JPH064144A - 車両のアクティブ振動騒音制御装置 - Google Patents

車両のアクティブ振動騒音制御装置

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JPH064144A
JPH064144A JP4160511A JP16051192A JPH064144A JP H064144 A JPH064144 A JP H064144A JP 4160511 A JP4160511 A JP 4160511A JP 16051192 A JP16051192 A JP 16051192A JP H064144 A JPH064144 A JP H064144A
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JP
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vibration
vehicle
engine
drive signal
noise
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Application number
JP4160511A
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English (en)
Inventor
Kazuro Takano
和朗 高野
Hiroyuki Saito
博之 斉藤
Kazuhiro Komatsu
一紘 小松
Mitsuhide Sasaki
光秀 佐々木
Kenji Sato
憲治 佐藤
Current Assignee (The listed assignees may be inaccurate. Google has not performed a legal analysis and makes no representation or warranty as to the accuracy of the list.)
Hitachi Ltd
Original Assignee
Hitachi Ltd
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Abstract

(57)【要約】 【目的】車両のアクティブ振動騒音制御装置において、
車体、機関または機関マウント系の経時劣化等により振
動特性が変化しても、機関の低速回転時、特にアイドル
時において十分な車体振動低減効果を得ると共に、機関
が高速回転となる車両走行時においても、十分な車室内
騒音低減効果を得る。 【構成】機関2のアイドル時には、車体1の残留振動が
最小となるように制御ユニット4に設けた適応フィルタ
404を用いて加振機5への駆動信号の位相と振幅を制
御する一方、車両の走行時には、車室内の残留騒音が最
小となるように、制御ユニット4に設けた適応フィルタ
404を用いてスピーカ7への駆動信号の位相と振幅を
制御する。

Description

【発明の詳細な説明】
【0001】
【産業上の利用分野】本発明は車両の機関の運転によっ
て発生する振動を、機関振動の周波数から算出した逆位
相の振動により能動的(アクティブ)に相殺するアクテ
ィブ振動制御装置に係わり、特に、車両の機関の運転に
よって発生する振動及び騒音の両方を、機関振動の周波
数から算出した逆位相の振動または音により能動的(ア
クティブ)に相殺するアクティブ振動騒音制御装置に関
する。
【0002】
【従来の技術】車両の振動騒音の中で大きなウェイトを
占めるものとして、機関(エンジン)の各シリンダ内の
爆発によって生じる振動があげられる。車両の機関(エ
ンジン)が4気筒の場合、1回転あたり2回の爆発が起
こり1回転あたり2回の振動が生じることから、その振
動は回転2次振動と呼ばれている。
【0003】この回転2次振動は、車両のアイドル停止
時においては、その振動周波数が車体の共振周波数付近
となるため、車体が大きく振動し乗員に不快感を与える
とともに、機関の回転速度が増大してくると、今度は車
体を伝わった振動がいわゆる「こもり音」となって、車
室内の騒音を増大させ乗員に不快感を与える。
