JP3457216B2 - 移動ラック装置の安全機構 - Google Patents

移動ラック装置の安全機構

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JP3457216B2
JP3457216B2 JP15577299A JP15577299A JP3457216B2 JP 3457216 B2 JP3457216 B2 JP 3457216B2 JP 15577299 A JP15577299 A JP 15577299A JP 15577299 A JP15577299 A JP 15577299A JP 3457216 B2 JP3457216 B2 JP 3457216B2
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Description

【発明の詳細な説明】
【0001】
【発明の属する技術分野】本発明は、複数のラックをレ
ールに沿って移動可能に構成してなる移動ラック装置に
適用され、特に地震等の非常時においてラック間の通路
を確保できる機能を有した移動ラック装置の安全機構に
関する。
【0002】
【従来の技術】この種の移動ラック装置は、必要に応じ
て作業者がラックを移動させ、隣接するラックとの間に
形成した通路に入り込むことで所望のラックに対して物
品の出し入れを行い得るように構成したものであり、固
定ラック装置に比べ省スペース化が可能である点に特徴
を有している。
【0003】一方、このような移動ラック装置において
は、ラックが移動して通路内の人をラック間に挟みこん
でしまうことを防止するために車輪をロックすることで
ラックの移動を禁止するようにしているものが知られて
いる。具体的に、ハンドル式の手動ラックであれば、ハ
ンドルと車輪とを連結しているチェーンを動かないよう
にし、また電動式ラックでは、モータを動かないように
している。
【0004】また、さらに高い安全性を確保するため
に、長尺材の一端をラックの通路入口側隅部に配設した
支柱中間部分に枢支させ、通常はこの長尺材を前記支柱
に沿って起立した状態で保持しておくとともに、人が通
路内に入る際にはこの長尺材を隣接するラック方向に9
0度傾動回転させて水平状態にし、この長尺材に突っか
え棒の役割を担わせてラック間の通路幅を確保するよう
にしたものも知られている。
【0005】
【発明が解決しようとする課題】しかしながら、例え
ば、前者のもの、すなわち車輪をロックするだけのもの
では、レール上を車輪が滑り得るため、積載量の大きい
ラックが通路を形成しているラックに何らかの原因でぶ
つかってきた場合や、あるいは大きい地震のときなどに
は、通路幅の確保という点で十分な安全性を確保するこ
とが難しい。また、長尺材を突っかえ棒のようにする後
者のものであっても、大きな地震等において、各ラック
が変形したり斜行したりすると、長尺材の先端が前記ラ
ックの支柱に当たらなかったり、また当たったとしても
直角に当たらず座屈したりする可能性があるため、安全
性に対する信頼度は比較的低い。さらに、たとえ通路幅
を確保できたとしても、長尺材はラックの中間部位にお
いて水平状態となるため、この長尺材が退避の邪魔にな
る恐れもある。
【0006】
【課題を解決するための手段】本発明は、かかる不具合
を一挙に解決すべくなされたものであって、隣接するラ
ックの上端部間に架け渡された状態を保ちつつこれらラ
ック同士の移動による通路幅の変位に追従して変形又は
移動可能な横架材を設け、作動時にはこの横架材の変形
又は移動を禁止するように構成することにより、作動の
確実性を高め、安全性を向上させるべく図ったものであ
る。
【0007】
【発明の実施の形態】すなわち本発明に係る移動ラック
装置は、複数のラックをレールに沿って移動可能に構成
してなる移動ラック装置に適用され、隣接する任意のラ
ック間に形成した通路が所定幅より狭まることを禁止す
るためのものであって、隣接するラックの上端部間に架
