JPH0649096A - アンジオテンシンi変換酵素阻害ペプチドおよびその製造法ならびにそれを含む食品 - Google Patents

アンジオテンシンi変換酵素阻害ペプチドおよびその製造法ならびにそれを含む食品

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JPH0649096A
JPH0649096A JP4262733A JP26273392A JPH0649096A JP H0649096 A JPH0649096 A JP H0649096A JP 4262733 A JP4262733 A JP 4262733A JP 26273392 A JP26273392 A JP 26273392A JP H0649096 A JPH0649096 A JP H0649096A
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JP
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peptide
angiotensin
lys
converting enzyme
val
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JP4262733A
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Kazue Mitsufuji
一恵 三藤
Nobuyasu Matsumura
伸康 松村
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Asahi Chemical Industry Co Ltd
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Asahi Chemical Industry Co Ltd
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Abstract

(57)【要約】 【目的】 副作用が少ないアンジオテンシンI変換酵素
阻害ペプチド、その適切な製造法および用途を供する。 【構成】 Gly−Lys−Lys−Val−Leu−
Gln,Phe−Gln−Lys−Val−Val−A
la−X(XはGly,Lys,Serまたはアミノ酸
残基なし)の構造を持つアンジオテンシンI変換酵素阻
害ペプチドであって豚赤血球から分離、精製して製造す
る。また、化学合成法でも製造できる。これらは各種の
食品、医薬品に応用できる。 【効果】 Gly−Lys−Lys−Val−Leu−
Gln,Phe−Gln−Lys−Val−Val−A
la−X(XはGly,Lysまたは アミノ酸残基な
し)はアンジオテンシンI変換酵素阻害作用を示すので
血圧を下げる。

Description

【発明の詳細な説明】
【0001】
【産業上の利用分野】本発明は、アンジオテンシンI変
換酵素阻害ペプチドおよび同ペプチドの製造および利用
法に関する。
【0002】
【従来の技術】高血圧症は、最大血圧が160mmHg
以上か、最小血圧が95mmHg以上または両者がそれ
以上の状態である。わが国では患者数が約2000万人
であるといわれ、り患率の高い疾病である。高血圧症
は、脳出血、脳梗塞、クモ膜下出血、狭心症、心筋梗
塞、腎硬化症、腎不全、網膜静脈閉塞症など広範囲の臓
器にわたって様々な合併症を生じることが知られてお
り、有効な治療薬が望まれている。
【0003】生体内において血圧を調節するメカニズム
の一つとして、昇圧系であるレニン−アンジオテンシン
系と降圧系であるカリクレイン−キニン系がある。レニ
ン−アンジオテンシン系では酵素レニンが腎臓の傍糸球
体細胞(J.G細胞)で生成され、血管でレニン基質で
あるところのアンジオテンシノーゲンに作用してアンジ
オテンシンIを生成する。このアンジオテンシンIをア
ンジオテンシンIIに変換する酵素がアンジオテンシンI
変換酵素であり、生じたアンジオテンシンIIは細動脈に
作用して収縮を起こさせる。また、アンジオテンシンII
は副腎皮質にも作用してアルドステロンの合成と分泌を
促し、腎臓でのナトリウムの再吸収を促進し、体液量を
保持する働きもある。このようにしてアンジオテンシン
IIによって血圧が上昇する。
【0004】一方、カリクレイン−キニン系では、蛋白
分解酵素であるカリクレインが、基質であるところのキ
ニノーゲンに作用してキニンを生じる。キニンは血管を
拡張させ、血圧を下げる働きを有するが、キニナーゼII
