JP2678180B2 - 新規なテトラペプチドおよびアンジオテンシン変換酵素 阻害剤 - Google Patents

新規なテトラペプチドおよびアンジオテンシン変換酵素 阻害剤

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Description

【発明の詳細な説明】
【0001】
【産業上の利用分野】本発明は、医薬として有用性を有
する下記のアミノ酸の配列のペプチド構造を有するテト
ラペプチドならびにそのテトラペプチドを有効成分とす
るアンジオテンシン変換酵素阻害剤に関する。 Pro−Gly−Val−Ala (式中、アミノ酸残基を表わす各記号は、アミノ酸化学
において慣用の表示法によるものである。)
【0002】
【従来の技術及び発明が解決しようとする課題】レニン
−アンジオテンシン系が生体の水・電解質および血液の
調節に重要な役割をはたしていることはよく知られてい
る。このレニン−アンジオテンシン系にはアンジオテン
シン変換酵素(以下ACEと略記する。)が存在し、ア
ンジオテンシンIはACEによってアンジオテンシンI
Iに変換される。アンジオテンシンIIは強力な昇圧物
質で、血管、副腎皮質のみならず中枢神経系ならびに末
梢神経系にはたらいて血圧上昇を促す。また、ACE
は、生体内降圧物質であるブラジキニンを分解し、不活
性化する作用を有し、昇圧系に関与している。したがっ
て、ACEの活性を阻害することによって血圧を降下さ
せることが可能であり、また、そのことは臨床的に高血
圧症の子防、治療に有効であると考えられている。この
目的のためプロリン誘導体であるカプトプリルが合成さ
れ、その降圧作用が確認されて以来、カプトリルの構造
研究に基づく種々のACE阻害物質の合成研究が盛んに
行われ、最近ではマレイン酸エナラブリルやアラセブリ
ル等の物質が、次々と臨床の場に供されている。現在、
ACE阻害剤は、本態性高血圧症、症候性高血圧症を問
わず、また、軽症、重症を問わず、幅広く用いられ、高
血圧症の第1次選択の治療薬中に加えられ、多くの優れ
た点を有することが見出されている。一方、ACE阻害
物質の新しい応用として心不全治療薬としての研究も進
んでいる。ACE阻害物質の作用機序としては、アンジ
オテンシンIIの産生抑制によるアルドステロンやバソ
ブレツシンの分泌抑制、また、腎動脈収縮の解除による
ナトリウムや水の排泄促進が考えられている。更に、A
CE阻害物質については、それが、カクレイン−キニン
系の不活性化を抑制し、プロスタグランジン系を賦活さ
せることにより末梢血管拡張やナトリウムおよび水の排
泄をさらに促進させると考えられており、心不全の悪循
環を断つ上で合目的な治療薬として期待されている。と
ころで、ACE阻害物質としては、上記の合成品の他に
天然物または天然物由来の物質として蛇毒由来のブラジ
キニン増強因子(C末端がPro)〔S.H.Ferr
eia.et ai/:Biochemistry.
