JP3454519B2 - ホットメルト塗工用粘着性基剤組成物 - Google Patents

ホットメルト塗工用粘着性基剤組成物

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Description

【発明の詳細な説明】
【0001】
【産業上の利用分野】本発明は、ホットメルト塗工用粘
着性基剤組成物に関し、より詳しくは、アクリル系粘着
剤の長所と、ホットメルト塗工性を両立し得るホットメ
ルト塗工用粘着性基剤組成物に関する。前記組成物は薬
効性貼付剤、例えば、皮膚に適用して所要の薬物を生体
膜を経て体内循環系へ投与するのに使用される経皮吸収
貼付剤等に用いられる。
【0002】
【従来の技術】近年、無溶媒ホットメルト塗工が、環境
性、安全性、高生産性、多用途性、省エネ性、省スペー
ス性等の利点の故に底流化しつつあり、ゴム系粘着剤等
のアクリル系以外の粘着剤では着々と無溶媒ホットメル
ト塗工の方向に動きつつある。
【0003】一般にアクリル系粘着剤とは、(メタ)ア
クリル酸アルキルエステルが主構成モノマーであるポリ
マーを主成分とする粘着剤をいう。これらアクリル系粘
着剤における最大の共通点は、該ポリマーの主成分モノ
マーは、単独重合させると常温で粘着性を有しかつ再剥
離性であるポリマーを与えるモノマー群の中から必ず選
ばれていることである。
【0004】このアクリル系粘着剤の最大の共通点に対
して付け加えると、該ポリマーの性質(主として物理的
性質)は、該ポリマーにおける主成分モノマーから得ら
れる単独ポリマーの性質を、そのまま受け継ぎ反映す
る。そして主成分モノマー以外のモノマー成分から得ら
れる単独ポリマーの性質は、該ポリマー中のそのモノマ
ー成分の比率に応じて現われる。しかしながら、該ポリ
マー全体としては、主成分モノマーから得られる単独ポ
リマーの性質が打ち消されることなく、また他の性質に
転化するようなこともなく、そのままの形で反映される
のである。なお、主成分モノマー以外のモノマー成分の
役割としては、例えば粘着剤が薬効性貼付剤用である場
合は、薬剤との相溶性の改善、皮膚との親和性の向上等
があり、これらの役割のためにアクリル酸、アクリルア
ミド、ビニルピロリドン、ジアセトンアクリルアミド、
エトキシエチルアクリレート等が若干量共重合されてい
る。
【0005】アクリル系粘着剤のもう一つの共通点は、
該ポリマーまたは該ポリマーを主成分とする粘着剤は、
その流動化温度が180℃以上であることである。流動
化温度とは、ポリマーが流動性を呈する約10万cps
の粘度に至る温度のことである。
【0006】アクリル系粘着剤は、粘着剤としてはオー
ルマイティー的な性能を備えているものの、このように
流動化温度が高いため、無溶媒ホットメルト塗工性とい
う点においては、ほとんど無力であった。その理由は、
アクリル系粘着剤は常温において、粘着剤としての必要
性、十分性を備えているが、例外なくその流動化温度が
実用性の限界と見なし得る温度よりも遥かに高い領域に
存在しているからである。およそ塗工可能な粘度という
ものは、塗工機(コーター)の性能にも大きく依存する
が、ホットメルトコーターで塗工できる粘度としては1
0万センチポアズ(cps)以下であるとされる。従っ
て流動化温度が余り高ければ実用的とはいえない。工業
生産的見地から、ホットメルト塗工可能な流動化温度と
しては150℃以下、さらに望ましくは120℃以下で
あるとされる。しかるに現在実用化ないし提案されてい
るアクリル粘着剤には、流動化温度が180℃を下回る
ものはなく、大方は200℃以上の領域にある。このよ
うに高流動化温度の故に、アクリル系粘着剤はホットメ
ルト塗工用としては、いまだ実用化に至っていない。た
だ、常温でも液状に近い超低粘度アクリル系ポリマーを
塗工し、後で電子線、紫外線等の照射架橋によって不可
逆変化を生じせしめ、それによって粘着剤層に変化せし
める技術が提案されているにすぎない。
【0007】なお、本明細書における粘着剤としての
“必要性”とは、被着体に対して軽く接触するだけで実
用的に期待される程度ないしそれ以上の粘着状態となる
(この性質のことを“粘着性”)と同時にそれが変型し
たり流動したり自然に剥離したりせずに、被着面に粘着
したままの状態で存続でき、また被着面からそれを剥が
し取る場合には、粘着剤がそれ自身の破壊現象(このこ
とを凝集破壊)によって剥れるのでなく、被着体表面に
は粘着剤の残片を残すことなく、きれいにその表面から
剥れる(この状態を界面剥離)性質を有していることを
いう。そして、凝集破壊でなく必ず界面剥離する性質の
粘着剤のことを一般に“再剥離性粘着剤”と呼称してい
る。また、粘着性を有しながら、かつ、再剥離性を有し
