JP3554942B2 - 防水シート張設陸屋根等における床材張付け施工方法 - Google Patents
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Description
【産業上の利用分野】
この発明は、防水シート張設陸屋根等における床材張付け施工方法、とりわけ軟質塩化ビニル樹脂製の防水シートを張設した陸屋根等において、防水シート上面に、塩化ビニル樹脂を主材とする床材を張り付け、しかも補修または改修時に床材の剥離が容易である床材張付け施工方法に関するものである。
【0002】
【従来の技術】
従来、例えばコンクリート製建造物の陸屋根すなわちビルの屋上、あるいはまた集合住宅の外廊下、ベランダ等においては、軟質塩化ビニル樹脂製の防水シートをその最低必要部分のみ、防水すべき壁面に固定した接合体に接合し、残りの大部分を放置する、いわゆる絶縁工法によって張設している。
【0003】
このような防水シートが張設された陸屋根は、このままの状態では、防水シートの上面を人が歩行したりあるいはスポーツをしたりすると、防水シートが破れるので、従来は、防水シートの上面に、所要の強度を有する床材を張り付けて、人による歩行等が可能なようにしていた。
【0004】
ここで、防水シートと床材の接着には、従来はテトラヒドロフラン系溶剤型接着剤を用いていた。
【0005】
【発明を解決しようとする課題】
しかしながら、従来法によれば、防水シートと床材との接着にテトラヒドロフラン系溶剤型接着剤を用いていたため、接着力がきわめて強固であり、例えば使用により床材に傷がついたり、あるいは劣化したりして、床材を剥して補修または改修しようとすると、床材のみを剥がすことができず、補修作業が煩雑で、床材を部分的にあるいは全面的に張り替えるのに、多大な手間と、暇を要するという問題があった。
【0006】
この発明の目的は、上記の従来技術の問題を解決し、補修または改修時の床材の張替えのさいに、古い床材の剥離を簡単に行なうことができて、新しい床材の張替え作業を非常に容易にかつ迅速に、しかも仕上がりをきれいに行なうことができる、床材張付け施工方法を提供しようとするにある。
【0007】
【課題を解決するための手段】
この発明は、上記の目的を達成するために、軟質塩化ビニル樹脂製の防水シートを張設した陸屋根等において防水シートの上面に、塩化ビニル樹脂を主材とする床材を張り付ける施工方法であって、床材の張り付けのさいに、テトラヒドロフラン系溶剤型接着剤の基材75〜85重量%と、n−ヘキサン25〜15重量%とよりなる溶剤型接着組成物を用いることを特徴とする、防水シート張設陸屋根等における床材張付け施工方法を要旨としている。
【0008】
ここで、上記防水シートは、軟質塩化ビニル樹脂製シートよりなるものであり、これは、例えば幅約1〜2mを有する長尺のもので、その厚みは、通常約1.0〜2.5mmである。
【0009】
なお、隣り合う防水シートの側縁部の連結は、例えば一方の防水シートの側縁部の上に、他方の防水シートの側縁部を重ね合わせ、重ね合わせ状態において上側の防水シートの側縁部と、下側の防水シートの側縁部寄り部分を接合すれば良い。
【0010】
一方、上記床材は、塩化ビニル樹脂を主材として、これに通常ポリエステル、ポリエチレンのような合成樹脂繊維、あるいはガラス繊維の織布、不織布等の補強材が混入されたシートよりなるものであり、これは、例えば幅約1〜2mを有する長尺のもので、その厚みは、通常約1.0〜3.0mmである。床材の表面には、凹凸模様や印刷により装飾を施し、あるいは凹凸による滑止めを設けるのが望ましい。
【0011】
防水シートと床材との接合には、テトラヒドロフラン系溶剤型接着剤の基材75〜85重量%と、n−ヘキサン25〜15重量%とよりなる溶剤型接着組成物を用いる。
【0012】
ここで、テトラヒドロフラン系溶剤型接着剤の基材としては、テトラヒドロフラン単独、あるいはテトラヒドロフランと、これに5重量%以下の割合で添加されたメチルイソブチルケトンとの混合溶剤を用いる。
【0013】
また、テトラヒドロフラン系溶剤型接着剤の基材には、さらに3〜8重量%の割合の塩化ビニル樹脂もしくは塩化ビニルと酢酸ビニルとの共重合物よりなる樹脂を添加しても良い。