9.3583(1970)〕ゼラチンのコラゲナーゼ消
化由来の6種類のペプチド(いずれもC末端がAla−
Hyp)〔G.Oshima,et al.:Bioc
him.Biophys.Acta.,556,128
(1979)〕、牛カゼインのトリプシン消化物由来の
ペプチド(C末端がGly−Lys)〔S.Maruy
ama,et al.:Agric.Biol.Che
m.,46,1393(1982)〕等が知られている
が、これらのペプチド物質は、いずれも静脈内投与での
効果が確認されているのみであり、経口投与による薬理
効果は、全く不明であり、発見されてから長期間経過し
ているが、未だ医薬品としての開発が進んでいるとの報
告はない。
【0003】
【課題を解決するための手段】本発明者は、海苔のタン
パク質分解酵素の分解液から薬理作用を有する物質を検
索し、新規なテトラペプチドが強いアンジオテンシン変
換酵素阻害作用を有することを見出した。そして、この
テトラペプチドを医薬として実用化するための研究を鋭
意行った。その結果、このテトラペプチドが血圧降下作
用を有し、天然物由来のアンジオテンシン変換酵素阻害
剤としての有用性を見い出した。本発明は係る知見に基
づくものである。以下に、本発明を詳細に説明する。本
発明に係る新規なテトラペプチドは、次式 Pro−Gly−Val−Ala で示されるL体のアミノ酸の配列を有する新規なテトラ
ペプチドであり、常温における性状は白色の粉末であ
る。
【0004】前記のテトラペプチドは、化学的に合成す
る方法または海苔のタンパク質分解酵素の分解液から分
離精製する方法を挙げることができる。本発明に係る新
規なテトラペプチドを化学的に合成する場合には、液相
法または固相法等の通常のペプチド合成方法によって行
うことができるが、好ましくは、固相法によってポリマ
ー性の固相支持体へテトラペプチドのC末端(カルボキ
シル末端側)からそのアミノ酸残基に対応したL体のア
ミノ酸を順次ペプチド結合によって結合して行くのがよ
い。そして、そのようにして得られた合成ペプチドは、
トリフルオロメタンスルホン酸、フツ化水素等を用いて
ポリマー性の固相支持体から切断した後、アミノ酸側鎖
の保護基を除去し、逆相系のカラムを用いた高速液体ク
ロマトグラフィー(以下、HPLCと略記する。)等を
用いた通常の方法で精製すことができる。
【0005】上記したように、本発明に係る新規なテト
ラペプチドは海苔のタンパク質分解酵素の分解液から分
離精製することができるが、その場合には、例えば、以
下のようにして行うことができる。上記の新規なテトラ
ペプチドを含有している海苔部分を取り出し加水分解す
る。加水分解は常法に従って行う。例えば、ペプシン等
のタンパク質分解酵素で加水分解する場合は、海苔を必
要とあれば更に加水分解した後、酵素の至適値に調整
し、酵素を加えてインキュベートする。次いで必要に応
じ中和した後、酵素を失活させて加水分解液を得る。そ
の加水分解液を濾紙および/またはセライト等を用いて
瀘過することによって不溶性成分を除去し、得られた濾
液をセロファン等の半透膜を用いて適当な溶媒(例え
ば、トリス−塩酸緩衝液、リン酸緩衝液の中性の緩衡液
等)中で十分に透折し、その濾液中の成分で半透膜を通
過した成分を含む溶液を強酸性陽イオン交換樹脂(例え
ば、ダウケミカル社製のDowex 50W等)にか
け、その吸着溶出画分からACE(アンジオテンシン変
換酵素)阻害活性を有する成分を含有する画分を得、得
られたACE阻害活性画分をゲル濾過(例えば,ファル
マシア製の Sephadex G−25等)によって
分画し、得らたACE阻害活性画分を陽イオン交換ゲル
瀘過(例えば、ファルマシア社製の SP−Sepha
dex C−25等)によって分画し、得られたACE
阻害活性画分を更に逆相HPLCによって分画する。
【0006】この新規なテトラペプチドは、静脈内への
繰返し投与を行った場合、抗体産生を惹起せず、アナフ
イラキシーショックを起こさない。また、このテトラペ
