JP3461619B2 - 断熱防水工法 - Google Patents

断熱防水工法

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JP3461619B2
JP3461619B2 JP11603495A JP11603495A JP3461619B2 JP 3461619 B2 JP3461619 B2 JP 3461619B2 JP 11603495 A JP11603495 A JP 11603495A JP 11603495 A JP11603495 A JP 11603495A JP 3461619 B2 JP3461619 B2 JP 3461619B2
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良三 澤西
周 井上
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アーキヤマデ株式会社
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Description

【発明の詳細な説明】
【0001】
【産業上の利用分野】この発明は、コンクリート打ち、
プレキャストコンクリート部材張り(PC板張り)など
の陸屋根、勾配屋根、ボールド屋根などの断熱防水工法
に関するものである。
【0002】
【技術的背景】建設工事又は土木工事の防水作業、例え
ば陸屋根の防水工事において、室内の断熱のため、防水
下地と防水層の間に断熱材を介在する場合がある。すな
わち、断熱防水工法とする場合がある。
【0003】例えば、陸屋根の場合、この発明の一実施
例を示す図1を参照して説明すると、防水下地1の上面
に断熱パネルなどの断熱材2を敷き、その上に防水シー
ト3を敷設する。
【0004】
【発明が解決しようとする課題】上記断熱防水工法にお
いて、従来では、図5に示すように、まず、防水下地1
の表面に接着剤11を塗布するとともに、断熱材2の裏
面にも接着剤12を塗布したのち、断熱材2を防水下地
1に敷設する。つぎに、その敷設した断熱材2の表面に
接着剤12を塗布するとともに、防水シート3の裏面に
も接着剤13を塗布したのち、防水シート3を断熱材2
表面に敷設して、断熱防水構造としている。
【0005】このとき、上記断熱材2表面及び防水シー
ト3の裏面に接着材12、13を塗布する作業は断熱材
2上で行われ、断熱材2は発泡ポリエチレンなどの電気
絶縁材料からなるため、塗布作業又は衣服の擦れなどに
よって、作業者の衣服に静電気が発生する。この静電気
は、作業者同士が触れると、放電現象を発生させ、作業
者に不快感を与えている。また、接着剤11、12、1
3の溶剤が揮発して滞留しておれば前記放電現象によっ
て引火する恐れがある。これは、室内のみならず、屋外
においても空気流れの悪い(風通しの悪い)所では生じ
る恐れがある。
【0006】また、防水下地1及び防水シート3の表面
と断熱材2の表面の粗さなどの性状の相違により、その
各表面に塗布する前記接着材11、13と接着剤12は
異なる性状のものを使用している。例えば、前者にニト
リルゴム(NBR)系、後者にクロロプレンゴム系を使
用している。この2種類の接着剤11、13及び12を
現場にて使い分けることは煩わしく、塗り誤ることもあ
り、また、管理も煩わしいものとなっている。
【0007】さらに、塩化ビニール系防水シート3は経
年変化により収縮する傾向にあり、収縮は、防水性劣化
につながるため、抑える必要がある。その収縮を抑える
には断熱材2と防水シート3の接着強度を高めればよ
い。
【0008】しかしながら、断熱材2は通常発泡材であ
るため、シート等に比較すると表面強度が弱いものが多
い。特に電子架橋による発泡ポリエチレンフォームの表
面は弱く、シートの収縮により断熱材2の表層が剥れる
恐れがあった。
【0009】この発明は、上記静電気による不都合をな
くすことを第1の課題とし、上記塩化ビニール製防水シ
ートの収縮を有効に防止することを第2の課題とする。
【0010】
【課題を解決するための手段】第1、第2の課題を解決
するために、この発明(請求項1)にあっては、防水下
地1の表面に接着剤11を塗布し、その上に断熱材2を
置き、前記接着剤11により前記防水下地1に前記断熱
材2を接合して敷設し、塩化ビニール系防水シート3の
裏面に接着剤13を塗布した後、その防水シート3を前
記断熱材2の表全面に敷き、前記接着剤13により前記
断熱材2の表全面に前記防水シート3を貼着する従来周
知の断熱防水工法において、上記断熱材2に、その表裏
全面に上記各接着剤11、13と親和なプライマー用接
着剤22を予めコーティングしたものを使用するととも
に、上記防水下地1及び防水シート3への各接着剤1
1、13の塗布層を、その断面くし目状にする構成とし
たのである(請求項1)。
【0011】また、第2の課題をより確実に解決するた
めに、この発明(請求項2)にあっては、上述の発明に
おいて、上記断熱材2の表面強度を0.5kg/cm2 以上
としたのである。
【0012】
【作用】このように構成するこの発明は、断熱材表裏面
に、工場において、その成形時に予めプライマー用接着
