JP3455376B2 - 作業車の走行変速構造 - Google Patents

作業車の走行変速構造

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JP3455376B2 JP26816596A JP26816596A JP3455376B2 JP 3455376 B2 JP3455376 B2 JP 3455376B2 JP 26816596 A JP26816596 A JP 26816596A JP 26816596 A JP26816596 A JP 26816596A JP 3455376 B2 JP3455376 B2 JP 3455376B2
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Description

【発明の詳細な説明】
【0001】
【発明の属する技術分野】本発明は、人為的に正逆に操
作される変速操作具と、低速側に復帰付勢される走行用
無段変速装置の変速部とが機械的に連動連係され、前記
変速操作具の操作方向に沿って正逆にアシスト力を与え
る電動モータと、前記変速操作具が人為的に操作されて
いるか否か、及び、その操作方向を検出する操作状態検
出手段と、この操作状態検出手段により前記変速操作具
が人為的に操作されていることが検出されると、前記操
作方向に沿ってアシスト力が作用するように、前記電動
モータに操作用電流を供給する制御手段とが備えられた
作業車の走行変速構造に関する。
【0002】
【従来の技術】上記構成の作業車の走行変速構造は、車
体走行用の無段変速装置を人為操作に基づいて操作する
ように構成したものにおいて、人為操作に伴ってその操
作方向に向けて電動モータによるアシスト力を付与する
ようにして、人為操作を楽に行えるようにしたものであ
るが、この種の走行変速構造においては、変速操作具に
よる人為操作を停止させた状態で、無段変速装置は中立
側に復帰付勢力が生じるものにおいては、このような復
帰付勢力によって変速操作具が移動して、その変速操作
位置が変化してしまうおそれがある。
【0003】そこで、従来では、例えば、電動モータの
回転力を、従動側から連動回動させることが出来ないウ
ォームギア式の伝動機構を介してアシスト力として与え
るように構成したり、あるいは、操作具と被操作対象と
の連係機構に対して、摩擦保持機構を介してアシスト力
を付与させるように構成して、被操作対象からの操作反
力が生じる場合であっても、その操作反力が操作具側に
伝わらないように構成されていた。
【0004】
【発明が解決しようとする課題】しかしながら、上記従
来構成によるときは、例えば、電動モータが故障して動
作不能状態になった場合に操作具を人為操作するに際し
て、ウォームギア式の伝動機構を介装する場合には、ウ
ォームギア式の伝動機構によって操作が牽制されて操作
が行えないものになる不利がある。又、摩擦保持機構を
介装する構成においては、その摩擦保持力に抗して人為
操作しなければならず、被操作対象の操作反力に加えて
摩擦保持力が加わり、これらの大きな反力に抗して操作
しなければならず操作が重くなってしまうという不利が
あった。
【0005】そこで、例えば、特願平8‐114477
号にて示されるように、変速操作具が操作停止している
状態で、無段変速装置の復帰付勢力に抗して、電動モー
タの駆動力にて操作位置を保持させるべく、電動モータ
に保持電流を供給するように構成すると共に、このよう
な保持電流を供給している状態で無段変速装置が増速側
に移動した場合には、保持電流の供給を停止すると共
に、その供給停止状態を設定時間維持するようにした構
成が考えられた。
【0006】上記改良構成においては、人為操作が停止
されている状態において位置保持する為の特別な保持機
構を不要にしながら、適切に位置保持することができ、
しかも、車体が下り坂を下っている場合のように走行負
荷が軽くなって、無段変速装置の中立復帰力が平坦な路
面の場合よりも小さくなり、電動モータによる保持操作
力が大き過ぎて、変速操作具が操作されていないにもか
