JP3467478B2 - 大豆の水溶性栄養分を高度に含有した調味料素材及びその製造法 - Google Patents
大豆の水溶性栄養分を高度に含有した調味料素材及びその製造法Info
- Publication number
- JP3467478B2 JP3467478B2 JP2001051652A JP2001051652A JP3467478B2 JP 3467478 B2 JP3467478 B2 JP 3467478B2 JP 2001051652 A JP2001051652 A JP 2001051652A JP 2001051652 A JP2001051652 A JP 2001051652A JP 3467478 B2 JP3467478 B2 JP 3467478B2
- Authority
- JP
- Japan
- Prior art keywords
- temperature
- protein
- soybean
- seasoning
- soybeans
- Prior art date
- Legal status (The legal status is an assumption and is not a legal conclusion. Google has not performed a legal analysis and makes no representation as to the accuracy of the status listed.)
- Expired - Fee Related
Links
Landscapes
- Beans For Foods Or Fodder (AREA)
- Seasonings (AREA)
Description
分を高度に含有した高ペプチド、アミノ酸栄養調味料素
材及びその製造法に関するものである。
使用される大豆の煮汁には豊富な栄養成分が含まれてい
るが、腐敗が激しく処理し難いこと、独特の大豆臭があ
ること及び低窒素であることなどの理由で有効利用され
ず、廃棄されている。そのため味噌、醤油の製造工程で
生じる大豆の煮汁は、環境汚染の防止の観点などから高
負荷(BOD約20,000ppm)の活性汚泥処理されている
のが実情であり、これら食品の製造コストを増加させて
いる。
油、納豆等の食品製造において使用される大豆の煮汁を
利用して、新規有効調味素材を作ると共に、大豆の煮汁
による環境汚染の問題を解決する。
大豆煮汁の熱履歴を利用して食塩、蛋白と酵素を順次添
加して腐敗防止、蛋白溶解、酵素処理を行い、大豆の水
溶性栄養成分を含んだ高ペプチド、アミノ酸栄養調味料
素材及びその製造法を提供することを目的としている。
めに、本発明による大豆の水溶性栄養分を高度に含有し
た調味料素材は、味噌、醤油、納豆等大豆使用の醸造食
品製造工程から発生する煮汁成分から由来のエキス分
を、全エキス分中の10%以上含み、蛋白濃度が5%以
上であり、塩分濃度が12〜16%であることを特徴と
している。
食塩と蛋白と酵素処理時間で任意に調整することができ
る。
調味料素材は、 ポリフェノール、イソフラボン、ペプチド、アミノ酸
等栄養価が高い、 複雑な風味を持ち、汎用性が高い、 大豆臭は無い 淡色で褐変の少ない調味料が製造できる。
法は、味噌、醤油、納豆等大豆使用の食品製造工程で高
温で排出される大豆煮汁に70℃以上の温度で12〜1
6%の食塩を溶解し、こうして得られた溶解液の温度が
55〜50℃になった時点でグルタミナーゼを添加して
50〜40℃の温度で蛋白質を添加、酵素処理を行い、
この酵素処理液に活性炭を添加し、30℃以下の温度に
静置して3層に分離し、3層に分離した反応液の中間層
部分を分取し、分取した中間層部分を攪拌して白色結晶
を分離し、80℃以上85℃以下の温度で加熱殺菌する
ことを特徴としている。
類と蛋白質と酵素の添加、酵素処理を決まられた順序で
決まられた温度条件のもとで行い、また目的の調味料中
のペプチドとアミノ酸量は食塩と蛋白温度により規制さ
れ得る。
を使用することができる。グルタミナーゼはグルタミン
をグルタミン酸にする酵素であるが、グルタミナーゼは
膨形剤に食塩を使用するように、強い耐塩性があり、し
かもこのグルタミナーゼ製剤には大量の蛋白分解酵素が
共存しているのでこの共同作用で蛋白を分解することが
できる。
含む蛋白質である必要がある。そこで本発明において
は、蛋白質が0.5%から5%の油分を含んでいるのが
好ましい。蛋白原料は酵素の反応により油分、ペプチド
・アミノ酸及び未反応残渣に分離される。すなわち分離
された油分が上層に移行し、表面に油分と蛋白の膜を形
成し、雑菌の繁殖、混入を防止し、静澄な反応液を中間
層に形成する。
であるが、特に望ましくは植物蛋白としてコーングルテ
ン、大豆蛋白及び小麦グルテン、落花生蛋白を挙げるこ
とができる。動物蛋白としてはヘキサンで脱脂した牛豚
肉、豚皮や湯通しした動物内蔵が好ましい。
大豆煮汁の取得以降、自然の放冷温度で反応が進行し、
特に温度を加えることなく製造でき、それにより省エネ
ルギー化が図られる。
制をする蛋白濃度と食塩濃度との関連については、食塩
濃度は12%以上16%以下、蛋白濃度は5%以上とす
るのが好ましい。工業的に使用する蛋白は油分や水分、
蛋白以外の共雑物を含むので、原料中の全窒素を測定し
て蛋白係数で補正した値で規制する。
では、腐敗特に乳酸菌の生育で製品に豆臭の付着と乳酸
