JP3278179B2 - 車両用騒音制御装置 - Google Patents

車両用騒音制御装置

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JP3278179B2
JP3278179B2 JP24718691A JP24718691A JP3278179B2 JP 3278179 B2 JP3278179 B2 JP 3278179B2 JP 24718691 A JP24718691 A JP 24718691A JP 24718691 A JP24718691 A JP 24718691A JP 3278179 B2 JP3278179 B2 JP 3278179B2
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  • Soundproofing, Sound Blocking, And Sound Damping (AREA)

Description

【発明の詳細な説明】
【0001】
【産業上の利用分野】本発明は、エンジン振動等により
生じる車室内の騒音を低減する車両用騒音制御装置に関
し、詳しくはマイクロホン等により集音した騒音とエン
ジン振動等に応じたリファレンス信号に基づき、適応フ
ィルタを用いて上記騒音を低減せしめる音をスピーカか
ら出力する車両用騒音制御装置に関するものであって、
さらに詳しくはこの適応フィルタの係数の適応アルゴリ
ズムに関するものである。
【0002】
【従来の技術】自動車の室内における騒音は運転手およ
びその他の乗員の疲労を増大させ、また不快感を起こさ
せる。
【0003】このような車内騒音としては、一般に200H
z 〜300Hz 以下の低周波(こもり音)と、エンジン騒
音、排気系放射量、ロードノイズ、風騒音等の中高波音
とがある。
【0004】この中でもエンジン騒音やロードノイズは
車内の人間にとって影響が大きく、その騒音が大きくな
るにつれて乗員の不快感は増大する。
【0005】これらの騒音はエンジンや路面から車内に
直接放射される割合よりもボディ等を伝わって車内に到
達する割合が大であって、遮音部材を利用した防音対策
には限界があり、むしろエンジン騒音あるいはロードノ
イズとは逆位相の音を出力して騒音を積極的に打ち消
し、車内の人間にはあたかもエンジン騒音やロードノイ
ズが出ていないように感じさせる、いわば積極的防音対
策が注目されている。
【0006】このような積極的防音対策に関する従来技
術としては、搭乗者のヘッドレスト付近に取り付けたマ
イクロホンによって集音した騒音と、エンジンの回転数
に同期したリファレンス信号に基づき、車内に取り付け
たスピーカから車内騒音とは逆位相となる音を出力して
このエンジン騒音を打ち消すようにしたものが知られて
いる(特表平1-501344号公報)。
【0007】すなわち、この公報記載の技術は図8に示
す如く、車室110 内の所定位置に車室内騒音を集音する
複数個のマイクロホン112 と二次音源を構成する2つの
スピーカ111 が設置されている。マイクロホン112 によ
り集音された騒音は電気信号に変換されて制御部113 に
送出される。
【0008】一方、エンジン102 の回転数に同期したエ
ンジン回転検出信号に基づき、リファレンス信号発生器
114 においてリファレンス信号が発生される。制御部11
3 では入力されたリファレンス信号とマイクロホン112
からの電気信号に応じて2つのスピーカ111 から、車室
内騒音を打ち消す音(騒音と逆位相となる音)が出力さ
れるように上記スピーカ111 を駆動する。
【0009】ところで、このような騒音制御装置におけ
る騒音制御アルゴリズムとしてはLMS法(Least Mean
Square Method)が知られている。図9はLMS法による
騒音制御アルゴリズムを用いた騒音制御装置を示すブロ
ック図である。なお、図9においては説明の便宜上リフ
ァレンス信号の数、スピーカの個数およびマイクの個数
をいずれも1つとしている。
【0010】制御部113 内にはフィルタF116 およびフ
ィルタH°117 が内蔵されている。これら2つのフィル