プチドはL−アミノ酸のみの配列構造からなり、投与
後、生体内のプロテアーゼにより徐々に分解される為,
毒性は極めて低く安全性は極めて高い(LD50>50
00mg/Kg:ラット経口投与)。本発明に係る新規
なテトラペプチドは、通常用いられる賦形剤等の添加物
を用いて注射剤、錠剤、カプセル剤、顆粒剤、散剤等に
調整することができる。投与法としては、通常は、AC
Eを有している哺乳類(例えば、ヒト、イヌ、ラット
等)に注射すること、あるいは経口投与することがあげ
られる。投与量は、例えば、動物体重1kg当りこのテ
トラペプチドを0.01〜10mgの量である。投与回
数は、通常、日1〜4回程度であるが、投与経路によっ
て、適宜、調整することができる。上記の各種製剤にお
いて用いられる賦形剤、結合剤、滑沢剤の種類は、特に
限定されず、通常の注射剤、散剤、顆粒剤、錠剤あるい
はカプセル剤に用いられるものを使用することができ
る。
【0007】錠剤、カプセル剤、顆粒剤、散剤に用いる
添加剤としては、下記のものをあげることができる。賦
形剤としては、結晶セルロース等の糖類、マンニトール
等の糖アルコール類、でんぷん類、無水リン酸カルシウ
ム等;結合剤としてはでんぷん類、ヒドロキシプロピル
メチルセルロース等;崩壊剤としてはカルボキシメチル
セルロースおよびそのカリウム塩類;滑沢剤としてはス
テアリン酸およびその塩類、タルク、ワックス類を挙げ
ることができる。また、製剤の調整にあたっては、必要
に応じメントール、クエン酸およびその塩類、香料等の
矯臭剤を用いることができる。注射用の無菌組成物は、
常法により、本発明に係る新規なテトラペプチドを、注
射用水、生理食塩液およびキシリトールやマンニトール
などの糖アルコール注射液、プロピレングリコールやポ
リエチレングリコール等のグリコールに溶解または懸濁
させて注射剤とすることができる。この際、緩衝液、防
腐剤、酸化防止剤等を必要に応じて添加することができ
る。本発明の新規なテトラペプチドを含有する製剤は凍
結乾燥品または乾燥粉末の形とし、用時、通常の溶解
剤、例えば水または生理食塩液にて溶解して用いること
もできる。
【0008】本発明に係る新規なテトラペプチドは、優
れたアンジオテンシン変換酵素阻害作用を有し、血圧降
下作用、ブラジキニン不活性抑制作用を示す。したがっ
て、本態性高血圧、腎性高血圧、副腎性高血圧等の高血
圧症の予防、治療剤、これらの疾患の診断剤や各種の病
態において用いられる血圧降下剤として有用であり、更
にうつ血性心不全に対する臓器循環の正常化と長期予後
の改善(延命効果)作用を有し、心不全の治療剤として
有用である。
【0009】
【実施例】以下に実施例として、製造例及び試験例を記
載し、本発明を更に詳細に説明する。 製造例1 風乾した新鮮海苔50gに脱イオン水2lを加えてホモ
ジナイズした。得られた海苔ホモジネイトにペプシン
1.5gを加え、pH2.0に調整して37℃で20時
間インキュベイトした。このようにして調製した海苔ホ
モジネイトのペプシン分解液をDiaflow膜(アミ
コン社製、YM10型膜、分画分子量1万)を用いて限
外濾過した。得られ濾過液をDowex 50WX4
(H)を充填したカラムを用いてクロマトグラフ処理
した。脱イオン水で水洗し、溶出は2N−NHOHで
行い溶出液を濃縮した。この濃縮液をSephadex
G−25カラムによりカラムクロマトグラフ処理して
ペプチド画分(分画番号25〜45番)を分離した。そ
のカラムクロマトグラムを図1に示した。このペプチド
画分を濃縮して海苔ペプチド液を得た。さらにこのペプ
チド液をSP−Sephadex C−25(H)カ
ラムによりカラムクロマトグラム処理して各ペプチド画
分としてSP−1画分(分画番号10〜28番)、SP
−2画分(分画番号29〜40番)およびSP−3画分
(分画番号41〜55番)を分離した。そのカラムクロ
マトグラムを図2に示した。これらペプチド画分を凍結
乾燥してペプチドパウダー(以下、海苔ペプチドと称
す。)として、SP−1画分2.2g(IC50値0.
