JP3456218B2 - エンジンの空燃比制御装置 - Google Patents

エンジンの空燃比制御装置

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JP3456218B2
JP3456218B2 JP05752093A JP5752093A JP3456218B2 JP 3456218 B2 JP3456218 B2 JP 3456218B2 JP 05752093 A JP05752093 A JP 05752093A JP 5752093 A JP5752093 A JP 5752093A JP 3456218 B2 JP3456218 B2 JP 3456218B2
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眞里 小林
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  • Supplying Secondary Fuel Or The Like To Fuel, Air Or Fuel-Air Mixtures (AREA)
  • Electrical Control Of Air Or Fuel Supplied To Internal-Combustion Engine (AREA)
  • Combined Controls Of Internal Combustion Engines (AREA)

Description

【発明の詳細な説明】 【0001】 【産業上の利用分野】本発明は、エンジンの空燃比制御
に学習機能を備える装置に関する。 【0002】 【従来の技術】いわゆる三元触媒方式では、排気中のC
O、HC、NOxの転換効率をいずれも高めるため、触
媒を通過する排気中の空燃比が、理論空燃比を中心とし
たある狭い範囲内に収まるように空燃比のフィードバッ
ク制御を行っている。 【0003】このように空燃比のフィードバック制御が
行われるエンジンは、過渡時にベース空燃比の段差から
生じる空燃比のズレを少なくするために、学習によりベ
ース空燃比を理論空燃比に近づけるようになっている。 【0004】ところで、燃料タンクからの蒸発燃料を回
収するキャニスタと、キャニスタに回収された燃料を吸
気通路に導くパージ通路と、エンジン運転状態に応じて
パージ通路を閉塞するパージカット弁とを備えるエンジ
ンにあっては、キャニスタからの蒸発燃料の導入時に空
燃比学習値の更新を行うと、ベース空燃比が大きく乱れ
てしまう。 【0005】このため、特開平3−222841号公報
に見られるように、パージカット弁によりパージ通路が
開通する運転条件では空燃比学習値の更新を停止し、パ
ージカット弁によりパージ通路が閉塞される運転条件で
のみ空燃比学習値の変更を行うものがあった。 【0006】 【発明が解決しようとする課題】しかしながら、前記従
来装置のようにパージカット弁によりパージ通路が開通
する運転条件で空燃比学習値の更新を停止する構成で
は、キャニスタから導入される蒸発燃料分が少ないとき
も、空燃比学習値の更新が行われないため、パージカッ
ト弁によりパージ通路が開通される運転比率が大きい自
動車用エンジン等にあっては、空燃比学習値の更新を行
う頻度が少なくなり、学習効果を十分に発揮できないと
いう問題点があった。 【0007】本発明は上記の問題点に着目し、キャニス
タからの蒸発燃料の影響により空燃比を誤学習すること
を避けつつ、空燃比学習値の更新が行われる頻度を高め
ることを目的とする。 【0008】 【課題を解決するための手段】本発明は、燃料タンクか
らの蒸発燃料を回収するキャニスタと、キャニスタに回
収された燃料を吸気通路に導くパージ通路と、エンジン
運転状態に応じてパージ通路を閉塞するパージカット弁
とを備えたエンジンにおいて、図1に示すように、排気
の空燃比に応じた出力をするO2センサ6と、O2センサ
6の出力に基づいて空燃比フィードバック制御を行いつ
つ空燃比フィードバック補正量に基づいてメモリに格納
している空燃比学習値を更新する手段1と、空燃比が基
準値よりリッチ側にあるかどうかを判定する手段2と、
空燃比が基準値よりリッチ側にある場合にパージカット
弁を介してパージ通路を一時的に閉塞する手段3と、パ