け渡された状態を保ちつつこれらラックの移動による通
路幅の変位に追従して変形又は移動可能な横架材と、通
路幅が前記所定幅に一致している状態において作動して
前記横架材の変形又は移動を禁止することが可能なロッ
ク手段と、このロック手段の作動を解除するためのロッ
ク解除手段とを備えているとともに、前記横架材が、一
対のリンク要素の各一端部同士を互いに水平回転可能に
連結し、各他端部を隣接するラックの上端部にそれぞれ
水平回転可能に連結してなるものであり、前記ロック手
を、一方のリンク要素と他方のリンク要素とが閉止形
状方向に回転するのを禁止するロック作動状態と、リン
ク要素同士が回転可能な作動解除状態と、何ら特別の操
作をしなくとも必ず該ロック手段が自動的に作動するこ
とが可能な作動待機状態とのうちいずれかの状態を取る
ように構成し、さらに、作動解除状態にあるロック手段
を作動待機状態に復帰させるための復帰手段を備えてい
ることを特徴とする。
【0008】このような構成によれば、横架材が隣接す
るラック間に常に跨るように配置されているので、たと
え各ラックが変形したり斜行したりしても上述した従来
のもののように長尺材の先端が隣接するラックの支柱に
当たらないという不具合がそもそも起こり得ず、この横
架材が確実に突っかえ棒のように働いて通路幅を確保す
る。もちろんレールと車輪との滑りによるラックの移動
が生じても通路幅を確保できるのは言うまでもない。し
たがって、従来のものに比べ、通路幅の確保という点に
おける信頼度を大きく向上させることができる。さら
に、横架材はラックの上端部間に配設されるとともに、
この横架材が、一対のリンク要素の各一端部同士を互い
に回転可能に連結し、各他端部を隣接するラックの上端
部にそれぞれ回転可能に連結してなるものであり、また
ロック手段が、これらリンク要素同士の回転を禁止する
ことで前記横架材の変形を禁止するものであるため、簡
単な構成で、作動中においても通路への出入りに邪魔に
ならず、退避を阻害しないという効果も奏し得る。加え
て、非常時のみならず通常使用時において通路幅確保の
ためのロック装置として用いることもできる。
【0009】通路を形成した際にロック手段が必ず自動
的に作動するようにし、作業者がロック手段を作動させ
るための特別の操作をしなくてもよいようにするには、
ロック解除手段により作動解除状態となっているロック
手段を、通路幅を前記所定幅から狭めるようにラックを
移動させることによって作動待機状態となるように構成
しているものが好ましい。
【0010】前記横架材において通路が所定幅の時にリ
ンク要素同士が直線状をなすように構成すると、所定幅
から通路幅を狭めようとしてもリンク要素同士が回転せ
ず、ラックの移動が阻害されるおそれがある。このよう
な点を確実に回避するには、通路幅を所定幅に一致させ
た開成状態において、リンク要素同士がくの字状をなす
ように構成しているものが望ましい。
【0011】部材の削減等に寄与でき、簡単な構成での
実現を可能とするには、ロック手段が、一方のリンク要
素に設けられ他方のリンク要素に係合可能な係合位置と
係合不能な非係合位置との間で移動可能な係止部と、こ
の係止部を係合位置方向に弾性付勢する弾性付勢材と具
備するものであり、ロック解除手段が、前記非係合位置
にある係止部を所定姿勢にすることで移動不能に固定す
ることが可能な固定要素を具備し、前記ロック手段を構
成する弾性付勢材を利用して、係止部を前記所定姿勢と
なる向きに弾性付勢してなるものであることが望まし
い。
【0012】より具体的には、ロック手段が、一方のリ
ンク要素に取り付けた保持体に突没可能にかつ回転可能
に支持された係止部たる係止軸と、この係止軸を突出方
向に弾性付勢する弾性付勢材たるコイルばねとを具備
し、このコイルばねの伸長力により係合位置に突出させ
た係止軸を他方のリンク要素の一端部側縁に係合させる
ことでリンク要素同士を相寄る向きには回転しないよう
にロックする機能を有するものであり、ロック解除手段
