JP3454545B2 - アンジオテンシンi変換酵素阻害トリペプチドおよびその製造法ならびにそれを含む食品 - Google Patents
アンジオテンシンi変換酵素阻害トリペプチドおよびその製造法ならびにそれを含む食品Info
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Description
換酵素阻害ペプチドおよび同ペプチドの製造および利用
法に関する。
以上か、最小血圧が95mmHg以上または両者がそれ
以上の状態である。わが国では患者数が約2000万人
であるといわれ、り患率の高い疾病である。高血圧症
は、脳出血、脳梗塞、クモ膜下出血、狭心症、心筋梗
塞、腎硬化症、腎不全、網膜静脈閉塞症など広範囲の臓
器にわたって様々な合併症を生じることが知られてお
り、有効な治療薬が望まれている。生体内において血圧
を調節するメカニズムの一つとして、昇圧系であるレニ
ン−アンジオテンシン系と降圧系であるカリクレイン−
キニン系がある。レニン−アンジオテンシン系では酵素
レニンが腎臓の傍糸球体細胞(J.G細胞)で生成さ
れ、血管でレニン基質であるところのアンジオテンシノ
ーゲンに作用してアンジオテンシンIを生成する。この
アンジオテンシンIをアンジオテンシンIIに変換する
酵素がアンジオテンシンI変換酵素であり、生じたアン
ジオテンシンIIは細動脈に作用して収縮を起こさせ
る。また、アンジオテンシンIIは副腎皮質にも作用し
てアルドステロンの合成と分泌を促し、腎臓でのナトリ
ウムの再吸収を促進し、体液量を保持する働きもある。
このようにしてアンジオテンシンIIによって血圧が上
昇する。
分解酵素であるカリクレインが、基質であるところのキ
ニノーゲンに作用してキニンを生じる。キニンは血管を
拡張させ、血圧を下げる働きを有するが、キニナーゼI
Iによって分解を受ける。キニナーゼIIはアンジオテ
ンシンI変換酵素と同一物質であることが知られてい
る。以上のことから、アンジオテンシンI変換酵素を阻
害することによる高血圧の治療を行うことができると考
えられる。この考え方により現在カプトプリル、エナラ
プリル、アラセプリル等の合成医薬が開発されている。
また、天然物からはカゼインやゼラチン、魚肉、家畜の
血液などに由来するペプチドもアンジオテンシンI変換
酵素を阻害する働きがあることが知られている。(特開
昭59−44324号、特開昭64−5497号、特開
平01−313498号)
内服で強力な血圧降下作用を示す。しかし、使用量が不
適当であると腎機能障害や低血圧をもたらす。また、分
子内に存在するSH基のため、発疹や味覚異常を引き起
こすとも言われている。安価な天然物を原料とするアン
ジオテンシンI変換酵素阻害物質であるカゼイン、ゼラ
チン、魚肉などに由来するペプチドは分離精製が困難な
上、収率が悪い。本発明では、アンジオテンシンI変換
酵素を阻害するペプチドを見い出し、同ペプチドの製造
法を確立し、これを応用した食品を開発することによ
り、本発明を完成した。
シンI変換酵素阻害ペプチドに関する。本ペプチドは、
Fmoc(9−フルオレニルメチルオキシカルボニル)
−アミノ酸やt−Boc(t−ブトキシカルボニル)−
アミノ酸などを用いる固相合成法、プロテアーゼを用い
るペプチド合成法など全ての既知の化学合成法[生化学
実験講座1,タンパク質の化学IV 第II部 ペプチ
ド合成(P.205),日本生化学会編 東京化学同
人、続生化学実験講座2 タンパク質の化学下,20章
ペプチド合成(P.641),日本生化学会編 東京化
学同人]で製造することができる。また本ペプチド配列
を含むタンパク質は天然に豊富に存在し、タンパク質分
解酵素を用いる等の適当な方法で加水分解することによ
り、効率よく得ることができる。
ンらの方法(バイオケミカル・ファーマコロジー 20
巻 1637〜1648頁(1971))を改良した丸
山らの方法(アグリカルチュアル・バイオロジカル・ケ
ミストリー46巻5号(1393〜1394(198
2))に従った。
基質として、L−ヒプリルヒスチジルロイシン(シグマ
社製)とNaClを含有したpH8.3のほう酸バッフ
