JP3462321B2 - 難燃性樹脂組成物およびその製造方法 - Google Patents

難燃性樹脂組成物およびその製造方法

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JP3462321B2
JP3462321B2 JP30844395A JP30844395A JP3462321B2 JP 3462321 B2 JP3462321 B2 JP 3462321B2 JP 30844395 A JP30844395 A JP 30844395A JP 30844395 A JP30844395 A JP 30844395A JP 3462321 B2 JP3462321 B2 JP 3462321B2
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Description

【発明の詳細な説明】
【0001】
【発明の属する技術分野】本発明は、リン酸メラミンを
含む難燃性樹脂組成物およびその製造方法に関する。
【0002】
【従来の技術】従来、スチレン系熱可塑性樹脂に難燃性
を付与する方法として、デカブロモジフェニルエーテル
に代表されるハロゲン含有化合物が添加されている。し
かし、ハロゲン含有化合物は、成形加工時又は燃焼時に
腐食性の強い有毒なガスを発生させる。
【0003】近年、環境問題に対する関心が高まるな
か、これらの欠点を解決する方法として、ハロゲン含有
化合物を使用することなく熱可塑性樹脂を難燃化する方
法が検討されている。その代表例として、有機リン酸エ
ステル、赤リン、窒素含有リン酸塩などのリン酸化合物
を難燃剤として添加することが提案されている。例え
ば、特開昭58−17126号公報には、ポリオレフィ
ン、ポリビニル芳香族系樹脂、ポリカーボネート、ポリ
アクリレート、ポリアミド、ポリ塩化ビニルから選択さ
れた樹脂、2,6,7−トリオキサ−1−フォスフォビ
シクロ[2.2.2]−1−オクタン−4−メタノール
−1−オキシド、およびメラミンリン酸塩などの窒素化
合物を含む発泡性難燃組成物が提案されている。特開昭
64−14277号公報には、熱可塑性樹脂100重量
部、難燃性添加剤2〜30重量部を含み、前記難燃性添
加剤を、シリコーンオイル20〜60重量%、シリコー
ン樹脂10〜40重量%、およびリンと窒素とを含む化
合物からなるガス発生剤5〜60重量%で構成した組成
物が開示されている。この文献には、ガス発生剤として
メラミンピロホスフェートが例示され、難燃性添加剤
は、さらにガス発生剤に対して多価アルコールを含んで
いてもよいことが記載されている。
【0004】さらに、前記窒素含有リン酸塩の1つであ
るリン酸メラミンは、ポリウレタンやポリアミドなどの
含窒素および含酸素ポリマーの難燃剤として用いられて
いる。前記リン酸メラミンは製造方法により形状および
組成が大きく変化し、温度210℃で少なくとも5時間
熱処理したリン酸メラミンは板状結晶であること、この
ようなリン酸メラミンをエポキシ樹脂に12.5重量%
又は30重量%添加すると難燃性が向上することが報告
されている(M. Kay and A.F. Price, Fire and Materi
als, Vol.6, No.3, 119-121, 1982)。しかし、前記の
リン酸メラミンを樹脂、特にスチレン系樹脂などの熱可
塑性樹脂に対して添加しても難燃性を大きく改善するこ
とが困難である。また、米国UL規格に規定されている
高いレベルの難燃性(例えば、V−0レベル)を付与す
るためには多量のリン酸メラミンを添加する必要がある
ものの、多量の難燃剤の添加は、樹脂組成物の機械的特
性を低下させる。
【0005】
【発明が解決しようとする課題】従って、本発明の目的
は、難燃性が大きく改善された樹脂組成物およびその製
造方法を提供することにある。本発明の他の目的は、腐
食性や有毒性ガスを発生することがなく、難燃性の高い
樹脂組成物およびその製造方法を提供することにある。
本発明のさらに他の目的は、比較的少量の添加により難
燃性を高めることができる難燃性樹脂組成物およびその
製造方法を提供することにある。
【0006】
【課題を解決するための手段】本発明者らは、前記目的
を達成するため鋭意検討の結果、リン酸メラミンの結晶
構造が難燃性に大きく影響すること、特定のリン酸メラ
ミン(melamine phpsphate)を用いると、樹脂の難燃性
を大きく改善できることを見いだし、本発明を完成し
た。すなわち、本発明の難燃性樹脂組成物は、(1)示
差熱分析法により昇温速度10℃/分で測定したとき、
吸熱域が290±10℃(第1の吸熱域)、320±1
0℃(第2の吸熱域)および390±10℃(第3の吸
熱域)に観測されるリン酸メラミンと、樹脂とを含んで
いる。また、本発明の難燃性樹脂組成物には、(2)X
線回析スペクトルにおいて、回析角2θが17.5±
0.5°、19.3±0.5°および24.9±0.5
°である領域にピークが観測されるリン酸メラミンと、
樹脂とを含む樹脂組成物も含まれる。前記リン酸メラミ
ンにおいて、(3)窒素(N)とリン(P)との原子比(N/P)
は6.2〜7.8程度である。
【0007】さらに本発明の難燃性樹脂組成物には、前
記の特性(1)(2)及び(3)を備えたリン酸メラミ
ン、すなわち、下記の特性を有しているリン酸メラミン
と、樹脂とを含む組成物も含まれる。 (1)示差熱分析法により昇温速度10℃/分で測定し
たとき、290±10℃、320±10℃、および39
0±10℃の温度域に吸熱域が観測される (2)X線回析スペクトルにおいて、回析角2θ=1
7.5±0.5°、2θ=19.3±0.5°および2
