JP2002326893A - 結晶製造装置 - Google Patents

結晶製造装置

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JP2002326893A
JP2002326893A JP2001292873A JP2001292873A JP2002326893A JP 2002326893 A JP2002326893 A JP 2002326893A JP 2001292873 A JP2001292873 A JP 2001292873A JP 2001292873 A JP2001292873 A JP 2001292873A JP 2002326893 A JP2002326893 A JP 2002326893A
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crystal manufacturing
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Masayoshi Asami
政義 浅見
Kentaro Michiguchi
健太郎 道口
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Canon Inc
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Abstract

(57)【要約】 【課題】 優れた光学特性を有する単結晶を製造するた
めに、水平又はやや上に凸の等温面を形成すると共に結
晶成長の起点を一点に決定する結晶製造装置を提供す
る。 【解決手段】 結晶性物質の原料を収納して結晶成長さ
せる略円筒形状の坩堝であって、結晶成長が開始する前
記坩堝の下部の外面側断面形状が上に凸であるか、下部
にリング状の平板を有する坩堝と、前記坩堝の円筒面の
周囲に沿って配置され、前記坩堝を介して前記原料を加
熱して溶融する加熱部とを有する結晶製造装置を提供す
る。

Description

【発明の詳細な説明】
【0001】
【発明の属する技術分野】本発明は、一般には、結晶製
造装置に関わり、特に、真空紫外域から遠紫外光までの
短波長範囲において用いられる各種光学素子、レンズ、
露光装置に好適なフッ化カルシウム(CaF)結晶の
製造装置及び方法に関わる。
【0002】
【従来の技術】近年の電子機器の小型及び薄型化の要請
から電子機器に搭載される半導体素子の微細化への要求
は益々高くなっており、かかる要求を満足するために露
光解像度を高める提案が様々なされている。露光光源の
波長を短くすることは解像度の向上に有効な一手段であ
るため、近年では、露光光源はKrFエキシマレーザー
(波長約248nm)からArFエキシマレーザー(波
長約193nm)になろうとしており、Fエキシマレ
ーザ(波長約157nm)の実用化も進んでいる。フッ
化カルシウム単結晶(CaF)は、かかる波長域の光
の透過率(即ち、内部透過率)が高いために露光光学系
に使用されるレンズや回折格子などの光学素子の光学材
料として最適である。
【0003】フッ化カルシウム単結晶は、従来から、
(「ブリッジマン法」としても知られる)坩堝降下法に
よって製造され、製造装置には炉室が図6に示す1室タ
イプと図7に示す2室タイプがある。ここで、図6及び
図7の左側は、それぞれ、従来の1室及び2室タイプの
結晶製造装置(ここでは、結晶成長炉)600a及び6
00bを模式的に示す断面図である。なお、図6及び図
7において同一の参照符号は同一部材を表している。
【0004】装置600aにおいては、坩堝支持棒62
0によって昇降可能に支持された坩堝610が、筐体6
50及び断熱部材640によって画定された炉室660
に収納され、同じく炉室660に配置されたカーボン製
のリング状ヒータ630によって加熱される。装置60
0bは2つの縦方向に配置されたヒータ630a及び6
30bを有する以外は装置600aと同様の構成要素を
有する。炉室660の鉛直中心方向に関して、ヒータ6
30は、例えば、図6の右側に示す温度分布を与え、ヒ
ータ630a及び630bは、例えば、図7の右側に示
す温度分布を与える。坩堝610はフッ化カルシウムの
原料670を収納すると共に種結晶612を収納部61
0aに収納する。図6及び図7に示すように、坩堝61
0下部611の外面側断面形状及び原料670を収納す
る内面側断面形状は共に下に凸である。
【0005】動作において、炉室660を減圧又は真空
にし、ヒータ630(又は630a及び630b)によ
り坩堝610を介して原料670をフッ化カルシウムの
融点以上(1390〜1450℃)まで加熱して溶融す
る。次いで、坩堝支持棒620を介して0.1〜5mm
/hr程度の速度で坩堝610を下降させる。図6及び
図7の右側のグラフから、フッ化カルシウムの融点以下
の位置まで坩堝610が降下すると坩堝610の種結晶
612を起点として結晶が順次成長することが理解され
るであろう。
【0006】
【発明が解決しようとする課題】しかし、従来の結晶製
造装置は、高品質な光学特性を有する結晶を製造するこ
とができなかった。高品質の単結晶を製造するために
は、多結晶の生成を防止し、面方位を制御するために結
晶成長の起点を坩堝内の一点(種結晶を使用する場合に
は種結晶面)にすること、及び、結晶を垂直方向に成長
させ、成長結晶内の歪みを制御するために成長界面を決
定する融点付近の等温線を水平に維持することが必要で
あるが、従来の結晶製造装置ではこれらの要件を同時に
達成することは困難であった。なお、坩堝全域にて完全
な水平等温線を実現することは通常は困難であるので、
やや上に凸の等温線分布を目標とすることが一般的であ
る。
【0007】本発明者は、従来の結晶製造装置が上記要
件を達成できない理由を鋭意検討した結果、従来の坩堝
の形状に起因することを発見した。図6及び図7を再び
参照するに、坩堝610内の原料670の底部付近にお
ける等温線672は、坩堝610底部の下凸形状に従っ
て下に凸になっていることが分かる。坩堝610の底部
中心(即ち、種結晶612の位置)を通る等温線は原料
670の他の部位も通過し、等温線に沿って結晶が成長
するので、これでは坩堝610の底部中心のみから結晶
成長を保証することができなくなる。
【0008】等温線の水平化は、本出願人が既に公開特
許平成10年87391号公報及び公開特許平成10年
279396号公報において提案しているように、坩堝
内部に熱伝導率の大きい水平な仕切り板を設けてこれに
等温線を追従させることによってある程度改善すること
ができるが、これだけでは十分ではない。
【0009】また、図6及び図7においては、ヒータ6
30等は、鉛直方向に対して均一な加熱分布で坩堝61
0を加熱するため、ヒータ630等の加熱分布を変更し
て上記要件を満たすようにすることも考えられる。例え
ば、均一坩堝610を支持する坩堝支持棒620を坩堝
610の中心に配置し、且つヒータ630による坩堝指
示棒620の加熱を坩堝610よりも小さく、温度を低
くすれば、坩堝支持棒620は熱の逃げ道になるので中
心部が低温で側面部が高温というやや上凸形状の等温線
670aを実現できる。しかし、かかる構成の実現は、
ヒータの配置、坩堝位置、運転プログラムから煩雑であ
る。
