JP3454012B2 - ローラ製造方法 - Google Patents

ローラ製造方法

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JP3454012B2
JP3454012B2 JP10484296A JP10484296A JP3454012B2 JP 3454012 B2 JP3454012 B2 JP 3454012B2 JP 10484296 A JP10484296 A JP 10484296A JP 10484296 A JP10484296 A JP 10484296A JP 3454012 B2 JP3454012 B2 JP 3454012B2
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  • Casting Or Compression Moulding Of Plastics Or The Like (AREA)
  • Injection Moulding Of Plastics Or The Like (AREA)
  • Fixing For Electrophotography (AREA)

Description

【発明の詳細な説明】
【0001】
【発明の属する技術分野】本発明は、ローラ製造方法に
関し、特に、電子写真式複写機等の定着装置に用いる定
着ローラ用の弾性体ロールの製造方法において、トナー
画像を担持する支持体の表面にそのトナー画像を加熱定
着するための定着装置に用いられる弾性体ロールのロー
ラ製造方法に関するものである。
【0002】
【従来の技術】従来から、電子写真複写装置では、電子
写真プロセスにより感光体上に形成されたトナー画像
を、転写器によって紙等の画像記録媒体に転写し、その
後、必要に応じて、転写したトナー画像を画像記録媒体
の表面に固定するための定着を行い、所望のコピーを得
る。
【0003】ところで、前記トナーは、定着のための熱
可塑性樹脂にカーボンブラックのような顔料が混合され
た0.1〜50ミクロン(μm)程度の微粒子であり、
電荷を受容して保持することができるので、感光体上の
静電潜像の現像剤として用いられて、トナー画像を形成
する。そして、転写器により、画像記録媒体(複写用
紙)上に転写されたトナー画像が、外力を受けた時に像
が移動しないように、当該画像記録媒体の用紙に定着さ
れる。このような定着方法としては、従来から、その代
表例として、加熱定着法,圧力定着法,溶剤定着法が知
られている。
【0004】溶剤定着法は、蒸気溶剤あるいは液体溶剤
を用いてトナーを溶かし込み、画像記録媒体の紙の繊維
中に浸透させる方法である。このような溶剤定着法で
は、臭気防止ないし衛生上の観点から溶剤を機外に排出
することができない。このため、その溶剤の排出防止の
対策を講じた構造とすると、その機械構造が大がかりな
ものになり、装置のコストが高価になる。
【0005】圧力定着法は、力学的(機械的)な力をト
ナーに加えて、画像記録媒体上にトナーを付着させる方
法である。定着処理としては高速化が可能であるが、他
の定着法に比して定着性が悪く、しかも、圧力感応性ト
ナーはトナー自体の製法が複雑で、高価なものとなる欠
点を有している。
【0006】また、加熱定着法は、加熱によってトナー
を溶融させ、画像記録体上に付着させる方法であり、特
別な問題点も少なく、現在において広く採用されてい
る。この加熱定着方法を用いる定着装置の例として、例
えば、ヒートロール方式の定着装置がある。
【0007】このヒートロール方式の定着装置は、少な
くとも一方のロールを加熱して、加圧を行う一対のロー
ルから構成され、ロールの間に一定圧を加えて、このロ
ール間に未定着トナー画像を転写した画像記録媒体を通
過させ、加熱と加圧による定着を行う。ヒートロール方
式の定着装置は、他の加熱定着装置に比して電力消費が
少なく、かつ、定着部における紙詰まりなどによる火災
の危険性が少ないという利点がある。
【0008】ヒートローラ方式の定着装置は、一方の定
着ロール(加熱ロール)として、ポリテトラフルオルエ
