JP3458914B2 - ポリスチレン系樹脂粒子の成形方法及びそれに用いる同樹脂粒子 - Google Patents

ポリスチレン系樹脂粒子の成形方法及びそれに用いる同樹脂粒子

Info

Publication number
JP3458914B2
JP3458914B2 JP33224594A JP33224594A JP3458914B2 JP 3458914 B2 JP3458914 B2 JP 3458914B2 JP 33224594 A JP33224594 A JP 33224594A JP 33224594 A JP33224594 A JP 33224594A JP 3458914 B2 JP3458914 B2 JP 3458914B2
Authority
JP
Japan
Prior art keywords
resin particles
polystyrene
mold
molding
polystyrene resin
Prior art date
Legal status (The legal status is an assumption and is not a legal conclusion. Google has not performed a legal analysis and makes no representation as to the accuracy of the status listed.)
Expired - Fee Related
Application number
JP33224594A
Other languages
English (en)
Other versions
JPH08197555A (ja
Inventor
英則 南川
高徳 鈴木
良成 伊藤
弘行 山路
Original Assignee
三菱化学フォームプラスティック株式会社
Priority date (The priority date is an assumption and is not a legal conclusion. Google has not performed a legal analysis and makes no representation as to the accuracy of the date listed.)
Filing date
Publication date
Application filed by 三菱化学フォームプラスティック株式会社 filed Critical 三菱化学フォームプラスティック株式会社
Priority to JP33224594A priority Critical patent/JP3458914B2/ja
Publication of JPH08197555A publication Critical patent/JPH08197555A/ja
Application granted granted Critical
Publication of JP3458914B2 publication Critical patent/JP3458914B2/ja
Anticipated expiration legal-status Critical
Expired - Fee Related legal-status Critical Current

Links

Landscapes

  • Casting Or Compression Moulding Of Plastics Or The Like (AREA)

