JP3463678B2 - 車両のスロープ装置 - Google Patents

車両のスロープ装置

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JP3463678B2 JP2001309281A JP2001309281A JP3463678B2 JP 3463678 B2 JP3463678 B2 JP 3463678B2 JP 2001309281 A JP2001309281 A JP 2001309281A JP 2001309281 A JP2001309281 A JP 2001309281A JP 3463678 B2 JP3463678 B2 JP 3463678B2
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Description

【発明の詳細な説明】
【0001】
【発明の属する技術分野】本発明は車両のスロープ装置
に関し、特に突出させたスロープ本体が路面の凹凸等に
よって折れ曲がるのを防止するための構造改良に関する
ものである。
【0002】
【従来の技術】車椅子での車両への乗降を可能とするた
めにスロープ装置を設けることが行なわれており、発明
者等は先に、図8に示すようなスロープ装置を提案した
(特願2000−274898号)。図8において、テ
ールゲート2は略水平姿勢に開放されており、当該テー
ルゲート2は、その基端の左右位置が、バン型車両のリ
アバンパ1中央に設けられた下部開口O2の下縁にヒン
ジ21(図9参照)で回転可能に結合されるとともに、
その先端部左右位置にはリンクアーム22の一端が回転
可能に結合されている。これらリンクアーム22の他端
は、車室側壁に配設された駆動モータ24(図8に一方
のみ示す)によって旋回操作されるリンクアーム23の
先端に回転可能に結合されており、リンクアーム23が
図8の反時計方向へ旋回させられると、これに伴ってテ
ールゲート2は略垂直姿勢へ起立回動して開口下部O2
を閉鎖する。
【0003】テールゲート2の上面中央には駆動モータ
25がカバー26内に設けられており、下方へ突出する
その出力軸にプーリ51が装着されている。プーリ51
にはテールゲート2の幅方向へ延びる二本のワイヤ5
2,53の一端が懸架されており、これらワイヤ52,
53はプーリ51に互いに逆方向に巻き取られている。
したがって、例えばプーリ51が正転するとワイヤ52
はプーリ51に巻き取られる一方、ワイヤ53はプーリ
51から繰り出される。各ワイヤ52,53はテールゲ
ート2の幅方向端部に傾斜姿勢で設けられたプーリ5
4,55に懸架されて車両後方へ向きを変え、それぞれ
垂直姿勢のプーリ56,57を経てスロープ板駆動用の
固定プーリ58,59に巻き取られている。各固定プー
リ58,59はテールゲート2側に設けた支軸581
(図9に一方を示す)に回転自在に支持されるととも
に、これら固定プーリ58,59にはスロープ板3の基
端両側部が一体に固定されている。
【0004】プーリ56,57を経由した後の各固定プ
ーリ58,59へのワイヤ巻取り方向は互いに逆向きに
なっており、プーリ51に巻き取られるワイヤ52によ
って固定プーリ58が反時計方向へ回転すると、プーリ
51から繰り出されるワイヤ53は反時計方向へ回転す
る固定プーリ59によって巻き取られ、この結果、固定
プーリ58,59と一体のスロープ板3が支軸581を
中心に上方へ回動させられる。
【0005】各固定プーリ58,59に隣接させてこれ
らと同心に固定プーリ61,62が設けられており、固
定プーリ61,62は支軸581(図9)に固定され
て、回転することなく静止している。スロープ板3の先
端両側下面にはそれぞれ支軸631(図9に一方を示
す)が設けられてこれらに固定プーリ63,64が回転
自在に支持され、固定プーリ63,64にスロープ板4
の基端両側部が一体に固定されている。上記固定プーリ
61,63と62,64間にはそれぞれワイヤ65,6
6が懸架されている。
【0006】テールゲート2およびスロープ板3,4が
いずれも開口下部O2外へ展開されてスロープを形成し
た使用状態(図10)で車椅子を車室内へ乗り入れ、続