チレン、HTVシリコーンゴム(High Tempe
rture Vulcanization Silic
one Rubber)ないしRTVシリコーンゴム
(Room Temperture Vulcani
zation Silicone Rubber)等の
耐熱離型性物質をロール表面にコーティングしたものが
使用され、他方の加圧ロールとしては、定着ロールと加
圧接触した場合、所定の接触幅(以下、ニップと称す
る)が形成されるように、耐熱弾性体の材料が用いら
れ、例えば、HTVシリコーンゴム、LTVシリコーン
ゴム(Low Temperture Vulcan
izationSilicone Rubber),R
TVシリコーンゴム、フッ素ゴム、EPDAゴム(Et
hylene Propylene Diene Ac
rylRubber)等が使用される。この場合に、耐
熱性、離型性、耐磨耗生、その他の機械的物性を考慮す
ると、シリコーンゴムが耐熱離型性物質としては最適で
ある。このため、広く使用されている。加圧ロールは、
金属製の芯体に前記の耐熱離型物質の弾性体材料を数m
m厚に被覆したものが用いられる。
【0009】
【発明が解決しようとする課題】ところで、従来のヒー
トローラ方式の定着装置においては、定着ローラの表面
温度を室温から所定の設定温度まで上昇させるために必
要とされる時間(以下ウォームアップタイムと言う)
が、1〜10分という長い時間を必要としていた。この
ウォームアップタイムは、概略的にはロールの熱容量と
投入電力の関係で決定される。つまり、ロール熱容量が
小さくて、投入電力が大きければ、ウォームアップタイ
ムは短縮できる。しかしながら、ロール熱容量は剛性よ
り限界があり、また、投入電力は機械の消費電力からの
限界がある。
【0010】一般には、電子写真複写装置において、定
着専用に投入できる電力は300Wから1000W程度
であり、この投入可能電力の範囲でウォームアップを短
縮するには、定着ロールのロール熱容量を小さくするこ
とが効果的である。すなわち、ロール熱容量を小さくす
るするためには、ロールコアの肉厚を減少することが最
も効果的である。従来における定着装置の定着ローラで
は、ロールコアにアルミニウムを用いる場合、ロールコ
アの肉厚が2〜8mmとなっており、鉄系を用いる場合
には、その肉厚が1〜5mmとなっている。このため、
ロールの製造上においてロール剛性が不足して製造でき
ないという事態には至らなかった。
【0011】しかし、最近、ウォームアップタイムをな
るべく短くすることが所望されており、具体的には、例
えば10〜30秒程度にすることが所望される。これ
は、省エネルギーのため、普段、使わない時は定着装置
へ電力を供給しないで、コピーを取る時だけ電力を供給
するという考え方からの要求である。
【0012】このように、ウォームアップタイムを10
〜30秒程度にするためには、定着装置の定着ローラの
肉厚を、アルミニウムの場合は0.4〜2mm程度と
し、鉄系の場合には0.1〜1mm程度にすることが必
要となる。この程度の肉厚にすると、ロール剛性が不足
することになり、ロールの製造工程において、耐熱離型
物質の弾性体材料を所定の厚さに被覆する場合には、ロ
ールのへこみが生じ、歩留まりが悪くなるという問題が
ある。このため、従来においては、ほとんどが金型を使
用しない方法により、薄肉タイプの定着ローラが製造さ
れている。
【0013】つまり、ウォームアップタイムをなるべく
短くするため、薄肉円筒体を用いる定着ローラでは、離
型性能を高めるため、0.02〜0.2mmの比較的薄
膜のコーティングを行っている。これは、コーティング
した離型層が、断熱材として作用するため、ウォームア
ップタイムを短くするには、なるべく薄膜にした方が都
合がよいからである。
【0014】実際、このような薄肉円筒体のローラをコ
アとして、前述の耐熱離型性物質を表面にコーティング
する場合、金型を使用しない製造方法では、例えば、ポ
リテトラフルオルエチレンの粉体静電塗装や液状シリコ
ーンゴムのスプレーコーティング、ディッピングなど方
法によってコーティングするので、0.02〜0.2m