Description

【発明の詳細な説明】
【0001】
【産業上の利用分野】本発明は、ポリスチレン系樹脂粒
子を低温低圧で容易に成形する方法、及びその方法で用
いられるポリスチレン系樹脂粒子を提供しようとするも
のである。
【0002】
【従来の技術】従来、樹脂の成形方法としては、射出成
形法がよく知られているが、金型コストが高く、特に生
産が中又は小ロットの場合にコスト高になる欠点があっ
た。
【0003】成形金型、成形方式が簡単で、工業的に有
利な成形法として、熱可塑性樹脂粒子を非溶融状態で金
型内に充填し、加熱と射出成形法の約1/10程度の低
いプレス圧力とを用いて成形する方法が考えられる。こ
の方法は、ポリエチレン系樹脂の場合には比較的低温
(約130℃程度)で成形できるが、ポリスチレン系樹
脂の場合には、高い成形温度(約160℃以上)と射出
成形法におけると同程度の高いプレス圧力が必要となる
ことから、成形装置が複雑となり、工業的に有利に成形
できる方法でなかった。
【0004】また、型内で熱可塑性樹脂を溶融して樹脂
成形体(樹脂連続層)を形成させてから、さらに同型内
に発泡性合成樹脂粒子を充填して成形し、両者の樹脂層
が一体成形された成形体を得る方法が提案された(特開
平5−8315号公報等)。しかし、この方法で用いら
れる樹脂としては一般に溶融粘度の高いものが用いられ
るので、樹脂層を形成させるための金型温度は、たとえ
ば200℃程度の高温を必要とし、発泡性合成樹脂粒子
の成形温度よりも著しく高くなる。そのためにこの方法
は、成形時の温度のコントロールなどに複雑な操作が必
要となるなどの理由から、工業的な実用化が困難であっ
た。なお、ポリエチレン系樹脂は、低温、低圧で成形で
きるが、発泡ポリスチレン系樹脂との一体成形時の接着
性が悪いために、この方法で使用できなかった。
【0005】
【発明が解決しようとする課題】本発明は、低温低圧法
を用いてポリスチレン系樹脂粒子を有利に成形する方法
及びそれに用いる同樹脂粒子を提供しようとするもので
ある。特に、発泡ポリスチレン系樹脂層との一体成形に
有利に用いることができるポリスチレン系樹脂粒子の低
温低圧成形方法を提供しようとするものである。
【0006】
【課題を解決するための手段】本発明のポリスチレン系
樹脂粒子の成形方法は、ポリスチレン系樹脂粒子とし
て、昇温式キャピラリー式レオメータを用いて1mmφ
×10mmLのダイ、50Kgf/cm2 の荷重及び6
℃/分の昇温速度の測定条件下で測定した流出開始温度
が100〜145℃、好ましくは110〜140℃であ
り、かつ重量平均粒径が0.05〜3mm、好ましくは
0.1〜2mmであるポリスチレン系樹脂粒子を用い、
該ポリスチレン系樹脂粒子を金型内に非溶融状態で充填
したのち、プレス圧力1〜100Kgf/cm2 、好ま
しくは5〜50Kgf/cm2 及び加熱温度110〜1
60℃、好ましくは120〜150℃で成形することを
特徴とする方法である。
【0007】また、本発明のポリスチレン系樹脂粒子
は、昇温式キャピラリー式レオメータを用いて1mmφ
×10mmLのダイ、50Kgf/cm2 の荷重及び6
℃/分の昇温速度の測定条件下で測定した流出開始温度
が100〜145℃、好ましくは110〜140℃であ
り、かつ重量平均粒径が0.05〜3mm、好ましくは
0.1〜2mmであることを特徴とする、金型内に非溶
融状態で充填したのち、プレス圧力1〜100Kgf/
cm2 、好ましくは5〜50Kgf/cm2 及び加熱温
度110〜160℃、好ましくは120〜150℃で成
形するのに用いるポリスチレン系樹脂粒子である。
【0008】ポリスチレン系樹脂粒子の流出開始温度が
145℃を超えると、成形温度及び成形圧力を高くしな
ければならず、成形時の温度制御がむつかしくなるし、
高成形圧に耐えられる成形金型が必要になるし、さらに
成形操作もむつかしくなるので、本発明では流出開始温
度145℃以下の樹脂粒子を用いるのである。また、ポ
リスチレン系樹脂粒子の流出開始温度が100℃未満に
なると、成形品は耐熱性が低下し実用性に乏しいものと
なるので、流出開始温度100℃以上の樹脂粒子を用い
るのである。
【0009】また、本発明におけるポリスチレン系樹脂
粒子は、重量平均粒径が0.05〜3mmである必要が
ある。ポリスチレン系樹脂粒子の重量平均粒径が3mm
を超えると、加熱成形時に樹脂粒子の内部まで熱を伝達
させて樹脂粒子を溶融させるのに長時間を要し、成形に
要する時間が長くなるし、また金型内の複雑な空間や小
さい空間への樹脂の充填性も悪くなる。そして、重量平
均粒径が小さくなると樹脂粒子の内部への熱の伝達がよ
くなり、かつ金型内の空間への樹脂の充填性がよくなり
好ましいが、その反面において、重量平均粒径があまり
小さくなりすぎて0.05mm未満になると、一方の金
型とこれに係合させる他方の金型との隙間に樹脂が入り
込みやすくなり、得られる成形品にバリが発生しやすく
なる。そのために、本発明で用いるポリスチレン系樹脂
粒子は重量平均粒径が0.05〜3mmである必要があ
るのである。
