JP3893579B2 - 新規なテトラペプチドおよびアンジオテンシン変換酵素阻害剤 - Google Patents

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【0001】
【産業上の利用分野】
本発明は、医薬品として有用性を有する下記アミノ酸の配列のペプチド構造を有するテトラペプチドならびにそのテトラペプチドを有効成分とするアンジオテンシン変換酵素阻害剤に関する。
Ile−Ala−Pro−Gly
(式中、アミノ酸残基を表す各記号は、アミノ酸化学において慣用の表示法によるものである。)
【0002】
【従来の技術及び発明が解決しようとする課題】
レニン−アンジオテンシン系が生体の水・電解質及び血液の調節に重要な役割を果たしていることはよく知られている。このレニン−アンジオテンシン系にはアンジオテンシン変換酵素(以下ACEと略記する。)が存在し、アンジオテンシンIはACEによってアンジオテンシンIIに変換される。アンジオテンシンIIは強力な昇圧物質で、血管、副腎皮質のみならず中枢神経系ならびに末梢神経系に働いて血圧上昇を促す。又、ACEは、生体内降圧物質であるブラジキニンを分解し、不活性化する作用を有し、昇圧系に関与している。従って、ACEの活性を阻害することによって血圧を降下させることが可能であり、又、そのことは臨床的に高血圧の予防、治療に有効であると考えられている。この目的のためプロリン誘導体であるカプトリルが合成され、その降圧作用が確認されて以来、カプトリルの構造研究に基づく種々のACE阻害物質の合成研究が盛んに行われ、最近ではマレイン酸エナラブリルやアラセブリル等の物質が、次々と臨床の場に供されている。現在、ACE阻害剤は、高血圧は、本態性高血圧症、病候性高血圧症を問わず、又、軽症、重症を問わず、幅広く用いられ、高血圧症の第一次選択の治療薬中に加えられ、多く優れた点を有することが見出されている。一方、ACE阻害物質の作用機序としては、アンジオテンシンIIの産生抑制によるアルドステロンやバソプレッシンの分泌抑制、又、腎動脈収縮の解除によるナトリウムや水の排泄促進が考えられている。更に、ACE阻害物質については、それがカリクレン−キニン系の不活性化を抑制し、プロスタグランジン系を賦活させることにより末梢血管拡張やナトリウム及び水の排泄を更に促進させると考えられており、心不全の悪循環を断つ上で合目的な治療薬として期待されている。ところで、ACE阻害物質としては、上記の合成品の他に天然物又は天然物由来の物質として蛇毒由来のブラデイキニン増強因子(C末端がPro)[S.H.Ferreia et al:Biochemistry,9,3583(1970)]、ゼラチンのコラゲナーゼ消化物由来の6種類のペプチド(いずれもC末端がAla−Hyp)[G.Oshima et al:Biochim.Biophs.Acta,566,128(1979)]、牛カゼインのトリプシン消化物由来のペプチド(C末端がGly−Lys)[S.Maruyama et al.:Agric.Biol.Chem.,46,1393(1983)]等に始まり本発明者のイワシ筋肉由来の5種のヘクサペウチド(いずれもC末端から2番目又は3番目がPro、N末端がLeu)[特許第2046483号]、海苔由来のテトラペプチド(N末端がPro)[特許第2678180号]並びにペンタペプチド[特開平10−36391]、朝鮮人参由来のペンタペプチド[特許第2920829号]、クロレラ由来のペンタペプチド[特願平10−185530号]が挙げられ、いずれもACE阻害剤となり得ることが開示されている。更に、合成法により得た鎖長の短いジ、トリペプチド[特開平6−87886号][特開平6−16568号]についての提案は行われているが、規則性を持ったアミノ酸配列を有する鎖長の長いペプチドのACE阻害作用並びに経口投与による降圧効果(薬理効果)は不明であり、発見されてから長時間経過しているが、未だ医薬品としての開発が進んでいるとの報告はない。食品の場合には鈴木らが大豆、茶類、貝類、果実類などでACE阻害活性を認めている[鈴木健夫、石川宣子ら;農化,57,1143(1983)]が、これまでに健康食品として広く利用されているスピルリナにACE阻害物質があることは知られていない。