タF,H°116 ,117 はFIRフィルタであり、このう
ちフィルタH°117 はスピーカ111 からマイク112 まで
の音響信号伝達特性Hをモデル化したものである。
【0011】
【発明が解決しようとする課題】前記目的を達成するた
め、本発明にあっては次のような構成としてある。すな
わち、車室内騒音を集音する集音手段と、該車室内の騒
音を低減し得る音を出力するスピーカと、騒音振動に対
応したリファレンス信号を生成するリファレンス信号生
成手段と、前記集音手段により集音された騒音と前記リ
ファレンス信号生成手段により生成されたリファレンス
信号に基き、前記集音手段の配設位置で前記車室内騒音
を低減すべく前記スピーカから該騒音を打ち消す音が出
力されるようにコントロールするコントロール手段とを
備えてなる車両用騒音制御装置において、前記コントロ
ール手段が、前記集音された騒音と前記リファレンス信
号とに基づき前記騒音を打ち消す音に応じたスピーカ駆
動信号を生成するフィルタ手段を有し、該フィルタ手段
のフィルタ値<f>(k+1)が、逐次ポエル法を用い
た下式により求められて設定されるように構成されてな
るように構成してある。
【0012】ここでフィルタH°117 の係数ベクトルを
<h> とすると、係数ベクトル<f> の更新アルゴリズムは
下記漸化式(1) で表わされることとなる。
【0013】
【数2】 <f>(k+1)=<f>(k)−μ<r>(k)・e(k) ……(1) 但し、<f> =[f0 ,f1 ,……,fI T 、 <r>(k)=[r(k) ,r(k-1) ,……,r(k-I) ]T 、 r(k) =<h> T <x>(k)、 <h> =[h0 ,h1 ,……,hJ T 、 <x>(k)=[x(k) ,x(k-1) ,……,x(k-J) ]T 、 μは上記漸化式(1) の収束速度を決定する定数 ところで、このアルゴリズムにおいては、スピーカ/マ
イク間伝達特性Hに等しい伝達特性を有するフィルタH
°を用いる必要がある。このためスピーカ/マイク間伝
達特性Hを予め測定しておかなければならないという煩
わしさがあり、さらに雑音制御中にスピーカ/マイク間
伝達特性Hが大きく変動すると制御効果が低下するとい
う問題がある。
【0014】このような問題を解決するためには、騒音
制御アルゴリズムとしてLMS法に代えて非線形最適化
手法の一種であるポエル法(Powell法)を用いることが
考えられる。すなわち、図10に示すようにポエル法を用
いた場合にはフィルタH°117 を設ける必要がない。以
下、ポエル法を用いた適合アルゴリズムについて説明す
る。
【0015】雑音dやリファレンス信号xが定常過程
(統計的性質が一定であること)にあり、スピーカ/マ
イク間伝達特性Hが一定であるとした場合、誤差信号2
乗平均Jは単にフィルタ係数<f> の関数と考えられるの
でこれをあらためてJ(<f> )と表現する。また、互い
に一次独立なベクトルの組 0<d> 〜 I<d> を用意する。
【0016】ここに、以下の(i) 〜(iv)の計算を繰り返
すことによりフィルタF116 Aの係数ベクトル<f> の更
新アルゴリズムが求まることとなる。
【0017】(i) J(<f> +α・ I<d> )(αは任意
の実数)を最小とするようなαを見つけ、<f> ←<f> +
α・ I<d> により<f> を更新する。このとき得られた<f
> を<f> ′とおく。
【0018】(ii) 次に,iに0,1,……,I-i を順
次代入し、各々について以下に示すa),b)の計算を行な
う。
【0019】a)J(<f> +α・ i<d> )(αは任意の実
数)を最小にするようなαを見つけ、そのαを用い<f>
←<f> +α・ i<d> により<f> を更新する。 b) i<d> ← i+1<d> として i<d> を更新する。
【0020】(iii) J(<f> +α・ I<d> )(αは任意
の実数)を最小にするようなαを見つけ、そのαを用い
<f> ←<f> +α・ I<d> により<f> を更新する。
【0021】(iv) I<d> ←<f> −<f> ′により I<d>
を更新する。
【0022】
【発明が解決しようとする課題】しかしながら、ポエル