ている粘着剤それ自身が持つ物理的強度のことを一般に
“凝集力性”と呼称している。すなわち粘着剤としての
必要性とは、その用途に適合できる程度以上の“粘着
性”と同時に“凝集力性”とが必要であることを意味し
ており、そしてまた両者の“力”ないし“程度”のバラ
ンスとしては、特殊な場合を除き一般的には“再剥離
性”であるようにバランスが取られていなければならな
い。そのことはまた一般公式的に記述するならば斯く記
述される:凝集力(性)>粘着力(性)。
【0008】また“十分性”とは、かかる粘着剤にとっ
て必要な基礎的性質は当然含有していることをいう。
【0009】次に、“粘着剤”および“粘着性基剤”に
ついて説明する。例えば薬効性貼付剤の場合、粘着性基
剤に対してさらに薬効成分(一般に薬剤)、薬効促進助
剤(これには薬剤の分散・溶解助剤、移行促進剤、経皮
吸収促進剤等あり)、皮膚刺激抑制剤、その他必要成分
が添加混合されて初めて実用に供される粘着剤となる。
すなわち“粘着剤”とはそれが実用される最終的な状態
の組成物をいうのであり、“粘着性基剤”とは、その主
原料となる元の状態ないしその組成物をいうと通俗的に
定義される。なお、薬効性貼付剤のようにその中に薬効
成分等が配合され、それが医療用途に向けられる場合に
は特に“粘着性膏剤”と呼称されることもある。
【0010】
【発明が解決しようとする課題】本発明の目的は、上述
のアクリル粘着剤の流動化温度が高いという欠点を改善
し、実用的に無溶媒ホットメルト塗工が可能なアクリル
系粘着剤ないしは粘着性基剤組成物を提供することであ
る。
【0011】さらに詳しくは、本発明の目的は、一般の
アクリル系粘着剤が有している長所(耐老化安定性、粘
着性、無〜低刺激性、薬剤等多くの添加剤との相溶性、
共重合の手段によって用途・目的に応じて非常に幅広く
かつ容易にその極性等を適合させ得る特徴、必要に応じ
て色々な手段によって後架橋し得る性質を予め付加して
おくことが可能なこと、低コスト性、品質安定性等が長
所として挙げられる。)をそのまま有し、そして当然実
用温度領域では粘着性を有すると同時に再剥離性であ
り、無溶媒状態での流動化温度が150℃以下であり、
なおかつ、常温での“粘着剤状態”から熱溶融による
“流動化状態”に至る温度による物理的状態の変化が
“可逆的”に繰り返し再現し得るアクリル系粘着剤また
は粘着性基剤組成物を低コストで提供することである。
【0012】このように流動化温度が普通常識よりも遥
かに低いアクリル系粘着剤または粘着性基剤(以下この
二つを総称して粘着剤等と呼称する)を提供することを
目的とする理由は、流動化温度が低い程、単に実用塗工
性、生産性、低コスト性が向上するだけでなく、粘着剤
等の中に配合される“薬剤”等の“安定性”を向上させ
得るからである。すなわち、“薬剤”等は中には熱・温
度によって非常に不安定化(不安定の内容は、それ自身
の熱分解、熱による揮発、酸化劣化または変質、他の共
存添加剤等との相互反応の熱による促進等一切が含まれ
る)する性質が強いものがあり、できるだけ広範囲な
“薬剤”等の使用を可能ならしめるためである。さらに
は、貼付剤等はその裏打支持体層としてはできる限り薄
くて柔軟なプラスチックフィルムが好ましいが、そのよ
うなフィルムにホットメルト塗工を行う場合、塗工時の
加熱と張力とによってフイルムが容易に引き伸ばされ様
々な障害の原因となる。従って、やはり流動化温度は低
くあるべきだからである。
【0013】一般にアクリル系粘着剤においては、上述
したように、流動化温度は180℃以上、多くは200
℃以上であることが常識である。このことは耐熱使用温
度が高いということであり、アクリル系粘着剤の長所の
一つであるが、逆にホットメルト塗工の見地からは短所
である。そこでアクリル系粘着剤の他の長所をそのまま
生かしつつ、流動化温度を非常に低くすることによって
ホットメルト塗工性を与えるという、2つの相反する要
素をいかにして両立させるかが技術的課題であった。
【0014】本発明者は、鋭意研究した結果、特定の2
種モノマーをモノマー成分とする共重合体PHSを主成
分とする粘着性基剤組成物によって、上記目的を達成で
きることを見出し、その知見に基づいて本発明を完成す
るに至った。
【0015】
【課題を解決するための手段】すなわち、本発明によれ
ば、『単独重合させると非粘着性で流動化温度が200
℃以上のポリマーを与える、アルキル基の炭素数が8以
下であるメタクリル酸アルキルエステル(以下「モノマ
ーH」という)と、単独重合させると粘着性を有し凝集
破壊性であって流動化温度が100℃以下であるポリマ
ーを与える、アルキル基の炭素数が10〜14であるア
