JP3453005B2 - 積層多孔膜及びそれからなる非水溶媒型電池用セパレーター - Google Patents

積層多孔膜及びそれからなる非水溶媒型電池用セパレーター

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JP3453005B2 JP15989795A JP15989795A JP3453005B2 JP 3453005 B2 JP3453005 B2 JP 3453005B2 JP 15989795 A JP15989795 A JP 15989795A JP 15989795 A JP15989795 A JP 15989795A JP 3453005 B2 JP3453005 B2 JP 3453005B2
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Description

【発明の詳細な説明】
【0001】
【産業上の利用分野】本発明は、合成樹脂多孔膜の微細
孔が膨潤により閉塞する積層多孔膜および非水溶媒型電
池用セパレーターに関する。さらに詳しくは、支持体層
と特定の合成樹脂多孔膜層とが積層された多孔膜の(1)
寸法安定性、(2)突刺強度および(3)機械的強度が優れ、
かつ通常は微細孔が貫通しておりイオン透過性あるいは
通気性を保持しているが、加熱されることにより非水溶
媒を取り込み膨潤し微細孔を閉塞できる積層多孔膜およ
びそれからなる非水溶媒型電池用セパレーターに関す
る。
【0002】
【従来の技術】従来、様々な多孔膜が開発されており、
フィルター、電解膜、非水溶媒型電池のセパレーターと
して使用されている。特に、非水溶媒型電池のセパレー
ターとしては、リチウム2次電池等の充放電時における
樹枝状のリチウム金属結晶(デンドライト)の形成によ
る正負電極の接触、セパレーターの収縮による正負電極
の接触およびセパレーターの突刺強度不足で生じる電極
貫通による正負電極の接触等に起因する電池の過熱に対
し、安全性を有することが必要とされるが、これまでに
知られているポリオレフィン単層多孔膜では達成するこ
とが困難であった。
【0003】上記の安全性を付与するものとしては、特
開平2−77108号公報および特公平4−38101
号公報に記載の高融点ポリオレフィン系樹脂多孔膜層と
低融点ポリオレフィン系樹脂多孔膜層との積層体からな
るセパレーターが挙げられる。すなわち、これらの発明
によれば、短絡が発生して電池内に過大な電流が流れて
も、その際に発生する熱により低融点ポリオレフィン系
樹脂多孔膜層を構成するポリオレフィン系樹脂が溶融
し、閉塞封止され、電流の流れを止めて過熱を抑制する
という効果、および溶融閉塞される低融点ポリオレフィ
ン系樹脂多孔膜層を保持するために高融点ポリオレフィ
ン系樹脂多孔膜層を積層させ短絡の再度発生を防止する
効果があると解される。
【0004】しかしながら、従来のポリオレフィン系樹
脂多孔膜およびポリオレフィン系樹脂積層多孔膜のセパ
レーターは、(1)高温での寸法安定性および(2)突刺強度
が低いために、正負電極の接触を防ぐには十分ではな
い。また正負電極の接触による過熱を抑えるためには、
低い温度(100〜140℃程度)でセパレーターが溶
融閉塞することが望まれるが、従来のポリオレフィン系
セパレーターでは、突刺強度、引張強度、寸法安定性が
良好なものは閉塞温度が高く、逆に閉塞温度の低いもの
は突刺強度、引張強度、寸法安定性に劣る傾向にあっ
た。
【0005】また、非水溶媒型電池、例えばリチウム電
池およびリチウムイオン電池は、電池を高エネルギー密
度とするために、緊密に正電極、セパレーターおよび負
電極の順に重ねて巻き込まれることが必要であり、(3)
このために非水溶媒型電池用セパレーターには引張強度
が必要とされる。
【0006】
【課題を解決するための手段】本発明者らは、上記の事
情に鑑み鋭意検討した結果、支持体層と、この支持体層
の融点またはガラス転移点と特定の関係にありかつ膨潤
が可能である特定の合成樹脂多孔膜層を設けることによ
り、寸法安定性および機械的強度に優れた積層多孔膜が
得られることを見い出し、本発明を完成するに至った。
【0007】すなわち、本発明の第1によれば、結晶性
樹脂からなる細孔を有する支持体層(A1)と合成樹脂
からなる微細孔を有する多孔膜層(B)とが積層された
多孔膜において、支持体層(A 1 )が融点160℃以上
の結晶性樹脂からなる多孔膜層であり、多孔膜層(B)
を構成する合成樹脂の融点若しくはガラス転移点が15
0℃以上であり、該結晶性樹脂の融点より低い温度で
合成樹脂が非水溶媒型電池に使われる非水溶媒により膨