が、前記係止軸に設けた係合要素と保持体に設けた固定
要素とを具備し、この係止軸をリンク要素同士の回転を
禁止しない非係合位置たる没入位置において所定角度回
転させることで、前記係合要素を固定要素に係合させ該
係止軸の突出を禁止するものであり、前記コイルばねの
ねじり力を利用して、前記係止軸を係合要素と固定要素
とが係合する向きに回転付勢しているものを挙げること
ができる。
【0013】簡単な構成で実現容易な具体的実施態様と
しては、一方のリンク要素に備えた前記係止軸の下端部
に、この係止軸に直交するように水平方向に延出した丸
棒状のアームを設けるとともに、他方のリンク要素に、
その一端部から垂下させた片状の付勢部材を設け、リン
ク要素を開成形状から閉止形状となるように回転させた
際に、前記アームと付勢部材とが当たるように構成する
ことにより、ロック解除状態にある前記ロック手段を、
作動待機状態に復帰させるものを挙げることができる。
【0014】作業を終えて通路から出る際等に作業者が
ロック解除を忘れることを有効に防止するには、ロック
解除手段が通路の幅方向略中央において下方に垂れ下が
る紐部材により操作可能なものであることが好ましい。
電動式ラックに特に好ましい実施形態としては、横架材
が電気ケーブル等を保持するための配線保持空間を具備
したものを挙げることができる。
【0015】
【実施例】以下、本発明の一実施例を、図面を参照して
説明する。本実施例に係る移動ラック装置1は、図1に
示すように、床面に互いに平行をなすように敷設した複
数のレールR上に複数のラック2を配設し、これらラッ
ク2をレールRに沿って移動させることによって、任意
のラック2間にレールRに直交して延びる通路Sを形成
し得るように構成したものである。なお、本実施例にお
いては、各ラック2が内蔵の電動モータにより動く電動
式のものを取り上げて説明するが、ハンドルで動くもの
やラック自身を押すことにより移動させる手動式のもの
でも構わない。
【0016】ラック2は、底板部21と、天板25と、
左右の側板22と、複数の棚板24とを具備してなるも
のである。底板部21は、図示しないが、外枠となる底
枠材と、この底枠材にレールRの延びる方向に沿って横
架した複数の補強材とを具備するもので、この補強材に
レールR上を転動する車輪を取付けている。天板25と
底板部21との間にはそれぞれの前端縁同士および後端
縁同士を連結するように複数の支柱が同一間隔で立設し
てある。支柱26は、中空の方形パイプであって、その
内側面には、棚板24を選択的に任意の高さに取付可能
とするよう図示しないフック孔が水平に多数貫通させて
ある。左右の側板22は、底板部21の隅部から立設し
た支柱26を外側方から覆うように配設してなるもの
で、その側縁には指詰め防止用のゴム部材221が上下
に亘って取り付けてある。棚板24は、下面を開口させ
た薄い筐体状のもので、その左右両端に設けた図示しな
い爪を支柱22のフック孔に係合させることにより取り
付けてある。
【0017】しかして、本実施例においては、隣接する
ラック2の上端部間に架け渡された状態を保ちつつこれ
らラック2の移動による通路幅の変位に追従して変形又
は移動可能な横架材3と、ラック2の移動により通路S
が所定幅Hに到達した時点で作動し前記横架材3の変形
を禁止することで通路幅が狭まることを規制するロック
手段4と、このロック手段4の作動を解除するためのロ
ック解除手段5と具備する安全機構を設けている。
【0018】この安全機構の各部について詳述する。横
架材3は図2〜図7に示すように、一対のリンク要素3
1、32からなるものであり、各リンク要素31、32
は上方に開口するチャネル部材31b、32bを主体と
してそれぞれ構成したものである。しかして、一方のリ
ンク要素31の一端部31aを概略円盤状のものとし、
他方のリンク要素32の一端部32aを一方のリンク要
素31の一端部31aより面積の小さい板状のものにし
ている。そして、一方のリンク要素31の一端部31a