【0004】この問題に対する従来の解決策として、実
公平1−4195号公報に記載のような技術がある。即
ち、車体に加振機を備え、この加振機に機関の回転2次
振動によって発生する車体振動と逆位相同振幅の振動を
発生させて、回転2次の振動を打ち消す方法である。こ
こで記載の方法では、加振機から発生させる振動とし
て、予備検討により運転状態に応じた種々の位相及び振
幅をマップとしてあらかじめ設定しておき、このマップ
の中から機関の運転条件に応じた位相と振幅を選ぶ手法
を採用している。
【0005】一方、「こもり音」低減策に関しては特表
平1−501344号公報(GBPAT862405
3)に記載の技術がある。即ち、騒音に対して逆位相の
関係となる相殺音を機関の回転2次周波数及び車室内の
空間音響伝達関数から求め、この相殺音を車室内に放出
することで騒音を低減する方法である。この際、相殺音
の位相及び振幅は、車室内に設けたマイクで検出される
車室内の残留騒音が最小となるように、例えば最急降下
法の一種である最小平均自乗アルゴリズムにより算出さ
れる。
【0006】
【発明が解決しようとする課題】実公平1−4195号
公報に記載の従来技術では、加振機から発生させる振動
として、予備検討により運転状態に応じた種々の位相及
び振幅をマップとしてあらかじめ設定しておき、このマ
ップの中から機関の運転条件に応じた位相と振幅を選ぶ
ため、車体,機関または機関マウント系の経時劣化等に
より、また補機の運転状態により、車体の振動特性(振
動伝達関数)が微妙に変化してくると、当初の効果が得
られなくなるという欠点があった。
【0007】また、上記従来技術の場合、機関の回転速
度が増大する車両の走行時においては、走行時の慣性力
による加振機の誤動作を防止するために、加振機は停止
せざるを得なかったが、この結果、前記「こもり音」は
低減できないという欠点もあった。
【0008】一方、特表平1−501344号公報に記
載の従来技術では、機関の回転2次振動が「こもり音」
となって乗員に不快感を与える機関の高速回転時におい
ては、極めて有効であるが、機関の低速回転時、特にア
イドル時においては、車体の振動が支配的であり効果が
現れないという欠点があった。
【0009】本発明の第1の目的は、車体、機関または
機関マウント系の経時劣化等により振動特性が変化して
も、機関の低速回転時、特にアイドル時において十分な
車体振動低減効果が得られる車両のアクティブ振動制御
装置を提供することにある。
【0010】本発明の第2の目的は、機関の低速回転
時、特にアイドル時において車体振動低減効果が得られ
るとともに、機関が高速回転となる車両走行時において
も、車室内騒音低減効果の得られる車両のアクティブ振
動騒音制御装置を提供することにある。
【0011】
【課題を解決するための手段】上記第1の目的を達成す
るため、本発明の第1の概念によれば、車両の機関運転
によって車体に発生する振動を相殺するための加振機
と、前記加振機の駆動信号を作成する信号源手段と、前
記駆動信号の位相及び振幅を制御する制御手段とを有す
る車両のアクティブ振動制御装置において、前記制御手
段は、前記加振機で振動を相殺した後の車体残留振動を
検出する振動検出手段と、前記振動検出手段の検出値に
基づき前記車体残留振動を最適化するよう前記駆動信号
の位相及び振幅を制御する適応フィルタとを有すること
を特徴とする車両のアクティブ振動制御装置が提供され
る。
【0012】また、上記第2の目的を達成するため、本
発明の第2の概念によれば、車両の機関運転によって車
体に発生する振動を相殺するための加振機と、前記加振
機の第1の駆動信号を作成する第1の信号源手段と、前
記第1の駆動信号の位相及び振幅を制御する第1の制御
手段とを有する車両のアクティブ振動騒音制御装置にお
いて、車室内の騒音を相殺するためのスピーカと、前記
スピーカの第2の駆動信号を作成する第2の信号源手段
と、前記第2の駆動信号の位相及び振幅を制御する第2
の制御手段と、車両の運転状態に応じて前記第1及び第
2の駆動信号の一方を選択し出力する切換手段とを備え
ることを特徴とする車両のアクティブ振動騒音制御装置
が提供される。
【0013】上記アクティブ振動騒音制御装置におい