【0003】
【課題を解決するための手段】
本発明者は、前記の課題を解決するために鋭意研究した結果、淡水産緑藻類に属する単細胞藻類であるスピルリナから得られた、本発明の新規なテトラペプチドが血圧降下作用を有することを見出し、本発明を完成するに至った。即ち、スピルリナ蛋白質の蛋白質分解酵素の分解液から薬理作用を有する物質を検索し、新規なテトラペプチドが強いアンジオテンシン変換酵素阻害作用を有することを見い出した。そして、このテトラペプチドを医薬として実用化するための研究を鋭意行い、その結果、このテトラペプチドが血圧降下作用を有し、天然物由来のアンジオテンシン変換酵素阻害剤としての有用性を見い出した。本発明は係る知見に基づくものである。本発明に係る新規なペプチドは、次式
Ile−Ala−Pro−Gly
で示されるL体のアミノ酸配列で表される新規なテトラペプチドであり、常温における性状は白色の粉末である。
【0004】
前記の新規なテトラペプチドは、化学的に合成する方法またはスピルリナ蛋白質の蛋白質分解酵素の分解液から分離精製する方法をあげることができる。本発明に係る新規なテトラペプチドを化学的に合成する場合には、液相法または固相法等の通常の合成方法によって行うことができるが、好ましくは、固相法によってポリマー性の固相支持体へ前記テトラペプチドのC末端側(カルボキシル末端側)からそのアミノ酸残基に対応したL体のアミノ酸を順次ペプチド結合によって結合して行くのが良い。そして、そのようにして得られた合成テトラペプチドは、トリフルオロメタンスルホン酸、フッ化水素などを用いてポロマー性の固相支持体から切断した後、アミノ酸側鎖の保護基を除去し、逆相系のカラムを用いた高速液体クロマトグラフィー(以下、HPLCと略記する)などを用いた通常の方法で精製することができる。
【0005】
上記したように、本発明に係る新規なテトラペプチドは、スピルリナ蛋白質の蛋白質分解酵素の分解液から分離精製することができるが、その場合には、例えば以下のようにして行うことができる。上記の新規なテトラペプチドを含有しているスピルリナ蛋白質を用いて加水分解する。加水分解は常法に従って行う。例えば、ペプシン等のタンパク質分解酵素で加水分解する場合は、スピルリナ蛋白質のホモジネートを必要とあれば更に加水分解した後、酵素の至適温度まで加温しpHを至適値に調整し酵素を加えてインキュベートする。次いで必要に応じ中和した後、酵素を失活させて加水分解液を得る。その加水分解物を濾紙および/またはセライト等を用いて濾過することによって不溶性成分を除去し、その得られた濾液をセロファンなどの半透膜を用いて適当な溶媒(例えば、水、トリス−塩酸緩衝液、リン酸緩衝液の中性の緩衝液等)中で十分に透析し、その濾液中の成分で半透膜を通過した成分を含む溶液を強酸性陽イオン交換樹脂(例えば、ダウケミカル社製のDowex 50W等)にかけ、その吸着溶出分画からアンジオテンシン変換酵素(以下、ACEと略記する)阻害活性を有する成分を含有する分画を得、その得られたACE阻害活性分画をゲル濾過(例えば、ファルマシア社製のSephadex G−25など)によって分画し、その得られたACE阻害活性分画を陽イオン交換ゲル濾過(例えば、ファルマシア社製のSP−Sephadex C−25など)によって分画し、その得られたACE阻害活性分画を更に逆相HPLCによって分画することによって行うことができる。
【0006】