【0014】
ここで、上記テトラヒドロフラン系溶剤型接着剤の基材が75重量%未満で、n−ヘキサンが25重量%を越えると、接着力が低下し、防水シートと床材を充分に接着することができないので、好ましくない。またテトラヒドロフラン系溶剤型接着剤の基材が85重量%を越え、n−ヘキサンが15重量%未満であれば、補修時の張り替えのさいにいわゆる易剥離性を示さないので、好ましくない。
【0015】
床材を防水シートに接合後、防水シートに対する床材の剥離強度は、1.0〜3.0kg/20mm幅である必要がある。ここで、防水シートに対する床材の剥離強度が1.0kg/20mm幅未満であれば、接着力が小さく、防水シートと床材が充分に接着されないので、好ましくない。また床材の剥離強度が3.0kg/20mm幅を越えると、補修時の張り替えのさいに人手により剥がすことができなくなるので、好ましくない。
【0016】
また上記において、テトラヒドロフラン系溶剤型接着剤の基材にメチルイソブチルケトンを添加するのは、テトラヒドロフランの溶着速度を遅くし、床材の張付け施工時に施工ミスが発生した場合、容易に剥がすことができるからである。しかしながら、このようなメチルイソブチルケトンの添加量が5重量%を越えると、テトラヒドロフランの溶着速度が遅くなりすぎ、返って床材の張付け作業に時間がかゝるので、好ましくない。
【0017】
またテトラヒドロフラン系溶剤型接着剤の基材に、さらに添加する塩化ビニル樹脂もしくは塩化ビニルと酢酸ビニルとの共重合物よりなる樹脂の添加量は、3〜8重量%、好ましくは4〜6重量%である。
【0018】
ここで、樹脂の添加量が3重量%未満であれば、溶剤型接着組成物の接着力があまり向上しないので、好ましくない。また樹脂の添加量が8重量%を越えると、溶剤型接着組成物の接着力が強くなりすぎ、補修時の張り替えのさい床材の剥離が容易でなくなるので、好ましくない。
【0019】
なお、各床材の張付け施工のさいには、床材の周縁部に、例えば20〜40mm程度の幅の被接着部を残してこれの内側に接着剤流込み防止テープを張り付けておくと良い。このようなテープは、例えば片面に粘着剤を塗布したクラフト紙等であって、例えば5〜50mm幅を有し、かつ溶液型接着剤に対して接着性の無いものを使用する。この接着剤流込み防止テープは、通常、床材の下面に予め接合しておくものであるが、防水シートの上面所定位置に予め張り付けておき、このテープの上から床材を被せて接合する場合もある。
【0020】
このような接着剤流込み防止テープを使用することにより、床材は、これの周縁部もしくは周縁寄り部分が一定幅で防水シートの表面に接合されるので、床材張付け後の外観がきれいである。
【0021】
また、場合によっては、非接合用目地テープを、隣り合う床材の連結側縁部のうちのいずれか一方の下側に位置するように、あるいは両方の下側に跨がって位置するように配置しても良い。このような非接合用目地テープとしては、上記接着剤流込み防止テープと同素材のものを使用することができ、例えば片面に粘着剤を塗布したクラフト紙等よりなる5〜50mm幅のテープを使用する。目地テープは、床材の下面あるいは防水シートの上面のうちいずれの面に予め張り付けておいても、良い。
【0022】
このように、床材の周縁部の下面に非接合用目地テープを張り付けると、床材の連結部分において目地テープの幅に相当する一定幅の防水シート非接合部が形成され、該非接合部分では、防水シートが自由に伸縮し得るので、隣り合う床材の膨脹収縮に防水シートの非接合部がよく追従して、防水シートの破断を防止することができる。
【0023】
上記接着剤流込み防止テープと目地テープは、例えばいずれも粘着剤を塗布したクラフト紙よりなるものであるが、これは数μmの厚さを有するものである。また溶剤型接着組成物による接合層は、防水シートと床材とが低粘性の溶剤型接着組成物を介して直接接触し、防水シートおよび床材をそれぞれ構成する塩化ビニル樹脂が相互に溶け合って形成されるもので、その厚さは極薄いものである。
【0024】
なお、上記接着剤流込み防止テープや非接合用目地テープを用いることなく、床材の下面の全体もしくは所要の一部分に、上記溶剤型接着組成物を塗布して、床材を防水シートの上面に張り付ける場合もある。
【0025】
