5
a’とを厚膜導体8によって接続し、これによってドラ
イバーIC5のリペア作業が完了する。 【0027】尚、本発明は上述した実施形態に限定され
るものではなく、本発明の要旨を逸脱しない範囲におい
て種々の変更、改良等が可能であり、例えば、上述の形
態においてはドライバーICを交換する際、絶縁基板1
の上面側から押圧部材Aを押圧することでドライバーI
C5を取り出したが、これに代えて、絶縁基板1の下面
側から押圧部材Aを押圧することでドライバーIC5を
取り出しても良く、この場合、電気回路や端子電極等が
形成されているドライバーIC5の上面が傷付きにくい
ので、取り出したドライバーIC5を再利用する際に有
効である。 【0028】また上述の形態においては、ドライバーI
Cを交換する際、絶縁基板1上の導電層4とドライバー
IC5’の端子電極5a’とを接続するのに導電ペース
トを用いたが、これに代えて、ボンディングワイヤ等の
接続部材を用いても良い。この場合、ドライバーIC
5’はその上面が絶縁基板1の上面よりも少し低くなる
よう配置させることが好ましく、これによってボンディ
ングワイヤが絶縁基板1の上面より大きく突出して感熱
記録媒体の走行が妨げられるのを有効に防止することが
できる。 【0029】 【発明の効果】本発明のサーマルヘッドによれば、発熱
抵抗体が取着される絶縁基板の厚み方向に貫通孔を形成
し、該貫通孔内にドライバーIC全体を収容するととも
に、該ドライバーICの側面のみが接着材を介して貫通
孔の内壁に接着するようにしたことから、ドライバーI
Cのリペア作業が簡単になり、使用可能な部品を無駄に
することなく良品のサーマルヘッドを形成することがで
きるようになる。これにより、サーマルヘッドの生産性
が向上し、製品としてのサーマルヘッドを低コストで製
作することが可能となる。
【図面の簡単な説明】
【図1】本発明のサーマルヘッドの一形態を示す平面図
である。 【図2】図1のX−X線断面図である。 【図3】(a)〜(d)はドライバーIC5のリペア作
業を説明するための工程毎の断面図である。 【図4】従来のサーマルヘッドの断面図である。 【符号の説明】 1・・・・・・・・・絶縁基板 1a・・・・・・・・貫通孔 3・・・・・・・・・発熱抵抗体 5・・・・・・・・・ドライバーIC 6・・・・・・・・・接着材
である。 【図2】図1のX−X線断面図である。 【図3】(a)〜(d)はドライバーIC5のリペア作
業を説明するための工程毎の断面図である。 【図4】従来のサーマルヘッドの断面図である。 【符号の説明】 1・・・・・・・・・絶縁基板 1a・・・・・・・・貫通孔 3・・・・・・・・・発熱抵抗体 5・・・・・・・・・ドライバーIC 6・・・・・・・・・接着材
Claims (1)
- (57)【特許請求の範囲】 【請求項1】上面に複数個の発熱抵抗体を設けた絶縁基
板に、その厚み方向に貫通する貫通孔を設けるととも
に、該貫通孔内に前記発熱抵抗体を選択的にジュール発
熱させるドライバーIC全体を収容させて成り、前記ド
ライバーICは、その側面のみが貫通孔の内壁に接着材
を介して接着されていることを特徴とするサーマルヘッ
ド。
Priority Applications (1)
Application Number | Priority Date | Filing Date | Title |
---|---|---|---|
JP25701796A JP3469997B2 (ja) | 1996-09-27 | 1996-09-27 | サーマルヘッド |
Applications Claiming Priority (1)
Application Number | Priority Date | Filing Date | Title |
---|---|---|---|
JP25701796A JP3469997B2 (ja) | 1996-09-27 | 1996-09-27 | サーマルヘッド |
Publications (2)
Publication Number | Publication Date |
---|---|
JPH10100457A JPH10100457A (ja) | 1998-04-21 |
JP3469997B2 true JP3469997B2 (ja) | 2003-11-25 |
Family
ID=17300584
Family Applications (1)
Application Number | Title | Priority Date | Filing Date |
---|---|---|---|
JP25701796A Expired - Fee Related JP3469997B2 (ja) | 1996-09-27 | 1996-09-27 | サーマルヘッド |
Country Status (1)
Country | Link |
---|---|
JP (1) | JP3469997B2 (ja) |
Families Citing this family (1)
Publication number | Priority date | Publication date | Assignee | Title |
---|---|---|---|---|
JP5859259B2 (ja) * | 2011-09-27 | 2016-02-10 | 東芝ホクト電子株式会社 | サーマルプリントヘッド |
-
1996
- 1996-09-27 JP JP25701796A patent/JP3469997B2/ja not_active Expired - Fee Related
Also Published As
Publication number | Publication date |
---|---|
JPH10100457A (ja) | 1998-04-21 |
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Legal Events
Date | Code | Title | Description |
---|---|---|---|
LAPS | Cancellation because of no payment of annual fees |