mのコーティング厚みでは、その被覆工程の作業を行っ
ても、コアが破壊するという問題は起こらなかった。
【0015】しかし、最近のカラー複写機に用いる定着
装置にも、当然ながらウォームアップタイムの短縮が望
まれるが、その場合、発明者らの研究成果によれば、カ
ラー複写機の定着ローラは、対向する加圧ローラとの間
でニップ域を形成する時に、定着ロール側が凹んでひず
みが発生する構成とすることにより、ロールからの用紙
の剥離性や画質が大幅に向上することが分かった。
【0016】このような特徴を利用するためには、離型
層の厚みとして、比較的厚いものが必要になる。しか
し、離型性物質の厚み分として比較的厚くニップを形成
する時に、そのひずみが発生する厚さは、例えば、離型
層の形成過程で研磨工程があるものでは0.2mm以上
であり、また、離型層の研磨工程がないものでは0.5
mm以上である。このような厚みの離型層の形成する場
合、一般的には、金型を使用した被覆方法を用いる。
【0017】しかしながら、このような金型を使用し
て、耐熱離型性物質を被覆する方法では、加工時に金型
の内部で発生する圧力に薄肉ローラコアの強度が耐えら
れず、コアがつぶれてしまうという問題がある。
【0018】本発明は、このような問題点を解決するた
めになされたものであり、本発明の目的は、ロールの肉
厚が薄く、機械的強度が弱いコアであっても、離型層の
形成において金型を使用することができ、比較的厚い離
型性物質を被覆することができるローラ製造方法を提供
することにある。
【0019】
【課題を解決するための手段】上記のような目的を達成
するため、本発明のローラ製造方法は、第1の特徴とし
て、円筒の内径が全長にわたって略均一な薄肉円筒体の
内部に、前記薄肉円筒体の内面を支持するための中子と
して、該中子の外周面に該中子の中心軸と平行な溝を有
している中子を挿入して、前記円筒体内面と前記中子を
部分接触させて固定する工程と、前記薄肉円筒体の外側
に高分子材料を形成する工程と、その後に前記中子を前
記円筒体より引き抜く工程とからなることを特徴とす
る。
【0020】また、本発明のローラ製造方法は、第2の
特徴として、薄肉円筒体の外側に高分子材料を形成する
工程は、前記薄肉円筒体内面を支持する中子を挿入固定
した前記薄肉円筒体を金型内にセットした状態で、射出
成型法あるいは押し出し成型法により、高分子材料を注
入硬化させることを特徴とする。
【0021】本発明のローラ製造方法は、第3の特徴と
して、薄肉円筒体の外側に高分子材料を形成する工程
は、前記薄肉円筒体内面を支持する中子を挿入固定した
前記薄肉円筒体に高分子材料を被覆した後に、圧縮成型
法により金型内にセットした状態で硬化させることを特
徴とする。
【0022】また、本発明のローラ製造方法において
は、第4の特徴として、前記中子と前記薄肉円筒体内面
の支持領域における最大の隙間が10ミクロン〜200
ミクロンであることを特徴とし、また、第5の特徴とし
て、前記中子の全長は前記薄肉円筒体全長より長く、
円筒体両端からの突出部を金型に嵌合することによっ
て前記薄肉円筒体が固定され、位置決めされることを特
徴とする。
【0023】
【発明の実施の形態】このような特徴を有する本発明に
よるローラ製造方法を実施する場合は、ロールコアの内
径が全長にわたって略均一な薄肉円筒体を用いることが
前提条件になる。従来の定着ロールとして用いる円筒体
は、設計上、両端部の外径が、軸受としてベアリングを
入れるため、中央部より小径に加工されているのが一般
的であったが、本発明のローラ製造方法で用いるローラ
は、全長に亘って一様な内径を有する円筒体でなければ
ならない。
【0024】本発明のローラ製造方法においては、ま
ず、前記薄肉円筒体の内面を支持して外部からの圧力に
よる変形を防止する中子を挿入固定する。これにより、
肉円筒体は中子によって支持されるため、あたかも厚
肉の高強度コアと同様に取り扱うことが可能となる。ま
た、この中子は、その全長が薄肉円筒体より長く、薄肉
円筒体に挿入固定されセットされた時、ロール両端か
ら中子の一部が突出している状態であるものが好まし
