JP3460084B2 - 装飾及び／又は文字をガラス、ガラスセラミック及びセラミック製品に施すための装置 - Google Patents

Description

【発明の詳細な説明】

【０００１】

【発明の属する技術分野】本発明は、電子写真技術を使
用してガラス、ガラスセラミックあるいはセラミックの
製品に装飾及び／又は文字を付与する装置であって、 −静電気により帯電可能な光導電層を有する像ローラー
と、 −付与すべき前記装飾及び／又は文字に対応する静電気
帯電像を生成するための露光アセンブリーと、 −好適にはセラミックトナー用の供給容器及び該静電気
帯電像をこのトナーで現像するための装置と、 −前記像ローラと一方の側で直接接触し、前記トナー像
を受け取るようにされ、他方の側では前記ガラス、ガラ
スセラミックあるいはセラミックの製品と直接接触して
いる中間基材と、 −第一のコロナが前記中間基材に配置され、第二コロナ
が前記中間基材と前記製品との接触ゾーンの領域に配置
される少なくとも２つのコロナと、 −前記コロナによって前記製品に静電気的に転写された
トナー像を焼付ける加熱手段と、を有する装置に関す
る。

【０００２】

【従来の技術】ガラス、ガラスセラミック、あるいはセ
ラミックの製品に対して、望ましい美的印象を達成する
ように広範囲の装飾が施される。そのような製品では、
例えばユーザーに必要な情報を直接与えるために、説明
文、識別コード等も付与する必要がある。典型的な例と
して、レンジバーナー領域用のガラスセラミック板を挙
げることができる。この板はセラン（Ｃｅｒａｎ）等の
商標に加えて他の操作的及び資格的表示、また顧客の希
望に応じて、装飾、特に着色装飾も付けられている。こ
こでは用語「像（ｉｍａｇｅ)」でカバ−される上記の
装飾及び／又は文字を付加するために、種々の方法及び
装置が公知となっており、その内の２つの方法が当産業
でかなりの重みを有している。典型的な第一の方法は、
現在の印刷技術を使用してセラミック染料をガラスやセ
ラミック製品に直接捺印することである。例えば先ずふ
いても良い状態になるまで染料を乾燥し、その後、焼付
けを行なう。バーナー領域用の上記ガラスセラミック板
の場合には、染料の焼付けが、通常、セラミック化時に
行なわれる。従って、その場合、捺印は完成ガラスセラ
ミック板上にはなされず、セラミック化すべき中間加工
製品にすでに行なわれる。

【０００３】上記印刷プロセスに通常使用されるスクリ
ーン印刷では、先ずスクリーン印刷テンプレートを作る
必要がある。その目的のために、印刷フレーム上に止め
られる微細メッシュ組織又は金網のスクリーンの像の無
い場所を、紙から切り取ったテンプレートで覆うか、油
性インクを使用して描くか、あるいは写真技術で被覆す
る。次に、このスクリーン印刷テンプレートによって、
セラミック染料をガラスあるいはセラミック製品に直接
塗布する。この公知方法のスクリーン印刷テンプレート
の製造は単一商品の個々の製造には非常に複雑であり、
不経済である。さらに、スクレーパを利用してスクリー
ン印刷テンプレートの開いた隙間を通して手かあるいは
スクリーン印刷機で印刷用インクを塗布しなければなら
ない。スクリーン印刷工程はウェットプロセスでもあ
り、このプロセスでは印刷油でこねられたセラミック色
素染料を印刷インクとして使用し、それでドライヤーを
備えた比較的大きな高価な機械が必要とされ、さらに、
特にこの製造プロセスで必要とされる溶剤のために、作
業者保護及び環境汚染の大きな問題がある。印刷油中の
溶剤は比較的容易に蒸発し、それで複雑で高価な作業者
保護設備を製造しなければならず、その上、独立した濾
過システムが必要である。さらに、オフセット印刷の場
合のようにスクリーン印刷では、種々の色（シアン、マ
ゼンタ、イェロー、ブラック等）が連続する複数の印刷
作業が必要であり、これも非常に大きなシステムを必要
としてしまう。

【０００４】公知印刷プロセスでは、色の反復可能性が
大規模量産では最早保証できないという問題もあり、さ
らに、少数の商品を製造した後でも、すなわち約１００
回のの印刷作業の後でも、スクリーン印刷テンプレート
をクリーンにしなければならない。さらに、スクリーン
印刷では、施された着色圧痕の解像度はスクリーン印刷
テンプレートのスクリーンメッシュで限定される。その
結果として、プリントセラミック又はガラス製品はプリ
ントカラーの平滑性、均質性及び解像度に関して不満が
多くなる。さらに、所望の品質を達成する必要がある場
合、種々の特殊なインクの使用を多くする必要がある。