本発明に係る新規なテトラペプチドの製法において用いる藻類としては、本発明の目的を達成できる限りいかなる藻類を用いても良いが、好ましくはスピルリナ蛋白質を用いるのが良い。以上のようにして得られた本発明の新規なテトラペプチドは、静脈内へ繰り返し投与を行った場合、抗体産生を惹起せず、アナフィラキシーショックを起こさせない。又、本発明の新規なテトラペプチドはL−アミノ酸のみの配列構造からなり、投与後、生体内のプロテアーゼにより徐々に分解される為、毒性は極めて低く、安全性は極めて高い(LD50>5000mg/kg;ラット経口投与)。本発明に係る新規なテトラペプチドは、通常用いられる賦形剤等の添加物を用いて注射剤、錠剤、カプセル剤、顆粒剤、散剤等に調整することができる。投与方法としては、通常は、ACEを有している哺乳類(例えば、ヒト、イヌ、ラット等)に注射すること、あるいは経口投与することがあげられる。投与量は、例えば、動物体重当たりこのテトラペプチドを0.01〜10mgの量である。投与回数は、通常1日1〜4回程度であるが、投与経路によって、適宜、調整することができる。
【0007】
上記の各種製剤において用いられる賦形剤、結合剤、潤沢剤の種類は、とくに限定されず、通常の注射剤、散剤、顆粒剤、錠剤あるいはカプセル剤に用いられるものを使用することができる。錠剤、カプセル剤、顆粒剤、散剤に用いる添加物としては、下記のものをあげることができる。賦形剤としては、結晶セルロース等の糖類、マンニトール等の糖アルコール類、デンプン類、無水リン酸カルシウム等;結合剤としてはでんぷん類、ヒドロキシプロピルメチルセルローズ等;崩壊剤としてはカルボキシメチルセルロースおよびそのカリウム塩類;潤滑剤としてはステアリン酸およびその塩類、タルク、ワックス類を挙げることができる。又、製剤の調整にあたっては必要に応じメントール、クエン酸およびその塩類、香料等の矯臭剤を用いることができる。注射用の無菌組成物は、常法により、本発明の新規なテトラペプチドを、注射用水、生理食塩水およびキシリトールやマンニトールなどの糖アルコール注射液、プロピレングリコールやポリエチレングリコール等のグリコールに溶解または懸濁させて注射剤とすることができる。この際、緩衝液、防腐剤、酸化防止剤等を必要に応じて添加することができる。本発明の新規なテトラペプチドを含有する製剤は凍結乾燥品又は乾燥粉末の形とし、用時、通常の溶解剤、例えば水または生理食塩液に溶解して用いることもできる。
【0008】
本発明に係る新規なテトラペプチドは優れたアンジオテンシン変換酵素阻害作用を有し、血圧降下作用、ブラジキニン不活化抑制作用を示す。従って、本態性高血圧、腎性高血圧、副腎性高血圧等の高血圧症の予防、治療剤、これらうっ血性心不全に対する臓器循環の正常化と長期予後の改善(延命効果)作用を有し、心不全の治療剤として有用である。
【0009】
【実施例】
以下に実施例として、製造例および試験例を記載し、本発明を更に詳細に説明する。
製造例1
スピルリナ粉末40gに脱イオン水1000mlを加え、ホモジナイズしたスピルリナ懸濁液を得た。透析チューブ(36 inch,和光純薬工業製)に詰め、流水に対して3日間透析を行い透析内液(スピルリナ蛋白質)を得た。この内液を1N塩酸にてpHを2.0に調整し、ペプシン(メルク社製、酵素番号EC3.4.23.1)1.2gを添加し、37℃、20時間撹拌しながら加水分解を行った。分解反応液を直ちに限外濾過膜(アミコン社製、YM10型、φ76mm)に通過させ、通過液をDowex50W×4[H]カラム(φ4.5×20cm)に加えた。そのカラムを脱イオン水で十分洗滌した後、2N水酸化アンモニウム液500mlを用いて溶出した。減圧濃縮によりアンモニアを除去し、濃縮液30mlを得た。この濃縮液3mlを予め脱イオン水で緩衝化したSephadexG−25(φ2.3×140cm)に負荷し、流速40ml/hr、各分画量12mlでゲル濾過を行った。