かわらず、逆に、増速側に操作してしまうという不利が
あるので、このようなときは、保持電流の供給を停止さ
せるようにしたものである。
【0007】しかし、上記改良構成によるときは、保持
電流の供給停止状態を設定時間だけ維持するようにした
ので、次のような不利があった。つまり、長い下り坂を
下っているような場合に、上述したような保持電流の供
給停止状態に設定されても、前記設定時間が経過すると
再度、保持電流の供給が開始され、その後、供給停止状
態と、保持電流供給状態とが交互に繰り返されるて、徐
々に変速位置が増速側に変化するおそれがある等の不利
な面があった。
【0008】本発明は、かかる点に着目してなされたも
のであり、その目的は、人為操作が停止されている状態
において位置保持する為の特別な保持機構を不要にしな
がら、適切に位置保持することができるものでありなが
ら、無段変速装置の復帰付勢力が小さくなるような場合
であっても、不測に変速位置が変動してしまう等の不利
を未然に回避できるようにする点にある。
【0009】
【課題を解決するための手段】請求項1に記載の特徴構
成によれば、操作状態検出手段により変速操作具が人為
的に操作されていないことが検出されると、無段変速装
置が低速側への復帰付勢力にて移動することを阻止し
て、位置保持させる為の操作力が発生するように、電動
モータに予め設定された設定値の保持電流が供給され
る。そして、変速状態検出手段の検出情報に基づいて、
無段変速装置が高速側に作動したことを判別すると、前
記保持電流の供給を停止させる。更に、前記保持電流の
供給を停止させた後において、変速状態検出手段の検出
情報に基づいて、無段変速装置が減速側に作動したこと
を判別すると、前記保持電流の供給量を前記設定値に復
帰させるのである。
【0010】従って、変速操作が行われていない状態で
は、無段変速装置の変速部が、その中立側への復帰付勢
力により移動しようとするが、保持電流が供給されて電
動モータに発生する操作力と復帰付勢力とが釣り合って
移動が阻止され、操作位置が保持されることになるの
で、例えば機械式保持機構等の特別な保持手段を不要に
しながら、適切に位置保持することができる。尚、保持
電流の設定値としては、無段変速装置の特性に基づいて
予め実験等により求められた適正な値に設定することに
なる。
【0011】又、このように電動モータの操作力にて変
速位置が保持されている状態で、例えば、走行負荷の減
少等により、無段変速装置の前記復帰付勢力が小さくな
った場合には、前記電動モータの操作力が大き過ぎて、
逆に電動モータの操作力にて無段変速装置を増速側に変
速操作させるおそれがあるので、このような場合には、
保持電流の供給を停止させて、無段変速装置が増速側に
変速操作されることを防止するのである。
【0012】しかも、無段変速装置が減速側に作動した
ことを判別するまで、上述したように保持電流の供給停
止状態を維持するので、確実に変速位置を保持できる。
そして、復帰付勢力が増大復帰して元の状態に戻り、無
段変速装置が減速側に作動したことを判別すると保持電
流の供給量を前記設定値に復帰させるので、その後にお
いても、適切に変速位置を保持することが可能となる。
【0013】尚、変速状態検出手段の検出情報に基づい
て、保持電流の供給量を逐次変更調整する構成も考えら
れるが、このようにすると、保持電流の調整のための制
御構成が複雑になるが、本願発明においては、設定値の
電流を供給する状態と供給停止状態とに切り換える構成
であるから、それだけ構成を簡素にできる。
【0014】請求項2に記載の特徴構成によれば、無段
変速装置が高速側に作動したことが変速状態検出手段に
て判別されると、保持電流の供給が停止されると共に、
電動モータが接地ブレーキとして作用する状態に切り換
えられる。
【0015】従って、電動モータの操作力による保持が
不要な状態では電動モータへの電流供給を停止させるこ
とで不要な電力の消費を抑制することができると共に、
電動モータの両側端子を接地させて、復帰付勢力にて回
