JP3465319B2 - 車両の振動低減装置 - Google Patents
車両の振動低減装置Info
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- JP3465319B2 JP3465319B2 JP26864393A JP26864393A JP3465319B2 JP 3465319 B2 JP3465319 B2 JP 3465319B2 JP 26864393 A JP26864393 A JP 26864393A JP 26864393 A JP26864393 A JP 26864393A JP 3465319 B2 JP3465319 B2 JP 3465319B2
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Description
【0001】
【産業上の利用分野】本発明は、振動源からの振動とは
逆位相の反転振動を加振手段で発生させて振動を所定の
振動低減箇所にて低減するための車両の振動低減装置に
関する。
逆位相の反転振動を加振手段で発生させて振動を所定の
振動低減箇所にて低減するための車両の振動低減装置に
関する。
【0002】
【従来の技術】従来より、この種能動型の振動低減装置
として、例えば特表平1−501344号公報に開示さ
れるように、車載エンジンの騒音を低減する場合に、エ
ンジンで発生する騒音に対応したリファレンス信号を発
生させるリファレンス信号発生器と、このリファレンス
信号発生器で発生したリファレンス信号から逆位相でか
つ同振幅の反転音信号を生成する適応型フィルタと、こ
の適応型フィルタで生成された反転音信号を受けて車室
内に反転音を発生するスピーカと、車室内において騒音
を低減すべき箇所に配置され、該箇所での空気の振動を
検出するマイクロフォンと、このマイクロフォンにより
検出される音が低減されるよう上記適応型フィルタのフ
ィルタ係数を逐次更新するLMS(Least Mean Square
Method(=最小二乗法))アルゴリズム演算手段とを備
えたものが知られている。
として、例えば特表平1−501344号公報に開示さ
れるように、車載エンジンの騒音を低減する場合に、エ
ンジンで発生する騒音に対応したリファレンス信号を発
生させるリファレンス信号発生器と、このリファレンス
信号発生器で発生したリファレンス信号から逆位相でか
つ同振幅の反転音信号を生成する適応型フィルタと、こ
の適応型フィルタで生成された反転音信号を受けて車室
内に反転音を発生するスピーカと、車室内において騒音
を低減すべき箇所に配置され、該箇所での空気の振動を
検出するマイクロフォンと、このマイクロフォンにより
検出される音が低減されるよう上記適応型フィルタのフ
ィルタ係数を逐次更新するLMS(Least Mean Square
Method(=最小二乗法))アルゴリズム演算手段とを備
えたものが知られている。
【0003】すなわち、上記リファレンス信号発生器に
おいて、エンジン振動に対応するイグニッションパルス
信号を検出し、このイグニッションパルス信号からデジ
タル信号としてのリファレンス信号を発生させる。この
リファレンス信号は適応型フィルタに入力され、この適
応型フィルタにおいてリファレンス信号のゲインや位相
等が調整されて、マイクロフォンの配置位置でエンジン
騒音とスピーカで発生した音とが互いに打ち消しあうよ
うな反転音信号が生成され、この反転音信号はスピーカ
に出力されて該スピーカから上記反転音が出力される。
おいて、エンジン振動に対応するイグニッションパルス
信号を検出し、このイグニッションパルス信号からデジ
タル信号としてのリファレンス信号を発生させる。この
リファレンス信号は適応型フィルタに入力され、この適
応型フィルタにおいてリファレンス信号のゲインや位相
等が調整されて、マイクロフォンの配置位置でエンジン
騒音とスピーカで発生した音とが互いに打ち消しあうよ
うな反転音信号が生成され、この反転音信号はスピーカ
に出力されて該スピーカから上記反転音が出力される。
【0004】また、上記リファレンス信号はLMSアル
ゴリズム演算手段にも入力され、この演算手段におい
て、マイクロフォンから出力される信号のレベルが低く
なるように上記適応型フィルタのフィルタ係数を逐次更
新して最適化するようになっている。
ゴリズム演算手段にも入力され、この演算手段におい
て、マイクロフォンから出力される信号のレベルが低く
なるように上記適応型フィルタのフィルタ係数を逐次更
新して最適化するようになっている。
【0005】一方、本出願人は、前に、所定の振動低減
箇所にマイクロフォン等の振動検出手段を、またこの検
出手段とは異なる位置にスピーカ等の加振手段をそれぞ
れ配置しておき、振動検出手段で検出された振動信号を
逐次リファレンス信号として加振手段と検出手段との間
の振動伝達特性に基づいて加工して振動低減信号を生成
し、この信号を加振手段に出力するようにしたものを提
案している(特願平4―32217号明細書及び図面参
照)。
箇所にマイクロフォン等の振動検出手段を、またこの検
出手段とは異なる位置にスピーカ等の加振手段をそれぞ
れ配置しておき、振動検出手段で検出された振動信号を
逐次リファレンス信号として加振手段と検出手段との間
の振動伝達特性に基づいて加工して振動低減信号を生成
し、この信号を加振手段に出力するようにしたものを提
案している(特願平4―32217号明細書及び図面参
照)。
【0006】そして、この提案の振動低減装置による
と、前者の従来例に比べ、マイクロフォン等の振動検出
手段が検出した振動を加工するので、振動低減ための演
算量が少なくて済み、振動レベル全体を低減することが
できる利点がある。
と、前者の従来例に比べ、マイクロフォン等の振動検出
手段が検出した振動を加工するので、振動低減ための演
算量が少なくて済み、振動レベル全体を低減することが
できる利点がある。
【0007】
【発明が解決しようとする課題】ところで、このような
振動低減装置により振動としてのエンジン騒音を低減す
る場合、例えばあるエンジン回転数で、その回転に同期
した所定の次数成分が車室内の空間で共鳴していわゆる
籠り音が発生したときには、その次数成分のみを集中し
て低減制御することが要求される。
振動低減装置により振動としてのエンジン騒音を低減す
る場合、例えばあるエンジン回転数で、その回転に同期
した所定の次数成分が車室内の空間で共鳴していわゆる
籠り音が発生したときには、その次数成分のみを集中し
て低減制御することが要求される。
【0008】また、エンジン騒音から偶数次成分を除去
して奇数次成分のみとすると、乗員の受ける軽快感が、
また逆に奇数次成分を除去して偶数次成分のみとする
と、乗員の受ける重厚感がそれぞれ向上することが知ら
れており、この観点から、エンジン音の音質を乗員の要
求に応じて適正に設定するためには、エンジン騒音の奇
数次成分又は偶数次成分のみを集中的に低減制御するこ
とが必要となる。
して奇数次成分のみとすると、乗員の受ける軽快感が、
また逆に奇数次成分を除去して偶数次成分のみとする
と、乗員の受ける重厚感がそれぞれ向上することが知ら
れており、この観点から、エンジン音の音質を乗員の要
求に応じて適正に設定するためには、エンジン騒音の奇
数次成分又は偶数次成分のみを集中的に低減制御するこ
とが必要となる。
【0009】しかし、上記提案のものでは、エンジン騒
音の全ての整数次成分が制御対象となり、特定の次数成
分のみを制御できず、上記音質のチューニング等を行う
という要求に対処することが困難であり、改善の余地が
あった。
音の全ての整数次成分が制御対象となり、特定の次数成
分のみを制御できず、上記音質のチューニング等を行う
という要求に対処することが困難であり、改善の余地が
あった。
【0010】本発明は斯かる点に鑑みてなされたもの
で、その目的は、上記提案の振動低減装置における制御
系の構成を改良することにより、振動源からの振動のう
ち、その振動源の振動に同期した特定の次数成分のみを
限定して低減制御できるようにすることにある。
で、その目的は、上記提案の振動低減装置における制御
系の構成を改良することにより、振動源からの振動のう
ち、その振動源の振動に同期した特定の次数成分のみを
限定して低減制御できるようにすることにある。
【0011】
【課題を解決するための手段】上記の目的を達成するた
め、この発明では、スピーカ等の加振手段とマイクロフ
ォン等の振動検出手段との間の振動伝達特性データ、又
は加振手段への出力信号データの一方から、振動源の振
動に同期した特定の次数成分を抽出して限定し、その特
定次数成分のみを低減制御するようにした。
め、この発明では、スピーカ等の加振手段とマイクロフ
ォン等の振動検出手段との間の振動伝達特性データ、又
は加振手段への出力信号データの一方から、振動源の振
動に同期した特定の次数成分を抽出して限定し、その特
定次数成分のみを低減制御するようにした。
【0012】具体的には、請求項1の発明では、振動を
発生させるスピーカやアクチュエータ等の加振手段と、
所定の振動低減箇所に配設され、該振動低減箇所での振
動を検出するマイクロフォンや加速度センサ等の振動検
出手段と、該振動検出手段により検出された振動信号の
データから該振動信号とは逆位相の振動低減信号を上記
加振手段及び振動検出手段間の振動伝達特性データに基
づいて生成する振動低減信号生成手段とを備え、振動低
減信号生成手段で生成された振動低減信号を加振手段に
出力して反転振動を加振手段から発生させることによ
り、振動検出手段で検出される振動を低減するようにし
た車両の振動低減装置が前提である。
発生させるスピーカやアクチュエータ等の加振手段と、
所定の振動低減箇所に配設され、該振動低減箇所での振
動を検出するマイクロフォンや加速度センサ等の振動検
出手段と、該振動検出手段により検出された振動信号の
データから該振動信号とは逆位相の振動低減信号を上記
加振手段及び振動検出手段間の振動伝達特性データに基
づいて生成する振動低減信号生成手段とを備え、振動低
減信号生成手段で生成された振動低減信号を加振手段に
出力して反転振動を加振手段から発生させることによ
り、振動検出手段で検出される振動を低減するようにし
た車両の振動低減装置が前提である。
【0013】そして、上記振動源の振動周期と同期した
所定次数成分のデータを限定するデータ限定手段を設
け、振動低減信号生成手段は、上記データ限定手段によ
り限定された次数成分のデータに基づいて振動低減信号
を生成するように構成する。
所定次数成分のデータを限定するデータ限定手段を設
け、振動低減信号生成手段は、上記データ限定手段によ
り限定された次数成分のデータに基づいて振動低減信号
を生成するように構成する。
【0014】さらに、上記振動源の振動周期が変動した
ことを検出する周期変化検出手段と、この周期変化検出
手段により検出される振動源の周期変動が所定値以上の
とき、データ限定手段を作動させる制御手段とを設け
る。
ことを検出する周期変化検出手段と、この周期変化検出
手段により検出される振動源の周期変動が所定値以上の
とき、データ限定手段を作動させる制御手段とを設け
る。
【0015】請求項2の発明では、請求項1が前提とす
る車両の振動低減装置において、上記振動源の振動周期
と同期した所定次数成分のデータを限定するデータ限定
手段を設け、振動低減信号生成手段は、上記データ限定
手段により限定された次数成分のデータに基づいて振動
低減信号を生成するように構成する。さらに、上記デー
タ限定手段により限定される波形データにおける対象次
数成分を、車両の所定状態に応じて変更する対象次数変
更手段と、振動源の振動周期が変動したことを 検出する
周期変化検出手段とを設ける。そして、対象次数変更手
段は、周期変化検出手段により検出される振動源の周期
変動が所定値よりも小さいときには波形データから偶数
次成分を限定する一方、振動源の周期変動が所定値以上
のときには奇数次成分を限定するように構成する。
る車両の振動低減装置において、上記振動源の振動周期
と同期した所定次数成分のデータを限定するデータ限定
手段を設け、振動低減信号生成手段は、上記データ限定
手段により限定された次数成分のデータに基づいて振動
低減信号を生成するように構成する。さらに、上記デー
タ限定手段により限定される波形データにおける対象次
数成分を、車両の所定状態に応じて変更する対象次数変
更手段と、振動源の振動周期が変動したことを 検出する
周期変化検出手段とを設ける。そして、対象次数変更手
段は、周期変化検出手段により検出される振動源の周期
変動が所定値よりも小さいときには波形データから偶数
次成分を限定する一方、振動源の周期変動が所定値以上
のときには奇数次成分を限定するように構成する。
【0016】一方、請求項3の発明では、上記請求項1
の発明の前提と同じ振動低減装置において、振動低減信
号生成手段での加振手段及び振動検出手段間の振動伝達
特性のデータから振動源の振動周期と同期した偶数次成
分のデータを除去して奇数次成分を限定するデータ限定
手段を設ける。
の発明の前提と同じ振動低減装置において、振動低減信
号生成手段での加振手段及び振動検出手段間の振動伝達
特性のデータから振動源の振動周期と同期した偶数次成
分のデータを除去して奇数次成分を限定するデータ限定
手段を設ける。
【0017】また、請求項5の発明では、請求項1の発
明の前提と同じ振動低減装置において、振動低減信号生
成手段で生成される振動低減信号の波形データから振動
源の振動周期と同期した偶数次成分のデータを除去して
奇数次成分を限定するデータ限定手段を設ける。
明の前提と同じ振動低減装置において、振動低減信号生
成手段で生成される振動低減信号の波形データから振動
源の振動周期と同期した偶数次成分のデータを除去して
奇数次成分を限定するデータ限定手段を設ける。
【0018】請求項4、6〜8の発明では、上記データ
限定手段を具体化する。すなわち、請求項4の発明で
は、データ限定手段は、加振手段及び振動検出手段間の
振動伝達特性データに対しデータ長の1/2の項数で移
動平均処理を施すことにより、伝達特性のデータから振
動源の振動周期と同期した偶数次成分のデータを除去す
るように構成されたものとする。
限定手段を具体化する。すなわち、請求項4の発明で
は、データ限定手段は、加振手段及び振動検出手段間の
振動伝達特性データに対しデータ長の1/2の項数で移