θ=24.9±0.5°の領域に、ピークが観測される (3)窒素(N)とリン(P)との原子比(N/P)が2.8〜
3.5である。 前記樹脂組成物は、さらに難燃剤成分、例えば、ビシク
ロリン酸エステル、多価アルコール、シリコーンオイ
ル、モリブデン化合物、リン酸エステル(ホスフェート
系難燃剤)、フッ素含有樹脂などを含んでいてもよい。
本発明の難燃性樹脂組成物は、前記リン酸メラミンと樹
脂とを混合することにより製造できる。
【0008】なお、本明細書において、「リン酸メラミ
ン」とはメラミンとリン酸との反応生成物を意味し、メ
ラミンとリン酸との塩も含まれる。また、「リン酸」と
は特に断りがない限りオルトリン酸を意味する。
【0009】
【発明の実施の形態】本発明の特色は特定の性質を有す
るリン酸メラミンと樹脂とを組み合わせている点にあ
る。リン酸メラミンのうち第1のリン酸メラミンの特色
は、(1)示差熱分析法に従って昇温速度10℃/分で
測定したとき、3つの吸熱域、すなわち、290±10
℃(例えば、290±7℃程度)の第1の吸熱域、32
0±10℃(例えば、320±7℃程度)の第2の吸熱
域および390±10℃(例えば、390±7℃程度)
の第3の吸熱域が観測される点にある。また、示差熱分
析において、第1の吸熱域での吸熱ピークの高さをPh
1、第2の吸熱域での吸熱ピークの高さをPh2、および
第3の吸熱域での吸熱ピークの高さをPh3とするとき、
吸熱ピークはPh1<Ph2<Ph3の順に大きい。特に、第
2の吸熱域と第3の吸熱域ではシャープな吸熱ピークを
示し、第1の吸熱域(温度域)ではシャープな吸熱ピー
クを示したりブロード又は緩やかな吸熱挙動を示す。
【0010】第1の吸熱域、第2の吸熱域、および第3
の吸熱域における吸熱ピークは、ベースラインからの第
3の吸熱域のピークPh3の強さを100とするとき、例
えば、第2の吸熱域の吸熱ピークPh2の強さ(強度比)
は、25〜70(例えば、25〜65)程度、好ましく
は30〜60(例えば、30〜50)程度である場合が
多く、第1の吸熱域の吸熱ピークPh1の強さ(強度比)
は、5〜40(例えば、10〜40)程度、好ましくは
10〜30(例えば、15〜25)程度である場合が多
い。
【0011】第2のリン酸メラミンの特色は、(2)C
u−Ka線を用いたX線回析による回析スペクトルにお
いて、回析角2θ=17.5±0.5°(第1の領
域),2θ=19.3±0.5°(第2の領域)および
2θ=24.9±0.5°(第3の領域)にそれぞれピ
ークが観測される点にある。回析スペクトルにおける各
領域のピークPx1,Px2およびPx3の強さは、第1の領
域のピークPx1>第3の領域のピークPx3>第2の領域
のピークPx2の順に小さい。
【0012】さらに、X線回析スペクトルに現れる全て
のピークにおいて、第1の領域のピークPx1が最大強度
を示し、第3の領域のピークPx3は第2位または第3位
の強度を示すX線回析パターンを有している。回折スペ
クトルにおいて、第3の領域のピークPx3は第2位の強
度を示す場合が多い。第1の領域のピークPx1の強度を
100とするとき、第3の領域のピークPx3の強度(強
度比)は、45〜80程度(好ましくは55〜70程
度)であり、第2の領域のピークPx2の強度(強度比)
は、30〜65程度(好ましくは40〜60程度)であ
る。
【0013】さらに、リン酸メラミンにおいて、(3)
窒素(N)とリン(P)との原子比(N/P)は、例え
ば、6.2〜7.8、好ましくは6.4〜7.5、さら
に好ましくは6.6〜7.4(例えば、6.6〜7.
2)程度である。
【0014】さらに、本発明の難燃性樹脂組成物におい
て有用なリン酸メラミンには、前記特性(1)〜(3)
の特性を備えたリン酸メラミン、特に下記の特性を有す
るリン酸メラミンも含まれる。 (1)示差熱分析法により昇温速度10℃/分で測定し
たとき、吸熱ピークが、第1の吸熱域での吸熱ピークP
h1<第2の吸熱域での吸熱ピークPh2<第3の吸熱域で
の吸熱ピークPh3の順に大きく、第1の吸熱域(温度
域)でシャープ又はブロードな吸熱ピークを示し、
(2)X線回析スペクトルにおいて、回析角2θ=1
7.5±0.5°のピークPx1、2θ=19.3±0.
5°のピークPx2および2θ=24.9±0.5°のピ
ークPx3を示し、ピークPx1が回析スペクトル中で最大
強度を示し、ピークPx3が回析スペクトル中で第2位又
は第3位の強度を示し、(3)窒素(N)とリン(P)との原
子比(N/P)が6.2〜7.8である。
【0015】このような特性、特に前記示差熱特性およ
びX線回折スペクトルを示すリン酸メラミンは、市販の
リン酸メラミンの特性と大きく異なる。そして、後述す
る実施例から明らかなように、本発明のリン酸メラミン
は、前記特性を示さないリン酸メラミンからは予期し得
ないような高い難燃性を示す。
【0016】前記特定のリン酸メラミンは、例えば、メ
ラミンとリン酸とを特定の割合で用いて反応させ、反応
生成物を乾燥処理することにより製造できる。リン酸に
は、例えば、オルトリン酸、ピロリン酸、メタリン酸、
三リン酸、四リン酸、ポリリン酸、亜リン酸などが含ま
れる。これらのリン酸は単独で又は二種以上組み合わせ
て使用できる。リン酸としては、オルトリン酸を用いる
場合が多い。なお、リン酸メラミンは、メラミンとリン
酸との直接的な反応だけでなく、中間体を経る間接的な
方法、例えば、メラミンと塩酸又は酢酸との反応生成物
(例えば、メラミンアセテート)と、リン酸二水素ナト
リウムなどのリン酸塩との反応によっても得ることもで
きる。リン酸の使用量は、オルトリン酸換算で、メラミ
ン1モルに対して0.6〜1.1モル、好ましくは0.