によって分解を受ける。キニナーゼIIはアンジオテンシ
ンI変換酵素と同一物質であることが知られている。以
上のことから、アンジオテンシンI変換酵素を阻害する
ことによる高血圧の治療を行うことができると考えられ
る。この考え方により現在カプトプリル、エナラプリ
ル、アラセプリル等の合成医薬が開発されている。ま
た、天然物からはカゼインやゼラチン、魚肉、家畜の血
液などに由来するペプチドもアンジオテンシン変換酵素
を阻害する働きがあることが知られている。(特開昭5
9−44324号、特開昭64−5497号、特開平0
1−313498号)
【0005】
【発明が解決しようとする課題】カプトプリルは、内服
で強力な血圧降下作用を示す。しかし、合成法で作られ
高価であり、安価に入手することは難しい。そのうえ、
使用量が不適当であると腎機能障害や低血圧をもたら
す。また、分子内に存在するSH基のため、発疹や味覚
異常を引き起こすとも言われている。安価な天然物を原
料とするアンジオテンシンI変換酵素阻害物質であるカ
ゼイン、ゼラチン、魚肉などに由来するペプチドは、分
離精製が困難な上、収率が悪い。
【0006】一方、家畜血液は屠殺時に大量に生じてい
るにもかかわらず、有効利用されず殆んど廃棄物として
処理されている。家畜の血球からアンジオテンシンI変
換酵素阻害活性を持つペプチド含有組成物は得られてい
るが、作用本体のペプチドの構造は判っておらず、その
解明および新たな血圧降下剤の開発が望まれていた。 (特開平3−66626等)本発明では、この家畜血液
からアンジオテンシンI変換酵素を阻害するペプチドを
見い出し、その構造を明らかにし、同ペプチドの製造法
を確立することにより、本発明を完成した。
【0007】
【課題を解決するための手段】本発明は、家畜血液由来
のアンジオテンシンI変換酵素阻害ペプチドおよびその
製造法ならびにそれを含む食品に関する。本ペプチドは
動物血液の赤血球を溶血、変性し、加水分解した後、得
られたペプチド含有組成物を分離することにより得られ
る。加水分解の方法としては、タンパク質分解酵素を用
いる方法がある。タンパク分解酵素としては、動物、植
物、微生物または菌類由来のタンパク分解酵素で本発明
に該当するペプチドを赤血球タンパク質であるヘモグロ
ビンから製造できるものであれば、単独または混合で使
用できる。
【0008】該加水分解物からのペプチド含有組成物の
分離方法としては、以下の方法がある。1000から
50000ダルトンの限外濾過で濾過する。またはp
Hをタンパク質の等電点付近に合わせてヘム部分を沈澱
させ、その上澄を遠心分離により分離する。または
で得られたヘムタンパク質由来の種々のペプチドを含有
する画分を、まずオクタデシル基を有する逆相クロマト
用の充填剤C18(シリカゲルにオクタデシル基を化学結
合させてたもの)に吸着させ、蒸留水で充填剤を洗浄し
た後、アセトニトリル濃度を段階的に15,30,6
0,100%と上昇させることにより、吸着物を段階的
に溶出させる。この15または30%画分を、さらにC
18逆相HPLCを用いてアセトニトリル濃度の連続的な
変化による吸着物の溶離、さらにゲル濾過HPLCによ
る精製を行うことにより、目的とするペプチドが得られ
る。家畜血液としては、ブタ、ウシ、ニワトリなど全て
の動物種のものが使用可能である。
【0009】また、本ペプチドは、Fmoc(9−フル
オレニルメチルオキシカルボニル)−アミノ酸やt−B
oc(t−ブトキシカルボニル)−アミノ酸などを用い
る固相合成法、プロテアーゼを用いるペプチド合成法な
ど全ての既知の化学合成法〔生化学実験講座1,タンパ
ク質の化学IV 第II部 ペプチド合成(P.205),
日本生化学会編 東京化学同人、続生化学実験講座2
タンパク質の化学下,20章ペプチド合成(P.64
1),日本生化学会編 東京化学同人〕で製造すること
ができる。以下、実施例により本発明を具体的に説明す
る。
【0010】
【実施例】
実施例1 タンパク質35%を含有するブタ暗色血球10Kgに水
10Kgを加え、赤血球を溶血させた。これに水30K
gを加え、5Nの水酸化ナトリウム水溶液でpHを11
とした。室温で1時間放置後、1Mクエン酸水溶液でp
Hを9.0にし、ノボ社製アルカラーゼ0.6L 12
4gを加え、50℃で酵素分解を行った。酵素分解中は
5N水酸化ナトリウム水溶液でpHを8.7〜9.3に
保った。酵素反応終了後、温度を20℃に下げ、水10
リットルを加え、10000ダルトンの分離限界を持つ
「中空繊維」タイプの限外濾過モジュールで限外濾過を