て、前記第1の制御手段は、好ましくは、前記加振機で
振動を相殺した後の車体残留振動を検出する第1の検出
手段と、前記第1の検出手段の検出値に基づき前記車体
残留振動を最適化するよう前記第1の駆動信号の位相及
び振幅を制御する第1の適応フィルタとを有する。この
第1の適応フィルタは、好ましくは、前記車体残留振動
の大きさが予め定められた評価関数によって定義されて
おり、その定義された評価関数での車体残留振動の大き
さが小さくなるように前記第1の駆動信号の位相及び振
幅を調整する。第1の検出手段は、好ましくは、前記車
体残留振動の大きさを検出する加速度センサを含む。
【0014】また、上記アクティブ振動騒音制御装置に
おいて、前記第2の制御手段は、好ましくは、前記スピ
ーカで騒音を相殺した後の残留騒音を検出する第2の検
出手段と、前記第2の検出手段の検出値に基づき前記残
留騒音を最適化するよう前記第2の駆動信号の位相及び
振幅を制御する第2の適応フィルタとを有する。この第
2の適応フィルタは、好ましくは、前記残留騒音の大き
さが予め定められた評価関数によって定義されており、
その定義された評価関数での残留騒音の大きさが小さく
なるように前記第2の駆動信号の位相及び振幅を調整す
る。第2の検出手段は、好ましくは、前記残留振動の大
きさを検出するマイクを含む。
【0015】更に、上記アクティブ振動騒音制御装置に
おいて、前記切換手段は、好ましくは、機関がアイドル
停止状態にあるかどうかを判定する判定手段と、前記判
定手段の判定結果に基づき機関がアイドル停止状態にあ
るときには前記第1の駆動信号を選択し、それ以外の機
関の運転状態にあるときには前記第2の駆動信号を選択
するスイッチ手段とを有する。前記判定手段は、好まし
くは、車両の速度と機関の回転速度とを検出し、それら
の組み合わせで機関がアイドル停止状態にあるかどうか
を判定する。
【0016】前記第1及び第2の制御手段は、それぞれ
前記第1及び第2の適応フィルタとして共通の適応フィ
ルタを用いることが好ましい。
【0017】また、前記第1及び第2の信号源手段は、
前記第1及び第2の駆動信号として機関振動の周波数に
同期した共通の正弦波信号を作成する手段を含むことが
好ましい。
【0018】
【作用】以上のように構成した本発明の第1の概念にお
いて、制御手段の適応フィルタは、加振機で振動を相殺
した後の車体残留振動を最適化するよう加振機の駆動信
号の位相及び振幅を制御する。これにより、車体、機関
または機関マウント系の経時劣化等により振動特性が変
化しても、車体の残留振動は常に最適、例えば最小とな
るように制御され、機関の低速回転時、特にアイドル時
において十分な車体振動低減効果が得られる。
【0019】また、本発明の第2の概念において、切換
手段は車両の運転状態に応じて、加振機を駆動する第1
の駆動信号及びスピーカを駆動する第2の駆動信号の一
方を選択し出力する。これにより、機関の低速回転時、
特にアイドル時において車体振動低減効果が得られると
ともに、加振機での振動の相殺ができない車両走行時に
おいても、車室内騒音低減効果が得られ、アイドル時及
び走行時のあらゆる条件において乗員に与える不快感が
低減される。
【0020】また、特に本発明の第2の概念において
は、第1の制御手段に第1の駆動信号の位相及び振幅を
制御する第1の適応フィルタを設けることにより、上記
のように車体、機関または機関マウント系の経時劣化等
により振動特性が変化しても、車体の残留振動は常に最
適、例えば最小となるように制御され、第2の制御手段
に第2の駆動信号の位相及び振幅を制御する第2の適応
フィルタを設けることにより、加振機での振動の相殺が
できない走行時においては、車室内の残留騒音が常に最
適、例えば最小となるように制御される。これにより、
アイドル時及び走行時のあらゆる条件において乗員に与
える不快感が効果的に低減される。
【0021】
【実施例】以下、本発明を自動車に適用した実施例を図
1から図4を用いて詳細に説明する。図1に本実施例を
適用した自動車のアクティブ振動騒音制御装置の構成を
示す。車体1にはゴムマウント等を介して4気筒の機関
(エンジン)2が搭載され、エンジン2の運転はエンジ