91mg/ml)、SP−2画分4.5g(IC
501.5mg/ml)およびSP−3画分7.3g
(IC50値10.2mg/ml)を得た。このように
して分画した海苔ペプチドの中で、ACE阻害活性の高
いSP−1画分のペプチドパウダーを脱イオン水に溶解
した後HPLCを行った。条件はカラムとして野村化学
(株)製Develosil ODS−5(φ4.6m
mIDX25cm L)を使用し、移動相として0.0
5%トリフルオロ酢酸(以下、TFAと略記する。)か
ら25%アセトニトリル/0.05%TFAの濃度勾配
法により、流速1.0ml/min、検出波長220n
mでクロマトグラフ処理し、溶出時間48.192分に
強いACE阻害作用を有するペプチドフラグメントを得
た。その結果は図3に示すとおりである。このようにし
て得られたACE阻害作用を有するペプチドのアミノ酸
配列は、アプライドバイオシステム(ABI)社製のプ
ロテインシーケンサー477A型を用いて決定された。
その結果、次式 Pro−Gly−Val−Ala で示されるL体のアミノ酸残基からなる配列を有するテ
トラペプチドであることが確認さた。なお本発明におい
て、SP−Sephadex C−25(H)カラム
クロマトグラフ中の各ペプチド画分(SP画分)のペプ
チド含量(希釈率で表す。)とACE阻害率%との関係
としては図4のような結果が得られた。又、各ペプチド
画分(SP画分)のアミノ酸組成比%として図5のよう
な結果が得られた。本発明に係わる海苔ペプチドをAC
E阻害剤として例えば錠剤に製剤する場合には、常法に
したがって例えば次のように処理すればよい:(1)ペ
プチド13g、(2)乳糖87g、(3)コーンスター
チ29g、(4)ステアリン酸マグネシウム1gを原料
とし、先ず(1)、(2)及び17gのコーンスターチ
を混和し、7gのコーンスターチから作ったペーストと
ともに顆粒化し、この顆粒に5gのコーンスターチと
(4)とを加え、得られた混合物を圧縮錠剤機で打錠
し、錠剤1000個を製造する。
【00010】製造例2 本例は、合成法による製造例である。 Pro−Gly−Val−Alaの合成法 アプライドバイオシステム社製のペプチド自動合成装置
430A型を用いた固相法によって当該テトラペプチド
を合成した。固相担体としては、スチレン−ジビニルベ
ンゼン共重合体(ポリスチレン樹脂)をクロロメチル化
した樹脂を使用した。まず、当該テトラペプチドのアミ
ノ酸配列に従って、常法どおり、そのC末端側Proか
らクロロメチル樹脂に反応させ、ペプチド結合樹脂を得
た。このときのアミノ酸は、t−ブトキシカルボニル
(以下t−Bocと略記す。)基で保護されたt−Bo
cアミノ酸を使用した。次にこのペプチド結合樹脂をエ
タンジチオールとチオアニソールからなる混合液に懸濁
し、室温で10分間撹拌後、氷冷下でトリフルオロ酢酸
を加え、さらに10分間撹拌した。この混合液にトリフ
ルオロメタンスルホン酸を滴下し、室温で30分間撹拌
した後、無水エーテルを加えてその生成物を沈澱させて
分離し、その沈澱物を無水エーテルで数回洗浄した後、
減圧下で乾燥した。このようにして得られた末精製の合
成ペプチドは蒸留水に溶解した後、逆相系のカラムC
18(5μ)を用いたHPLCにより精製した。移動相
として(A)0.1%TFA含有蒸留水、(B)0.1
%TFA含有アセトニトリル溶液を使用し、(A)液が
20分間で97%→77%の濃度勾配法により流速1.