い。このため、製造工程中にロールを移動したり、金型
にセットしたりするときにその突出部分をつかんだり、
金型の軸心を薄肉円筒体軸心に一致させるのに利用する
ことができる。
【0025】また、中子の挿入および取り出しを容易と
するために、中子の外径は、ロール内径より10〜75
μm以上小さくすることが好ましく、例えば、20μm
以上の隙間を設ける。しかし、中子の外径がロール内径
より大幅に小さくなると、製造時に円筒コアの軸心と金
型の軸心が隙間の分だけずれたり、局部的に大きな圧力
が加わって変形する可能性があるので、離型性物質の偏
肉とロールの振れの原因となる。このため、中央値に対
しての偏肉とロールの振れの値は、中子の外径とロール
内径のすきまの大きさに等しくなるので、従来のロール
の仕様を満足するためには、その隙間の限界は150〜
200μm以下とする。この場合、望ましくは150μ
m以下とする。これ以上大きいと、定着動作時にロール
が振動したり、ニップ幅がロール1回転ごとに変動して
均一な定着性を保証できなかったり、紙しわが発生して
しまうことになる。
【0026】以上の観点より、中子の外径とロール内径
の差は、10〜200μmの範囲とし、好ましくは20
〜150μmの範囲とする。また、中子は、円筒体内面
の全域と接触する必要はなく、金型との圧力により円筒
体の変形が許容範囲以内であれば非接触領域を設けるこ
とができる。例えば、中子の外周面に溝を入れたりする
ことも可能である。そして、前記円筒体の外側に高分子
材料を形成した後、前記中子を前記円筒体より引き抜
く。中子の引き抜き時は、金型から取り出した後でもよ
いし、研磨工程があればその工程の後であってもよい。
【0027】次に、本発明によるローラ製造方法を、電
子複写機の定着部の定着ローラの製造に適用した場合の
具体的な実施例を図1および図2を参照して説明する。
図1は中子が装着された薄肉パイプのローラに弾性体を
被覆する定着ローラの製造装置の断面図であり、また、
図2は、本発明による定着ローラの製造工程の流れを説
明する製造工程図である。
【0028】図1において、1は定着ローラのコアとな
る薄肉パイプ、2は薄肉パイプの中子、3は中子を両端
を覆うキャップ、4は成型のための上金型、5は成型の
ための下金型、6は成型のための円筒金型、7は被覆さ
れる弾性体を形成するための液状弾性材料、8は射出
口、9はテーパー部、10は圧縮コイルバネである。
【0029】定着ローラのコアとなる薄肉パイプ1とし
ては、スチール製パイプを引き抜き加工によって、内径
30mm、肉厚0.50mm、長さ380mmの寸法と
し、更に、センタレス研磨によって、肉厚0.2mmま
で薄肉化したパイプが用いられる。この薄肉パイプ1の
外側に、弾性材料のシリコンゴムを肉厚1.0mmとな
るように、射出成型法によって被覆する。
【0030】その場合に、本発明のロール製造方法で
は、まず、薄肉パイプ1の中子2として、予め外径2
9.96mm、長さ400mmの中実のステンレスシャ
フトを、当該薄肉パイプ1の内部に装着する。
【0031】薄肉パイプ1の内部に装着された中子2の
両端は、外径20mm、長さ30mmのフランジ部分を
有しており、このフランジ部分にキャップ3が嵌められ
る。中子2の外周面は、中心軸と平行に幅3mm、深さ
2mmの溝が等間隔に8本設けられており、薄肉パイプ
1に対して、中子2の挿入と引き抜きの作業性を容易に
する。この中子2の上端および下端のフランジ部分に更
にそれぞれキャップ3を嵌めた状態で、図1に示すよう
に、予め内壁に離型剤が塗布された円筒金型6の内部に
セットする。
【0032】上部側のキャップ3は、上金型4に嵌合さ
れ、下部側のキャップ3は、下金型5に嵌合されて装着
される。下金型5の下部側にはテーパー部9が設けられ
ており、このテーパー部9に、射出装置(図示せず)に
接続された液状弾性材料7の射出口8が嵌挿される。そ
して、射出口8から下金型5のテーパー部9に、液状弾
性材料7として付加反応シリコーンゴムを注入する。ま
た、上金型4の側は、注入される液状弾性材料7の内部