行い、濾液約40リットルを得た。得られた濾液は、噴
霧乾燥機により乾燥し、ペプチド含有組成物粉体約2K
gを得た。
【0011】このペプチド含有組成物を2g/100m
lに調整し、その100mlにC18充填剤(粒径55〜
105μm;ウォターズ製)4gを添加し、1時間攪拌
した。グラスフィルターを用い溶液を濾過し、蒸留水で
洗浄後、0、15、30、60%のアセトニトリル濃度
で溶出を行い、溶出液を濃縮乾固した。この30%アセ
トニトリル溶出画分を水に溶かして、逆相HPLCによ
り分離した。HPLC条件はHPLC条件1に示した。
【0012】HPLC条件1 カラム Lichrospher 100 RP
18(e)(10μm) メルク社 流速 4.0 ml/min カラム温度 室温 検出 UV 210nm 溶離液 A: 0.05% トリフルオロ酢酸 B: 0.05% トリフルオロ酢酸 80%アセト
ニトリルA100%から120min後B100%にな
るような直線グラジエント
【0013】条件1ではアンジオテンシンI変換酵素阻
害能を持つペプチドは、リテンションタイム21分(画
分I)、23分(画分II)および26分(画分III )に
溶出された(図1に示すチャート1ピーク1、2および
3)。このペプチドを精製するために、画分I,画分II
および画分III をさらにHPLCで精製した。この時の
条件をHPLC条件2に示した。
【0014】HPLC条件2 カラム Lichrospher 100 RP
18(e)(5μm)(メルク社) 流速 1.0 ml/min カラム温度 室温 検出 UV 210nm 溶離液 A: 0.05% トリフルオロ酢酸 B: 0.05% トリフルオロ酢酸 80%アセト
ニトリルA100%から240min後B100%にな
るような直線グラジエント
【0015】この条件ではアンジオテンシンI変換酵素
阻害能を持つペプチドは、以下に示したリテンションタ
イムに溶出された。 リテンションタイム (画分I) 34分(I−1) 図2に示すチャート2ピーク4 (画分I) 43分(II−1) 図3に示すチャート3ピーク5 (画分II) 48分( III−1) 図4に示すチャート4ピーク6 (画分II) 51分( III−2) チャート4ピーク7
【0016】さらに、( III−2)を精製するためにゲ
ル濾過HPLCを用いた。この時の条件をHPLC条件
3に示した。 HPLC条件3 カラム Asahipak GS−220(旭化
成) 流速 1.0 ml/min カラム温度 室温 検出 UV 210 nm 溶離液 10 mM酢酸アンモニウム この条件ではアンジオテンシンI変換酵素阻害能を持つ
ペプチドは、17.8分のリテンションタイムで溶出さ
れた(図5に示すチャート5ピーク8)。
【0017】このピークをApplied Biosy
stem社の気相プロテイン・シーケンサー(Mode
l−470A)とオンラインの高速液体クロマトグラフ
ィーを用いてEdman分解反応を行い、各サイクルで
得られるPTHアミノ酸を同定した。その結果 (I−1) Gly−Lys−Lys−Val−Le
u−Gln (II−1) Phe−Gln−Lys−Val−Va
l−Ala−Lys (III −1) Phe−Gln−Lys−Val−Va
l−Ala−Gly (III −2) Phe−Gln−Lys−Val−Va
l−Ala の構造を持つことが判った。
【0018】〔アンジオテンシンI変換酵素阻害活性の
測定〕アンジオテンシンI変換酵素阻害の測定は、カッ
シュマンらの方法(バイオケミカル・ファーマコロジー
20巻 1637〜1648頁(1971))を改良
した丸山らの方法(アグリカルチュアル・バイオロジカ
ル・ケミストリー46巻5号(1393〜1394(1
982))に従った。試験管に本ペプチド水溶液30μ
lと酵素基質として、L−ヒプリルヒスチジルロイシン
(シグマ社製)と NaClを含有したpH8.3のほ
う酸バッファー250μlを加えて、37℃で10分間
プレインキュベーションした。その後、アンジオテンシ
ンI変換酵素含有液100μlを加え、酵素反応を開始
した。この時ほう酸バッファーの濃度は0.1M、L−
ヒプリルヒスチジルロイシン濃度は5mM、NaCl
300mMであり、阻害がかからない場合の酵素活性
は、8mUである。
【0019】37℃、pH8.3で30分間インキュベ
ートしながら反応させた後、1NHCl 250μlを
加えて反応を停止させた。なお、盲検としては、アンジ
オテンシンI変換酵素含有液を加える前に1N HCl
を加え、同様に処理した。酢酸エチル1.5mlを加え