動されることで発生する電磁力にて、電動モータ自身
を、回動を阻止するブレーキとして作用させることで、
復帰付勢力に対して変速位置が変化することを有効に阻
止することができるのである。
【0016】請求項3に記載の特徴構成によれば、前記
制御手段は、設定単位時間毎に検出される前記変速状態
検出手段の検出値と、その検出値が検出されたときか
ら、前記設定単位時間よりも長い増速判別用時間前に検
出された検出値とを比較して、その偏差が増速側に向け
て増速判別用設定量よりも大きく変化した場合に、前記
無段変速装置が増速側に作動したと判別するように構成
され、且つ、設定単位時間に検出される前記変速状態検
出手段の検出値と、その検出値が検出されたときから、
前記増速判別用時間よりも短い減速判別用時間前に検出
された検出値とを比較して、減速側に向けて、減速判別
用設定量よりも大きく変化した場合に、無段変速装置が
減速側に作動したことを判別するように構成される。
【0017】つまり、無段変速装置の変速状態は設定単
位時間毎に逐次検出しながら、設定単位時間よりも長い
増速判別用時間前の前回検出値と比較して増速側に作動
したか否かを判別するようにしたので、判別動作は設定
単位時間毎に逐次精度よく行われ、車体の変速状態の変
化は機械的な操作に伴う所定の遅れ時間があるので、こ
のような変速状態は、増速判別用時間前の値とを比較す
ることによって適切に判別できるものとなる。
【0018】そして、減速作動を判別する為の減速判別
用時間は、増速判別用時間よりも短い時間に設定される
ので、増速に伴う保持電流の停止の制御に対して、減速
に伴って保持電流を復帰させる制御は、短い応答時間で
対応することにより、復帰付勢力の増大復帰に対して電
動モータによる保持状態を極力早く適正な状態にさせる
ことができる。
【0019】請求項4に記載の特徴構成によれば、請求
項3に記載の特徴構成における前記減速判別用設定量
が、前記増速判別用設定量よりも小さい値に設定されて
いるので、前記復帰付勢力の増大復帰に対して、小さい
変動量にて敏感に対応しながら、電動モータによる保持
状態を適正な状態にさせることができる。
【0020】
【発明の実施の形態】以下、図面に基づいて、本発明の
実施の形態を説明する。図4は作業車の一例である自脱
型コンバインの伝動系を示しており、エンジン1からの
動力が、テンションクラッチを備えたベルト伝動機構2
を介して、ベルト式の無段変速装置3の入力プーリ4に
伝達され、無段変速装置3からの動力がミッションケー
ス5内の油圧クラッチ式の前後進切換装置(図示せ
ず)、及び走行用のギヤ変速装置(図示せず)を介し
て、左右のクローラ走行装置6に伝達される。そしてギ
ヤ変速装置の直前から分離した動力が、ミッションケー
ス5からベルト伝動機構7を介して、機体の前部の刈取
部8に伝達される。又、エンジン1の動力は、脱穀クラ
ッチ45を介して脱穀装置46にも伝達されるようにな
っている。
【0021】次に、前記ベルト式の無段変速装置3の構
成について説明する。図2に示すように、入力プーリ4
が固定された入力軸9に第1割りプーリ11、出力軸1
0に第2割りプーリ12を備えて、第1及び第2割りプ
ーリ11,12に亘り伝動ベルト13を巻回している。
第1及び第2割りプーリ11,12は、入力軸9及び出
力軸10にスプライン構造で固定されるプーリ部分1
4、及び軸芯方向に移動自在なプーリ部分15から構成
されており、第2割りプーリ12の移動側のプーリ部分
15はバネ16で固定側のプーリ部分14側に付勢さ
れ、出力軸10側の負荷が大きくなるのに比例して移動
側のプーリ部分15を固定側のプーリ部分14に押すカ
ム機構17が設けられている。
【0022】第1割りプーリ11の移動側のプーリ部分
15にベアリングを介してリング部材18が外嵌され、
リング部材18に固定された一対のピン18aが無段変
速装置3のケース側の凹部19に入り込んで、リング部
材18が回り止めされている。図3及び図2に示すよう
に、円筒状のカム部材20がベアリングを介して入力軸
9に外嵌されて、直線状の底部20aと左右対象な一対