法を用いたアルゴリズムは上述したような利点を有して
いる一方で、以下に示す如き大きな問題を有している。
【0023】すなわち、前述のステップ(i) ,(ii),(i
ii) のいずれにも、J(<f> +α・i<d> )を最小とす
るようなαを見つけるという計算が含まれており、これ
は、現在の<f> を起点として<d> 方向でJを最小とする
ような<f> +α・ i<d> を見つけるという一変数探索問
題である。
【0024】このような探索問題は従来、例えばコード
最適化等の数値計算を行なう際に必要となっており、ニ
ュートン法の如き勾配情報を利用する方法や逐次分割探
索法等により解が求められているが、いずれの方法にお
いても反復計算を必要とし、これをそのまま騒音制御に
適用するとフィルタ係数の収束に大変時間がかかり、制
御の応答性が良くないという問題がある。すなわち、車
載用の小型コンピュータを用いていては時々刻々と変化
する騒音に追従できないという問題がある。
【0025】本発明はこのような問題を解決するために
なされたものであり、スピーカ/マイク間伝達特性Hを
予め測定しておく必要がなく、スピーカ/マイク間伝達
特性Hが大きく変動しても制御効果が低下するおそれが
なく、さらにフィルタ最適値の収束速度を大きして制御
の応答性を向上させ得る車両用騒音制御装置を提供する
ことを目的とするものである。
【0026】
【課題を解決するための手段】本発明の車両用騒音制御
装置は、車室内騒音を集音する集音手段と、該車室内の
騒音を低減し得る音を出力するスピーカと、騒音振動に
対応したリファレンス信号を生成するリファレンス信号
生成手段と、前記集音手段により集音された騒音と前記
リファレンス信号生成手段により生成されたリファレン
ス信号に基づき、前記集音手段の配設位置で前記車室内
の騒音を低減すべく前記スピーカから該騒音を打ち消す
音が出力されるようコントロールするコントロール手段
とを備えてなる車両用騒音制御装置において、前記コン
トロール手段が、前記集音された騒音と前記リファレン
ス信号とに基づき前記騒音を打つ消す音に応じたスピー
カ駆動信号を生成するフィルタ手段を有し、該フィルタ
手段のフィルタ値tk+1 が逐次ポエル法を用いた下式に
より求められて設定されるように構成されてなることを
特徴とするものである。
【0027】
【数3】
【0028】但し、kは自然数であり、フィルタ係数が
<f>(k)−δ<d> ,<f>(k),<f>(k)+δ<d> であるときの
誤差信号2乗平均が各々Jk1,Jk2,Jk3であり、<d>
は実数のベクトル係数である。
【0029】すなわち、騒音制御においては上述した関
数J(<f> )が2次関数であるという性質を利用して逐
次計算ではなく、一度の計算でJ(<f> +α・ i<d> )
を最小にし得るαを求めるようにしたものである。
【0030】
【作用および発明の効果】上記計算式導出について以下
に詳しく説明する。ここで評価関数J=E[e(k)
2 ]、eは誤差信号、dは騒音成分、rはリファレン
ス信号,fはフィルタFのパラメータ、kはサンプル回
数を表わす。
【0031】すなわちk回目のサンプル値における誤差
信号e(k) は、
【0032】
【数4】
【0033】したがって、評価関数Jはさらに下式の如
く展開できる。
【0034】
【数5】J=E[<e>(k)2 ] =E[d(k) 2 +2d(k) ・ <f>T ・<r>(k) + <f>T ・<r>(k)・<r>(k)T ・<f> ] =E[d(k) 2 ]+2 <f>T ・E[d(k) ・<r>(k)] + <f>T ・E[<r>(k)・<r>(k)T ]・<f> したがって、Jは<f> に関する2次関数となるので、J
を最小とする<f> +α<d> は例えば次の様にして求める
ことができる。
【0035】 (i) <f>(k)−δ<d> ,<f>(k),<f>(k)+δ<d> (<d> :任意の実数) の3種類のフィルタ係数を用いたときに得られるJの値
を、各々Jk1,Jk2,Jk3とする。
【0036】
【数6】
【0037】本発明では、この(i) ,(ii)に示す計算を
一回行なうだけでJ(<f> +α・ i<d> )を最小にする