いて駆動モータ25でワイヤ52(図8)を駆動してス
ロープ板3を上方の反時計方向へ回動させると、これに
応じてスロープ板3先端に連結されたスロープ板4が自
重で時計方向へ回動し(図11)、さらにスロープ板3
が反時計方向へ回動してテールゲート2上へ折畳まれる
と、時計方向へ回動しているスロープ板4は折畳まれた
スロープ板3上へ重なるように折畳まれる(図12)。
この後、駆動モータ24とリンクアーム22,23によ
ってテールゲート2を略垂直姿勢へ回動させると(図1
3)、テールゲート2によって開口下部O2が閉鎖され
るとともに、スロープ板3,4はテールゲート2の背後
に折畳み状態でコンパクトに格納される。なお、図13
中の符号Dはバックドアである。
【0007】スロープ板3,4を突出展開させる場合に
は駆動モータ25ないしリンクアーム23を上記とは逆
方向へ回転させて図13〜図10を逆に辿るようにテー
ルゲート2およびスロープ板3,4を作動させる。とこ
ろで、スロープ板3,4を展開するに当っては、後輪懸
架装置のダンパを収縮させて車両後部の車高を下げるニ
ールダウン装置によって、車両フロアFを略水平姿勢か
ら開口外方向へ下り傾動させておく。これにより、展開
したスロープ板2,3は、図9に示すように、路面Gと
の間に傾斜姿勢で直線的に架け渡される。
【0008】
【発明が解決しようとする課題】ところで上記スロープ
装置において、路面Gに凹凸があって、例えば図14に
示すように路面Gが立ちあがっていると、展開途中のス
ロープ板3,4が本来の展開位置(図14の鎖線)より
も上方で路面に当接してしまうために、スロープ板3が
支軸581の部分でテールゲート2に対して角度を生じ
て逆ヘ字状に上方へ折れ曲がり、車椅子の乗降がスムー
ズになされないという問題があった。
【0009】そこで、本発明はこのような課題を解決す
るもので、路面の凹凸によってスロープ面に折れ曲がり
等を生じることのない車両のスロープ装置を提供するこ
とを目的とする。
【0010】
【課題を解決するための手段】上記目的を達成するため
に、本第1発明では、車両の開口(O2)の下縁から車
両フロア(F)の略延長線に沿って車両外方に向かって
突出する突出状態と車室内に位置する格納状態とに転換
可能なスロープ本体(3,4)と、上記突出状態のスロ
ープ本体(3,4)と一体に、車両フロア(F)をスロ
ープ本体(3,4)の突出端側が下降するように傾動さ
せる傾動手段と、突出状態のスロープ本体(3,4)の
先端が路面(G)に当接したことを検出する検出手段
(72,130)とを具備し、上記傾動手段は検出手段
(72,130)からの検出信号を受けて車両フロア
(F)の傾動を停止することを特徴としている。ここ
で、「車両の開口下縁」とは、開口下縁そのもの以外
に、開口下縁に結合されて車両外方へ開放回動するゲー
ト体も含むものである。
【0011】本第1発明において、スロープ本体を車両
フロアの略延長線に沿った突出状態として傾動手段によ
り車両フロアを傾動させると、スロープ本体の先端が路
面に当接した時に傾動は停止させられる。これにより、
路面に凹凸があっても、路面からスロープ本体を経て車
両フロアに至るスロープ面は途中で折れ曲がることなく
直線的状態が維持され、車椅子によるスムーズな乗降が
保証される。
【0012】本第2発明では、本第1発明において、上
記スロープ本体(3,4)は、基端が開口(O2)の下
縁に垂直面に沿って回動可能に結合されており、回動に
より突出状態と格納状態に転換可能である。
【0013】本第2発明において、スロープ本体を車両
フロアの略延長線に沿った突出状態に回動させ、傾動手
段により車両フロアを傾動させると、スロープ本体の先
端が路面に当接した時に傾動は停止させられる。これに
より、路面に凹凸があっても、路面からスロープ本体を
経て車両フロアに至るスロープ面は途中で折れ曲がるこ
となく直線的状態が維持され、車椅子によるスムーズな
乗降が保証される。
【0014】本第3発明では、本第1発明又は本第2発
明において、上記スロープ本体を互いに垂直面に沿って
回動可能に直列に連結した複数のスロープ板(3,4)
で構成し、各スロープ板を折り重ねた折り畳み状態でス