【0010】本発明で用いるポリスチレン系樹脂粒子
は、スチレンを主成分とするモノマーを懸濁重合法等の
種々の方法を用いて重合させることにより製造すること
ができる。そのモノマーとしては、スチレンが主成分に
用いられるが、それ以外にα−メチルスチレン、ビニル
トルエン、p−メチルスチレン、p−エチルスチレン、
クロロスチレン等のビニル芳香族炭化水素;アクリロニ
トリル等のシアン化ビニル化合物;メタクリル酸メチ
ル、メタクリル酸エチル、メタクリル酸プロピル、メタ
クリル酸ブチル、メタクリル酸−2−エチルヘキシル等
のメタクリル酸エステル類;アクリル酸メチル、アクリ
ル酸エチル、アクリル酸プロピル、アクリル酸ブチル、
アクリル酸−2−エチルヘキシル等のアクリル酸エステ
ル類;ブタジエン、イソプレン、シクロペンタジエン等
のジエン系モノマーなどが、スチレンと併用することの
できるモノマーとしてあげられる。しかし、これらのモ
ノマーのみに限定されず、それ以外のモノマーの併用も
可能である。そして、これらのモノマーを適宜に組合わ
せて重合(共重合)させるが、その場合に、モノマー全
量に対してスチレンモノマーを50重量%以上を用いて
重合させるのが、成形性のよい樹脂粒子が得られるので
好ましい。
【0011】また、ポリスチレン系樹脂粒子は、その製
造のための重合時に、ゴム系重合体の存在下に重合させ
ると、ゴム構成成分を含むポリスチレン系樹脂粒子が得
られ、耐衝撃強度の優れた成形体を与えることができる
ので好ましい。その重合時に存在することのできるゴム
系重合体としては、たとえばポリブタジエンゴム、その
水素添加物、ポリイソプレンゴム、その水素添加物、ス
チレン−ブタジエン共重合ゴム、その水素添加物、アク
リロニトリル−ブタジエン共重合ゴム、その水素添加
物、スチレン−イソプレン共重合ゴム、その水素添加
物、エチレン−プロピレン共重合ゴム、その水素添加
物、エチレン−プロピレン−非共役ジエン共重合ゴム、
その水素添加物、スチレン−ブタジエン−スチレン共重
合ゴム(SBS)、その水素添加物、アクリル酸ブチル
やアクリル酸エチル等のアクリル酸エステル共重合ゴム
などがあげられる。これらのゴム系重合体の使用量は、
モノマー100重量部に対して20重量部以下が好まし
い。
【0012】本発明で用いるポリスチレン系樹脂粒子
は、前述のように、流出開始温度が100〜145℃、
好ましくは110〜140のものであるが、ポリスチレ
ン系樹脂粒子の流出開始温度を調整(特に低下)する方
法としては、ポリスチレン系樹脂粒子に、流動パラフ
ィン、DOPなどの可塑剤、トルエンなどの芳香族炭化
水素、石油樹脂などの石油系可塑剤成分(以下、「可塑
剤等」という。)を含有させる方法、ポリスチレン系
樹脂製造のための重合時に、ホモポリマーのガラス転移
温度(Tg)の低いモノマー、すなわち前記したスチレ
ンと併用することのできるモノマーのうちのたとえば
(メタ)アクリル酸エステル、ブダジエンなどを適当量
共重合させる方法がある。そしての方法は、流出開始
温度を有効に低下させるのに、多量の可塑剤等を含有さ
せる必要があるし、あまり多量の可塑剤等を含有させる
と、成形品の物性低下を招くおそれがあるので、の方
法の方が好ましい。
【0013】また、本発明で用いる流出開始温度が10
0〜145℃のポリスチレン系樹脂粒子は、前記した
の方法、及びの方法を用いて製造できるほかに、それ
以外の他の方法でも製造することができる。たとえば
流出開始温度の著しく低い共重合体である、スチレンモ
ノマーとTgが50℃以下のホモポリマーを与えるモノ
マー〔たとえば(メタ)アクリル酸エステル系モノマ
ー〕との共重合体と、流出開始温度の著しく高いポリス
チレン系樹脂粒子とを押出しブレンドする方法、或いは
ポリスチレン系樹脂に、Tgが50℃以下のホモポリ
マーを与えるモノマー、たとえば(メタ)アクリル酸エ
ステル系モノマーを含浸させて重合を行なわせる方法等
の方法を用いても製造することができる。
【0014】また、本発明で用いるポリスチレン系樹脂
粒子は、前記したように、共重合させるモノマーとして
ブタジエン、イソプレン、シクロペンタジエン等のジエ
ン系モノマーを用いて共重合させたり、又は重合時にゴ
ム系重合体の存在下で重合を行なわせたりして、ゴム構
成成分を含む樹脂粒子とすることができるが、さらにゴ
ム構成成分を含むポリスチレン系樹脂、たとえば耐衝撃
性ポリスチレン(HIPS)やABS樹脂などのゴム強
化スチレン系樹脂と、Tgが50℃以下のホモポリマー
を与えるモノマー、たとえば(メタ)アクリル酸エステ
ル系モノマーとスチレンモノマーとの共重合体とを押出
しブレンドする方法によっても製造することもできる。
そして、本発明におけるポリスチレン系樹脂粒子は、か
かる種々の方法で得られるゴム構成成分を含むポリスチ
レン系樹脂粒子にして用いると、耐衝撃強度の優れた成
形体を与えることができるので好ましい。
【0015】次に、本発明で用いるポリスチレン系樹脂
粒子は、前述のように、重量平均粒径が0.05〜3m
m、好ましくは0.1〜2mmのものであるが、かかる