の傾斜面20bとで構成された凹部がカム部材20に一
対形成されており、リング部材18のピン18aのロー
ラー18bが、カム部材20の一対の凹部に入り込んで
いる。
【0023】図2及び図3に示す状態は、第1割りプー
リ11の移動側のプーリ部分15が固定側のプーリ部分
14から紙面左方に最も離れ、第2割りプーリ12の移
動側のプーリ部分15が固定側のプーリ部分14に最も
接近した最低速位置の状態である。この状態からカム部
材20を右及び左に回転させると、傾斜面20bを介し
てリング部材18及び第1割りプーリ11の移動側のプ
ーリ部分15が、固定側のプーリ部分14側に押し操作
されて接近し、第1割りプーリ11での伝動ベルト13
の巻回半径が大きくなっていく。これに伴って第2割り
プーリ12の移動側のプーリ部分15が、固定側のプー
リ部分14から紙面右方に離れていくのであり、無段変
速装置3が高速側に変速操作されていく。従って、カム
部材20が無段変速装置3の変速部として機能する。
【0024】次に、ベルト式の無段変速装置3及び前後
進切換装置の操作構造について説明する。図2及び図1
に示すように、無段変速装置3の外側においてカム部材
20の端部にボス部材21が固定され、ボス部材21に
扇型ギヤ22が固定されている。機体の固定部に電動モ
ータ23が固定され、平ギヤによる減速機構24が電動
モータ23に備えられており、減速機構24のピニオン
ギヤ24aが扇型ギヤ22に咬合している。ボス部材2
1にリング部材25が外嵌されており、リング部材25
に変速レバー26(変速操作具に相当)が相対回動自在
に外嵌支持されている。
【0025】この変速レバー26は十字方向に揺動操作
自在で、図5に示すように、レバーガイドの前進変速用
ガイド溝44a、後進変速用ガイド溝44c及び、操作
状態切り換え用段差部分を形成する中間ガイド溝44b
の夫々に沿わせて揺動操作でき、前進変速用ガイド溝4
4a又は後進変速用ガイド溝44cにおいて、減速側操
作方向に沿って操作される際に、前進変速用ガイド溝4
4a・後進変速用ガイド溝44cの内縁kにおいて、走
行中立状態に対応する位置で変速レバー26が強制的に
受止め規制され、過剰操作によって前後逆方向の走行状
態に切換わることがないよう構成されている。
【0026】リング部材25のアーム25aのピン25
bが、扇型ギヤ22の開孔22aに入り込んでおり、ゴ
ム状の一対の感圧センサー27,28が、アーム25a
のピン25bを挟み込むように扇型ギヤ22に固定され
ている。前後進切換装置を前進位置・後進位置・中立停
止位置に切換操作する切換弁(図示せず)が備えられて
おり、扇型ギヤ22と切換弁とがプッシュプルワイヤ2
9及び融通機構30を介して連係されている。つまり、
変速レバー26が、図1において反時計周りである正転
側に操作されると、ピン25bが正転側の感圧センサー
27に接当して、正転側の感圧センサー27から検出信
号が出力されて、変速レバー26が正転側へ操作された
ことが検出される。又、変速レバー26が、図1におい
て時計周りである逆転側に操作されると、ピン25bが
逆転側の感圧センサー28に接当して、逆転側の感圧セ
ンサー28から検出信号が出力されて、変速レバー26
が逆転側へ操作されたことが検出される。従って、前記
各感圧センサ27,28により操作状態検出手段が構成
されることになる。
【0027】そして、変速レバー26を中立停止領域N
の一端から前進側の範囲に操作すると、プッシュプルワ
イヤ29及び切換弁により、前後進切換装置が前進位置
に操作され、変速レバー26を中立停止位置Nから後進
側の範囲に操作すると、プッシュプルワイヤ29及び切
換弁により、前後進切換装置が後進位置に操作される。
上記構成によって、変速レバー26とカム部材20と
が、前記ピン25bと扇形ギア22との接当連係機構を
介して正逆方向に操作可能に連動連係されている。
【0028】前記無段変速装置3側の固定壁43に、ポ
テンショメータ41を取付けるとともに、このポテンシ
ョメータ41から延びる揺動レバー42の先端側の横向
