JP2990354B1 - 新規なペンタペプチドおよびアンジオテンシン変換酵素阻害剤 - Google Patents

新規なペンタペプチドおよびアンジオテンシン変換酵素阻害剤

Info

Publication number
JP2990354B1
JP2990354B1 JP10185530A JP18553098A JP2990354B1 JP 2990354 B1 JP2990354 B1 JP 2990354B1 JP 10185530 A JP10185530 A JP 10185530A JP 18553098 A JP18553098 A JP 18553098A JP 2990354 B1 JP2990354 B1 JP 2990354B1
Authority
JP
Japan
Prior art keywords
pentapeptide
novel
converting enzyme
angiotensin converting
val
Prior art date
Legal status (The legal status is an assumption and is not a legal conclusion. Google has not performed a legal analysis and makes no representation as to the accuracy of the status listed.)
Expired - Fee Related
Application number
JP10185530A
Other languages
English (en)
Other versions
JPH11343298A (ja
Inventor
邦男 末綱
Current Assignee (The listed assignees may be inaccurate. Google has not performed a legal analysis and makes no representation or warranty as to the accuracy of the list.)
Individual
Original Assignee
Individual
Priority date (The priority date is an assumption and is not a legal conclusion. Google has not performed a legal analysis and makes no representation as to the accuracy of the date listed.)
Filing date
Publication date
Application filed by Individual filed Critical Individual
Priority to JP10185530A priority Critical patent/JP2990354B1/ja
Application granted granted Critical
Publication of JP2990354B1 publication Critical patent/JP2990354B1/ja
Publication of JPH11343298A publication Critical patent/JPH11343298A/ja
Anticipated expiration legal-status Critical
Expired - Fee Related legal-status Critical Current

Links

Landscapes

  • Medicines That Contain Protein Lipid Enzymes And Other Medicines (AREA)
  • Peptides Or Proteins (AREA)

Abstract

【要約】 【目的】クロレラの蛋白質分解酵素の分解液から、アン
ジオテンシン変換酵素阻害作用をを有する新規なペンタ
ペプチドを提供する。 【構成】クロレラを蛋白質分解酵素等で処理し、新規な
アンジオテンシン変換酵素阻害作用を有するペンタペプ
チドVal−Val−Pro−Pro−Alaであり、
生体内での血圧降下作用を有し、毒性も極めて低い。