【０００５】第二の典型的な方法では、セラミック染料
がガラス及びセラミック製品には直接塗布されず、むし
ろアラビアゴムでコーティングした紙等の転写（転移）
手段に塗布される。このように用意されたこの転写手段
を、次に、所定位置のセラミックあるいはガラス製品に
載せて濡らす。その結果として、紙を除去することがで
き、インクを製品上に残すことができる。最後に、それ
自体公知の方法でその製品を焼成して、セラミックイン
クを製品に融着させる。これによってもセラミックある
いはガラス製品にプリントがなされる。この第二の典型
的な方法は転写法の原理で行なわれる。セラミックイン
クが、現在の印刷技術、特にスクリーン印刷を使用して
この転写手段に塗布されることは公知だが、この方法は
スクリーン印刷の前記欠点を有する。

【０００６】従って、公知セラミック印刷用インクの代
わりに、新規なセラミックトナー、すなわち、微細なセ
ラミック顔料粒子と、流動剤（ガラス）と、典型的な添
加物の結合剤樹脂からなり、電子写真技術再生プロセス
（電気複写プロセス）を使用する転写手段に利用される
セラミック染料組成物を使用するドイツ特許、ＤＥ４４
１３１６８Ｃ２にも開示されている。これらの設備を使
用して公知印刷プロセスの上記問題を解消する装飾セラ
ミックあるいはガラス製品を製造する方法を良好に作製
することができる。また、プリントの微細さ、解像度の
点で公知製品より優れた装飾セラミック及びガラス製品
を製造することができる。この公知方法は、転写手段へ
像を付与することも単純にする。セラミックあるいはガ
ラス製品へ付与される所望の像データを得ることによ
り、例えばデジタルカラースキャナーを使用して、ある
いはオリジナルなグラフィックデータを使用し、パソコ
ンを使用してこれらのデータをレーザープリンター等の
電子写真技術再生装置に移すことによって、たとえ製造
数が極めて少なくとも難なく着色の漸変やラスタリング
の変更の能力をユーザーが初めに有利に得ることができ
る。さらに、現代のコンピュータ技術で可能なグラフィ
ックス及び／又は変形の全てを転写手段に直接移すこと
ができる。

【０００７】この公知方法の決定的な不具合は、像を転
写手段からガラスあるいはセラミック製品に付与するた
めにこの転写手段が以降の方法ステップに関連して必要
となることである。像を製品に作製するための付随費用
は別にして、湿った転写手段に付いた像が、基材を適用
したり剥がした時にスリップする危険、すなわち転写法
でよく知られた問題もあり、そのため像が歪んで付与さ
れ、それで着色製品に必要な許容度に合致しなくなる。
転写手段を使用して像をタイルに付ける比較可能な電子
写真技術再生プロセスが国際特許ＷＯ９６／３４３１９
で開示されているが、この開示でも上記不具合が同程度
に当てはまる。この特許文献から、転写手段が転写法の
場合のように使用されない、装飾及び／又は文字をガラ
ス、ガラスセラミックあるいはセラミック製品（基材）
に付ける方法も公知になっている。言い換えれば装飾及
び／又は文字を直接基材に付ける方法が公知になってい
る。

【０００８】例えば、ドイツ特許ＤＥ１９７１８３０３
Ｃ１は、着色像あるいは装飾が設けられたガラスディス
クを製造する方法を開示しており、この方法では多色像
又は装飾の原形を塗布アンダーレイに付け、カラースキ
ャナーと、画像処理ソフトウェアと、インクジェットプ
ロッターの形態のカラープロッターとからなる再生シス
テムの使用により、そのインクジェットプロッターにベ
ーキングインクを使用してガラスディスクに転写する。
それから、塗布されるインクを高温で焼成する。この方
法には、インクジェットプロッターにより疎水性ガラス
面に塗布される間にガラス基板に塗布されるインクが流
れ始め、それで鮮明な外形を有する像と装飾を付与でき
ない欠点がある。欧州特許ＥＰ０８３４７８４Ａ１が、
また電子写真技術を使用してガラスあるいはセラミック
製品に装飾及び／又は文字を付ける装置を記載してい
る。この装置は以下： −静電気的に帯電可能な光導電層を有する像ローラー
と、 −塗布すべき装飾及び／又は文字に対応する静電像を生
成するための露光アセンブリーと、 −セラミックトナー用供給容器及びこのトナーで静電像
を現像するための装置と、 前記像ローラーと片側で接触し、トナー像を取り、他方
の側でガラス又はセラミック製品と接触してトナー像を
そのガラス又はセラミック製品上に直接転写する、エン
ドレスベルト又は移しローラーの形態の中間基材とから
構成されている。