動平均処理を施すことにより、伝達特性のデータから振
動源の振動周期と同期した偶数次成分のデータを除去す
るように構成されたものとする。
【0019】また、請求項6の発明では、データ限定手
段は、振動低減信号生成手段で生成される振動低減信号
の波形データに対しデータ長の1/2の項数で移動平均
処理を施すことにより、波形データから振動源の振動周
期と同期した偶数次成分のデータを除去するように構成
されたものとする。
段は、振動低減信号生成手段で生成される振動低減信号
の波形データに対しデータ長の1/2の項数で移動平均
処理を施すことにより、波形データから振動源の振動周
期と同期した偶数次成分のデータを除去するように構成
されたものとする。
【0020】さらに、請求項7の発明では、データ限定
手段は、振動低減信号生成手段で生成される振動低減信
号の波形データから全ての偶数次成分を抽出しかつ該偶
数次成分を差し引くことにより、波形データから振動源
の振動周期と同期した偶数次成分のデータを除去するよ
うに構成されているものとする。
手段は、振動低減信号生成手段で生成される振動低減信
号の波形データから全ての偶数次成分を抽出しかつ該偶
数次成分を差し引くことにより、波形データから振動源
の振動周期と同期した偶数次成分のデータを除去するよ
うに構成されているものとする。
【0021】また、請求項8の発明では、データ限定手
段は、振動低減信号生成手段で生成される振動低減信号
の波形データを半波長ずつに分割し、該分割された半波
長の波形データ同士を差し引くことにより、波形データ
から振動源の振動周期と同期した偶数次成分のデータを
除去するように構成されているものとする。
段は、振動低減信号生成手段で生成される振動低減信号
の波形データを半波長ずつに分割し、該分割された半波
長の波形データ同士を差し引くことにより、波形データ
から振動源の振動周期と同期した偶数次成分のデータを
除去するように構成されているものとする。
【0022】請求項9の発明では、請求項5の車両の振
動低減装置において、データ限定手段により振動低減信
号の波形データから振動源の振動周期と同期した偶数次
成分のデータが除去されて奇数次成分が限定されたと
き、振動低減信号の半波長の波形データの周期に基づい
て加振手段及び振動検出手段間の振動伝達特性データを
補正する補正手段を設ける。
動低減装置において、データ限定手段により振動低減信
号の波形データから振動源の振動周期と同期した偶数次
成分のデータが除去されて奇数次成分が限定されたと
き、振動低減信号の半波長の波形データの周期に基づい
て加振手段及び振動検出手段間の振動伝達特性データを
補正する補正手段を設ける。
【0023】
【作用】以上の構成により、請求項1の発明では、振動
低減箇所にある振動検出手段により振動源からの振動が
検出され、振動低減信号生成手段において上記振動検出
手段からの振動信号とは逆位相の振動低減信号が加振手
段と振動検出手段との間の振動の伝達特性データに基づ
いて生成されて加振手段に出力され、この加振手段から
反転振動が発生する。この加振手段からの反転振動が振
動低減箇所で振動源からの振動と打ち消し合い、振動検
出手段で検出される振動が低減される。
低減箇所にある振動検出手段により振動源からの振動が
検出され、振動低減信号生成手段において上記振動検出
手段からの振動信号とは逆位相の振動低減信号が加振手
段と振動検出手段との間の振動の伝達特性データに基づ
いて生成されて加振手段に出力され、この加振手段から
反転振動が発生する。この加振手段からの反転振動が振
動低減箇所で振動源からの振動と打ち消し合い、振動検
出手段で検出される振動が低減される。
【0024】そのとき、データ限定手段により、上記振
動源の振動周期と同期した所定次数成分のデータが限定
され、振動低減信号生成手段では、データ限定手段によ
り限定された次数成分のデータに基づいて振動低減信号
が生成される。このため、振動検出手段からの振動信号
をリファレンス信号として加工して振動低減信号を生成
する場合であっても、振動のうちの特定次数成分の振動
を集中的に低減制御することができる。
動源の振動周期と同期した所定次数成分のデータが限定
され、振動低減信号生成手段では、データ限定手段によ
り限定された次数成分のデータに基づいて振動低減信号
が生成される。このため、振動検出手段からの振動信号
をリファレンス信号として加工して振動低減信号を生成
する場合であっても、振動のうちの特定次数成分の振動
を集中的に低減制御することができる。
【0025】また、振動源の振動周期の変動が周期変化
検出手段により検出され、この周期変化検出手段により
検出される振動源の周期変動が所定値以上のとき、制御
手段によりデータ限定手段が作動され、振動のうちの特
定次数成分の振動が集中的に低減制御される。この特定
次数成分への限定制御により、振動源に大きな周期変動
が生じたときの制御の振動低減状態への収束性を高める
ことができる。
検出手段により検出され、この周期変化検出手段により
検出される振動源の周期変動が所定値以上のとき、制御
手段によりデータ限定手段が作動され、振動のうちの特
定次数成分の振動が集中的に低減制御される。この特定
次数成分への限定制御により、振動源に大きな周期変動
が生じたときの制御の振動低減状態への収束性を高める
ことができる。
【0026】請求項2の発明では、対象次数変更手段に
より、データ限定手段にて限定される波形データにおけ
る対象次数成分が車両の所定状態に応じて変更されるの
で、振動源からの振動のうち車両の状態に対応した次数
成分を低減制御することができる。
より、データ限定手段にて限定される波形データにおけ
る対象次数成分が車両の所定状態に応じて変更されるの
で、振動源からの振動のうち車両の状態に対応した次数
成分を低減制御することができる。
【0027】また、請求項1の発明と同様に、振動源の
振動周期の変動が周期変化検出手段により検出され、対
象次数変更手段において、周期変化検出手段により検出
される振動源の周期変動が所定値よりも小さいときには
波形データから偶数次成分が限定され、振動の偶数次成
分のみが低減される。このため、振動は奇数次成分が残
り、例えば振動として音を制御する際に車両の定常走行
状態に対応した軽快な音質が得られる。
振動周期の変動が周期変化検出手段により検出され、対
象次数変更手段において、周期変化検出手段により検出
される振動源の周期変動が所定値よりも小さいときには
波形データから偶数次成分が限定され、振動の偶数次成
分のみが低減される。このため、振動は奇数次成分が残
り、例えば振動として音を制御する際に車両の定常走行
状態に対応した軽快な音質が得られる。
【0028】一方、振動源の周期変動が所定値以上のと
きには奇数次成分が限定され、振動から奇数次成分のみ
が低減される。このため、振動は偶数次成分が残り、例
えば音の制御のときには車両の加減速走行状態に対応し
た重厚な音質が得られる。
きには奇数次成分が限定され、振動から奇数次成分のみ
が低減される。このため、振動は偶数次成分が残り、例
えば音の制御のときには車両の加減速走行状態に対応し
た重厚な音質が得られる。
【0029】請求項3の発明では、請求項1の発明と同
様に、振動検出手段により検出される振動信号から該振
動信号とは逆位相の振動低減信号が加振手段及び振動検
出手段間の振動伝達特性データに基づき生成され、この
振動低減信号生成手段から振動低減信号が加振手段に出
力され、加振手段から反転振動が出力される。この反転
振動が振動低減箇所で振動と打ち消し合い、振動低減箇
所での振動が低減される。このとき、データ制限手段に
より、振動低減信号生成手段での加振手段及び振動検出
手段間の振動伝達特性のデータから振動源の振動周期と
同期した偶数次成分のデータが除去される。この振動低
減信号生成手段で振動源の振動周期と同期した偶数次成
分のデータを除去することで、振動低減信号には奇数次
成分のみが限定され、奇数次成分の振動を低減制御する
ことができる。
様に、振動検出手段により検出される振動信号から該振
動信号とは逆位相の振動低減信号が加振手段及び振動検
出手段間の振動伝達特性データに基づき生成され、この
振動低減信号生成手段から振動低減信号が加振手段に出
力され、加振手段から反転振動が出力される。この反転
振動が振動低減箇所で振動と打ち消し合い、振動低減箇
所での振動が低減される。このとき、データ制限手段に
より、振動低減信号生成手段での加振手段及び振動検出
手段間の振動伝達特性のデータから振動源の振動周期と
同期した偶数次成分のデータが除去される。この振動低
減信号生成手段で振動源の振動周期と同期した偶数次成
分のデータを除去することで、振動低減信号には奇数次
成分のみが限定され、奇数次成分の振動を低減制御する
ことができる。
【0030】請求項4の発明では、データ限定手段にお
いて、加振手段及び振動検出手段間の振動伝達特性デー
タに対しデータ長の1/2の項数で移動平均処理が施さ
れ、このことにより、伝達特性のデータから振動源の振
動周期と同期した偶数次成分のデータが除去される。
いて、加振手段及び振動検出手段間の振動伝達特性デー
タに対しデータ長の1/2の項数で移動平均処理が施さ
れ、このことにより、伝達特性のデータから振動源の振
動周期と同期した偶数次成分のデータが除去される。
【0031】請求項5の発明では、データ限定手段によ
り、振動低減信号生成手段で生成される振動低減信号の
波形データから振動源の振動周期と同期した偶数次成分
のデータが除去されるので、加振手段に出力される振動
低減信号の波形データには奇数次成分のみが残り、よっ
て奇数次成分の振動を低減制御することができる。
り、振動低減信号生成手段で生成される振動低減信号の
波形データから振動源の振動周期と同期した偶数次成分
のデータが除去されるので、加振手段に出力される振動
低減信号の波形データには奇数次成分のみが残り、よっ
て奇数次成分の振動を低減制御することができる。
【0032】また、請求項6の発明では、データ限定手
段において、加振手段に出力される振動低減信号の波形
データに対しデータ長の1/2の項数で移動平均処理が
施されて、波形データから振動源の振動周期と同期した
偶数次成分のデータが除去される。
段において、加振手段に出力される振動低減信号の波形
データに対しデータ長の1/2の項数で移動平均処理が
施されて、波形データから振動源の振動周期と同期した
偶数次成分のデータが除去される。
【0033】さらに、請求項7の発明では、データ限定
手段により、振動低減信号の波形データから全ての偶数
次成分が抽出されてそれが差し引かれ、このことで波形
データから振動源の振動周期と同期した偶数次成分のデ
ータが除去される。
手段により、振動低減信号の波形データから全ての偶数
次成分が抽出されてそれが差し引かれ、このことで波形
データから振動源の振動周期と同期した偶数次成分のデ
ータが除去される。
【0034】請求項8の発明では、データ限定手段によ
り、振動低減信号生成手段で生成される振動低減信号の
波形データが半波長ずつに分割され、該分割された半波
長の波形データ同士を差し引くことにより、波形データ
から振動源の振動周期と同期した偶数次成分のデータが
除去される。このため、振動のうちの偶数次成分を簡単
に除去することができる。
り、振動低減信号生成手段で生成される振動低減信号の
波形データが半波長ずつに分割され、該分割された半波
長の波形データ同士を差し引くことにより、波形データ
から振動源の振動周期と同期した偶数次成分のデータが
除去される。このため、振動のうちの偶数次成分を簡単
に除去することができる。
【0035】請求項9の発明では、データ限定手段によ
り振動低減信号の波形データから振動源の振動周期と同
期した偶数次成分のデータが除去されて奇数次成分が限
定されたとき、補正手段により、上記振動低減信号の半
波長の波形データの周期に基づいてインパルス応答波形
データが補正される。そのため、制御の演算量を半減し
て、振動低減制御の振動低減状態への収束性をさらに高
めることができる。
り振動低減信号の波形データから振動源の振動周期と同
期した偶数次成分のデータが除去されて奇数次成分が限
定されたとき、補正手段により、上記振動低減信号の半
波長の波形データの周期に基づいてインパルス応答波形
データが補正される。そのため、制御の演算量を半減し
て、振動低減制御の振動低減状態への収束性をさらに高
めることができる。
【0036】
【実施例】以下、本発明の実施例を図面に基づいて説明
する。
する。
【0037】(参考例1)
図7は参考例1に係る振動低減装置の全体構成を示す。
この振動低減装置は自動車(車両)に搭載されたエンジ
ンの騒音を低減するためのものであり、この参考例では
エンジンが周期的な騒音(振動)を発生する振動源とさ
れる。
この振動低減装置は自動車(車両)に搭載されたエンジ
ンの騒音を低減するためのものであり、この参考例では
エンジンが周期的な騒音(振動)を発生する振動源とさ
れる。
【0038】図7において、1は自動車の車体、2は車
体1の前後中央部に位置する車室、3は車体1前部に位
置するエンジンルーム、4はエンジンルーム3内に配置
された振動源としてのエンジン、5,6は車室2を開閉
する前後のドアであって、上記車室2内の前側には左右
1対の前席7,7が、また後側には左右2つの後席8,
8がそれぞれ設置されている。9はステアリングホイー
ルである。この参考例では、各前席7におけるヘッドレ
スト7aの左右両側(前席7に着座した乗員の耳に近い
位置)、及び後席8のヘッドレスト8aの左右両側(後
席8に着座した乗員の耳に近い位置)がそれぞれ騒音低
減箇所とされ、これらの箇所にそれぞれ振動検出手段と
してのマイクロフォン13が1個ずつ合計8個取り付け
られ、これらのマイクロフォン13,13,…により自
動車の車室2内の音を乗員の耳近くで検出するようにし
ている。
体1の前後中央部に位置する車室、3は車体1前部に位
置するエンジンルーム、4はエンジンルーム3内に配置
された振動源としてのエンジン、5,6は車室2を開閉
する前後のドアであって、上記車室2内の前側には左右
1対の前席7,7が、また後側には左右2つの後席8,
8がそれぞれ設置されている。9はステアリングホイー
ルである。この参考例では、各前席7におけるヘッドレ
スト7aの左右両側(前席7に着座した乗員の耳に近い
位置)、及び後席8のヘッドレスト8aの左右両側(後
席8に着座した乗員の耳に近い位置)がそれぞれ騒音低
