JP3158049B2 - 作業車の走行変速構造 - Google Patents

作業車の走行変速構造

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JP3158049B2 JP11447796A JP11447796A JP3158049B2 JP 3158049 B2 JP3158049 B2 JP 3158049B2 JP 11447796 A JP11447796 A JP 11447796A JP 11447796 A JP11447796 A JP 11447796A JP 3158049 B2 JP3158049 B2 JP 3158049B2
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Description

【発明の詳細な説明】
【0001】
【発明の属する技術分野】本発明は、人為的に正逆に操
作される変速操作具と走行用の無段変速装置の変速部と
を機械的に連動連結して、変速操作具により無段変速装
置を変速操作するように構成した作業車の走行変速構造
に関する。
【0002】
【従来の技術】前述のような作業車の走行変速構造の一
例が、特開平6‐201007号公報に開示されてい
る。この構造では、人為的に正逆に操作される変速レバ
ー(前記公報の図1及び図4中の16)(変速操作具に
相当)と、走行用の無段変速装置とを機械的に連動連結
して、ウォーム減速機構(前記公報の段落番号〔000
9〕参照)を介して電動モータ(前記公報の図1及び図
4中の13)の動力を、変速レバーの操作方向に沿って
正逆にアシスト力として与えるように構成している。変
速レバーが人為的に操作されているか否か、及び変速レ
バーの操作方向を検出するスイッチ(前記公報の図1及
び図4中の17,18)(第1検出手段に相当)を備え
て、変速レバーが人為的に操作されていると、変速レバ
ーの操作方向にアシスト力が与えられるように電動モー
タに操作電流を供給するように構成している。このよう
に電動モータにより変速レバーにアシスト力を与えるよ
うに構成することによって、変速レバーによる変速操作
が軽く行える。ウォーム減速機構を備えることにより、
変速レバーから手を離した場合(電動モータは停止)、
無段変速装置自身が低速側に戻ろうとしても、無段変速
装置がその変速位置に保持されるのであり、無段変速装
置を任意の変速位置で保持する専用の摩擦保持機構が不
要になる。
【0003】
【発明が解決しようとする課題】前述のウォーム減速機
構の減速比は非常に大きく、電動モータのアシスト力に
先行して変速操作具を操作しようとしても、ウォーム減
速機構により変速操作具を先行して操作することはでき
ない。
【0004】従って、前述のように電動モータからウォ
ーム減速機構を介してアシスト力を変速操作具に与える
構成では、変速操作具の操作が遅いものとなるので、変
速操作具を素早く操作して無段変速装置を変速操作する
と言うことが行えなくなり、操作性の面で改善の余地が
ある。本発明は、作業車の走行変速構造において、無段
変速装置を任意の変速位置で保持する専用の摩擦保持機
構を不要にすると言う利点を残しながら、変速操作具を
素早く操作しての無段変速装置の変速操作が行えるよう
に構成することを目的としている。
【0005】
【課題を解決するための手段】
〔I〕請求項1の特徴によると、変速操作具の人為的な
操作に伴い第1検出手段の検出に基づいて電動モータに
操作電流が供給され、電動モータの動力が変速操作具に
アシスト力として与えられ、変速操作具による無段変速
装置の変速操作が軽く行える。請求項1の特徴ではウォ
ーム減速機構を備えていないので、電動モータからの動
力を変速操作具にアシスト力として与える通常の状態に
対して、これとは逆に変速操作具の操作力を電動モータ
に伝えることもできる。これにより、電動モータの抵抗
に抗して変速操作具を素早く操作すれば、電動モータの
アシスト力に先行して、変速操作具により無段変速装置
を素早く変速操作することができる。
【0006】このようにウォーム減速機構を備えていな