【0010】また、仮に炉内の温度分布を均一に維持で
きたとしても、例えば、大口径(直径250mm以上)
の結晶の場合、必ずしも均一な結晶体を得ることができ
ない。その原因として、このような大口径の結晶では融
液の温度分布を水平方向に均一にすると、結晶水平方向
で温度が同時に凝固点に達してしまい結晶化開始点が複
数になることが挙げられる。すなわち、結晶化開始点が
複数になるとそれぞれの結晶開始点から結晶成長が始ま
り、結晶成長が進み、やがて結晶同士がぶつかり合いそ
の境界が結晶粒界となってしまうからである。
【0011】
【課題を解決するための手段】そこで、本発明は、この
ような従来の課題を解決する新規且つ有用な結晶製造装
置を提供することを概括的な目的とする。
【0012】より特定的には、本発明は、優れた光学特
性を有する単結晶を製造するために、水平又はやや上に
凸の等温面を形成すると共に結晶成長の起点を一点に決
定する結晶製造装置を提供することを例示的目的とす
る。
【0013】上記目的を達成するために、本発明の一側
面としての結晶製造装置は、結晶性物質の原料を収納し
て結晶成長させる略円筒形状の坩堝であって、結晶成長
が開始する前記坩堝の下部の外面側断面形状が上に凸で
あるか、下部に略円状の平板を有する坩堝と、前記坩堝
の円筒面の周囲に沿って配置され、前記坩堝を介して前
記原料を加熱して溶融する加熱部とを有する。かかる結
晶製造装置によれば、下部の形状又は略円状平板が、加
熱部による坩堝下部中央及びその近傍への加熱力を弱
め、結晶融液の温度分布である等温線を上に凸の形状に
近づける。
【0014】前記略円状の平板は、熱遮蔽板である。前
記坩堝は、前記原料を収納する前記下部の内面側の断面
形状が、例えば、上に凸、水平又は下に凸であってもよ
い。前記坩堝は、前記下部の中心に前記原料を結晶成長
するための種結晶を収納する収納部を有することができ
る。種結晶の面から結晶成長が開始するので、成長させ
る結晶の面方位を種結晶の面方位に一致するように制御
することができる。前記収納部は、前記収納部の径が徐
々に大きくなる形状で前記坩堝下部内面と連結されてい
る。これにより、種結晶から開始された結晶成長が熱容
量的に多くを占め、種結晶の面方位を支配的にすること
ができる。
【0015】本発明の一側面としての結晶製造装置は、
坩堝引下げ法により坩堝中で熔融させた結晶性物質の原
料を冷却することで結晶化させる結晶製造装置におい
て、坩堝の底の中心部を局部的に低温にする手段を有す
る。かかる結晶製造装置によれば、坩堝の底の中心部を
局部的に低温にすることで、結晶成長の起点を底の中心
部の一点のみにすることができる。
【0016】本発明の一側面としての結晶製造装置は、
坩堝引下げ法により坩堝中で熔融させた結晶性物質の原
料を冷却することで結晶化させる結晶製造装置におい
て、前記坩堝の下面の周辺部における放熱を抑制する手
段を有する。かかる結晶製造装置によれば、坩堝の下面
の周辺部に放熱を抑制する手段を設けることで、坩堝底
の中心部と周辺部の温度差を大きくし結晶化の起点を中
心の一点にする。
【0017】本発明の一側面としての結晶製造装置は、
結晶性物質の原料を収納する坩堝であって、前記坩堝の
下面の周辺部に断熱手段を有する坩堝と前記坩堝に収容
された前記原料を熔融するための加熱部と前記坩堝を移
動させるための坩堝支持棒とを有する。坩堝下面周辺部
の断熱手段が周辺部から下方へ流れる熱を塞ぎとめ、坩
堝底の中心部と周辺部の温度差を大きくすることで結晶
融液の温度分布である等温線を上に凸の形状に近づけ
る。よって、結晶化の起点が中心部の一点にすることが
できる。
【0018】本発明の一側面としての結晶製造装置は、
結晶性物質の原料を収納する坩堝と前記原料を熔融する
ための加熱部と前記坩堝を移動させるための坩堝支持棒
を有し、前記坩堝支持棒に断熱手段を固定させた坩堝支
持棒とを有する。坩堝支持棒に断熱手段を設けることに
よって、坩堝の保温性を高め坩堝内の温度分布を均一に
維持することで、成長結晶内の歪みを制御することがで
きる。
【0019】前記断熱手段は、断熱部材である。断熱部
材によって、坩堝の保温性が高まり、結晶の歪みの生成
を防止することができる。前記断熱部材は、カーボン、
MgO、セラミック、金属メッシュ、金属板、耐熱耐火
煉瓦または、各組み合わせから選択される材料から構成
される。前記坩堝は、前記原料を収容する領域を唯一有
することができる。
【0020】前記坩堝は、当該坩堝の熱伝導率と同じま
たはより大きい熱伝導率の材料から形成されて前記原料
を略水平に区分する仕切り板を有することが好ましい。
これにより、結晶成長が開始した後の成長界面を表す等
温線を水平にすることができる。
【0021】前記仕切り板の少なくとも1つは、中央に
孔を有し、該孔を介して上下の前記領域が連通してい
る。これにより、仕切り板830によって分割された領
域の上部から次の領域へと順次に結晶化を行うことがで
きる。また、原料180が減圧下で加熱融解された時に
発生する不要な気体を孔814を通じて坩堝710上部
へと抜くことができる。更に、仕切り板830の中央に
孔814を設けることで中央部と周辺部に温度差をつけ
結晶成長の起点を底の中心の一点にすることで多結晶の
生成を防止することができる。
【0022】前記坩堝は、前記結晶性物質より熱伝導率
が大きい材料から形成されることが好ましい。これによ
り、等温線の形状が原料によってではなく坩堝の形状に
よって決定されるので、坩堝の形状を制御することによ
って等温線の形状を制御することができる。前記原料
は、例えば、フッ化カルシウムから構成される。但し、
本発明は、フッ化バリウムやフッ化マグネシウムなどそ
の他の材料を排除するものではない。
【0023】本発明の更に別の側面としての光学素子は
上述の結晶製造装置から得た結晶から製造される。かか
る光学素子は、レンズ、回折格子、光学膜体及びそれら
の複合体、例えば、レンズ、マルチレンズ、レンズアレ
イ、レンチキュラーレンズ、ハエの目レンズ、非球面レ
ンズ、回折格子、バイナリ−オプティックス素子及びそ
れらの複合体を含む。
【0024】本発明の更に別の側面としての露光装置
は、紫外光、遠紫外光及び真空紫外光を露光体として利
用し、当該露光光を、上述の光学素子を含む光学系を介
して被処理体に照射して当該被処理体を露光する。かか
る露光装置も光学素子と同様の作用を奏する。
【0025】本発明の更に別の側面としてのデバイス製
造方法は、上述の露光装置を用いて前記被処理体を投影
露光するステップと、前記投影露光された前記被処理体
に所定のプロセスを行うステップとを有する。上述の露
光装置の作用と同様の作用を奏するデバイス製造方法の
請求項は、中間及び最終結果物であるデバイス自体にも
その効力が及ぶ。また、かかるデバイスは、LSIやV
LSIなどの半導体チップ、CCD、LCD、磁気セン
サー、薄膜磁気ヘッドなどを含む。
【0026】本発明の更に別の側面としての坩堝は、結
晶性物質の原料を収納して結晶成長させる略円筒形状の
坩堝であって、結晶成長が開始する前記坩堝の下部の外
形が上に凸形状であるか、下部に前記坩堝の側面の外周
またはその内側に沿って略円状の平板を有する。かかる
坩堝は所定のヒータ構成と結合することによって上述の
結晶製造装置で説明したものと同様の作用を奏する。
【0027】本発明の更なる目的又はその他の特徴は、