ン制御ユニット3によって制御される。エンジン制御ユ
ニット3は公知のごとく、エンジン2の各シリンダー内
の爆発に同期したエンジン回転信号を作成する機能を有
しており、エンジン制御ユニット3によって作成された
このエンジン回転信号は、振動騒音制御ユニット(以下
制御ユニットと略称する)4に入力される。さらに、車
体1には加振機5が取り付けられ、この加振機5の駆動
信号の位相および振幅は制御ユニット4によって制御さ
れる。同じく車体1には加速度センサ6が取り付けら
れ、この出力は制御ユニット4に取り込まれて、前述の
加振機5の駆動信号の制御に用いられる。
【0022】一方、車室内にはスピーカ7が取り付けら
れており、加振機5と同様、駆動信号の位相と振幅は制
御ユニット4によって制御される。さらに、車室内の乗
員の耳元付近にはマイク8が取り付けられ、この出力は
制御ユニット4に取り込まれて、前述のスピーカ7の駆
動信号の制御に用いられる。
【0023】車輪9には、その回転を検出する車輪速セ
ンサ10が設けられ、この出力は制御ユニット4に取り
込まれる。
【0024】次に、制御ユニット4のハードウェア構成
を図2を用いて説明する。エンジン制御ユニット3によ
って作成されたエンジン回転信号及び車輪速センサ10
の信号はそれぞれ成形回路410,411で波形を成形
後、プロセッサ401に取り込まれ、加速度センサ6及
びマイク8の信号はローパスフィルタ412,413で
所定周波数未満の振動成分を除去した後、プロセッサ4
01に取り込まれる。プロセッサ401内では、ブロッ
ク414にてエンジン制御ユニット3によって作成され
たエンジン回転信号をもとにエンジン回転数が計算さ
れ、ブロック415にてエンジン制御ユニット3によっ
て作成されたエンジン回転信号をもとにエンジン回転2
次の周期を持つ正弦波が作成される。この正弦波は、適
応フィルタ404によって車体残留振動または残留騒音
が最小になるようその位相及び振幅が調整される。
【0025】適応フィルタ404は、車体残留振動と残
留騒音の両方に対応すべく、適応フィルタの更新に用い
られるエラーセンサとアクチュエータとの間の伝達関数
として、加速度センサ6と加振機5間の振動系伝達関数
と、マイク8とスピーカ7間の音響系伝達関数の2つが
設定されとり、この2つの伝達関数の一方が選択使用さ
れる。
【0026】プロセッサ401内に取り込まれた車輪速
センサ10の信号は、ブロック416にて、ブロック4
14で得たエンジン回転数信号と組み合わせて車両の運
転状態(アイドル停止状態かこれ以外の状態か)の判定
に使用され、この判定結果により入力切換スイッチ40
2及び出力切換スイッチ403のスイッチングが制御さ
れる。入力切換スイッチ402はそれぞれローパスフィ
ルタ412,413、A/D変換器417,418を通
ったマイク8及び加速度センサ6の信号の一方を選択
し、その選択した信号を適応フィルタ404に与える。
【0027】適応フィルタ404では、加速度センサ6
の信号が選択されたときは、適応フィルタの更新に用い
られるエラーセンサとアクチュエータとの間の伝達関数
として加速度センサ6と加振機5間の振動系伝達関数を
選択して設定し、車体残留振動が最小になるよう正弦波
の位相及び振幅を調整し、マイク8の信号が選択された
ときには、更新に用いられるエラーセンサとアクチュエ
ータとの間の伝達関数としてマイク8とスピーカ7間の
音響系伝達関数を選択して設定し、残留騒音が最小にな
るよう正弦波の位相及び振幅を調整する。
【0028】一方、適応フィルタ404によって、位相
及び振幅を制御されたデジタル信号は、出力切換スイッ
チ403により、アクチュエータとしてスピーカ7また
は加振機5が選択された後、D/A変換器420または
421を通過してアナログ信号に変換されて、それぞれ
アンプ422または駆動回路423でスピーカ7または
加振機5の駆動信号となり、負荷を駆動する。
【0029】正弦波作成ブロック415は、加振機の駆
動信号を作成する信号源手段として機能し、適応フィル
タ404は、加速度センサ6またはマイク8の検出値に
基づき車体残留振動または残留騒音を最適化するよう駆
動信号(正弦波)の位相及び振幅を制御する適応フィル