の生成等のため工業規模での生産には、無菌操作等の特
殊な処理が必要である。また、蛋白濃度が5%以下で
は、呈味成分が弱く、特徴が十分発揮できない。
本発明の方法による大豆煮汁の有効利用の具体例につい
て説明する。
て、白味噌製造工程で大豆1000kgを浸漬した後に
0.6気圧で10分蒸煮した後に排出される煮汁を使用
した。この大豆煮汁の組成はPH6.0、固形物4%の
乳白色の液体である。一般の味噌製造工程では、条件や
設備によって異なるが大豆原料の約2倍から2.5倍の
煮汁が発生する。反応を行うには市販のグラタミナーゼ
製剤のみでも十分であるが、反応の促進や収率の向上を
計るためにはプロテアーゼ製剤の添加も有効である。
00リッター(排出時温度、85℃)をステンレス製の
撹拌機、ジャケット付きの温度調整可能なタンクに受け
て、食塩400kgを素早く添加した。この食塩添加操
作で品温は75℃となった。この食塩添加煮汁を自然冷
却し、55℃になった時点で市販のグルタミナーゼ製剤
(大和化成(株)製、グルタミナーゼダイワC-100)を
2000g添加した。
℃に達した時点で市販小麦グルテン(グリコ(株)製、
A−グルF)400kgを少量づつ添加し、品温40℃
から45℃に調節した。
た。反応液を透明なシリンダーに取り3層に分離した時
点で活性炭を10kg添加し、撹拌を停止しジャケット
の温水を水道水に切り替えて静置した。この反応液が3
0℃以下になった時点で上部の浮上固形物を避けて透明
ホースを中間層の液に入れて中間層を抜き出した。反応
液の約80〜85%の中間層液を抜き出した時点で液抜
きを止め、タンクに5kgのセライトを添加し、ポンプ
にてろ過機に通した。このろ液と抜き出した中間層液を
混合して80℃で30分加熱し、30℃以下にして析出
する白色のアミノ酸の結晶を分離した。 その結果、T
−N=1.65g/dl、食塩=15.3g/dlの透明な
液を得た。アミノ化率65%よりペプチド存在率は35
%であった。
gを熱時に加えた。この食塩溶解煮汁が55℃になった
時点で、グルタミナーゼ製剤(前出)1000gとプロ
テアーゼ製剤(アマノ製薬(株)製、アアノM)500
gを添加し、反応液が45℃になった時点で脱脂牛豚肉
(乾燥品、蛋白濃度78%)を150kgを添加し、撹
拌しつつ40℃で反応させた。この反応液を透明シリン
ダーに取り静置して上層と下層と中間層の3層に分離し
た。中間層が透明でかつ清澄になった時点で撹拌を止め
た。この反応液を1夜静置した後に上層に浮上した固形
物を掬い取り、残液に活性炭とセライトを各3kg添加
し、上層部からポンプでろ過機に通液しろ過した。この
液を85℃で20分加熱した後に5℃の冷蔵庫中で1日
放置しろ過した。その結果、T−N=1.5g/dl、食
塩=14.3g/dl、ペプチド存在率=23%の濃厚な
風味をもつ調味液を得た。
塩濃度12g/dlの煮汁液を作り、この液が55℃にな
った時点でグルタミナーゼ製剤(アマノ製薬(株)製グ
ルタミナーゼ「アマノC−100」)を500g添加し、更
に市販のプロテアーゼ液(NOVO社製、フラボザイム)5
00ミリリッターを添加した。液温が45℃になった時
点でコーングルテン40kgと落花生搾油残渣30kg
と小麦グルテン10kgを添加し45℃で反応させた。
この反応液の終点は100mlのファルコンチューブで5
000rpmで20分遠心分離し、この遠心液がチューブ
内部で3層に分離し且つ中間液が透明であり、中間液区
分が最大となる時点で停止した。この反応液に活性炭を
1%添加し撹拌しつつ3時間置いてから全量を均一にポ
ンプでろ過機に送った。このろ過液を85℃達温加熱し
た後に、冷蔵庫中で1夜静置し、ろ過した。その結果、
T−N=1.6g/dl、食塩=12g/dl、ペプチド率
=25%の芳醇な香りの調味液を得た。
栄養調味料素材は、ポリフェノール、イソフラボン、ペ
プチド、アミノ酸等栄養価が高く、また複雑な風味をも
ち汎用性が高く、しかも大豆臭がなく、淡色で褐変の少
ないという効果が奏される。
法は、味噌、醤油、納豆等大豆使用の食品製造工程から
発生する副産物である大豆煮汁を利用しているので、材
料原価が安く且つ環境汚染の問題を解決でき、また自然
の放冷温度で反応が進行し、特に温度を加えることなく
製造できるので、省エネルギー化が図られ、栄養調味料
素材を低コストで提供できるようになる。
Claims (3)
- 【請求項1】味噌、醤油、納豆等大豆使用の醸造食品製
造工程から発生する煮汁成分から由来のエキス分を、全
エキス分中の10%以上含み、蛋白濃度が5%以上であ
り、塩分濃度が12〜16%であることを特徴とする大
豆の水溶性栄養分を高度に含有した調味料素材。 - 【請求項2】味噌、醤油、納豆等大豆使用の醸造食品製
造工程で高温で排出される大豆煮汁に70℃以上の温度
で12〜16%の食塩を溶解し、こうして得られた溶解
液の温度が55〜50℃になった時点でグルタミナーゼ
製剤を添加して50〜40℃の温度で蛋白質を添加、酵
素処理を行い、この酵素処理液に活性炭を添加し30℃
以下の温度に静置して3層に分離し、3層に分離した反
応液の中間層部分を分取し、分取した中間層部分を攪拌
して白色結晶を分離し、80℃以上85℃以下の温度で
加熱殺菌することを特徴とする大豆の水溶性栄養分を高
度に含有した調味料素材の製造法。 - 【請求項3】栄養調味料素材の蛋白原料中に0.5〜5