ージ通路が閉塞されるのに伴って空燃比がストイキ側に
戻るかどうかを判定する手段4と、空燃比がストイキ側
に戻る場合に空燃比学習値の更新を停止する手段5とを
備える。 【0009】 【作用】パージカット弁を介してパージ通路が開通され
る運転条件でキャニスタからの蒸発燃料が吸気管に導入
されることにより空燃比がリッチになる場合に、空燃比
学習値の更新を停止することにより、キャニスタからの
蒸発燃料の影響により空燃比を誤学習することを避けら
れる。 【0010】パージカット弁を介してパージ通路が開通
される運転条件でも、キャニスタから吸気管に導入され
る蒸発燃料分が少なく、空燃比の学習制御に実質的に影
響を受けない場合に、空燃比学習値の更新を行うことに
より、空燃比学習値が更新される頻度を増やし、学習効
果を十分に発揮することができる。 【0011】 【実施例】図2に本発明の実施例の機械的構成を示す。 【0012】コントロールユニット11は、排気管10
に介装されたO2センサ6からの出力信号に基づいて理
論空燃比付近に空燃比平均値が維持されるように燃料噴
射弁13からの燃料噴射量をフィードバック補正し、排
気管10に介装された三元触媒12の能力を十分に発揮
できるように制御する。燃料噴射量Tiは次式によって
算出される。 【0013】 Ti=Tp×COEF×(α+α0)+Ts ここで、Tpは基本燃料噴射量で、Tp=K×Q/Nで
ある。Kは定数、Qは吸入空気量、Nはエンジン回転数
である。COEFは各種補正係数である。αは空燃比の
フィードバック係数、α0は回転数および負荷等で定ま
るエンジン運転条件に対応した学習補正係数、Tsは電
圧補正係数である。 【0014】空燃比のフィードバック制御については、
2センサ6の出力信号に基づいて理論空燃比相当のス
ライスレベルより現時点の空燃比がリッチ側(濃い)か
リーン側(薄い)かを判定し、図3に示すように、O2
センサ6の出力がストイキ(理論空燃比)相当のスライ
スレベルより高いと空燃比はリッチ側にあり、この場合
始めに空燃比フィードバック補正係数αを基準値PR
だけ下げて、それから徐々に一定の傾きIRで徐々に下
げて空燃比を薄くするように制御し、O2センサ6の出
力がストイキ相当のスライスレベルより低くなると空燃
比はリーン側に移り、この場合始めに空燃比フィードバ
ック補正係数αを基準値PL分だけ下げて、それから徐
々に一定の傾きILで徐々に下げて空燃比を薄くするよ
うに制御する。この制御を繰り返すことにより実際の空
燃比をストイキに徐々に近づけるようになっている。 【0015】しかし、ベース空燃比がストイキよりずれ
ていると、運転領域が大きく変化したときに、ベース空
燃比の段差をフィードバック制御によりストイキに戻す
までに時間がかかる。そこで、学習によりベース空燃比
をストイキに近づけることにより、過渡時にベース空燃
比の段差から生じる空燃比のズレをなくし、フィードバ
ック制御性を高めるようになっている。 【0016】O2センサ14の出力が理論空燃比相当の
スライスレベルより高いと空燃比はリッチ側に、低いと
リーン側にある。この判定結果より空燃比がリッチ側に
反転したときは空燃比をリーン側に戻さなければならな
い。そこで、図4のフローチャートで示したように、空
燃比がリッチ側に反転した直後は空燃比フィードバック
補正係数αからステップ分PRを差し引き、空燃比がつ
ぎにリーン側へ反転する直前までαから積分分IRを差
し引く(図4のステップ102,103,107、ステ
ップ102,103,109)。 【0017】この逆に空燃比がリーン側に反転したとき
は、反転の直後にステップ分PLをαに加算し、実空燃
比がつぎにリッチ側に反転する直前まで積分分ILを加
算する(図4のステップ102,104,112、ステ
ップ102,104,114)。 【0018】なお、αの演算はRef信号同期である。
これは、燃料噴射がRef信号同期であり、系の乱れも
Ref信号同期であるため、これに合わせたものであ
る。 【0019】上記のステップ分PR,PLの値は積分分
IR,ILの値よりも相対的にずっと大きい。これは、
空燃比がリッチ側やリーン側に反転した直後は大きな値
のステップ分を与えて応答よく反対側に変化させるため
である。ステップ変化の後は小さな値の積分分でゆっく
りと空燃比を反対側へと変化させ、これにより制御を安