以下添付図面を参照して説明される好ましい実施例によ
って明らかにされるであろう。
【0028】
【発明の実施の形態】以下、添付図面を参照して本発明
の例示的一態様である結晶製造装置について説明する。
但し、本発明はこれらの実施例に限定をするものではな
く、本発明の目的が達成される範囲において、各構成要
素が代替的に置換されてもよい。例えば、溶融した原料
を冷却する方法は、従来の技術で挙げた坩堝降下法以外
でも、坩堝を固定してヒータを引き上げていく方法、ヒ
ータ出力を徐々に落としていく方法、その他周知のいか
なる方法であってもよい。
【0029】
【実施例】
【実施例1】図1は、本発明の特徴を最もよく示す結晶
製造装置(ここでは、結晶成長炉)100の第1の実施
例である。結晶製造装置100は、原料180を坩堝1
10内で溶融し、次いで、冷却することで原料180を
結晶成長させる。装置100においては、坩堝昇降部1
30によって昇降可能に支持された略円筒形の坩堝11
0が、略円筒形の筐体160及び断熱部材150によっ
て画定された炉室170に収納され、坩堝110の円筒
面の周囲に沿って配置されたヒータ142によって加熱
される。また、装置100は、炉室170を減圧又は真
空環境に維持する図示しない排気部を備えている。
【0030】坩堝110は、開閉自在な蓋112を有し
て、結晶成長が開始する坩堝110の下部111の外面
側断面形状及び内面側断面形状が上に凸の形状になって
いる。かかる下部111の形状により、ヒータ142に
よる坩堝110の下部111の中央部(即ち、収納部1
10a)及びその近傍への加熱力を弱め、結晶融液の温
度分布である等温線を上に凸の形状に近づける。
【0031】坩堝110は結晶性物質(本実施例では、
フッ化カルシウム)の原料180を収納する。結晶性物
質180としてフッ化カルシウム(1500℃の熱伝導
率3W/m℃)を用い、坩堝110がカーボン(150
0℃の熱伝導率50W/m℃)であるとするとその熱伝
導率の差は10倍以上であり、坩堝110下部111の
壁面は等温面に近くなる。従って、結晶性物質180の
等温線180aは、図1に示すように、特に、坩堝11
0の下部111ではその形状に倣った等温面が形成され
る。なお、実施例1における坩堝110形状と等温線1
80a形状により結晶成長の起点は、坩堝110中心と
周辺部になる。
【0032】坩堝110は種結晶114を下部111の
収納部110aに収納する。収納部110aは、収納部
110aの径が徐々に大きくなる形状で坩堝下部111
と連結されている。すなわち、収納部110aにはテー
パー部110bが坩堝110の内面に連なるように形成
される。テーパー部110bにより、種結晶収納部11
0aに設置された種結晶114からの成長領域が成長す
るにつれて大きくなる。種結晶114(即ち、ある結晶
方位を有する大きな単結晶を成長させるときに種子とし
て用いる単結晶)を任意の方向に配向して収納部110
aに配置することにより、成長させる結晶面方位を制御
することができる。本実施例において坩堝110の下部
111の傾斜は図1が模式図であるため、その形状がわ
かりやすいように大きく図示しているが、実際には後述
のように中心軸と上凸形状の傾斜角はかなり大きくと
る。形状の設定が適切ではなく下部111形状に比べて
小さな等温線の上凸形状しか得られない場合には坩堝1
10の周辺の一部からも結晶成長が開始してしまうこと
もある。しかしながら上記のように種結晶114から成
長する部分をその径が徐々に大きくなるように連ねるこ
とにより坩堝半径方向へも安定して成長させることが可
能となる。このため、かりに坩堝周辺の一部より結晶成
長が始まったとしても、結晶成長中の断面では熱容量的
にはその多くが中心にある種結晶114から成長開始し
た部分が大半となる。したがって異なるところから成長
した結晶成長界面が坩堝中心にある種結晶114から成
長開始した結晶成長界面にぶつかったとしても、熱容量
的に優勢な種結晶114から成長開始した結晶成長界面
がその後も成長を続けることになる。この結果、本実施
例は、理想的な等温面(結晶融点付近の等温線をやや上
凸の水平近く)の実現、及び一義的に結晶成長開始点
(坩堝内の一点)を決める方法を実現することができ
る。
【0033】坩堝110の下部111において坩堝支持
棒120に連結して炉室170の中央部に設置される。
坩堝110は、結晶性物質の原料180を溶解、保持及
び結晶成長をさせるため、融液と反応せず不純物含有量
の少ない材質、例えば、カーボン、プラチナ、石英ガラ
ス、窒化ホウ素など、から構成されることが好ましい。
蓋112も坩堝110と同じ材質で形成され、蓋112
には結晶成長中に発生した気体を逃がす穴が空いていて
もよい。
【0034】坩堝支持棒120は、筐体160の底部を
貫通し、上部が炉室170に達する。坩堝支持棒120
は坩堝110と坩堝110中の融液重量を支持し、坩堝
昇降部130によって駆動されて坩堝110を上下移動
する。坩堝昇降部130は、坩堝支持棒120に接続さ
れたモータ132と、モータ132を通電する電源13
4と、電源134を制御する制御装置136とを有す
る。モータ132への電源134による通電を制御装置
136が制御することにより、坩堝110をヒータ14
2の加熱領域から非加熱領域へ移動して坩堝110の温
度を徐々に下げることができる。結晶成長を行うときに
は、1時間あたり0.1mm乃至5mm程度の速度で坩
堝110を下降させる。
【0035】ヒータ142は電源144によって通電さ
れ、電源144によるヒータ142の通電は制御装置1
46によって制御される。ヒータ142は、坩堝110
に対向してリング状に配置され、坩堝110ごと原料1
80を加熱し、これを溶融する。本実施例のヒータ14
2は、坩堝110の鉛直方向に沿って均一な加熱力で坩
堝110を加熱する。なお、ヒータ142の数は後述す
るように2つでもよい。本実施例では坩堝110の下部
111の形状とヒータ142の配置により、結晶成長の
起点を坩堝110の種結晶114の上面にし、成長界面
を決定する融点付近の等温線を水平に維持するために、
より特定的には、結晶成長起点付近の等温線をやや上に
凸にして一点からの成長を確保し、成長界面が坩堝11
0上部に行くにつれて等温線を略水平にしている。もち
ろん、本発明は、下部111の材質(熱伝導率)その他
の条件を考慮することを妨げるものではない。
【0036】断熱部材150は、ヒータ142を取り囲
むように炉室170の内側面に近接して配置される。断
熱部材150は、内面がよく研磨されたカーボン製を使
用し、ヒータ142の熱から筐体160内面を保護す
る。筐体160は、結晶成長に際して炉室170内の雰
囲気を外気から遮断すると共に炉室170内の減圧又は
真空環境を維持する。本実施例では、ステンレス製の二
重円筒等を用いて、図示しない断熱材を二重円筒内に配
置することにより筐体160を構成している。
【0037】図1に示す結晶製造装置100を用いて、
直径(以下φと表す)260mm、高さ200mmのフ
ッ化カルシウム(蛍石)の単結晶を製造した。坩堝11
0の内径は冷却後の収縮および加工の取りしろを考慮し
てφ300mmとし、坩堝110下部111の上凸形状
の傾斜角は片側で75度とした。原料180に使用され
た蛍石は天然蛍石(原石)ではなく、CaCOをフッ