タとして機能し、判定ブロック416及びスイッチ40
2は車両の運転状態に応じて加振機及びマイクの一方の
駆動信号を選択し出力する切換手段として機能する。
【0030】制御ユニット4の制御ソフトウエア処理フ
ローを図3を用いて説明する。本フローは、一制御周期
当たりの処理内容である。処理601では、エンジン回
転信号の周期からエンジンの回転速度を計算する。処理
602では、この回転速度から回転2次の正弦波(基準
正弦波と呼ぶ)を例えばROM引きで作成する。処理6
03では、車輪速センサの信号から車体の速度を計算す
る。車輪速センサの信号は一般にパルス信号であり、そ
のパルス数をカウントすることにより、車体速度が計算
できる。判断処理604では、前述の処理601で計算
されたエンジン回転速度及び処理603で計算された車
体速度を用いて運転状態の判定を行う。エンジン回転速
度が所定値(例えば1000rpm)以下かつ車体速度
が所定値(例えば3Km/h)以下では、車両がアイド
リングで停止している状態と見なせるため、振動制御モ
ードとし処理605に進み、それ以外の状態は騒音制御
状態とし処理607に進む。
【0031】処理605では、A/D変換された加速度
センサ信号を読み込む。処理606では、適応フィルタ
の更新に用いられるエラーセンサとアクチュエータとの
間の伝達関数として加速度センサ6と加振機5間の振動
系伝達関数を選択し設定する。処理607では、A/D
変換されたマイク信号を読み込む。処理608では、適
応フィルタの更新に用いられるエラーセンサとアクチュ
エータとの間の伝達関数としてマイク8とスピーカ7間
の音響系伝達関数を選択し設定する。
【0032】適応フィルタには、評価関数としてエラー
成分の2乗和を用いるLMS(Least Mean
Square)アルゴリズムが一般に多く用いられてお
り、本実施例でもこれを用いる。
【0033】処理609では適応フィルタの更新処理を
行う。フィルタ係数Wn は、次式に従って更新される。
【0034】Wn+1 =Wn −a*e*(ΣC*X) ここで、 a;収束係数 e;エラーセンサ(加速度センサまたはマイク)入力 C;エラーセンサ(加速度センサまたはマイク)とアク
チュエータ (加振機またはスピーカ)との間の伝達関数 X;基準正弦波信号 である。
【0035】処理610では加振機またはスピーカにそ
れぞれの制御モードに対応した駆動信号yを次式により
計算する。
【0036】y=ΣW*X 処理602は図2の正弦波作成ブロック415に相当
し、処理604は図2の判定ブロック416及びスイッ
チ402,403に相当し、処理605〜処理610は
図2の適応フィルタ404に相当する。以上の処理を制
御周期毎に行い、振動騒音の低減を効率よく実施する。
【0037】次に、本実施例の動作について図4を用い
て説明する。車輪速センサの出力及びエンジン回転信号
によって、車両のアイドル停止状態が確認されると、制
御ユニット4は車体振動の制御を行うことになる。この
場合、図2に示す入力切換スイッチ402及び出力切換
スイッチ403は、どちらもV側となる。エンジン回転
信号Eを基に作成された正弦波W0 は、制御ユニット4
内で位相及び振幅を調整されて、加振機5の駆動信号W
CVとなる。これによって加振機5が加振出力V2 を発生
し、エンジンの回転2次振動によって生じる車体振動V
1 を相殺するが、相殺後の車体の残留振動Ve は、車体
に取り付けた加速度センサ6によって検出され、制御ユ
ニット4にフィードバックされる。この際、駆動信号W
CVの位相及び振幅は、加速度センサで検出される残留振
動の大きさが最小となるように、適応フィルタ404に
よって逐次更新される。
【0038】したがって、車体1、エンジン2またはエ
ンジンマウント系の経時劣化または補機の運転状態が変
化して車体の振動系伝達関数が変化しても、車体の振動
を常に最小に制御することができる。
【0039】一方、車輪速センサ10の出力及びエンジ
ン回転信号によって、アイドル以外の運転状態が確認さ
れると、制御ユニット4は車室内騒音の制御を行うこと
になる。この場合、図2に示す入力切換スイッチ402
及び出力切換スイッチ403は、どちらもS側となる。
エンジン回転信号Eを基に作成された正弦波W0 は、制