定させる。 【0020】ステップ分PRとPLは、基本噴射パルス
幅Tpとエンジン回転数Neをパラメータとするマップ
(図8はステップ分PRのマップ、図9はステップ分P
Lのマップである)をルックアップすることにより求め
る。なお、図8と図9において、一部の運転域でPLと
PRのマップ値が違っているのは、この運転域において
リッチ側への反転時とリーン側への反転時とでO2セン
サの出力応答が相違しても、空燃比平均値が理論空燃比
付近に維持されるようにするためである。 【0021】なお、積分分IR,ILは、後述する燃料
噴射パルス幅(エンジン負荷相当量)Tiに比例させて
与えている(図4のステップ108,113)。これ
は、αの制御周期が長くなる運転域でαの振幅が大きく
なって、触媒ウインドウをはみ出すことがあるので、α
の振幅をαの制御周期によらずほぼ一定とするためであ
る。積分分IR,ILの値は同じ値でかまわない。 【0022】このようにして、排気の空燃比が理論空燃
比よりリーン側にあれば、理論空燃比になるように燃料
噴射弁13からの燃料噴射量を増量し、逆にリッチ側に
あれば燃料噴射弁13からの燃料噴射量を減量するとい
うことを繰り返す。 【0023】一方、空燃比学習についての学習領域は、
図10のように、基本噴射パルス幅Tpとエンジン回転
数Neのそれぞれで区分されるエリア(学習エリア)に
分割され、この各エリアごとに学習値KBLRC[%]
が割り当てられている。具体的にはTpとNeをパラメ
ータとする2次元マップ(学習マップ)に各学習値が格
納・記憶されているわけである。このマップ値は、イグ
ニッションキースイッチをOFFにしても消失しないよ
うにバッテリバックアップしておくことはいうまでもな
い。 【0024】学習条件は、図5のように、〈1〉Tpと
Neが同一エリア内にあること(図5のステップ11
5)、〈2〉空燃比フィードバック補正中であること
(図5のステップ116)、〈3〉O2センサ出力の最
大と最小の差が一定値以上あること(図5のステップ1
17)、〈4〉O2センサ出力が数回サンプリングされ
たこと(図5のステップ118)のすべてが成立したと
きである。 【0025】学習条件が成立すると、αの制御中心(1
00%)からのずれ量ε[%]を ε=(αMAX+αMIN)/2−100… ただし、αMAX;ステップ分PRを付加する直前のαの
値 αMIN;ステップ分PLを付加する直前のαの値 で求め(図5のステップ119)、このずれ量εを用い
て KBLRC=KBLRC+R#・ε… ただし、R#;学習更新割合(1未満の値) により学習値KBLRC[%]を更新する。学習条件が
成立したときのTpとNeの属するエリアの学習値を図
10を内容とするマップから読み出し、その値(式右
辺のKBLRC)にεを取り込んだ値(式左辺のKB
LRC)を改めて同じエリアに格納するわけである(図
5のステップ120,121)。 【0026】ただし、学習値KBLRCは下限値RLR
MIN#と上限値RLRMAX#のあいだに制限してい
る(図5のステップ122)。 【0027】この場合に、学習は新車時の部品バラツキ
やベース空燃比のずれの補正を主な目的として、狭い学
習レンジでかつ比較的速い学習速度で学習値KBLRC
を更新している。学習値の下限値RLRMIN#と上限
値RLRMAX#をそれぞれRLRMIN#=90%、
RLRMAX#=110%とすることで学習レンジを±
10%とし、学習更新割合R#を比較的大きな値に設定
することにより、学習速度を速めているのである。これ
は、新車時の部品バラツキやベース空燃比のずれをある
範囲内に収めることは生産時に管理可能であり、経時劣
化で範囲外となるときは定期的な検査で対処できるから
である。 【0028】しかしながら、学習レンジをはずれるほど
の大幅な空燃比のずれが生じたときは、従来の上記学習
値では補正しきれなくなるので、これに対処するため、
上記の学習値KBLRCはそのままに、この学習値とは
異なる別の学習値を導入する。上記の学習値をA、あら
たに導入する学習値をBで区別すると、この例では KBLRC=KBLRCA+KBLRCB… により空燃比学習値KBLRCを求めるのである。 【0029】一方、燃料噴射パルス幅Tiは、 Ti=Tp・CO・(α+A+B−200)+Ts… ただし、Tp;基本噴射パルス幅 CO;1と各種補正係数との和 α;空燃比フィーバック補正係数 Ts;無効パルス幅 で与える(図7)。 【0030】ここで、αと学習値Aの初期値は従来通り
