JP3466948B2 - フッ化物結晶の熱処理方法及び光学部品の作製方法 - Google Patents
フッ化物結晶の熱処理方法及び光学部品の作製方法Info
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Description
ム、フッ化バリウム、フッ化ストロンチウム等のフッ化
物結晶の熱処理(アニール)方法の技術分野に属する。
ッサ、メモリ、システムLSI、イメージセンサ、発光
素子、表示素子等の半導体装置の作製に好適に用いられ
る。このホトリソグラフィーのような光加工の分野で
は、紫外光を利用することが多くなってきている。それ
に伴ない、レンズ、プリズム、ハーフミラー、窓材等の
光学部品に用いられる硝材においても、石英ガラス以外
の硝材が望まれるようになってきている。フッ化カルシ
ウム、フッ化バリウム、フッ化ストロンチウム、フッ化
リチウム等のフッ化物結晶は、透過率の高い光学部品用
の硝材として好ましいものである。
内部に発生した応力を緩和するためにフッ化物を加熱し
て室温から所定の温度まで昇温させた後、フッ化物結晶
を室温まで降温するアニール処理が必要に応じて行われ
ている。
ッ化物結晶の複屈折を測定してみると、アニール後のフ
ッ化物結晶は複屈折が低減されたものとなっている。
ルの効果を十分引き出すには、非常に長い時間にわたる
アニール処理が必要であり、これがフッ化物結晶の作製
コストを高める一因となっていた。
で行え、しかも複屈折を十分抑えられるフッ化物結晶の
熱処理方法を提供することにある。
は、フッ化物結晶を熱処理する熱処理方法において、フ
ッ化物結晶を昇温させた後に降温する過程において、降
温開始から降温終了まで前記フッ化物結晶の温度の低下
とともに降温速度を連続的に大きくすることを特徴とす
る。
て説明する。
方法においては、先ず、フッ化物結晶を室温などの初期
温度状態から加熱して昇温させる。そして、所定のアニ
ール温度に所定時間維持した後、アニール温度まで昇温
されたフッ化物結晶を第1の高温速度で降温する。続い
て、第1の降温速度より速い第2の降温速度で降温す
る。
具体的に説明する。
物結晶の準備工程について述べる。
の原料を精製用のるつぼに入れ、必要に応じてこれに酸
素を取り除くためのフッ化亜鉛のようなスカベンジャー
を混合する。精製用のるつぼを加熱してフッ化物原料を
融解し、その後冷却して精製されたフッ化物の塊を作
る。
成長用のるつぼに入れて融解した後、ブリッジマン法や
チョクラルスキー法により、徐冷して結晶成長させてフ
ッ化物結晶を得る。
物結晶をアニール炉に装填する。
晶の温度変化の一例を示す図である。図2は本発明に用
いられるアニール炉を示している。
アニール用るつぼ、2は昇温度用のヒーター、3は断熱
材、4はヒーター2への通電量を制御する制御装置、5
は電源、6は筐体、7は支持台である。不図示の温度セ
ンサーにより検出されたるつぼ1内のフッ化物結晶10
の温度を制御装置4によってモニターしながらヒーター
への通電量を制御する。
させて、ヒーターの加熱温度を上昇させ、フッ化物を昇
温させる。
た所定のアニール温度に達したら通電量を一定として、
フッ化物を所定期間定温状態に保つ。
化物結晶を降温させる。符号C1〜C3は複数段階の断
続的な冷却工程を示している。
までは、新たな熱歪みが生じないように、通電量を徐々
に減らして比較的遅い降温(冷却)速度で降温させる。
ぎてからは、比較的速い降温(冷却)速度で徐冷し降温
させる。
結晶は残留応力が低減され歪み、複屈折の少ない結晶に
なっている。
2の温度t2までは、比較的遅い降温(冷却)速度でフ
ッ化物を徐冷し降温度させる。第2の温度t2を過ぎて
からは、比較的速い降温(冷却)速度で徐冷し降温させ
る。
結晶も残留応力が低減され歪み、複屈折の少ない結晶に
なっている。
は、比較的遅い降温(冷却)速度でフッ化物を徐冷し降
温させる。続いて、第2の温度まで中間の降温速度で徐
冷を続け、第2の温度を過ぎてからは、比較的速い第2の
降温(冷却)速度で徐冷し降温させる。
結晶も残留応力が低減され歪み、複屈折の少ない結晶に
なっている。
に、降温開始から降温終了まで降温速度を時間とともに
連続的に大きくすること、即ち降温加速度を連続的に増
加せしめることも好ましいものである。
通電する電流を調整することにより行うことができる。
ッ化カルシウム結晶をアニールする場合にはアニール温
度を約1000℃以上フッ化カルシウムの融点未満程度
とする。
時間〜50℃/時間である。
時間程保持する。
すように徐々に冷却する。
を600℃にするとよい。
は、新たな熱歪みが生じないように、第1の降温速度を
0.5℃/時間〜5℃/時間程度とする。続いて、第2
の降温速度5℃/時間〜10℃/時間で徐冷し降温させ
る。
は、第1の降温速度でフッ化物結晶を徐冷し降温させ
る。続いて、徐冷を続け、600℃を過ぎてからは、第
2の降温速度で徐冷し降温させる。
は、0.5℃/時間〜5℃/時間でフッ化物を徐冷し降
温度させる。続いて、600℃までは中間の降温速度、
例えば3℃/時間〜8℃/時間で徐冷を続け、600℃
を過ぎてからは、5℃/時間〜15℃/時間にて徐冷し
降温させる。
熱歪みを十分に防止するためにも900℃以下、より好
ましくは600℃〜900℃にするとよい。
600℃以下、より好ましくは900℃〜600℃の間
に比較的速い降温速度に遷移することが好ましいもので
ある。