ロープ本体を上記格納状態に転換可能である。本第3発
明においては、スロープ本体を複数のスロープ板で構成
して比較的長いスロープ面を形成したものにおいても、
本第1発明又は本第2発明におけると同様の作用効果が
得られる。
【0015】本第4発明では、本第1発明から本第3発
明のいずれかにおいて、上記スロープ本体(3,4)は
突出状態のとき、車両フロア(F)の延長線に対し突出
端側が若干下がった傾斜姿勢にあり、上記検知手段(7
2,130)は、傾動手段により車両フロア(F)とと
もにスロープ本体(3,4)が傾動され、スロープ本体
(3,4)が路面(G)に当接することにより上方へ回
動され、車両フロア(F)の延長線に沿った姿勢になっ
たことを検知して上記検出信号を発信するものである。
【0016】本第4発明においては、上記検出手段はス
ロープ本体が上方回動して車両フロアの延長線に沿った
姿勢になったことを検出するものであるから、上記検出
手段を例えばリミットスイッチ等で簡易に構成すること
ができる。
【0017】本第5発明では、本第3発明において、上
記スロープ本体は上記突出状態のとき、各スロープ板
(3,4)の連結部のうち少なくとも一個所において屈
曲し、車両フロア(F)の延長線に対し突出端側が若干
下がった屈曲姿勢にあり、上記検知手段(72)は、傾
動手段により車両フロア(F)とともにスロープ本体が
傾動され、スロープ本体が路面に当接することにより上
方へ回動され、車両フロアの延長線に沿った姿勢になっ
たことを検知して上記検出信号を発信するものである。
本第5発明においては、複数のスロープ板によってスロ
ープ本体を構成した場合にも、これらスロープ板が車両
フロアの延長線に沿った姿勢になったことをリミットス
イッチ等で簡易に検出して、路面の凹凸の影響を受ける
ことなくスロープ面の直線的状態を確保することができ
る。
【0018】本第6発明では、本第1発明から本第5発
明のいずれかにおいて、前記スロープ本体(3,4)を
突出状態と格納状態に転換させる駆動手段(25,12
33)と、スロープ本体(3,4)が突出状態になった
ことを検出する第1検出手段(71,129)と、突出
状態のスロープ本体(3,4)が路面(G)に当接した
ことを検出する第2検出手段(72,130)と、第1
検出手段(71,129)からの検出信号を受けて傾動
手段の傾動を開始させ、第2検出手段(72,130)
からの検出信号を受けて傾動手段の傾動を停止する制御
手段とを具備している。
【0019】本第6発明において、スロープ本体が突出
状態へ転換させられると、第1検出手段がこれを検出し
て、傾動手段によってスロープ本体の突出端側が下降す
るように車両フロアが傾動させられる。傾動するスロー
プ本体の先端が路面に当接すると、これが第2検出手段
によって検出されてスロープ本体の傾動は停止する。こ
れにより、路面に凹凸があっても、路面からスロープ本
体を経て車両フロアに至るスロープ面は途中で折れ曲が
ることなく直線的状態が維持され、車椅子によるスムー
ズな乗降が保証される。
【0020】本第7発明では、上記スロープ本体(3)
は、基端が上記開口(O2)の下縁に垂直面に沿って回
動可能に結合されて、回動により突出状態と格納状態に
転換可能であり、上記駆動手段は駆動モータ(123
3)と当該駆動モータ(1233)の回転力をスロープ
本体(3)に伝達する回転伝達機構(123A,123
B,125A,125B,126,127,151,1
58)より構成されており、上記第1検出手段(12
9)は回転伝達機構(123A,123B,125A,
125B,126,127,151,158)に付設さ
れて当該回転伝達機構を構成する部材(123B)の位
置変化よりスロープ本体(3)が突出状態になったこと
を検出するものである。より具体的には、上記回転伝達
機構は駆動モータ(1233)の出力軸に装着されたピ
ニオンギヤ(125B)と、当該ピニオンギヤ(125
B)に噛合して旋回するドリブンギヤ(123B)とを
備え、第1検出手段(129)はドリブンギヤ(123
B)がスロープ本体(3)の突出状態に対応する位置に
到達したことを検出してスロープ本体(3)が突出状態
になったことを検出するものである。
【0021】本第7発明においては、第1検出手段で、