7〜1.05モル、さらに好ましくは0.8〜1.0モ
ル程度である。
【0017】メラミンとリン酸は同時に反応器へ仕込ん
でもよく、予め反応器へ仕込んだメラミンに対してリン
酸を滴下などの方法で連続的または段階的に添加しても
よい。リン酸の濃度は特に制限されず、工業的に入手が
容易な75〜89重量%程度のリン酸水溶液を用いても
よく、水で適当な濃度に希釈した水溶液を用いてもよ
い。なお、反応器は、槽型反応器、管型反応器などの種
々の反応器が採用でき、反応形式は、バッチ式、セミバ
ッチ式、連続式などのいずれであってもよい。
【0018】メラミンとリン酸との反応は、溶媒の非存
在下又は反応を損なわない溶媒の存在下で行ってもよ
い。溶媒としては、水及び/又は親水性溶媒(例えば、
水溶性アルコール、水溶性ケトン、水溶性エーテル類な
ど)などの溶媒を用いてもよい。反応は、通常、水の存
在下で行なう場合が多い。反応温度は適当な範囲から選
択でき、例えば、0〜200℃、好ましくは20〜15
0℃程度(例えば、50〜120℃程度)であり、反応
は常圧又は加圧下で行ってもよい。さらに反応時間は、
特に制限されないが、通常15分以上(例えば、15分
〜12時間程度)である場合が多い。
【0019】このような反応で生成した反応混合物から
は、通常、リン酸メラミンが結晶として析出する。その
ため、リン酸メラミンは、例えば、濾過、遠心分離など
の慣用の分離手段により溶媒から容易に分離できる。分
離されたリン酸メラミンは、水洗などの方法で洗浄して
もよい。
【0020】このようにして得られたリン酸メラミン
は、湿結晶であり、少量の溶媒(通常、水)を含んでい
る。この溶媒を除去するため、湿結晶のリン酸メラミン
は、熱乾燥処理に供される。乾燥処理において、乾燥方
法、乾燥機の形式は、特に制限されない。伝熱形式は、
対流伝熱(いわゆる熱風乾燥)、伝導伝熱、放射伝熱、
マイクロ波式などのいずれであってもよい。乾燥温度
は、特に制限されないが、通常、対流伝熱、伝導伝熱な
どの形式の乾燥機を用いる場合には、温度50〜205
℃、好ましくは90〜200℃(例えば、150〜20
0℃)程度である。乾燥は、常圧で行なう場合が多いも
のの、減圧下で行ってもよい。乾燥時間は、特に制限さ
れないが、生産効率を高めるため、比較的短時間、例え
ば、10分〜3時間、好ましくは30分〜2時間程度で
ある場合が多い。
【0021】このようにして得られたリン酸メラミンは
難燃剤としての機能し、リン酸メラミンを含む樹脂組成
物は極めて優れた難燃性を示す。
【0022】リン酸メラミンの使用量は、樹脂に難燃性
を付与できる範囲で適当に選択でき、例えば、樹脂10
0重量部に対して1〜100重量部(例えば、1〜70
重量部)、好ましくは5〜75重量部(5〜60重量
部)、さらに好ましくは10〜50重量部程度であり、
20〜40重量部程度である場合が多い。
【0023】難燃性樹脂組成物の難燃剤は、少なくとも
前記リン酸メラミンを含んでいればよい。すなわち、難
燃剤は、前記リン酸メラミン単独で構成してもよく、他
の難燃剤(特に非ハロゲン系難燃剤)と組み合わせるこ
とにより構成してもよい。例えば、リン酸メラミンによ
る難燃性をさらに高めるためには、例えば、ビシクロリ
ン酸エステル(二環式ホスフェート)及び多価アルコー
ルのうち少なくとも一方の成分と組み合わせて難燃剤と
してもよい。
【0024】ビシクロリン酸エステルは、下記式(I)
【0025】
【化2】 (式中、Rは置換基を有していてもよいアルキル基,m
は0〜2の整数、nおよびpはそれぞれ1〜3の整数を
示す)で表され、米国特許第3293327号明細書、
米国特許第3873496号明細書、特開昭58−17
126号公報などに記載されている。アルキル基には、
例えば、直鎖又は分岐鎖状のC1-30アルキル基(例え
ば、C1-20アルキル基)、好ましくは直鎖又は分岐鎖状
のC1-24アルキル基などが含まれ、これらのアルキル基
は、ヒドロキシル基、C1-4アルコキシ基、カルボキシ
ル基、C1-4アルコキシ−カルボニル基、C1-4アシル基
などの置換基が置換していてもよい。m、nおよびp
は、通常、それぞれ1又は2(特に1)である場合が多
い。
【0026】前記ビシクロリン酸エステルには、例え
ば、2,6,7−トリオキサ−1−ホスホビシクロ
(2,2,2)オクタン−1−オキシド、2,6,7−
トリオキサ−1−ホスホビシクロ(2,2,2)オクタ
ン−4−メチル−1−オキシド、2,6,7−トリオキ
サ−1−ホスホビシクロ(2,2,2)オクタン−4−
エチル−1−オキシド、2,6,7−トリオキサ−1−
ホスホビシクロ(2,2,2)オクタン−4−ヘキシル
−1−オキシド、2,6,7−トリオキサ−1−ホスホ
ビシクロ(2,2,2)オクタン−4−ヘキサデシル−
1−オキシドなどの2,6,7−トリオキサ−1−ホス
ホビシクロ(2,2,2)オクタン−4−アルキル−1
−オキシド;2,6,7−トリオキサ−1−ホスホビシ
クロ(2,2,2)オクタン−4−ニトロ−1−オキシ
ド、2,6,7−トリオキサ−1−ホスホビシクロ
(2,2,2)オクタン−4−アミノ−1−オキシド、
2,6,7−トリオキサ−1−ホスホビシクロ(2,
2,2)オクタン−4−メタノール−1−オキシド、
2,8,9−トリオキサ−1−ホスホビシクロ(3,
3,1)ノナン−5−メチル−1−オキシド、2,6,