の上に重ねるようにして他方のリンク要素32の一端部
32aを配設し、これらをピン33により互いに水平回
転可能に連結するとともに、各リンク要素31、32の
他端部31c、32cを隣接するラック2の天板25上
にそれぞれ水平回転可能に連結している。なお、これら
リンク要素31、32をチャネル部材31b、32bを
主体として構成したのは、軽量を保ちつつ十分な強度を
得るためであり、またこのチャネル部材31b、32b
の底壁及び両側壁に囲まれた空間を電気ケーブル等を保
持するための配線保持空間Pとして利用できるようにす
るためである。
【0019】このように構成した横架材3は、隣接する
ラック2同士が接触し通路Sが全く形成されない状態で
は、図2に示すように内方に折れ曲がった平面視概略V
字形状、すなわち閉止形状となり、通路幅が所定幅Hに
一致した状態では、図3、図4に示すように、リンク要
素31、32同士のなす角度が閉止形状よりも大きい内
方に折れ曲がった平面視概略くの字形状、すなわち開成
形状となる。
【0020】ロック手段4は、図8、図9に示すよう
に、下側に位置する一方のリンク要素31の一端部31
a下面に取り付けてなる保持体41と、この保持体41
に上下動可能に支持された係止軸42と、この係止軸4
2を突出方向に弾性付勢するコイルばね43と、一方の
リンク要素31の一端部31aに設けられ前記係止軸4
2を挿通させ得る挿通孔42aとを具備するものであ
る。そして、この挿通孔42aを通って上方に突出した
係止軸42を、他方のリンク要素32に当たらせること
でリンク要素31、32同士をそれらのなす角度がそれ
以上小さくなる向きには回転しないようにロックすると
ともに、通路幅が所定幅H以下に縮まらないようにする
ためのものである。
【0021】このロック手段4について詳述すると、保
持体41は、下面を閉塞してなる円筒形状の保持体本体
411と、この保持体本体411の上端に一体に設けら
れた鍔部413と、この保持体本体411の上端にねじ
止めされその上面開口を閉塞する蓋体412とを具備す
る。係止軸42は、保持体41を構成する蓋体412と
保持体本体411の底板とにそれぞれ設けられた挿通孔
414、415に各端部を支持され、その上端が蓋体4
12の上面から突出する突出位置と保持体41内に没入
する没入位置との間で突没可能に構成されている。
【0022】コイルばね43は、係止軸42に巻きつけ
られるように装着してある。より具体的には係止軸42
の中間部においてラジアル方向に延びるように取り付け
られた固定用ピン52にその一端を止着され、保持体4
1の底板にその他端を止着されている。そしてその伸長
力により係止軸42を突出方向に弾性付勢する。挿通孔
42aは、係止軸42と略同径をなすもので、一方のリ
ンク要素31の一端部31aにおける側方やや先端より
に貫通させてある。より具体的には、図3、図4に示す
ように横架材3が開成形状となったときに他方のリンク
要素32の一端部32aと重合せず、図2に示すよう
に、横架材3が閉止形状またはこの閉止形状と開成形状
との間の形状をなしている場合には、少なくともその一
部が他方のリンク要素32の一端部32aと重合する部
位に設けてある。
【0023】すなわち、このロック手段4は、横架材3
が閉止形状または閉止形状と開成形状との間の形状をな
している場合には、係止軸42がその上端を他方のリン
ク要素32の下面に抑えられて突出できない作動待機状
態となり、開成形状の場合には、図8に示すように、係
止軸42が上方に突出して他方のリンク要素32におけ
る一端部32aの側縁32dに係合し、この他方のリン
ク要素32が閉止形状方向に回転するのを禁止するロッ
ク作動状態となり得る。
【0024】ロック解除手段5は、図8〜図11に示す
ように、ロック手段4を構成する係止軸42を没入位置
に固定しロック作動できないようにするためのもので、
係止軸42に設けた係合要素たる固定用ピン52と、こ