その結果は図1のとおりである。上記クロマトグラフ中、分画番号20〜31のACE阻害活性分画を集めて凍結乾燥してスピルリナ蛋白質由来のペプチド粉末を得た。このペプチド粉末20mgを60μlの脱イオン水に溶解した後、高速液体クロマトグラフィー(HPLC)を行った。カラムとしては野村化学社製Develosil ODS−5(4.5mmID×25cmL)を使用し、移動相としては0.05%トリフルオロ酢酸(以下、TFAと略記する)から25%アセトニトリル/0.05%TFAの濃度勾配法を行い、流速1.0ml/min検出波長220nmでクロマトグラフィーを行い、ACE阻害作用を有するペプチドフラグメントを得た。その結果は図2に示すとおりであり、HPLCでの溶出時間は47.6分である。このようにして得られたACE阻害作用を有するペプチドフラグメントのアミノ酸配列は、アプライドバイオシステム(ABI)社製のプロテインシークエンサー477A型を用いて決定された。その結果、本発明に係る新規なペプチドは、次式
Ile−Ala−Pro−Gly
で示されるL体のアミノ酸配列で表される新規なテトラペプチドであることが確認された。常温における性状は白色の粉末である。尚、本発明に係る新規なテトラペプチドをACE阻害剤として、例えば錠剤に製剤する場合には、常法に従って、例えば次のように処理すればよい:▲1▼ペプチド11g、▲2▼乳糖82g、▲3▼コーンスターチ25g、▲4▼ステアリン酸マグネシウム1.1gを原料とし、先ず▲1▼、▲2▼及び15gのコーンスターチを混和し、5gのコーンスターチから作ったペーストとともに顆粒化し、この顆粒に4gのコーンスターチと▲4▼とを加え、得られた混合物を圧縮錠剤機で打錠し、錠剤1000個を製造する。
【0010】
製造例2
本例は、合成法による製造例である。
Ile−Ala−Pro−Glyの合成法
アプライドバイオシステム社製のペプチド自動合成装置430A型を用いた固相法によって当該ペプチドを合成した。固相担体としては、スチレンジビニルベンゼン共重合体(ポリスチレン樹脂)をクロロメチル化した樹脂を使用した。まず、当該テトラペプチドのアミノ酸配列に従って、常法どおり、そのC末端側のグリシンからクロロメチル樹脂に反応させペプチド結合樹脂を得た。この時のアミノ酸は、t−ブトキシカルボニル(以下、t−Bocと略記する)基で保護されたt−Bocアミノ酸を使用した。次にこのペプチド結合樹脂をエタンジチオールとチオアニソールからなる混合液に懸濁し、室温で10分間撹拌後、氷冷下でトリフルオロ酢酸を加え、更に10分間撹拌した。この混合液にトリフルオロメタンスルホン酸を滴下し、室温で30分間撹拌した後、無水エーテルを加えてその生成物を沈澱させて分離し、その沈澱物を無水エーテルで数回洗浄した後、減圧下で乾燥した。このようにして得られた未精製の合成ペプチドは蒸留水に溶解した後、逆相系のカラムC18(5μm)を用いたHPLCにより精製した。移動相として(A)0.1%TFA含有蒸留水、(B)0.1%TFA含有アセトニトリル溶液を使用し、(A)液が50分間で75%→43%の濃度勾配法により流速1.6ml/minでクロマトグラフィーを行った。紫外部波長212nmで検出し、最大の吸収を示した溶出画分を分取し、これを凍結乾燥することによって目的とする合成ペプチドを得た。
【0011】
この合成ペプチドをマススペクトルにより分析した結果、次式
Ile−Ala−Pro−Gly
なるアミノ酸配列構造を有するテトラペプチドであることが確認された。このマススペクトルの結果は図3に示すとおりである。合成によって得られた本発明のテトラペプチドは、以下に示す試験によって薬理効果が確認された。
【0012】
試験例1