7−トリオキサ−1−ホスホビシクロ(2,2,1)ヘ
プタン−4−ヘキサデシル−1−オキシドなどが含まれ
る。これらのビシクロリン酸エステルは、単独で又は二
種以上組み合わせて使用できる。好ましいビシクロリン
酸エステルには、2,6,7−トリオキサ−1−ホスホ
ビシクロ(2,2,2)オクタン−4−メタノール−1
−オキシドなどが含まれる。ビシクロリン酸エステルの
使用量は、例えば、樹脂100重量部に対して0.1〜
25重量部、好ましくは1〜20重量部、さらに好まし
くは5〜15重量部程度である。
【0027】前記多価アルコールには、複数のヒドロキ
シル基(例えば、3又は4以上のヒドロキシル基)を有
する環状又は非環状化合物、例えば、ペンタエリスリト
ール、ジペンタエリスリトール、トリペンタエリスリト
ール、ペンチトール類(アドニトール、アラビトールな
ど)、ヘキシトール類(ズルシトール、イノシトールな
ど)、およびサッカリド類(アミロース、キシランな
ど)およびこれらの誘導体(例えば、N−メチルグルカ
ミンなど)などが含まれる。これらの多価アルコールは
単独で又は二種以上混合して使用できる。好ましい多価
アルコールにはペンタエリスリトール、ジペンタエリス
リトールなどが含まれる。多価アルコールの使用量は、
例えば、樹脂100重量部に対して0.1〜25重量
部、好ましくは1〜20重量部、さらに好ましくは5〜
20重量部(例えば、5〜15重量部)程度である。
【0028】前記難燃剤は、さらにシリコーンオイルを
含んでいてもよい。スチレン系樹脂などにおいては、シ
リコーンオイルの添加により耐衝撃性が改善する。シリ
コーンオイルには、種々のポリシロキサンが含まれ、例
えば、流動性シリコーンおよびシリコーンガムのいずで
あってもよい。シリコーンオイルには、例えば、ポリジ
メチルシロキサンなどのポリジアルキルシロキサン、ポ
リジフェニルシロキサンなどのポリジアリールシロキサ
ン、ポリメチルフェニルシロキサンなどのポリアルキル
アリールシロキサンなどが含まれる。シリコーンオイル
のケイ素原子には、水素原子、ヒドロキシル基、アルコ
キシ基、アリール基、ビニル基又はアリル基などが結合
していてもよい。これらのシリコーンオイルは単独で又
は二種以上混合して使用できる。好ましいシリコーンオ
イルにはポリジメチルシロキサンが含まれる。シリコー
ンオイル(オルガノポリシロキサン)の粘度は、例え
ば、温度25℃で600〜300,000,000センチポイズ、好ま
しくは10,000〜200,000センチポイズ、さらに好ましく
は90,000〜150,000センチポイズ程程度である。シリコ
ーンオイルの使用量は、例えば、樹脂100重量部に対
して0〜25重量部、好ましくは0.1〜15重量部、
さらに好ましくは1〜10重量部(例えば、0.5〜1
0重量部)程度である。なお、必要に応じて、上記シリ
コーンオイルとともに、又はシリコーンオイルを用いる
ことなく、シリコーン樹脂を用いてもよい。
【0029】さらに、リン酸メラミンは、有機リン酸エ
ステル及びモリブデン化合物のうち好くなくとも一方の
成分と組み合わせることにより難燃剤としてもよい。有
機リン酸エステル(非環状ホスフェート系難燃剤)に
は、モノホスフェート、ジホスフェートおよびトリホス
フェートが含まれ、トリホスフェートが好ましい。有機
リン酸エステルには縮合したリン酸エステルも含まれ
る。有機リン酸エステルには、トリフェニルホスフェー
ト、トリキシレニルホスフェートなどのなどのトリアリ
ールホスフェート、イソプロピルトリフェニルホスフェ
ートなどのアルキルアリールホスフェート、トリブチル
ホスフェートなどのトリアルキルホスフェートなどが含
まれる。これらの有機リン酸エステルは一種又は二種以
上混合して使用できる。好ましい有機リン酸エステルに
は、トリアリールホスフェート(トリフェニルホスフェ
ート、炭素数1〜4程度の低級アルキル基がベンゼン環
に1〜3個程度置換したトリフェニルホスフェートな
ど)が含まれる。リン酸エステルの使用量は、例えば、
樹脂100重量部に対して0〜25重量部、好ましくは
0.1〜20重量部(例えば、0.5〜15重量部)、
さらに好ましくは1〜10重量部(例えば、5〜10重
量部)程度である。
【0030】モリブデン化合物には、例えば、三酸化モ
リブデンなどの酸化物、二硫化モリブデンなどの硫化
物、ジモリブデン酸アンモニウム、モリブデン酸カルシ
ウム、モリブデン酸亜鉛、モリブデン酸カリウム、モリ
ブデン酸ナトリウムなどのモリブデン酸塩などが含まれ
る。これらの化合物も一種又は二種以上使用できる。モ
リブデン化合物としては三酸化モリブデンなどの酸化物
を用いる場合が多い。モリブデン化合物の使用量は、例
えば、前記樹脂100重量部に対して0〜10重量部、
好ましくは0.01〜10重量部(例えば、0.1〜5
重量部)、さらに好ましくは0.5〜5重量部程度であ
る。
【0031】前記難燃剤は、さらにフッ素含有樹脂など
を含んでいてもよい。フッ素含有樹脂としては、例え
ば、ポリテトラフルオロエチレン、ポリフッ化ビニリデ
ン、テトラフルオロエチレン−ヘキサフルオロプロピレ
ン共重合体、エチレン−テトラフルオロエチレン共重合
体、エチレン−ヘキサフルオロプロピレン共重合体など
が挙げられる。これらのフッ素含有樹脂のフッ素含有量
は、65〜76重量%、好ましくは70〜76重量%程
度である。また、フッ素含有樹脂の密度は1.2〜2.