重量平均粒径を有するポリスチレン系樹脂粒子を得る方
法としては、樹脂製造時の懸濁重合条件の調節による方
法がある。また、ポリスチレン系樹脂を押出機により溶
融押出し、その溶融押出し樹脂をホットカット又は水中
カットして所望の重量平均粒径にする方法があるし、さ
らに溶融樹脂を一旦円柱状に押出してから円柱状の粒子
にカットする方法などがある。そして樹脂粒子は、球形
に近いほど型への充填性に優れているので、懸濁重合法
は、ホットカット法、及び水中カット法が好ましい。
【0016】本発明のポリスチレン系樹脂粒子は、各種
の添加剤、たとえばタルク、クレー、炭酸カルシウム、
酸化チタン等の無機充填剤、酸化防止剤、帯電防止剤、
紫外線吸収剤、カーボンブラック、染料、顔料、ステア
リン酸亜鉛等の脂肪族金属石けん、滑剤、ヘキサブロモ
シクロドデカンなどの難燃剤を含有せしめることができ
る。また、炭素数3〜8の炭化水素で代表される揮発性
溶剤、発泡剤及び/又は化学分解性発泡剤を少量含有さ
しめてもよい。
【0017】次に、本発明におけるプレス成形方法は、
前記した本発明の特定の流失開始温度及び特定の重量平
均粒径を有するポリスチレン系樹脂粒子を、まず金型内
に非溶融状態で充填したのち、1〜100Kgf/cm
2 、好ましくは5〜50Kgf/cm2 のプレス圧力及
び110〜160℃、好ましくは120〜150℃の加
熱温度を用いてプレス成形する方法である。
【0018】そのプレス成形方法は、種々の態様で実施
することができるが、その代表的なプレス成形方法を、
添付図面にもとづき説明する。
【0019】図1は、本発明のポリスチレン系樹脂粒子
の成形方法の一例を説明するための、成形工程中の金型
の縦断側面図である。
【0020】図1に示す金型を用い、まず凸金型7と凹
金型8とからなる成形用金型における凹金型8の成形空
間6内に、樹脂充填ガン1を用いてポリスチレン系樹脂
粒子の所定量を非溶融状態で(すなわち粒子状のまま
で)充填したのち、凸金型7を係合させ、凸金型のチャ
ンバー2、及び凹金型のチャンバー3内にそれぞれ熱媒
体(たとえばスチーム)を導入し、凸金型の壁面4、及
び凹金型の壁面5より、成形空間6内に充填された樹脂
粒子を間接的に所定の温度に加熱しながら、所定のプレ
ス圧力を加えて成形容積を収縮せしめて、連続樹脂層か
らなる成形体を形成させ、冷却後、離型して成形品を得
る。この場合の加熱方法としては、前記した金型の壁面
4及び5より間接的に加熱する方法のほかに、金型の壁
面4及び5に熱媒体(たとえばスチーム)を通すが、樹
脂粒子を通さない細孔を設け、金型のチャンバー2及び
3より成形空間内に熱媒体を導入して樹脂粒子を直接に
加熱してもよい。その成形のための加熱温度は流失開始
温度以上であるのが好ましい。
【0021】また図2は、ポリスチレン系樹脂の成形体
とスチレン系発泡体の成形体とが一体的に融着して成形
された成形品が得られる成形方法の一例を説明するため
の、成形工程中の金型の縦断側面図である。
【0022】この場合には、まず、前記の図1で示した
と同様の方法を用いて、ポリスチレン系樹脂の連続樹脂
層からなる成形体9を成形したのち、その離型の際に凸
金型7又は凹金型8のいずれかに成形体9をそのまま残
すようにして離型する(図2は凹金型8に成形体9を残
したものである。)。
【0023】次いで、成形体9を残したままの凹金型8
に、別に発泡スチレン系樹脂を成形するための凸金型1
0を係合させたのち、樹脂充填ガン11を用いてスチレ
ン系樹脂予備発泡粒子を充填する。次いで、凸金型のチ
ャンバー12より熱媒体(たとえばスチーム)を、その
細孔13を通して、充填されたスチレン系樹脂予備発泡
粒子14の層内に導入するとともに、凹金型8のチャン
バー3内にも熱媒体を導入して、同予備発泡粒子を発泡
・成形せしめ、ポリスチレン系樹脂成形体9と発泡スチ
レン系樹脂成形体14とが一体的に融着して成形された
成形品を得る。
【0024】なお、ポリスチレン系樹脂成形体と発泡ス
チレン系樹脂成形体とが一体的に成形された成形品を得
るには、この図2に示す方法以外にも種々の方法がある
が、その説明は省略する。
【0025】
【実施例】以下に実施例及び比較例をあげてさらに詳述
する。これらに記載の重量平均分子量(Mw)は、GP
Cによるポリスチレン換算の重量平均分子量をさす。
【0026】実施例1 懸濁重合によってスチレン85重量%/アクリル酸ブチ
ル15重量%、Mwが30万、重量平均粒径が0.53
mm、流出開始温度が128℃のスチレン系樹脂粒子を
製造した。
【0027】すなわち、水100重量部と第三リン酸カ
ルシウム0.5重量部、ドデシルベゼンスルホン酸ナト
リウム0.005重量部を攪拌機つきのオートクレーブ
に仕込んだのち、予めよく混合しておいたスチレン68
重量部、アクリル酸ブチル12重量部及び過酸化ベンゾ
イル0.25重量部の混合物を加え、80℃で12時間
重合させ、冷却し、水洗、濾過してスチレン系樹脂粒子
を得た。
【0028】得られた共重合体樹脂を、図1に示した成
形空間6にスチームを通す細孔を設けていない金型のそ