5ml/minでクロマトグラフィーを行った。紫外部
波長215nmで検出し、最大の吸収を示した溶出画分
を分取し、これを凍結乾燥することによって目的とする
合成テトラペプチドを得た。
【0011】この合成テトラペプチドをマススペクトル
により分折した結果、次式 Pro−Gly−Val−Ala なるアミノ酸配列構造を有するテトラペプチドであるこ
とが確認された。このマススペクトルの結果は図6に示
すとおりである。合成によって得られた本発明のテトラ
ペプチドは、以下に示す試験によって薬理効果が確認さ
れた。
【0012】試験例1 (アンジオテンシン変換酵素阻害活性)ACE(シグマ
社製、酵素番号 EC3.4.15.1)2.5mU、
合成基質Hippuryl−L−histidyl−L
−leucine(ペプチド研究所製)12.5mMを
用いLiebermanの測定方法を改良した山本等の
方法[日胸疾会誌,18,297−302(198
9)]に準じて測定した。すなわち、生成した馬尿酸を
酢酸エチルにて抽出し、225nmの吸光度で測定し
た。被検液での吸光度をEs、被検液の代わりに緩衝液
を加えた時の値をEc、予め反応停止液を加えて反応さ
せた時の値をEbとして次式から阻害率を求めた。 阻害率(%)=(Ec−Es)/(Ec−Eb)×10
0 ACE阻害剤の阻害活性IC50値は、ACEの酵素活
性を50%(阻害率)阻害するために必要な試料の濃度
(M)で示した。本発明に係る新規なテトラペプチドの
牛肺血清のアンジオテンシン変換酵素に対する阻害活性
IC50値は9.5×10−7Mである。
【0013】試験例2 (ラットへ投与時の降圧効果)実験動物は日本チャール
ズ・リバー(株)より15週令雄性高血圧自然発症ラッ
ト(SHR)を購入し、1週間の予備飼育後、収縮期血
圧が160mmHg以上(体重280〜330g)の動
物3匹1群として用いた。血圧は非観血的尾動脈血圧測
定装置(株)理研開発製、PS−100)を用いtai
l−cuff法により、投与前、投与後1時間、2時
間、4時間、5時間のSHR尾動脈の収縮期血圧(SB
P)、平均血圧(MBP)および拡張期血圧(DBP)
の測定を測定時間毎に5回おこない、得られた測定値の
最高値と最低値を棄却し、3回の平均値をもって各時間
の測定値とした。それぞれの変動値は、投与直前の平均
値を0時間の測定値とし、各時間の平均値より0時間の
平均値を減じその差を求めて算出した。合成テトラペプ
チド10mg/kgをSHRに経口投与した時の血圧値
への作用についての結果は、図7に示すとおりである。
以上の試験の結果、本発明に係るテトラペプチドはアン
ジオテンシン変換酵素害活性を有し、in vivo
(生体内)においても有意な血圧降下作用を示すことが
確認された。したがって、本発明に係るテトラペプチド
は高血圧症の治療または予防薬として有用である。な
お、本発明に係るテトラペプチドは、構造的にそのアミ
ノ酸配列を部分構造とするペプチドにおいて、構造中に
採用することもできる。
【0014】
【図面の簡単な説明】
【図1】本発明に係わる海苔ペプシン分解液の、製造例
1におけるSepadexG−25カラムクロマトグラ
フィーによるACE阻害ペプチドの分離精製の結果を示
す図である。尚、図中マーカーとして分子量200万の
ブルーデキストラン、分子量1335のビタミンB12
を用いた。
【図2】本発明に係る海苔ペプチドの、製造例1におけ
るSP−Sephadex C−25(H)カラムク
ロマトグラフィーによるACE阻害ペプチドの分離精製
の結果を示す図である。
【図3】本発明に係わるテトラペプチドの、製造例1に
おける逆相HPLCによるACE阻害ペプチドフラグメ
ントの分離精製の結果を示す図である。
【図4】本発明に係わる海苔ペプチドの、製造例1にお
けるSP画分のペプチド含量(希釈率)とACE阻害率
%との関係を示す図である。
【図5】本発明に係わる海苔ペプチドの、製造例1にお
けるSP画分のアミノ酸組成比%を示す図である。
【図6】本発明に係わるテトラペプチドの、製造例2で
得られた合成テトラペプチドのマススペクトルを示す図
である。
【図7】製造例2で得られた合成テトラペプチド10m
g/kgを、SHRに経口投与した場合の血圧値(収縮
期血圧、平均血圧および拡張期血圧)の経時的変化を示
す図である。

Claims (2)

    (57)【特許請求の範囲】
  1. 【請求項1】 次式;Pro−Gly−Val−A
    la で示されるL体のアミノ酸の配列によるペプチド構造を
    有する新規なテトラペプチド。
  2. 【請求項2】 次式;Pro−Gly−Val−A
    la で示されるL体のアミノ酸の配列によるペプチド構造を
    有する新規なテトラペプチドを有効成分として含有する
    ことを特徴とするアンジオテンシン変換酵素阻害剤。
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