きピン42aを、前記扇型ギヤ22に形成した長孔22
bに挿通させることにより、ポテンショメータ41を無
段変速装置3の変速操作に伴って操作されるように装備
して、無段変速装置3の変速状態を検出可能に構成して
ある。ポテンショメータ41の検出値は、256段階に
A/D変換されて、後述の制御装置に31に読み込まれ
る。従って、ポテンショメータ41が変速状態検出手段
に相当する。尚、ポテンショメータ41の検出値に基づ
いて変速位置を判別するための判別用データは、予めポ
テンショメータ41の実測値が計測されてメモリ等の記
憶手段に記憶されている。ここで、上記判別用データ
は、図5に示すように、前記変速レバー26の揺動範囲
を、前記中立領域Nと、この中立領域Nを挟む前進領域
F・後進領域Rとに区分けするとともに、さらに前記中
立領域Nを、その中央の中立位置nの両側のいきすぎ領
域Na(中立領域N内の設定領域である)と、このいき
すぎ領域Naの両側に間隔を空けて位置する一対の発進
領域Nb(発進直前に変速レバー26が位置する設定領
域である)とに区分けし、ポテンショメータ41が示す
値を各領域ごとに割り当てる。
【0029】電動モータ23を駆動する駆動回路は、図
6に示すように、制御装置31からの信号により励磁さ
れて、変速レバー26が図1において反時計周りである
正転側に揺動するように電動モータ23の回転方向が切
換操作される第1電磁リレー32と、変速レバー26が
図1において時計周りである逆転側に揺動するように電
動モータ23の回転方向が切換操作される第2電磁リレ
ー33とが備えられている。上記のように電動モータ2
3に通電される電流の方向を決定する第1,第2電磁リ
レー32,33はトランジスタ35,36により励磁駆
動され、電動モータ23に通電される電力は、後述のよ
うに制御装置31からパルス信号を受けて作動するトラ
ンジスタ37によって制御される。この他、後述する電
動モータ23に供給する保持電流A2の値を検出する為
の基準抵抗器38及びその基準抵抗器38の両端電圧を
平滑化する平滑回路39が備えられている。
【0030】次に、制御装置31の制御動作について図
8〜図12の制御フローチャートに基づいて説明する。
【0031】変速レバー26を、図1において反時計周
りである正転側(又は時計周りの逆転側)に操作し始め
ると、ピン25bが正転側の感圧センサー27(又は逆
転側の感圧センサー28)に接当して(ステップS1,
S2)、正転側の感圧センサー27(又は逆転側の感圧
センサー28)から信号が制御装置31に入力される。
正転側の感圧センサー27(又は逆転側の感圧センサー
28)による検出時点が変速レバー26の逆転作動後
(又は正転作動後)から設定時間(例えば200mse
c(ミリ秒))以上経過しており(ステップS3,S
9,S10,S16)、変速レバー26が前進上限位置
(又は後進上限位置)になければ(ステップS4,S1
1)、制御装置31から図7に示すような正転側(又は
逆転側)のパルス信号P1が出力され、パルス信号P1
に応じた正転側(又は逆転側)の操作電流A1が電動モ
ータ23に出力されて高速正転(又は高速逆転)し(ス
テップS5,S12)、電動モータ23から変速レバー
26に正転側(又は逆転側)に沿ったアシスト力が与え
られる。
【0032】つまり前進領域Fにおいて変速レバー26
を正転側に操作すると、電動モータ23から正転側にア
シスト力が与えられて、無段変速装置3が増速側に変速
操作されるのであり、変速レバー26を逆転側に操作す
ると、電動モータ23から逆転側にアシスト力が与えら
れて、無段変速装置3が減速側に変速操作される。逆に
後進領域Rにおいて、変速レバー26を逆転側に操作す
ると、電動モータ23から逆転側にアシスト力が与えら
れて、無段変速装置3が増速側に変速操作されるのであ
り、変速レバー26を正転側に操作すると、電動モータ
23から正転側にアシスト力が与えられて、無段変速装
置3が減速側に変速操作される。この場合、図7に示す
ように、駆動パルス信号(前記P1)の前記デューティ
ー比は、「1.0」に設定されているので、電動モータ