の成形空間6内に充填した。次いでチャンバー2及び3
に2Kgf/cm2 のスチームを導入して成形温度13
1℃に加熱しながら、金型の型締め力によって20Kg
f/cm2 のプレス圧力を成形空間6にかけて、1分間
加熱したのち、金型壁面4及び5に冷却水をかけ、30
秒後に金型を開いて、成形品を取出した。
【0029】得られたポリスチレン系樹脂成形品は、外
観が元の樹脂粒子の形状が全くわからないほど平滑であ
り、成形品を割った内部断面も樹脂粒子の界面が殆んど
わからないほど完全に融着していた。
【0030】実施例2 Mwが30万のポリスチレン(流出開始温度155℃)
のペレット60重量部と、スチレンとアクリル酸ブチル
とのモノマー比を変更したほかは、実施例1の方法に準
じて製造したスチレン60重量%/アクリル酸ブチル4
0重量%の共重合体(流出開始温度93℃)のビーズ4
0重量部とをリボンブレンダーで混合したのち、水中カ
ット装置を付設した30mmφ単軸押出機を用いて押出
し、水中カットして、重量平均粒径が1.2mm、流出
開始温度が129℃のスチレン系樹脂粒子を得た。
【0031】得られたポリスチレン系樹脂粒子を用い、
実施例1と同様の方法で成形した成形品は、外観が元の
樹脂粒子の形状が全くわからないほど平滑であり、成形
品を割った内部断面も樹脂粒子の界面が殆んどわからな
いほど完全に融着していた。
【0032】実施例3 実施例2で用いたMwが30万のポリスチレンペレット
60重量部の代りに、市販のHIPS(三菱化学株式会
社商品名 HT−941、流出開始温度156℃)を6
0重量部用い、そのほかは実施例2と同様の方法で重量
平均粒径が1.2mm、流出開始温度が126℃のスチ
レン系樹脂粒子を製造した。
【0033】この樹脂粒子を用い、実施例1に記載の方
法と同様の方法で成形した。得られた成形品は、外観が
元の樹脂粒子の形状が全くわからないほど平滑であり、
成形品を割った内部断面も樹脂粒子の界面が殆んどわか
らないほど完全に融着していた。
【0034】実施例4 実施例3で用いたのと同じ市販の耐衝撃性ポリスチレン
(HIPS)40重量部と、実施例2で用いたのと同
じ、Mwが15万のスチレン60重量%/アクリル酸ブ
チル40重量%の共重合体のビーズ60重量部を用い、
そのほかは実施例2と同様にして重量平均粒径が1.2
mm、流出開始温度が118℃のスチレン系樹脂粒子を
製造した。
【0035】このスチレン系樹脂粒子を用い、そのほか
は実施例1と同様の方法で成形した。その成形品は、外
観が元の樹脂粒子の形状が全くわからないほど平滑であ
り、成形品を割った内部断面も樹脂粒子の界面が殆んど
わからないほど完全に融着していた。
【0036】実施例5 実施例3で製造した重量平均粒径が1.2mm、流出開
始温度が126℃のスチレン系樹脂粒子を用いて、実施
例1におけると同様の方法で成形したのち、型開きの際
に、図2に示したように、凹金型8の金型壁面5に成形
された成形体9を残したままにしておいて、凹金型8か
ら凸金型7を離してから、凹金型8に別の凸金型10を
係合させた。
【0037】次いで、樹脂充填ガン11より、予めバッ
チ式発泡機によって50倍に発泡させた発泡ポリスチレ
ン(三菱化学ビーエーエスエフ株式会社商品名 JR2
51A)を充填したのち、チャンバー12より0.7K
gf/cm2 のスチームを細孔13を経て導入すると同
時に、凹金型8のチャンバー3にも同一圧力のスチーム
を導入し、15秒間保持し、その後水冷し、放冷してか
ら型を開き、成形品を取り出した。
【0038】得られた成形品は、ポリスチレン系樹脂成
形体(連続樹脂層)とポリスチレン発泡体の成形体とが
その界面において一体的に強固に融着された成形体であ
り、両層が容易に剥がすことのできないものであった。
【0039】また、その成形品の両層の界面を剥がして
から、その界面を写真撮影し、剥離面におけるポリスチ
レン系樹脂成形体(連続樹脂層)に付着した発泡ポリス
チレン樹脂の面積の割合を調べることにより、両層の界
面における融着状態を評価した。すなわち、剥離面にお
けるポリスチレン系樹脂成形体に付着した発泡ポリスチ
レン樹脂の付着面積の全剥離面積に対する割合を、画像
処理装置を用いて調べたところ、その割合は84%であ
り、充分に強力な融着が行なわれていることが判明し
た。
【0040】比較例1 懸濁重合によって製造されたMwが28万、重量平均粒
径が0.74mm、流出開始温度が153℃のポリスチ
レン系樹脂粒子を用いて、そのほかは実施例1と同じ成
形方法を用いて成形を行なわせた。
【0041】成形後の金型を離型したところ、樹脂粒子
同士が融着されていないため、成形品が得られなかっ
た。
【0042】比較例2 市販のポリエチレン粒子(三菱化学株式会社商品名 Y
F−30)を用い、このポリエチレン粒子を、図1に示
した金型の成形空間へ通じる細孔を有しない金型の成形
空間6内に充填し、チャンバー2及び3に2Kgf/c
2 のスチーム(成形温度130℃)を導入しながら、
金型の型締め力によって20Kgf/cm2 のプレス圧
力を成形空間にかけ、4分間加熱したのち、金型表面4