減箇所とされ、これらの箇所にそれぞれ振動検出手段と
してのマイクロフォン13が1個ずつ合計8個取り付け
られ、これらのマイクロフォン13,13,…により自
動車の車室2内の音を乗員の耳近くで検出するようにし
ている。
【0039】また、車室2前端のインストルメントパネ
ル10の左右中央、左右の前側ドア5,5の車室2内側
面、及び車室2後端のパッケージトレイの左右両側には
それぞれ車室2内に音を発生させる加振手段としてのス
ピーカ14,14,…が配置され、これら5個のスピー
カ14,14,…はオーディオ用として兼用されてい
る。
ル10の左右中央、左右の前側ドア5,5の車室2内側
面、及び車室2後端のパッケージトレイの左右両側には
それぞれ車室2内に音を発生させる加振手段としてのス
ピーカ14,14,…が配置され、これら5個のスピー
カ14,14,…はオーディオ用として兼用されてい
る。
【0040】上記スピーカ14,14,…及びマイクロ
フォン13,13,…は、助手席側の左側前席7前方の
インストルメントパネル10内に配置したコントローラ
15に接続されている。また、このコントローラ15に
よる騒音制御システムとオーディオシステムとの作動を
切り換えるための操作スイッチ16が例えば車室2のル
ーフ部分に配置されている。そして、車室2内の騒音と
各スピーカ14から発せられる音との合成音を各マイク
ロフォン13で検出し、そのマイクロフォン13から出
力されるマイク信号eをコントローラ15に入力すると
ともに、各スピーカ14へマイク信号eとは逆位相のス
ピーカ信号y(振動低減信号)を出力することにより、
各マイクロフォン13の位置で各スピーカ14からの反
転音をエンジン騒音と干渉させて、各マイクロフォン1
3により検出されるエンジン騒音を低減するようにして
いる。
フォン13,13,…は、助手席側の左側前席7前方の
インストルメントパネル10内に配置したコントローラ
15に接続されている。また、このコントローラ15に
よる騒音制御システムとオーディオシステムとの作動を
切り換えるための操作スイッチ16が例えば車室2のル
ーフ部分に配置されている。そして、車室2内の騒音と
各スピーカ14から発せられる音との合成音を各マイク
ロフォン13で検出し、そのマイクロフォン13から出
力されるマイク信号eをコントローラ15に入力すると
ともに、各スピーカ14へマイク信号eとは逆位相のス
ピーカ信号y(振動低減信号)を出力することにより、
各マイクロフォン13の位置で各スピーカ14からの反
転音をエンジン騒音と干渉させて、各マイクロフォン1
3により検出されるエンジン騒音を低減するようにして
いる。
【0041】上記エンジンルーム3内にはエンジン4の
イグニッションパルス信号を検出するイグニッションパ
ルス検出器17が配置され、この検出器17は、図示し
ないがエンジン4の各気筒の点火プラグにディストリビ
ュータを介して点火電圧を送るIGコイルの1次側から
の点火信号を検出する。
イグニッションパルス信号を検出するイグニッションパ
ルス検出器17が配置され、この検出器17は、図示し
ないがエンジン4の各気筒の点火プラグにディストリビ
ュータを介して点火電圧を送るIGコイルの1次側から
の点火信号を検出する。
【0042】図5に示すように、上記コントローラ15
はデジタル信号処理によりマイク信号eとは逆位相のス
ピーカ信号yを出力する制御ブロック19を有し、この
制御ブロック19の入力段には各マイクロフォン13か
らのマイク信号eを増幅するマイクアンプ20と、マイ
ク信号eを濾波するローパスフィルタ21と、マイク信
号eをデジタル信号に変えるA/D変換器22とが接続
されている。一方、制御ブロック19の出力段にはスピ
ーカ信号yをアナログ信号に変えるD/A変換器23
と、スピーカ信号yを濾波するローパスフィルタ24
と、スピーカ信号yを増幅するスピーカアンプ25とが
接続されている。上記制御ブロック19、各A/D変換
器22及び各D/A変換器23の作動はサンプリングク
ロック発生部26で発生したサンプリング周期信号によ
り互いに同期して行われる。
はデジタル信号処理によりマイク信号eとは逆位相のス
ピーカ信号yを出力する制御ブロック19を有し、この
制御ブロック19の入力段には各マイクロフォン13か
らのマイク信号eを増幅するマイクアンプ20と、マイ
ク信号eを濾波するローパスフィルタ21と、マイク信
号eをデジタル信号に変えるA/D変換器22とが接続
されている。一方、制御ブロック19の出力段にはスピ
ーカ信号yをアナログ信号に変えるD/A変換器23
と、スピーカ信号yを濾波するローパスフィルタ24
と、スピーカ信号yを増幅するスピーカアンプ25とが
接続されている。上記制御ブロック19、各A/D変換
器22及び各D/A変換器23の作動はサンプリングク
ロック発生部26で発生したサンプリング周期信号によ
り互いに同期して行われる。
【0043】また、コントローラ15には、上記イグニ
ッションパルス検出器17からのイグニッションパルス
信号を波形整形する波形整形器27と、この波形整形さ
れた信号からエンジン4の回転周期を計測するエンジン
回転周期測定回路28とが設けられ、この周期測定回路
28の出力信号は制御ブロック19に入力される。
ッションパルス検出器17からのイグニッションパルス
信号を波形整形する波形整形器27と、この波形整形さ
れた信号からエンジン4の回転周期を計測するエンジン
回転周期測定回路28とが設けられ、この周期測定回路
28の出力信号は制御ブロック19に入力される。
【0044】図6は制御ブロック19の構成を機能的に
示したものであり(尚、説明の簡単化のためにスピーカ
14,14,…及びマイクロフォン13,13,…はそ
れぞれ1個としている)、制御ブロック19では、エン
ジン回転周期測定回路28からの信号により、スピーカ
14へのスピーカ信号yのベクトルの周期を調整すると
ともに、スピーカ14及びマイクロフォン13間の音の
伝達特性としてのインパルス応答の行列を時系列に変換
する。さらに、インパルス応答の時系列とマイクロフォ
ン13からのマイク信号eとでベクトルを逐次最適化
し、その後、このベクトルを時系列に変換してスピーカ
信号yとし、スピーカ14に出力する。さらに、スピー
カ14はスピーカ信号yをアンチ騒音として再生する一
方、マイクロフォン13はエンジン騒音とアンチ騒音と
が互いに打ち消し合って振動エネルギーが低減した騒音
を検出し、この結果をマイク信号eとして制御ブロック
19に入力する。以上のベクトルの最適化処理及びその
時系列への変換処理を繰り返して、スピーカ信号yのベ
クトルを逐次最適化し、最終的にマイク信号eの値が0
となるようにスピーカ信号yのベクトルを設定する。
示したものであり(尚、説明の簡単化のためにスピーカ
14,14,…及びマイクロフォン13,13,…はそ
れぞれ1個としている)、制御ブロック19では、エン
ジン回転周期測定回路28からの信号により、スピーカ
14へのスピーカ信号yのベクトルの周期を調整すると
ともに、スピーカ14及びマイクロフォン13間の音の
伝達特性としてのインパルス応答の行列を時系列に変換
する。さらに、インパルス応答の時系列とマイクロフォ
ン13からのマイク信号eとでベクトルを逐次最適化
し、その後、このベクトルを時系列に変換してスピーカ
信号yとし、スピーカ14に出力する。さらに、スピー
カ14はスピーカ信号yをアンチ騒音として再生する一
方、マイクロフォン13はエンジン騒音とアンチ騒音と
が互いに打ち消し合って振動エネルギーが低減した騒音
を検出し、この結果をマイク信号eとして制御ブロック
19に入力する。以上のベクトルの最適化処理及びその
時系列への変換処理を繰り返して、スピーカ信号yのベ
クトルを逐次最適化し、最終的にマイク信号eの値が0
となるようにスピーカ信号yのベクトルを設定する。
【0045】上記制御ブロック19の動作について図2
を用いてさらに詳細に説明する。この制御ブロック19
は振動低減信号生成手段を構成するもので、リングの大
きさで決定される個数のデータを格納するインパルス応
答波形データ用及びスピーカ信号yの出力波形データ用
の各リング状データ構造31,32を有し、インパルス
応答波形データ用リング状データ構造31に各スピーカ
14から各マイクロフォン13までの音のインパルス応
答波形データ(伝達特性データ)を、また出力波形デー
タ用リング状データ構造32にスピーカ信号yの一波長
に相当する出力波形データをそれぞれ格納して、それら
のデータを周期的に繰り返して使用するようになってい
る。すなわち、マイク信号eの波形データは、収束係数
乗算器33にて収束係数α(0<α<1)の係数が掛け
られた後、インパルス応答波形データ用リング状データ
構造31に格納されている、各スピーカ14から各マイ
クロフォン13までの音のインパルス応答波形データに
掛け合わせて、出力波形データ用リング状データ構造3
2に少しずつ蓄積しながらスピーカ信号yとして逐次出
力させることにより、スピーカ信号yを、各スピーカ1
4と各マイクロフォン13との間の音の伝達特性に基づ
いてエンジン回転周期によって決定される必要な遅延を
与えて各スピーカ14に出力し、このマイク信号eの遅
延によりマイク信号eとは逆位相の反転音信号とする。
を用いてさらに詳細に説明する。この制御ブロック19
は振動低減信号生成手段を構成するもので、リングの大
きさで決定される個数のデータを格納するインパルス応
答波形データ用及びスピーカ信号yの出力波形データ用
の各リング状データ構造31,32を有し、インパルス
応答波形データ用リング状データ構造31に各スピーカ
14から各マイクロフォン13までの音のインパルス応
答波形データ(伝達特性データ)を、また出力波形デー
タ用リング状データ構造32にスピーカ信号yの一波長
に相当する出力波形データをそれぞれ格納して、それら
のデータを周期的に繰り返して使用するようになってい
る。すなわち、マイク信号eの波形データは、収束係数
乗算器33にて収束係数α(0<α<1)の係数が掛け
られた後、インパルス応答波形データ用リング状データ
構造31に格納されている、各スピーカ14から各マイ
クロフォン13までの音のインパルス応答波形データに
掛け合わせて、出力波形データ用リング状データ構造3
2に少しずつ蓄積しながらスピーカ信号yとして逐次出
力させることにより、スピーカ信号yを、各スピーカ1
4と各マイクロフォン13との間の音の伝達特性に基づ
いてエンジン回転周期によって決定される必要な遅延を
与えて各スピーカ14に出力し、このマイク信号eの遅
延によりマイク信号eとは逆位相の反転音信号とする。
【0046】また、制御ブロック19には、上記エンジ
ン回転周期測定回路28からの周期信号によりエンジン
回転周期に応じてリング状データ構造32の大きさ(デ
ータ個数)を変えて出力波形を伸縮させ、出力波形周期
を調整する出力波形周期調整器34(図6中、ベクトル
yの周期調整器と同じもの)が設けられている。
ン回転周期測定回路28からの周期信号によりエンジン
回転周期に応じてリング状データ構造32の大きさ(デ
ータ個数)を変えて出力波形を伸縮させ、出力波形周期
を調整する出力波形周期調整器34(図6中、ベクトル
yの周期調整器と同じもの)が設けられている。
【0047】この参考例では、図1に示すように制御ブ
ロック19に応答波形生成部36が設けられている。こ
の応答波形生成部36は、上記エンジン回転周期測定回
路28からの信号を入力して、伝達関数格納部37に格
納されているエンジン騒音についての各スピーカ14及
び各マイクロフォン13間の伝達関数に基づいて所定次
数成分を抽出するとともに、この次数成分を各スピーカ
14と各マイクロフォン13との音の伝達系に与えたと
きの応答波形データを生成するものであり、この応答波
形生成部36で生成された応答波形データをリング状デ
ータ構造31に格納して、通常のインパルス応答波形デ
ータとして使用するようにしている。
ロック19に応答波形生成部36が設けられている。こ
の応答波形生成部36は、上記エンジン回転周期測定回
路28からの信号を入力して、伝達関数格納部37に格
納されているエンジン騒音についての各スピーカ14及
び各マイクロフォン13間の伝達関数に基づいて所定次
数成分を抽出するとともに、この次数成分を各スピーカ
14と各マイクロフォン13との音の伝達系に与えたと
きの応答波形データを生成するものであり、この応答波
形生成部36で生成された応答波形データをリング状デ
ータ構造31に格納して、通常のインパルス応答波形デ
ータとして使用するようにしている。
【0048】具体例を図3及び図4により例示すると、
スピーカ14及びマイクロフォン13間のインパルス応
答波形データが図4の実線で示されるエンジン騒音に対
し、その信号波形をフーリエ変換すると、図3(a)に
示す周波数特性の伝達関数が得られる。図3(b)は位
相を示す。この伝達関数に対し、目的の次数成分(この
例ではエンジン回転数が3000rpmであるときの2
次成分に相当する100Hz成分)を抽出し、その抽出
した次数成分の伝達関数を逆フーリエ変換することで、
図4で破線にて示すインパルス応答波形データ(尚、こ
の波形は明確のために振幅を拡大して示している)を生
成し、これを元のインパルス応答波形データの代りに用
いる。
スピーカ14及びマイクロフォン13間のインパルス応
答波形データが図4の実線で示されるエンジン騒音に対
し、その信号波形をフーリエ変換すると、図3(a)に
示す周波数特性の伝達関数が得られる。図3(b)は位
相を示す。この伝達関数に対し、目的の次数成分(この
例ではエンジン回転数が3000rpmであるときの2
次成分に相当する100Hz成分)を抽出し、その抽出
した次数成分の伝達関数を逆フーリエ変換することで、
図4で破線にて示すインパルス応答波形データ(尚、こ
の波形は明確のために振幅を拡大して示している)を生
成し、これを元のインパルス応答波形データの代りに用
いる。
【0049】よって、この参考例では、応答波形生成部
36により、伝達関数格納部37に格納されている各ス
ピーカ14と各マイクロフォン13との間の伝達関数に
基づいてエンジン4の回転周期と同期した所定次数成分
のインパルス応答波形データを生成して、該データを各
スピーカ14と各マイクロフォン13との間のインパル
ス応答波形データとするようにしたデータ限定手段が構
成される。
36により、伝達関数格納部37に格納されている各ス