100%、学習値Bの初期値も100%とする。 【0031】(1)学習エリア 学習値Bについては、学習値Aと異なり学習エリアは設
けない。つまり、学習の頻度を高くするため、全運転域
に対して1つだけの学習値とする。この学習値Bも、イ
グニッションキースイッチのOFFにより消失しないよ
うにバッテリバックアップしておく。 【0032】(2)学習値の更新 学習値Bも、学習値Aと同様にエンジン回転に同期させ
て(たとえばエンジン16回転ごとに)、次のように更
新する。 【0033】〈1〉α+A−100と学習開始時の空燃
比リーン側リミットKBLGH#を比較し、α+A−1
00≧KBLGH#のとき B=B+KBLB#×(KBLRC/100)… ただし、KBLB#;学習更新割合 により学習値Bを更新する(図6のステップ132,1
33)。 【0034】α+A−100はαと学習値Aとで補正し
ているにもかかわらず、補正しきれずに残る空燃比エラ
ー(理論空燃比からのずれのこと)である。この値が学
習開始時にリーン側リミットKBLGH#(たとえば1
05〜115%程度)以上ある(つまり大きくリーン側
にずれている)ときは、学習値Bを大きい側に更新する
ことで、空燃比をリッチ側に戻そうというわけである。 【0035】一方、α+A−100<KBLGH#かつ
B≧100であれば、αと学習値Aとで補正しきれずに
残る空燃比エラーがKBLGH#のリーン側リミット未
満に収まっているので、 B=B−KBLB#×(KBLRC/100)… により学習値Bを小さい側に更新する(図6のステップ
132,136,137)。更新の結果、B<100と
なれば100に制限する(図6のステップ138,13
9)。 【0036】〈2〉同様にして、α+A−100と学習
開始時の空燃比リッチ側リミットKBLGL#(たとえ
ば95〜85%程度)を比較し、α+A−100≦KB
LGL#であれば、αと学習値Aとで補正しきれずに残
る空燃比エラーがKBLGL#のリッチ側リミット以上
あると判断して、学習値Bを上記の式により小さい側
に更新する(図6のステップ140,141)。 【0037】α+A−100>KBLGL#かつB≦1
00であれば、上記の式により学習値Bを大きい側に
更新し(図6のステップ140,144,145)、B
≧100となれば100に制限する(図6のステップ1
46,147)。 【0038】上記の学習更新割合KBLB#は、活性炭
キャニスタからのパージガスやブローバイガスなどの外
乱を回避するため、できるだけ遅い学習速度となるよう
に小さな値に設定する。 【0039】ただし、学習値Aと同様に、下限値と上限
値のあいだに制限する(図6のステップ134,13
5、ステップ142,143)。 【0040】(3)学習条件 下記の条件がすべて成立したとき学習条件が成立したと
判断する(図6のステップ131)。下記の条件は学習
値Aに対する学習条件と同様のものである。 【0041】〈1〉冷却水温TWが下限値以上、上限値
未満のこと TWが上限値以上のとき(高水温時)はパージガスの影
響を受ける可能性があるため、またTWが下限値未満の
とき(低水温時)は壁流燃料などの影響でベース空燃比
が安定していないため、学習を行わない。 【0042】〈2〉基本噴射パルス幅Tpが下限値より
大きいこと Tpが下限値未満のとき(低空気流量域)でのブローバ
イガスの影響(高負荷側でブローバイガスが還流されず
に運転された後、アイドル等の低空気流量域で吸い込ま
れて空燃比がリッチ化する)を避けることなどのため、
低空気流量域では学習を禁止する。 【0043】〈3〉エンジン回転数Neが下限値以上で
あること 〈4〉始動時水温TWINTが下限値以上のとき 〈5〉空燃比フィードバック補正中であること 〈6〉空燃比フィードバック補正のクランプ中でないこ
と 〈7〉アイドルスイッチがOFFのとき アイドル中はブローバイガスやエアフローメータの出力
バラツキの影響が大きいため学習を中止する。 【0044】〈8〉キャニスタからのパージ中でないこ
と 学習値Bの学習速度は遅いもののパージガスの影響をま
ともに受けると誤学習するおそれがあるため、パージ中