剤をコーティングし、それを現場にて使用する。このた
め、現場での、断熱材への接着剤塗布作業がなくなる。
また、防水下地と防水シートへの接着剤は同一のものを
使用し得て、その塗布作業は、防水下地の表面で行うこ
ととなるため、断熱材上の作業のように、静電気の発生
も極力少ない。
【0013】また、上記接着剤の塗布層が断面くし目状
であるため、その塗布層の表皮によって、凸状部に少な
からず溶剤が確保され、断熱材の圧着によって、前記表
皮が破れて、その溶剤が断熱剤の接着剤層側に入り込ん
で(溶け込んで)、その接着性を活性させる。この活性
化された接着剤によって、断熱材は防水シート及び防水
下地に確実に接合する。因みに、はけ、ロールなどによ
る接着剤塗布は、その塗布層が薄くなるため、凸状部が
形成されず、上記接着剤層の活性化は望めない。
【0014】断熱材の表面強度が少なくとも0.5kg/
cm2 以上であれば、防水シートの収縮を確実に抑えると
ともに、風圧力による剥れの恐れもなくなる。
【0015】
【発明の効果】この発明は以上のように構成し、上記の
作用によって以下の効果を発揮する。 現場での断熱材表面への接着剤塗布作業がなくな
り、同一の接着剤を使用し得るなど、作業性が向上す
る。 静電気の発生が抑えられるため、作業環境の向上に
つながる。 接着剤塗布層を断面くし目状とすることにより、接
着剤の活性化を図ることができ、断熱材の接合強度を高
めることができる。 断熱材の表面強度が0.5kg/cm2 以上である事に
より塩化ビニール系防水シートの経年収縮を有効に防止
し得る。
【0016】
【実施例】一実施例を図1乃至図5に示し、この実施例
は、陸屋根床面1から立ち上がり部1aの防水処理に係
るものであり、まず、図3に示すように、所定大きさ、
例えば、横:1000mm、縦:2000mm、厚さ:25
mmで、表面強度を0.5kg/cm2 以上の発泡ポリエチレ
ンフォーム又は発泡ポリプロピレンフォームなどの断熱
パネル2aの表裏全面に、例えば、クロロピレンゴム等
のプライマー用接着剤22を塗布する。この塗布は、工
場において断熱パネル2aの成形後に行う。塗布はロー
ルコーティングなどによる。
【0017】防水処理現場では、図1に示す、防水下地
1、1aの表面及び塩化ビニール製防水シート3の裏面
に、図3(a)に示すクシ目ゴテ4によって、例えばニ
トリルゴム系接着剤11、13を塗布する。その塗布面
は、図2(b)に示すように、その表面が波を打った、
断面くし目状のものとなる。このように、凸状部11
a、13aが塗布面に形成されると、その凸状部11
a、13aに溶剤が少なからず、揮発せずに留まること
となる。
【0018】したがって、図1に示すように、防水下地
1表面に所要枚の断熱パネル2aを敷き詰め(断熱パネ
ル2aの界線は省略している)、さらに、その上に防水
シート3を敷き、断熱防水構造をなすと、防水シート3
上面からの圧接により、前記凸状部11a、13aが破
れて、その内の溶剤が溶け出して、断熱材2側の接着剤
22側に移行する。このため、その接着剤22が活性化
されて、断熱材2が防水下地1及び防水シート3に強固
に接着する。断熱材2は、断熱パネル2aの毎に適宜に
アングル5によって固定する。
【図面の簡単な説明】
【図1】一実施例の切断要部斜視図
【図2】同実施例の作用説明図であり、(a)はクシ目
ゴテの平面図、(b)は塗布層の断面図
【図3】同実施例の断熱パネルの斜視図
【図4】同実施例の工法説明用概略斜視図
【図5】従来例の工法説明用概略斜視図
【符号の説明】
1 防水下地 2 断熱材 3 防水シート 4 クシ目ゴテ 11、12、13、22 接着剤 11a、13a 塗布層凸状部
───────────────────────────────────────────────────── フロントページの続き (56)参考文献 特開 平3−45682(JP,A) 特開 昭62−201238(JP,A) 特開 昭63−11754(JP,A) 実開 平6−39425(JP,U) (58)調査した分野(Int.Cl.7,DB名) E04D 5/00 - 11/00

Claims (2)

    (57)【特許請求の範囲】
  1. 【請求項1】 防水下地1の表面に接着剤11を塗布
    し、その上に断熱材2を置き、前記接着剤11により前
    記防水下地1に前記断熱材2を接合して敷設し、塩化ビ
    ニール系防水シート3の裏面に接着剤13を塗布した
    後、その防水シート3を前記断熱材2の表全面に敷き、
    前記接着剤13により前記断熱材2の表全面に前記防水
    シート3を貼着する断熱防水工法において、下記、
    の点を成したことを特徴とするもの。 上記断熱材2は、その表裏全面に上記各接着剤1
    1、13と親和なプライマー用接着剤22を予めコーテ
    ィングしている。 上記防水下地1及び防水シート3への各接着剤1
    1、13の塗布層を、その断面くし目状とする。
  2. 【請求項2】 上記断熱材2の表面強度は、0.5kg/
    cm2 以上であることを特徴とする請求項1に記載の断熱
    防水工法。
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