Description

【発明の詳細な説明】
【0001】
【産業上の利用分野】本発明は、医薬品として有用性を
有する下記アミノ酸の配列のペプチド構造を有するペン
タペプチドならびにそのペンタペプチドを有効成分とす
るアンジオテンシン変換酵素阻害剤に関する。 Val−Val−Pro−PRo−Ala (式中、アミノ酸残基を表す各記号は、アミノ酸化学に
おいて慣用の表示法によるものである。)
【0002】
【従来の技術及び発明が解決しようとする課題】レニン
−アンジオテンシン系が生体の水・電解質及び血液の調
節に重要な役割を果たしていることはよく知られてい
る。このレニン−アンジオテンシン系にはアンジオテン
シン変換酵素(以下ACEと略記する。)が存在し、ア
ンジオテンシンIはACEによってアンジオテンシンI
Iに変換される。アンジオテンシンIIは強力な昇圧物
質で、血管、副腎皮質のみならず中枢神経系ならびに末
梢神経系に働いて血圧上昇を促す。又、ACEは、生体
内降圧物質であるブラジキニンを分解し、不活性化する
作用を有し、昇圧系に関与している。従って、ACEの
活性を阻害することによって血圧を降下させることが可
能であり、又、そのことは臨床的に高血圧の予防、治療
に有効であると考えられている。この目的のためプロリ
ン誘導体であるカプトリルが合成され、その降圧作用が
確認されて以来、カプトリルの構造研究に基づく種々の
ACE阻害物質の合成研究が盛んに行われ、最近ではマ
レイン酸エナラブリルやアラセブリル等の物質が、次々
と臨床の場に供されている。現在、ACE阻害剤は、高
血圧は、本態性高血圧症、病候性高血圧症を問わず、
又、軽症、重症を問わず、幅広く用いられ、高血圧症の
第一次選択の治療薬中に加えられ、多く優れた点を有す
ることが見出されている。一方、ACE阻害物質の作用
機序としては、アンジオテンシンIIの産生抑制による
アルドステロンやバソプレッシンの分泌抑制、又、腎動
脈収縮の解除によるナトリウムや水の排泄促進が考えら
れている。更に、ACE阻害物質については、それがカ
リクレン−キニン系の不活性化を抑制し、プロスタグラ
ンジン系を賦活させることにより末梢血管拡張やナトリ
ウム及び水の排泄を更に促進させると考えられており、
心不全の悪循環を断つ上で合目的な治療薬として期待さ
れている。ところで、ACE阻害物質としては、上記の
合成品の他に天然物又は天然物由来の物質として蛇毒由
来のブラデイキニン増強因子(C末端がPro)[S.
H.Ferreia et al:Biochemis
try,9,3583(1970)]、ゼラチンのコラ
ゲナーゼ消化物由来の6種類のペプチド(いずれもC末
端がAla−Hyp)[G.Oshima et a
l:Biochim.Biophs.Acta,56
6,128(1979)]、牛カゼインのトリプシン消
化物由来のペプチド(C末端がGly−Lys)[S.
Maruyama et al.:Agric.Bio
l.Chem.,46,1393(1983)]等に始
まり本発明者等のイワシ筋肉由来の5種のヘクサペウチ
ド(いずれもC末端から2番目又は3番目がPro、N
末端がLeu)[特許第2046483号]、海苔由来
のテトラペプチド(N末端がPro)[特許第2678
180号]が挙げられ、いずれもACE阻害剤となり得
ることが開示されている。更に、合成法により得た鎖長
の短いジ、トリペプチド[特開平6−87886号]
[特開平6−16568号]についての提案は行われて
いるが、規則性を持ったアミノ酸配列を有する鎖長の長
いペプチドのACE阻害作用並びに経口投与による降圧
効果(薬理効果)は不明であり、発見されてから長時間
経過しているが、未だ医薬品としての開発が進んでいる
との報告はない。食品の場合には鈴木らが大豆、茶類、
貝類、果実類などでACE阻害活性を認めている[鈴木
健夫、石川宣子ら;農化,57,1143(198
3)]が、これまでに健康食品として広く利用されてい