御ユニット4内で位相及び振幅を調整されて、スピーカ
7の駆動信号WCSとなる。これによってスピーカ7が出
力S2 を発生し、エンジンの回転2次振動に起因して発
生する車室内の「こもり音」S1 を相殺するが、相殺後
の車室内の残留騒音Se は、車室内に取り付けたマイク
8で検出され、制御ユニット4にフィードバックされ
る。この際、駆動信号WCSの位相及び振幅は、マイクで
検出される残留騒音の大きさが最小となるように、適応
フィルタ404によって逐次更新される。
【0040】したがって、エンジン2の回転速度が変動
しても、エンジンの回転2次振動に起因する車室内の
「こもり音」は、常に最小に制御することができる。
【0041】以上詳述したように、本実施例によれば、
車体、機関または機関マウント系の経時劣化等により振
動特性が変化しても、車体の残留振動は常に最小となる
ように制御されるので、機関の低速回転時、特にアイド
ル時において十分な車体振動低減効果が得られる。
【0042】また、本実施例によれば、加振機での振動
の相殺ができない車両走行時においては、車室内の残留
騒音が常に最小となるように制御されるので、十分な車
室内騒音低減効果が得られ、車両のアイドル停止時から
高速走行に至るあらゆる条件において、振動騒音を低減
し、乗員の快適性を保つことができる。
【0043】
【発明の効果】本発明によれば、車両のアイドル停止時
には、車体、機関または機関マウント系の経時劣化等に
より振動特性が変化しても、適応フィルタの使用で車体
の残留振動は常に最適となるように制御されるので、機
関の低速回転時、特にアイドル時において十分な車体振
動低減効果が得られる。
【0044】また、車両のアイドル停止時には、加振機
を駆動して振動を相殺する一方、加振機での振動の相殺
ができない走行時においては、スピーカを駆動して車室
内の騒音を相殺するので、車両のアイドル停止時から高
速走行に至るあらゆる条件において、振動騒音を低減
し、乗員の快適性を保つことができる。
【0045】また、振動制御と騒音制御のそれぞれに適
応フィルタを用いるので、機関の低速回転時、特にアイ
ドル時において車体の残留振動が最適となるように制御
され、十分な車体振動低減効果が得られるとともに、機
関が高速回転となる車両走行時においても、車室内の残
留騒音が最適となるように制御され、十分な車室内騒音
低減効果が得られる。
【図面の簡単な説明】
【図1】本発明を自動車に適用した場合の一実施例によ
る車両のアクティブ振動騒音制御装置の全体配置図であ
る。
【図2】図1に示す制御ユニットのハードウェアの構成
図である。
【図3】図1に示す制御ユニットのソフトウェアを示す
フローチャートである。
【図4】図1に示すアクティブ振動騒音制御装置の動作
を示す図である。
【符号の説明】
1 車体 2 機関(エンジン) 4 制御ユニット 5 加振機 6 加速度センサ(制御手段) 7 スピーカ 8 マイク(制御手段) 10 車輪速センサ 401 プロセッサ 402 入力切換スイッチ(切換手段) 403 出力切換スイッチ(切換手段) 404 適応フィルタ(制御手段) 415 正弦波作成ブロック(信号源手段) 416 状態判定ブロック(切換手段:判定手段) 601〜610 プロセッサ内での処理内容
フロントページの続き (72)発明者 佐々木 光秀 茨城県勝田市大字高場2520番地 株式会社 日立製作所自動車機器事業部内 (72)発明者 佐藤 憲治 茨城県勝田市大字高場2520番地 株式会社 日立製作所自動車機器事業部内

Claims (16)

    【特許請求の範囲】
  1. 【請求項1】 車両の機関運転によって車体に発生する
    振動を相殺するための加振機と、前記加振機の駆動信号
    を作成する信号源手段と、前記駆動信号の位相及び振幅
    を制御する制御手段とを有する車両のアクティブ振動制
    御装置において、 前記制御手段は、前記加振機で振動を相殺した後の車体
    残留振動を検出する振動検出手段と、前記振動検出手段
    の検出値に基づき前記車体残留振動を最適化するよう前
    記駆動信号の位相及び振幅を制御する適応フィルタとを
    有することを特徴とする車両のアクティブ振動制御装