αを求めることができる。
【0038】したがってフィルタ最適値の収束速度を大
とすることができるので制御の応答性向上を図ることが
可能となる。
【0039】また、本発明のものでは、従来技術におい
て用いられていたLMS法のようにスピーカ/マイク間
伝達特性Hに等しい伝達特性を有するフィルタH°を用
いる必要がないので、この特性Hを予め測定しておく必
要がなく、この特性Hが大きく変動しても制御効果が低
下するのを防止することができる。
【0040】
【実施例】以下、本発明の実施例について図面を用いて
説明する。
【0041】図6は、本発明の実施例に係る車両用騒音
制御装置を自動車の車内に取り付けた様子を示す概略図
である。
【0042】すなわち、この装置は各座席のヘッドレス
ト1位置に埋め込まれてなるマイクロホン2と、このマ
イクロホン2によって集音された音を変換してなる電気
信号およびイグニッションパルス検出器3(以下、IG
パルス検出器3と称する)から送出されたイグニッショ
ンパルス信号(以下、IGパルス信号と称する)を入力
されるコントローラ4と、コントローラ4により駆動さ
れ、車内の騒音を打ち消す音を出力するオーディオ用フ
ロントスピーカ5とからなっている。
【0043】上記マイクロホン2は各乗員の両耳の位置
と一致する位置に配されており、これによりコントロー
ラ4には、各乗員に実際に聞こえている音に応じた電気
信号が入力されることとなる。
【0044】また、IGパルス検出器4はエンジン回転
に同期した信号を取り出すもので、例えばクランク軸の
回転検出あるいはイグナイタからのイグニッションタイ
ミング検出等により得られた信号をIGパルス信号とし
て出力するものである。
【0045】さらに、運転席のフロントパネル付近に
は、乗員が本装置のON/OFFあるいは打ち消す騒音
の種類の切換えを適宜行なうためのスイッチ4aが配設さ
れている。
【0046】なお、上記スピーカ5はCD、磁気テー
プ、チューナ等からの音声信号を音に変えて出力する一
般のオーディオ用スピーカであって、このような音と上
記騒音の打消し音とを同時に、または一方のみを出力す
るようになっている。
【0047】図7はコントローラ4の内部構成を示すブ
ロック図である。
【0048】すなわち、この図7によれば、IGパルス
検出器3から送出されたIGパルス信号と、マイクロホ
ン2から送出された騒音情報を担持した電気信号がアン
プ6により増巾され、A/D変換回路7によりデジタル
信号に変換されてCPU8に入力される。このCPU8
としてはDSP(デジタルシグナルプロセッサ)が用い
られているが、他の一般的なマイクロプロセッサを用い
ることも可能である。
【0049】このCPU8に接続されたメモリ回路9に
は騒音制御に関する所定のアルゴリズムを表わすプログ
ラムが格納されており、CPU8はこのプログラムに基
づき、入力された上記信号に対して所定の信号処理を施
し、所定のスピーカ駆動信号を出力する。
【0050】このスピーカ駆動信号はD/A変換回路10
によりアナログ信号に変換されアンプ11により増巾され
て各スピーカ5に印加される。これにより各乗員の耳の
位置において車内の騒音を打ち消すべき音が各スピーカ
5から出力されることとなる。
【0051】なお、このコントローラ113 はCPU8に
おける演算のタイミングの高精度化を図るため一定の周
期(500 μs〜1ms)のクロック信号をこのCPU8
に出力するクロック回路12を備えている。
【0052】以下、上述したメモリ回路9に格納された
騒音制御アルゴリズムを表わすプログラムについて図1
〜図5のフローチャートを用いて説明する。
【0053】このうち図1は全体プログラムを示すメイ
ンフローチャートである。この実施例ではスピーカ5の
個数をL個としており、各スピーカ5についての、調整
すべきフィルタ係数ベクトルは<f>1,<f>2,……,<f>L
のL個となる。したがってメインフローとしては図1に
示す如く、まずフィルタ係数ベクトル<f>1を更新し(S
1)、次にフィルタ係数ベクトル<f>2を更新し(S
2)、さらにこれに続くフィルタ係数ベクトルを更新
し、最後にフィルタ係数ベクトル<f>Lを更新する(S
3)。