るクロレラにACE阻害物質があることは知られていな
い。
【0003】
【課題を解決するための手段】本発明者は、前記の課題
を解決するために鋭意研究した結果、淡水産緑藻類に属
する単細胞藻類であるクロレラから得られた、本発明の
新規なペンタペプチドが血圧降下作用を有することを見
出し、本発明を完成するに至った。即ち、クロレラの蛋
白質分解酵素の分解液から薬理作用を有する物質を検索
し、新規なペンタペプチドが強いアンジオテンシン変換
酵素阻害作用を有することを見い出した。そして、この
ペンタペプチドを医薬として実用化するための研究を鋭
意行い、その結果、このペンタペプチドが血圧降下作用
を有し、天然物由来のアンジオテンシン変換酵素阻害剤
としての有用性を見い出した。本発明は係る知見に基づ
くものである。本発明に係る新規なペプチドは、次式 Val−Val−Pro−Pro−Ala で示されるL体のアミノ酸配列で表される新規なペンタ
ペプチドであり、常温における性状は白色の粉末であ
る。
【0004】前記の新規なペンタペプチドは、化学的に
合成する方法またはクロレラの蛋白質分解酵素の分解液
から分離精製する方法をあげることができる。本発明に
係る新規なペンタペプチドを化学的に合成する場合に
は、液相法または固相法等の通常の合成方法によって行
うことができるが、好ましくは、固相法によってポリマ
ー性の固相支持体へ前記ペンタペプチドのC末端側(カ
ルボキシル末端側)からそのアミノ酸残基に対応したL
体のアミノ酸を順次ペプチド結合によって結合して行く
のが良い。そして、そのようにして得られた合成ペンタ
ペプチドは、トリフルオロメタンスルホン酸、フッ化水
素などを用いてポロマー性の固相支持体から切断した
後、アミノ酸側鎖の保護基を除去し、逆相系のカラムを
用いた高速液体クロマトグラフィー(以下、HPLCと
略記する)などを用いた通常の方法で精製することがで
きる。
【0005】上記したように、本発明に係る新規なペン
タペプチドは、クロレラの蛋白質分解酵素の分解液から
分離精製することができるが、その場合には、たとえ以
下のようにして行うことができる。上記の新規なペンタ
ペプチドを含有しているクロレラを用いて加水分解す
る。加水分解は常法に従って行う。例えば、ペプシン等
のタンパク質分解酵素で加水分解する場合は、クロレラ
ホモジネートを必要とあれば更に加水分解した後、酵素
の至適温度まで加温しpHを至適値に調整し酵素を加え
てインキュベートする。次いで必要に応じ中和した後、
酵素を失活させて加水分解液を得る。その加水分解物を
濾紙および/またはセライト等を用いて濾過することに
よって不溶性成分を除去し、その得られた濾液をセロフ
ァンなどの半透膜を用いて適当な溶媒(例えば、水、ト
リス−塩酸緩衝液、リン酸緩衝液の中性の緩衝液等)中
で十分に透析し、その濾液中の成分で半透膜を通過した
成分を含む溶液を強酸性陽イオン交換樹脂(例えば、ダ
ウケミカル社製のDowex 50W等)にかけ、その
吸着溶出分画からアンジオテンシン変換酵素(以下、A
CEと略記する)阻害活性を有する成分を含有する分画
を得、その得られたACE阻害活性分画をゲル濾過(例
えば、ファルマシア社製のSephadex G−25
など)によって分画し、その得られたACE阻害活性分
画を陽イオン交換ゲル濾過(例えば、ファルマシア社製
のSP−SephadexC−25など)によって分画
し、その得られたACE阻害活性分画を更に逆相HPL
Cによって分画することによって行うことができる。
【0006】本発明に係る新規なペンタペプチドの製法
において用いる淡水産緑藻類としては、本発明の目的を
達成できる限りいかなる淡水産緑藻類を用いても良い
が、好ましくはクロレラを用いるのが良い。以上のよう
にして得られた本発明の新規なペンタペプチドは、静脈
内へ繰り返し投与を行った場合、抗体産生を惹起せず、
アナフィラキシーショックを起こさせない。又、本発明