酸で処理して化学合成された高純度蛍石粉末を一度溶融
し、固化させた(即ち、精製)後の粉砕品を用いた。こ
れは高純度蛍石粉末では溶融したときの体積減少が大き
く、坩堝110のサイズに対して得られる結晶のサイズ
が著しく小さくなってしまうためである。蛍石の結晶面
方位(1,1,1)面が露出した種結晶114を収納部
110aにセットし、上記粉砕された原料180を坩堝
110内に充填し、炉室170を図示しない排気部を操
作することにより10―3〜10−4Pa程度の真空度
に維持した。次に、種結晶114は蛍石の融点以下であ
る1350℃程度、種結晶以外の蛍石の原料180は融
点以上となる1450℃程度になるように炉室170内
をヒータ142により加熱する。この状態で蛍石原料1
80を含めた炉室170内の温度分布が定常になるまで
20時間保持した。その後、ヒータ142の出力はその
ままに坩堝110を坩堝支持棒120及び坩堝昇降部1
30を用いて1mm/hrの速度で引き下げ、坩堝11
0下部より徐々に結晶化させる。このようにして成長さ
せた蛍石結晶は急冷すると割れたりするため、温度降下
は十分注意し、80時間以上をかけて室温に戻した。こ
の状態では蛍石結晶中には大きな残留応力と歪みがある
ため、熱処理(アニール)を行う。
【0038】その後、蛍石結晶を必要とされる光学素子
に成形する。光学素子は、レンズ、回折格子、光学膜体
及びそれらの複合体、例えば、レンズ、マルチレンズ、
レンズアレイ、レンチキュラーレンズ、ハエの目レン
ズ、非球面レンズ、回折格子、バイナリーオプティック
ス素子及びそれらの複合体を含む。また、光学素子は、
単体のレンズ等に加えて(例えば、フォーカス制御用
の)光センサーなどを含む。必要に応じて、反射防止膜
をフッ化物結晶の光学物品表面に設けるとよい。反射防
止膜としては、フッ化マグネシウムや酸化アルミニウ
ム、酸化タンタルが好適に用いられ、これらは抵抗加熱
による蒸着や電子ビーム蒸着やスパッタリングなどで形
成できる。本発明により得られた光学素子は結晶欠陥が
少ないために反射防止膜の密着性も優れたものとなる。
必要とされる光学物品の形状(凸レンズ、凹レンズ、円
盤状、板状等)に成形加工するための研磨加工において
は、蛍石結晶内の転位密度が小さいことにより部分的な
面精度の低下は非常に小さく許容値以下で高精度の加工
が可能である。
【0039】こうして得られたレンズを各種組み合わせ
れば、エキシマレーザー、特にArFエキシマレーザ
ー、Fエキシマレーザーに適した投影光学系、照明光
学系を構成できる。そして、エキシマレーザー光源と、
本発明の製造方法により得られた蛍石結晶からなるレン
ズを有する光学系と、基板を移動させ得るステージとを
組み合わせて、フォトリソグラフィー用の露光装置を構
成できる。結晶製造装置100で製造した蛍石は結晶粒
界のない良質な結晶とすることができた。
【0040】
【実施例2】図2は、本発明における第2の実施例を示
す結晶製造装置200の模式的な断面図である。本実施
例では第1の実施例に比べて異なる形状の坩堝210を
使用する。その他の同一の参照番号は同一符号を付して
説明を省略する。坩堝210の下部211は、外面側断
面形状が上に凸であるのに対して原料180を充填する
内面側断面形状は水平になっている。ここで結晶性物質
原料180として蛍石を用い、坩堝210の材質を熱伝
導率の良いカーボンとすると、カーボン製坩堝210の
外表面に沿って等温線が平行になろうとするため、坩堝
210の下部211の融液では図2に示す等温線180
bに示すように上に凸の形状になる。従って、結晶成長
起点を坩堝210の中心にすることが可能となる。ここ
で坩堝210の中心に収納部210aを形成し、そこに
あらかじめ任意の面方位に切り出した種結晶114を設
置しておけば任意の面方位を持つ結晶を得ることができ
る。
【0041】
【実施例3】図3は、本発明における第3の実施例を示
す結晶製造装置300の模式的な断面図である。本実施
例でも第1の実施例に比べて異なる形状の坩堝310を
使用する。その他の同一の参照番号は同一符号を付して
説明を省略する。坩堝310の下部311は、外面側断
面形状が上に凸であるのに対して原料180を充填する
内面側断面形状は下に凸になっている。ここで結晶性物
質原料180として蛍石を用い、坩堝310の材料を熱
伝導率の良いカーボンとすると、カーボン製坩堝310
の外表面に沿って等温線が平行になろうとするため、坩
堝310の下部311の融液では図3に示す等温線18
0cに示すように上に凸の形状になる。従って、結晶成
長起点を坩堝310の中心にすることが可能となる。本
実施例では坩堝310の内面が下凸形状をしているた
め、坩堝310の最低部において結晶性物質原料180
は中心部にしかなく、本発明の第2の実施例に比べて、
より確実に中心一点からの結晶成長が可能となる。ここ
で坩堝310の中心に収納部310aを形成し、そこに
あらかじめ任意の面方位に切り出した種結晶114を設
置しておけば任意の面方位を持つ結晶を得ることができ
る。
【0042】
【実施例4】図4は、本発明における第4の実施例を示
す結晶製造装置200aの模式的な断面図である。本実
施例は第2の実施例と同一形状の坩堝210を使用する
が、坩堝210には略水平な仕切り板230が取り付け
られている。その他の同一の参照番号は同一符号を付し
て説明を省略する。坩堝210の下部211は、外面側
断面形状が上に凸であるのに対して原料180を充填す
る内面側断面形状は水平になっている。
【0043】図4に示すように、カーボン製坩堝210
の内面は、やはりカーボン製の仕切り板230により複
数の領域に区分されている。仕切り板230は中央部に
孔を有し、仕切り板230により分けられた領域におい
て成長する結晶性物質の原料180は、第2の実施例と
同じ理由から、まず坩堝210内の融液が底面中央の収
納部210aに置かれた種結晶114面から結晶成長が
開始する。この際、仕切り板230の熱伝導効果により
結晶性物質の原料180には水平な等温面180dが形
成されるので、水平方向にフラットな固液界面で結晶化
が徐々に進行していく。そして仕切り板230によって
分割された領域の上部から次の領域へと、順次仕切り板
230の中央に設けられた孔を通って結晶化が行われ
る。この場合、原料180が減圧下で加熱融解された場
合に発生する不要な気体は孔を通って坩堝210上部へ
と抜ける。孔の直径は結晶方位のつながり、結晶完成後
の分解のしやすさ、気体の抜け安さを考慮すると1〜5
mm程度が望ましい。
【0044】本構成によれば、結晶成長開始点を1点に
決めるばかりでなく、大半の結晶成長領域で、その等温
線が水平であるので中心部及び周辺部の温度差により歪
みが残る心配もなく、より均質な良質の結晶を得ること
ができる。なお、本実施例では坩堝210と仕切り板2
30とを同一の材料から構成したが、一般には仕切り板
230は坩堝210の熱伝導率と同じ又はそれ以上の材
料から形成される。
【0045】
【実施例5】図5は、本発明における第5の実施例を示
す結晶製造装置400の模式的な断面図である。本実施
例は第1の実施例と異なる坩堝410を使用する。その
他の同一の参照番号は同一符号を付して説明を省略す
る。坩堝410の下部411は、外面及び内面側断面形
状は共に下に凸であり、図7に示す坩堝610に対応し