及び5に冷却水をかけてから60秒後に型を開き、成形
品を取出した。得られたポリエチレン樹脂成形体は、外
観が元の樹脂粒子の形状がわからないほど平滑であり、
かつ成形品を割った後の内部断面も元の樹脂粒子の界面
がわからないほど完全に融着していた。
【0043】しかし、このようにして成形したポリエチ
レン樹脂成形体を、実施例5の場合と同様に型開きの際
に取出さずに、金型壁面5に残したままにしておいて、
以下、実施例5と同様の方法で予備発泡ポリスチレンを
充填して成形したところ、ポリエチレン樹脂成形体層と
ポリスチレン発泡体層との界面は接着力が不充分なため
に、容易に剥がすことができた。
【0044】比較例3 スチレン60重量%、アクリル酸ブチル40重量%、M
w34万、重量平均粒径が0.62mm、流出開始温度
93℃のスチレン系樹脂粒子を懸濁重合法により製造し
た。
【0045】このスチレン系樹脂粒子を、実施例1と同
様にして金型に充填し、チャンバー2及び3に1.0K
gf/cm2 のスチームを導入して成形温度119℃に
加熱しながら、金型の型締め力によって20Kgf/c
2 のプレス圧力を成形空間6にかけて1分間加熱した
のち、金型表面4及び5に冷却水をかけて冷却し、60
秒後に金型を開けて成形品を得た。
【0046】得られた成形品は、外観が元の樹脂粒子の
形状が全くわからないほど平滑であり、成形品を割った
内部断面も樹脂粒子の界面がわからないほど完全に融着
していた。
【0047】しかし、樹脂が耐熱性に乏しいために、成
形機から取出した成形品は大きく歪み、実用に耐えるこ
とのできないものであった。
【0048】実施例6 水100重量部とリン酸三ナトリウム12水塩2重量部
を攪拌機つきオートクレーブに仕込み、攪拌しながら塩
化カルシウム1.4重量部を加え、次いでラウリルスル
フォン酸ナトリウム0.005重量部を加え、予めよく
混合させておいたスチレン68重量部、アクリル酸ブチ
ル12重量部及び過酸化ベンゾイル0.2重量部の混合
物を投入し、80℃で12時間重合を行なわせ、水洗、
濾過後、重量平均粒径が0.08mm、流出開始温度が
127℃のスチレン系樹脂粒子を製造した。
【0049】得られたスチレン系樹脂粒子を用い、実施
例1と同様に成形したところ、成形品は外観が元の樹脂
粒子の形状が全くわからないほど平滑であり、成形品を
割った内部断面も樹脂粒子の界面が殆んどわからないほ
ど完全に融着していた。
【0050】比較例4 水100重量部にリン酸三ナトリウム12水塩2重量部
を溶解させ、塩化カルシウム1.4重量部を加えて5分
間攪拌したのち、ラウリルスルフォン酸ナトリウム0.
005重量部を加え、予めよく混合させておいたスチレ
ン68重量部、アクリル酸ブチル12重量部及び過酸化
ベンゾイル0.2重量部の混合物を加え、6000回転
の高速攪拌を10分間行ない、その後は実施例1と同様
にして重合を行なわせ、重量平均粒径0.02mm、流
出開始温度が127℃のスチレン系樹脂粒子を製造し
た。
【0051】この樹脂粒子は金型に均一に充填させるの
が非常に難しく、特に空気圧で金型内に充填させる際
に、樹脂粒子を成形空間6に滞留せしめるのが困難であ
った。すなわち、充填時に空気のみを逃すための金型の
合わせ部分のすき間より、大量の樹脂粒子が放出してし
まうし、このすき間を細かく調整して樹脂粒子を逃さな
いように工夫すれば成形できるが、その成形法は著しく
複雑になり工業的に不利であった。
【0052】
【発明の効果】ポリスチレン系樹脂粒子を用いて樹脂粒
子が完全に融着した表面平滑なポリスチレン系樹脂成形
品を低圧・低温で容易に成形することができる。また、
ポリスチレン系樹脂成形体と発泡ポリスチレン系樹脂成
形体とが強固に一体的に接着した成形品を低圧・低温で
容易に成形することができる。
【図面の簡単な説明】
【図1】ポリスチレン系樹脂粒子の成形工程中の金型の
縦断側面図である。
【図2】ポリスチレン系樹脂粒子の成形体と発泡ポリス
チレン系樹脂成形体とが一体的に接着した成形品を得る
ための成形工程中の金型の縦断側面図である。
【符号の説明】
図面の各符号は下記のものをそれぞれ示す。 1 ・・・ 樹脂充填ガン 2 ・・・ 凸金型チャンバー 3 ・・・ 凹金型チャンバー 4 ・・・ 凸金型壁面 5 ・・・ 凹金型壁面 6 ・・・ 成形空間 7 ・・・ 凸金型 8 ・・・ 凹金型 9 ・・・ 成形体 10 ・・・ 凸金型 11 ・・・ 樹脂充填ガン 12 ・・・ 凸金型チャンバー 13 ・・・ 凸金型の細孔 14 ・・・ 成形空間
───────────────────────────────────────────────────── フロントページの続き (72)発明者 山路 弘行 三重県四日市市川尻町1000番地 三菱化 学ビーエーエスエフ株式会社内 (56)参考文献 特開 昭48−69876(JP,A) 特開 平4−63838(JP,A) (58)調査した分野(Int.Cl.7,DB名) B29C 43/00 - 43/58 B29C 67/20 B29C 69/02 C08J 5/18