3g/cm3程度である場合が多い。フッ素含有樹脂
は、通常、粉粒状で使用され、フッ素含有樹脂の粒径
は、例えば、平均粒径0.05〜1000μm、好まし
くは0.05〜100μm、さらに好ましくは0.08
〜20μm程度である。フッ素含有樹脂の使用量は、ド
リッピングを抑制できる範囲で選択でき、例えば、前記
樹脂100重量部に対して0〜10重量部、好ましくは
0.01〜10重量部(例えば、0.1〜5重量部)、
さらに好ましくは0.1〜1重量部程度である。
【0032】なお、難燃剤をリン酸メラミンと他の成分
とで構成する場合、難燃剤の使用量は、難燃剤の構成成
分に応じて、樹脂100重量部に対して1〜150重量
部、好ましくは5〜125重量部、さらに好ましくは1
0〜100重量部(例えば、20〜70重量部)程度で
ある。
【0033】好ましい難燃剤には、(1)リン酸メラミ
ン、(2)リン酸メラミンとビシクロリン酸エステル及
び/又は多価アルコールとの組み合わせ、(3)リン酸
メラミンとビシクロリン酸エステル及び/又は多価アル
コールとシリコーンオイルとの組み合わせ、(4)前記
(2)及び(3)の成分に加えて、さらにモリブデン化
合物、リン酸エステルおよびフッ素含有樹脂から選ばれ
た少なくとも一種の成分を添加した組み合わせなどが含
まれる。なお、前記(4)の組み合わせにおいては、モ
リブデン化合物およびリン酸エステルの少なくともいず
れか一方を添加する場合が多い。また、フッ素含有樹脂
の添加は、溶融軟化に伴うドリッピングを防止するため
に有効である。
【0034】前記リン酸メラミンおよび難燃剤は、種々
の樹脂を難燃化する上で有用である。本発明の組成物に
おける前記樹脂としては、例えば、オレフィン系ポリマ
ー[例えば、C2-10−α−オレフィンの単独又は共重合
体、C2-10−α−オレフィンと重合性単量体(ビニル系
単量体、(メタ)アクリル系単量体など)との共重合
体、例えば、ポリエチレン、ポリプロピレン、エチレン
−プロピレン共重合体、エチレン−酢酸ビニル共重合
体、エチレン−(メタ)アクリル酸共重合体、エチレン
−(メタ)アクリル酸アルキルエステル共重合体な
ど]、ジエン系ポリマー(ポリブタジエンなど)、ビニ
ル系樹脂(ポリ塩化ビニル、ポリ酢酸ビニルなど)、ア
クリル系樹脂(ポリメタクリル酸メチル、メタクリル酸
メチル−スチレン共重合体など)、スチレン系樹脂(ポ
リスチレンなど)、ポリエステル(ポリエチレンテレフ
タレート、ポリブチレンテレフタレート、液晶性ポリエ
ステルなど、特にポリアルキレンテレフタレートや、ア
ルキレンテレフタレート単位を主成分とするコポリエス
テル)、ポリアミド(ポリアミド6,ポリアミド66,
ポリアミド611,ポリアミド612などの脂肪族ポリ
アミド、芳香族ポリアミドなど)、ポリカーボネート
(ビスフェノールA型ポリカーボネートなど)、熱可塑
性ポリウレタン(ポリエーテルジオール、ポリエステル
ジオールなどをジオール成分とするポリウレタンな
ど)、ポリフェニレンオキサイド、ポリエーテル、ポリ
アセタール、ポリフェニレンエーテル、ポリスルホン、
ポリエーテルスルホン、ポリエーテルイミド、ポリアミ
ドイミドなどの熱可塑性樹脂のみならず、エポキシ樹脂
(ビスフェノールA型エポキシ樹脂など)、ビニルエス
テル樹脂、フェノール樹脂、アミノ樹脂(尿素樹脂、メ
ラミン樹脂など)、熱硬化性ポリウレタン、不飽和ポリ
エステル、ポリイミドなどの熱硬化性樹脂が挙げられ
る。
【0035】好ましい樹脂には、オレフィン系ポリマ
ー、アクリル系樹脂、スチレン系樹脂、ポリエステル、
ポリアミド、ポリカーボネート、熱可塑性ポリウレタ
ン、ポリフェニレンオキサイド、ポリエーテル、ポリア
セタール、ポリフェニレンエーテル、ポリスルホン、ポ
リエーテルスルホン、ポリエーテルイミド、ポリアミド
イミドなどの熱可塑性樹脂、特にスチレン系樹脂が含ま
れる。スチレン系樹脂には、スチレン、α−メチルスチ
レン、ビニルトルエンなどのスチレン系単量体の単独重
合体又は共重合体、スチレン系単量体とビニル単量体と
の共重合体、ゴム成分X(例えば、ポリブタジエンなど
のジエン系ゴム、エチレン/プロピレン系ゴム、アクリ
ル系ゴム、エチレン−酢酸ビニル共重合体など)の存在
下、スチレン系単量体とビニル単量体とをグラフト重合
させたグラフト重合体、スチレン系ブロック共重合体な
どが含まれる。上記ビニル単量体には、アクリロニトリ
ルなどのシアン化ビニル、アクリル酸、メタクリル酸、
メタクリル酸メチルなどの(メタ)アクリル系単量体、
無水マレイン酸、マレイミド又はその誘導体(例えば、
フェニルマレイミドなど)などが含まれ、ビニル単量体
は少くとも一種使用できる。スチレン系樹脂としては、
例えば、ポリスチレン、スチレン−メタクリル酸メチル
共重合体、スチレン−無水マレイン酸共重合体、アクリ
ロニトリル−スチレン共重合体(AS樹脂)、耐衝撃性
ポリスチレン、スチレン系グラフト重合体であるAXS
樹脂(例えば、ゴム成分がポリブタジエンであるABS
樹脂、ゴム成分がアクリルゴムであるAAS樹脂、ゴム
成分がエチレン−プロピレンゴム(EPDM)であるA
ES樹脂など)、スチレン系ブロック共重合体(例え
ば、スチレン−ブタジエン−スチレン(SBS)共重合
体、スチレン−イソプレン−スチレン(SIS)共重合
体、スチレン−エチレン−ブチレン−スチレン(SEB
S)共重合体など)などが挙げられる。好ましいスチレ
ン系樹脂には、ポリスチレン、アクリロニトリル−スチ
レン共重合体、耐衝撃性ポリスチレン、ABS樹脂など
のAXS樹脂、スチレン系ブロックコポリマーが含まれ
る。これらのスチレン系樹脂は一種又は二種以上混合し
て使用できる。
【0036】本発明の難燃性樹脂組成物は、少くとも前
記樹脂とリン酸メラミンとを混合することにより調製で
きる。混合においては、例えば、ヘンシェルミキサー、
タンブラーミキサー、ニーダーなどの慣用の混合機を用
いて各成分を乾式又は湿式で混合してもよい。樹脂が熱
可塑性樹脂である難燃性樹脂組成物は、通常、前記混合
機で予備混合した後、押出し機で混練したり、加熱ロー
ルやバンバリーミキサーなどの混練機で溶融混練して調
製する場合が多い。溶融混練は、各成分に応じた適当な
条件、例えば、80〜300℃、好ましくは100〜2
50℃程度の温度で行なうことができる。
【0037】本発明の難燃性樹脂組成物は、慣用の添加
剤、例えば、酸化防止剤、紫外線吸収剤、耐光安定剤な
どの安定化剤、可塑剤、帯電防止剤、滑剤、充填剤、耐
衝撃改良剤、充填剤、補強剤、着色剤、色相改良剤など