ているが、略円状の平板(熱遮蔽板)430が下部41
1に取り付けられている。ヒータ142a及び142b
は図7に示すヒータ630a及び630bに対応してい
るため詳しい説明は省略する。
【0046】熱遮蔽板430は、坩堝410と一体的に
又は別体として製作される。上述のように、炉室170
内は10−3〜10−4Pa程度に保たれており坩堝4
10は1400℃程度、更にヒータ142a及び142
bは1400℃以上の高温になる。このため、炉室17
0の内部構成要素間の熱伝達は大半が輻射伝熱により行
われる。熱遮蔽板430は、ヒータ142a及び142
bからの輻射熱が坩堝下部周辺部に比べて収納部410
a付近及び近傍の坩堝支持棒120に伝わりにくくなる
ため、坩堝410の下部411を坩堝下部周辺部に比べ
て低温に保つことが可能となる。従って、坩堝410内
の蛍石原料180の温度分布が中心部で低く、周辺部で
高くなるため、等温線180eは上に凸の形状となり、
結晶成長開始点を常に1点にすることができる。
【0047】本発明は、坩堝降下法における多段ヒータ
構成に特に効果的である。第1乃至第4の実施例のよう
にヒータ142の数が一つであると、ヒータ142領域
から坩堝が外れると、坩堝の下部がヒータ142により
直接加熱されることはなくなるため急激に温度低下を引
き起こす。また、図7の右側に示すように、高温ゾーン
と低温ゾーンをもつより緩やかな温度勾配の構成であっ
ても、従来の坩堝610ではやはり引き下げ時に高温ゾ
ーンを外れると大きな温度変化を発生させてしまう。急
激な温度勾配又は変化は、結晶中に歪みをもたらして方
位の異なる結晶成長を招くため好ましくない。しかし、
本実施例の坩堝構成によれば、坩堝410の位置が炉室
170の最上部にあっても、熱遮蔽板430が上ヒータ
142aの輻射熱の影響を防止するため、坩堝410を
引き下げていき、高温ゾーンをはずれても急激な温度変
化の変化を生じない。これにより、高品質の結晶を安定
して成長させることができる。
【0048】
【実施例6】図8は、本発明における第6の実施例を示
す結晶製造装置700の模式的な断面図である。本実施
例は第1の実施例とは、坩堝710の形状が異なり坩堝
710の下部の周辺部に断熱部材714が取り付けられ
ている点で相違する。その他の同一の参照番号は同一符
号を付して説明を省略する。
【0049】坩堝710は、結晶性物質180の原料を
熔融し結晶成長をさせるため融液と反応しないように不
純物の少ない材料で構成されていることが望ましい。坩
堝710の下部の外面及び内面側断面形状は、図示した
通りの水平形状ではなく、下に凸のコーン形状であって
も構わない。
【0050】また、本実施例では、特徴的に、坩堝71
0の下部の周辺部には断熱部材714が取り付けられて
いる。この断熱部材714により、図12に示したよう
に、坩堝710の下面の周辺部から下方へ流れる熱Q1
が塞ぎとめられ、坩堝710の底中心から下方への伝熱
量Q2が坩堝710下面の周辺部から下方への伝熱量Q
1よりも大きくなる。よって、坩堝710底の中心部と
周辺部とで大きな温度差ができ、結晶融液180の温度
分布である等温線180aを上に凸の形状に近づけてい
る。断熱部材714は、例えば、カーボン、MgO、セ
ラミック、金属メッシュ、金属板、耐熱耐火煉瓦から選
択される材料が用いられる。また、カーボン、MgO、
セラミック、金属メッシュ、金属板、耐熱耐火煉瓦の各
組み合わせから選択される材料が用いられる。
【0051】炉室770は、より結晶成長の環境を一定
に保つために上部にも断熱部材150を取り付け、側部
及び上部の3方向を断熱部材150によって取り囲んだ
構造をしている。
【0052】本実施例の構成によれば、坩堝710の下
面の周辺部に断熱部材714を設けることで等温線18
0aを上に凸の形状に近づけている。これにより、坩堝
710が大口径になっても結晶化の起点が坩堝710底
の中心の一点のみになり、高品質の結晶を安定して成長
させることができる。
【0053】
【実施例7】図9は、本発明における第7の実施例を示
す結晶製造装置700aの模式的な断面図である。本実
施例は、第6の実施例とは坩堝支持棒120に下部断熱
部材717が設けられている点で異なる。その他の同一
の参照番号は同一符号を付して説明を省略する。
【0054】高品質の単結晶を製造するためには、結晶
成長の起点を坩堝内の一点にすること、及び成長結晶内
の歪みを制御するために原料の融点付近の等温線を水平
に維持することが必要である。また、坩堝内の温度分布
を均一に維持するには、坩堝の保温性を高める必要があ
る。そこで、本実施例では坩堝710全体の保温性をよ
り高めるために、坩堝支持棒120に下部断熱部材71
7が設けられている。
【0055】下部断熱部材717は、本実施形態におい
て、円板形状を有し、坩堝710の底面積より大となる
面積を有している。但し、これらの形状は例示的であり
本発明を限定するものではないが、坩堝710に対する
十分な保温性を得るためにも坩堝710の底面積より大
となることが好ましい。また、下部断熱部717は坩堝
支持棒120に対して移動不能に固定されても、又は坩
堝支持棒120に対して上下方向へ移動可能に固定され
ても良い。下部断熱部717が坩堝支持棒120に対し
て固定されるのであれば、かかる下部断熱部717と坩
堝710との距離は、実験的又は計算により求めるなど
して、坩堝710内の温度分布が均一となるような位置
に設けられることが好ましい。また、下部断熱部717
が坩堝支持棒120に対して移動可能に取り付けられる
ならば、原料やヒータ142の温度などに応じて、坩堝
710内の温度分布が均一となるような位置に調節しな
がら固定することができるであろう。下部断熱部材71
7は、例えばカーボン、MgO、セラミック、金属メッ
シュ、金属板、耐熱耐火煉瓦から選択される材料が用い
られる。
【0056】本実施例の構成によれば、坩堝支持棒12
0に下部断熱部717を設けることで坩堝710内の保
温性を高めることができるので、比較的冷却されやすい
坩堝710の下面の周辺部から下方への熱の流れを抑制
することができる。これにより、坩堝が大口径になって
も結晶化の起点が坩堝710底の中心の一点のみとな
り、高品質の結晶を安定して成長させることができる。
【0057】
【実施例8】図10は、本発明における第8の実施例を
示す結晶製造装置800の模式的な断面図である。本実
施例は、第6の実施例と同一形状の坩堝710を使用す
るが、坩堝710内に略水平な仕切り板830が取り付
けられている。その他の同一の参照番号は同一符号を付
して説明を省略する。
【0058】図10に示すように、坩堝710は複数の
仕切り板830を有し、当該仕切り板830により当該
坩堝710は軸方向に複数の領域に区分されている。
【0059】仕切り板830は、坩堝710内部領域を
当該坩堝710の軸方向に複数の領域に分割する。仕切
り板830は、本実施形態おいて、中央に孔814を有
する円板として実現されており、坩堝710の内壁に接
続している。但し、仕切り板830の形状は坩堝710
の形状に対応していかようにも変更可能であり、また、
孔814の形状も任意である。仕切り板830は、坩堝
710の熱伝導率と同じもしくはそれ以上の材料からな
ることが好ましい。これにより、仕切り板830に伝導