の新規なペンタペプチドはL−アミノ酸のみの配列構造
からなり、投与後、生体内のプロテアーゼにより徐々に
分解される為、毒性は極めて低く、安全性は極めて高い
(LD50>5000mg/kg;ラット経口投与)。
本発明に係る新規なペンタペプチドは、通常用いられる
賦形剤等の添加物を用いて注射剤、錠剤、カプセル剤、
顆粒剤、散剤等に調整することができる。投与方法とし
ては、通常は、ACEを有している哺乳類(例えば、ヒ
ト、イヌ、ラット等)に注射すること、あるいは経口投
与することがあげられる。投与量は、例えば、動物体重
当たりこのペンタペプチドを0.01〜10mgの量で
ある。投与回数は、通常1日1〜4回程度であるが、投
与経路によって、適宜、調整することができる。
【0007】上記の各種製剤において用いられる賦形
剤、結合剤、潤沢剤の種類は、とくに限定されず、通常
の注射剤、散剤、顆粒剤、錠剤あるいはカプセル剤に用
いられるものを使用することができる。錠剤、カプセル
剤、顆粒剤、散剤に用いる添加物としては、下記のもの
をあげることができる。賦形剤としては、結晶セルロー
ス等の糖類、マンニトール等の糖アルコール類、デンプ
ン類、無水リン酸カルシウム等;結合剤としてはでんぷ
ん類、ヒドロキシプロピルメチルセルローズ等;崩壊剤
としてはカルボキシメチルセルロースおよびそのカリウ
ム塩類;潤滑剤としてはステアリン酸およびその塩類、
タルク、ワックス類を挙げることができる。又、製剤の
調整にあたっては必要に応じメントール、クエン酸およ
びその塩類、香料等の矯臭剤を用いることができる。注
射用の無菌組成物は、常法により、本発明の新規なペン
タペプチドを、注射用水、生理食塩水およびキシリトー
ルやマンニトールなどの糖アルコール注射液、プロピレ
ングリコールやポリエチレングリコール等のグリコール
に溶解または懸濁させて注射剤とすることができる。こ
の際、緩衝液、防腐剤、酸化防止剤等を必要に応じて添
加することができる。本発明の新規なペンタペプチドを
含有する製剤は凍結乾燥品又は乾燥粉末の形とし、用
時、通常の溶解剤、例えば水または生理食塩液に溶解し
て用いることもできる。
【0008】本発明に係る新規なペンタペプチドは優れ
たアンジオテンシン変換酵素阻害作用を有し、血圧降下
作用、ブラジキニン不活化抑制作用を示す。従って、本
態性高血圧、腎性高血圧、副腎性高血圧等の高血圧症の
予防、治療剤、これらうっ血性心不全に対する臓器循環
の正常化と長期予後の改善(延命効果)作用を有し、心
不全の治療剤として有用である。
【0009】
【実施例】以下に実施例として、製造例および試験例を
記載し、本発明を更に詳細に説明する。 製造例1 クロレラ粉末26.4gに脱イオン水1lを加え、ホモ
ジナイズしたクロレラ懸濁液を得た。透析チューブ(3
6 inch,和光純薬工業製)に詰め、流水に対して
3日間透析を行い透析内液を得た。この内液を1N塩酸
にてpHを2.0に調整し、ペプシン(メルク社製、酵
素番号EC3.4.23.1)0.8gを添加し、37
℃20時間撹拌しながら加水分解を行った。分解反応液
を直ちに限外濾過膜(アミコン社製、YM10型、φ7
6mm)に通過させ、通過液をDowex50WX4
[H]カラム(φ4.5X20cm)に加えた。その
カラムを脱イオン水で十分洗滌した後、2N水酸化アン
モニウム液2lを用いて溶出した。減圧濃縮によりアン
モニアを除去し、濃縮液40mlを得た。この濃縮液4
mlを予め脱イオン水で緩衝化したSephadexG
−25(ψ2.3X140cm)に負荷し、流速30m
l/hr、各分画量8.6mlでゲル濾過を行った。そ
の結果は図1のとおりである。ゲル濾過を繰り返して大
量分取したACE阻害活性の高い分画を集め凍結乾燥し
てペプチド粉末とした。このペプチド粉末3gを20m
lの脱イオン水に溶解後、予め、脱イオン水で緩衝化し
たSP−SephadexC−25[H]カラム(φ