の固定用ピン52を係止軸42が没入位置にある状態で
係止可能な固定要素たる下向面53と、この固定用ピン
52を下向面53に係合させるべく係止軸42を回転さ
せるように弾性付勢する弾性付勢材と、このロック解除
手段5を操作するための操作部たる紐部材51とを具備
する。
【0025】このロック解除手段5について各部を詳述
すると、固定用ピン52は、上述したように係止軸42
の中間部位にその軸方向に直交して延びるように圧入等
により取り付けた円筒状のものである。下向面53は、
前記蓋体412の下面から突出させた一対の突出体53
Aの下面がその役割を担う。これら突出体53Aは蓋体
412の中心に対して互いに対称となるように配設して
ある。
【0026】弾性付勢材は、ロック手段4を構成してい
るコイルばね43がその役割を兼ねる。すなわち、この
コイルばね43は、固定用ピン52にその一端を止着さ
れ、保持体41の底板にその他端を止着されていること
から、そのねじり力により係止軸42に回転力を与え得
る。紐部材51は、係止軸42の下端に取り付けてあ
り、この紐部材51を引張ることにより係止軸42を没
入位置にまで没入させることができる。
【0027】しかして、この紐部材51を下方に引張り
係止軸42を没入位置に位置させると、コイルばね43
が係止軸42を回転させ、固定用ピン52が突出体の下
向面53に係合して係止軸42が突出することを防止す
る。なお、突出体53Aの下向面53には係止軸42が
コイルばね43のねじり力で回転しすぎることを禁止す
るストッパピン531が突出させてある。
【0028】さらに本実施例では、このロック解除手段
5によりロック解除状態にあるロック手段4を、作動待
機状態に復帰させるための復帰手段6を設けている。こ
の復帰手段6は、係止軸42の下端部に設けられたアー
ム61と、他方のリンク要素32に設けられたアーム付
勢用の付勢部材62とからなる。アーム61は係止軸4
2に直交するように水平方向に延出した丸棒状のもので
ある。
【0029】付勢部材62は、他方のリンク要素32の
一端部32aから垂下させた片状のものであり、この他
方のリンク要素32を開成形状から閉止形状となるよう
に回転させた際に前記アーム61に当たって係止軸42
を固定用ピン52と突出体53Aの下向面53との係合
が解除される方向に回転させる。次に本実施例に係る安
全装置の作動及びその取り扱い方法について以下に説明
する。
【0030】隣接するラック2間に通路Sが形成されて
いない状態では、図2に示すように、横架材3は閉止形
状となっており、ロック手段4は、係止軸42の上端が
他方のリンク要素32の一端部32a下面に抑えられて
突出できない作動待機状態にある。したがって、これら
ラック2の移動は禁止されていない。この状態から、隣
接するラック2のいずれかを通路幅が広がるように移動
させ、通路幅を所定幅Hに至らせると、横架材3は開成
形状となり、他方のリンク要素32の一端部32aが係
止軸42の上方に位置しなくなる。この結果、係止軸4
2がコイルばね43の伸長力により突出して他方のリン
ク要素32における一端部32a側縁に係合し、この他
方のリンク要素32が閉止形状方向に回転するのを禁止
する状態、すなわち図3、図8、図10に示すロック作
動状態となる。この状態では、ロック手段4により変形
を禁止された横架材3が突っかえ棒のように働くため、
通路幅を狭める向きにラック2を移動させることができ
なくなる。
【0031】このように通路Sを形成した後、例えば通
路S内での作業等を終えて出て行く際に、作業者は紐部
材51を引張って係止軸42は没入位置に位置させる。
この時、紐部材51が通路入口付近における中央から垂
れ下がっているため作業者が紐部材51を引張ることを
忘れるのを有効に防止できる。しかしてこの操作によ
り、図4、図9、図11に示すように、ロック解除手段
5が作動してロック作動解除状態となる。すなわちコイ
ルばね43のねじり力で係止軸42が回転し係止軸42
に設けた固定用ピン52が突出体の下向面53に係合し