される熱効果を利用して、原料180に水平な等温線を
形成することができる。また、仕切り板830に形成さ
れた孔814により、坩堝710は仕切り板830によ
り分割された領域の上部から次の領域へと順次に原料を
降下させることで結晶化を行うことができる。また、孔
814は原料180が減圧下で加熱融解された時に発生
する不要な気体を通過させることで坩堝710上部へと
抜くことができる。
【0060】本実施例の構成によれば、坩堝710内を
複数に分割する仕切り板830を設けることで、加熱溶
解されたときの温度差による歪みが残らず良質の結晶を
得ることができる。また、仕切り板830の中央に孔8
14を設けることで中央部と周辺部に温度差をつけ結晶
成長の起点を底の中心の一点にすることが可能となる。
これにより、本発明の結晶製造装置800によれば、高
品質の結晶を安定して成長させることができる。
【0061】
【実施例9】図11は、本発明における第9の実施例を
示す結晶製造装置800aの模式的な断面図である。本
実施例は、第6の実施例とは坩堝支持棒120に下部断
熱部材717が設けられていると共に坩堝710内に略
水平な仕切り板830が取り付けられているで異なる。
その他の同一の参照番号は同一の符号を付して説明を省
略する。
【0062】高品質の単結晶を製造するためには、結晶
成長の起点を坩堝内の一点にすること、及び成長結晶内
の歪みを制御するために原料の融点付近の等温線を水平
に維持することが必要である。そのことより、坩堝内の
温度分布を均一に維持するには、坩堝の保温性を高める
必要がある。そこで、本実施例では坩堝710全体の保
温性をより高める目的で、坩堝支持棒120に下部断熱
部材717を設置している。下部断熱部材717として
は、例えば、カーボン、MgO、セラミック、金属メッ
シュ、金属板、耐熱耐火煉瓦から選択される材料が用い
られる。
【0063】仕切り板830は、坩堝710の熱伝導率
と同じもしくはそれ以上の材料からなり、坩堝710内
部領域を複数の領域に分けている。また、仕切り板83
0の中央には孔814を有している。熱伝導率の大きい
仕切り板830に原料の等温線を追従させることで、温
度差により生じる歪みをなくし良質な結晶を得ることが
できる。また、仕切り板830の中央に孔814を設け
ることで、原料180を減圧下で加熱融解した時に発生
する不要な気体を坩堝710上部へ抜くことができる。
また、中央部と周辺部に温度差をつけ結晶成長の起点を
底部の中央の一点にすることで多結晶の生成を防止す
る。
【0064】
【実施例10】図13は、本発明における第10の実施
例を示す結晶製造装置900の模式的な断面図である。
本実施例は、第6の実施例とは炉室970が断熱部材1
50によって四方を囲まれている構成をしている点と、
炉室970内に設けているヒーター142の数が多い点
で異なる。
【0065】図13に示すように炉室970は、より結
晶成長の環境を一定に保つために下部にも断熱部材15
0を取り付け、炉室970の四方を断熱部材150によ
って取り囲んだ構造をしている。これにより、結晶製造
時における温度をより均一に保つことができる。
【0066】図13に示すように、炉室970には多数
のヒーター142が設けられている。上記の実施例のよ
うにヒーター142の数が1又は2つであると、坩堝支
持棒120により坩堝710を引き下げる時、大きな温
度変化を起こしてしまい結晶に歪みが生じてしまい、結
晶方位の異なる結晶を形成しやすくなってしまう。そこ
で、本実施例では、側面及び上下ヒーター142が結晶
成長に適した温度分布を精密に制御できるように多段に
分割されている。また、ヒーター142の出力により制
御するので坩堝710を移動させなくても結晶成長を行
うことができる。このことより、坩堝710が急激な温
度変化を受けなくなり、高品質の結晶を安定して成長さ
せることができる。ただし、ヒーター142の段数は図
示した通りの数に限定されるものではない。
【0067】坩堝710内の構造は、上記実施例と同
様、仕切り板830により複数の領域に分けられている
ものであってもよい。また、坩堝710全体の保温性を
高めるための下部断熱部材717に関しても、上記実施
例と同様、坩堝支持棒120に固定した状態で設けられ
ていてもよい。
【0068】本実施例の構成に拠れば、多段に分割され
たヒータ142が坩堝710の周囲に設けられ、かかる
ヒータ142を制御することで坩堝710内の温度を精
密に制御することができる。これにより、坩堝710低
の中央部と周辺部に温度差をつけ結晶成長の起点を底の
中心の一点にすることが可能となり、高品質の結晶を安
定して成長させることができる。
【0069】以下、図14を参照して、本発明の例示的
な露光装置1000について説明する。ここで、図14
は、本発明の例示的な露光装置1000の概略断面図で
ある。露光装置1000は、図14に示すように、照明
装置1100と、マスク1200と、投影光学系130
0と、プレート1400と、ステージ1450とを有す
る。露光装置1000は、ステップアンドリピート方式
またはステップアンドスキャン方式でマスク1200に
形成された回路パターンをプレート1400に露光する
走査型投影露光装置である。
【0070】照明装置1100は転写用の回路パターン
が形成されたマスク1200を照明し、光源部1120
と照明光学系1140とを有する。
【0071】光源部1120は、例えば、光源としてレ
ーザーを使用する。レーザーは、波長約193nmのA
rFエキシマレーザー、波長約248nmのKrFエキ
シマレーザー、波長約157nmのFエキシマレーザ
ーなどを使用することができるが、レーザーの種類はエ
キシマレーザーに限定されず、例えば、YAGレーザー
を使用してもよいし、そのレーザーの個数も限定されな
い。光源部1120にレーザーが使用される場合、レー
ザー光源からの平行光束を所望のビーム形状に整形する
光束整形光学系、コヒーレントなレーザー光束をインコ
ヒーレント化するインコヒーレント化光学系を使用する
ことが好ましい。また、光源部1120に使用可能な光
源はレーザーに限定されるものではなく、一又は複数の
水銀ランプやキセノンランプなどのランプも使用可能で
ある。
【0072】照明光学系1140はマスク1200を照
明する光学系であり、レンズ、ミラー、ライトインテグ
レーター、絞り等を含む。例えば、コンデンサーレン
ズ、ハエの目レンズ、開口絞り、コンデンサーレンズ、
スリット、結像光学系の順で整列する等である。照明光
学系1140は、軸上光、軸外光を問わず使用すること
ができる。ライトインテグレーターは、ハエの目レンズ
や2組のシリンドリカルレンズアレイ(又はレンチキュ
ラーレンズ)板を重ねることによって構成されるインテ
グレーター等を含むが、光学ロッドや回折素子に置換さ
れる場合もある。かかる照明光学系1140のレンズな
どの光学素子に本発明のフッ化カリウム結晶から製造さ
れる光学素子を使用することができる。
【0073】マスク1200の上には転写されるべき回
路パターン(又は像)が形成され、図示しないマスクス
テージに支持及び駆動される。マスク1200から発せ
られた回折光は投影光学系1300を通りプレート14
00上に投影される。プレート1400はウェハや液晶
基板などの被処理体でありレジストが塗布されている。