(アンジオテンシン変換酵素阻害活性測定法)ACE(シグマ社製、酵素番号EC3.4.15.1)2.5mU、合成基質Hippuryl−L−histidyl−L−leucine(ペプチド研究所製)12.5mMを用いLiebermanの測定法を改良した山本等の方法[日胸疾会誌,18,297−302(1989)]に準じて測定した。すなわち、生成した馬尿酸を酢酸エチルにて抽出し225nmの吸光度で測定した。被検液での吸光度をEs、被検液の代わりに緩衝液を加えた時の値をEc、予め反応停止液を加えて反応させた時の値をEbとして次式から阻害率を求めた。
阻害率(%)=(Ec−Es)/(Ec−Eb)×100
ACE阻害剤の阻害活性IC50値は、ACEの酵素活性を50%(阻害率)阻害するために必要な試料の濃度(M)で示した。本発明に係る新規なテトラペプチドの牛肺血清のアンジオテンシン変換酵素に対する阻害活性(IC50値)は11.4μMである。
【0013】
試験例2
(高血圧自然発症ラットへ投与時の降圧効果)実験動物は日本チャールズ・リバー社より15週令雄性高血圧自然発症ラット(以下、SHRと略記する。)を購入し、1週間の予備飼育後、収縮期血圧が160mmHg以上(体重280−330g)の動物6匹1群として用いた。ラットは、室温23±2℃、湿度55±10%および12時間明暗(午前6時〜午後6時点灯)に調整された飼育室でステンレスワイヤー製ラット用個別ゲージに1匹ずつ収容し飼育した。飼料はオリエンタル酵母社製MF粉末飼料を、飲水は自家揚水(水道水質基準適合)をそれぞれ自由に摂取させた。血圧は非観血的尾動脈血圧測定装置(理研開発社製、PS−100型)を用いtail−cuff法により、投与前、投与後1時間、2時間、3時間、4時間および6時間のSHRの尾動脈の収縮期血圧値(mmHg)の測定を測定時間毎に5回行い、得られた測定値の最高値と最低値を棄却し、3回の平均値をもって各時間の測定値とした。合成テトラペプチド200mg/kgをSHRに経口投与した時の収縮期血圧値(mmHg)への作用についての結果は、図4に示すとおりである。以上の試験の結果、本発明に係るテトラペプチドは、アンジオテンシン変換酵素阻害活性を有し、in vivo(生体内)においても有意な血圧降下作用を示すことが確認された。従って、本発明に係るテトラペプチドは高血圧症の治療又は予防薬として有用である。尚、本発明に係るテトラペプチドは、構造的にそのアミノ酸配列を部分構造とするペプチドにおいて、構造中に採用することもできる。
【0014】
【図面の簡単な説明】
【図1】本発明に係るスピルリナ蛋白質のペプシン分解液の、製造例1におけるSephadexG−25カラムクロマトグラフィーによるACE阻害ペプチドの分離精製の結果を示す図である。尚、図中、ボイドボリウム(Vo)として分子量200万のブルーデキストラン及び分子量1,355のビタミンB12をマーカーとして用いた。
【図2】本発明に係るテトラペプチドの、製造例1における逆相HPLCによるACE阻害ペプチドの分離精製の結果を示す図である。
【図3】本発明に係るテトラペプチドの、製造例2で得られた合成テトラペプチドのマススペクトルを示す図である。
【図4】製造例2で得られた合成テトラペプチド200mg/kgを、SHRに経口投与した場合の収縮期血圧値(mmHg)の経時的変化を示す図である。尚、図中、対照降圧剤としてカプトプリル(10mg/kg SHR)を、又、コントロールとして0.9%生理食塩水3mlを用いた。

Claims (2)

  1. 次式;Ile−Ala−Pro−Gly
    で示されるL体のアミノ酸の配列によるペプチド構造を有する新規なテトラペプチド。
  2. 次式;Ile−Ala−Pro−Gly
    で示されるL体のアミノ酸の配列によるペプチド構造を有する新規なテトラペプチドを有効成分として含有することを特徴とするアンジオテンシン変換酵素阻害剤。
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