と判断したときは学習を中止する。 【0045】ここで、この例の作用を説明する。 【0046】学習値A、Bとも初期値(学習値A、Bと
も100%)の状態にあり、この状態で学習値Aの学習
レンジをはずれるほどの空燃比のずれ(たとえば全運転
域でリッチ側に15%)が生じたときを考える。 【0047】このとき、空燃比をリーン側に戻そうとα
が100%より小さい側にずれるため、学習値Aも10
0%の値から小さな側に比較的速いスピードでずれてい
くが、下限値の90%に張り付き、その後は学習が進ん
でゆかない。 【0048】これに対してこの例では、もう1つの学習
値Bが働く。学習値Bは非常にゆっくりとした学習スピ
ードのため、図11のように、学習値Aが下限値の90
%に達する前に働くことはない。しかしながら、学習値
Aが下限値に達した後に働いて、初期値の100%から
小さな側にゆっくりとしたスピードでずれていく。学習
値Aの学習レンジをはずれるような空燃比のずれに対し
ては、学習値Bにより学習が進むのであり、これによっ
て空燃比をすみやかに理論空燃比に戻すことができる。 【0049】また、ブローバイガスが吸気管に導入され
ることなどにより、ベース空燃比が一時的にリッチ側に
15%ずれることもある。このときも、図12のよう
に、学習値Aが下限値の90%に達した後は学習値Bに
より学習が進むため、空燃比がすみやかに理論空燃比に
戻されている。なお、上記学習条件のうちの〈2〉の条
件は、ブローバイガスの影響が非常に大きい場合(ベー
ス空燃比のずれがリッチ側に20%以上もずれる場合)
に対処するためのものであり、図12のように15%と
比較的ブローバイガスの影響が小さなときは学習値Bが
更新されることになる。 【0050】このように、学習値Aと性格の異なる別の
学習値Bを導入することで、学習値Aの限界値を越える
ような空燃比のずれのときでも、排気性能が悪化しない
ように学習を進めることができる。 【0051】一方、学習値Bは、全運転域に対して1つ
だけの学習値であることから、学習の頻度が高い。学習
値Aに学習エリアを設けた理由は、運転条件により学習
値への要求が異なるからである。これに対して、学習値
Bは、学習値Aの限界値を越えるような空燃比のずれの
ときに学習値Bにより学習を進めさせるのが目的である
から、学習の頻度を高めることによって学習を進ませや
すくするのである。 【0052】図2において、17はキャニスタで、燃料
タンク16から発生する蒸発燃料をチャージ通路26を
通して回収するものである。キャニスタ17の内部には
活性炭が内蔵され、この活性炭は蒸発燃料を吸着すると
ともに、エンジン運転中に活性炭から蒸発燃料を離脱さ
せ、蒸発燃料を含んだ空気(パージエア)をパージ通路
18から吸気管21を経て燃焼室22に送り、燃焼室2
2で燃焼させるようになっている。 【0053】エンジン運転状態に応じてパージ通路18
を開閉するダイヤフラム式のパージコントロール弁19
が設けられる。パージコントロール弁19はその作動室
に吸気管21の絞弁25の近傍に生じる負圧が導入さ
れ、アイドル時のように吸入空気量の少ないときにその
開度を小さくして、多量のパージエアを導入しないよう
になっている。 【0054】信号通路23の途中には電磁式パージカッ
ト弁24が介装される。パージカット弁24がコントロ
ールユニット11からの出力により閉弁すると、パージ
コントロール弁19はその作動室に導入される負圧が遮
断されて閉弁状態に保たれ、吸気管21へのパージエア
の導入を遮断するようになっている。 【0055】コントロールユニット11は上述したよう
にパージエアの遮断すべき所定の運転条件を検出したと
きにパージカット弁24を閉弁させるとともに、図1に
示したO2センサ6を除く各手段1〜5の機能を包含す
るものであり、キャニスタ17から吸気管21に導入さ
れる蒸発燃料により空燃比がリッチになる場合のみに空
燃比学習値の更新を停止し、パージカット弁24が開い
てもキャニスタ17から導入される蒸発燃料が少ない運
転条件では空燃比学習値の更新を行う機能を備えてい
る。 【0056】図13はそのフローチャートで、一定周期
で実行される。 【0057】空燃比の学習条件が成立している運転条件
で空燃比フィードバック係数αが基準値よりリッチ側に
あるかどうかを判定し、αが基準値よりリッチ側にある