て係止軸42が突出することを防止して、再びリンク要
素31、32同士が回転可能となり、ラック2を移動さ
せることが可能な状態となる。
【0032】そして、次に作業する人が例えば別のラッ
ク2間に通路Sを形成すべく上述した通路幅を狭めるよ
うにラック2を移動させると、リンク要素31、32同
士が接近する向きに回転し、それに応じて、他方のリン
ク要素32に設けた付勢部材62が係止軸42の下端部
に設けたアーム61に当たり、係止軸42をコイルばね
43のねじり力に逆らって固定用ピン52と突出体53
Aの下向面53との係合が解除される方向に回転させ
る。そして固定用ピン52と突出体53Aの下向面53
との係合が解除されると、コイルばね43の伸長力で係
止軸42が突出しようとする。しかしてこの状態では、
図6に示すように、係止軸42の上端が他方のリンク要
素32の一端部32a下面に抑えられてわずかしか突出
できない。すなわち上述したロック手段4の作動待機状
態となる。
【0033】このように構成した本実施例の安全機構に
よれば、横架材3が隣接するラック2間に常に跨るよう
に配置されているので、たとえ各ラック2が変形したり
斜行したりしてもこの横架材3が確実に突っかえ棒のよ
うに働いて通路幅を確保する。もちろんレールRと車輪
との滑りによるラック2の移動が生じても通路幅を確保
できるのは言うまでもない。したがって、通路幅の確保
という点において安全性に対する信頼度を大きく高める
ことができる。さらに、横架材3はラック2の上端部間
に配設されるため、作動中においても通路Sへの出入り
に邪魔にならず、退避を阻害しないうえ、外観上も良好
なものにできる。
【0034】また、従来のものにおいては、車輪のロッ
クを忘れたりあるいは長尺材を水平姿勢にするのを忘れ
たりする等、操作上のミスで安全機構が作動しない場合
が考えられるが、本実施例によれば、通路Sが形成され
ていないラック2に係るロック手段4は、常に作動待機
状態となり、この状態から通路Sを所定幅Hとなるよう
にラック2を移動させることで、何ら特別の操作をしな
くとも必ずロック手段4が自動的に作動することとな
る。したがって、安全性をより向上させることができる
ようになる。
【0035】なお、本発明は上記実施例に限られず種々
の変形が可能である。例えば、ラック幅が長いものであ
れば、横架材を通路入口近傍のみならず、複数箇所に架
け渡してもよい。また、横架材をラックに対して相対的
にスライド移動可能な構成とするとともにロック手段を
横架材のラックに対するスライド移動を禁止するような
構成とすることも可能である。さらに、ロック解除手段
も上記実施例の構成に限られず、横架材の態様に合わせ
たものとすればよいし、電磁的な機構を利用することも
考えられる。加えて、上記実施例では通路を広げて所定
幅にした際には必ず自動的にロック手段が作動したが、
例えば、手動でロック手段を作動させるようにしてもよ
いし、あるいはユーザーがロック手段を自動で作動させ
るか手動でさせるかを選択できるような機構を付与して
も構わない。
【0036】その他各部の具体的な構成は、上述した実
施例に限定されるものでなく本発明の趣旨を逸脱しない
範囲で種々変形が可能である。
【0037】
【発明の効果】以上に詳述した本発明によれば、横架材
が隣接するラック間に常に跨るように配置されているの
で、たとえ各ラックが変形したり斜行したりしても従来
のもののように長尺部材の先端が隣接するラックの支柱
に当たらないという不具合がそもそも起こり得ず、この
横架材が確実に突っかえ棒のように働いて通路幅を確保
する。もちろんレールと車輪との滑りによるラックの移
動が生じても通路幅を確保できるのは言うまでもない。
したがって、従来のものに比べ、通路幅の確保という点
における信頼度を大きく向上させることができる。さら
に、横架材がラックの上端部間に配設されるとともに、
前記横架材が、一対のリンク要素の各一端部同士を互い
に水平回転可能に連結し、各他端部を隣接するラックの