23は連続的に駆動される状態となっている。
【0033】正転側の感圧センサー27(又は逆転側の
感圧センサー28)による検出時点が、変速レバー26
の逆転作動後(正転作動後)設定時間(200mse
c)内にあったとする(ステップS3,S10)。この
場合、ポテンショメータ41が、中立状態又は中立に近
い状態(つまり、中立領域N内のいきすぎ領域Na内に
変速レバー26が位置していること)を検出すると(ス
テップS6,S13)、正転側の感圧センサー27(又
は逆転側の感圧センサー28)による変速レバー26の
作動の検出がなくなるまで電動モータ23が微速正転
(又は微速逆転)する(ステップS7,S8,S14,
S15)。これにより変速レバー26のハンチング動作
が抑制される。
【0034】次に変速レバー26の操作を止めると、正
転側及び逆転側の感圧センサー27,28の信号が停止
する(ステップS1,S2)。この場合、前進領域Fの
高速範囲F1において、変速レバー26の操作を止める
と、制御装置31から図7に示すような前進側(正転
側)のパルス信号P2’が出力される。このパルス信号
P2’において、一つの周期Tでの出力時間T’と停止
時間T’’との比(T’/T’’)が充分に小さい値に
設定されているので、正転側の所定値B’の保持電流A
2’(前述の操作電流A1よりも充分に小さい)が、電
動モータ23に出力される(ステップS20,S2
1)。変速レバー26が前進上限位置にあるときも、同
様に前記保持電流A2’が、電動モータ23に出力され
る(ステップS4,S22)。
【0035】前進領域Fの低速範囲F2において、変速
レバー26の操作を止めると、制御装置31から図7に
示すような前進側(正転側)のパルス信号P2’’が出
力される。このパルス信号P2’’において、前記の比
T’/T’’が前記P2’におけるT’/T’’よりも
小さい値に設定されているので、正転側の所定値B’’
の保持電流A2’’(前述の保持電流A2’よりも小さ
い)が、電動モータ23に出力される(ステップS2
2)。
【0036】そして、ポテンショメータ41の検出値が
250msec(設定単位時間の一例)毎に読み込まれ
て、その検出値は順次記憶され、読み込まれた現在のポ
テンショメータ41の検出値と2秒(増速判別用時間の
一例)前の検出値とを、読み込まれる毎に比較する(ス
テップS18,S23)。保持電流が供給されている状
態で、その検出値が2ポイント(2/256)(増速判
別用設定量の一例)以上増えていれば、即ち、変速状態
が増速側に変化していることが検出されると、保持電流
の供給による電動モータ23の操作力が大き過ぎるもの
と判断して、保持電流の供給を停止して電動モータ23
の両端子を短絡させて接地ブレーキとして作用させる
(ステップS24,25)。
【0037】又、上述したような接地ブレーキとして作
用している短絡状態では、ポテンショメータ41の検出
値が250msec毎に1秒(減速判別用時間の一例)
前の検出値と比較され、1ポイント(1/256)(減
速判別用設定量の一例)以上減っていれば、即ち、変速
状態が減速側に変化していることが検出されると、ステ
ップ20に移行して、保持電流(A2’又はA2’’)
が供給される状態に復帰させる(ステップS19,S2
6,S27)。
【0038】後進領域Rにおいて、変速レバー26の操
作を止めると、制御装置31から図7に示すような逆転
側のパルス信号P2’’が出力され、保持電流A2’’
が、電動モータ23に出力される(ステップS17,S
30)。変速レバー26が後進上限位置にあるときも、
同様に前記保持電流A2’’が、電動モータ23に出力
される(ステップS11,S30)。
【0039】そして、前進領域の場合と同様に、ポテン
ショメータ41の検出値が250msec毎に読み込ま
れて、保持電流が供給されている状態で、その検出値が
2ポイント(2/256)以上減っていれば(ステップ
S28,S31,S32)、即ち、変速状態が増速側に
変化していることが検出されると、保持電流の供給によ
る電動モータ23の操作力が大き過ぎるものと判断し