場合にパージカット弁24を閉弁させてパージ通路18
を一定時間だけ閉塞する(ステップ31〜33)。 【0058】パージ通路18が閉塞されるのに伴ってα
がストイキ側に戻るかどうかを判定し、αがストイキ側
に戻る変化量が小さい場合に空燃比学習値の演算を停止
するとともに、このルーチンで行われる演算を一定時間
だけ禁止する(ステップ34〜36)このように、パー
ジカット弁24を介してパージ通路18が開通する運転
条件でキャニスタ17からの蒸発燃料が吸気管21に導
入されることにより空燃比がリッチになる場合に、空燃
比学習値の更新を停止することにより、キャニスタ17
からの蒸発燃料の影響により空燃比を誤学習することを
避けられる。 【0059】パージカット弁24を介してパージ通路1
8が開通される運転条件でも、キャニスタ17から吸気
管21に導入される蒸発燃料分が少なく、空燃比の学習
制御に実質的に影響を受けない場合に、空燃比学習値の
更新を行うことにより、空燃比学習値が更新される頻度
を増やし、学習効果を十分に発揮することができる。 【0060】 【発明の効果】以上説明したように本発明は、キャニス
タから導入される蒸発燃料により空燃比がリッチになる
場合のみに空燃比学習値の更新を停止し、パージカット
弁を介してパージ通路が開通してもキャニスタから導入
される蒸発燃料が少ない運転条件では空燃比学習値の更
新を行うものとしたため、キャニスタからの蒸発燃料の
影響により空燃比を誤学習することを避けつつ、空燃比
学習値の更新が行われる頻度を大幅に増やすことがで
き、空燃比のフィードバック制御性が向上する。
【図面の簡単な説明】 【図1】本発明のクレーム対応図。 【図2】本発明の実施例のシステム図。 【図3】空燃比制御の例を示すタイミングチャート。 【図4】空燃比フィードバック補正係数αの演算を行う
ためのフローチャート。 【図5】学習値Aについての学習条件と学習値の更新を
説明するためのフローチャート。 【図6】学習値Bについて学習条件と学習値の更新を説
明するためのフローチャート。 【図7】燃料噴射パルス幅Tiの計算を説明するための
フローチャート。 【図8】ステップ分PRのマップ値を示す特性図。 【図9】ステップ分PLのマップ値を示す特性図。 【図10】学習エリアを示す領域図。 【図11】作用を説明するための波形図。 【図12】作用を説明するための波形図。 【図13】空燃比学習値の更新を停止するルーチンを示
すフローチャート。 【符号の説明】 1 空燃比学習値更新手段 2 判定手段 3 パージカット手段 4 判定手段 5 停止手段 6 O2センサ
───────────────────────────────────────────────────── フロントページの続き (56)参考文献 特開 平3−22841(JP,A) 特開 平6−10736(JP,A) 特開 平6−200804(JP,A) 実開 昭63−183450(JP,U) (58)調査した分野(Int.Cl.7,DB名) F02D 41/00 - 41/40 F02D 45/00 F02M 25/08

Claims (1)

  1. (57)【特許請求の範囲】 【請求項1】 燃料タンクからの蒸発燃料を回収するキ
    ャニスタと、キャニスタに回収された燃料を吸気通路に
    導くパージ通路と、エンジン運転状態に応じてパージ通
    路を閉塞するパージカット弁とを備えるエンジンにおい
    て、排気の空燃比に応じた出力をするO2センサと、O2
    センサの出力に基づいて空燃比フィードバック制御を行
    いつつ空燃比フィードバック補正量に基づいてメモリに
    格納している空燃比学習値を更新する手段と、空燃比が
    基準値よりリッチ側にあるかどうかを判定する手段と、
    空燃比が基準値よりリッチ側にある場合にパージカット
    弁を介してパージ通路を一時的に閉塞する手段と、パー
    ジ通路が閉塞されるのに伴って空燃比がストイキ側に戻
    るかどうかを判定する手段と、空燃比がストイキ側に戻
    る場合に空燃比学習値の更新を停止する手段とを備えた
    ことを特徴とするエンジンの空燃比制御装置。
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