ピーカ14と各マイクロフォン13との間の伝達関数に
基づいてエンジン4の回転周期と同期した所定次数成分
のインパルス応答波形データを生成して、該データを各
スピーカ14と各マイクロフォン13との間のインパル
ス応答波形データとするようにしたデータ限定手段が構
成される。
【0050】また、制御ブロック19では、上記絞り込
まれた所定次数成分のデータに基づいて反転音信号を生
成するようになされている。
まれた所定次数成分のデータに基づいて反転音信号を生
成するようになされている。
【0051】したがって、この参考例においては、操作
スイッチ16により騒音制御システムを作動させると、
基本的に、車室2内の各マイクロフォン13により乗員
の耳近くの騒音低減箇所での騒音が検出され、この各マ
イクロフォン13から出力されたアナログ信号からなる
マイク信号eはそれぞれマイクアンプ20により増幅さ
れた後、A/D変換器22によりデジタル変換されてコ
ントローラ15に入力される。このマイク信号eの波形
データは、コントローラ15の制御ブロック19におい
てエンジン回転周期測定回路28から出力された信号に
応じて大きさが設定されるリング状データ構造32に逐
次格納され、所定の時間遅れをもって上記データ構造3
2から出力される。このことで、各マイクロフォン13
により検出される騒音を低減させるためのスピーカ信号
yとして、エンジン騒音とは逆位相で同じ振幅の反転音
信号が各スピーカ14と各マイクロフォン13との間の
音の伝達特性を基に生成され、このデジタル信号からな
るスピーカ信号yはD/A変換器23によりアナログ信
号に変換された後、スピーカアンプ25により増幅さ
れ、各スピーカ14に出力される。この各スピーカ14
からの反転音と上記エンジン騒音とが乗員の耳近くの騒
音低減箇所で互いに打ち消し合い、このことで騒音低減
箇所の各マイクロフォン13により検出される騒音が低
減される。
スイッチ16により騒音制御システムを作動させると、
基本的に、車室2内の各マイクロフォン13により乗員
の耳近くの騒音低減箇所での騒音が検出され、この各マ
イクロフォン13から出力されたアナログ信号からなる
マイク信号eはそれぞれマイクアンプ20により増幅さ
れた後、A/D変換器22によりデジタル変換されてコ
ントローラ15に入力される。このマイク信号eの波形
データは、コントローラ15の制御ブロック19におい
てエンジン回転周期測定回路28から出力された信号に
応じて大きさが設定されるリング状データ構造32に逐
次格納され、所定の時間遅れをもって上記データ構造3
2から出力される。このことで、各マイクロフォン13
により検出される騒音を低減させるためのスピーカ信号
yとして、エンジン騒音とは逆位相で同じ振幅の反転音
信号が各スピーカ14と各マイクロフォン13との間の
音の伝達特性を基に生成され、このデジタル信号からな
るスピーカ信号yはD/A変換器23によりアナログ信
号に変換された後、スピーカアンプ25により増幅さ
れ、各スピーカ14に出力される。この各スピーカ14
からの反転音と上記エンジン騒音とが乗員の耳近くの騒
音低減箇所で互いに打ち消し合い、このことで騒音低減
箇所の各マイクロフォン13により検出される騒音が低
減される。
【0052】そして、上記エンジン回転周期測定回路2
8からの信号は応答波形生成部36にも入力され、ここ
で伝達関数格納部37に格納されているエンジン騒音に
ついてのスピーカ14及びマイクロフォン13間の伝達
関数に基づいて所定次数成分が抽出され、この次数成分
の逆フーリエ変換により各スピーカ14と各マイクロフ
ォン13との音の伝達系に与えたときのインパルス応答
波形データが生成される。このインパルス応答波形デー
タはインパルス応答波形データ用リング状データ構造3
1に格納されて、通常のインパルス応答波形データとし
て使用される。このようにスピーカ14及びマイクロフ
ォン13間の伝達関数から抽出された所定次数成分から
生成されたインパルス応答波形データを通常のインパル
ス応答波形データに代えて用いることで、その次数成分
のエンジン騒音のみを集中して低減制御することがで
き、例えばエンジン回転数に同期した所定の次数成分が
車室2内の空間で共鳴して籠り音が発生するのを良好に
抑制することができる。
8からの信号は応答波形生成部36にも入力され、ここ
で伝達関数格納部37に格納されているエンジン騒音に
ついてのスピーカ14及びマイクロフォン13間の伝達
関数に基づいて所定次数成分が抽出され、この次数成分
の逆フーリエ変換により各スピーカ14と各マイクロフ
ォン13との音の伝達系に与えたときのインパルス応答
波形データが生成される。このインパルス応答波形デー
タはインパルス応答波形データ用リング状データ構造3
1に格納されて、通常のインパルス応答波形データとし
て使用される。このようにスピーカ14及びマイクロフ
ォン13間の伝達関数から抽出された所定次数成分から
生成されたインパルス応答波形データを通常のインパル
ス応答波形データに代えて用いることで、その次数成分
のエンジン騒音のみを集中して低減制御することがで
き、例えばエンジン回転数に同期した所定の次数成分が
車室2内の空間で共鳴して籠り音が発生するのを良好に
抑制することができる。
【0053】(参考例2)
図8及び図9は参考例2を示し(尚、以下の参考例及び
実施例では、参考例1の対応図と同じ部分については同
じ符号を付してその詳細な説明は省略する)、エンジン
回転に同期した所定周期の余弦波とインパルス応答波形
とを畳み込んでインパルス応答波形データを生成するよ
うにしたものである。
実施例では、参考例1の対応図と同じ部分については同
じ符号を付してその詳細な説明は省略する)、エンジン
回転に同期した所定周期の余弦波とインパルス応答波形
とを畳み込んでインパルス応答波形データを生成するよ
うにしたものである。
【0054】すなわち、この参考例では、図8に示すよ
うに、余弦波生成部39において、エンジン回転周期測
定回路28からの信号を入力してエンジン回転に同期し
た所定周期の余弦波を生成するようにしている。
うに、余弦波生成部39において、エンジン回転周期測
定回路28からの信号を入力してエンジン回転に同期し
た所定周期の余弦波を生成するようにしている。
【0055】また、この余弦波生成部39で生成された
余弦波を応答波形生成部36においてインパルス応答波
形と畳込み処理してインパルス応答波形データを生成
し、このインパルス応答波形データをリング状データ構
造31に格納して、通常のインパルス応答波形データと
して使用するようにしている。
余弦波を応答波形生成部36においてインパルス応答波
形と畳込み処理してインパルス応答波形データを生成
し、このインパルス応答波形データをリング状データ構
造31に格納して、通常のインパルス応答波形データと
して使用するようにしている。
【0056】この参考例では、上記応答波形生成部36
により、エンジン回転に同期した所定周期の余弦波と、
スピーカ14及びマイクロフォン13間のインパルス応
答波形とを畳み込んでインパルス応答波形データを生成
し、このデータをスピーカ14及びマイクロフォン13
間のインパルス応答波形データとするようにしたデータ
限定手段が構成される。
により、エンジン回転に同期した所定周期の余弦波と、
スピーカ14及びマイクロフォン13間のインパルス応
答波形とを畳み込んでインパルス応答波形データを生成
し、このデータをスピーカ14及びマイクロフォン13
間のインパルス応答波形データとするようにしたデータ
限定手段が構成される。
【0057】この参考例の場合、余弦波生成部39でエ
ンジン回転に同期した所定周期の余弦波が生成され、こ
の生成された余弦波とインパルス応答波形とが応答波形
生成部36で畳込み処理されてインパルス応答波形デー
タが生成され、このインパルス応答波形データが通常の
インパルス応答波形データとして使用される。このよう
にエンジン回転に同期した所定周期の余弦波とインパル
ス応答波形との畳込み処理により生成されたインパルス
応答波形データを通常のインパルス応答波形データに代
えて用いるので、上記参考例1と同様に、その次数成分
のエンジン騒音のみを集中して低減制御できる。
ンジン回転に同期した所定周期の余弦波が生成され、こ
の生成された余弦波とインパルス応答波形とが応答波形
生成部36で畳込み処理されてインパルス応答波形デー
タが生成され、このインパルス応答波形データが通常の
インパルス応答波形データとして使用される。このよう
にエンジン回転に同期した所定周期の余弦波とインパル
ス応答波形との畳込み処理により生成されたインパルス
応答波形データを通常のインパルス応答波形データに代
えて用いるので、上記参考例1と同様に、その次数成分
のエンジン騒音のみを集中して低減制御できる。
【0058】図9(a)は、この参考例2により、エン
ジン回転数が3000rpmであるときの2次成分に相
当する100Hz成分の余弦波とインパルス応答波形と
を畳み込んで生成されたインパルス応答波形を具体的に
示しており、同図(b)に示す参考例1の波形と略同じ
であることが判る。
ジン回転数が3000rpmであるときの2次成分に相
当する100Hz成分の余弦波とインパルス応答波形と
を畳み込んで生成されたインパルス応答波形を具体的に
示しており、同図(b)に示す参考例1の波形と略同じ
であることが判る。
【0059】(参考例3)
図10は参考例3を示し、インパルス応答波形データか
らエンジン騒音における所定次数成分のみを抽出して、
それを元のインパルス応答波形データの代りに用いるよ
うにしたものである。
らエンジン騒音における所定次数成分のみを抽出して、
それを元のインパルス応答波形データの代りに用いるよ
うにしたものである。
【0060】この参考例では、図10に示す如く、周波
数設定部41に対しエンジン回転周期測定回路28から
の信号を入力して、エンジン騒音のうちの所定の次数成
分を設定する。また、この周波数設定部41で設定され
た次数成分を入力するバンドパスフィルタ42が設けら
れており、このバンドパスフィルタ42において、応答
波形格納部43に格納されているスピーカ14及びマイ
クロフォン13間のインパルス応答データ(音の伝達特
性データ)からエンジン騒音について上記周波数設定部
41で設定された次数成分を抽出し、この抽出された次
数成分の応答波形データをリング状データ構造31に格
納して、通常のインパルス応答波形データとして使用す
るようにしている。
数設定部41に対しエンジン回転周期測定回路28から
の信号を入力して、エンジン騒音のうちの所定の次数成
分を設定する。また、この周波数設定部41で設定され
た次数成分を入力するバンドパスフィルタ42が設けら
れており、このバンドパスフィルタ42において、応答
波形格納部43に格納されているスピーカ14及びマイ
クロフォン13間のインパルス応答データ(音の伝達特
性データ)からエンジン騒音について上記周波数設定部
41で設定された次数成分を抽出し、この抽出された次
数成分の応答波形データをリング状データ構造31に格
納して、通常のインパルス応答波形データとして使用す
るようにしている。
【0061】尚、この場合、バンドパスフィルタ42を
用いて所定次数成分をフィルタリングにより抽出した
後、同じバンドパスフィルタ42により逆方向にもう1
度フィルタリングするようになっており、こうすること
で、フィルタ特有の位相遅れを補正することができる。
用いて所定次数成分をフィルタリングにより抽出した
後、同じバンドパスフィルタ42により逆方向にもう1
度フィルタリングするようになっており、こうすること
で、フィルタ特有の位相遅れを補正することができる。
【0062】この参考例では、上記バンドパスフィルタ
42により、各スピーカ14と各マイクロフォン13と
の間の伝達特性データからエンジン回転周期と同期した
所定次数成分の伝達特性データを抽出して、同次数成分
のデータを限定するようにしたデータ限定手段が構成さ
れる。
42により、各スピーカ14と各マイクロフォン13と
の間の伝達特性データからエンジン回転周期と同期した
所定次数成分の伝達特性データを抽出して、同次数成分
のデータを限定するようにしたデータ限定手段が構成さ
れる。
【0063】したがって、この参考例では、応答波形格
納部43に格納されているエンジン騒音についての所定
次数成分がバンドパスフィルタ42により抽出され、こ
の抽出された応答波形データがインパルス応答波形デー
タとして使用されるので、上記参考例1と同様の効果が
得られる。
納部43に格納されているエンジン騒音についての所定
次数成分がバンドパスフィルタ42により抽出され、こ
の抽出された応答波形データがインパルス応答波形デー
タとして使用されるので、上記参考例1と同様の効果が
得られる。
【0064】(実施例1)
図11は本発明の実施例1を示し、上記各参考例では、
エンジン騒音の所定次数成分のみについて低減制御する
ようにしているのに対し、その騒音の音質の改良等のた
めに奇数次成分のみを制御するようにしたものである。
エンジン騒音の所定次数成分のみについて低減制御する
ようにしているのに対し、その騒音の音質の改良等のた
めに奇数次成分のみを制御するようにしたものである。
【0065】すなわち、この実施例では、図11(a)
〜(c)に示す如く、インパルス応答波形データ用リン
グ状データ構造31に格納されているインパルス応答波
形データのベクトルに対し、そのデータ長の1/2の項
数でデータの平均をとりながら順に1項ずつ円環状に移
動させていわゆる移動平均処理を行うことで、インパル
ス応答波形データ中の全ての偶数次成分のみを除去する
ようにしている。
〜(c)に示す如く、インパルス応答波形データ用リン
グ状データ構造31に格納されているインパルス応答波
形データのベクトルに対し、そのデータ長の1/2の項
数でデータの平均をとりながら順に1項ずつ円環状に移
動させていわゆる移動平均処理を行うことで、インパル
ス応答波形データ中の全ての偶数次成分のみを除去する
ようにしている。
【0066】そして、上記スピーカ14及びマイクロフ
ォン13間のインパルス応答波形データに対しデータ長
の1/2の項数で移動平均処理を施す機能部分により、
インパルス応答波形データからエンジン回転と同期した
偶数次成分のデータを除去するようにしたデータ限定手
段が構成されている。
ォン13間のインパルス応答波形データに対しデータ長