クリル酸アルキルエステル(以下「モノマーS」とい
う)とをモノマー成分とし、モノマーHとモノマーSと
の重量比が3/7〜7/3である共重合体を含み、流動
化温度が150℃以下であって、医療用途に用いられる
ことを特徴とするホットメルト塗工用粘着性基剤組成
物』及び『単独重合させると非粘着性で流動化温度が2
00℃以上のポリマーを与える、アルキル基の炭素数が
8以下であるメタクリル酸アルキルエステル(以下「モ
ノマーH」という)と、単独重合させると粘着性を有し
凝集破壊性であって流動化温度が100℃以下であるポ
リマーを与える、アルキル基の炭素数が10〜14であ
るアクリル酸アルキルエステル(以下「モノマーS」と
いう)と、ビニルピロリドン、ジアセトンアクリルアミ
ド、アクリル酸、メタクリル酸、ジメチルアクリルアミ
ド、ジメチルアミノエチル(メタ)アクリレート、2−
ヒドロキシエチル(メタ)アクリレート、ブトキシエチ
ル(メタ)アクリレート、テトラヒドロフルフリルアク
リレート、ジエチルアミノエチル(メタ)アクリルアミ
ド、グリシジルメタクリレート、3−(アクリルアミ
ド)プロピルトリメチルアンモニウムクロライド、酢酸
ビニル及びポリスチレン−メタクリレートからなる群よ
り選ばれる少なくとも1種のモノマー(以下「第3モノ
マー」という)とをモノマー成分とし、モノマーHとモ
ノマーSとの重量比が3/7〜7/3であって、モノマ
ーHとモノマーSとの総和が65重量%以上である共重
合体を含み、流動化温度が150℃以下であって、医療
用途に用いられることを特徴とするホットメルト塗工用
粘着性基剤組成物』が提供せられる。
【0016】以下、本発明について詳しく説明する。
【0017】本発明で用いるモノマーHは、その単独ポ
リマーが非粘着性の強靭な皮膜を与え、かつ、流動化温
度が200℃以上のものである。モノマーHとしてはア
ルキル基の炭素数が8以下であるメタクリル酸アルキル
エステルが好ましい。このようなメタクリル酸アルキル
エステルとしては、メタクリル酸ブチル、メタクリル酸
イソブチル、メタクリル酸−t−ブチル、メタクリル酸
プロピル、メタクリル酸イソプロピル、メタクリル酸エ
チル、メタクリル酸ヘキシル、メタクリル酸−2−エチ
ルヘキシル、メタクリル酸メチル等を挙げることができ
る。この中でもとりわけ好ましいものは、メタクリル酸
ブチルである。また、これらモノマーHは単独で用いて
もよいし、複数種類を組合せて用いてもよい。
【0018】本発明で用いるモノマーSは、その単独ポ
リマーは粘着性を有し、常温においても剥離性ではな
く、凝集破壊性であり、かつ、流動化温度が100℃以
下のものである。モノマーSとしてはアルキル基の炭素
数が10〜14であるアクリル酸アルキルエステルが好
ましい。このようなアクリル酸アルキルエステルとして
は、アクリル酸ラウリル、アクリル酸デシル、アクリル
酸イソデシル、アクリル酸ウンデシル、アクリル酸トリ
デシル、アクリル酸テトラデシル、ドデシルオキシエチ
ルアクリレート等を挙げることができる。この中でもと
りわけ好ましいものは、アクリル酸ラウリルである。ま
た、モノマーHと同様に、これらモノマーSは単独で用
いてもよいし、複数種類を組合せて用いてもよい。
【0019】このようにモノマーHからなる単独ポリマ
ーは硬質なポリマーであって、非粘着性でかつ熱流動化
温度が非常に高く、とても粘着剤とはならないものであ
る。一方、モノマーSからなる単独ポリマーは逆に非常
に軟質であって、軟質過ぎるが故に粘着性は強いが、再
剥離性ではなくて凝集破壊性であり、モノマーHとは逆
の意味で、粘着剤とはならないものである。
【0020】本発明においては、モノマーHとモノマー
Sの重量比は3/7〜7/3であることが好ましい。こ
の重量比H/Sについて説明する。
【0021】重量比H/Sが大きくなる程、モノマーH
から得られる単独ポリマーの性質がより強く現れ、共重
合体PHSは硬質なものとなり同時に流動化温度は高く
なる。
【0022】重量比H/Sが小さくなる程、モノマーS
から得られる単独ポリマーの性質がより強く現れ、共重
合体PHSは軟質なものとなり同時に流動化温度は低く
なる。
【0023】このような比較的単純な原理に従って、そ
して、上述のモノマーHおよびモノマーSの種類によっ
て、粘着剤等がその実用温度領域(主として40℃以
下)では粘着剤としての必要性を充分満たし(粘着性を
有し、かつ、再剥離性を有する。)、かつ、流動化温度
が150℃以下、望ましくは120℃以下であるよう
に、この重量比H/Sを決定することが好ましい。
【0024】本発明においては、モノマーHとモノマー
Sをモノマー成分とする共重合体PHSにおける、モノ
マーHとモノマーSの総和が共重合体PHSの65重量