【0054】フィルタ係数ベクトル<f>Lを更新し終る
と、ステップ1(S1)に戻り、再びフィルタ係数ベク
トル<f>1から順次フィルタ係数ベクトルの更新を行な
う。
【0055】なお、一つのフィルタ係数ベクトルを調整
すると他のフィルタ係数の調整が若干ずれることとなる
が、このずれ量は一般には小さいので実質的には問題と
ならない。
【0056】図2は<f>lを更新するプログラムのフロー
チャートを示すものである。このプログラムはポエル法
の計算アルゴリズムに基づいて作成されたものであり、
図10における適応アルゴリズム118 に相当する。
【0057】すなわち、このプログラムは、まずステッ
プ11(S11)において、現在設定されているフィルタ係
数ベクトル<f>lを起点として I<d>l方向で評価関数Jを
最小にする<f> を求め、それを新たな<f>lとして設定す
る。次にステップ12(S12)においてこの<f>lを<f>l′
とする。次にステップ13(S13)においてiをクリアす
る。
【0058】さらに、ステップ14(S14)において、現
在設定されているフィルタ係数ベクトル<f>lを起点とし
i<d>l方向でJを最小にする<f> を求め、それを新た
な<f>lとする。ステップ15(S15)において i<d>lを
i+1<d>lとする。さらに、ステップS16(S16)におい
てiをi+1とする。
【0059】この後、ステップ17(S17)において、i
がIに等しくなっているか否かを判定し、その結果等し
くなっていなければステップ14(S14)に戻り、等しく
なっていればステップ18(S18)に進む。すなわち、こ
のステップ17(S17)によって第l組に属するI本の1
次独立なベクトルの組 0<d> 〜 I-1<d> を得ることがで
きる。
【0060】ステップ18(S18)においては、現在設定
されているフィルタ係数ベクトル<f>lを起点として I<d
>l方向で評価関数Jを最小とする<f> を求め、それを新
たな<f>lとする。
【0061】最後にステップ19(S19)において I<d>l
に<f>l−<f>l′の結果を入れ、<f>lを更新するプログラ
ムが終了する。
【0062】このフィルタ係数ベクトルの更新が図1に
示すように<f>l−<f>Lの全てについて行なわれることと
なる。
【0063】ところで、騒音制御における上記評価関数
J(<f> )は2次関数となる。そこで本発明装置におい
てはこの評価関数J(<f> )が2次関数となることを利
用して、逐次計算ではなく一度の計算でJ(<f> +α・
i<d> )を最小とするようなαを求めるようにしてい
る。
【0064】図3はこのようなαを求める演算プログラ
ムを示すフローチャートであり、このような演算が上記
図2におけるステップ11(S11)、ステップ14(S14)
およびステップ18(S18)の各々に対応して行なわれ
る。
【0065】すなわち、まずステップ21(S21)におい
て<f> を <f>′としてJを求め、ステップ22(S22)に
おいてこの求めたJをJ2 とおく。次に、ステップ23
(S23)において<f> を <f>′−δ<d> としてJを求
め、ステップ24(S24)においてこの求めたJをJ1
おく。さらに、ステップ25(S25)において<f> を <f
>′+δ<d> としてJを求め、ステップ26(S26)にお
いてこの求めたJをJ3 とおく。
【0066】このようにしてJ1 ,J2 およびJ3 を求
めた後、ステップ27(S27)において、|2J2 −J1
−J3 |がε以上であるか否かを判断し、その結果ε以
上であればステップ28(S28)に進み、
【0067】
【数7】
【0068】一方、上記ステップ27(S27)の判断の結
果|2J2 −J1 −J3 |がε未満であると判断されれ
ば、ステップ29(S29)に進み <f>′を <f>′* とお
く。
【0069】これらステップ28(S28)もしくはステッ
プ29(S29)の処理が終了した後ステップ30(S30)に
おいて|J3 −J1 |がμ以下であるか否かを判定し、
その結果μ以下であればステップ31(S31)に進み、δ
の最小値であるδmin をδと設定する。