いと、変速操作具から手を離した状態で(電動モータは
停止)、無段変速装置をその変速位置に保持すると言う
ことはあまり期待できない。そこで、請求項1の特徴に
よれば変速操作具が人為的に操作されていないと、電動
モータに保持電流が供給されて変速操作具に対し小さな
アシスト力が与えられる。これにより、この小さなアシ
スト力と、無段変速装置の低速側に戻ろうとする力とが
釣り合って、無段変速装置がその変速位置に保持され
る。作業車が坂道を下るときは、無段変速装置が足まわ
りから増速方向に力を受けるために、前記の力の釣り合
いが崩れて、変速操作具が増速側に移動することも考え
られるが、請求項1の構成によれば、第2検出手段によ
り無段変速装置が増速側に作動したことが検出される
と、制御手段が電動モータへの保持電流の供給量を低下
させて、前記の小さなアシスト力をさらに小さくする
(又はゼロにする)から、無段変速装置が足まわりから
受ける増速方向の力と、前記のさらに小さくした(又は
ゼロになった)アシスト力とを合計した力が、前記無段
変速装置の低速側に戻ろうとする力よりも大きくなるこ
とがなく、変速操作具の増速側への移動を回避すること
ができる。
【0007】〔II〕請求項2の特徴によると、請求項
1の場合と同様に前項〔I〕に記載の「作用」を備えて
おり、これに加えて以下のような「作用」を備えてい
る。前記第2検出手段により無段変速装置の増速側への
作動が検出されると、制御手段が電動モータへの保持電
流の供給量を停止させて、電動モータを接地ブレーキと
して作用する状態に切換えるから、変速操作具の増速側
への移動を確実に回避することができる。
【0008】〔III〕請求項3の特徴によると、請求
項1又は2の場合と同様に前項〔I〕又は〔II〕に記
載の「作用」を備えており、これに加えて以下のような
「作用」を備えている。前記第2検出手段は、変速操作
具と前記変速部とを機械的に連動連結する連係機構中の
特定部材が、無段変速装置の増速側への作動に追従移動
するのを検出するよう構成してあるから、第2検出手段
の設置が容易で、設置作業の効率を上げることができ
る。
【0009】〔IV〕請求項4の特徴によると、請求項
1又は2,3の場合と同様に前項〔I〕又は〔II〕,
〔III〕に記載の「作用」を備えており、これに加え
て以下のような「作用」を備えている。制御手段が第2
検出手段の検出値を第1設定時間ごとに繰り返し検出す
ると共に、最新の検出値と、この最新の検出値を検出し
たときから、第1設定時間よりも長い時間前に検出した
検出値とを比較して、その差が設定値よりも大きいと、
前記無段変速装置が増速側に作動したと判別するから、
電動モータへの保持電流の供給量の低下を必要とする無
段変速装置の増速側への作動を正確に把握できる。
【0010】
【発明の実施の形態】図4は作業車の一例であるコンバ
インの伝動系を示しており、エンジン1からの動力がテ
ンションクラッチを備えたベルト伝動機構2を介して、
ベルト式の無段変速装置3の入力プーリー4に伝達され
る。無段変速装置3からの動力がミッションケース5の
油圧クラッチ式の前後進切換装置(図示せず)、及び走
行用のギヤ変速装置(図示せず)を介して、左右のクロ
ーラ走行装置6に伝達される。ギヤ変速装置の直前から
分離した動力が、ミッションケース5からベルト伝動機
構7を介して、機体の前部の刈取部8に伝達される。
【0011】次に、ベルト式の無段変速装置3及びその
変速操作構造について説明する。図2に示すように、入
力プーリー4が固定された入力軸9に第1割プーリー1
1、出力軸10に第2割プーリー12を備えて、第1及
び第2割プーリー11,12に亘り伝動ベルト13を巻
回している。第1及び第2割プーリー11,12は、入
力軸9及び出力軸10にスプライン構造で固定されるプ
ーリー部分14、及び軸芯方向に移動自在なプーリー部
分15から構成されており、第2割プーリー12の移動
側のプーリー部分15はバネ16で固定側のプーリー部
分14側に付勢され、出力軸10側の負荷が大きくなる
のに比例して移動側のプーリー部分15を固定側のプー
リー部分14に押すカム機構17が設けられている。
【0012】第1割プーリー11の移動側のプーリー部