マスク1200とプレート1400とは共役の関係にあ
る。走査型投影露光装置の場合は、マスク1200とプ
レート1400を走査することによりマスク1200の
パターンをプレート1400上に転写する。ステッパー
(ステップアンドリピート露光方式の露光装置)の場合
はマスク1200とプレート1400を静止させた状態
で露光が行われる。
【0074】投影光学系1300は、複数のレンズ素子
のみからなる光学系、複数のレンズ素子と少なくとも一
枚の凹面鏡とを有する光学系(カタディオプトリック光
学系)、複数のレンズ素子と少なくとも一枚のキノフォ
ームなどの回折光学素子とを有する光学系、全ミラー型
の光学系等を使用することができる。色収差の補正が必
要な場合には、互いに分散値(アッベ値)の異なるガラ
ス材からなる複数のレンズ素子を使用したり、回折光学
素子をレンズ素子と逆方向の分散が生じるように構成し
たりする。かかる投影光学系1300のレンズなどの光
学素子に本発明のフッ化カルシウム結晶から製造される
光学素子を使用することができる。
【0075】プレート1400にはフォトレジストが塗
布されている。フォトレジスト塗布工程は、前処理と、
密着性向上剤塗布処理と、フォトレジスト塗布処理と、
プリベーク処理とを含む。前処理は洗浄、乾燥などを含
む。密着性向上剤塗布処理は、フォトレジストと下地と
の密着性を高めるための表面改質(即ち、界面活性剤塗
布による疎水性化)処理であり、HMDS(Hexam
ethyl−disilazane)などの有機膜をコ
ート又は蒸気処理する。プリベークはベーキング(焼
成)工程であるが現像後のそれよりもソフトであり、溶
剤を除去する。
【0076】ステージ1450はプレート1400を支
持する。ステージ1450は、当業界で周知のいかなる
構成をも適用することができるので、ここでは詳しい構
造及び動作の説明は省略する。例えば、ステージ145
0はリニアモータを利用してXY方向にプレート140
0を移動することができる。マスク1200とプレート
1400は、例えば、同期走査され、ステージ1450
と図示しないマスクステージの位置は、例えば、レーザ
ー干渉計などにより監視され、両者は一定の速度比率で
駆動される。ステージ1450は、例えば、ダンパを介
して床等の上に支持されるステージ定盤上に設けられ、
マスクステージ及び投影光学系1300は例えば、鏡筒
定盤は床等に載置されたベースフレーム上にダンパ等を
介して支持される図示しない鏡筒定盤上に設けられる。
【0077】露光において、光源部1120から発せら
れた光束は、照明光学系1140によりマスク1200
を、例えば、ケーラー照明する。マスク1200を通過
してマスクパターンを反映する光は投影光学系1300
によりプレート1400に結像される。露光装置100
0が使用する照明光学系1140及び投影光学系130
0は、本発明によるフッ化カルシウム結晶から製造され
る光学素子を含んで紫外光、遠紫外光及び真空紫外光を
高い透過率で透過するので、高いスループットで経済性
よくデバイス(半導体素子、LCD素子、撮像素子(C
CDなど)、薄膜磁気ヘッドなど)を提供することがで
きる。
【0078】次に、図15及び図16を参照して、上述
の露光装置1000を利用したデバイスの製造方法の実
施例を説明する。図15は、デバイス(ICやLSIな
どの半導体チップ、LCD、CCD等)の製造を説明す
るためのフローチャートである。ここでは、半導体チッ
プの製造を例に説明する。ステップ1(回路設計)では
デバイスの回路設計を行う。ステップ2(マスク製作)
では、設計した回路パターンを形成したマスクを製作す
る。ステップ3(ウェハ製造)ではシリコンなどの材料
を用いてウェハを製造する。ステップ4(ウェハプロセ
ス)は前工程と呼ばれ、マスクとウェハを用いてリソグ
ラフィ技術によってウェハ上に実際の回路を形成する。
ステップ5(組み立て)は後工程と呼ばれ、ステップ4
によって作成されたウェハを用いて半導体チップ化する
工程であり、アッセンブリ工程(ダイシング、ボンディ
ング)、パッケージング工程(チップ封入)等の工程を
含む。ステップ6(検査)では、ステップ5で作成され
た半導体デバイスの動作確認テスト、耐久性テストなど
の検査を行う。こうした工程を経て半導体デバイスが完
成し、これが出荷(ステップ7)される。
【0079】図16は、ステップ4のウェハプロセスの
詳細なフローチャートである。ステップ11(酸化)で
はウェハの表面を酸化させる。ステップ12(CVD)
では、ウェハの表面に絶縁膜を形成する。ステップ13
(電極形成)では、ウェハ上に電極を蒸着などによって
形成する。ステップ14(イオン打ち込み)ではウェハ
にイオンを打ち込む。ステップ15(レジスト処理)で
はウェハに感光剤を塗布する。ステップ16(露光)で
は、露光装置1によってマスクの回路パターンをウェハ
に露光する。ステップ17(現像)では、露光したウェ
ハを現像する。ステップ18(エッチング)では、現像
したレジスト像以外の部分を削り取る。ステップ19
(レジスト剥離)では、エッチングが済んで不要となっ
たレジストを取り除く。これらのステップを繰り返し行
うことによってウェハ上に多重に回路パターンが形成さ
れる。本実施例の製造方法によれば従来よりも高品位の
デバイスを製造することができる。
【0080】以上、本発明の好ましい実施例を説明した
が、本発明はこれらに限定されずその要旨の範囲内で様
々な変形や変更が可能である。
【0081】このように本発明の結晶製造装置によれ
ば、溶融させた結晶性物質の原料を結晶化させる坩堝内
部を上に凸形状にするという簡単な方法で、原料融液中
の温度分布を坩堝形状に沿わすことができるため、坩堝
中心を確実に結晶成長の起点とすることができ、結晶粒
界のない良質な結晶を製造することが可能となる。さら
に、坩堝下部に種結晶収納部を設け、坩堝内部とテーパ
ー状に連結するようにすると結晶成長面方位を任意にコ
ントロールすることが可能となる。また、坩堝内部に仕
切り板を設置すると、坩堝内の原料融液の温度分布を仕
切り板に沿って水平にすることが可能なため、温度勾配
の少ない垂直方向への結晶成長となり高品質結晶を製造
することができる。坩堝下部に熱遮蔽板を取り付けるこ
とで、坩堝以外への輻射熱を防ぎ、坩堝の上下移動によ
る著しく大きな温度勾配を抑える。また、坩堝内の原料
融液の温度分布を坩堝中心部で低く、周辺部で高いとい
う上に凸形状にすることができるため、結晶成長開始点
を常に一点にすることが可能となる。結晶性物質よりも
熱伝導率の大きな物質で坩堝を製作すると本発明の効果
はより確実なものとなる。
【0082】
【発明の効果】本発明の結晶製造装置によれば、優れた
光学特性を有する単結晶を製造するために、水平又はや
や上に凸の等温面を形成すると共に結晶成長の起点を一
点に決定することができる。
【図面の簡単な説明】
【図1】 本発明の第1の実施例による結晶製造装置の
模式的断面図である。
【図2】 本発明の第2の実施例による結晶製造装置の
模式的断面図である。
【図3】 本発明の第3の実施例による結晶製造装置の
模式的断面図である。
【図4】 本発明の第4の実施例による結晶製造装置の
模式的断面図である。
【図5】 本発明の第5の実施例による結晶製造装置の
模式的断面図である。
【図6】 従来の一室タイプの結晶製造装置例を示す模