の1/2の項数で移動平均処理を施す機能部分により、
インパルス応答波形データからエンジン回転と同期した
偶数次成分のデータを除去するようにしたデータ限定手
段が構成されている。
【0067】また、制御ブロック19で、上記偶数次成
分が除去された奇数次成分のインパルス応答波形データ
に基づいて反転音信号を生成するようになされている。
分が除去された奇数次成分のインパルス応答波形データ
に基づいて反転音信号を生成するようになされている。
【0068】したがって、この実施例では、リング状デ
ータ構造31に格納されているインパルス応答波形デー
タに対し、データ長の1/2の項数でデータの平均をと
りながら順に円環状に移動させることで、インパルス応
答波形データからエンジン回転周期の偶数次成分のみが
除去される。そして、このインパルス応答波形データの
累積により形成されるスピーカ信号yの波形データにつ
いても偶数次成分がなくて奇数次成分のみを含むものと
なり、このことでエンジン騒音の奇数次成分のみを制御
して、エンジン騒音の音質を改良し、乗員の受ける重厚
感を向上させることができる。
ータ構造31に格納されているインパルス応答波形デー
タに対し、データ長の1/2の項数でデータの平均をと
りながら順に円環状に移動させることで、インパルス応
答波形データからエンジン回転周期の偶数次成分のみが
除去される。そして、このインパルス応答波形データの
累積により形成されるスピーカ信号yの波形データにつ
いても偶数次成分がなくて奇数次成分のみを含むものと
なり、このことでエンジン騒音の奇数次成分のみを制御
して、エンジン騒音の音質を改良し、乗員の受ける重厚
感を向上させることができる。
【0069】(実施例2)
図12は実施例2を示し、上記実施例1では、インパル
ス応答波形データから奇数次成分を抽出しているのに対
し、各スピーカ14へ出力されるスピーカ信号y(振動
低減信号)の出力波形データから偶数次成分を除去して
直接奇数次成分を抽出するようにしたものである。
ス応答波形データから奇数次成分を抽出しているのに対
し、各スピーカ14へ出力されるスピーカ信号y(振動
低減信号)の出力波形データから偶数次成分を除去して
直接奇数次成分を抽出するようにしたものである。
【0070】この実施例の場合、図12(a)〜(c)
に順に示すように、リング状データ構造32に格納され
ている出力波形データに対し、そのデータ長の1/2の
項数でデータの平均をとりながら順に1項ずつ円環状に
移動させることで、出力波形データからエンジン回転周
期の偶数次成分のみを除去する。
に順に示すように、リング状データ構造32に格納され
ている出力波形データに対し、そのデータ長の1/2の
項数でデータの平均をとりながら順に1項ずつ円環状に
移動させることで、出力波形データからエンジン回転周
期の偶数次成分のみを除去する。
【0071】したがって、この実施例では、リング状デ
ータ構造32に格納されているスピーカ信号yの出力波
形データに対し、そのデータ長の1/2の項数でデータ
の平均をとりながら順に円環状に移動させることで、出
力波形データからエンジン回転周期の偶数次成分のみが
除去される。その結果、該出力波形データは奇数次成分
のみを含むものとなり、よって上記実施例1と同様の作
用効果を奏することができる。
ータ構造32に格納されているスピーカ信号yの出力波
形データに対し、そのデータ長の1/2の項数でデータ
の平均をとりながら順に円環状に移動させることで、出
力波形データからエンジン回転周期の偶数次成分のみが
除去される。その結果、該出力波形データは奇数次成分
のみを含むものとなり、よって上記実施例1と同様の作
用効果を奏することができる。
【0072】(実施例3)
図13は実施例3を示し、スピーカ14へ出力されるス
ピーカ信号yの出力波形データから全ての偶数次成分を
一括抽出してそれを同波形データから差し引くことで、
奇数次成分のみを制御対象として残すようにしたもので
ある。
ピーカ信号yの出力波形データから全ての偶数次成分を
一括抽出してそれを同波形データから差し引くことで、
奇数次成分のみを制御対象として残すようにしたもので
ある。
【0073】すなわち、この実施例では、リング状デー
タ構造32に格納されている出力波形データに対し、そ
の1/2のデータ長を有する今1つの1/2データ長リ
ング状データ構造45が設けられており、本来のデータ
構造32によりスピーカ14に出力される出力波形デー
タから、上記1/2データ長リング状データ構造45に
より出力される出力波形データを差し引いてスピーカ1
4に出力する。このことで奇数次成分のみしか制御され
なくなるようにしている。
タ構造32に格納されている出力波形データに対し、そ
の1/2のデータ長を有する今1つの1/2データ長リ
ング状データ構造45が設けられており、本来のデータ
構造32によりスピーカ14に出力される出力波形デー
タから、上記1/2データ長リング状データ構造45に
より出力される出力波形データを差し引いてスピーカ1
4に出力する。このことで奇数次成分のみしか制御され
なくなるようにしている。
【0074】但し、この場合、偶数次成分に対する適応
が収束しないので、これを避けるために、スピーカ信号
yの偶数次成分とスピーカ14及びマイクロフォン13
間のインパルス応答波形データとを畳み込んだ信号をマ
イク信号eに加えるようにしている。
が収束しないので、これを避けるために、スピーカ信号
yの偶数次成分とスピーカ14及びマイクロフォン13
間のインパルス応答波形データとを畳み込んだ信号をマ
イク信号eに加えるようにしている。
【0075】この実施例では、1/2データ長リング状
データ構造45により、スピーカ信号yの出力波形デー
タから全ての偶数次成分を抽出して差し引くことによ
り、スピーカ14及びマイクロフォン13間の音の伝達
特性のデータからエンジン回転周期と同期した偶数次成
分のデータを除去するようにしたデータ限定手段が構成
されている。
データ構造45により、スピーカ信号yの出力波形デー
タから全ての偶数次成分を抽出して差し引くことによ
り、スピーカ14及びマイクロフォン13間の音の伝達
特性のデータからエンジン回転周期と同期した偶数次成
分のデータを除去するようにしたデータ限定手段が構成
されている。
【0076】したがって、この実施例においては、リン
グ状データ構造32に格納されている出力波形データか
ら1/2データ長リング状データ構造45により出力さ
れる出力波形データが差し引かれることにより、エンジ
ン騒音の奇数次成分のみが低減制御されるようになり、
エンジン騒音の音質改良等を図ることができる。
グ状データ構造32に格納されている出力波形データか
ら1/2データ長リング状データ構造45により出力さ
れる出力波形データが差し引かれることにより、エンジ
ン騒音の奇数次成分のみが低減制御されるようになり、
エンジン騒音の音質改良等を図ることができる。
【0077】(実施例4)
図14〜図18は実施例4を示し、制御ブロック19の
リング状データ構造32に格納されているスピーカ信号
yの一波長の出力波形のデータを半波長ずつに分割し、
両半波長の波形データ同士を差し引くことにより、波形
データからエンジン4の回転周期と同期した偶数次成分
のデータを除去するようにしたものである。
リング状データ構造32に格納されているスピーカ信号
yの一波長の出力波形のデータを半波長ずつに分割し、
両半波長の波形データ同士を差し引くことにより、波形
データからエンジン4の回転周期と同期した偶数次成分
のデータを除去するようにしたものである。
【0078】すなわち、この実施例では、図14に示す
如く、制御ブロック19に、出力波形周期調整器34に
加え、出力波形データ限定ブロック47と加減速判定部
48とが設けられている。
如く、制御ブロック19に、出力波形周期調整器34に
加え、出力波形データ限定ブロック47と加減速判定部
48とが設けられている。
【0079】上記出力波形データ限定ブロック47は、
データ限定手段を構成するもので、スピーカ信号yの出
力波形データからエンジン4の回転周期と同期した偶数
次成分のデータを除去する。その原理を説明すると、今
仮に、図17に示すように、音(振動)に1次〜5次ま
での次数成分が含まれているとすると、1次成分は1周
期Tに付き1波分の波形があり、2次〜5次成分はそれ
ぞれ1周期Tに付き2〜5波分の波形がある。そして、
各次数成分は何れも周期Tの前半部と後半部とで振幅が
逆になる波形であるので、前半部の振幅データから後半
部のデータを減じると、2次及び4次の偶数次成分は消
えるが、1次、3次及び5次の奇数次成分は残る。従っ
て、この原理を利用し、図18(a)に示すように、全
ての次数成分を含んだスピーカ信号yの一波長の出力波
形データに対し、半分の周期T/2の半波長ずつに分割
し、該分割された半波長の波形データ同士を差し引く
と、図18(b)に示すように、波形データから振動源
の振動周期と同期した偶数次成分のデータが除去され
て、偶数次成分のみが含まれる出力波形データが得られ
ることとなる。
データ限定手段を構成するもので、スピーカ信号yの出
力波形データからエンジン4の回転周期と同期した偶数
次成分のデータを除去する。その原理を説明すると、今
仮に、図17に示すように、音(振動)に1次〜5次ま
での次数成分が含まれているとすると、1次成分は1周
期Tに付き1波分の波形があり、2次〜5次成分はそれ
ぞれ1周期Tに付き2〜5波分の波形がある。そして、
各次数成分は何れも周期Tの前半部と後半部とで振幅が
逆になる波形であるので、前半部の振幅データから後半
部のデータを減じると、2次及び4次の偶数次成分は消
えるが、1次、3次及び5次の奇数次成分は残る。従っ
て、この原理を利用し、図18(a)に示すように、全
ての次数成分を含んだスピーカ信号yの一波長の出力波
形データに対し、半分の周期T/2の半波長ずつに分割
し、該分割された半波長の波形データ同士を差し引く
と、図18(b)に示すように、波形データから振動源
の振動周期と同期した偶数次成分のデータが除去され
て、偶数次成分のみが含まれる出力波形データが得られ
ることとなる。
【0080】具体的には、出力波形データ限定ブロック
47での信号処理動作は図16に示すように行われる。
まず、ステップU1で、リング状データ構造32に格納
されている出力波形のデータy(i)(i=1〜2n)
を転送して取り込む。次のステップU2ではi=1に設
定し、ステップU3で次式によりデータの減算を行って
奇数次成分を抽出する。
47での信号処理動作は図16に示すように行われる。
まず、ステップU1で、リング状データ構造32に格納
されている出力波形のデータy(i)(i=1〜2n)
を転送して取り込む。次のステップU2ではi=1に設
定し、ステップU3で次式によりデータの減算を行って
奇数次成分を抽出する。
【0081】
y(i)={y(i)−y(i+n)}/2
y(i+n)={y(i+n)−y(i)}/2
次いで、ステップU4においてi=i+1に更新し、ス
テップU5でi>nかどうかを判定する。この判定がi
≦nのNOのときには上記ステップU3〜U5を繰り返
すが、i>nのYESのときには、ステップU6に進
み、上記抽出された奇数次成分のみからなる出力波形デ
ータy(i)(i=1〜2n)をリング状データ構造3
2に転送して戻す。
テップU5でi>nかどうかを判定する。この判定がi
≦nのNOのときには上記ステップU3〜U5を繰り返
すが、i>nのYESのときには、ステップU6に進
み、上記抽出された奇数次成分のみからなる出力波形デ
ータy(i)(i=1〜2n)をリング状データ構造3
2に転送して戻す。
【0082】また、加減速判定部48での処理動作を図
15に示す。すなわち、ステップS1で周期測定回路2
8からの信号を基にエンジン回転周期tnを入力し、ス
テップS2で前回のエンジン回転周期toを入力する。
その後、ステップS3で両周期tn,toの差の絶対値
としての周期変化量dtを計算し、ステップS4で、こ
の周期変化量dtが基準値ref以上かどうかを判定す
る。この判定がdt<refのNOのときには、ステッ
プS5でエンジン4の定速状態と判定し、出力波形デー
タ限定ブロック47による波形データの限定は行わず、
全ての次数成分の低減制御を指令した後、リターンす
る。
15に示す。すなわち、ステップS1で周期測定回路2
8からの信号を基にエンジン回転周期tnを入力し、ス
テップS2で前回のエンジン回転周期toを入力する。
その後、ステップS3で両周期tn,toの差の絶対値
としての周期変化量dtを計算し、ステップS4で、こ
の周期変化量dtが基準値ref以上かどうかを判定す
る。この判定がdt<refのNOのときには、ステッ
プS5でエンジン4の定速状態と判定し、出力波形デー
タ限定ブロック47による波形データの限定は行わず、
全ての次数成分の低減制御を指令した後、リターンす
る。
【0083】一方、ステップS4の判定がdt≧ref
のYESのときには、ステップS6でエンジン4の加減
速状態と判定し、出力波形データ限定ブロック47によ
る波形データの限定を行わせて、奇数次成分のみの低減
制御を行う奇数次制御を指令した後、リターンする。
のYESのときには、ステップS6でエンジン4の加減
速状態と判定し、出力波形データ限定ブロック47によ
る波形データの限定を行わせて、奇数次成分のみの低減
制御を行う奇数次制御を指令した後、リターンする。
【0084】この実施例における上記ステップS1〜S
3により、エンジン4の回転周期が変動したことを検出
する周期変化検出手段49が構成される。
3により、エンジン4の回転周期が変動したことを検出
する周期変化検出手段49が構成される。
【0085】また、ステップS4,S6により、上記周
期変化検出手段49により検出されるエンジン4の回転
周期変化量dtが基準値ref以上のとき、出力波形デ
ータ限定ブロック47を作動させる制御手段50が構成
される。
期変化検出手段49により検出されるエンジン4の回転
周期変化量dtが基準値ref以上のとき、出力波形デ
ータ限定ブロック47を作動させる制御手段50が構成
される。
【0086】したがって、この実施例においては、エン
ジン4が定速状態にあって、その回転周期の変化量dt
が基準値refよりも小さいとき、出力波形データ限定
ブロック47の作動は行われず、エンジン騒音のうちの
全次数成分が低減制御される。
ジン4が定速状態にあって、その回転周期の変化量dt