%以上であることが好ましい。すなわち、本発明におい
ては、モノマーH、モノマーS以外の第3モノマー成分
も必要に応じて共重合成分として、好ましくは共重合体
PHSの35重量%以下の範囲で加えることができる。
このように第3モノマーを添加することによって、粘着
剤等の目的、用途に合わせて必要な性質を加味させるこ
とができる。例えば、粘着剤等が薬効性貼付剤用の場合
には、薬剤等添加剤との相溶性を改善すべく薬剤の極性
に合わせてポリマーの極性を調節したり、皮膚への親和
性を向上すべく極性基を有するモノマー成分を組み入れ
たりすることができる。
【0025】このような第3モノマーの具体的なものと
しては、例えば、ビニルピロリドン、ジアセトンアクリ
ルアミド、アクリル酸、メタクリル酸、ジメチルアクリ
ルアミド、ジメチルアミノエチル(メタ)アクリレー
ト、2−ヒドロキシエチル(メタ)アクリレート、ブト
キシエチル(メタ)アクリレート、テトラヒドロフルフ
リルアクリレート、ジエチルアミノエチル(メタ)アク
リルアミド、グリシジルメタクリレート、3−(アクリ
ルアミド)プロピルトリメチルアンモニウムクロライ
ド、酢酸ビニル、ポリスチレン−メタクリレート等を挙
げることができる。
【0026】本発明においては、モノマーH、モノマー
Sと上記第3モノマー成分を必要に応じて共重合成分と
する共重合体PHSによって、本発明の目的を達成する
ことができるが、さらに、極く微量の多官能(メタ)ア
クリレートを加えて共重合体PHSを修飾することもで
きる。
【0027】このような本発明において用い得る多官能
(メタ)アクリレートの例としては、1,6−ヘキサン
グリコールジメタアクリレート、ポリエチレングリコー
ルジ(メタ)アクリレート、トリメチロールプロパント
リ(メタ)アクリレート、ペンタエリスリトールジメタ
クリレート、ペンタエリスリトールトリメタクリレー
ト、ペンタエリスリトールテトラメタクリレート等を挙
げることができる。
【0028】かかる多官能(メタ)アクリレートの添加
量は、共重合体PHSの0.5重量%以下、好ましくは
0.1重量%以下である。
【0029】このように多官能(メタ)アクリレートを
加える主目的は、共重合体PHSの粘弾性の調整であ
る。多官能モノマー成分は、ポリマー分子鎖間架橋の働
きをするため、通常のモノマーの如き多くの量を用いる
と重合中に架橋→ゲル化を引き起こして重合そのものが
不可能となる。ところが、極く微量を混合し重合するこ
とにより溶液状態を維持しつつ重合が可能で、かつ、微
架橋効果をもたらし共重合体PHSに粘弾性改善効果を
もたらす。
【0030】この効果としては、例えば、粘着剤等が薬
効性貼付剤用の場合、皮膚の激しい動きにも密着したま
まよく追随できるためには、粘着剤、粘着性膏剤等は、
物理的な硬・軟の度合としては非常に軟かく、なおか
つ、凝集破壊現象を生じさせない弾性的性質を有する必
要があるが、その有力な助けとなる効果がある。
【0031】以上を総合すると、モノマーH、モノマー
Sなる主成分モノマーで共重合体PHSの全体骨格的な
物性を決定し、極性調整等必要に応じて第3モノマーを
添加し、さらには微量の多官能(メタ)アクリレートの
添加によってH、Sだけでは不足することのある弾性的
性質面を充足させることにより、広い範囲の用途、目的
に対して本発明の粘着性基剤組成物を用いることが可能
となる。
【0032】本発明の粘着性基剤組成物には、可塑剤
(=軟化剤)、弾性付与剤、充填剤等の添加剤を添加・
配合してもよい。
【0033】共重合体PHS自体が最終粘着剤となる場
合は、何も添加されず次工程(例:無溶媒〜ハイソリッ
ド化)に移されるが、必要に応じて各種成分を添加・配
合することができる。例えば、粘着剤等が薬効性貼付剤
用の場合には、薬剤、各種薬効促進助剤等の添加剤が配
合される。これら添加剤は、薬効関連成分だけに限定さ
れるべきものではなく、必要に応じて如何なる成分も添
加・配合することができる。
【0034】これら添加剤のうち、とり分け可塑剤は最
終的な粘着(性膏)剤の物性の微小調整剤として非常に
有効である。すなわち可塑剤が果し得る主な効果・役割
としては、 (a) 硬さ・軟かさの最終調整 (b)(a)に伴う粘着性、粘着力等の向上 (c) 流動化温度の低下 を示すことができる。
【0035】本発明に使用し得る可塑剤としては、ジオ
クチルフタレート(DOP)、ジブチルフタレート(D
BP)、ジエチルフタレート(DEP)、ジブチルセバ
ケート、ジオクチルアジペート、ミリスチン酸イソプロ
ピル、オリーブ油、綿実油、トリブチルホスフェート
(TBP)、液状ポリビニール、イソブチルエーテル、
液状ポリアクリル酸ブチル(分子量1000以下)、ス