を含んでいてもよい。本発明の難燃性樹脂組成物は、押
出し成形、射出成形などの種々の成形法により難燃性が
要求される種々の成形品を製造する上で有用である。
【0038】
【発明の効果】本発明の難燃性樹脂組成物は、示差熱分
析における特定の吸熱特性及びX線回折スペクトルを示
すリン酸メラミンを含んでいるので、スチレン系樹脂な
どの種々の樹脂に高い難燃性を付与できる。また、非ハ
ロゲン系化合物であるため、難燃性樹脂組成物は、腐食
性や有毒性ガスを発生することがないだけでなく、難燃
性が高い。そのため、比較的少量の添加により樹脂組成
物の難燃性を高めることができ、耐衝撃性などの機械的
特性に悪影響を及ぼすことがない。本発明の方法では、
リン酸メラミンと樹脂とを混合するという簡単な操作
で、前記の如き優れた特性を有する樹脂組成物を得るこ
とができる。
【0039】
【実施例】以下に、実施例に基づいて本発明をより詳細
に説明するが、本発明はこれらの実施例により限定され
るものではない。 調製例1(リン酸メラミンMP1の調製) 撹拌機、還流冷却管、および温度計を備えたジャケット
付き反応器に、メラミン100g(0.79モル)およ
び水3500gを仕込んだ後、撹拌下、90℃に昇温し
た。次いで、85重量%オルトリン酸水溶液91.5g
(0.79モル)を30分かけて滴下し、90℃で1時
間反応させた。反応混合液を25℃に冷却し、スリラー
状の反応混合液を取出して濾過することにより白色結晶
が得られた。この結晶を水200gで水洗し、濾過する
ことにより白色のリン酸メラミンの湿結晶195gが得
られた。この湿結晶を熱風乾燥機にて180℃で2時間
乾燥することにより、リン酸メラミン140gが得られ
た。図1に得られたリン酸メラミンの示差熱分析曲線、
図6にX線回折スペクトルを示す。
【0040】調製例2(リン酸メラミンMP2の調製) 撹拌機、還流冷却管、および温度計を備えたジャケット
付き反応器に、メラミン100g(0.79モル)およ
び水3500gを仕込んだ後、撹拌下、95℃に昇温し
た。次いで、85重量%オルトリン酸水溶液91.5g
(0.79モル)を15分かけて滴下し、還流下で1時
間反応させた。反応混合液を25℃に冷却し、スリラー
状の反応混合液を取出して濾過することにより白色結晶
が得られた。この結晶を水200gで水洗し、濾過する
ことにより白色のリン酸メラミンの湿結晶198gが得
られた。この湿結晶を熱風乾燥機にて200℃で1時間
乾燥することにより、リン酸メラミン138gが得られ
た。 調製例3(リン酸メラミンMP3の調製) 調製例2と同様の反応条件及び後処理により得られたリ
ン酸メラミンの湿結晶195gを、撹拌式減圧乾燥機を
用いて、ジャケット温度90℃、1torrで10時間乾燥
することにより、リン酸メラミン137gを得た。図2
に得られたリン酸メラミンの示差熱分析曲線、図7にX
線回折スペクトルを示す。
【0041】調製例4(リン酸メラミンMP4の調製) 撹拌機、還流冷却管、および温度計を備えたジャケット
付き反応器に、メラミン100g(0.79モル)およ
び水3000gを仕込んだ後、撹拌下、95℃に昇温し
た。次いで、85重量%オルトリン酸水溶液82.4g
(0.71モル)を15分かけて滴下し、還流下で15
分間反応させた。反応混合液を25℃に冷却し、スリラ
ー状の反応混合液を取出して濾過することにより白色の
リン酸メラミンの湿結晶200gが得られた。この湿結
晶を熱風乾燥機にて150℃で2時間乾燥することによ
り、リン酸メラミン141gが得られた。
【0042】調製例5(リン酸メラミンMP5の調製) 撹拌機、還流冷却管、および温度計を備えたジャケット
付き反応器に、メラミン100g(0.79モル)およ
び水2000gを仕込んだ後、撹拌下、95℃に昇温し
た。次いで、85重量%オルトリン酸水溶液73.2g
(0.63モル)を15分かけて滴下し、還流下で15
分間反応させた。反応混合液を25℃に冷却し、スリラ
ー状の反応混合液を取出して濾過することにより白色の
リン酸メラミンの湿結晶192gが得られた。この湿結
晶を熱風乾燥機にて150℃で2時間乾燥することによ
り、リン酸メラミン135gが得られた。
【0043】比較調製例1(リン酸メラミンmp1の調
製) 撹拌機、還流冷却管、および温度計を備えたジャケット
付き反応器にメラミン100g(0.79モル)および
水3500gを仕込んだ後、90℃に昇温した。次い
で、85重量%オルトリン酸水溶液101g(0.88
モル)を30分間かけて滴下し、90℃で1時間反応さ
せた。反応混合液を25℃に冷却し、スリラー状の反応
混合液を取出して濾過することにより白色結晶が得られ
た。この結晶を水200gで水洗し、濾過することによ
り、白色のリン酸メラミンの湿結晶223gが得られ
た。この湿結晶を180℃で2時間乾燥することによ
り、リン酸メラミン153gが得られた。図3にリン酸
メラミンの示差熱分析曲線、図8にX線回折スペクトル
を示す。
【0044】比較調製例2(リン酸メラミンmp2の調
製) 撹拌機、還流冷却管、および温度計を備えたジャケット
付き反応器にメラミン100g(0.79モル)および
水3500gを仕込んだ後、90℃に昇温した。次い
で、85重量%オルトリン酸水溶液137g(1.19
モル)を30分間かけて滴下し、90℃で1時間反応さ
せた。反応混合液を25℃に冷却し、スリラー状の反応
混合液を取出して濾過することにより白色結晶が得られ
た。この結晶を水200gで水洗し、濾過することによ
り、白色のリン酸メラミンの湿結晶203gが得られ
た。この湿結晶を180℃で2時間乾燥することによ
り、リン酸メラミン155gが得られた。図4にリン酸
メラミンの示差熱分析曲線、図9にX線回折スペクトル
を示す。
【0045】比較調製例3(リン酸メラミンmp3) 市販品のリン酸メラミン(三和ケミカル(株)製,商品
名MPP−A)を用いた。図5にリン酸メラミンの示差
熱分析曲線、図10にX線回折スペクトルを示す。
【0046】[熱分析及びX線回折]前記調製例及び比
較調製例で得られたリン酸メラミンの示差熱分析を、熱
重量−示差熱測定装置(リガク(株)製,サーモフレッ
クス8110)を用いて室温から500℃まで10℃/
分の昇温速度で行なった。表1に、観測された吸熱ピー
クのうち、主要な3つのピークの観測位置(温度℃)を
示す。また、前記リン酸メラミンのX線回析スペクトル
を、X線回析装置(リガク(株)製,RINT−150
0)を用いて測定した。表1に、観測された回析ピーク
のうち、最大強度を示すピークから順に、上位3本の主
要ピークの回析角2θ(°)を示す。