【０００９】中間基材に付与されたトナー像のガラスあ
るいはセラミック製品への転写は、適切な加熱装置によ
りガラスあるいはセラミック製品との接触領域の中間基
材を片側で少なくとも１００℃の温度に加熱し、他方の
片側でガラスあるいはセラミック製品を少なくとも６０
℃に加熱することでなされる。この熱転写法において
は、中間基材上のトナーを溶融状態にし、その後、その
溶融トナーをガラスあるいはセラミック製品に転写され
る。しかし、この溶融プロセスのために、トナー従って
帯電像が幾分移動し、それによりこの方法でも、外形の
鮮明さに幾分改善の余地がある。その上、その溶融トナ
ーを中間基材から完全に除去することが容易ではなく、
そのためゴースト像ができる危険がある。

【００１０】日本特許ＪＰ０８−１４６８１９Ａから、
電子写真技術を使用して装飾及び／又は文字をガラス、
ガラスセラミックあるいはセラミック製品に付ける方法
及び、関連装置が公知であり、この技術はゴースト像の
危険がない鮮明な外形複写を可能とさせる。この公知方
法は以下の複数の工程（ｓｔｅｐ)を使用する。すなわ
ち、 −付与すべき装飾及び／又は文字に従って、光導電層を
設けた剛性基材を露光する工程と、 −この静電荷潜像を、対応トナー像を作製するために結
合剤で包まれたセラミック顔料からなるトナーで現像す
る工程と、 −このトナー像を中間基材に移転する工程と、 −この中間基材上のトナー像を、ガラス、ガラスセラミ
ック又はセラミック製品上に静電界を用いて移転する工
程と、この静電気的に転写したトナー像を焼付ける工程
である。この公知方法は以下の装置、すなわち、 −静電気的に帯電可能な光導電層を有する像ローラー
と、 −塗布すべき装飾及び／又は文字に対応する静電像を生
成するための露光アセンブリーと、 −セラミックトナー用供給容器及びこのトナーで静電像
を現像するための装置と、 −前記像ローラーと片側で接触し、トナー像を取るよう
にされ、他方の片側でガラス、ガラスセラミックあるい
はセラミック製品と直接接触するエンドレスベルトの形
態の中間基材と、 −第一コロナがエンドレスベルトに配置され、第二コロ
ナが前記エンドレスベルトとの製品の接触部位の領域に
配置される少なくとも２つのコロナと、 −前記コロナによって製品に静電気的に転写されたトナ
ー像を焼付けるための加熱手段とを有する装置により実
施される。

【００１１】上記ＪＰ０８−１４６８１９Ａの場合で
は、エンドレスベルトが中間基材として設けられてい
る。本質的にこのようなエンドレスベルトは、ある柔軟
性を有しており、そのため像ローラーと製品の接触によ
り変形を受け、それにより不安定であり、従って高精度
の許容度要件に合致する歪みの無い、特に大面積の像が
この製品に付与される場合には、要求通りに形成される
とは言えない。さらに、この公知の場合では、第二コロ
ナがエンドレスベルトと製品との間の接触ゾーンの隣の
製品上に配置されており、その結果としてエンドレスベ
ルト上の中間像の製品への静電気による転写には幾分改
善の余地がある。

【００１２】

【発明が解決しようとする課題】本発明の目的は、ＪＰ
０８−１４６８１９Ａから公知であり、冒頭に定義した
上記装置に基づいて歪みの無い、特に、高精度許容度要
件に合致する大きなサイズの像を製品に付与できるよう
にこの装置を具体化することである。

【００１３】

【課題を解決するための手段】この目的は本発明によれ
ば、寸法が安定した転写ローラーにより中間基材を形成
し、第二コロナを製品下方の直接接触ゾーン内に配置す
ることにより達成される。高精度許容度要件に合致する
好ましい歪みの無い像を特に大きなサイズの製品（０．
２５ｍ^２）に転写する必要がある場合には、中間基材媒
体について正確な形状及び安定した実施を達成すること
が重要である。この発明によれば、回転対称の剛体、す
なわち転写ローラーの使用により最良に達成される。こ
の転写ローラーはエンドレスベルトが受けるような歪み
を受けない。

【００１４】第二コロナが製品の下方で、転写ローラー
と製品との間の接触ゾーン内に配置されるために、エン
ドレスベルト上に配置された中間像の製品への静電気に
よる転写がかなり改善される。本発明の改善点は、装置
は、転写ローラーとの接触ゾーン内にある製品の下で、
中空ローラーとして具体化されたカウンターローラーが
製品と当接して配置され、第二コロナがそのローラーの
内部の接触ゾーンの領域のその表面に配置され、転写ロ
ーラーの第一コロナが像ローラーとの接触ゾーンに配置
され、その像ローラー上のトナー像の電荷と反対の電位
を有し、さらに、前記第一コロナ及び対の片方のローラ
ーの第二コロナからの反対の電位を有する第三コロナが
製品と接触する転写ローラーに配置されるように、好適
に具体化される。この設備は、像ローラー上の静電気ト
ナー像が転写により製品へ良好に転写することを可能に
する。