が基準値refよりも小さいとき、出力波形データ限定
ブロック47の作動は行われず、エンジン騒音のうちの
全次数成分が低減制御される。
【0087】一方、エンジン4が加減速状態にあって、
エンジン回転周期の変化量dtが基準値ref以上のと
き、出力波形データ限定ブロック47が作動して、エン
ジン騒音のうちの奇数次成分のみが低減制御される。そ
の結果、エンジン4の回転周期が大きく変動したとき
に、奇数次成分のみの制御によりデータ数が少なくなる
ので、騒音低減状態への収束性を高めることができる。
エンジン回転周期の変化量dtが基準値ref以上のと
き、出力波形データ限定ブロック47が作動して、エン
ジン騒音のうちの奇数次成分のみが低減制御される。そ
の結果、エンジン4の回転周期が大きく変動したとき
に、奇数次成分のみの制御によりデータ数が少なくなる
ので、騒音低減状態への収束性を高めることができる。
【0088】また、このエンジン4の加減速状態では、
エンジン騒音のうちの奇数次成分のみが低減制御される
ので、エンジン音を加減速状態にマッチした重厚感ある
音に設定することができ、車両乗員に対する音質を向上
させることができる。
エンジン騒音のうちの奇数次成分のみが低減制御される
ので、エンジン音を加減速状態にマッチした重厚感ある
音に設定することができ、車両乗員に対する音質を向上
させることができる。
【0089】そして、上記出力波形データ限定ブロック
47で奇数次成分のみの奇数次制御を行う場合、出力波
形データが半波長ずつに分割され、該分割された半波長
の波形データ同士を差し引くことにより、波形データか
らエンジン周期と同期した偶数次成分のデータが除去さ
れることから、騒音のうちの偶数次成分を簡単に除去で
きる。
47で奇数次成分のみの奇数次制御を行う場合、出力波
形データが半波長ずつに分割され、該分割された半波長
の波形データ同士を差し引くことにより、波形データか
らエンジン周期と同期した偶数次成分のデータが除去さ
れることから、騒音のうちの偶数次成分を簡単に除去で
きる。
【0090】尚、この実施例において、ステップS6で
奇数次制御に代えて偶数次制御を行うようにしてもよ
い。その場合、全次数成分の波形データから奇数次成分
の波形データを除去する必要があるが、これは、上記説
明したように偶数次成分の除去によって奇数次成分を抽
出した後、さらに、その抽出された奇数次成分を元の全
次数成分の波形データから除去すればよい。
奇数次制御に代えて偶数次制御を行うようにしてもよ
い。その場合、全次数成分の波形データから奇数次成分
の波形データを除去する必要があるが、これは、上記説
明したように偶数次成分の除去によって奇数次成分を抽
出した後、さらに、その抽出された奇数次成分を元の全
次数成分の波形データから除去すればよい。
【0091】(実施例5)
図19は実施例5を示す。この実施例は、基本的に上記
実施例7と同様であり、加減速判定部48の処理動作に
おける一部の処理ステップのみが異なる(図15参
照)。すなわち、図19に示す如く、ステップS4にお
いて、エンジン回転周期tnの周期変化量dtが基準値
refよりも小さいNOであると、ステップS5′でエ
ンジン4の定速状態と判定するが、このときには、実施
例7のように全ての次数成分ではなく、偶数次成分の低
減制御を指令した後、リターンする。
実施例7と同様であり、加減速判定部48の処理動作に
おける一部の処理ステップのみが異なる(図15参
照)。すなわち、図19に示す如く、ステップS4にお
いて、エンジン回転周期tnの周期変化量dtが基準値
refよりも小さいNOであると、ステップS5′でエ
ンジン4の定速状態と判定するが、このときには、実施
例7のように全ての次数成分ではなく、偶数次成分の低
減制御を指令した後、リターンする。
【0092】上記偶数次成分の制御を行う場合には、実
施例7の変形例で説明したように偶数次成分の除去によ
って奇数次成分を抽出した後、さらに、その抽出された
奇数次成分を元の全次数成分の波形データから除去す
る。
施例7の変形例で説明したように偶数次成分の除去によ
って奇数次成分を抽出した後、さらに、その抽出された
奇数次成分を元の全次数成分の波形データから除去す
る。
【0093】そして、この実施例では、上記ステップS
4,S5′,S6により、出力波形データ限定ブロック
47により限定される波形データにおける対象次数成分
を、車両の所定状態に応じて変更し、周期変化検出手段
49により検出されるエンジン回転の周期変化量dtが
基準値refよりも小さいときには波形データから偶数
次成分を限定して偶数次制御を行う一方、周期変化量d
tが基準値ref以上のときには奇数次成分を限定して
奇数次制御を行う対象次数変更手段52が構成される。
4,S5′,S6により、出力波形データ限定ブロック
47により限定される波形データにおける対象次数成分
を、車両の所定状態に応じて変更し、周期変化検出手段
49により検出されるエンジン回転の周期変化量dtが
基準値refよりも小さいときには波形データから偶数
次成分を限定して偶数次制御を行う一方、周期変化量d
tが基準値ref以上のときには奇数次成分を限定して
奇数次制御を行う対象次数変更手段52が構成される。
【0094】したがって、この実施例では、エンジン4
が定常状態にあり、エンジン回転の周期変化量dtが基
準値refよりも小さいときには、出力波形データ限定
ブロック47によりリング状データ構造32の出力波形
データから偶数次成分が限定され、エンジン騒音の偶数
次成分のみが低減される。このため、騒音は奇数次成分
が残り、例えばエンジン4の定常状態に対応した軽快な
音質が得られる。
が定常状態にあり、エンジン回転の周期変化量dtが基
準値refよりも小さいときには、出力波形データ限定
ブロック47によりリング状データ構造32の出力波形
データから偶数次成分が限定され、エンジン騒音の偶数
次成分のみが低減される。このため、騒音は奇数次成分
が残り、例えばエンジン4の定常状態に対応した軽快な
音質が得られる。
【0095】これに対し、エンジン回転の周期変化量d
tが基準値ref以上のときには奇数次成分が限定さ
れ、騒音から奇数次成分のみが低減される。このため、
騒音は偶数次成分が残り、エンジン4の加減速状態に対
応した重厚な音質が得られる。
tが基準値ref以上のときには奇数次成分が限定さ
れ、騒音から奇数次成分のみが低減される。このため、
騒音は偶数次成分が残り、エンジン4の加減速状態に対
応した重厚な音質が得られる。
【0096】すなわち、エンジン4の定速状態又は加減
速状態に応じてエンジン音の音質を変えることができ、
車両の乗員により一層好ましい音質が得られる。
速状態に応じてエンジン音の音質を変えることができ、
車両の乗員により一層好ましい音質が得られる。
【0097】(実施例6)
図20〜図22は実施例6を示し、制御ブロック19に
おけるリング状データ構造32に格納される出力波形デ
ータのオーバーフローを防止するようにしたものであ
る。
おけるリング状データ構造32に格納される出力波形デ
ータのオーバーフローを防止するようにしたものであ
る。
【0098】すなわち、この実施例では、図20に示す
ように、制御ブロック19には、出力波形周期調整器3
4及び出力波形データ限定ブロック47の他に、リング
状データ構造32における出力波形データのオーバーフ
ローを防止するオーバーフロー防止ブロック54と、こ
のオーバーフロー防止ブロック54及び出力波形データ
限定ブロック47の作動をリング状データ構造32のデ
ータ個数nを基に切り換える切換部55とが設けられて
いる。
ように、制御ブロック19には、出力波形周期調整器3
4及び出力波形データ限定ブロック47の他に、リング
状データ構造32における出力波形データのオーバーフ
ローを防止するオーバーフロー防止ブロック54と、こ
のオーバーフロー防止ブロック54及び出力波形データ
限定ブロック47の作動をリング状データ構造32のデ
ータ個数nを基に切り換える切換部55とが設けられて
いる。
【0099】上記切換部55での信号処理動作を図21
により説明すると、最初のステップV1で、リング状デ
ータ構造32に格納されている出力波形データの現在の
個数nを入力し、次のステップV2でそのデータ個数n
が偶数かどうかを判定する。この判定がn=偶数のYE
SのときにはステップV3に進み、出力波形データ限定
ブロック47を作動させて、そのデータの選択処理を行
った後、リターンする。
により説明すると、最初のステップV1で、リング状デ
ータ構造32に格納されている出力波形データの現在の
個数nを入力し、次のステップV2でそのデータ個数n
が偶数かどうかを判定する。この判定がn=偶数のYE
SのときにはステップV3に進み、出力波形データ限定
ブロック47を作動させて、そのデータの選択処理を行
った後、リターンする。
【0100】これに対し、ステップV2の判定がn=奇
数のNOのときにはステップV4に進み、オーバーフロ
ー防止ブロック54を作動させて、データのオーバーフ
ロー防止処理を行った後、リターンする。
数のNOのときにはステップV4に進み、オーバーフロ
ー防止ブロック54を作動させて、データのオーバーフ
ロー防止処理を行った後、リターンする。
【0101】また、オーバーフロー防止ブロック54で
の信号処理動作は図22に示すように行われ、前半のス
テップW1〜W5でデータy(i)の平均値sを計算す
る。まず、ステップW1でリング状データ構造32に格
納されている出力波形のデータy(i)(i=1〜2
n)を転送して取り込み、次のステップW2でi=1
に、また平均値sをs=0にそれぞれ設定した後、ステ
ップW3で平均値sをs=s+y(i)/2nとする。
次のステップW4においてi=i+1に更新し、ステッ
プW5でi>2nかどうかを判定し、この判定がi≦2
nのNOのときには上記ステップW3〜W5を繰り返す
が、i>2nのYESのときには、後半のステップW6
〜W10に進み、データy(i)に平均値sを足す処理
を行う。
の信号処理動作は図22に示すように行われ、前半のス
テップW1〜W5でデータy(i)の平均値sを計算す
る。まず、ステップW1でリング状データ構造32に格
納されている出力波形のデータy(i)(i=1〜2
n)を転送して取り込み、次のステップW2でi=1
に、また平均値sをs=0にそれぞれ設定した後、ステ
ップW3で平均値sをs=s+y(i)/2nとする。
次のステップW4においてi=i+1に更新し、ステッ
プW5でi>2nかどうかを判定し、この判定がi≦2
nのNOのときには上記ステップW3〜W5を繰り返す
が、i>2nのYESのときには、後半のステップW6
〜W10に進み、データy(i)に平均値sを足す処理
を行う。
【0102】この処理では、まず、ステップW6で、上
記計算された平均値sをデータy(i)に加えて新たな
データy(i)とし、次のステップW8においてi=i
+1に更新し、ステップW9でi>2nかどうかを判定
し、この判定がi≦2nのNOのときには上記ステップ
W7〜W9を繰り返す。判定がi>2nのYESのとき
には、以上の処理により求められた出力波形データy
(i)(i=1〜2n)をリング状データ構造32に転
送して戻す。
記計算された平均値sをデータy(i)に加えて新たな
データy(i)とし、次のステップW8においてi=i
+1に更新し、ステップW9でi>2nかどうかを判定
し、この判定がi≦2nのNOのときには上記ステップ
W7〜W9を繰り返す。判定がi>2nのYESのとき
には、以上の処理により求められた出力波形データy
(i)(i=1〜2n)をリング状データ構造32に転
送して戻す。
【0103】この実施例では、リング状データ構造32
の出力波形データの個数nが偶数のときには、出力波形
データ限定ブロック47の作動によりデータの選択処理
が行われるが、データ個数nが奇数のときには、オーバ
ーフロー防止ブロック54によりデータのオーバーフロ
ー防止処理が行われる。
の出力波形データの個数nが偶数のときには、出力波形
データ限定ブロック47の作動によりデータの選択処理
が行われるが、データ個数nが奇数のときには、オーバ
ーフロー防止ブロック54によりデータのオーバーフロ
ー防止処理が行われる。
【0104】すなわち、マイク信号eを基にそれとは逆
位相の反転音を生成し、出力波形データを逐次更新する
制御においては、出力波形データに誤差が蓄積され、オ
ーバーフローを生じることがある。例えばマイク信号e
の入力回路の調整不良等によりマイク信号eが直流成分
を含んでいると、仮に完全に騒音を低減できたとして
も、マイク信号eの直流成分が入力され続けるので、出
力波形データの更新アルゴリズム演算で計算されるデー
タは増加又は減少し続け、オーバーフローに至ることが
ある。
位相の反転音を生成し、出力波形データを逐次更新する
制御においては、出力波形データに誤差が蓄積され、オ
ーバーフローを生じることがある。例えばマイク信号e
の入力回路の調整不良等によりマイク信号eが直流成分
を含んでいると、仮に完全に騒音を低減できたとして
も、マイク信号eの直流成分が入力され続けるので、出
力波形データの更新アルゴリズム演算で計算されるデー
タは増加又は減少し続け、オーバーフローに至ることが
ある。
【0105】また、マイク信号eの離散化誤差やその他
の偶発的誤差はランダムウォーク的に蓄積される。この
誤差のうち交流成分にあっては、出力波形データ更新ア
ルゴリズム演算により補正されるが、直流成分について
は、出力波形データとして出力し或いはマイク信号eと
して入力できないので、補正されることなく蓄積され続
け、オーバーフローを招く。
の偶発的誤差はランダムウォーク的に蓄積される。この
誤差のうち交流成分にあっては、出力波形データ更新ア
ルゴリズム演算により補正されるが、直流成分について
は、出力波形データとして出力し或いはマイク信号eと
して入力できないので、補正されることなく蓄積され続
け、オーバーフローを招く。
【0106】しかし、この実施例のように、出力波形デ
ータからその直流成分に相当する全体の平均値sを減じ
ることにより、上記オーバーフローを防止することがで
きる。
ータからその直流成分に相当する全体の平均値sを減じ
ることにより、上記オーバーフローを防止することがで
きる。
【0107】(実施例7)
図23〜図25は実施例7を示し、エンジン4の加減速
状態では、リング状データ構造32の出力波形データの