ァー250μlを加えて、37℃で10分間プレインキ
ュベーションした。その後、アンジオテンシンI変換酵
素含有液100μlを加え、酵素反応を開始した。この
時ほう酸バッファーの濃度は0.1 M 、L−ヒプリ
ルヒスチジルロイシン濃度は5mM、NaCl 300
mMであり、阻害がかからない場合の酵素活性は、8m
Uである。
ートしながら反応させた後、1NHCl 250μlを
加えて反応を停止させた。なお、盲検としては、アンジ
オテンシンI変換酵素含有液を加える前に1NHClを
加え、同様に処理した。酢酸エチル1.5mlを加えて
15秒振盪させて酵素反応で生じた馬尿酸を抽出し、2
000rpm、10分間遠心分離し、酢酸エチル層1.
0mlを試験管に採取した。酢酸エチルをホットドライ
バスのなかで120℃、30分間加熱し完全に除去した
後、室温で5分間放置した。そして、水1.0mlを加
え、生成した馬尿酸の量を228nmの吸光度を測定し
て求めた。酵素反応に使用したアンジオテンシンI変換
酵素含有液は、ラビットラングアセトンパウダー(シグ
マ社製)1gを0.1Mほう酸バッファー(pH 8.
3)10mlに溶かしよく攪拌した後、4℃、4000
0gで40分間遠心分離した。その上澄を0.1Mほう
酸バッファー(pH8.3)で希釈して作成した。アン
ジオテンシンI変換酵素阻害活性は、下記の数1式を使
用して求めた。
m) この方法で上記ペプチドのIC50は、27.5μM(配
列表1)であった。
例を示すが、本ペプチドの用途としては,以下の実施例
に限定されるものではない。ペプチド含有ハンバーグを
次のようにして作成した。牛肉30、鶏肉30、玉ねぎ
25、パン粉10、タマゴ4、でんぷん1の組成比重の
ハンバーグ60gあたりペプチドを1種類または2種類
以上混合で50mg加え,よく混ぜ合わせた。その後,
オーブンで焼き、ペプチド含有ハンバーグを作成した。
このハンバーグのペプチド含有量は,ハンバーグを食す
る対象者によって増減可能である。
新規なアンジオテンシンI変換酵素阻害ペプチドを合成
し、食品に応用することができた。
Claims (3)
- 【請求項1】 下記構造を有するアンジオテンシンI変
換酵素阻害ペプチド。 P he−Lys−Pro - 【請求項2】 化学合成法により合成することを特徴と
する請求項1記載の構造を有するアンジオテンシンI変
換酵素阻害ペプチドの製造法。 - 【請求項3】 請求項1記載の構造を有するアンジオテ
ンシンI変換酵素阻害ペプチドを含む食品。
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JP21214193A JP3454545B2 (ja) | 1992-10-16 | 1993-08-05 | アンジオテンシンi変換酵素阻害トリペプチドおよびその製造法ならびにそれを含む食品 |
Applications Claiming Priority (3)
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JP30314192 | 1992-10-16 | ||
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JPH06179695A JPH06179695A (ja) | 1994-06-28 |
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EP1472276A4 (en) * | 2001-02-28 | 2007-05-09 | Keith M Skubitz | PEPTIDES OF SMALL SIZE CAPACITY TO MODULATE THE FUNCTION OF THE MEMBERS OF THE FAMILY OF CD66 (CEACAM) |
-
1993
- 1993-08-05 JP JP21214193A patent/JP3454545B2/ja not_active Expired - Fee Related
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