%の油分を含んでいることを特徴とする請求項2に記載
の製造法。
Priority Applications (1)
Application Number | Priority Date | Filing Date | Title |
---|---|---|---|
JP2001051652A JP3467478B2 (ja) | 2001-02-27 | 2001-02-27 | 大豆の水溶性栄養分を高度に含有した調味料素材及びその製造法 |
Applications Claiming Priority (1)
Application Number | Priority Date | Filing Date | Title |
---|---|---|---|
JP2001051652A JP3467478B2 (ja) | 2001-02-27 | 2001-02-27 | 大豆の水溶性栄養分を高度に含有した調味料素材及びその製造法 |
Publications (2)
Publication Number | Publication Date |
---|---|
JP2002253166A JP2002253166A (ja) | 2002-09-10 |
JP3467478B2 true JP3467478B2 (ja) | 2003-11-17 |
Family
ID=18912394
Family Applications (1)
Application Number | Title | Priority Date | Filing Date |
---|---|---|---|
JP2001051652A Expired - Fee Related JP3467478B2 (ja) | 2001-02-27 | 2001-02-27 | 大豆の水溶性栄養分を高度に含有した調味料素材及びその製造法 |
Country Status (1)
Country | Link |
---|---|
JP (1) | JP3467478B2 (ja) |
Families Citing this family (3)
Publication number | Priority date | Publication date | Assignee | Title |
---|---|---|---|---|
JP2007209336A (ja) * | 2006-01-10 | 2007-08-23 | Izutsu Miso:Kk | 大豆煮汁成分の有効活用方法 |
KR101942193B1 (ko) * | 2017-08-31 | 2019-04-11 | 경남과학기술대학교 산학협력단 | 글루탐산이 풍부하고 항산화 활성이 증진된 순 식물성 천연조미료 조성물 및 그 제조방법 |
WO2023190734A1 (ja) * | 2022-03-31 | 2023-10-05 | 不二製油グループ本社株式会社 | 植物性蛋白質含有液状食品の製造方法 |
-
2001
- 2001-02-27 JP JP2001051652A patent/JP3467478B2/ja not_active Expired - Fee Related
Also Published As
Publication number | Publication date |
---|---|
JP2002253166A (ja) | 2002-09-10 |
Similar Documents
Publication | Publication Date | Title |
---|---|---|
JP6669802B2 (ja) | ジケトピペラジンを含有する植物エキス及びその製造方法 | |
US4036993A (en) | Process for preparation of fish meat extracts | |
JP3181913B2 (ja) | えんどう豆の蛋白質水解物、その製造方法およびそれらの使用 | |
Ananey-Obiri et al. | Proteins from fish processing by-products | |
Parés et al. | Blood by-products as ingredients in processed meat | |
JP2765497B2 (ja) | 大豆蛋白素材の製造法 | |
JP2003516738A (ja) | 乳酸菌培養液を含有する豆腐及びその製造方法並びに乳酸菌を含有する飲料及びその製造方法 | |
JP3325892B2 (ja) | 肉加水分解産物の製造方法及び肉加水分解産物の使用 | |
WO1989010960A1 (en) | Method for modifying proteins, peptides and/or lipids by enzymes from euphauciaceae | |
JP2012139186A (ja) | 高濃度地鶏ガラスープの製造方法 | |
CN111713681A (zh) | 一种含有扇贝肉的复合调味料及其制备方法 | |
CZ254897A3 (cs) | Způsob výroby ochucovací omáčky s použitím uzené vepřové kůže | |
KR20060083452A (ko) | 단백질 가수분해물의 제조방법 및 단백질 가수분해물 | |