また、上記防水シートを陸屋根等の防水すべき壁に接合する接合体としては、硬質または半硬質の合成樹脂板、金属板、あるいは接着性を良くするために塩化ビニル樹脂を片面もしくは両面に被覆した鋼板等の板材を使用する。また、陸屋根のコンクリート壁等の中間部分では、例えば円形の接合体および平たい帯板状の接合体を使用し、コンクリート壁の角部では、横断面略L形の帯板状の接合体を使用する。
【0026】
接合体に、防水シートを接合する接着剤としては、上記床材と防水シートの場合と同様にテトラヒドロフラン系溶剤型接着組成物を使用すれば、良い。
【0027】
また、接合体を陸屋根のコンクリート壁等の防水すべき壁に固定する固定具としては、例えば開脚釘、カール・プラグ等を使用する。
【0028】
【作用】
上記床材張付け施工方法によれば、陸屋根等において防水シートの上面に床材を張り付けるさいに、テトラヒドロフラン系溶剤型接着剤の基材とn−ヘキサンとが所定の割合で配合された溶剤型接着組成物を用いているもので、テトラヒドロフラン系溶剤型接着組成物は、比較的低粘性で、その塗布作業が容易であるから、床材の張付け作業が容易であるとともに、床材を防水シートに接合後、防水シートに対する床材の剥離強度は、例えば1.0〜3.0kg/20mm幅程度であるから、床材を防水シートに充分に接合することができ、しかも補修または改修時の床材の張替えのさいには、古い床材の剥離を簡単に行なうことができて、新しい床材の張替え作業を容易にかつ迅速に行なうことができ、作業時間を大幅に短縮することができる。また仕上がりが非常にきれいである。
【0029】
またテトラヒドロフラン系溶剤型接着組成物による接合層は、防水シートおよび床材をそれぞれ構成する塩化ビニル樹脂が相互に溶け合って形成されたものであるから、耐水性と耐熱性が良好で、長期間すぐれた接着性を維持することができ、耐久性にすぐれている。
【0030】
また、テトラヒドロフラン系溶剤型接着剤の基材として、テトラヒドロフランにメチルイソブチルケトンを所定の割合で添加した混合溶剤を用いると、テトラヒドロフランによる溶着速度が遅くなり、例えば床材の張付け施工時に施工ミスが発生した場合などに、容易に剥がすことができる。
【0031】
また、テトラヒドロフラン系溶剤型接着剤の基材に、所定割合の塩化ビニル樹脂もしくは塩化ビニルと酢酸ビニルとの共重合物よりなる樹脂を添加すると、溶剤型接着組成物の接着力が向上する。
【0032】
【実施例】
つぎに、この発明の方法を図面を参照して説明する。
【0033】
まず図1において、陸屋根(1) の防水すべきコンクリート壁(2) の表面に、軟質塩化ビニル樹脂製の防水シート(3) を、周縁部および中間部の所要部分のみ接合体(図示略)に接合しかつ残りの大部分を放置して張設した。
【0034】
そして、この防水シート(3) の上面に、幅1320mmおよび厚み2.5mmの塩化ビニル樹脂を主材とする長尺の床材(4) を所要長さに切断して敷き並べるが、床材(4) の張付けには、テトラヒドロフラン系溶剤型接着剤の基材と、n−ヘキサンとよりなる溶剤型接着組成物を用いた。
【0035】
なおここで、上記テトラヒドロフラン系溶剤型接着剤の基材とn−ヘキサンとの配合量を種々変化させた溶剤型接着組成物について、防水シート(3) に対する床材(4) の接着試験を行ない、各種溶剤型接着組成物について剥離強度を測定し、得られた結果を下記表1に示した。
【0036】
テトラヒドロフラン系溶剤型接着剤の基材としては、実施例1〜3では、テトラヒドロフランに対して塩化ビニル樹脂5重量%を添加したものを使用した。また実施例4は、上記テトラヒドロフラン系溶剤型接着剤の基材に、さらに3重量%の割合でメチルイソブチルケトンを添加した混合溶剤を配合した溶剤型接着組成物を用いた場合を示している。
【0037】
【表1】
上記防水シート(3) と床材(4) の接着試験は、JIS K 6850の方法に準じて実施した。すなわち、接着試験は、20mm幅の床材(4) の試験片を、上記各種溶剤型接着組成物を用いて防水シート(3) に接着し、7日間経過後に、剥離速度10mm/分で引き剥がし、破断するまでの最大加重を測定し、剥離強度としたものである。
【0038】