スロープ本体を突出状態と格納状態に回動させる回転伝
達機構を構成する部材、より具体的にはドリブンギヤ、
の移動位置を検出することにより、スロープ本体の突出
状態を確実に検出することができる。
【0022】なお、上記カッコ内の符号は、後述する実
施形態に記載の具体的手段との対応関係を示すものであ
る。
【0023】
【発明の実施の形態】(第1実施形態)図1にはテール
ゲート2を開放し、スロープ本体を構成するスロープ板
3,4を展開突出した状態のスロープ装置を示す。基本
構造は既に説明した先に提案のスロープ装置と同一であ
り、以下は相違点を中心に説明する。本実施形態では、
先に提案のスロープ装置とは異なり、スロープ板3,4
の展開に先だってニールダウン装置は作動しない。した
がって、図1に示すようにテールゲート2はほぼ水平姿
勢に開放し、その先端に連結されたスロープ板3はテー
ルゲート2の延長上でほぼ面一に水平展開している。テ
ールゲート2の先端部にはリミットスイッチ71が設け
られており、スロープ板3がテールゲート2上の折り畳
み格納状態から反転して(図7〜図5参照)、図1に示
すような水平姿勢に展開した時にスロープ板3の基端3
1が当接してリミットスイッチ71が作動する。
【0024】一方、スロープ板3の先端32にはリミッ
トスイッチ72が設けられ、ここに連結されたスロープ
板4は、図1に示すように、スロープ板3が水平に展開
した状態で、これに対してやや下方へ折れ曲がるまで展
開するようにしてある。この状態ではリミットスイッチ
72は作動していない。
【0025】スロープ板3が水平に展開してリミットス
イッチ71が作動すると、その信号を受けて公知のニー
ルダウン装置が作動を開始し、これに伴って車両フロア
F(図3参照)が開口外方向の後方へ次第に下り傾動さ
せられ、この結果、テールゲート2およびその先端に連
結されたスロープ板4も傾動する。傾動の途中で、スロ
ープ板4の先端42が路面Gに当接すると、スロープ板
4は支軸631回りにスロープ板3に対して上方へ相対
回動させられ、図2に示すようにスロープ板4がスロー
プ板3と略面一になると、その基端41がリミットスイ
ッチ72の接触子に当接してリミットスイッチ72を作
動させる。ニールダウン装置はリミットスイッチ72か
らの信号を受けるとその作動を停止する。このようにし
て、テールゲート2と各スロープ板3,4が一直線に傾
斜した状態でニールダウン動作が停止するから、テール
ゲート2と各スロープ板3,4は途中で折れ曲がること
なく直線的に路面との間に掛け渡される。
【0026】(第2実施形態)図3において、車両の後
部車室のフロアFは、リアバンパ1の中央部で開口下部
O2として後方へ開放している。開口下部O2はテール
ゲート2によって開閉されるようになっており、テール
ゲート2は図示するように開口O外の車両後方へ略水平
に転倒展開して開口下部O2を開放している。テールゲ
ート2の先端には当該ゲートと略同幅のスロープ板3が
回動自在に結合されており、テールゲート2とスロープ
板3が車両後方へ展開している。なお、本実施形態で
は、スロープ本体は一枚のスロープ板3で構成されてい
る。
【0027】図4には、展開されたテールゲート2とス
ロープ板3の側面図を示し、展開突出状態のスロープ板
3はテールゲート2に対してその延長面(図中の鎖線)
よりもやや下方へ折れ曲がる位置まで展開している。テ
ールゲート2はその基端の左右位置が下部開口O2(図
3)の下縁にヒンジ21で回転可能に結合されており、
テールゲート2の先端部左右位置にはリンクアーム22
(図3)の一端が回転可能に結合されている。これらリ
ンクアーム22の他端は、車室側壁に配設された詳細を
後述する駆動機構124(図3に一方のみ示す)の、扇
形のドリブンギヤ1241のアーム部1242先端に回
転可能に結合されており、ドリブンギヤ1241の外周
には駆動モータ1243によって正逆回転させられるピ
ニオンギヤ1244が噛合している。ドリブンギヤ12
41がその支軸1245を中心にして図3の反時計方向
へ旋回させられると、リンクアーム22を介してテール
ゲート2は略垂直姿勢へ回動して開口下部O2を閉鎖す
る。