て、保持電流の供給を停止して電動モータ23の両端子
を短絡させて接地ブレーキとして作用させ(ステップS
33)、接地ブレーキとして作用している短絡状態で、
ポテンショメータの検出値が250msec毎に1秒前
の検出値と比較され、1ポイント増えていれば、即ち、
変速状態が減速側に変化していることが検出されると、
保持電流A2’’が供給される状態に復帰させる(ステ
ップS29,S34,S35)。
【0040】図2に示すベルト式の無段変速装置3は、
伝動ベルト13の張力により中立停止領域N側に戻ろう
としているので、ステップS15,S16,S17での
電動モータ23の正転側(又は逆転側)の小さなアシス
ト力と、無段変速装置3の前述の中立停止領域N側への
復帰付勢力とが釣り合って、変速レバー26及び無段変
速装置3がその操作位置(変速位置)に保持される。こ
の場合に、どれだけの値の正転側(又は逆転側)の保持
電流A2を電動モータ23に供給すると、変速レバー2
6及び無段変速装置3が保持されるのかが実験等により
事前に把握されており、その保持電流A2’,A2’’
の値が予め設定される設定値に相当する。尚、この保持
電流は、基準抵抗器38の両端電圧としてフィードバッ
クされて検出されており、設定値に維持されるように、
パルス信号P2’,P2’’における出力時間T’と停
止時間T’’との比(T’/T’’)が、制御装置31
によって自動的に変更操作される。
【0041】変速レバー26が中立停止領域Nに操作さ
れ、発進領域Nbで増速作動後設定時間(例えば200
msec)内にあると(ステップS36)、電動モータ
23への操作電流A1(保持電流A2)の供給系が遮断
された状態に設定され、電動モータ23が空転状態とな
る(ステップS37)。電動モータ23の空転状態は、
図6に示す第1電磁リレー32及び第2電磁リレー33
のいずれか一方を励磁し、トランジスタ37にパルス信
号P1,P2’,P2’’を出力しないことによって設
定する。ベルト無段変速装置は一般に中立領域Nが広く
て、増速操作してから発進するまでに少し時間がかかる
が、上記のように電動モータ23を空転させることで、
操縦者に円滑に発進する印象を与えることができる。
【0042】変速レバー26が中立停止領域Nに操作さ
れ、発進領域Nbで増速作動後前記設定時間内にないと
(ステップS36)、電動モータ23への操作電流A1
(保持電流A2’,A2’’)の供給系が短絡された状
態に設定される(ステップS38)。これは図6に示す
第1電磁リレー32及び第2電磁リレー33を切り状態
として、電動モータ23の端子23a,23bを接地さ
せて、短絡された状態とする。
【0043】〔別実施形態〕 (1)上記実施形態では、保持電流の設定値として、前
進領域の高速範囲と低速範囲とで異なる値になるように
したが、これらが同じ値であってもよく、又、この設定
値は、変速位置に応じて夫々異なった値に設定するもの
でもよい。
【0044】(2)上記実施形態では、変速状態検出手
段としてのポテンショメータの検出値に基づいて、増速
側への作動を検出する際における、減速判別用設定量を
増速判別用設定量よりも小さい値に設定したが、これら
を同じ値に設定してもよく、又、減速判別用設定量を増
速判別用設定量よりも大きい値に設定してもよい。
【0045】(3)上記実施形態では、変速状態検出手
段としてのポテンショメータの検出値に基づいて、増速
側への作動を検出する際における、減速判別用時間を増
速判別用時間量よりも短い値に設定したが、これらを同
じ値に設定してもよく、又、減速判別用時間を増速判別
用時間よりも長い時間に設定してもよい。
【0046】(4)上記実施形態では、無段変速装置と
してベルト式無段変速装置を示したが、静油圧式無段変
速装置や、テーパコーン形の摩擦式無段変速装置等の各
種の無段変速装置を用いてもよい。
【図面の簡単な説明】
【図1】変速操作部の側面図
【図2】無段変速装置の断面図
【図3】カム部材の側面図
【図4】コンバインの伝動系統図
【図5】レバーガイドを示す平面図
【図6】制御ブロック図