て15秒振盪させ、酵素反応で生じた馬尿酸を抽出し、
2000rpm、10分間遠心分離し、酢酸エチル層
1.0mlを試験管に採取した。酢酸エチルをホットド
ライバスのなかで120℃、30分間加熱し完全に除去
した後、室温で5分間放置した。そして水1.0mlを
加え、生成した馬尿酸の量を228nmの吸光度を測定
して求めた。酵素反応に使用したアンジオテンシンI変
換酵素含有液は、ラビットラングアセトンパウダー(シ
グマ社製)1gを0.1Mほう酸バッファー(pH
8.3)10mlに溶かしよく攪拌した後、4℃、40
000gで40分間遠心分離した。その上澄を0.1M
ほう酸バッファー(pH8.3)で希釈して作成した。
アンジオテンシンI変換酵素阻害活性は下記の数1式を
使用して求めた。
【0020】
【数1】 A:蒸留水添加時の吸光度 (228nm) B:阻害剤添加時の吸光度 (228nm) a,b:それぞれに対する盲検の吸光度 (228n
m) この方法で上記ペプチドのIC50は、それぞれ 1.9
μM(I−1)、2.1μM(II−1) 7.4μM
(III −1) 5.8μM(III −2)であった。
【0021】実施例2 実施例1と同様に赤血球を溶血させ、アルカラーゼと反
応させた後、限外濾過を行い濾液を得た。この濾液を濃
縮し、C18充填剤に吸着させ、0、15、30、60%
アセトニトリル濃度で溶出し、溶出液を濃縮乾固した。
この15%アセトニトリル溶出画分を水に溶かして、イ
オン交換HPLCにより分離した。HPLC条件はHP
LC条件4に示した。
【0022】HPLC条件4 カラム TSK−gel SP−5PW(21.5
mm×7.5cm 東ソー)(強陽イオン交換カラム) 流速 4.0 ml/min カラム温度 室温 検出 UV 210 nm 溶離液 A: 20mM酢酸バッファー(pH5.
5) B: A+500mM Na2 SO4 A100%から40min後B100%になるような直
線グラジエント
【0023】条件4ではアンジオテンシンI変換酵素阻
害能を持つペプチドは、リテンションタイム約25分
(画分IV,図6に示すチャート6エリア1)および約
32分(画分V,図6に示すチャート6エリア2)に溶
出された。このペプチドをさらに逆相HPLCで精製し
た。この時の画分IVの分析条件をHPLC条件5に、
画分Vの分析条件をHPLC条件6に示した。
【0024】HPLC条件5 カラム LichroCART 250−10 HPLC−Cartridge Lichrospher 100 RP 18(e)
(10μm) メルク社 流速 4.0 ml/min カラム温度 室温 検出 UV 210 nm 溶離液 A: 0.05% トリフルオロ酢酸 B: 0.05% トリフルオロ酢酸 50%アセト
ニトリルA100%から120min後B100%にな
るような直線グラジエント
【0025】HPLC条件6 カラム Lichrospher 100 RP−
18 endcapped(5μm) メルク社 流速 1.0 ml/min カラム温度 室温 検出 UV 210 nm 溶離液 A: 0.05% トリフルオロ酢酸 B: 0.05% トリフルオロ酢酸 50%アセト
ニトリルA100%から120min後B100%にな
るような直線グラジエント
【0026】条件5,6で分離したところ、アンジオテ
ンシンI変換酵素阻害能を持つペプチドは、以下に示し
たリテンションタイムに溶出された。 リテンションタイム (画分IV) 37.2分(IV−1) 図7に示すチャート7ピーク 9 38.0分(IV−2) 10 41.0分(IV−3) 11 (画分V) 27.7分(V) 図8に示すチャート8ピーク12 IV−1,2および3については、さらにゲル濾過HP
LCで精製した。この時の条件をHPLC条件7に示し
た。
【0027】HPLC条件7 カラム Asahipak GS−220(旭化
成) 流速 1.0 ml/min カラム温度 室温 検出 UV 210 nm 溶離液 10 mM酢酸アンモニウム
【0028】この条件ではアンジオテンシンI変換酵素
阻害能を持つペプチドは、以下に示したリテンションタ
イムに溶出された。 リテンションタイム (IV−1) 24.0分 図9に示すチャート9ピーク13 (IV−2) 25.1分 図10に示すチャート10ピーク14 (IV−3) 24.9分 図11に示すチャート11ピーク15
【0029】このピーク(IV−1,2,3およびV)
をApplied Biosystem社の気相プロテ
イン・シーケンサー(Model−470A)とオンラ