【００１５】トナー像の製品への最適転写のために、コ
ロナの最適配置に加えて転写ローラーの実施態様は、一
方では硬い、ガラス製品と直接接触しているため、ま
た、他方ではそれに使用される材料が、帯電トナー像の
転写に決定的な静電界に影響を及ぼすために、明白な意
味を有する。これらの条件を満たすために、転写ローラ
ーが中空ローラーであり、その内部に少なくとも１つの
コロナが取り付けられている。この発明の最初の改良点
においては、中空ローラーとして具体化される転写ロー
ラーは絶縁性のプラスチックコア、好ましくはガラスフ
ァイバー、あるいはカーボンファイバー強化プラスチッ
クコアを有し、導電シリコーン、ＥＰＤＭあるいはその
他の適切なプラスチックあるいはゴム混合物の比較的柔
らかい層がこのコア上に適用され、そして転写ローラー
の内部で、先ず、上コロナが像ローラーとの接触ゾーン
に配置され、第三の反対電位の低コロナが、製品との接
触ゾーンで配置される。このように構成された転写ロー
ラーは、その電気的に絶縁性のコアのためにコロナの転
写ローラー内部配置を可能にする。静電気転写プロセス
は、比較的軟質で、そのため固体、特にガラス製品との
良好な接触を保証する外側導電層のみで行なわれる。

【００１６】本発明の第二の改善点は、中空ローラーと
して取り入れられた転写ローラーが金属材料、好ましく
はアルミニウウムのコアを有し、その上に絶縁シリコー
ンあるいは同様の材料の第一層が適用され；この基本的
な構造の上に導電シリコーン、ＥＰＤＭあるいは他の適
当なプラスチックあるいはゴム混合物の比較的軟質な層
が付与され；さらに、第一の上コロナが像ローラーとの
接触ゾーンに配置され、反対電位の第三の下コロナが製
品との接触ゾーンに配置され、各々の場合転写ローラー
の外側にあるように、この装置が具体化されている。こ
の種の実施形態では、金属コアのシールド効果のため
に、コロナは接触領域では転写ローラ外側に配置され
る。この実施形態でも、電気的に有効なプロセスが、金
属コアから第一絶縁層により電気的に絶縁した導電性、
軟質層で行なわれ、それにより静電荷像が外側の軟質層
にだけ現れる。双方の静電的な、また硬いガラス製品と
の接触に関して良好な結果は、この発明の１つの特徴の
１つにおいて、導電材料、好ましくはシリコーン層が、
１０ｋΩ／ｃｍ台の内部抵抗と５ｍｍ台の厚さで５０シ
ョア（Ｓｈｏｒｅ)Ａの硬さを有すれば達成される。そ
の他の値も基本的に考えられる。転写ローラーによる摩
耗を低減するために、本発明の他の特徴では、導電材料
の層が非常に薄い導電テフロン層あるいはその他の適切
なコーティング膜で被覆される。この層は静電気条件を
著しく変えずに滑り能力を増大する。

【００１７】金属コアを有する転写ローラーの第二実施
形態において、そのコアに使用される絶縁材料の第一層
は、２ｍｍ台の厚さを有することが好ましい。この層の
厚さは外部の導電層を電気的に絶縁するのに十分であ
り、それ程重くない。しかし、本発明はこの値に限定さ
れない。本発明の他の実施形態では、装置はカウンター
ローラーが金属の、好ましくはアルミニウムのコアを有
し、その上に、シリコーン等の比較的軟質な絶縁材料層
が塗布される。転写層の比較層のようにこの層も５０シ
ョアＡ台の硬さと５ｍｍ台の厚さを有している。そのよ
うな実施形態は静電気及び機械的条件の双方に対して適
切な注意を払っているが、本発明はこれらの値に限定さ
れない。本発明を、図面に示した発明に係る装置の典型
的な２つの実施形態についてさらに詳細に説明する。

【００１８】

【発明の実施形態】図１の基本的な実施例において、上
に装飾、説明文及び／又は本体コード、すなわち「像」
が付与されるレンジトップクッキング領域あるいはバー
ナー用のタイルあるいはガラスセラミック板等のガラ
ス、ガラスセラミックあるいはセラミックの製品２がコ
ンベヤベルト１上に配置される。塗布される装飾あるい
は説明文のテキストあるいは識別コードのデザインがパ
ソコン３により電気複写装置４に送られる。その基本的
なデザインを以下さらに詳細に説明する。対応する像は
対応するグラフィック又はテキストプログラムに関係し
て、コンピュータによりオリジナルに特定される。しか
し、塗布すべき装飾又は説明文及び本体コードがスキャ
ナーを使用してオリジナルからコンピュータに、すなわ
ち必要ならば改良可能なコンピュータに捕捉することも
可能である。