【0047】実施例1〜5および比較例1〜3 耐衝撃性ポリスチレン(HIPS,ポリブタジエン含量
9重量%,ポリスチレンの重量平均分子量23×1
4)100重量部に、前記リン酸メラミン30重量
部、ジペンタエリスリトール10重量部および2,6,
7−トリオキサ−1−ホスホビシクロ(2,2,2)オ
クタン−4−メタノール−1−オキシド10重量部を添
加してタンブラーブレンダーで混合した後、押出機にて
溶融混練し、ペレット状の樹脂組成物を得た。射出成形
機(シリンダー温度200℃、金型温度50℃)を用
い、得られたペレット状樹脂組成物から一般物性用試験
片を作製し、次のようにして、試験片の特性を測定し
た。結果を表1に示す。
【0048】(1)耐衝撃強度 厚み1/4インチの試験片についてノッチ無しのアイゾ
ット衝撃強度を評価した。
【0049】(2)難燃性 米国UL規格に規定されている垂直燃焼性試験(94V
−0)に準拠し、厚み1/8インチの試験片の難燃性を
評価した。
【0050】
【表1】 表1から明らかなように、調製例で得られたリン酸メラ
ミンを用いると、耐衝撃性などに悪影響を及ぼすことな
く、耐炎性を格段に改善でき、高い難燃性を樹脂に付与
できる。
【0051】実施例6〜9 耐衝撃性ポリスチレン(HIPS,ポリブタジエン含量
9%,ポリスチレンの重量平均分子量23×104)、
調製例1で得られたリン酸メラミン、ペンタエリスリト
ール(日本合成化学工業(株))、2,6,7−トリオ
キサ−1−ホスホビシクロ(2,2,2)オクタン−4
−メタノール−1−オキシド(PEPA)、シリコーン
オイル(東芝シリコーン(株),TSF451−10
M)、三酸化モリブデン(日本無機化学工業(株))、
トリフェニルホスフェート(大八化学工業(株))、粉
状フッ素含有樹脂(三井デュポンフロロケミカル
(株),テフロン6−J)を表2に示す割合で、タンブ
ラーブレンダーを用いて混合した後、押出機にて溶融混
練しペレット状の樹脂組成物を得た。次いで、射出成形
機(シリンダー温度200℃、金型温度50℃)で試験
片を作成し、前記と同様にして衝撃強度、難燃性を評価
するとともに、ブリード性および分散性を次のようにし
て評価した。
【0052】(3)ブリード性 成型品表面への滲出物(添加物など)の有無を目視で評
価した。 ○:表面のベトツキおよび異常がない ×:ベトツキがある (4)分散性 成型品表面に、分散不良に伴う白点や黒点などの凝集物
の存在の有無を目視で評価した。 ○:分散良好(外観良好) ×:分散不良(外観不良) 結果を表2に示す。
【0053】
【表2】 表2から明らかなように、調製例で得られたリン酸メラ
ミンと他の難燃剤成分とを組み合わせても、耐衝撃性な
どに悪影響を及ぼすことなく、難燃性を大きく改善でき
る。
【図面の簡単な説明】
【図1】図1は調製例1で得られたリン酸メラミンの示
差熱分析曲線を示す図である。
【図2】図2は調製例3で得られたリン酸メラミンの示
差熱分析曲線を示す図である。
【図3】図3は比較調製例1で得られたリン酸メラミン
の示差熱分析曲線を示す図である。
【図4】図4は比較調製例2で得られたリン酸メラミン
の示差熱分析曲線を示す図である。
【図5】図5は比較調製例3のリン酸メラミンの示差熱
分析曲線を示す図である。
【図6】図6は調製例1のリン酸メラミンのX線回折ス
ペクトルを示す図である。
【図7】図7は調製例3のリン酸メラミンのX線回折ス
ペクトルを示す図である。
【図8】図8は比較調製例1のリン酸メラミンのX線回
折スペクトルを示す図である。
【図9】図9は比較調製例2のリン酸メラミンのX線回
折スペクトルを示す図である。
【図10】図10は比較調製例3のリン酸メラミンのX
線回折スペクトルを示す図である。
───────────────────────────────────────────────────── フロントページの続き (58)調査した分野(Int.Cl.7,DB名) C07F 9/6521 C08L 1/00 - 101/16

Claims (21)

    (57)【特許請求の範囲】
  1. 【請求項1】 示差熱分析法により昇温速度10℃/分
    で測定したとき、吸熱域が290±10℃、320±1
    0℃および390±10℃に観測されるリン酸メラミン
    と、樹脂とを含む難燃性樹脂組成物。
  2. 【請求項2】 290±10℃の吸熱域での吸熱ピーク
    の高さをPh1、320±10℃の吸熱域での吸熱ピーク
    の高さをPh2、および390±10℃の吸熱域での吸熱
    ピークの高さをPh3とするとき、リン酸メラミンの吸熱
    ピークがPh1<Ph2<Ph3の順に大きい請求項1記載の
    難燃性樹脂組成物。
  3. 【請求項3】 リン酸メラミンが、320±10℃およ
    び390±10℃の温度域でシャープな吸熱ピークを示
    し、290±10℃の温度域でシャープ又はブロードな
    吸熱域を示す請求項1記載の難燃性樹脂組成物。
  4. 【請求項4】 X線回析スペクトルにおいて、回析角2
    θが17.5±0.5°、19.3±0.5°および2
    4.9±0.5°である領域にピークが観測されるリン
    酸メラミンと、樹脂とを含む難燃性樹脂組成物。
  5. 【請求項5】 2θ=17.5±0.5°のピークの高
    さをPx1、2θ=19.3±0.5°のピークの高さを
    Px2、2θ=24.9±0.5°のピークの高さをPx3
    とするとき、回析スペクトルにおけるリン酸メラミンの
    強度がPx1>Px3>Px2の順に小さい請求項4記載の難
    燃性樹脂組成物。
  6. 【請求項6】 リン酸メラミンが、2θ=17.5±
    0.5°のピークPx1が回析スペクトル中で最大強度を
    示し、2θ=24.9±0.5°のピークPx3が回析ス
    ペクトル中で第2位又は第3位の強度を示すX線回析パ
    ターンを有する請求項4記載の難燃性樹脂組成物。
  7. 【請求項7】 リン酸メラミンの窒素(N)とリン(P)との
    原子比(N/P)が6.2〜7.8である請求項1〜6のい
    ずれかの項に記載の難燃性樹脂組成物。
  8. 【請求項8】 下記の特性を有するリン酸メラミンと樹
    脂とを含む難燃性樹脂組成物。示差熱分析法により昇温
    速度10℃/分で測定したとき、290±10℃、32
    0±10℃、および390±10℃に吸熱域が観測さ
    れ、X線回析スペクトルにおいて、回析角2θ=17.