【0070】一方、上記判断の結果|J3 −J1 |がμ
より大きければステップ32(S32)において、δの最小
値であるδmin にα|J3 −J1 |を加えたものをδと
設定する。
【0071】なお、上記ステップ29(S29)を設けたの
は次の如き理由による。すなわちステップ28(S28)に
おいて、|2J2 −J1 −J3 |の値が小さいとき(ε
未満)には、誤差の影響により
【0072】
【数8】
【0073】の計算が正確に行なわれないおそれがあ
る。
【0074】そこで|2J2 −J1 −J3 |が所定の値
より小さい場合には強制的に
【0075】
【数9】
【0076】とおき、α=0としている。
【0077】また、上記ステップ21(S1 )、ステップ
23(S23)およびステップ25(S25)において用いられ
るδの値は、一定の値とすることも可能であるが、<f>
が最適値(評価関数Jの最小値)から大きく離れている
ときには大きく、また<f> がその最適値の近傍にあると
きには小さくするように変化させるのがより好ましい。
これによりフィルタ係数が早く収束し、さらに収束後の
制御を安定して行なうことができる。
【0078】このためには、下記i)〜iii)の処理を行な
うのが好ましい。 i) D=|J3 −J1 |とおく。 ii) Dが所定の値D1 より大きければδmin +αDをδ
とおいて、新たなδの値を求める。但し、δmin はδの
最小値、αはゲイン定数(任意の正の実数)とする。 iii) Dが所定の値D1 より小さければ上記δmin をδ
とおいて、新たなδの値を求める。
【0079】これらi)〜iii)の処理は図3中でステップ
30(S30)〜ステップ32(S32)に示されている。
【0080】図4は評価関数Jを求めるプログラムを示
すフローチャートである。
【0081】まず、ステップ41(S41)においてnを
0、Jを0とおいて初期設定する。
【0082】次に、ステップ42(S42)において誤差信
号ベクトル<e> を求める。なお、<e> =[e1 ,e2
……,eM T である。
【0083】続いて、ステップ43(S43)において、
【0084】
【数10】
【0085】をJとおく。ここでMは設置されたマイク
ロホン2の個数を示すものである。
【0086】次に、ステップ44(S44)においてnの値
をインクリメントし、ステップ45(S45)においてnが
Nに等しくなっているか否かを判定する。その結果、n
がNに等しくなっていなければステップ42(S42)に戻
り、上記処理を繰り返して行なう。また、上記判定の結
果nがNに等しくなっていればステップ46(S46)にお
いてJ/NをJとして評価関数Jを求めるプログラムが
終了する。
【0087】なお、評価関数Jを求める際には、上記説
明による演算に代え、Σem (k) 2の値を複数回求め、
その平均値を得るようにしてもよい。
【0088】次に、上述したステップ42(S42)におけ
る<e> を求めるプログラムを図5を用いて説明する。
【0089】この<e> を求めるプログラムにおいては、
ステップ51(S51)においてクロック回路12からのクロ
ック信号がCPU8に入力されたか否かを判定する。
【0090】クロック信号の入力が確認されればステッ
プ52(S52)においてリファレンス信号<x>(k)をCPU
8に入力する。続いて、ステップ53(S53)において、
l=1,2,……,Lの各々について<F>lT ・<x>(k)を
計算し、各々の結果をyl とおく。但し、<x>(k)=[x
(k) ,x(k-1) ,……,x(k-I) ]T である。
【0091】次に、ステップ54(S54)において、各ス
ピーカ駆動信号y1 〜yL をCPU8から出力させる。
最後にステップ55(S55)において、各マイクロホン2
からの誤差信号e1 〜em をCPU8に入力せしめ、こ
れで<e> を求めるプログラムが終了する。
【0092】なお、図10に示す適応アルゴリズム118 A
以外の部分に該当するプログラムは全てこの図5に示す
プログラムに表わされている。
【0093】本実施例においては上述した如き計算を行
なうことにより、容易かつ迅速にJ(<f> +α・ i<d>