上記表1の結果から、防水シート(3) に対する床材(4) の剥離強度が1.0〜3.0kg/20mm幅の範囲である実施例1〜4では、防水シート(3) に対する床材(4) の接着が充分に行なわれるとともに、補修時の張り替えのさいに床材(4) を人手により容易に剥がすことができる。これに対し、比較例1の場合のように、n−ヘキサンの添加量が多いと、床材(4) の接着力が弱く、接着不能となった。また逆に、比較例2の場合のように、n−ヘキサンの添加量が少ないと、床材(4) の接着は充分に行なわれるが、補修時の張り替えのさいに床材(4) を人手により剥がすことができないものである。
【0039】
つぎに、実際の陸屋根(1) における床材(4) の張付け施工現場において、防水シート(3) の上面に、幅1320mmおよび厚み2.0mmの塩化ビニル樹脂を主材とする長尺の床材(4) を所要長さに切断して敷き並べ、上記実施例4のテトラヒドロフラン系溶剤型接着組成物を用いて床材(4) を防水シート(3) の表面に接合した。
【0040】
なお各床材(4) の周縁部には、30mmの幅の被接着部(4a)を残してこれの内側に、片面に粘着剤を塗布したクラフト紙よりなる20mm幅の接着剤流込み防止テープ(6) を張り付けた(図1参照)。
【0041】
ついで、図2に示すように、連続して敷き並べる他方の接着剤流込み防止テープ(6) 付き床材(4) を用意し、この床材(4) 周縁部の被接着部(4a)に、上記と同じ実施例4のテトラヒドロフラン系溶剤型接着組成物を塗布し、図3に示すように、該被接着部(4a)を溶剤型接着組成物による接合層(5) を介して防水シート(3) に接合した。
【0042】
また、隣接床材(4)(4)同志の間の間隙にはシール材(7) を充填した。このシール材(7) としては、例えば防水シート(3) の構成素材である塩化ビニル樹脂をそのまゝテトラヒドロフランに溶解した高粘度のものであって、好ましくは2500〜3500cpsの粘度に調整されたものを使用した。
【0043】
上記床材(4) の張付け施工方法によれば、テトラヒドロフラン系溶剤型接着組成物は、比較的低粘性で、その塗布作業が容易であるから、床材(4) の張付け作業が容易である。そして床材(4) の接合後、防水シート(3) に対する床材(4) の剥離強度は、20℃において2.4kg/20mm幅であるから、床材(4) を防水シート(3) に充分に接合することができた。また1か月経過後に床材(4) を剥がすと、これを簡単に剥離することができ、新しい床材(4) の張付け作業を容易にかつ迅速に行なうことができ、作業時間を大幅に短縮することができた。また新しい床材(4) の張替えの仕上がりが非常にきれいであった。
【0044】
またテトラヒドロフラン系溶剤型接着組成物による接合層(5) は、防水シート(3) および床材(4) をそれぞれ構成する塩化ビニル樹脂が相互に溶け合って形成されたものであるから、耐水性と耐熱性が良好で、長期間すぐれた接着性を維持することができ、耐久性にすぐれている。
【0045】
また、テトラヒドロフラン系溶剤型接着剤の基材として、テトラヒドロフランにメチルイソブチルケトンを所定の割合で添加した混合溶剤を用いているので、テトラヒドロフランによる溶着速度が遅くなり、例えば床材(4) の張付け施工時に施工ミスが発生した場合などに、容易に剥がすことができる。
【0046】
また、テトラヒドロフラン系溶剤型接着剤の基材に、所定割合の塩化ビニル樹脂樹脂が添加されているので、溶剤型接着組成物の接着力が向上した。
【0047】
なお上記実施例のように、床材(4) の側縁部において接着剤流込み防止テープ(6) を用い、床材(4) の全周にわたってかつ該テープ(6) の外側において、床材側縁部(4a)が防水シート(3) の上面に上記溶剤型接着組成物による接合層(5) を介して接合されているから、床材周縁部(4a)の接合部分の幅が一定となり、従って床材(4) 張付け後の外観が非常にきれいである。
【0048】
なお、上記各実施例の陸屋根(1) の防水すべき壁(2) は、通常コンクリート製であるが、これはその他、プレキヤストコンクリート板、軽量気泡コンクリート板および木材等によりつくらていてもよい。
【0049】