【００１９】電気複写装置４は定型的な像ローラー５を
備えており、この像ローラー５には光導電層が設けら
れ、この導電層は対応する露出アセンブリー６を介し、
例えば制御レーザービームによって露光される。公知方
法では、これにより「潜在的」静電気帯電像が作られ
る。この点では本願の参考文献としての上記引用したＤ
Ｅ４４１３１６８Ｃ２に開示されたようなタイプの供給
容器８から分配されたセラミックトナーによって、像ロ
ーラー５に配置された電気帯電潜像が見えるトナー像に
現像され、次に、その像が可撓性の面を備えた転写ロー
ラー７に転写される。その後、転写ローラー７に付いた
トナー像がガラスあるいはセラミック製品２に直接転写
される。この転写は静電界の使用で行なわれ、この静電
界は電圧を２つの所謂コロナ９、１０に印加することに
より作製され、その１つのコロナは転写ローラー７の内
部に配置され、他方のコロナ１０は基材下方で、接触ゾ
ーンの直下にある。最も単純な場合、コロナをワイヤで
形成することができる。

【００２０】その後、静電気により転写されたトナー像
を公知方法を使用して製品に焼付ける。発生した静電界
により転写ローラー７に配置されたトナー像が非常に高
精度に基材２上に転写される。試験によればこれは残留
トナーを生ぜずに行なわれ、像ローラー５からの次の帯
電像の転写に対する転写ローラー７の準備が単純にな
り、次の複写に引き込まれるゴースト像が作られないこ
とが示された。転写ローラー７は例としてガラスファイ
バー強化プラスチック（ＧＦＫ）、ポリエチレン、ある
いは同等の適切な材料から製造できる。この転写ローラ
ーは内側が中空とされ、それで基板へのトナーの転写を
行なうコロナを内側に取り付けることができる。転写ロ
ーラー７の表面に、それ自体公知の手段によりトナーを
運ぶが、コロナ放電時にはトナーを残さぬ転写が可能な
材料から構成される層を利用することが有利であること
が判明した。シリコーンゴムをコーティング材料として
使用することがこの点で有利であることが分かった。し
かし、さらに適切な物理的性質を有する他の材料を使用
することができる。このコーティングにより、転写ロー
ラーの表面はある程度の弾性も得る。しかしこの弾性は
転写では何ら歪みを生じないもので、接触形成の面から
有利な効果を有する。

【００２１】電子写真技術あるいはゼログラフィーで必
須の構成要素である像ローラー５及びトナー供給部８は
基本的に公知であり、そのためここでは詳細な説明を要
しない。本発明に係る設備により、電子写真技術を使用
して、あるいは言い換えればデカル（転写）技術で使用
する意味での転写手段を使用せずに、ガラス及びセラミ
ック製品に歪みが無く、特に大面積の装飾及び／又は文
字を付与することが驚異的で有利に初めて、うまく行な
うことが可能になった。図２に、図１の基本的な図と比
較して構造的に非常に詳しく設計された本発明の１つの
実施形態が示されている。図１の要素と同じ要素に相当
するか、機能を示す要素には同じ参照番号を付けてい
る。装飾及び／又は説明文及び／又は本体コードを付与
するレンジトップクッキング領域用のタイルやセラミッ
ク板等のガラス、ガラスセラミックあるいはセラミック
の製品２を供給ローラーで駆動するコンベヤーベルト１
に載せる。

【００２２】これらの装飾等を付与するための図２に示
す電気複写装置は、２つの主要構成要素グループ、すな
わち、電子写真技術システム４ａ及び転写システム４ｂ
から構成されている。この電子写真技術システム４ａ
は、その中心構成要素として像ドラム、すなわち光導電
層を設けたＯＰＣ光導電ドラム５を備えており、この光
導電層は、制御レーザービーム、あるいは付与する装飾
又は説明文によっては例えば３６００インチの書き込み
幅に４００ｄｐｉの解像度を有するより単純なＬＥＤ書
き込みヘッド等の適切な、好ましくはデジタル設計露光
アセンブリー６により露光される。公知方法では、これ
により「潜在的な」静電気帯電像が作られる。