分15にベアリングを介してリング部材18が外嵌さ
れ、リング部材18に固定された一対のピン18aが無
段変速装置3のケース側の凹部19に入り込んで、リン
グ部材18が回り止めされている。図3及び図2に示す
ように、円筒状のカム部材20(変速部に相当)がベア
リングを介して入力軸9に外嵌されて、直線状の底部2
0aと左右対象な一対の傾斜面20bとで構成された凹
部がカム部材20に一対形成されており、リング部材1
8のピン18aのローラー18bが、カム部材20の一
対の凹部に入り込んでいる。
【0013】図2及び図3に示す状態は、第1割プーリ
ー11の移動側のプーリー部分15が固定側のプーリー
部分14から紙面左方に最も離れ、第2割プーリー12
の移動側のプーリー部分15が固定側のプーリー部分1
4に最も接近した最低速位置の状態である。この状態か
らカム部材20を右及び左に回転させると、傾斜面20
bを介してリング部材18及び第1割プーリー11の移
動側のプーリー部分15が、固定側のプーリー部分14
側に押し操作されて接近し、第1割プーリー11での伝
動ベルト13の巻回半径が大きくなっていく。これに伴
って第2割プーリー12の移動側のプーリー部分15
が、固定側のプーリー部分14から紙面右方に離れてい
くのであり、無段変速装置3が高速側に変速操作されて
いく。
【0014】次に、ベルト式の無段変速装置3及び前後
進切換装置の操作構造について説明する。図2及び図1
に示すように、無段変速装置3の外側においてカム部材
20の端部にボス部材21が固定され、ボス部材21に
扇型ギヤ22(特定部材に相当)が固定されている。機
体の固定部に電動モータ23が固定され、平ギヤによる
減速機構24が電動モータ23に備えられており、減速
機構24のピニオンギヤ24aが扇型ギヤ22に咬合し
ている。ボス部材21にリング部材25が外嵌されてお
り、リング部材25に変速レバー26(変速操作具に相
当)が支持されている。つまり、変速部としてのカム部
材20は、変速レバー26と機械的に連動連結されてい
る。
【0015】リング部材25のアーム25aのピン25
bが、扇型ギヤ22の開孔22aに入り込んでおり、ゴ
ム状の一対の感圧センサー27,28(第1検出手段に
相当)が、アーム25aのピン25bを挟み込むように
扇型ギヤ22に固定されている。前後進切換装置を前進
位置、後進位置及び中立停止位置に切換操作する切換弁
(図示せず)が備えられており、扇型ギヤ22と切換弁
とがプッシュプルワイヤ29及び融通機構30を介して
連係されている。
【0016】無段変速装置3側の固定壁43にポテンシ
ョメータ41(第2検出手段に相当)を取り付けると共
に、このポテンショメータ41から延びる揺動レバー4
2の先端側の横向きピン42aを、前記扇型ギヤ22に
形成した長孔22bに挿通させて、無段変速装置3の変
速状態を検出可能に構成してある。尚、ポテンショメー
タ41の検出値は、256段階にA/D変換されて、後
述の制御装置31にて読み込まれるようになっている。
【0017】図5に示すように、電動モータ23を操作
する制御装置31(制御手段に相当)、制御装置31か
らの信号により前進側Fの駆動状態に切換操作される
(即ち変速レバー26が、図1において反時計周りであ
る正転側に揺動するように切換操作される)第1電磁リ
レー32、後進側Rの駆動状態に切換操作される(即ち
変速レバー26が、図1において時計周りである逆転側
に揺動するように切換操作される)第2電磁リレー3
3、電動モータ23に後述するパルス信号P1,P2を
供給する入り状態と電動モータ23の端子23a,23
bを接地(短絡)させる切り状態とに切換操作される第
3電磁リレー34が備えられている。第1,2,3電磁
リレー32,33,34の励磁駆動用のトランジスタ3
5,37,38、パルス信号P1,P2用のトランジス
タ39、電動モータ23に供給する保持電流A2の値を
検出する為の基準抵抗器40が備えられている。
【0018】次に、変速レバー26によるベルト式の無
段変速装置3及び前後進切換装置の操作について、図6
に基づいて説明する。