クアラン、ラノリン等を挙げることができる。これら可
塑剤は、目的、用途によって採用することができる。こ
れら可塑剤の望ましい添加量は50phr(共重合体1
00重量部に対して50重量部)以下である。これら添
加剤は共重合体PHS溶液中で混合されることが最適か
つ唯一の手段である。
【0036】なお、可塑剤の添加による軟化効果を最初
から計算に入れ、共重合体PHSの構成成分を決定し、
共重合体PHSだけでは故意に若干硬過ぎる程度として
おき、後での可塑剤添加によって最適のバランスにもっ
てゆく方式も現実的な手段として許される。なお、その
場合、薬効関連の配合成分も軟化効果があり、薬効関連
の配合成分と可塑剤両者が軟化物質として作用するの
で、共重合体PHSはそれだけの分を差し引いた硬めの
物性を有さなければならない。
【0037】また、貼付剤の目的、種類毎に、共重合体
PHSを合成するのは余りにも煩雑かつ非能率的、非経
済的である。この問題に対しては、遭遇し得る可能な限
りの広範囲な貼付剤用途に対して1種類の元となる共重
合体PHSで対応すべく、すなわち、時と場合によって
可成り多量の軟化用物質が配合されなければならない用
途に対しても対応し得るべく、元となる共重合体PHS
の物性を思い切って硬質としておくことで解決すること
ができる。そして元となる共重合体PHSが硬質であれ
ばある程、より広い範囲の貼付剤用途をカバーすること
ができる。この場合は、仮に軟化作用物質の添加が少な
くてよい場合(例、薬剤の極く少量の配合等)ないしは
薬効成分無添加の用途(例:絆創膏用粘着剤)に対して
は、元となる共重合体PHSに対して不足する分の軟化
作用物質を補助配合成分として追加することで、最適物
性の粘着性基剤組成物を得るようにすることができる。
そして上述の可塑剤こそ、かかる補助配合成分としての
役割を果すものに他ならない。すなわち、可塑剤の添加
によって粘着性基剤組成物の流動化温度を低下させ、粘
着性を大幅に向上させることができるので、凝集破壊現
象でなく再剥離性の範囲内で可塑剤等軟化作用物質の添
加手段をも組合わせることにより、非常に広い範囲で自
由に粘着性基剤組成物の性能調節を行なうことができ
る。この方式原理によれば本発明における共重合体PH
Sは1種類で以て、広範囲の用途に即応することができ
る。
【0038】いい換えると、上記可塑剤効果(その他薬
剤、薬効促進助剤等軟化作用を及ぼす添加成分も併わせ
て)を利用することにより、起り得る軟化作用成分添加
量の最大の場合に合わせた共重合体PHS組成物(すな
わちH、S各モノマーの比率を中心に)としておくこと
によって、それ以下の軟化作用成分量添加の必要性ある
全ての用途に対して1種類の共重合体PHSだけで対応
が可能となり、そのことは引いては粘着性基剤組成物の
生産性、経済性、小回り性、用途即応性等の向上をもた
らす。
【0039】本発明の粘着性基剤組成物には、可塑剤
(=軟化剤)の他、弾性付与剤、充填剤、着色料、安定
剤、香料等を必要に応じて添加することができる。
【0040】本発明で用いる共重合体PHSは、溶液重
合法、水中エマルジョン重合法、水中懸濁重合等で合成
することができるが、これらのうち、溶液重合法が好ま
しい。本発明が目的とする無溶媒ホットメルト塗工ない
しはハイソリッド溶液塗工という観点からすると、重合
後での溶媒回収と無溶媒化ないしハイソリッド化には溶
液重合法が最も有利である。しかも溶液重合法におい
て、本発明の目的(無溶媒〜ハイソリッド塗工)に照ら
してできる限りの高濃度重合が推奨される。この高濃度
重合(最低でも50%以上)を達成する上での最大の障
害は重合中での暴走反応、ゲル化等である。このことを
如何にして防止するかがその鍵を握るが、これには基本
的に二つの方法がある。すなわち、 (i) 連鎖移動剤(メルカプタン類等)の添加によって
分子量の過度の上昇を抑制し、高濃度でかつ低粘度に保
たしめる方法 (ii) 連鎖移動係数が大きく、かつ、モノマー成分系を
溶解するかまたはモノマー成分系と相溶し得る溶媒中で
重合する方法、ないしは前記溶媒の混合系中で重合する
方法以上2方法ともに可能であるが、例えば粘着剤等が
医療用途である場合は、(i) 連鎖移動剤(特にメルカプ
タン系統)の使用はその残渣成分が刺激性を与えること
も考えられるので、高連鎖移動性有機溶媒の使用が取り
分け好ましい。
【0041】このような高連鎖移動性有機溶媒の適当な
ものとしては、イソプロピルアルコール、メチルエチル
ケトン、トルエン、クロロホルム等を挙げることができ
る。これらのうち、イソプロピルアルコールが最適であ
る。これら溶媒は単独で使用してもよいし、2種以上を
混合して使用してもよい。また、上記の連鎖移動役割以
外の大部分の溶媒としては、酢酸エチル、シクロヘキサ