1.5X47.2cm)に負荷し、脱イオン水500m
lから1.5%塩化ナトリウム500mlの濃度勾配法
を行い、流速90ml/hr、各分画量10mlでクロ
マトグラフィーを行った。その結果は図2のとおりであ
る。上記クロマトグラフ中、分画番号19〜34のAC
E阻害活性分画を集めて凍結乾燥して精製ペプチド粉末
(SP−1分画)を得た。この精製ペプチド粉末20m
gを60μlの脱イオン水に溶解した後、高速液体クロ
マトグラフィー(HPLC)を行った。カラムとしては
野村化学社製Develosil ODS−5(4.5
mmIDX25cmL)を使用し、移動相としては0.
05%トリフルオロ酢酸(以下、TFAと略記する)か
ら25%アセトニトリル/0.05%TFAの濃度勾配
法を行い、流速1.0ml/min検出波長220nm
でクロマトグラフィーを行い、ACE阻害作用を有する
ペプチドフラグメントを得た。その結果は図3に示すと
おりであり、HPLCでの溶出時間は43.292分で
ある。このようにして得られたACE阻害作用を有する
ペプチドフラグメントのアミノ酸配列は、アプライドバ
イオシステム(ABI)社製のプロテインシークエンサ
ー477A型を用いて決定された。その結果、本発明に
係る新規なペプチドは、次式 Val−Val−Pro−Pro−Ala で示されるL体のアミノ酸配列で表される新規なペンタ
ペプチドであることが確認された。常温における性状は
白色の粉末である。尚、本発明に係る新規なペンタペプ
チドをACE阻害剤として、例えば錠剤に製剤する場合
には、常法に従って、例えば次のように処理すればよ
い:ペプチド13g、乳糖87g、コーンスター
チ29g、ステアリン酸マグネシウム1gを原料と
し、先ず、及び17gのコーンスターチを混和し、
7gのコーンスターチから作ったペーストとともに顆粒
化し、この顆粒に5gのコーンスターチととを加え、
得られた混合物を圧縮錠剤機で打錠し、錠剤1000個
を製造する。
【0010】製造例2 本例は、合成法による製造例である。 Val−Val−Pro−Pro−Alaの合成法 アプライドバイオシステム社製のペプチド自動合成装置
430A型を用いた固相法によって当該ペプチドを合成
した。固相担体としては、スチレンジビニルベンゼン共
重合体(ポリスチレン樹脂)をクロロメチル化した樹脂
を使用した。まず、当該ペンタペプチドのアミノ酸配列
に従って、常法どおり、そのC末端側のアラニンからク
ロロメチル樹脂に反応させペプチド結合樹脂を得た。こ
の時のアミノ酸は、t−ブトキシカルボニル(以下、t
−Bocと略記する)基で保護されたt−Bocアミノ
酸を使用した。次にこのペプチド結合樹脂をエタンジチ
オールとチオアニソールからなる混合液に懸濁し、室温
で10分間撹拌後、氷冷下でトリフルオロ酢酸を加え、
更に10分間撹拌した。この混合液にトリフルオロメタ
ンスルホン酸を滴下し、室温で30分間撹拌した後、無
水エーテルを加えてその生成物を沈澱させて分離し、そ
の沈澱物を無水エーテルで数回洗浄した後、減圧下で乾
燥した。このようにして得られた未精製の合成ペプチド
は蒸留水に溶解した後、逆相系のカラムC18(5μ
m)を用いたHPLCにより精製した。移動相として
(A)0.1%TFA含有蒸留水、(B)0.1%TF
A含有アセトニトリル溶液を使用し、(A)液が60分
間で88%→43%の濃度勾配法により流速1.6ml
/minでクロマトグラフィーを行った。紫外部波長2
17nmで検出し、最大の吸収を示した溶出画分を分取
し、これを凍結乾燥することによって目的とする合成ペ
プチオドを得た。
【0011】この合成ペプチドをマススペクトルにより
分析した結果、次式 Val−Val−Pro−Pro−Ala なるアミノ酸配列構造を有するペンタペプチドであるこ
とが確認された。このマススペクトルの結果は図4に示
すとおりである。合成によって得られた本発明のペンタ