臨界点があることが好ましいものである。
られたフッ化物結晶を加工して、円盤、凸レンズ、凹レ
ンズ、プリズム状に成形する。こうして、レンズ、ミラ
ーや窓などの光学部品となる。
表面に、酸化アルミニウム、酸化シリコン、フッ化アル
ミニウム、フッ化マグネシウム等の薄膜をスパッタリン
グ、CVD、蒸着等の成膜方法により形成する。
せれば、レーザー発振器、露光装置等の光学装置を製造
しうる。
発振器を有するホトリソグラフィー用の露光装置を示
す。
紫外光を発光するレーザー発振器20は、レーザーガス
チャンバー21とフッ化カルシウムからなる一対の窓2
2と共振器23とを有している。
6とを有しており、それぞれ複数のレンズやミラー等の
光学部品の群により構成される。
明光学系25を経て、光学マスクとしてのレチクル27
に照射される。レチクル27を通過した光は、結像光学
系26を通して、保持手段としてのステージ28上に載
置された被露光体(ワーク)Wにレチクル27の光像を
結像する。
るSiウエハやガラスなどの基板である。ステップアン
ドリピート方式の場合は、ワークWの1区画分のエリア
を露光するたびにステージ28を移動させて同じワーク
Wの別の1区画分のエリアを露光する動作を繰返し行
う。スキャン方式の場合はレチクル27とステージ28
とを相対的に移動させながらワークW全面を結像露光す
る。
ストは現像され、エッチングやイオン打込み用のマスク
パターンとなる。
イオンを打込んだり、基板表面をエッチングしたりす
る。
た直径250mm、重量約10kgの円筒状のフッ化カ
ルシウム結晶をアニール用のるつぼに入れ、1000℃
まで30時間費やして昇温させた。
1000℃に保持した。
約2℃/時間の降温速度徐々に冷却した後、900℃か
ら室温まで150時間を費やして、約5.8℃/時間の
降温速度で冷却した。
結晶に対して偏光下で複屈折量をセナルモン法により測
定した。この量で結晶内部に働く残留応力の大小を評価
できる。
5nm/cm以下、結晶の外周部の光路差は10nm以
下であった。
せた直径250mm、重量約10kgの円筒状のフッ化
カルシウム結晶をアニール用のるつぼに入れ、1000
℃まで30時間費やして昇温させた。
1000℃に保持した。
約3.9℃/時間の降温速度で冷却した。
10nm/cm、結晶の外周部の光路差は20nmであ
った。
せた直径250mm、重量約10kgの円筒状のフッ化
カルシウム結晶をアニール用のるつぼに入れ、1000
℃まで30時間費やして昇温させた。
1000℃に保持した。
約1.9℃/時間の降温速度で冷却した。
結晶に対して偏光下で複屈折量を測定した。この量で結
晶内部に働く残留応力の大小を評価できる。
5nm/cm、結晶の外周部の光路差は10nmであっ
たが、アニール時間は合計560時間となり、実施例1
の倍以上必要であった。
示す。
フッ化物結晶が比較的高温状態にある時にゆっくりと降
温することで、フッ化物結晶内部の降温速度がフッ化物
結晶周辺部の降温速度に追従するようにして結晶内部に
新たな熱歪みが生じないようにする。更に、フッ化物結
晶が比較的低温状態にある時には、新たな熱歪みが生じ
にくいので、可能な限り降温速度を速めることができ
る。こうして、低コストでフッ化物結晶を作製できる。
またこうして得られたフッ化物結晶は高耐久性、高透過
率の真空紫外光用の光学部品ともなるので、レーザー発
振器、露光装置等の光学装置に好適である。
晶の温度変化の一例を示す図である。
ある。
図である。
ッ化物結晶の温度変化を示す図である。
を示す図である。
Claims (6)
- 【請求項1】 フッ化物結晶を熱処理する熱処理方法に
おいて、フッ化物結晶を昇温させた後に降温する過程に
おいて、降温開始から降温終了まで前記フッ化物結晶の
温度の低下とともに降温速度を連続的に大きくすること
を特徴とするフッ化物結晶の熱処理方法。 - 【請求項2】 前記フッ化物結晶の温度が1000℃以
下であって900℃以上の場合には降温速度が0.5℃
/時から5℃/時の範囲であることを特徴とする請求項
1に記載のフッ化物結晶の熱処理方法。 - 【請求項3】 前記フッ化物結晶の温度が900℃以下
であって600℃以上の場合には降温速度が3℃/時か
ら8℃/時の範囲であることを特徴とする請求項1に記
載のフッ化物結晶の熱処理方法。 - 【請求項4】 前記フッ化物結晶の温度が600℃以下
の場合には降温速度が5℃/時から15℃/時の範囲で
あることを特徴とする請求項1に記載のフッ化物結晶の
熱処理方法。 - 【請求項5】 フッ化物結晶を熱処理する熱処理方法に
おいて、フッ化物結晶を昇温させた後に降温する過程に
おいて、前記フッ化物結晶の温度が1000℃以下であ
って900℃以上の場合には降温速度が0.5℃/時か
ら5℃/時の範囲であり、前記フッ化物結晶の温度が9
00℃以下であって600℃以上の場合には降温速度が
3℃/時から8℃/時の範囲であり、前記フッ化物結晶
の温度が600℃以下の場合には降温速度が5℃/時か
ら15℃/時の範囲であって、前記フッ化物結晶の温度
の低下とともに降温速度を連続的に大きくすることを特
徴とするフッ化物結晶の熱処理方法。 - 【請求項6】 請求項1乃至請求項5記載の熱処理方法
により処理されたフッ化物結晶を加工して光学部品を作
製することを特徴とする光学部品の作製方法。
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