【0019】変速レバー26を中立停止位置Nから前進
側Fの範囲に操作していると、プッシュプルワイヤ29
及び切換弁により、前後進切換装置が前進位置に操作さ
れており、変速レバー26を中立停止位置Nから後進側
Rの範囲に操作していると、プッシュプルワイヤ29及
び切換弁により、前後進切換装置が後進位置に操作され
ている。
【0020】変速レバー26を、図1において反時計周
りである正転側(又は逆転側)に操作し始めると、ピン
25bが正転側の感圧センサー27(又は逆転側の感圧
センサー28)に押圧されて(ステップS1,S2)、
正転側の感圧センサー27(又は逆転側の感圧センサー
28)から信号が制御装置31に入力される。これによ
り、制御装置31から図7に示すような正転側(又は逆
転側)のパルス信号P1が出力されて、パルス信号P1
に応じた正転側(又は逆転側)の操作電流A1が電動モ
ータ23に出力され(ステップS3,S4)、電動モー
タ23から変速レバー26に対して正転側(又は逆転
側)に沿ったアシスト力が与えられる。
【0021】以上のように、中立停止位置Nから前進側
Fの範囲において、変速レバー26を正転側に操作する
と、電動モータ23から正転側にアシスト力が与えられ
て、無段変速装置3が増速側に変速操作されるのであ
り、変速レバー26を逆転側に操作すると、電動モータ
23から逆転側にアシスト力が与えられて、無段変速装
置3が減速側に変速操作される。
【0022】逆に中立停止位置Nから後進側Rの範囲に
おいて、変速レバー26を逆転側に操作すると、電動モ
ータ23から逆転側にアシスト力が与えられて、無段変
速装置3が増速側に変速操作されるのであり、変速レバ
ー26を正転側に操作すると、電動モータ23から正転
側にアシスト力が与えられて、無段変速装置3が減速側
に変速操作される。この場合、図7に示すように一つの
周期Tにおいて、パルス信号P1の出力時間T’と停止
時間T’’との比(T’/T’’)が1.0に設定され
ているので、パルス信号P1が連続的に出力される状態
となっている。
【0023】次に変速レバー26の操作を止めると、正
転側及び逆転側の感圧センサー27,28の信号が停止
する(ステップS1,S2)。
【0024】中立停止位置Nから前進側Fの範囲(又は
中立停止位置Nから後進側Rの範囲)において、変速レ
バー26の操作を止め、電動モータの後述の短絡状態で
の保持時間中にないと(ステップS5,S11,S1
4)、制御装置31から図7に示すような正転側(又は
逆転側)のパルス信号P2が出力される。このパルス信
号P2において、一つの周期Tでの出力時間T’と停止
時間T’’との比(T’/T’’)が充分に小さい値
(例えば0.1〜0.2)に設定されているので、正転
側(又は逆転側)の所定値Bの保持電流A2(前述の操
作電流A1よりも充分に小さい)が、電動モータ23に
出力される(ステップS6,S8)。
【0025】図2に示すベルト式の無段変速装置3は、
伝動ベルト13の張力により中立停止位置N側に戻ろう
としているので、ステップS5,S6,S8での電動モ
ータ23の正転側(又は逆転側)の小さなアシスト力
と、無段変速装置3の前述の中立停止位置N側への復帰
付勢力とが釣り合って、変速レバー26及び無段変速装
置3がその操作位置(変速位置)に保持される。
【0026】この場合に、どれだけの値の正転側(又は
逆転側)の保持電流A2を電動モータ23に供給する
と、変速レバー26及び無段変速装置3が保持されるの
かが実験等により事前に把握されており、その正転側
(又は逆転側)の保持電流A2の値が所定値Bである。
【0027】電動モータ23に供給される正転側(又は
逆転側)の保持電流A2において、図7に示すように所
定値Bを含む小範囲C内の保持電流A2のみの値が(小
範囲Cから外れた保持電流A2の値は無視される)、フ
ィードバックされて検出されており、正転側(又は逆転
側)の保持電流A2が所定値Bに維持されるように、パ
ルス信号P2における出力時間T’と停止時間T’’と
の比(T’/T’’)が、制御装置31によって自動的
に変更操作される。
【0028】前記保持電流A2を供給している状態で、