ペプチドは、以下に示す試験によって薬理効果が確認さ
れた。
【0012】試験例1 (アンジオテンシン変換酵素阻害活性測定法)ACE
(シグマ社製、酵素番号EC3.4.15.1)2.5
mU、合成基質Hippuryl−L−histidy
l−L−leucine(ペプチド研究所製)12.5
mMを用いLiebermanの測定法を改良した山本
等の方法[日胸疾会誌,18,297−302(198
9)]に準じて測定した。すなわち、生成した馬尿酸を
酢酸エチルにて抽出し225nmの吸光度で測定した。
被検液での吸光度をEs、被検液の代わりに緩衝液を加
えた時の値をEc、予め反応停止液を加えて反応させた
時の値をEbとして次式から阻害率を求めた。 阻害率(%)=(Ec−Es)/(Ec−Eb)X10
0 ACE阻害剤の阻害活性IC50値は、ACEの酵素活
性を50%(阻害率)阻害するために必要な試料の濃度
(M)で示した。本発明に係る新規なペンタペプチドの
牛肺血清のアンジオテンシン変換酵素に対する阻害活性
(IC50値)は9.3μMである。
【0013】試験例2 (高血圧自然発症ラットへ投与時の降圧効果)実験動物
は日本チャールズ・リバー社より15週令雄性高血圧自
然発症ラット(以下、SHRと略記する。)を購入し、
1週間の予備飼育後、収縮期血圧が160mmHg以上
(体重280−330g)の動物6匹1群として用い
た。ラットは、室温23±2℃、湿度55±10%およ
び12時間明暗(午前6時〜午後6時点灯)に調整され
た飼育室でステンレスワイヤー製ラット用個別ゲージに
1匹ずつ収容し飼育した。飼料はオリエンタル酵母社製
MF粉末飼料を、飲水は自家揚水(水道水質基準適合)
をそれぞれ自由に摂取させた。血圧は非観血的尾動脈血
圧測定装置(理研開発社製、PS−100型)を用いt
ail−cuff法により、投与前、投与後1時間、2
時間、3時間、4時間および6時間のSHRの尾動脈の
収縮期血圧値(mmHg)の測定を測定時間毎に5回行
い、得られた測定値の最高値と最低値を棄却し、3回の
平均値をもって各時間の測定値とした。合成ペンタペプ
チド200mg/kgをSHRに経口投与した時の収縮
期血圧値(mmHg)への作用についての結果は、図5
に示すとおりである。以上の試験の結果、本発明に係る
ペンタペプチドは、アンジオテンシン変換酵素阻害活性
を有し、in vivo(生体内)においても有意な血
圧降下作用を示すことが確認された。従って、本発明に
係るペンタペプチドは高血圧症の治療又は予防薬として
有用である。尚、本発明に係るペンタペプチドは、構造
的にそのアミノ酸配列を部分構造とするペプチドにおい
て、構造中に採用することもできる。
【0014】
【図面の簡単な説明】
【図1】本発明に係るクロレラペプシン分解液の、製造
例1におけるSephadexG−25カラムクロマト
グラフィーによるACE阻害ペプチドの分離精製の結果
を示す図である。尚、図中マーカーとして分子量6千の
インスリン、分子量3,500のインスリンB鎖、分子
量2,550のインスリンA鎖、分子量1,450のバ
シトラシン及び分子量75のグリシンを用いた。
【図2】本発明に係るクロレラペプシン分解液の、製造
例1におけるSP−SephadexC−25(H
カラムクロマトグラフィーによるACE阻害ペプチドの
分離精製の結果を示す図である。
【図3】本発明に係るペンタペプチドの、製造例1にお
ける逆相HPLCによるACE阻害ペプチドの分離精製
の結果を示す図である。
【図4】本発明に係るペンタペプチドの、製造例2で得
られた合成テトラペプチドのマススペクトルを示す図で
ある。
【図5】製造例2で得られた合成テトラペプチド200
mg/kgを、SHRに経口投与した場合の収縮期血圧
値(mmHg)の経時的変化を示す図である。尚、図中
対照降圧剤としてカプトプリル(10mg/kg SH
R)を、又、コントロールとして0.9%生理食塩水3
mlを用いた。