周期を半分するとともに、インパルス応答波形データを
補正するようにしたものである。
状態では、リング状データ構造32の出力波形データの
周期を半分するとともに、インパルス応答波形データを
補正するようにしたものである。
【0108】この実施例では、図23に示す如く、制御
ブロック19に出力波形周期調整器34、加減速判定部
48、出力波形データ限定ブロック47、及びインパル
ス応答波形データ補正ブロック57が設けられている。
ブロック19に出力波形周期調整器34、加減速判定部
48、出力波形データ限定ブロック47、及びインパル
ス応答波形データ補正ブロック57が設けられている。
【0109】上記加減速判定部48で行う処理動作を図
24に示すと、まず、ステップX1で周期測定回路28
からの信号を基にエンジン回転周期tnを入力し、ステ
ップX2で前回のエンジン回転周期toを入力する。そ
の後、ステップX3で両周期tn,toの差から周期変
化量dtを計算し、ステップX4で、この周期変化量d
tが基準値ref以上かどうかを判定する。この判定が
dt<refのNOのときにはそのままリターンする一
方、dt≧refのYESのときには、ステップX5で
エンジン4の加減速状態と判定し、出力波形データ限定
ブロック47による波形データの限定を行わせて奇数次
成分のみの低減制御を行う奇数次制御を指令し、ステッ
プX6で上記奇数次成分からなる出力波形データの周期
を半分にするとともに、ステップX7でインパルス応答
波形データ補正ブロック57により、上記出力データの
周期に基づきリング状データ構造31に格納されている
インパルス応答波形データを補正し、しかる後にリター
ンする。上記インパルス応答波形データの補正では、図
25に示すように、出力波形データの前半部と後半部と
は絶対値が同じで正負の符号のみが異なることに着目し
て、前半部の波形データのみを使用することとし、それ
に合わせて出力波形データの後半部では、インパルス応
答波形データを通常のデータに負の符号を乗じて補正す
るものである。
24に示すと、まず、ステップX1で周期測定回路28
からの信号を基にエンジン回転周期tnを入力し、ステ
ップX2で前回のエンジン回転周期toを入力する。そ
の後、ステップX3で両周期tn,toの差から周期変
化量dtを計算し、ステップX4で、この周期変化量d
tが基準値ref以上かどうかを判定する。この判定が
dt<refのNOのときにはそのままリターンする一
方、dt≧refのYESのときには、ステップX5で
エンジン4の加減速状態と判定し、出力波形データ限定
ブロック47による波形データの限定を行わせて奇数次
成分のみの低減制御を行う奇数次制御を指令し、ステッ
プX6で上記奇数次成分からなる出力波形データの周期
を半分にするとともに、ステップX7でインパルス応答
波形データ補正ブロック57により、上記出力データの
周期に基づきリング状データ構造31に格納されている
インパルス応答波形データを補正し、しかる後にリター
ンする。上記インパルス応答波形データの補正では、図
25に示すように、出力波形データの前半部と後半部と
は絶対値が同じで正負の符号のみが異なることに着目し
て、前半部の波形データのみを使用することとし、それ
に合わせて出力波形データの後半部では、インパルス応
答波形データを通常のデータに負の符号を乗じて補正す
るものである。
【0110】この実施例では、上記ステップX5〜X7
により、エンジン4の加減速時に出力波形データ限定ブ
ロック47により、出力波形データからエンジン4の回
転周期と同期した偶数次成分のデータが除去されて奇数
次成分が限定されたとき、出力波形の半波長の波形デー
タの周期に基づいてインパルス応答波形データを補正す
る補正手段58が構成される。
により、エンジン4の加減速時に出力波形データ限定ブ
ロック47により、出力波形データからエンジン4の回
転周期と同期した偶数次成分のデータが除去されて奇数
次成分が限定されたとき、出力波形の半波長の波形デー
タの周期に基づいてインパルス応答波形データを補正す
る補正手段58が構成される。
【0111】したがって、この実施例においては、エン
ジン4の加減速時に出力波形データ限定ブロック47に
より波形データの奇数次制御が指令される。また、この
奇数次成分からなる出力波形データの周期が半分にされ
るとともに、インパルス応答波形データ補正ブロック5
7において、リング状データ構造31のインパルス応答
波形データが上記出力データの周期に基づき補正され
る。このため、出力波形データは前半部のデータのみを
用いればよいので、制御の演算量が半減され、よってエ
ンジン4の加減速状態での騒音低減状態への収束性をさ
らに高めることができる。
ジン4の加減速時に出力波形データ限定ブロック47に
より波形データの奇数次制御が指令される。また、この
奇数次成分からなる出力波形データの周期が半分にされ
るとともに、インパルス応答波形データ補正ブロック5
7において、リング状データ構造31のインパルス応答
波形データが上記出力データの周期に基づき補正され
る。このため、出力波形データは前半部のデータのみを
用いればよいので、制御の演算量が半減され、よってエ
ンジン4の加減速状態での騒音低減状態への収束性をさ
らに高めることができる。
【0112】尚、上記各実施例では、騒音源を自動車の
エンジン4としているが、本発明は、自動車におけるエ
ンジン4の排気音等の周期性を持つその他の騒音を低減
する場合にも適用でき、さらには自動車以外の他の車両
において騒音源からの騒音を能動的に低減制御する場合
にも適用することができる。
エンジン4としているが、本発明は、自動車におけるエ
ンジン4の排気音等の周期性を持つその他の騒音を低減
する場合にも適用でき、さらには自動車以外の他の車両
において騒音源からの騒音を能動的に低減制御する場合
にも適用することができる。
【0113】また、上記各実施例では、振動の一種とし
ての車両騒音を低減制御することとしているが、本発明
はその他、エンジン4等による車体1の振動を低減する
場合にも適用することができ、スピーカ14に代えて加
振用アクチュエータを、またマイクロフォン13に代え
て加速度センサ等をそれぞれ使用すればよい。
ての車両騒音を低減制御することとしているが、本発明
はその他、エンジン4等による車体1の振動を低減する
場合にも適用することができ、スピーカ14に代えて加
振用アクチュエータを、またマイクロフォン13に代え
て加速度センサ等をそれぞれ使用すればよい。
【0114】
【発明の効果】以上説明したように、請求項1の発明に
よれば、車両の振動低減箇所にある振動検出手段で振動
源からの振動を検出し、振動低減信号生成手段におい
て、上記検出した振動信号を加振手段と振動検出手段と
の間の振動伝達特性に基づいて補正して振動低減信号を
生成し、この振動低減信号を加振手段に出力して振動低
減箇所での振動を低減するようにした振動低減装置にお
いて、振動源の振動周期と同期した所定次数成分のデー
タを限定するデータ限定手段を設けたことにより、振動
検出手段からの振動信号をリファレンス信号として加工
して加振手段に振動信号とは逆位相の反転信号を発生さ
せる場合であっても、振動のうちの特定次数成分の振動
を集中的に低減制御することができ、例えば振動として
エンジン騒音を低減制御する場合にエンジン回転数に同
期した所定の次数成分を低減制御して音質のチューニン
グ等を行うことができ、振動低減制御の自由度の向上を
図ることができる。また、振動源の振動周期の変動を検
出し、この周期変動が所定値以上のときにデータ限定手
段を作動させて、振動のうちの特定次数成分の振動を集
中的に低減制御するようにしたことにより、振動源に大
きな周期変動が生じたときの制御の振動低減状態への収
束性の向上を図ることができる。
よれば、車両の振動低減箇所にある振動検出手段で振動
源からの振動を検出し、振動低減信号生成手段におい
て、上記検出した振動信号を加振手段と振動検出手段と
の間の振動伝達特性に基づいて補正して振動低減信号を
生成し、この振動低減信号を加振手段に出力して振動低
減箇所での振動を低減するようにした振動低減装置にお
いて、振動源の振動周期と同期した所定次数成分のデー
タを限定するデータ限定手段を設けたことにより、振動
検出手段からの振動信号をリファレンス信号として加工
して加振手段に振動信号とは逆位相の反転信号を発生さ
せる場合であっても、振動のうちの特定次数成分の振動
を集中的に低減制御することができ、例えば振動として
エンジン騒音を低減制御する場合にエンジン回転数に同
期した所定の次数成分を低減制御して音質のチューニン
グ等を行うことができ、振動低減制御の自由度の向上を
図ることができる。また、振動源の振動周期の変動を検
出し、この周期変動が所定値以上のときにデータ限定手
段を作動させて、振動のうちの特定次数成分の振動を集
中的に低減制御するようにしたことにより、振動源に大
きな周期変動が生じたときの制御の振動低減状態への収
束性の向上を図ることができる。
【0115】請求項2の発明によれば、データ限定手段
にて限定される波形データにおける対象次数成分を車両
の所定状態に応じて変更するようにしたことにより、振
動源からの振動のうち車両の状態に対応した次数成分を
低減制御することができる。また、振動源の振動周期の
変動が所定値よりも小さいときには波形データから偶数
次成分を限定して、振動の偶数次成分のみを低減する一
方、振動源の周期変動が所定値以上のときには奇数次成
分を限定して、振動の奇数次成分のみを低減するように
したことにより、例えば車両の加減速走行状態で振動源
としてのエンジンの振動周期変動の小さい状態では奇数
次成分の振動を残して、車両の定常走行状態に対応した
軽快な音質を、またエンジンの振動周期変動の大きい加
減速状態では偶数次成分の振動を残して、車両の加減速
状態に対応した重厚な音質をそれぞれ得ることができ
る。
にて限定される波形データにおける対象次数成分を車両
の所定状態に応じて変更するようにしたことにより、振
動源からの振動のうち車両の状態に対応した次数成分を
低減制御することができる。また、振動源の振動周期の
変動が所定値よりも小さいときには波形データから偶数
次成分を限定して、振動の偶数次成分のみを低減する一
方、振動源の周期変動が所定値以上のときには奇数次成
分を限定して、振動の奇数次成分のみを低減するように
したことにより、例えば車両の加減速走行状態で振動源
としてのエンジンの振動周期変動の小さい状態では奇数
次成分の振動を残して、車両の定常走行状態に対応した
軽快な音質を、またエンジンの振動周期変動の大きい加
減速状態では偶数次成分の振動を残して、車両の加減速
状態に対応した重厚な音質をそれぞれ得ることができ
る。
【0116】一方、請求項3の発明では、上記請求項1
の発明の前提と同じ振動低減装置において、振動低減信
号生成手段での加振手段及び振動検出手段間の振動伝達
特性のデータから振動源の振動周期と同期した偶数次成
分のデータを除去して奇数次成分を限定するデータ限定
手段を設けた。また、請求項5の発明では、データ限定
手段により、振動低減信号の波形データから振動源の振
動周期と同期した偶数次成分のデータを除去するように
した。従って、これら発明によれば、奇数次成分の振動
を低減制御でき、例えば振動としてのエンジン騒音の音
質を改良して、乗員の受ける軽快感を向上させることが
できるという要求を満たすことができる。
の発明の前提と同じ振動低減装置において、振動低減信
号生成手段での加振手段及び振動検出手段間の振動伝達
特性のデータから振動源の振動周期と同期した偶数次成
分のデータを除去して奇数次成分を限定するデータ限定
手段を設けた。また、請求項5の発明では、データ限定
手段により、振動低減信号の波形データから振動源の振
動周期と同期した偶数次成分のデータを除去するように
した。従って、これら発明によれば、奇数次成分の振動
を低減制御でき、例えば振動としてのエンジン騒音の音
質を改良して、乗員の受ける軽快感を向上させることが
できるという要求を満たすことができる。
【0117】請求項4の発明では、上記請求項3の発明
におけるデータ限定手段は、加振手段及び振動検出手段
間の振動伝達特性データに対しデータ長の1/2の項数
で移動平均処理を施して、伝達特性のデータから振動源
の振動周期と同期した偶数次成分のデータを除去する構
成とした。また、請求項6の発明では、同様に、データ
限定手段は、加振手段に出力される振動低減信号の波形
データに対しデータ長の1/2の項数で移動平均処理を
施して、振動源の振動周期と同期した偶数次成分のデー
タを除去する構成とした。さらに、請求項7の発明で
は、データ限定手段は、振動低減信号の波形データから
全ての偶数次成分を抽出して差し引くことで、振動源の
振動周期と同期した偶数次成分のデータを除去する構成
とした。また、請求項8の発明では、振動低減信号生成
手段で生成される振動低減信号の波形データを半波長ず
つ分割して、該分割された半波長の波形データ同士を差
し引くことにより、波形データから振動源の振動周期と
同期した偶数次成分のデータを除去するようにした。従
って、これらの発明によれば、上記データ限定手段が具
体的に容易に得られ、振動のうちの偶数次成分を簡単に
除去することができる。
におけるデータ限定手段は、加振手段及び振動検出手段
間の振動伝達特性データに対しデータ長の1/2の項数
で移動平均処理を施して、伝達特性のデータから振動源
の振動周期と同期した偶数次成分のデータを除去する構
成とした。また、請求項6の発明では、同様に、データ
限定手段は、加振手段に出力される振動低減信号の波形
データに対しデータ長の1/2の項数で移動平均処理を
施して、振動源の振動周期と同期した偶数次成分のデー
タを除去する構成とした。さらに、請求項7の発明で
は、データ限定手段は、振動低減信号の波形データから
全ての偶数次成分を抽出して差し引くことで、振動源の
振動周期と同期した偶数次成分のデータを除去する構成
とした。また、請求項8の発明では、振動低減信号生成
手段で生成される振動低減信号の波形データを半波長ず
つ分割して、該分割された半波長の波形データ同士を差
し引くことにより、波形データから振動源の振動周期と
同期した偶数次成分のデータを除去するようにした。従
って、これらの発明によれば、上記データ限定手段が具
体的に容易に得られ、振動のうちの偶数次成分を簡単に
除去することができる。