【0028】図3において、テールゲート2内には左右
の対称位置に扇形のドリブンギヤ123A,123Bが
配設されており、各ドリブンギヤ123A,123Bの
外周には図略の駆動モータによって正逆回転させられる
ピニオンギヤ125A,125Bが噛合している。スロ
ープ板3に近いテールゲート2の後辺に沿って回転軸1
26が配設されており、回転軸126は長手方向の二ヶ
所でドリブンギヤ123A,123Bの板面と連結部材
127によってそれぞれ連結されている。その詳細構造
を図5に示す。
【0029】図5はテールゲート2を下方から見た透視
図である。テールゲート2の内空間には左右位置にそれ
ぞれ、テールゲート2のアッパパネル(ゲートアッパパ
ネル)の下面に固定されてブラケット1231が設けら
れている。各ブラケット1231は平面視で略ひょうた
ん形に成形されており、その一方の円形部の中心には回
転自在に支軸1232が立設されている。各支軸123
2にはドリブンギヤ123A,123Bの中心部が固定
されてテールゲート2内で水平回動可能となっており、
これらドリブンギヤ123A,123Bは互いに対称状
に位置している。ブラケット1231の他方の円形部に
は駆動モータ1233のギヤボックス1234が保持さ
れており、ギヤボックス1234から突出する出力軸1
235が上記円形部の中心から突出して、その先端に既
述のピニオンギヤ125A,125Bが装着されてい
る。これらピニオンギヤ125A,125Bはそれぞれ
ドリブンギヤ123A,123Bの外周歯形に噛合して
いる。
【0030】支軸1232に近い各ドリブンギヤ123
A,123Bの板面と回転軸126との間はそれぞれ連
結部材127によって連結されており、回転軸126側
の連結部の構造を図6に示す。回転軸126はその両端
部を構成する軸体1261(図5)の外周両端にセレー
ションが形成されており、一方、連結部材127の一端
部には、セレーションを内周に形成した筒部を有するソ
ケット体1271が設けられている。そして、軸体12
61の一端部をソケット体1271の筒部内に挿入して
これらを相対回転不可能に結合するとともに、回転軸1
26の中間部を構成する連結筒体1262の、セレーシ
ョンが形成された筒内に上記軸体1261の一端部が挿
入されている。このようにして、連結筒体1262によ
って回転軸126の両端の軸体1261が一体的に連結
されている。なお、各軸体1261はテールゲート2内
に設けた軸受1263に回転自在に支持されるととも
に、軸受1263から突出する端部外周にはセレーショ
ンが形成されて、ここに扇形のドリブンギヤ151(図
4に一方のみ示す)の中心部が装着されている。
【0031】図6において、ソケット体1271の筒部
外周には平行な脚部1272が突設され、これら脚部1
272間に、連結部材127を構成する軸体1273の
一端に装着された自在継手1274が結合されている。
自在継手1274は公知のもので、軸体1273に装着
される筒部1275と、穴開き球体を回転自在に保持す
る保持部1276よりなり、球体の貫通穴内にボルト1
277が挿入されて上記脚部1272に結合されてい
る。これにより、連結部材127の一端はボルト127
7回りに垂直面内で回転自在であるとともに、ボルト軸
を含む平面内で、一定角度範囲で揺動可能である。軸体
1273の他端に装着された自在継手1278(図5)
も上記自在継手1274と同一構造であるが、その装着
姿勢は自在継手1274に対して軸体1273の軸回り
に90度回転させてあり、自在継手1278の球体の貫
通穴に通したボルト1279を、ドリブンギヤ123
A,123Bの板面に直立に捩じ込み固定してある。こ
れにより、連結部材127の他端はボルト1279回り
に水平回転自在であるとともに、ボルト軸を含む垂直面
内で、一定角度範囲で揺動可能である。
【0032】駆動モータ1233によってピニオンギヤ
125A,125Bが互いに反対方向へ回転させられる
と、ドリブンギヤ123A,123Bも図5で支軸12
32回りにそれぞれ反時計方向と時計方向へ旋回させら
れる。これに伴って連結部材127が前方(図5の下
方)へ引っ張られて回転軸126が回転させられる。各
ピニオンギヤ125A,125Bを逆転させると、ドリ