    置。
  2. 【請求項2】 請求項1記載の車両のアクティブ振動制
    御装置において、前記適応フィルタは、前記車体残留振
    動の大きさが予め定められた評価関数によって定義され
    ており、その定義された車体残留振動の大きさが小さく
    なるように前記駆動信号の位相及び振幅を調整すること
    を特徴とする車両のアクティブ振動制御装置。
  3. 【請求項3】 請求項1記載の車両のアクティブ振動制
    御装置において、前記振動検出手段は前記車体残留振動
    の大きさを検出する加速度センサを含むことを特徴とす
    る車両のアクティブ振動制御装置。
  4. 【請求項4】 車両の機関運転によって車体に発生する
    振動を相殺するための加振機と、前記加振機の第1の駆
    動信号を作成する第1の信号源手段と、前記第1の駆動
    信号の位相及び振幅を制御する第1の制御手段とを有す
    る車両のアクティブ振動騒音制御装置において、 車室内の騒音を相殺するためのスピーカと、前記スピー
    カの第2の駆動信号を作成する第2の信号源手段と、前
    記第2の駆動信号の位相及び振幅を制御する第2の制御
    手段と、車両の運転状態に応じて前記第1及び第2の駆
    動信号の一方を選択し出力する切換手段とを備えること
    を特徴とする車両のアクティブ振動騒音制御装置。
  5. 【請求項5】 請求項4記載の車両のアクティブ振動騒
    音制御装置において、前記第1の制御手段は、前記加振
    機で振動を相殺した後の車体残留振動を検出する第1の
    検出手段と、前記第1の検出手段の検出値に基づき前記
    車体残留振動を最適化するよう前記第1の駆動信号の位
    相及び振幅を制御する第1の適応フィルタとを有するこ
    とを特徴とする車両のアクティブ振動騒音制御装置。
  6. 【請求項6】 請求項5記載の車両のアクティブ振動騒
    音制御装置において、前記第1の適応フィルタは、前記
    車体残留振動の大きさが予め定められた評価関数によっ
    て定義されており、その定義された評価関数での車体残
    留振動の大きさが小さくなるように前記第1の駆動信号
    の位相及び振幅を調整することを特徴とする車両のアク
    ティブ振動制御装置。
  7. 【請求項7】 請求項5記載の車両のアクティブ振動騒
    音制御装置において、前記第1の検出手段は前記車体残
    留振動の大きさを検出する加速度センサを含むことを特
    徴とする車両のアクティブ振動制御装置。
  8. 【請求項8】 請求項4記載の車両のアクティブ振動騒
    音制御装置において、前記第2の制御手段は、前記スピ
    ーカで騒音を相殺した後の残留騒音を検出する第2の検
    出手段と、前記第2の検出手段の検出値に基づき前記残
    留騒音を最適化するよう前記第2の駆動信号の位相及び
    振幅を制御する第2の適応フィルタとを有することを特
    徴とする車両のアクティブ振動騒音制御装置。
  9. 【請求項9】 請求項8記載の車両のアクティブ振動騒
    音制御装置において、前記第2の適応フィルタは、前記
    残留騒音の大きさが予め定められた評価関数によって定
    義されており、その定義された評価関数での残留騒音の
    大きさが小さくなるように前記第2の駆動信号の位相及
    び振幅を調整することを特徴とする車両のアクティブ振
    動騒音制御装置。
  10. 【請求項10】 請求項8記載の車両のアクティブ振動
    騒音制御装置において、前記第2の検出手段は前記残留
    振動の大きさを検出するマイクを含むことを特徴とする
    車両のアクティブ振動騒音制御装置。
  11. 【請求項11】 請求項4記載の車両のアクティブ振動
    騒音制御装置において、前記切換手段は、機関がアイド
    ル停止状態にあるかどうかを判定する判定手段と、前記
    判定手段の判定結果に基づき機関がアイドル停止状態に
    あるときには前記第1の駆動信号を選択し、それ以外の
    機関の運転状態にあるときには前記第2の駆動信号を選