【００２３】電子写真技術システム４ａはさらに、例え
ば上記引用されたドイツ特許ＤＥ４４１３１６８Ｃ２に
開示されたタイプの好ましくはセラミック、特に２成分
トナーシステム現像ユニット８ａを備えており、その現
像ユニット８ａにより像ドラム５上の潜在的な静電気帯
電像が目に見えるトナー像に現像される。さらに他の適
切な特殊なトナー及び顔料を使用することができる。電
子写真法でよくあるように、この現像ユニット８ａは、
トナーを像ドラム５に適用する通常の手段に関係する、
トナー用の供給容器８を備えている。この電子写真シス
テム４ａは像ドラムから未転写トナーを除去するための
通常のクリーニング及び除去ユニット８ｂも備えてい
る。それで、適用すべき像に従って像ドラム５に作製さ
れたトナー像は転写システム４により製品２に移され
る。この転写システムは３つの主要構成要素、すなわ
ち、転写ローラー７と、トナー像の転写用静電界を電圧
印加により作ることができる複数のコロナ９、１０と、
最後にカウンターローラー１１を有する。

【００２４】２つの別のタイプの構成が転写ローラー７
の実施形態に有利であることが分かった。その第一のタ
イプの構成では、電気的に絶縁されたガラスファイバ
ー、あるいはカーボンファイバーの各強化プラスチック
（ＧＦＫ／ＣＦＫ）のコア７ａが設けられている。この
コア７ａ上には約５ｍｍ厚さで導電シリコーン、ＥＰＤ
Ｍあるいは他の適切なプラスチック又はゴム混合物から
なる比較的軟質層７ｂが約５０ショアＡの硬さと約１０
ｋΩ／ｃｍの抵抗を備えて適用される。これらの値は例
であり、本発明がそれらに限定されるものではない。そ
の表面は非常に薄い導電層でテフロンコーティングされ
るか、その他何らかのコーティング膜が設けられる。転
写ローラー７の内側には正の転写コロナ９ａ１が像ドラ
ム５との接触ラインに対向して配置され、負の転写コロ
ナ９ｂ１がカウンターローラー１１との接触ラインに対
向して配置されている。

【００２５】コアに塗布されたコーティング膜は、トナ
ーを一側で搬送し、一方他側ではコロナ放電トナーの残
分の無くなる転写が可能となる。コーティング材料とし
て上記導電シリコーンの使用がここでは有利であること
が分かった。第二タイプの構成では、コア７ａが金属材
料、好ましくはアルミニウムから構成される。約７ｍｍ
の厚さの絶縁性シリコーン又は同様の材料の層７ｃがコ
アに適用されている。約５ｍｍの厚さの導電シリコーン
又は同様の材料の比較的軟質層７ｂが第一実施形態の場
合のように約５０°ショアの硬さで約１０ｋΩ／ｃｍの
抵抗を有してこの基礎的な構造に適用されている。これ
らの番号の付いた図は実施例に過ぎず何ら特徴を限定す
るものではない。この表面も同様に非常に薄い導電層で
テフロンコーティングなされるか、その他幾つかのコー
ティングがなされる。正の転写コロナ９ａ２が像ドラム
５との接触ライン近くに配置され、負の転写コロナ１０
ｂがカウンターローラー１１との接触ライン近くに配置
され、いずれの場合も、転写ローラー７の外側に配置さ
れる。

【００２６】カウンターローラー１１は金属材料好まし
くはアルミニウムのコア１１ａを有する。このコア上
に、約５ｍｍの厚さの絶縁シリコーンあるいは同様の材
料層１１ｂが約６０ショアＡの硬さで形成される。同様
に、これらの値は実施例に過ぎない。このカウンターロ
ーラー１１の内側には、正の転写コロナ１０ａが転写ロ
ーラー７との接触ラインに対向して配置されている。コ
ロナ９、１０により作られる静電界による像ドラム５か
らガラス製品へのトナー像の転写は以下のように行なわ
れる。像ドラム５上に位置する負に帯電したトナー粒子
からなるトナー像が接触ゾーンで転写ローラー７に移さ
れ、そのトナー像は転写コロナ９ａ１によってこの部位
で正に帯電している。

【００２７】負の転写コロナ９ｂ１の影響の結果とし
て、転写ローラー７の１／２回転内で正の表面帯電が負
の表面帯電に変わる。転写ローラー７が導電材料で被覆
されているので、異なった電圧電位が種々の表面位置で
達成できる。典型的な直径の転写ローラー７の場合に
は、この２つの転写領域間の抵抗は例えば約１５０ｋΩ
台である。転写ローラー７とそれを通るガラスあるいは
セラミック本体２との接触時に、トナー粒子がガラスあ
るいはセラミック本体に付与される。それはその表面が
カウンターローラー１１に位置する負の転写コロナ１０
ａにより正に帯電されていたためである。転写ローラー
７のタイプの構成により、２つの転写領域で必要な種々
の電圧電位が調節できる。