ン、n−ヘキサン等が適している。
【0042】このように、反応溶媒系を工夫(例、イソ
プロピルアルコール混合系)することによって、従来の
常識を越えた高濃度で共重合反応を行なうことができる
ので、生産性、低コスト化、無溶媒化、ひいてはホット
メルト塗工性に大いなる有利さをもたらす。
【0043】重合触媒としては通常の過酸化物触媒が好
適である。また触媒の投入は一括ではなく、重合の進行
度合と、反応の暴走、ゲル化の危険性等を充分考慮しな
がらの分割投入方式が推奨される。
【0044】次に、共重合体PHS溶液の無溶媒化(完
全無溶媒化ないしハイソリッド化)について説明する。
【0045】溶液重合が完了し、また必要な添加剤が全
て添加・配合された後において、普通の化学工業的プロ
セスで溶媒を蒸留・回収することによって、共重合体P
HS溶液を無溶媒化ないしハイソリッド化することがで
きる。
【0046】無溶媒化は、完全無溶媒化(=100%ソ
リッド化)が理想的ではあるが、そこまで徹底すること
がかえって生産性、コスト、プロセス容易性等の点でマ
イナス面が大きくなる場合には、生産的見地からの最適
点に合わせたハイソリッド組成物とすることも勿論可能
である。完全無溶媒化する場合は、塗工後の乾燥工程は
全く不必要となる長所はあるが、溶媒回収コスト高を招
き、また、ホットメルト化の温度は、完全無溶媒化まで
はしないでハイソリッド化する場合よりは高くなるとい
う短所がある。これに対し、ハイソリッド(例:90〜
98%)型では、溶媒回収コストが割安、塗工温度の低
下等の長所があり、塗工後の若干の乾燥工程が必要とな
る等の短所がある。従って、完全無溶媒化するか、ハイ
ソリッド化するかは、その重点を置く指向性、コスト等
経済性等から当業者が自由に選択し得るところである。
【0047】なお、本発明の粘着性基剤組成物において
も、従来の如き溶液系で塗工、乾燥する方式が採用でき
ないというのではなく、好みに応じて従来方式によって
粘着剤層を形成することも当然できる。
【0048】
【作用】本発明のモノマーHとモノマーSをモノマー成
分とする共重合体PHSを主成分とする粘着性基剤組成
物が、何故、従来のアクリル系粘着剤よりもこのように
低い流動化温度を与えるのかという疑問に対しては、本
発明者自身も理論的には予想し得なかったところで、目
下はその理論的説明は困難である。しかしながら、現象
論的にはモノマーHとモノマーSの組合せによって何等
かの相乗作用があるものと見做さざるを得ない。
【0049】
【実施例】次に、実施例により本発明を具体的に説明す
るが、本発明はこれらに限定されるものではない。
【0050】[実施例1] (ポリマーPHSの重合) メタクリル酸ブチル(モノマーH) 50重量部 アクリル酸ラウリル(モノマーS) 50重量部 イソプロピルアルコール 5重量部 酢酸エチル 20重量部 上記組成で重合用反応器中に仕込み重合を行なった。重
合は初期N2 ガスにて空気置換、攪拌下、常に系の示す
沸点温度を保って、触媒溶液の分割投入方式によって実
行した。
【0051】触媒として過酸化ラウロリル(LPO)
を、全量0.7重量部(モノマー全量に対して0.7
%)を酢酸エチルに溶解して、11回に分けて(非等
分)投入を行なった。なお、触媒溶液投入に際しては、
とり分け初期には暴走反応やゲル化等が起こらないよう
に注意深く極く少量づつ添加を目視観察下に行ない、重
合がだんたん安定化して暴走反応やゲル化の危険が少な
くなるに従ってその投入量を漸増した。なお、触媒を溶
液として投入したのは、一つには初期微量づつの投入に
はその量的精度を保つのに有利なこと、また一つには、
重合が進行し溶液粘度が上昇するに及んでは、過度の溶
液粘度上昇を和らげ、適性粘度に保つための希釈剤効果
をも果すからである。重合は26時間で終了し終了時の
濃度は約72%であった。
【0052】原濃度溶液の常温(24℃)での粘度は約
24,000cps、ポリマーの重量平均分子量はGP
C法で約240,000であった。
【0053】(無溶媒化=溶媒の蒸留・回収)上記重合
終了後の溶液から溶媒成分を蒸留、留出法で濃縮してゆ
き、最終段階に至って減圧留出によって99.8%以上
の固形分を有する粘着剤塊を得た。この粘着剤塊の流動
化温度は約92℃であった。
【0054】(ホットメルト塗工)得られた粘着剤塊を
ホットメルトコーターにて塗工を行なった。
【0055】 ・基材フィルム:厚さ70μmのPETフィルム ・塗工温度:98〜110℃(塗工可) (註)このことは、110℃以上の温度でも勿論塗工可
能なことを意味する。
【0056】・塗工糊厚:40〜80μm(塗工可) ・塗工スピード:2〜5m/分(塗工可) (粘着剤塗工膜の性状) ・外観性状 母指先押圧着と剥離の反復(その間、剥し速度、剥し角