インの高速液体クロマトグラフィーを用いてEdman
分解反応を行い、各サイクルで得られるPTHアミノ酸
を同定した。その結果 (IV−1)Phe−Gln−Lys−Val−Val
−Ala−Ser (IV−2)Phe−Gln−Lys−Val−Val
−Ala−Gly (IV−3)Phe−Gln−Lys−Val−Val
−Ala (V) Gly−Lys−Lys−Val−Leu
−Gln の構造を持つことが判った。
【0030】実施例3 実施例1と同様に赤血球を溶血させ、アルカラーゼと反
応させた後、限外濾過を行い濾液を得た。この濾液を濃
縮し、C18充填剤に吸着させ、0、15、30、60%
アセトニトリル濃度で溶出し、溶出液を濃縮乾固した。
この60%アセトニトリル溶出画分を水に溶かして、逆
相HPLCにより分離した。HPLC条件はHPLC条
件8に示した。
【0031】HPLC条件8 カラム Lichrospher 100 RP
18 endcapped(5μm) メルク社 流速 1.0 ml/min カラム温度 室温 検出 UV 210 nm 溶離液 A: 0.05% トリフルオロ酢酸 B: 0.05% トリフルオロ酢酸 80%アセト
ニトリルA100%から240min後B100%にな
るような直線グラジエント
【0032】この条件ではアンジオテンシンI変換酵素
阻害能を持つペプチドは、リテンションタイム22分に
溶出された。得られたペプチドについて実施例1と同様
に構造解析を行ったところ、配列表で示したペプチド構
造であることがわかった。
【0033】実施例4 アプライド バイオシステム社のペプチド合成機 ペプ
チド シンセサイザー430Aを用いて、同社の操作マ
ニュアルに従い、配列表1から5で表されるペプチドを
合成した。ペプチドを抽出し、陰イオン交換樹脂カラム
処理後、ODSカラムを用いた逆相HPLCにより、本
発明のペプチドを精製した。アミノ酸組成を測定した結
果、ペプチドの配列から期待される値とよく一致した。
得られたペプチドを水に溶解し、実施例1と同様にAC
E阻害活性を測定したところ、同様の高い活性を与え
た。
【0034】実施例5 以下に本発明の食品への実施例を示すが、本ペプチドの
用途としては、以下の実施例に限定されるものではな
い。ACE阻害活性ペプチドは上記実施例1から4のいず
れかの方法に従って得た。グラニュー糖100gを小鍋
にとり、水50ccを加えて火に掛け煮溶かし、鍋をま
わしながら、薄く煙がたって砂糖水がカラメル色になる
まで煮つめた。鍋を火から外し荒熱を取り、熱いうちに
サラダ油を塗ったプリン型12個に等分に流し込んだ。
ACE阻害活性ペプチド一種類または二種類以上混合し
たもの50mg加え、よく混ぜ、バットに水を張って冷
やした。
【0035】小鍋で牛乳700ccを中火で沸騰寸前ま
で温め、バニラエッセンスを加えて火を止めた。ボール
に卵4個、卵黄5個分をいれ、泡立てないようにほぐし
十分にかき混ぜた。砂糖を加え全体によく混ぜ込み、先
に暖めておいた牛乳でのばした。これをこしきでこし
て、上記のカラメルソースが固まったそれぞれのプリン
型に等分に注いだ。これをテンパンに並べ、湯を型の1
/4まで注ぎ、オーブンで約30分蒸し焼いた。蒸した
後、型から出して皿に盛りつけ、高血圧低下プリンを作
った。
【0036】
【発明の効果】以上説明したとおり、本発明によれば、
これまで殆んど使用用途がなかった家畜血液から、アン
ジオテンシンI変換酵素阻害ペプチドを単離することが
できる。また、そのペプチドのアミノ酸配列を決定した
ことにより、合成ペプチドからも同様の活性が得られ
た。
【配列表】
【0037】配列番号:1 配列の長さ:6 配列の型:アミノ酸 トポロジー:直鎖状(linear) 配列の種類:ペプチド(peptide) 起源 生物名:Sus scrofa domestica
【0038】配列番号:2 配列の長さ:7 配列の型:アミノ酸 トポロジー:直鎖状(linear) 配列の種類:ペプチド(peptide) 起源 生物名:Sus scrofa domestica
【0039】配列番号:3 配列の長さ:7 配列の型:アミノ酸 トポロジー:直鎖状(linear) 配列の種類:ペプチド(peptide) 起源 生物名:Sus scrofa domestica
【0040】配列番号:4 配列の長さ:6 配列の型:アミノ酸 トポロジー:直鎖状(linear) 配列の種類:ペプチド(peptide) 起源 生物名:Sus scrofa domestica
【0041】配列番号:5 配列の長さ:7 配列の型:アミノ酸 トポロジー:直鎖状(linear) 配列の種類:ペプチド(peptide) 起源 生物名:Sus scrofa domestica