ポテンショメータ41の検出値(0〜255ポイント)
が第1設定時間T1(例えば250msec(ミリ
秒))ごとに繰かえし検出される。そして、最新の検出
値と、この最新の検出値を検出したときから、前記第1
設定時間T1よりも長い時間T3(例えば3sec
(秒))前に検出した検出値とを比較して、その差が2
ポイント(設定値に相当)以上増えていると、無段変速
装置3が増速側に作動したと制御装置31が判別し、電
動モータ23への保持電流A2の供給量を停止させると
ともに、図5に示す第3電磁リレー34を切り状態と
し、電動モータ23の端子23a,23bを接地させて
短絡状態に設定する(ステップS9,S10,S12,
S13)。これによって電動モータ23が接地ブレーキ
として作用する。この状態は最低第2設定時間T2(例
えば3sec)は保持される。
【0029】変速レバー26が中立停止位置Nに操作さ
れた場合には、電動モータ23への操作電流A1(保持
電流A2)の供給系が短絡された状態に設定される(ス
テップS10,S12)。これは図5に示す第3電磁リ
レー34を切り状態として、電動モータ23の端子23
a,23bを接地させて、短絡された状態とする。
【0030】〔発明の実施の別形態〕上記実施形態にお
いては、無段変速装置3が増速側に作動したと制御装置
31が判別すると、電動モータ23への保持電流A2の
供給量を停止させて、電動モータ23を接地ブレーキと
して作用させたが、このように保持電流A2の供給量を
停止させることなく、単に電動モータ23への保持電流
A2の供給量を低下させるだけでもよい。
【0031】本発明はベルト式の無段変速装置以外に、
静油圧式無段変速装置等、その他の無段変速装置にも適
用できる。
【0032】前記出力時間T’,T’’,第1,第2,
第3設定時間T1,T2,T3は、上記の値に限定され
るものではなく、各種の状況に応じて変更可能である。
【0033】
【発明の効果】請求項1の特徴によると、変速操作具に
アシスト力を与える電動モータを備えた作業車の走行変
速構造においてウォーム減速機構を備えずに、無段変速
装置が低速側に戻ろうとするのに抗した保持電流を既存
の電動モータに供給するように構成することによって、
変速操作具を素早く操作しての無段変速装置の変速操作
が行えるようになり、操作性の向上を図ることができ
た。ウォーム減速機構を装備した場合と同様に、変速操
作具及び無段変速装置を任意の変速位置で保持する専用
の摩擦保持機構を備えておらず、さらに変速操作具にア
シスト力を与える既存の電動モータを、変速操作具及び
無段変速装置を任意の操作位置(変速位置)で保持する
ものに兼用しているので、構造の簡素化の面でも有利で
ある。そして、作業車が坂道を下るときに、変速操作具
の増速側への移動を回避することができるから、操縦者
に違和感を与えることがない。
【0034】請求項2の特徴によると、請求項1の場合
と同様に前述の請求項1の「発明の効果」を備えてい
る。そして、請求項2の特徴では、変速操作具の増速側
への移動を確実に回避することができるから、作業車が
坂道を下るときに操縦者に違和感を与えることがないと
いう上記請求項1の構成による効果を、より確実に奏す
ることができる。
【0035】請求項3の特徴によると、請求項1の場合
と同様に前述の請求項1の「発明の効果」を備えてい
る。そして請求項3の特徴では、第2検出手段の設置が
容易で、設置作業の効率を上げることができるから、作
業性をよくすることができる。
【0036】請求項4の特徴によると、請求項1又は2
又は3の場合と同様に前述の請求項1又は2又は3の
「発明の効果」を備えている。そして、請求項4の特徴
によると、電動モータへの保持電流の供給量の低下を必
要とする無段変速装置の増速側への作動を正確に把握で
きるから、作業車が坂道を下るときに操縦者に違和感を
与えることがないという上記請求項1の構成による効果
を、より確実に奏することができる。
【図面の簡単な説明】
【図1】無段変速装置、変速レバー及び電動モータ付近
の側面図
【図2】無段変速装置の縦断背面図
【図3】無段変速装置における変速操作用のカム部材の
平面図
【図4】コンバインの伝動系を示す概略図