また上記実施例においては、この発明による床材張付け施工方法を、陸屋根(1) に適用した場合について説明したが、この発明はその他、集合住宅の外廊下、あるいはベランダ等における防水シート張設床面上に、床材を張り付ける場合にも、全く同様に適用されるものである。
【0050】
【発明の効果】
この発明は、上述のように、軟質塩化ビニル樹脂製の防水シートを張設した陸屋根等において防水シートの上面に、塩化ビニル樹脂を主材とする床材を張り付ける施工方法であって、床材の張り付けのさいに、テトラヒドロフラン系溶剤型接着剤の基材75〜85重量%と、n−ヘキサン25〜15重量%とよりなる溶剤型接着組成物を用いることを特徴とするものである。
【0051】
このように、この発明の方法によれば、陸屋根等において防水シートの上面に床材を張り付けるさいに、テトラヒドロフラン系溶剤型接着剤の基材とn−ヘキサンとが所定の割合で配合された溶剤型接着組成物を用いているもので、テトラヒドロフラン系溶剤型接着組成物は、比較的低粘性で、その塗布作業が容易であるから、床材の張付け作業が容易であるとともに、床材を防水シートに接合後、防水シートに対する床材の剥離強度は、例えば1.0〜3.0kg/20mm幅程度であるから、床材を防水シートに充分に接合することができ、しかも補修または改修時の床材の張替えのさいには、古い床材の剥離を簡単に行なうことができて、新しい床材の張替え作業を容易にかつ迅速に行なうことができ、作業時間を大幅に短縮することができる。また仕上がりが非常にきれいである。
【0052】
またテトラヒドロフラン系溶剤型接着組成物による接合層は、防水シートおよび床材をそれぞれ構成する塩化ビニル樹脂が相互に溶け合って形成されたものであるから、耐水性と耐熱性が良好で、長期間すぐれた接着性を維持することができ、耐久性にすぐれている。
【0053】
また、テトラヒドロフラン系溶剤型接着剤の基材として、テトラヒドロフランにメチルイソブチルケトンを所定の割合で添加した混合溶剤を用いると、テトラヒドロフランによる溶着速度が遅くなり、例えば床材の張付け施工時に施工ミスが発生した場合などに、容易に剥がすことができる。
【0054】
また、テトラヒドロフラン系溶剤型接着剤の基材に、所定割合の塩化ビニル樹脂もしくは塩化ビニルと酢酸ビニルとの共重合物よりなる樹脂を添加すると、溶剤型接着組成物の接着力が向上する。
【0055】
なお、床材の側縁部において接着剤流込み防止テープを用い、該テープの外側において、床材の被接着部を防水シートの上面に上記溶剤型接着組成物による接合層を介して接合するものとすると、床材周縁の接合部分の幅が一定となり、床材張付け後の外観がより一層きれいである。
【0056】
そして、この発明の方法によれば、陸屋根等に張設した防水シートを床材によって充分保護することができ、従って例えば皮靴やハイヒールによる中歩行が可能であるとともに、バトミントン等のスポーツを充分行なうことができるという効果を奏する。
【図面の簡単な説明】
【図1】この発明の床材張付け施工方法を適用した陸屋根の実施例を示す要部拡大断面図で、床材の張付け前の状態を示している。
【図2】同要部拡大断面図で、1枚目の床材の張付け後の状態を示している。
【図3】同要部拡大断面図で、2枚目の床材の張付け後の状態を示している。
【符号の説明】
1 陸屋根
2 防水すべきコンクリート壁
3 軟質塩化ビニル樹脂製の防水シート
4 塩化ビニル樹脂製床材
4a 被接着部
5 溶剤型接着剤による接合層
6 接着剤流込み防止テープ
7 シール材
Claims (2)
- 軟質塩化ビニル樹脂製の防水シート(3) を張設した陸屋根(1) 等において防水シート(3) の上面に、塩化ビニル樹脂を主材とする床材(4) を張り付ける施工方法であって、床材(4) の張り付けのさいに、テトラヒドロフラン系溶剤型接着剤の基材75〜85重量%と、n−ヘキサン25〜15重量%とよりなる溶剤型接着組成物を用いることを特徴とする、防水シート張設陸屋根等における床材張付け施工方法。
- テトラヒドロフラン系溶剤型接着剤の基材が、テトラヒドロフランと、これに5重量%以下の割合で添加されたメチルイソブチルケトンとの混合溶剤よりなるものである、請求項1記載の床材張付け施工方法。
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