Claims (4)

    (57)【特許請求の範囲】
  1. 【請求項1】 ポリスチレン系樹脂粒子として、昇温式
    キャピラリー式レオメータを用いて1mmφ×10mm
    Lのダイ、50Kgf/cm2 の荷重及び6℃/分の昇
    温速度の測定条件下で測定した流出開始温度が100〜
    145℃であり、かつ重量平均粒径が0.05〜3mm
    であるポリスチレン系樹脂粒子を用い、該ポリスチレン
    系樹脂粒子を金型内に非溶融状態で充填したのち、プレ
    ス圧力1〜100Kgf/cm2 及び加熱温度110〜
    160℃で成形することを特徴とするポリスチレン系樹
    脂粒子の成形方法。
  2. 【請求項2】 昇温式キャピラリー式レオメータを用い
    て1mmφ×10mmLのダイ、50Kgf/cm2
    荷重及び6℃/分の昇温速度の測定条件下で測定した流
    出開始温度が100〜145℃であり、かつ重量平均粒
    径が0.05〜3mmであることを特徴とする、金型内
    に非溶融状態で充填したのち、プレス圧力1〜100K
    gf/cm2 及び加熱温度110〜160℃で成形する
    のに用いるポリスチレン系樹脂粒子。
  3. 【請求項3】 ポリスチレン系樹脂粒子が、スチレンと
    (メタ)アクリル酸エステルとの共重合体を含む樹脂粒
    子である請求項2に記載のポリスチレン系樹脂粒子。
  4. 【請求項4】 ポリスチレン系樹脂粒子が、ゴム構成成
    分を含むポリスチレン系樹脂粒子である請求項2又は請
    求項3に記載のポリスチレン系樹脂粒子。
JP33224594A 1994-12-13 1994-12-13 ポリスチレン系樹脂粒子の成形方法及びそれに用いる同樹脂粒子 Expired - Fee Related JP3458914B2 (ja)