    択するスイッチ手段とを有することを特徴とする車両の
    アクティブ振動騒音制御装置。
  12. 【請求項12】 請求項11記載の車両のアクティブ振
    動騒音制御装置において、前記判定手段は、車両の速度
    と機関の回転速度とを検出し、それらの組み合わせで機
    関がアイドル停止状態にあるかどうかを判定することを
    特徴とする車両のアクティブ振動騒音制御装置。
  13. 【請求項13】 車両の機関運転によって車体に発生す
    る振動を相殺するための加振機と、前記加振機の第1の
    駆動信号を作成する第1の信号源手段と、前記第1の駆
    動信号の位相及び振幅を制御する第1の制御手段とを有
    する車両のアクティブ振動騒音制御装置において、 車室内の騒音を相殺するためのスピーカと、前記スピー
    カの第2の駆動信号を作成する第2の信号源手段と、前
    記第2の駆動信号の位相及び振幅を制御する第2の制御
    手段と、車両の運転状態に応じて前記第1及び第2の駆
    動信号の一方を選択し出力する切換手段とを備え、 前記第1の制御手段は、前記加振機で振動を相殺した後
    の車体残留振動を検出する第1の検出手段と、前記第1
    の検出手段の検出値に基づき前記車体残留振動を最適化
    するよう前記第1の駆動信号の位相及び振幅を制御する
    第1の適応フィルタとを有し、 前記第2の制御手段は、前記スピーカで騒音を相殺した
    後の残留騒音を検出する第2の検出手段と、前記第2の
    検出手段の検出値に基づき前記残留騒音を最適化するよ
    う前記第2の駆動信号の位相及び振幅を制御する第2の
    適応フィルタとを有することを特徴とする車両のアクテ
    ィブ振動騒音制御装置。
  14. 【請求項14】 請求項13記載の車両のアクティブ振
    動騒音制御装置において、前記切換手段は、機関がアイ
    ドル停止状態にあるかどうかを判定する判定手段と、前
    記判定手段の判定結果に基づき機関がアイドル停止状態
    にあるときには前記第1の駆動信号を選択し、それ以外
    の機関の運転状態にあるときには前記第2の駆動信号を
    選択するスイッチ手段とを有することを特徴とする車両
    のアクティブ振動騒音制御装置。
  15. 【請求項15】 請求項13記載の車両のアクティブ振
    動騒音制御装置において、前記第1及び第2の制御手段
    は、それぞれ前記第1及び第2の適応フィルタとして共
    通の適応フィルタを用いることを特徴とする車両のアク
    ティブ振動騒音制御装置。
  16. 【請求項16】 請求項13記載の車両のアクティブ振
    動騒音制御装置において、前記第1及び第2の信号源手
    段は、前記第1及び第2の駆動信号として機関振動の周
    波数に同期した共通の正弦波信号を作成する手段を含む
    ことを特徴とする車両のアクティブ振動騒音制御装置。
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Cited By (3)

* Cited by examiner, † Cited by third party
Publication number Priority date Publication date Assignee Title
EP0806560A1 (de) * 1996-05-08 1997-11-12 Bayerische Motoren Werke Aktiengesellschaft, Patentabteilung AJ-3 Regeleinrichtung für die Leerlauf-Drehzahl einer Fahrzeug-Brennkraftmaschine
JP2010121737A (ja) * 2008-11-20 2010-06-03 Nissan Motor Co Ltd 車両伝達関数取得装置
WO2013125677A1 (ja) * 2012-02-24 2013-08-29 本田技研工業株式会社 能動振動低減装置

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