圧力を50kg/cm2の一定圧に保つため、圧縮コイ
ルバネ10を介して締結される。
【0033】このような構成の製造装置を用いて、弾性
体を被覆したローラを製造するローラ製造方法につい
て、図2に示す製造工程図に基いて説明する。
【0034】薄肉ローラのコアとなる薄肉パイプ1を出
発材料として、薄肉パイプ1の金属コアから、脱脂工程
21により油脂分を除いた後、弾性体材料7との接着性
をよくするため、プライマー塗布工程22において、プ
ライマーを塗布する。次に、中子挿入工程23により、
薄肉パイプ1に中子2を挿入する。その際、中子2の両
端のフランジ部分にキャップ3を嵌める。
【0035】一方、円筒金型6は、離型剤塗布工程11
において、その内壁に離型剤が塗布し、次の組立て工程
12において、離型剤が塗布された円筒金型6の内部
に、薄肉パイプ1の内部に中子2が挿入されて当該中子
2の両端にキャップ3が嵌められた薄肉パイプ1が挿入
され、円筒金型6の上部および下部から上金型4および
下金型5がそれぞれ嵌められて、弾性体の被覆形成のた
めの製造装置に組み立てられる。
【0036】次に、弾性材料注入工程13において、射
出口8を下金型5のテーパ部9に嵌挿し、液状弾性材料
7を下金型5および円筒金型6の内部のローラのコア間
に注入する。そして、次の硬化工程14において、円筒
型金型6,上金型4および下金型5からなる製造装置
が、120℃の恒温槽に2時間入れられ、シリコーンゴ
ムの硬化が行われる。そして、次の離型工程15におい
て、円筒型金型6,上金型4および下金型5の型枠が離
されて、次の乾燥工程16において、更に、熱処理され
て乾燥される。そして、仕上げ工程17において、仕上
成型された後、中子引き抜き工程18において、最終的
に、薄肉パイプ1から中子2を引き抜いて弾性体ロール
が完成する。
【0037】次に、更に別の実施例について説明する。
薄肉パイプと中子は、実施例1と同じものを用い、HT
Vシリコーンゴムを圧縮成型法によって製造する場合に
ついて説明する。
【0038】先ず、中子が装着された薄肉パイプの表面
にプライマーを塗布する。そしてパイプ表面に帯状のH
TVシリコーンゴム・コンパウンドを適当量巻付け、最
終仕上げロール径より1.0mm大きい直径34mmの
内径を有する2つ割り金型の内部にこれを装填し、加熱
圧縮成型する。この時の加硫条件は、プレス圧が200
kg/cm2、プレス温度が170℃、プレス時間が1
5分、2次加硫温度が200℃、2次加硫時間が4時間
の加熱処理である。
【0039】加熱圧縮成型の終了後、2つ割り金型から
ロールを取り出して、その後、中子を取り出す。そし
て、ロール端部あるいは金型あわせ面の部分に生じた
“ばり”を除去し、最終的に仕上げのロール径が32m
mになるまで精研磨加工する。
【0040】このように製造されたロールを定着ロール
として用いた定着装置の定着性能を確認するため、上述
した2つの実施例によって、作製された2種類のロール
を定着ロールして用い、加圧ロールとして、外径31m
mのスチール製の中実シャフトに、シリコーンゴムを肉
厚2.0mmで被覆された外径35mmのロールを用
い、加圧ロールと定着ロールに対して、荷重が30kg
となるように、ばね定数2.5kg/mmの引張りコイ
ルスプリングにより当接させて、周速80mm/sec
にて回転させるようにした定着装置を構成した。また、
この場合の定着ロールには、離型剤としてジメチルシリ
コーンオイルが供給されるようにした。
【0041】この時のニップ幅は、4.5mmであっ
た。この定着装置を、富士ゼロックス(株)社製のカラ
ー複写機「A Color 635」に装備し、トナー
で現像された未定着トナー画像を有する画像記録体を5
枚/分の割合で連続通紙した。その結果、2種類の定着
ロールとも全てのコピーは完全に定着されており、ロー
ルが振動したり、紙しわが発生したりしなかった。
【0042】また、2種類の定着ロールを用いて、ロー
ル径の“ばらつき”と回転時におけるロールの“振れ”
について実験を行った。この結果、射出成型法のロール
は、0.1mmのロール振れであり、この振れによるニ