【0118】請求項9の発明によれば、データ限定手段
により振動低減信号の波形データから振動源の振動周期
と同期した偶数次成分のデータが除去されて奇数次成分
が限定されたとき、該振動低減信号の半波長の波形デー
タの周期に基づいて加振手段及び振動検出手段間の振動
伝達特性データを補正するようにしたことにより、制御
の演算量を半減して、振動低減制御の振動低減状態への
収束性をさらに高めることができる。
により振動低減信号の波形データから振動源の振動周期
と同期した偶数次成分のデータが除去されて奇数次成分
が限定されたとき、該振動低減信号の半波長の波形デー
タの周期に基づいて加振手段及び振動検出手段間の振動
伝達特性データを補正するようにしたことにより、制御
の演算量を半減して、振動低減制御の振動低減状態への
収束性をさらに高めることができる。
【図1】参考例1の制御ブロックにおいてエンジン騒音
の所定周波数を低減制御する原理を示すブロック図であ
る。
の所定周波数を低減制御する原理を示すブロック図であ
る。
【図2】制御ブロックの構成を示すブロック図である。
【図3】参考例1においてエンジン騒音のスピーカ/マ
イクロフォン間の伝達関数の特性を例示する特性図であ
る。
イクロフォン間の伝達関数の特性を例示する特性図であ
る。
【図4】参考例1においてエンジン騒音及びその所定周
波数成分についてのスピーカ/マイクロフォン間のイン
パルス応答波形データを例示する特性図である。
波数成分についてのスピーカ/マイクロフォン間のイン
パルス応答波形データを例示する特性図である。
【図5】参考例1における振動低減装置の全体構成を示
すブロック図である。
すブロック図である。
【図6】参考例1の制御ブロックの構成を機能的に示す
ブロック図である。
ブロック図である。
【図7】参考例1において各機器の配置構成を概略的に
示す振動低減装置の平面図である。
示す振動低減装置の平面図である。
【図8】参考例2を示す図1相当図である。
【図9】参考例2においてエンジン騒音のインパルス応
答波形データと余弦波との畳込み処理を行ったデータ波
形を、実施例1による同波形と対比して示す特性図であ
る。
答波形データと余弦波との畳込み処理を行ったデータ波
形を、実施例1による同波形と対比して示す特性図であ
る。
【図10】参考例3を示す図1相当図である。
【図11】本発明の実施例1においてリング状データ構
造での移動平均処理の動作を示す説明図である。
造での移動平均処理の動作を示す説明図である。
【図12】実施例2を示す図11相当図である。
【図13】実施例3を示す図1相当図である。
【図14】実施例4における制御ブロックの構成を示す
ブロック図である。
ブロック図である。
【図15】実施例4の加減速判定部での信号処理動作を
示すフローチャート図である。
示すフローチャート図である。
【図16】実施例4の出力波形データ限定部での信号処
理動作を示すフローチャート図である。
理動作を示すフローチャート図である。
【図17】実施例4において騒音の一波長の出力波形デ
ータから奇数次成分を限定する原理を示す図である。
ータから奇数次成分を限定する原理を示す図である。
【図18】実施例4において出力波形データ及び限定さ
れた奇数次成分の波形データを示す図である。
れた奇数次成分の波形データを示す図である。
【図19】実施例5を示す図15相当図である。
【図20】実施例6を示す図14相当図である。
【図21】実施例6の切換部での信号処理動作を示すフ
ローチャート図である。
ローチャート図である。
【図22】実施例6のオーバーフロー防止部での信号処
理動作を示すフローチャート図である。
理動作を示すフローチャート図である。
【図23】実施例7を示す図14相当図である。
【図24】実施例7の加速判定部での信号処理動作を示
すフローチャート図である。
すフローチャート図である。
【図25】実施例7のインパルス応答波形データの補正
原理を示す図である。
原理を示す図である。
2 車室
4 エンジン(振動源)
13 マイクロフォン(振動検出手段)
14 スピーカ(加振手段)
15 コントローラ
19 制御ブロック(振動低減信号生成手段)
31,32 リング状データ構造
36 応答波形生成部(データ限定手段)
42 バンドパスフィルタ(データ限定手段)
45 1/2データ長リング状データ構造(データ限定
手段) 48 加減速判定部 49 周期変化検出手段 50 制御手段 52 対象次数変更手段 57 インパルス応答データ補正ブロック 58 補正手段 y スピーカ信号 e マイク信号
手段) 48 加減速判定部 49 周期変化検出手段 50 制御手段 52 対象次数変更手段 57 インパルス応答データ補正ブロック 58 補正手段 y スピーカ信号 e マイク信号
─────────────────────────────────────────────────────
フロントページの続き
(56)参考文献 特開 平2−94999(JP,A)
特開 平2−306845(JP,A)
(58)調査した分野(Int.Cl.7,DB名)
G10K 11/178
B60R 11/02
F16F 15/02
G10K 11/16
Claims (9)
- 【請求項1】 振動を発生させる加振手段と、所定の振
動低減箇所に配設され、該振動低減箇所での振動を検出
する振動検出手段と、該振動検出手段により検出された
振動信号のデータから該振動信号とは逆位相の振動低減
信号を上記加振手段及び振動検出手段間の振動伝達特性
データに基づいて生成する振動低減信号生成手段とを備
え、振動低減信号生成手段で生成された振動低減信号を
加振手段に出力して反転振動を加振手段から発生させる
ことにより、振動検出手段で検出される振動を低減する
ようにした車両の振動低減装置において、 上記振動源の振動周期と同期した所定次数成分のデータ
を限定するデータ限定手段を設け、 振動低減信号生成手段は、上記データ限定手段により限
定された次数成分のデータに基づいて振動低減信号を生
成するように構成され、 上記振動源の振動周期が変動したことを検出する周期変
化検出手段と、 上記周期変化検出手段により検出される振動源の周期変
動が所定値以上のとき、データ限定手段を作動させる制
御手段とを設けた ことを特徴とする車両の振動低減装
置。 - 【請求項2】 振動を発生させる加振手段と、所定の振
動低減箇所に配設され、該振動低減箇所での振動を検出
する振動検出手段と、該振動検出手段により検出された
振動信号のデータから該振動信号とは逆位相の振動低減
信号を上記加振手段及び振動検出手段間の振動伝達特性
データに基づいて生成する振動低減信号生成手段とを備
え、振動低減信号生成手段で生成された振動低減信号を
加振手段に出力して反転振動を加振手段から発生させる
ことにより、振動検出手段で検出される振動を低減する
ようにした車両の振動低減装置において、 上記振動源の振動周期と同期した所定次数成分のデータ
を限定するデータ限定手段を設け、 振動低減信号生成手段は、上記データ限定手段により限
定された次数成分のデータに基づいて振動低減信号を生
成するように構成され、 上記データ限定手段により限定される波形データにおけ
る対象次数成分を、車両の所定状態に応じて変更する対
象次数変更手段と、 振動源の振動周期が変動したことを検出する周期変化検
出手段とを設け、 上記対象次数変更手段は、上記周期変化検出手段により
検出される振動源の周期変動が所定値よりも小さいとき
には波形データから偶数次成分を限定する一方、振動源
の周期変動が所定値以上のときには奇数次成分を限定す
るように構成され ていることを特徴とする車両の振動低
減装置。 - 【請求項3】 振動を発生させる加振手段と、所定の振
動低減箇所に配設され、該振動低減箇所での振動を検出
する振動検出手段と、該振動検出手段により検出された
振動信号のデータから該振動信号とは逆位相の振動低減
信号を上記加振手段及び振動検出手段間の振動伝達特性
データに基づいて生成する振動低減信号生成手段とを備
え、振動低減信号生成手段で生成された振動低減信号を
加振手段に出力して反転振動を加振手段から発生させる
ことにより、振動検出手段で検出される振動を低減する
ようにした車両の振動低減装置において、 上記振動低減信号生成手段での加振手段及び振動検出手
段間の振動伝達特性のデータから振動源の振動周期と同
期した偶数次成分のデータを除去して奇数次成分を限定
するデータ限定手段を設けたことを特徴とする車両の振
動低減装置。 - 【請求項4】 請求項3記載の車両の振動低減装置にお
いて、 データ限定手段は、加振手段及び振動検出手段間の振動
伝達特性データに対しデータ長の1/2の項数で移動平
均処理を施すことにより、伝達特性のデータから振動源
の振動周期と同期した偶数次成分のデータを除去するよ
うに構成されているものであることを特徴とする車両の
振動低減装置。 - 【請求項5】 振動を発生させる加振手段と、所定の振
動低減箇所に配設され、該振動低減箇所での振動を検出
する振動検出手段と、該振動検出手段により検出された
振動信号のデータから該振動信号とは逆位相の振動低減
信号を上記加振手段及び振動検出手段間の振動伝達特性
データに応じて生成する振動低減信号生成手段とを備
え、振動低減信号生成手段で生成された振動低減信号を
加振手段に出力して反転振動を加振手段から発生させる
ことにより、振動検出手段で検出される振動を低減する
ようにした車両の振動低減装置において、 上記振動低減信号生成手段で生成される振動低減信号の
波形データから振動源の振動周期と同期した偶数次成分
のデータを除去して奇数次成分を限定するデータ限定手
段を設けたことを特徴とする車両の振動低減装置。 - 【請求項6】 請求項5記載の車両の振動低減装置にお
いて、 データ限定手段は、振動低減信号生成手段で生成される
振動低減信号の波形データに対しデータ長の1/2の項
数で移動平均処理を施すことにより、波形データから振
動源の振動周期と同期した偶数次成分のデータを除去す
るように構成されているものであることを特徴とする車
両の振動低減装置。 - 【請求項7】 請求項5記載の車両の振動低減装置にお
いて、 データ限定手段は、振動低減信号生成手段で生成される
振動低減信号の波形データから全ての偶数次成分を抽出
しかつ該偶数次成分を差し引くことにより、波形データ
から振動源の振動周期と同期した偶数次成分のデータを
除去するように構成されているものであることを特徴と
する車両の振動低減装置。 - 【請求項8】 請求項5記載の車両の振動低減装置にお
いて、 データ限定手段は、振動低減信号生成手段で生成される
振動低減信号の波形データを半波長ずつに分割し、該分
割された半波長の波形データ同士を差し引くことによ
り、波形データから振動源の振動周期と同期した偶数次
成分のデータを除去するように構成されているものであ
ることを特徴とする車両の振動低減装置。 - 【請求項9】 請求項5記載の車両の振動低減装置にお
いて、 データ限定手段により、振動低減信号の波形データから
振動源の振動周期と同期した偶数次成分のデータが除去
されて奇数次成分が限定されたとき、振動低減信号の半
波長の波形データの周期に基づいて加振手段及び振動検
出手段間の振動伝達特性データを補正する補正手段を設
けたことを特徴とする車両の振動低減装置。
Priority Applications (1)
Application Number | Priority Date | Filing Date | Title |
---|---|---|---|
JP26864393A JP3465319B2 (ja) | 1993-07-01 | 1993-10-27 | 車両の振動低減装置 |
Applications Claiming Priority (3)
Application Number | Priority Date | Filing Date | Title |
---|---|---|---|
JP5-163429 | 1993-07-01 | ||
JP16342993 | 1993-07-01 | ||
JP26864393A JP3465319B2 (ja) | 1993-07-01 | 1993-10-27 | 車両の振動低減装置 |
Publications (2)
Publication Number | Publication Date |
---|---|
JPH0772874A JPH0772874A (ja) | 1995-03-17 |
JP3465319B2 true JP3465319B2 (ja) | 2003-11-10 |
Family
ID=26488871
Family Applications (1)
Application Number | Title | Priority Date | Filing Date |
---|---|---|---|
JP26864393A Expired - Fee Related JP3465319B2 (ja) | 1993-07-01 | 1993-10-27 | 車両の振動低減装置 |
Country Status (1)
Country | Link |
---|---|
JP (1) | JP3465319B2 (ja) |
Families Citing this family (2)
Publication number | Priority date | Publication date | Assignee | Title |
---|---|---|---|---|
JP2011048098A (ja) * | 2009-08-26 | 2011-03-10 | Hitachi Computer Peripherals Co Ltd | ファン騒音減音装置及びその方法 |
CN115743607A (zh) * | 2022-11-22 | 2023-03-07 | 哈尔滨工业大学 | 一种被动自适应星球探测车 |
-
1993
- 1993-10-27 JP JP26864393A patent/JP3465319B2/ja not_active Expired - Fee Related
Also Published As
Publication number | Publication date |
---|---|
JPH0772874A (ja) | 1995-03-17 |
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