    5±0.5°、2θ=19.3±0.5°および2θ=
    24.9±0.5°の領域に、ピークが観測されるとと
    もに、窒素(N)とリン(P)との原子比(N/P)が6.2〜
    7.8である。
  9. 【請求項9】 樹脂が、オレフィン系ポリマー、ジエン
    系ポリマー、ビニル系樹脂、アクリル系樹脂、スチレン
    系樹脂、ポリエステル、ポリアミド、ポリカーボネー
    ト、熱可塑性ポリウレタン、ポリフェニレンオキサイ
    ド、ポリエーテル、ポリアセタール、ポリフェニレンエ
    ーテル、ポリスルホン、ポリエーテルスルホン、ポリエ
    ーテルイミドおよびポリアミドイミドからなる群から選
    択された少くとも1つの熱可塑性樹脂である請求項1記
    載の難燃性樹脂組成物。
  10. 【請求項10】 樹脂がスチレン系樹脂である請求項1
    記載の難燃性樹脂組成物。
  11. 【請求項11】 リン酸メラミンの割合が、樹脂100
    重量部に対して1〜100重量部である請求項1記載の
    難燃性樹脂組成物。
  12. 【請求項12】 さらに、下記式(I) 【化1】 (式中、Rは置換基を有していてもよいアルキル基,m
    は0〜2の整数、nおよびpはそれぞれ1〜3の整数を
    示す)で表されるビシクロリン酸エステルおよび多価ア
    ルコールのうち少なくとも一方の成分を含む請求項1,
    4又は8記載の難燃性樹脂組成物。
  13. 【請求項13】 ビシクロリン酸エステルの割合が、樹
    脂100重量部に対して0.1〜25重量部、多価アル
    コールの割合が、樹脂100重量部に対して0.1〜2
    5重量部である請求項12記載の難燃性樹脂組成物。
  14. 【請求項14】 さらにシリコーンオイルを含む請求項
    1,4,8及び12のいずれかの項に記載の難燃性樹脂
    組成物。
  15. 【請求項15】 シリコーンオイルの割合が、樹脂10
    0重量部に対して0.1〜15重量部である請求項11
    記載の難燃性樹脂組成物。
  16. 【請求項16】 さらにモリブデン化合物およびリン酸
    エステルのうち少なくとも一方の成分を含む請求項1,
    4,8,12及び14のいずれかの項に記載の難燃性樹
    脂組成物。
  17. 【請求項17】 リン酸エステルの割合が、樹脂100
    重量部に対して0.1〜20重量部、モリブデン化合物
    の割合が、樹脂100重量部に対して0.01〜10重
    量部である請求項16記載の難燃性樹脂組成物。
  18. 【請求項18】 さらにフッ素含有樹脂を含む請求項
    1,4,8,12,14及び16のいずれかの項に記載
    の難燃性樹脂組成物。
  19. 【請求項19】 フッ素含有樹脂の割合が、樹脂100
    重量部に対して0.01〜10重量部である請求項18
    記載の難燃性樹脂組成物。
  20. 【請求項20】 スチレン系樹脂100重量部に対し
    て、請求項1,4又は8記載のリン酸メラミン5〜75
    重量部、ビシクロリン酸エステル1〜20重量部、多価
    アルコール1〜20重量部、シリコーンオイル0〜25
    重量部、リン酸エステル0〜25重量部、モリブデン化
    合物0〜10重量部およびフッ素含有樹脂0〜10重量
    部を含む難燃性樹脂組成物。
  21. 【請求項21】 下記(A)〜(C)のいずれかのリン
    酸メラミンと、樹脂とを混合する難燃性樹脂組成物の製
    造方法。 (A)示差熱分析法により昇温速度10℃/分で測定し
    たとき、吸熱域が290±10℃、320±10℃およ
    び390±10℃に観測されるリン酸メラミン (B)X線回析スペクトルにおいて、回析角2θが1
    7.5±0.5°、19.3±0.5°および24.9
    ±0.5°である領域にピークが観測されるリン酸メラ
    ミン (C)示差熱分析法により昇温速度10℃/分で測定し
    たとき、吸熱域が290±10℃、320±10℃およ
    び390±10℃に観測され、X線回析スペクトルにお
    いて、回析角2θが17.5±0.5°、19.3±
    0.5°および24.9±0.5°である領域にピーク
    が観測されるとともに窒素(N)とリン(P)との原子比(N/
    P)が6.2〜7.8であるリン酸メラミン
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