【００２８】２つのローラー７、１１の比較的軟質のコ
ーティング膜のために、印刷される材料２が僅かにでこ
ぼこしていてもなお接触が行なわれる。これによりトナ
ー像のガラスあるいはセラミック本体２への均一で最適
な転写となる。転写ローラー７の表面が非常に滑らかな
ものにされていて、そのため適切な装置１２を使用して
残留トナー粒子を除去することができる。これにより像
ドラムから次の帯電像の転写用の転写ローラー７の準備
が容易となり、次の像に引きずられるゴースト像ができ
る危険がない。最後の工程では、静電気により転写され
たトナー像を公知方法で製品に焼付ける。すでに親特許
で説明したように、本発明の装置で装飾されたセラミッ
ク製品は粘土、あるいは粘土鉱物を含有する混合物から
作られた成形、焼成製品に関連する。他の好ましいセラ
ミック製品は、天然のシリケートでもある最多の種々の
粉末材料（金属酸化物）等の特殊なセラミック材料から
なる製品を含む。例えば、このセラミック製品は磁器、
せっ器（ｓｔｏｎｅｗａｒｅ）、又はステアリン（ｓｔ
ｅａｒｉｎｅ）、ルチル（ｒｕｔｉｌｅ）、菫青石（ｃ
ｏｒｄｉｅｒｉｔｅ）あるいはサーマット（ｃｅｒｍａ
ｔ)等の特殊なセラミック材料から作られた製品とする
ことが可能である。このセラミック製品は装飾される前
につや出しを塗布してもよく、あるいはこのつや出しは
装飾が完了した後に塗布することもできる。

【００２９】本発明の範囲内のガラス及びガラスセラミ
ック製品にはガラス組成物あるいはガラス表面を有する
製品から製造された製品全てが含まれる。特に、ナトリ
ウム、カリウム、カルシウム、マグネシウム、アルミニ
ウム、バリウム、亜鉛、及び鉛の単純なシリケート及び
複合シリケートからなるガラス及びガラスセラミック製
品があげられる。これらのガラスは火を使用して作ら
れ、冷却溶融物は二酸化珪素、酸化カルシウム、及び酸
化ナトリウムから実質的に構成されている。しかし、特
殊なガラスは比較的多量の三酸化硼素、五酸化燐、酸化
バリウム、酸化カリウム、酸化リチウム、酸化ジルコニ
ウム又は酸化鉛を更に含有することができる。酸化珪
素、酸化硼素及び五酸化燐はエナメルの基礎を構成する
実際のガラス形成材である。従って、用語「ガラス製
品」はエネメル製品を含むものとも理解する必要があ
る。一般に、適当な特定のトナーを使用すれば、これら
のトナーはプラスチック、ゴム等の任意の材料の平坦な
基材に転写が可能である。 ［図面の簡単な説明］

【図１】本発明の装置の基本的原理を概略的に示す図で
ある。

【図２】コロナアセンブリーの係わる転写ローラーに関
して２つの実施例を備えた本発明に係る装置の具体的な
実施形態を示す概略断面図である。

───────────────────────────────────────────────────── フロントページの続き (72)発明者 ヴァインベルグ、ヴァルデマール ドイツ、25368 キービッツライヘ、キ ルヒェンシュトラーセ 21 (72)発明者 アウフタ−クルンメル、ペトラ ドイツ、55578 フェンデルスハイム、 ライファイゼンシュトラーセ 13 (72)発明者 ユング、ディーター ドイツ、57567 ダーデン、シュトレー テルヴェーク 47 (56)参考文献 特開 平８−146819（ＪＰ，Ａ) 特開 平６−35238（ＪＰ，Ａ) 特開 平５−212857（ＪＰ，Ａ) 特開 平９−166925（ＪＰ，Ａ) 特開 昭64−91158（ＪＰ，Ａ) 欧州特許出願公開834784（ＥＰ，Ａ １) (58)調査した分野(Int.Cl.⁷，ＤＢ名) G03G 15/16 G03G 15/22

Claims (10)