)を最小とするようなαを求めることができる。
【0094】なお、本発明の車両用騒音制御装置として
は上記実施例のものに限られるものではなく、その他種
々の態様の変更が可能である。
【0095】例えば、マイクロホンおよびスピーカの数
としては適宜選択が可能である。
【0096】また、ユーザが図6に示すスイッチ4aによ
って上記複数のリファレンス信号のうち好みのリファレ
ンス信号を適宜選択できるようにモード切換可としてお
けばユーザの好みに応じた車内音場を形成することが可
能である。また、このとき、基本周波数の偶数次も含め
た全次数成分を有する信号をリファレンス信号とするモ
ードを選択し得るようにしておくことも可能である。
【0097】また、本実施例装置では全乗員の耳元にセ
ンサ用のマイクロホン2を取り付け、全乗員について騒
音制御をしているが、特定の乗員のみ、例えば運転手あ
るいは運転手と助手席の乗員のみについて騒音制御を行
なうことも可能で、この場合には、この特定の乗員の耳
元のマイクロホン2からの信号をコントローラ4に入力
せしめればよい。
【図面の簡単な説明】
【図1】本発明の実施例装置において用いられる適応ア
ルゴリズムの全体プログラムを示すフローチャート
【図2】図1に示す全体プログラム中で用いられる<f>l
を更新するプログラムを示すフローチャート
【図3】図2に示すプログラム中で用いられる、Jを最
小にする<f> , <f>′* を求めるプログラムを示すフロ
ーチャート
【図4】図3に示すプログラム中で用いられる、Jを求
めるプログラムを示すフローチャート
【図5】図4に示すプログラム中で用いられる、<e> を
求めるプログラムを示すフローチャート
【図6】本発明の一実施例に係る車両用騒音制御装置の
取付位置を示す概略図
【図7】図6に示すコントローラの内部を示すブロック
【図8】従来技術を説明するためのブロック図
【図9】LMS法を用いた場合の車両用騒音制御装置の
概略を示すブロック図
【図10】ポエル法を用いた場合の車両用騒音制御装置
の概略を示すブロック図
【符号の説明】
2,112 マイクロホン 3 イグニッションパルス検出器 4,113 ,113 A コントローラ(制御部) 5,111 スピーカ 6,11 アンプ 7 A/D変換回路 8 CPU 9 メモリ回路 10 D/A変換回路 116 ,116 A,117 フィルタ 118 ,118 A 適応アルゴリズム
───────────────────────────────────────────────────── フロントページの続き (58)調査した分野(Int.Cl.7,DB名) G10K 11/178 B60R 11/02 F01N 1/00 F01N 1/06

Claims (1)

    (57)【特許請求の範囲】
  1. 【請求項1】車室内騒音を集音する集音手段と、 該車室内の騒音を低減し得る音を出力するスピーカと、前記集音手段で集音された 騒音振動に対応したリファレ
    ンス信号を生成するリファレンス信号生成手段と、 前記集音手段により集音された騒音と前記リファレンス
    信号生成手段により生成されたリファレンス信号に基
    き、前記集音手段の配設位置で前記車室内騒音を低減す
    べく前記スピーカから該騒音を打ち消す音が出力される
    ようにコントロールするコントロール手段とを備えてな
    る車両用騒音制御装置において、 前記コントロール手段が、前記集音された騒音と前記リ
    ファレンス信号とに基づき前記騒音を打ち消す音に応じ
    たスピーカ駆動信号を生成するフィルタ手段を有し、 該フィルタ手段のフィルタ値<f>(k+1)が、逐次
    ポエル法を用いた下式により求められて設定されるよう
    に構成されてなる、 ことを特徴とする車両用騒音制御装置。 【数1】 但し、kは自然数であり、フィルタ係数が<f>(k)
    −δ(d),<f>(k), <f>(k)+δ(d)であるときの誤差信号2乗平均
    が各々Jk1,Jk2,Jk3であり、<d>は実数のベクト
    ル係数である。
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