Priority Applications (1)

Application Number Priority Date Filing Date Title
JP33224594A JP3458914B2 (ja) 1994-12-13 1994-12-13 ポリスチレン系樹脂粒子の成形方法及びそれに用いる同樹脂粒子

Applications Claiming Priority (1)

Application Number Priority Date Filing Date Title
JP33224594A JP3458914B2 (ja) 1994-12-13 1994-12-13 ポリスチレン系樹脂粒子の成形方法及びそれに用いる同樹脂粒子

Publications (2)

Publication Number Publication Date
JPH08197555A JPH08197555A (ja) 1996-08-06
JP3458914B2 true JP3458914B2 (ja) 2003-10-20

Family

ID=18252799

Family Applications (1)

Application Number Title Priority Date Filing Date
JP33224594A Expired - Fee Related JP3458914B2 (ja) 1994-12-13 1994-12-13 ポリスチレン系樹脂粒子の成形方法及びそれに用いる同樹脂粒子

Country Status (1)

Country Link
JP (1) JP3458914B2 (ja)

Also Published As

Publication number Publication date
JPH08197555A (ja) 1996-08-06

Similar Documents

Publication Publication Date Title
US6582633B2 (en) Process for producing objects
CA2233431C (en) Graft polymer moulding compositions with reduced deposit formation
AU2926992A (en) Thermoformable, chemical resistant polymer blends
EP3390510B1 (en) Process for producing foam molded parts with aesthetic surfaces by foam injection molding
KR100656124B1 (ko) 내충격성 열가소성 수지 조성물
JP2013209669A (ja) ブロー成形用熱可塑性樹脂組成物及びそのブロー成形品
CN110709222A (zh) 使用丙烯系聚合物制造低比重成型泡沫的方法
JP6978412B2 (ja) ゴム変性ビニル系グラフト共重合体及びそれを含む熱可塑性樹脂組成物
JP3458914B2 (ja) ポリスチレン系樹脂粒子の成形方法及びそれに用いる同樹脂粒子
JP3054017B2 (ja) 発泡性スチレン系重合体粒子
JP5179026B2 (ja) 改質材、これを用いた成形品の製造方法および廃スチレン系樹脂の再生方法
KR20140085261A (ko) 발포성 수지 조성물, 그 제조방법 및 이를 이용한 발포체
JPS61188444A (ja) ノルボルネン系ポリマ−組成物
JP2002226620A (ja) 物体の製造方法
JP2003277541A (ja) スチレン系樹脂予備発泡粒子とその製造方法及び発泡樹脂成形品
JP4439611B2 (ja) 無機繊維含有スチレン系樹脂成形材料、成形方法および成形品
WO2021200970A1 (ja) マスターバッチ、その製造方法、ポリカーボネート系樹脂組成物、射出発泡成形体、及びその製造方法
JP3054016B2 (ja) 発泡性スチレン系重合体粒子の製造方法
JP2004203991A (ja) 樹脂組成物および木目模様を有する樹脂成形品
JPH11217473A (ja) 熱可塑性樹脂組成物、樹脂発泡シート及び該シートの製造方法
JP2003089728A (ja) リサイクル発泡性スチレン系樹脂粒子およびこれを用いた樹脂成形品
JP3599318B2 (ja) 発泡性合成樹脂粒子、及びその製造方法
JP4429413B2 (ja) 無機繊維含有スチレン系樹脂膨張成形用材料、成形方法および成形品
JPH0297510A (ja) 耐衝撃性芳香族ビニル系樹脂の製造方法
JPH0525313A (ja) スチレン系樹脂発泡体

Legal Events

Date Code Title Description
R250 Receipt of annual fees

Free format text: JAPANESE INTERMEDIATE CODE: R250

FPAY Renewal fee payment (event date is renewal date of database)

Free format text: PAYMENT UNTIL: 20080808

Year of fee payment: 5

FPAY Renewal fee payment (event date is renewal date of database)

Free format text: PAYMENT UNTIL: 20090808

Year of fee payment: 6

FPAY Renewal fee payment (event date is renewal date of database)

Free format text: PAYMENT UNTIL: 20090808

Year of fee payment: 6

FPAY Renewal fee payment (event date is renewal date of database)

Free format text: PAYMENT UNTIL: 20100808

Year of fee payment: 7

FPAY Renewal fee payment (event date is renewal date of database)

Free format text: PAYMENT UNTIL: 20100808

Year of fee payment: 7

FPAY Renewal fee payment (event date is renewal date of database)

Free format text: PAYMENT UNTIL: 20110808

Year of fee payment: 8

FPAY Renewal fee payment (event date is renewal date of database)

Free format text: PAYMENT UNTIL: 20110808

Year of fee payment: 8

FPAY Renewal fee payment (event date is renewal date of database)

Free format text: PAYMENT UNTIL: 20120808

Year of fee payment: 9

FPAY Renewal fee payment (event date is renewal date of database)

Free format text: PAYMENT UNTIL: 20130808

Year of fee payment: 10

LAPS Cancellation because of no payment of annual fees