式的断面図である。
【図7】 従来の二室タイプの結晶製造装置例を示す模
式的断面図である。
【図8】 本発明の実施例6にかかる製造装置の概略垂
直断面図。
【図9】 本発明の実施例7にかかる製造装置の概略垂
直断面図。
【図10】 本発明の実施例8にかかる製造装置の概略
垂直断面図。
【図11】 本発明の実施例9にかかる製造装置の概略
垂直断面図。
【図12】 本発明の実施例6に係る、坩堝における熱
の流れを示す模式図。
【図13】 本発明の実施例10にかかる製造装置の概
略垂直断面図。
【図14】 本発明の露光装置の概略断面図である。
【図15】 本発明の露光工程を有するデバイス製造方
法を説明するためのフローチャートである。
【図16】 図15に示すステップ4の詳細なフローチ
ャートである。
【符号の説明】
100、200、200a、300、400、700、
700a、800、800a、900
結晶製造装置 110、210、310、410、710 坩堝 142、142a、142b ヒー
ター 180 原料 430 熱遮
蔽板 150 断熱
部材 180a 等温
線 714 断熱
部材 717 下部
断熱部材 814 孔 830 坩堝
仕切り板
フロントページの続き Fターム(参考) 2H097 CA13 GB00 LA10 4G077 AA02 BE02 CD02 EG01 HA01 MB04 5F046 CB12

Claims (26)

    【特許請求の範囲】
  1. 【請求項1】 結晶性物質の原料を収納して結晶成長さ
    せる略円筒形状の坩堝であって、結晶成長が開始する前
    記坩堝の下部の外面側断面形状が上に凸である坩堝と、 前記坩堝の円筒面の周囲に沿って配置され、前記坩堝を
    介して前記原料を加熱して溶融する加熱部とを有する結
    晶製造装置。
  2. 【請求項2】 結晶性物質の原料を収納して結晶成長さ
    せる略円筒形状の坩堝であって、結晶成長が開始する前
    記坩堝の下部に前記坩堝の側面の外周またはその内側に
    沿って略円状の平板を有する坩堝と、 前記坩堝の円筒面の周囲に沿って配置され、前記坩堝を
    介して前記原料を加熱して溶融する加熱部とを有する結
    晶製造装置。
  3. 【請求項3】 前記略円状の平板は、熱遮蔽板である請
    求項2記載の結晶製造装置。
  4. 【請求項4】 前記坩堝は、前記原料を収納する前記下
    部の内面側の断面形状が上に凸である請求項1から3の
    いずれか一項記載の結晶製造装置。
  5. 【請求項5】 前記坩堝は、前記原料を収納する前記下
    部の内面側の断面形状が水平である請求項1から3のい
    ずれか一項記載の結晶製造装置。
  6. 【請求項6】 前記坩堝は、前記原料を収納する前記下
    部の内面側の断面形状が下に凸である請求項1から3の
    いずれか一項記載の結晶製造装置。
  7. 【請求項7】 前記坩堝は、前記下部の中心に前記原料
    を結晶成長するための種結晶を収納する収納部を有する
    請求項1から6のいずれか一項記載の結晶製造装置。
  8. 【請求項8】 前記収納部は、前記収納部の径が徐々に
    大きくなる形状で前記坩堝下部内面と連結されている請
    求項7記載の結晶製造装置。
  9. 【請求項9】 坩堝引下げ法により坩堝中で熔融させた
    結晶性物質の原料を冷却することで結晶化させる結晶製
    造装置において、坩堝の底の中心部を局部的に低温にす
    る手段を有することを特徴とする結晶製造装置。
  10. 【請求項10】 坩堝引下げ法により坩堝中で熔融させ
    た結晶性物質の原料を冷却することで結晶化させる結晶
    製造装置において、前記坩堝の下面の周辺部における放
    熱を抑制する手段を有することを特徴とする結晶製造装
    置。
  11. 【請求項11】 結晶性物質の原料を収納する坩堝であ
    って、前記坩堝の下面の周辺部に断熱手段を有する坩堝
    と、 前記坩堝に収容された前記原料を熔融するための加熱部
    と、 前記坩堝を移動させるための坩堝支持棒とを有する結晶
    製造装置。
  12. 【請求項12】 結晶性物質の原料を収納する坩堝と、 前記原料を熔融するための加熱部と前記坩堝を移動させ
    るための坩堝支持棒であって、前記坩堝支持棒に断熱手
    段を固定させた坩堝支持棒とを有する結晶製造装置。
  13. 【請求項13】 前記断熱手段は、断熱部材である請求
    項11及び請求項12の何れかに記載の結晶製造装置。
  14. 【請求項14】 前記断熱部材は、カーボン、MgO、
    セラミック、金属メッシュ、金属板、耐熱耐火煉瓦から
    選択される材料からなる請求項13記載の結晶製造装
    置。
  15. 【請求項15】 前記坩堝は、前記原料を収容する領域
    を唯一有していることを特徴とする請求項11及び請求
    項12の何れかに記載の結晶製造装置。
  16. 【請求項16】 前記坩堝は、当該坩堝の熱伝導率と同
    じまたはより大きい熱伝導率の材料から形成されて、前
    記原料を略水平に区分する仕切り板を有する請求項1乃
    至8、11及び12のうちいずれか一項記載の結晶製造
    装置。
  17. 【請求項17】 前記仕切り板の少なくとも1つは、中
    央に孔を有し、該孔を介して上下の前記領域が連通して
    いることを特徴とする請求項16記載の結晶製造装置。
  18. 【請求項18】 前記坩堝は、前記結晶性物質より熱伝
    導率が大きい材料から形成される請求項1から17のい
    ずれか一項記載の結晶製造装置。
  19. 【請求項19】 前記原料は、フッ化カルシウムである
    請求項1から18のいずれか一項記載の結晶製造装置。
  20. 【請求項20】 請求項1乃至19のうちいずれか一項
    記載の結晶製造装置を利用して結晶成長された結晶性物
    質からなる光学素子。
  21. 【請求項21】 レンズ、回折格子、光学膜体及びそれ
    らの複合体の一つである請求項20記載の光学素子。
  22. 【請求項22】 紫外光、遠紫外光及び真空紫外光を露
    光体として利用し、当該露光光を、請求項21記載の光
    学素子を含む光学系を介して被処理体に照射して当該被
    処理体を露光する露光装置。
  23. 【請求項23】 請求項22記載の露光装置を用いて前
    記被処理体を投影露光するステップと、 前記投影露光された前記被処理体に所定のプロセスを行
    うステップとを有するデバイス製造方法。
  24. 【請求項24】 請求項22記載の露光装置を用いて投
    影露光された被処理体より製造されるデバイス。
  25. 【請求項25】 結晶性物質の原料を収納して結晶成長
    させる略円筒形状の坩堝であって、結晶成長が開始する
    前記坩堝の下部の外形が上に凸形状である坩堝。
  26. 【請求項26】 結晶性物質の原料を収納して結晶成長
    させる略円筒形状の坩堝であって、結晶成長が開始する
    前記坩堝の下部に前記坩堝の側面の外周またはその内側
    に沿って略円状の平板を有する坩堝。
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