上端部にそれぞれ水平回転可能に連結してなるものであ
り、前記ロック手段が、これらリンク要素同士の回転を
禁止することで前記横架材の変形を禁止するものである
ため、簡単な構成で、作動中においても通路への出入り
に邪魔にならず、退避を阻害しないという効果も奏し得
る。
【0038】ロック解除手段により作動解除状態となっ
ているロック手段を、通路幅を前記所定幅から狭めるよ
うにラックを移動させることによって作動待機状態とす
るように構成しておけば、通路を所定幅となるようにラ
ックを移動させることで必ずロック手段が自動的に作動
することとなる。すなわち、作業者にロック手段を作動
させるための特別の操作を強いることがないので、操作
忘れ等に起因してロック手段が作動しないといった事態
を回避でき安全性をより向上させることができるように
なる。
【0039】横架材において通路が所定幅の時にリンク
要素同士が直線状をなすように構成すると、所定幅から
通路幅を狭めようとしてもリンク要素同士が回転せず、
ラックの移動が阻害されるおそれがあるが、通路幅を所
定幅に一致させた開成状態において、リンク要素同士が
くの字状をなすように構成しておけば、上述したおそれ
を確実に回避することができる。
【0040】ロック手段が、一方のリンク要素に取り付
けた保持体に突没可能にかつ回転可能に支持された係止
軸と、この係止軸を突出方向に弾性付勢するコイルばね
とを具備し、このコイルばねの伸長力により突出させた
係止軸を他方のリンク要素に係合させることでリンク要
素同士を相寄る向きには回転しないようにロックする機
能を有するものであり、ロック解除手段が、前記係止軸
に設けた係合要素と、前記保持体に設けた固定要素とを
具備し、この係止軸をリンク要素同士の回転を禁止しな
い没入位置において所定角度回転させることで、前記係
合要素と固定要素とを係合させ該係止軸の突出を禁止し
得るものであり、前記コイルばねのねじり力を利用し
て、前記係止軸を、前記係合要素と固定要素とが係合す
る向きに回転付勢しているものであれば、ロック手段と
ロック解除手段の構成要素の共通化を促進できるため、
構造の簡単化や部品点数の削減に寄与できる。
【0041】ロック解除手段が、通路の幅方向略中央に
おいて下方に垂れ下がる紐部材により操作可能なもので
あれば、作業を終えて通路から出る際等に作業者がロッ
ク解除を忘れることを有効に防止することができる。横
架材が電気ケーブル等を保持するための配線保持空間を
具備したものであれば、電動式ラックにおいて専用の配
線機構を設けることなく、各ラックへの配線を好適に行
なえる。
【図面の簡単な説明】
【図1】本発明の一実施例を示す移動ラック装置の概略
全体斜視図。
【図2】同実施例における安全機構を示す平面図。
【図3】同実施例における安全機構を示す平面図。
【図4】同実施例における安全機構を示す平面図。
【図5】図2における側面図。
【図6】図2における概略正面図。
【図7】同実施例における安全機構を斜め下方から見た
部分斜視図。
【図8】同実施例における保持体の部分縦断面図。
【図9】同実施例における保持体の部分縦断面図。
【図10】図8におけるX−X線概略断面図。
【図11】図9におけるY−Y線概略断面図。
【符号の説明】 2…ラック 3…横架材 31、32…リンク要素 31a、31b…一端部 4…ロック手段 41…保持体 42…係止軸 43…コイルばね 5…ロック解除手段 51…紐部材 52…係合要素(固定用ピン) 53…固定要素(下向面) R…レール S…通路 H…所定幅 P…配線保持空間
───────────────────────────────────────────────────── フロントページの続き (58)調査した分野(Int.Cl.7,DB名) A47B 53/02 501 B65G 1/10

Claims (7)

    (57)【特許請求の範囲】
  1. 【請求項1】複数のラックをレールに沿って移動可能に