ブンギヤ123A,123Bは上記と反対方向へ旋回さ
せられ、これに伴って連結部材127が後方へ押しやら
れて回転軸126が逆転させられる。
【0033】図4において、テールゲート2の側面後端
にはへ字形に屈曲するブラケット152の基端が固定さ
れており、ブラケット152の上方へ屈曲する先端部の
板面には支軸1581が立設されて、この支軸1581
に、スロープ板3の基端両側に固定されたブラケット1
53の半円基端部が回転自在に支持されている。上記半
円基端部の板面には上記支軸1581を中心とした円形
ギヤ158が接合されており、このギヤ158がドリブ
ンギヤ151の外周歯形に噛合している。ドリブンギヤ
151は、ブラケット152の屈曲部板面を外方へ貫通
した上記回転軸126の軸体1261端部に固定されて
いる。上記ドリブンギャ123A,123B、ピニオン
ギヤ125A,125B、回転軸126、連結部材12
7、ドリブンギヤ151、および円形ギヤ158は、駆
動モータ1233の回転力をスロープ板3に伝達する回
転伝達機構を構成しており、ドリブンギヤ123Bが図
5で支軸1232回りに反時計方向(ドリブンギヤ12
3Aは時計方向)へ旋回させられると、ドリブンギヤ1
51は図4で反時計方向へ回転させられ、この結果、ス
ロープ板3は図4に示すようにテールゲート2の延長面
を越えてやや下方へ折れ曲がるまで回動する。反対に、
ドリブンギヤ123Bが図5で支軸1232回りに時計
方向(ドリブンギヤ123Aは反時計方向)へ旋回させ
られると、ドリブンギヤ151が図4の時計方向へ回転
させられて、スロープ板3は上方へ回動し、テールゲー
ト2上へ反転して折り重ねられ、格納状態となる。
【0034】図5において、ドリブンギヤ123Bの板
面外周部の一端には径方向外方へ突出させて板状のスト
ライカ128が固定してある。一方、テールゲート2の
ゲートアッパパネルにはリミットスイッチ129が設け
てあり、ドリブンギヤ123Bが図示するように反時計
方向の回転端に至ってスロープ板3が展開させられると
(図3、図4に示す状態)、ストライカ128がリミッ
トスイッチ129の接触子に当接して、リミットスイッ
チ129をオン作動させる。ゲートアッパパネルにはま
た、その後縁(図5の上縁)の一端にリミットスイッチ
130が設けてあり、スロープ板3が展開するとその基
端に上記リミットスイッチ130の接触子が当接して、
リミットスイッチ130がオン作動させられる。
【0035】図7にはテールゲート2の駆動機構124
の詳細を示す。車室側壁の凹所W1(図3)内にはカバ
ー板1246に覆われてブラケット1247が設けられ
ており、このブラケット1247は平面視で略ひょうた
ん形に成形されて、その後側の円形部の中心には回転自
在に支軸1245が立設されている。上記支軸1245
には扇形のドリブンギヤ1241の中心部が固定されて
垂直回動可能となっており、ドリブンギヤ1241の中
心部からは斜め後上方へ腕部1242が延びて、その先
端にリンクアーム22の基端が回動自在に連結されてい
る。ブラケット1247の前側の円形部には駆動モータ
1243のギヤボックス1248が保持されており、ギ
ヤボックス1248から突出する出力軸1249が上記
円形部の中心から突出して、その先端に装着されたピニ
オンギヤ1244が上記ドリブンギヤ1241の外周歯
形に噛合している。ピニオンギヤ1244を回転させて
ドリブンギヤ1241を正逆旋回させると、リンクアー
ム22が前後方向へ移動させられてテールゲート2が開
閉作動させられる。
【0036】このような構造のスロープ装置において、
駆動機構124によってテールゲート2を開放展開させ
た後、駆動モータ1233でドリブンギヤ123A,1
23Bを介して回転軸126を回転させスロープ板3を
展開回動させると、リミットスイッチ129がオン作動
する。公知のニールダウン装置がリミットスイッチ12
9のオン信号を受けて作動を開始し、車両フロアF(図
3)が開口外方向の後方へ次第に下り傾動させられる。
テールゲート2およびその先端に連結されたスロープ板
3も傾動し、傾動の途中で、スロープ板3の先端32が
路面Gに当接すると、ギヤ158、ドリブンギヤ15