Cazarin et al. | Enzymes in meat processing | |
JP3467478B2 (ja) | 大豆の水溶性栄養分を高度に含有した調味料素材及びその製造法 | |
KR101781626B1 (ko) | 액젓 제조방법 | |
KR100537814B1 (ko) | 명란젓 풍미의 식품 조미료 및 가공식품 | |
WO2015093063A1 (ja) | ノンアルコール液体調味料の製造方法 | |
KR100216338B1 (ko) | 맑은 새우액젓 | |
CN107822098A (zh) | 一种牛肉黄豆酱的制备方法 | |
US8304005B2 (en) | Method for production of defatted soymilk peptide | |
KR101713868B1 (ko) | 안전성이 향상되고 발효시간이 단축된 어간장 및 그 제조 방법 | |
JP2008061583A (ja) | 発酵性調味料、その製造方法、及びこれによる醤油加工品 | |
PL175926B1 (pl) | Sposób wytwarzania sosu przyprawowego | |
JP2999441B2 (ja) | 抗アレルギー魚醤油 |
Legal Events
Date | Code | Title | Description |
---|---|---|---|
R250 | Receipt of annual fees |
Free format text: JAPANESE INTERMEDIATE CODE: R250 |
|
FPAY | Renewal fee payment (prs date is renewal date of database) |
Free format text: PAYMENT UNTIL: 20070829 Year of fee payment: 4 |
|
FPAY | Renewal fee payment (prs date is renewal date of database) |
Free format text: PAYMENT UNTIL: 20080829 Year of fee payment: 5 |
|
FPAY | Renewal fee payment (prs date is renewal date of database) |
Free format text: PAYMENT UNTIL: 20080829 Year of fee payment: 5 |
|
FPAY | Renewal fee payment (prs date is renewal date of database) |
Free format text: PAYMENT UNTIL: 20090829 Year of fee payment: 6 |
|
FPAY | Renewal fee payment (prs date is renewal date of database) |
Free format text: PAYMENT UNTIL: 20090829 Year of fee payment: 6 |
|
FPAY | Renewal fee payment (prs date is renewal date of database) |
Free format text: PAYMENT UNTIL: 20100829 Year of fee payment: 7 |
|
FPAY | Renewal fee payment (prs date is renewal date of database) |
Free format text: PAYMENT UNTIL: 20110829 Year of fee payment: 8 |
|
FPAY | Renewal fee payment (prs date is renewal date of database) |
Free format text: PAYMENT UNTIL: 20120829 Year of fee payment: 9 |
|
FPAY | Renewal fee payment (prs date is renewal date of database) |
Free format text: PAYMENT UNTIL: 20120829 Year of fee payment: 9 |
|
S111 | Request for change of ownership or part of ownership |
Free format text: JAPANESE INTERMEDIATE CODE: R313117 |
|
FPAY | Renewal fee payment (prs date is renewal date of database) |
Free format text: PAYMENT UNTIL: 20120829 Year of fee payment: 9 |
|
R350 | Written notification of registration of transfer |
Free format text: JAPANESE INTERMEDIATE CODE: R350 |
|
LAPS | Cancellation because of no payment of annual fees |