    構成してなる移動ラック装置に適用され、隣接する任意
    のラック間に形成した通路が所定幅より狭まることを禁
    止するためのものであって、 隣接するラックの上端部間に架け渡された状態を保ちつ
    つこれらラックの移動による通路幅の変位に追従して変
    形又は移動可能な横架材と、 通路幅が前記所定幅に一致している状態において作動し
    て前記横架材の変形又は移動を禁止することが可能なロ
    ック手段と、 このロック手段の作動を解除するためのロック解除手段
    とを備えているとともに、 前記横架材が、一対のリンク要素の各一端部同士を互い
    に水平回転可能に連結し、各他端部を隣接するラックの
    上端部にそれぞれ水平回転可能に連結してなるものであ
    り、 前記ロック手段を、一方のリンク要素と他方のリンク要
    素とが閉止形状方向に回転するのを禁止するロック作動
    状態と、リンク要素同士が回転可能な作動解除状態と、
    何ら特別の操作をしなくとも必ず該ロック手段が自動的
    に作動することが可能な作動待機状態とのうちいずれか
    の状態を取るように構成し、 さらに、作動解除状態にあるロック手段を作動待機状態
    に復帰させるための復帰手段 を備えていることを特徴と
    する移動ラック装置の安全機構。
  2. 【請求項2】ロック解除手段により作動解除状態となっ
    ているロック手段が、通路幅を前記所定幅から狭めるよ
    うにラックを移動させることによって作動待機状態とな
    るように構成している請求項1記載の移動ラック装置の
    安全機構。
  3. 【請求項3】通路幅を所定幅に一致させた状態におい
    て、リンク要素同士がくの字状をなすように構成してい
    る請求項1または2記載の移動ラックの安全機構。
  4. 【請求項4】ロック手段が、一方のリンク要素に取り付
    けた保持体に突没可能にかつ回転可能に支持された係止
    軸と、この係止軸を突出方向に弾性付勢するコイルばね
    とを具備し、このコイルばねの伸長力により突出させた
    係止軸を他方のリンク要素に係合させることでリンク要
    素同士を相寄る向きには回転しないようにロックする機
    能を有するものであり、 ロック解除手段が、前記係止軸に設けた係合要素と、前
    記保持体に設けた固定要素とを具備し、この係止軸をリ
    ンク要素同士の回転を禁止しない没入位置において所定
    角度回転させることで、前記係合要素と固定要素とを係
    合させ該係止軸の突出を禁止し得るものであり、前記コ
    イルばねのねじり力を利用して、前記係止軸を、前記係
    合要素と固定要素とが係合する向きに回転付勢している
    請求項1、2または3記載の移動ラック装置の安全機
    構。
  5. 【請求項5】一方のリンク要素に備えた前記係止軸の下
    端部に、この係止軸に直交するように水平方向に延出し
    た丸棒状のアームを設けるとともに、他方のリンク要素
    に、その一端部から垂下させた片状の付勢部材を設け、 リンク要素を開成形状から閉止形状となるように回転さ
    せた際に、前記アームと付勢部材とが当たるように構成
    することにより、 ロック解除状態にある前記ロック手段を、作動待機状態
    に復帰させることを特徴とする請求項4記載の移動ラッ
    ク装置の安全機構。
  6. 【請求項6】ロック解除手段が、通路の幅方向略中央に
    おいて下方に垂れ下がる紐部材により操作可能なもので
    ある請求項1、2、3、4または5記載の移動ラック装
    置の安全機構。
  7. 【請求項7】横架材が電気ケーブル等を保持するための
    配線保持空間を具備したものである請求項1、2、3、
    4、5または6記載の移動ラック装置の安全機構。
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