1、連結部材127、ドリブンギヤ123A,123
B、およびピニオンギヤ125A,125B等のバック
ラッシやガタによって、スロープ板3は図4に示す支軸
1581回りにテールゲート2に対して上方へ相対回動
させられ、スロープ板3がテールゲート2と略面一にな
ると、リミットスイッチ130の接触子の、スロープ板
3の基端への当接が解消されてリミットスイッチ130
がオフ作動させられる。ニールダウン装置はリミットス
イッチ130からのオフ信号を受けるとその作動を停止
する。このようにして、テールゲート2とスロープ板3
が一直線に傾斜した状態でニールダウン動作が停止させ
られ、テールゲート2とスロープ板3は途中で折れ曲が
ることなく直線的に路面との間に掛け渡される。
【0037】上記各実施形態では、スロープ板3,4の
先端が路面に当接するのをリミットスイッチ72,13
0で検出したが、スロープ板3,4の上方への相対回動
を検出できるものであれば、リミットスイッチには限ら
れない。また、スロープ板3,4先端の路面への当接を
例えばタッチセンサ等で検出しても良く、この場合に
は、スロープ板4をスロープ板3に対して、あるいはス
ロープ板3をテールゲート2に対して下方へ折れ曲がる
ように展開させる必要はなく、面一に展開させれば良
い。スロープ板3をテールゲート2ではなく、車両フロ
アFの開口部に直接結合する構成としても良い。また、
スロープ本体を3枚以上のスロープ板で構成するように
しても良い。さらには、スロープ本体の突出作動ないし
格納作動は、上記実施形態に示した回動に限られるもの
ではない。また、スロープ本体の突出作動ないし格納作
動を、車両フロアの傾動とは別のスイッチ等で操作し、
あるいは手動で行なうようにもでき、この場合には、リ
ミットスイッチ71,129を省略することができる。
さらに第2実施形態においては、スロープ板3の展開突
出状態を、ドリブンギヤ123Bが半時計方向回転端へ
至ったことより検出しているが、これに限られず、回転
伝達機構を構成する他の部材の位置変化を検出してスロ
ープ板の展開突出状態を知るようにしても良い。
【0038】
【発明の効果】以上のように、本発明の車両のスロープ
装置によれば、路面に凹凸があってもスロープ面に折れ
曲がりを生じることがなく、常に車椅子のスムーズな乗
降が保証される。
【図面の簡単な説明】
【図1】本発明の第1実施形態を示すスロープ装置の側
面図である。
【図2】本発明の第1実施形態を示す使用状態のスロー
プ装置の側面図である。
【図3】本発明の第2実施形態を示す使用状態のスロー
プ装置の後方斜視図である。
【図4】本発明の第2実施形態を示す使用状態のスロー
プ装置の側面図である。
【図5】本発明の第2実施形態を示すテールゲートを下
方から見た透視平面図である。
【図6】本発明の第2実施形態を示す連結部材の連結部
の分解斜視図で、図5のA部の分解斜視図である。
【図7】本発明の第2実施形態を示すテールゲート駆動
機構の正面図である。
【図8】従来のスロープ装置の全体斜視図である。
【図9】従来例を示す、使用状態のスロープ装置の側面
図である。
【図10】従来例を示す、スロープ装置の作動を示す側
面図である。
【図11】従来例を示す、スロープ装置の作動を示す側
面図である。
【図12】従来例を示す、スロープ装置の作動を示す側
面図である。
【図13】従来例を示す、スロープ装置の作動を示す側
面図である。
【図14】従来例を示す、使用状態のスロープ装置の側
面図である。
【符号の説明】
2…テールゲート、25…駆動モータ、3…スロープ
板、31…基端、32…先端、4…スロープ板、41…
基端、42…先端、71,72…リミットスイッチ、F
…車両フロア、G…路面。
───────────────────────────────────────────────────── フロントページの続き (72)発明者 景井 啓之 愛知県刈谷市一里山町金山100番地 ト ヨタ車体株式会社内 (56)参考文献 特開 平11−157390(JP,A) 特開 平10−86739(JP,A) 特開 平10−6862(JP,A) 特開 平10−976(JP,A) 特開 昭54−53414(JP,A) 実開 平6−27343(JP,U) (58)調査した分野(Int.Cl.7,DB名) B60R 3/02 A61G 3/00 502 B60P 1/43