度等を色々に変えて状態観察)による最も通常の官能的
総合判定テストを行なったところ、 粘着性 優(十分強し) 再剥離性 優(凝集破壊性なし) なる基本的な合格判定結果を示した。
【0057】 ・タック値(J.DOW法、at24℃) 糊厚50μm 18 糊厚80μm 28 ・粘着力値(JIS−Z−0237:180°引きはが
し法) 糊圧50μm 580g/15mm <註>スチール板面上への糊移行現象なし 以上の如く、本組成粘着剤は、ホットメルト塗工性に優
れ、また常温では粘着剤として十分な性能を示した。
【0058】なお、本組成粘着剤は、例えばセロハンテ
ープ、クラフトテープ、粘着ラベル、ステッカー等汎用
粘着製品用の他、医療用絆創膏用粘着剤としても適して
いる。 [実施例2] (ポリマーPHSの重合) メタクリル酸−t−ブチル(モノマーH) 25重量部 メタクリル酸−2−エチルヘキシル(モノマーH) 15重量部 アクリル酸ラウリル(モノマーS) 37重量部 N−ビニル−2−ピロリドン(第3モノマー) 23重量部 1,6−ヘキサングリコールジメタクリレート(微架橋用)0.008重量部 イソプロピルアルコール 18重量部 重合は実施例1の場合と全く同様にして実施した。但し
過酸化ラウロリル(LPO)は酢酸エチルとシクロヘキ
サンとの1:1(重量比)の混合溶媒中に溶解した。従
って触媒投入を重ねてゆく度に反応系中には酢酸エチル
とシクロヘキサンの比率が増大するという経過を辿っ
た。重合は26時間で終了し終了時の濃度は約65%、
また、原濃度溶液の24℃での粘度は約23,000c
ps、ポリマーの重量平均分子量は約320,000で
あった。
【0059】(一部分の分取による参考的無溶媒化)実
施例1の場合と同じ方法で溶媒成分を除去し最終的に9
9.8%以上の固形分を有する粘着剤塊を得た。この粘
着剤塊の流動化温度は約135℃であった。なお、この
粘着剤塊の流動化温度は実施例1で得た粘着剤塊よりも
若干高く、また、粘着性もやや低いものであった。
【0060】(可塑剤の配合)そこで、重合終了後のP
HS溶液に、ポリマー成分100重量部当り可塑剤とし
てジオクチルフタレート(DOP)を30重量部添加
し、充分に攪拌・混合し本実験での最終組成物とした。
【0061】(無溶媒化)実施例1の場合と同じ方法に
よって溶媒を留出除去し、99.8%以上の固形分を有
する粘着剤塊を得た。この粘着剤塊の流動化温度は約1
03℃であった。
【0062】(ホットメルト塗工)実施例1の場合と同
じ方法で、厚さ70μmのPETフィルム上への塗布テ
ストを行なった。
【0063】・塗工温度:110℃以上にて塗工可 ・塗工糊厚:40μm〜80μm(塗工可) (註)実証できたのが40〜80μmであったが、この
ことは40μm以下が不可という意味ではない。
【0064】・塗工スピード:2〜5m/分(塗工可) (粘着剤塗工膜の性状) ・外観性状 母指先による指触官能テスト 粘着性 優 再剥離性 優 ・タック値(J.Dow法、at24℃) 糊厚40μm 21 糊厚80μm 32以上 ・粘着力値(JIS−Z−0237:180°引きはが
し法) 糊厚50μm 630g/15mm <註>スチール板面上の糊移行現象なし 以上の如く、元のポリマーPHSに可塑剤DOPを添加
し組成修正した最終組成物は、ホットメルト塗工性に優
れ、また常温では粘着剤として十分優れた性能を示し
た。
【0065】本組成粘着剤は、一般汎用粘着テープまた
はラベル用の粘着剤としても有用であるが、同時に本実
施例で得られた元のポリマーPHSは、例えば、薬剤そ
の他薬効促進助剤等による軟化効果が、DOP換算にて
30phr付近に相当する薬効性貼付剤用の粘着性基剤
としても好適であることを証明している。
【0066】
【発明の効果】(1) 本発明の粘着性基剤組成物は、特定
のモノマーHとモノマーSをモノマー成分とする共重合
体PHSを主成分とするので、アクリル系粘着剤ないし
粘着性膏剤の流動化温度を大幅に低下させることがで
き、その結果、無溶媒ホットメルト塗工が容易に可能と
なる。
【0067】(2) 上記大幅な流動化温度低下にもかかわ
らず、本発明の粘着性基剤組成物は、常温ないし実用温
度域では従来のアクリル系粘着剤と同じ長所を有し、粘
着性が強く再剥離性である等、粘着剤としての必要性を
全て具備している。すなわち、常温から高温に至る粘度
の温度勾配が或る狭い領域でシャープに変化する特徴を
有している。
【0068】(3) モノマーHとモノマーSとの共重合比
によって、本発明の粘着性基剤組成物の流動化温度およ
びその他の性質(硬さ、柔かさの度合)を自由に変化さ
せることができる。