【図5】電動モータの制御系を示す図
【図6】変速レバーによる変速操作時の制御の流れを示
す図
【図7】パルス信号、電動モータに供給される操作電流
及び保持電流の状態を示す図
【符号の説明】
3 走行用の無段変速装置、ベルト式の無段変
速装置 20 走行用の無段変速装置の変速部 22 特定部材 23 電動モータ 26 変速操作具 27,28 第1検出手段 31 制御手段 41 第2検出手段 A1 操作電流 A2 保持電流 T1 第1設定時間 T2 第2設定時間 T3 第1設定時間よりも長い時間
───────────────────────────────────────────────────── フロントページの続き (58)調査した分野(Int.Cl.7,DB名) F16H 59/00 - 61/12 F16H 61/16 - 61/36 F16H 63/00 - 63/48 F16H 9/00 - 9/26 B60K 20/00 - 20/08

Claims (6)

    (57)【特許請求の範囲】
  1. 【請求項1】 人為的に正逆に操作される変速操作具と
    走行用の無段変速装置の変速部とを機械的に連動連結す
    ると共に、電動モータの動力を前記変速操作具の操作方
    向に沿って正逆にアシスト力として与えるように構成
    し、前記変速操作具の操作方向と、その変速操作具が人
    為的に操作されているか否かとを検出する第1検出手段
    を備えるとともに、その第1検出手段の検出情報に基づ
    いて、前記変速操作具が人為的に操作されていると、前
    記変速操作具の操作方向にアシスト力が与えられるよう
    に、前記電動モータに操作電流を供給する制御手段を備
    えた作業車の走行変速構造であって、 前記第1検出手段により前記変速操作具が人為的に操作
    されていないことが検出されると、前記無段変速装置が
    低速側に戻ろうとするのを前記電動モータの増速側への
    動力にて阻止すべく、前記制御手段を、前記電動モータ
    に保持電流を供給するよう構成すると共に、前記無段変
    速装置の変速状態を検出する第2検出手段を設けて、前
    記制御手段を、前記電動モータに保持電流を供給してい
    る状態で、前記第2検出手段の検出情報に基づいて、前
    記無段変速装置が増速側に作動したことを判別すると、
    前記電動モータへの前記保持電流の供給量を低下させる
    よう構成してある作業車の走行変速構造。
  2. 【請求項2】 前記制御手段を、前記無段変速装置の増
    速側への作動を判別すると、前記電動モータへの前記保
    持電流の供給量を停止させて、前記電動モータを、接地
    ブレーキとして作用する状態に切換えるよう構成してあ
    る請求項1記載の作業車の走行変速構造。
  3. 【請求項3】 前記第2検出手段を、前記変速操作具と
    前記変速部とを機械的に連動連結する連係機構中の特定
    部材の移動を検出するよう構成してある請求項1又は2
    記載の作業車の走行変速構造。
  4. 【請求項4】 前記制御手段を、前記第2検出手段の検
    出値を第1設定時間ごとに繰り返し検出すると共に、最
    新の検出値と、この最新の検出値を検出したときから、
    前記第1設定時間よりも長い時間前に検出した検出値と
    を比較して、その差が設定値よりも大きいと、前記無段
    変速装置が増速側に作動したと判別するよう構成してあ
    る請求項1,2又は3に記載の作業車の走行変速構造。
  5. 【請求項5】 前記電動モータへの前記保持電流の供給
    量を低下させるに伴って、その状態を第2設定時間保つ
    ように、前記制御装置を構成してある請求項1,2,3
    又は4に記載の作業車の走行変速構造。
  6. 【請求項6】 前記走行用の無段変速装置がベルト式の
    無段変速装置である請求項1,2,3,4又は5に記載
    の作業車の走行変速構造。
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