【図7】電動モータへの電流状態を示す図
【図8】制御動作のフローチャート
【図9】制御動作のフローチャート
【図10】制御動作のフローチャート
【図11】制御動作のフローチャート
【図12】制御動作のフローチャート
【符号の説明】
3 無段変速装置 20 変速部 23 電動モータ 26 変速操作具 27,28 操作状態検出手段 31 制御手段 41 変速状態検出手段
───────────────────────────────────────────────────── フロントページの続き (58)調査した分野(Int.Cl.7,DB名) F16H 59/00 - 61/12 F16H 61/16 - 61/36 F16H 63/00 - 63/48 F16H 9/00

Claims (4)

    (57)【特許請求の範囲】
  1. 【請求項1】 人為的に正逆に操作される変速操作具
    と、低速側に復帰付勢される走行用無段変速装置の変速
    部とが機械的に連動連係され、 前記変速操作具の操作方向に沿って正逆にアシスト力を
    与える電動モータと、 前記変速操作具が人為的に操作されているか否か、及
    び、その操作方向を検出する操作状態検出手段と、 この操作状態検出手段により前記変速操作具が人為的に
    操作されていることが検出されると、前記操作方向に沿
    ってアシスト力が作用するように、前記電動モータに操
    作用電流を供給する制御手段とが備えられた作業車の走
    行変速構造であって、 前記無段変速装置の変速状態を検出する変速状態検出手
    段が設けられ、 前記制御手段は、 前記操作状態検出手段により前記変速操作具が人為的に
    操作されていないことが検出されると、前記無段変速装
    置が低速側への復帰付勢力にて移動することを阻止し
    て、位置保持させる為の操作力が発生するように、前記
    電動モータに予め設定された設定値の保持電流を供給す
    るように構成され、 且つ、前記変速状態検出手段の検出情報に基づいて、前
    記無段変速装置が高速側に作動したことを判別すると、
    前記保持電流の供給を停止させるように構成され、 更に、前記保持電流の供給を停止させた後において、前
    記変速状態検出手段の検出情報に基づいて、前記無段変
    速装置が減速側に作動したことを判別すると、前記保持
    電流の供給量を前記設定値に復帰させるように構成され
    ている作業車の走行変速構造。
  2. 【請求項2】 前記制御手段は、 前記変速状態検出手段の検出情報に基づいて、前記無段
    変速装置が高速側に作動したことを判別すると、前記保
    持電流の供給を停止させると共に、前記電動モータを接
    地ブレーキとして作用する状態に切り換えるように構成
    されている請求項1記載の作業車の走行変速構造。
  3. 【請求項3】 前記制御手段は、 設定単位時間毎に検出される前記変速状態検出手段の検
    出値と、その検出値が検出されたときから、前記設定単
    位時間よりも長い増速判別用時間前に検出された検出値
    とを比較して、その偏差が、増速側に向けて増速判別用
    設定量よりも大きく変化した場合に、前記無段変速装置
    が増速側に作動したと判別するように構成され、 且つ、設定単位時間に検出される前記変速状態検出手段
    の検出値と、その検出値が検出されたときから、前記増
    速判別用時間よりも短い減速判別用時間前に検出された
    検出値とを比較して、その偏差が、減速側に向けて減速
    判別用設定量よりも大きく変化した場合に、前記無段変
    速装置が減速側に作動したことを判別するように構成さ
    れている請求項1又は2記載の作業車の走行変速構造。
  4. 【請求項4】 前記減速判別用設定量は、前記増速判別
    用設定量よりも小さい値に設定されている請求項3記載
    の作業車の走行変速構造。
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