ップ幅の変動は±0.2mm以下の変化があるが、紙
皺、装置の振動、紙の送行性に影響はないことが判明し
た。圧縮成型法のロールは、研磨工程があるためロール
振れは、0.05mm以内となっており、この影響は全
くないことが判明した。シリコーンゴムの偏肉も0.1
mm以内であり、紙皺、紙の送行性に影響はないことが
判明した。
【0043】なお、前記のロールは、定着装置における
定着ロールとして使用されるだけではなく、同加圧ロー
ル、あるいは、用紙搬送ロール、その他の弾性体ロール
としても使用され得るものである。また、被覆層が単層
のみならず、複数層例えば2層のシリコーンゴムやフッ
素ゴムとシリコーンゴム、PFAチューブとシリコーン
ゴムなどの構成のロール製造法にも適用できる。
【図面の簡単な説明】
【図1】 図1は中子が装着された薄肉パイプのローラ
に弾性体を被覆する定着ローラの製造装置の断面図、
【図2】 図2は本発明による定着ローラの製造工程の
流れを説明する製造工程図である。
【符号の説明】
1…薄肉パイプ、2…中子、3…キャップ、4…上金
型、5…下金型、6…円筒金型、7…液状弾性材料、8
…射出口、9…テーパー部、10…圧縮コイルバネ。
───────────────────────────────────────────────────── フロントページの続き (72)発明者 金澤 祥雄 神奈川県足柄上郡中井町境430 グリー ンテクなかい 富士ゼロックス株式会社 内 (72)発明者 小俣 誠 神奈川県海老名市本郷2274番地 富士ゼ ロックス株式会社内 (56)参考文献 特開 昭63−130318(JP,A) 特開 平7−225525(JP,A) 特開 平1−156025(JP,A) 特開 昭58−72415(JP,A) 特開 平1−136725(JP,A) 特開 平4−339556(JP,A) 実開 昭56−171210(JP,U) (58)調査した分野(Int.Cl.7,DB名) B29C 45/14 B29C 39/10 G03G 15/20 103 B29D 31/00 B29C 43/10 F16C 13/00

Claims (5)

    (57)【特許請求の範囲】
  1. 【請求項1】円筒の内径が全長にわたって略均一な薄肉
    円筒体の内部に、前記薄肉円筒体の内面を支持するため
    の中子として、該中子の外周面に該中子の中心軸と平行
    な溝を有している中子を挿入して、前記円筒体内面と前
    記中子を部分接触させて固定する工程と、 前記薄肉円筒体の外側に高分子材料を形成する工程と、 その後に前記中子を前記円筒体より引き抜く工程と、 からなることを特徴とするローラ製造方法。
  2. 【請求項2】請求項1に記載のローラ製造方法におい
    て、 薄肉円筒体の外側に高分子材料を形成する工程は、 前記薄肉円筒体内面を支持する中子を挿入固定した前記
    薄肉円筒体を金型内にセットした状態で、射出成型法あ
    るいは押し出し成型法により高分子材料を注入硬化させ
    ることを特徴とするローラ製造方法。
  3. 【請求項3】請求項1に記載のローラ製造方法におい
    て、 薄肉円筒体の外側に高分子材料を形成する工程は、 前記薄肉円筒体内面を支持する中子を挿入固定した前記
    薄肉円筒体に高分子材料を被覆した後に金型内にセット
    した状態で硬化させる圧縮成型法であることを特徴とす
    るローラ製造方法。
  4. 【請求項4】請求項1に記載のローラ製造方法におい
    て、 前記中子と前記薄肉円筒体内面の支持領域における最大
    の隙間が10ミクロン〜200ミクロンであることを特
    徴とするローラ製造方法。
  5. 【請求項5】請求項1に記載のローラ製造方法におい
    て、 前記中子の全長は前記薄肉円筒体全長よりも長く、薄肉
    円筒体両端からの突出部を金型に嵌合することによって
    前記薄肉円筒体が固定され、位置決めされることを特徴
    とするローラ製造方法。
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