【図面の簡単な説明】
【図1】実施例1においてアンジオテンシンI変換酵素
阻害能を持つペプチドをHPLC条件1で分離したチャ
ートを示す。
【図2】実施例1においてHPLC条件1で分離した画
分I−1を、さらにHPLC条件2で分離したチャート
を示す。
【図3】実施例1においてHPLC条件1で分離した画
分II−1を、さらにHPLC条件2で分離したチャート
を示す。
【図4】実施例1においてHPLC条件1で分離した画
分 III−1および III−2を、さらにHPLC条件2で
分離したチャートを示す。
【図5】実施例1においてHPLC条件2で分離した画
分 III−2を、さらにHPLC条件3で分離したチャー
トを示す。
【図6】実施例2においてアンジオテンシンI変換酵素
阻害能を持つペプチドをHPLC条件4で分離したチャ
ートを示す。
【図7】実施例2においてHPLC条件4で分離した画
分 IV −1、 IV −2 およびIV −3を、さらにHP
LC条件5で分離したチャートを示す。
【図8】実施例2においてHPLC条件4で分離した画
分Vを、さらにHPLC条件6で分離したチャートを示
す。
【図9】実施例2においてHPLC条件5で分離した画
分 IV −1を、さらにHPLC条件7で分離したチャー
トを示す。
【図10】実施例2においてHPLC条件5で分離した
画分 IV −2を、さらにHPLC条件7で分離したチャ
ートを示す。
【図11】実施例2においてHPLC条件5で分離した
画分 IV −3を、さらにHPLC条件7で分離したチャ
ートを示す。
フロントページの続き (51)Int.Cl.5 識別記号 庁内整理番号 FI 技術表示箇所 A61K 37/18 ABU 8314−4C 37/64 AEQ 8314−4C C12N 9/99 C07K 99:00

Claims (4)

    【特許請求の範囲】
  1. 【請求項1】 下記構造を有するアンジオテンシンI変
    換酵素阻害ペプチド。 Gly−Lys−Lys−Val−Leu−Gln Phe−Gln−Lys−Val−Val−Ala−X (式中、XはGly,Lys,Ser,または アミノ
    酸残基なし を示す。)
  2. 【請求項2】 家畜赤血球を酵素分解し分離精製するこ
    とを特徴とする特許請求の範囲第1項の構造を有するア
    ンジオテンシンI変換酵素阻害ペプチドの製造法。
  3. 【請求項3】 化学合成法により合成することを特徴と
    する特許請求の範囲第1項記載の構造を有するアンジオ
    テンシンI変換酵素阻害ペプチドの製造法。
  4. 【請求項4】 特許請求の範囲第1項の構造を有するア
    ンジオテンシンI変換酵素阻害ペプチドを少なくとも1
    種類含む食品。
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Cited By (2)

* Cited by examiner, † Cited by third party
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US6767990B1 (en) 1999-12-01 2004-07-27 Food Industry Research And Development Institute Peptides used as angiotensin converting enzyme inhibitor and preparation process thereof
US10668766B2 (en) 2016-02-11 2020-06-02 Societe Bic Mechanical pencil with a side button and an eraser dispenser and a method of assembly

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US6767990B1 (en) 1999-12-01 2004-07-27 Food Industry Research And Development Institute Peptides used as angiotensin converting enzyme inhibitor and preparation process thereof
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