(57)【特許請求の範囲】
1. 【請求項１】 電子写真技術を使用してガラス、ガラス
   セラミックあるいはセラミックの製品（２）に装飾及び
   ／又は文字を付与する装置であって、 −静電気により帯電可能な光導電層を有する像ローラー
   （５）と、 −付与すべき装飾及び／又は文字に対応する静電気帯電
   像を生成するための露光アセンブリー（６）と、 −好適にはセラミックトナー用の供給容器（８）及び該
   静電気帯電像をこのトナーで現像するための装置（８
   ａ）と、 −前記像ローラー（５）と一方の側で直接接触し、トナ
   ー像を受け取るようにされ、そして他方の側ではガラ
   ス、ガラスセラミックあるいはセラミック製品と直接接
   触している中間基材と、 −第一のコロナ（９）が前記中間基材に配置され、第二
   コロナ（１０）が前記中間基材と前記製品（２）との接
   触ゾーンの領域に配置される少なくとも２つのコロナ
   （９，１０）と、 −前記コロナによって前記製品に静電気的に転写された
   トナー像を焼付ける加熱手段とを有する装置において、 前記中間基材は寸法が安定した転写ローラー（７）で形
   成され、前記第二コロナは接触ゾーンの直下の前記製品
   （２）の下に配置されることを特徴とする装置。
2. 【請求項２】 前記転写ローラー（７）との前記接触ゾ
   ーンの製品（２）の下に、中空ローラーとして取り入れ
   られたカウンターローラー（１１）が製品（２）と直接
   接触で配置され、前記第二コロナ（１０ａ）は前記カウ
   ンターローラーの内部で、その接触ゾーンの領域に配置
   され；前記転写ローラー（７）の第一コロナ（９ａ１，
   ９ａ２）は前記像ローラー（５）との接触ゾーンに配置
   され、前記像ローラー（５）上のトナー像の帯電と反対
   の電位を有し；前記第一コロナ（９ａ１，９ａ２）及び
   前記片方のローラー（１１）内の前記第二コロナ（１０
   ａ）と反対の電位を有する他の第三コロナ（９ｂ１，１
   ０ｂ）が前記製品（２）との接触ゾーン内の転写ローラ
   ー（７）上に配置されることを特徴とする請求項１に記
   載の装置。
3. 【請求項３】 前記転写ローラー（７）は中空ローラー
   であり、その内部に少なくとも１つのコロナ（９ａ１，
   ９ｂ１）が取り付けられることを特徴とする請求項１又
   は請求項２に記載の装置。
4. 【請求項４】 中空ローラーとして取り入れられた転写
   ローラー（７）は電気絶縁性のプラスチック、好ましく
   はガラスファイバーのあるいはカーボンファイバーの強
   化プラスチックのコア（７ａ）を有し、このコア（７
   ａ）の上に導電シリコーン、ＥＰＤＭあるいは他の適切
   なプラスチックあるいはゴム混合物の比較的軟質層（７
   ｂ）が前記コア（７ａ）に適用され、前記転写ローラー
   （７）の内部に、前記第一の上コロナ（９ａ１）が前記
   像ローラー（５）との接触ゾーンに配置され、反対の電
   位の前記第三の下コロナ（９ｂ１）が前記製品（２）と
   の接触ゾーンに配置されることを特徴とする請求項３に
   記載の装置。
5. 【請求項５】 中空ローラーとして取り入れられた転写
   ローラー（７）は金属材料、好ましくはアルミニウムの
   コア（７ａ）を有し、そのコアの上に絶縁材料好ましく
   はシリコーン（７ｃ）が適用され、この基本的な構造体
   上に導電材料、好ましくはシリコーン（７ｂ）の比較的
   軟質層が適用され、前記第一の上コロナ（９ａ２）が前
   記像ローラー（５）との接触ゾーン近くに配置され、反
   対の電位の前記第三の下コロナ（１０ｂ）が前記製品
   （２）との接触ゾーン近くに配置され、各々が前記転写
   ローラー（７）の外部に配置されることを特徴とする請
   求項３に記載の装置。
6. 【請求項６】 導電材料、好ましくはシリコーンの前記
   層（７ｂ）は５０ショアＡ台の硬さと、１０ｋΩ／ｃｍ
   台の内部比抵抗と、５ｍｍ台の厚さを有することを特徴
   とする請求項４又は請求項５に記載の装置。
7. 【請求項７】 導電材料、好ましくはシリコーンの前記
   層（７ｂ）は非常に薄い導電テフロン層あるいは他の幾
   つかの適切な導電性コーティング膜で被覆されることを
   特徴とする請求項４ないし６のいずれか１項に記載の装
   置。
8. 【請求項８】 前記コア（７ａ）に塗布された絶縁材
   料、好ましくはシリコーンの前記第一層（７ｃ）は２ｍ
   ｍ台の厚さを有することを特徴とする請求項５、請求項
   ６、又は請求項７に記載の装置。
9. 【請求項９】 前記片方のローラー（１１）は、金属コ
   ア、好ましくはアルミニウムコア（１１ａ）を有し、そ
   のコアの上に絶縁材料、好ましくはシリコーンの比較的
   軟質層（１１ｂ）が適用されることを特徴とする請求項
   １ないし８のいずれか１項に記載の装置。
10. 【請求項１０】 絶縁材料の前記層（１１ｂ）は５０シ
    ョアＡ台の硬さと５ｍｍ台の厚さを有することを特徴と
    する請求項９に記載の装置。