Claims (8)

    (57)【特許請求の範囲】
  1. 【請求項1】車両の開口の下縁から車両フロアの略延長
    線に沿って車両外方に向かって突出する突出状態と車室
    内に位置する格納状態とに転換可能なスロープ本体と、
    前記突出状態のスロープ本体と一体に、前記車両フロア
    を前記スロープ本体の突出端側が下降するように傾動さ
    せる傾動手段と、前記突出状態のスロープ本体の先端が
    路面に当接したことを検出する検出手段とを具備し、前
    記傾動手段は前記検出手段からの検出信号を受けて前記
    車両フロアの傾動を停止することを特徴とする車両のス
    ロープ装置。
  2. 【請求項2】前記スロープ本体は、基端が前記開口の下
    縁に垂直面に沿って回動可能に結合されており、回動に
    より突出状態と格納状態に転換可能である請求項1記載
    の車両のスロープ装置。
  3. 【請求項3】前記スロープ本体を互いに垂直面に沿って
    回動可能に直列に連結した複数のスロープ板で構成し、
    各スロープ板を折り重ねた折り畳み状態で前記スロープ
    本体を前記格納状態に転換可能である請求項1または2
    に記載の車両のスロープ装置。
  4. 【請求項4】前記スロープ本体は前記突出状態のとき、
    車両フロアの延長線に対し突出端側が若干下がった傾斜
    姿勢にあり、前記検知手段は、傾動手段により車両フロ
    アとともにスロープ本体が傾動され、スロープ本体が路
    面に当接することにより上方へ回動され、車両フロアの
    延長線に沿った姿勢になったことを検知して前記検出信
    号を発信するものである請求項1から3のいずれかに記
    載の車両のスロープ装置。
  5. 【請求項5】前記スロープ本体は前記突出状態のとき、
    各スロープ板の連結部のうち少なくとも一個所において
    屈曲し、車両フロアの延長線に対し突出端側が若干下が
    った屈曲姿勢にあり、前記検知手段は、傾動手段により
    車両フロアとともにスロープ本体が傾動され、スロープ
    本体が路面に当接することにより上方へ回動され、車両
    フロアの延長線に沿った姿勢になったことを検知して前
    記検出信号を発信するものである請求項3に記載の車両
    のスロープ装置。
  6. 【請求項6】前記スロープ本体を突出状態と格納状態に
    転換させる駆動手段と、スロープ本体が突出状態になっ
    たことを検出する第1検出手段と、突出状態のスロープ
    本体が路面に当接したことを検出する第2検出手段と、
    第1検出手段からの検出信号を受けて傾動手段の傾動を
    開始させ、第2検出手段からの信号を受けて傾動手段の
    傾動を停止する制御手段とを具備する請求項1から5の
    いずれかに記載の車両のスロープ装置。
  7. 【請求項7】前記スロープ本体は、基端が前記開口の下
    縁に垂直面に沿って回動可能に結合されて、回動により
    突出状態と格納状態に転換可能であり、前記駆動手段は
    駆動モータと当該駆動モータの回転力をスロープ本体に
    伝達する回転伝達機構より構成されており、前記第1検
    出手段は前記回転伝達機構に付設されて当該回転伝達機
    構を構成する部材の位置変化より前記スロープ本体が突
    出状態になったことを検出するものである請求項6に記
    載の車両のスロープ装置。
  8. 【請求項8】前記回転伝達機構は駆動モータの出力軸に
    装着されたピニオンギヤと、当該ピニオンギヤに噛合し
    て旋回するドリブンギヤとを備え、前記第1検出手段は
    ドリブンギヤが前記スロープ本体の突出状態に対応する
    位置に到達したことを検出して前記スロープ本体が突出
    状態になったことを検出するものである請求項7に記載
    の車両のスロープ装置。
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