Claims (2)

    (57)【特許請求の範囲】
  1. 【請求項1】 次式;Val−Val−Pro−P
    ro−Ala で示されるL体のアミノ酸の配列によるペプチド構造を
    有する新規なペンタペプチド。
  2. 【請求項2】 次式;Val−Val−Pro−P
    ro−Ala で示されるL体のアミノ酸の配列によるペプチド構造を
    有する新規なペンタペプチドを有効成分として含有する
    ことを特徴とするアンジオテンシン変換酵素阻害剤。
JP10185530A 1998-05-27 1998-05-27 新規なペンタペプチドおよびアンジオテンシン変換酵素阻害剤 Expired - Fee Related JP2990354B1 (ja)

Priority Applications (1)

Application Number Priority Date Filing Date Title
JP10185530A JP2990354B1 (ja) 1998-05-27 1998-05-27 新規なペンタペプチドおよびアンジオテンシン変換酵素阻害剤

Applications Claiming Priority (1)

Application Number Priority Date Filing Date Title
JP10185530A JP2990354B1 (ja) 1998-05-27 1998-05-27 新規なペンタペプチドおよびアンジオテンシン変換酵素阻害剤

Publications (2)

Publication Number Publication Date
JP2990354B1 true JP2990354B1 (ja) 1999-12-13
JPH11343298A JPH11343298A (ja) 1999-12-14

Family

ID=16172423

Family Applications (1)

Application Number Title Priority Date Filing Date
JP10185530A Expired - Fee Related JP2990354B1 (ja) 1998-05-27 1998-05-27 新規なペンタペプチドおよびアンジオテンシン変換酵素阻害剤

Country Status (1)

Country Link
JP (1) JP2990354B1 (ja)

Families Citing this family (2)

* Cited by examiner, † Cited by third party
Publication number Priority date Publication date Assignee Title
JP4505707B2 (ja) * 2003-02-13 2010-07-21 株式会社白子 血管拡張による肩凝り又は冷え症治療用の医薬組成物
CN109402204B (zh) * 2018-11-05 2021-09-14 福建师范大学 一种小球藻免疫活性肽的制备方法

Also Published As

Publication number Publication date
JPH11343298A (ja) 1999-12-14

Similar Documents

Publication Publication Date Title
JPH07188282A (ja) 新規なトリペプチド、その製法およびそれを有効成分と する血圧降下剤
JPH06256387A (ja) 新規なペプチド、その製法およびそれを有効成分とする 血圧降下剤
JP3378279B2 (ja) ペプチドおよびその製造方法
JP2007182415A (ja) 新規なワカメペプチド、l−チロシル−l−プロリン及び血圧降下剤
JP3893579B2 (ja) 新規なテトラペプチドおよびアンジオテンシン変換酵素阻害剤
JP2990354B1 (ja) 新規なペンタペプチドおよびアンジオテンシン変換酵素阻害剤
JP2007182414A (ja) 新規なかつお節ペプチド、l−バリル−l−プロリン及び血圧降下剤
JP2007191457A (ja) 新規なヒジキペプチド、l−ロイシル−l−プロリン及び血圧降下剤
JP2007161696A (ja) 新規なヘプタペプチド及びプロリルエンドペプチダーゼ阻害剤
JP2003267994A (ja) 新規なペプチドおよびアンジオテンシン変換酵素阻害剤
JP2920829B1 (ja) 新規なペンタペプチドおよびアンジオテンシン変換酵素阻害剤
JP2001106699A (ja) 新規なヘクサペプチドおよびアンジオテンシン変換酵素阻害剤
JP3972104B2 (ja) 新規なヘクサペプチド及びアンジオテンシン変換酵素阻害剤
JP3709425B2 (ja) 新規なトリペプチドおよびアンジオテンシン変換酵素阻害剤
JP3135812B2 (ja) アンジオテンシン変換酵素阻害ペプチドおよびその製造方法
JP2678180B2 (ja) 新規なテトラペプチドおよびアンジオテンシン変換酵素 阻害剤
JP3108920B1 (ja) 新規なテトラペプチドおよびアンジオテンシン変換酵素阻害剤
JPH08269087A (ja) 新規なテトラペプチド、ペンタペプチドその製法およびそれらを有効成分とする血圧降下剤
JP3885214B2 (ja) 新規なヘクサペプチドおよびアンジオテンシン変換酵素阻害剤
JP2006199672A (ja) 新規なトリペプチド及びアンジオテンシン変換酵素阻害剤
JP2003267995A (ja) 新規なヘプタペプチドおよびアンジオテンシン変換酵素阻害剤
JPH08225593A (ja) 新規なテトラペプチド、ペンタペプチドおよびアンジオテンシン変換酵素阻害剤
JP2003246796A (ja) 新規なワカメペプチド、l−フェニルアラニル−l−チロシンおよび血圧降下剤
JPH07188283A (ja) 新規なトリペプチドおよびアンジオテンシン変換酵素 阻害剤
JPH1036391A (ja) 新規なペプチドおよびアンジオテンシン変換酵素阻害剤

Legal Events

Date Code Title Description
R250 Receipt of annual fees

Free format text: JAPANESE INTERMEDIATE CODE: R250

LAPS Cancellation because of no payment of annual fees