【0069】(4) 本発明においては、モノマーHとモノ
マーSの総和が共重合体PHSの65重量%以上であ
り、第3モノマー成分を共重合体PHSの35重量%以
下の大幅な範囲で添加できる。その結果、到来し得るほ
とんど全ての用途に対して、粘着性基剤組成物の極性、
親和性などを適合させ得るという幅広い包容性を有して
いる。
【0070】(5) 本発明によると、モノマーH、モノマ
ーS共に汎用モノマーの範疇に入るので、結果として低
コストの粘着性基剤組成物を与える。
【0071】(6) 本発明によると、常温での粘着剤適性
領域と高温流動性領域との間を何回でも可逆的に往復す
ることが可能なる故、生産性高く、材料ロス等が少な
い、経済性の高い粘着性基剤組成物を与える。
【0072】(7) 本発明の粘着性基剤組成物は、皮膚に
対する刺激性が皆無ないし非常に低いので、医療用途全
般に対しても好適である。
───────────────────────────────────────────────────── フロントページの続き (56)参考文献 特開 昭57−179271(JP,A) 特開 平2−245083(JP,A) 特開 昭51−6234(JP,A) 特開 昭52−119644(JP,A) 特開 平3−134084(JP,A) 特開 平3−146579(JP,A) 特開 平2−110183(JP,A) 特開 昭54−88938(JP,A) 特開 昭64−24878(JP,A) 特開 昭57−77617(JP,A) 特開 平1−261479(JP,A) 特開 平2−1784(JP,A) 国際公開90/13420(WO,A1) (58)調査した分野(Int.Cl.7,DB名) C09J 201/00 C09J 7/02 A61K 9/70

Claims (3)

    (57)【特許請求の範囲】
  1. 【請求項1】 単独重合させると非粘着性で流動化温度
    が200℃以上のポリマーを与える、アルキル基の炭素
    数が8以下であるメタクリル酸アルキルエステル(以下
    「モノマーH」という)と、単独重合させると粘着性を
    有し凝集破壊性であって流動化温度が100℃以下であ
    るポリマーを与える、アルキル基の炭素数が10〜14
    であるアクリル酸アルキルエステル(以下「モノマー
    S」という)とをモノマー成分とし、モノマーHとモノ
    マーSとの重量比が3/7〜7/3である共重合体を含
    、流動化温度が150℃以下であって、医療用途に用
    いられることを特徴とするホットメルト塗工用粘着性基
    剤組成物。
  2. 【請求項2】 単独重合させると非粘着性で流動化温度
    が200℃以上のポリマーを与える、アルキル基の炭素
    数が8以下であるメタクリル酸アルキルエステル(以下
    「モノマーH」という)と、単独重合させると粘着性を
    有し凝集破壊性であって流動化温度が100℃以下であ
    るポリマーを与える、アルキル基の炭素数が10〜14
    であるアクリル酸アルキルエステル(以下「モノマー
    S」という)と、ビニルピロリドン、ジアセトンアクリ
    ルアミド、アクリル酸、メタクリル酸、ジメチルアクリ
    ルアミド、ジメチルアミノエチル(メタ)アクリレー
    ト、2−ヒドロキシエチル(メタ)アクリレート、ブト
    キシエチル(メタ)アクリレート、テトラヒドロフルフ
    リルアクリレート、ジエチルアミノエチル(メタ)アク
    リルアミド、グリシジルメタクリレート、3−(アクリ
    ルアミド)プロピルトリメチルアンモニウムクロライ
    ド、酢酸ビニル及びポリスチレン−メタクリレートから
    なる群より選ばれる少なくとも1種のモノマー(以下
    「第3モノマー」という)とをモノマー成分とし、モノ
    マーHとモノマーSとの重量比が3/7〜7/3であっ
    て、モノマーHとモノマーSとの総和が65重量%以上
    である共重合体を含み、流動化温度が150℃以下であ
    って、医療用途に用いられることを特徴とするホットメ
    ルト塗工用粘着性基剤組成物。
  3. 【請求項3】 請求項1または2に記載のホットメルト
    塗工用粘着性基剤組成物であって、モノマーHが、メタ
    クリル酸ブチル、メタクリル酸−t−ブチル及びメタク
    リル酸−2−エチルヘキシルからなる群より選ばれる少
    なくとも1種であり、モノマーSがアクリル酸ラウリル
    であることを特徴とするホットメルト塗工用粘着性基剤
    組成物。
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