潤して多孔膜層(B)の微細孔が閉塞することを特徴と
する積層多孔膜が提供される。また本発明の第2によれ
ば、結晶性樹脂からなる細孔を有する支持体層(A1
と合成樹脂からなる微細孔を有する多孔膜層(B)とが
積層された多孔膜において、支持体層(A1)が融点1
60℃以上の結晶性樹脂からなる多孔膜層であり、多孔
膜層(B)を構成する合成樹脂の融点若しくはガラス転
移点が150℃以上であり、該結晶性樹脂の融点より低
い温度で該合成樹脂が環状炭酸エステル溶媒、環状カル
ボン酸エステル溶媒、鎖状エーテル溶媒、環状エーテル
溶媒、鎖状カルボン酸エステル溶媒、鎖状炭酸エステル
溶媒、アセトニトリル、スルフォラン、3−メチルスル
フォラン、ジメチルスルホキシド、N,N−ジメチルホ
ルムアミド、N−メチルオキサゾリジノンからなる有機
溶媒の1種又は2種以上の組合わせからなる非水溶媒に
より膨潤して多孔膜層(B)の微細孔が閉塞することを
特徴とする積層多孔膜が提供される。本発明の第3によ
れば、多孔膜層(B)を構成する合成樹脂がフッ化ビニ
リデン系樹脂、ポリエーテルスルホン、ポリスルホン、
ポリアクリルニトリルから選ばれた少なくとも一種の樹
であることを特徴とする前記発明の第1又は第2の積
層多孔膜が提供される。本発明の第4によれば、温度範
囲100〜140℃で合成樹脂が非水溶媒により膨潤し
て多孔膜層(B)の微細孔が閉塞することを特徴とする
前記発明の第1〜第3の何れかの積層多孔膜が提供され
る。本発明の第5によれば、支持体層(A 1 )を構成す
る結晶性樹脂がポリオレフィン系樹脂であり、多孔膜層
(B)を構成する合成樹脂がフッ化ビニリデン系樹脂で
ある前記発明の第1〜第4の何れかの積層多孔膜が提供
される。本発明の第6によれば、積層多孔膜の平均空孔
率が30〜65%である前記発 明の第1〜第5の何れか
の積層多孔膜が提供される。本発明の第7によれば、積
層多孔膜の平均孔径が0.01〜5μmである前記発明
の第1〜第6の何れかの積層多孔膜が提供される。本発
明の第8によれば、前記発明の第1〜第7の何れかの積
層多孔膜からなる非水溶媒型電池用セパレーターが提供
される。以下、本発明を詳細に説明する。
【0008】[支持体層(A1)] 本発明の積層多孔膜を構成する細孔を有する支持体層
(A1)の形状としては、多孔膜層(B)を構成する合
成樹脂が膨潤した際に積層多孔膜の形状が維持できれば
編織布又は不織布などの網目状、多孔膜状等のいずれで
も構わない。特に、本発明の支持体層としては多孔膜状
であることが好ましい。
【0009】(結晶性樹脂) 支持体層(A1)を構成する結晶性樹脂としては、多孔
膜層(B)が膨潤する温度において溶融しない樹脂を適
宜選択すればよい。好ましくは、融点が160℃以上で
ある結晶性樹脂であり、例えば、ポリプロピレン、ポリ
4−メチルペンテン−1、ポリ3−メチルブテン等のポ
リオレフィン系樹脂、ポリエチレンテレフタレート、ポ
リブチレンテレフタレート等のポリエステル系樹脂、ナ
イロン−6、ナイロン−11、ナイロン−12、ナイロ
ン−66等のポリアミド系樹脂、ポリフェニレンサルフ
ァイド、ポリエーテルエーテルケトン等が挙げられる。
より好ましくは、ポリプロピレン、ポリ4−メチルペン
テン−1、ポリ3−メチルブテンおよびこれらを構成す
る単量体からなる共重合体、若しくはこれらの混合物で
ある。該結晶性樹脂の融点が160℃以上であれば、高
温下、例えば電池の正負電極の接触に起因する過熱にお
いても合成樹脂多孔膜層(B)を支持する機能が保持さ
れ易い。また積層多孔膜を製造する際にも高温に耐えら
れるので、高温で熱処理することが可能であり、一層の
寸法安定性を有し、後記するように非水溶媒型電池セパ
レーターとして用いたときにも、突刺強度や引張強度を
向上させることが出来る。
【0010】[合成樹脂多孔膜層(B)] 多孔膜層(B)を構成する合成樹脂としては、融点若し
くはガラス転移点が150℃以上であり、本発明の積層
多孔膜を非水溶媒型電池セパレーターとして使用する場
合、前記結晶性樹脂の融点より低い温度で非水溶媒に対
し膨潤し、多孔膜層(B)の微細孔が閉塞可能な樹脂で
あればよく、例えば、フッ化ビニリデン系樹脂、ポリス
ルホン、ポリエーテルスルホン、ポリアクリロニトリル
等が挙げられる。好ましくは、例えばフッ化ビニリデン
系樹脂、ポリエーテルスルホン、ポリスルホン、ポリア
クリルニトリルが挙げられる。
【0011】さらに、多孔膜層(B)を構成する合成樹
脂の融点若しくはガラス転移点が150℃以上である場
合には、該合成樹脂は、100〜140℃の温度範囲で
非水溶媒を取り込み膨潤し、多孔膜層(B)を閉塞する
ことが好ましい。本発明の積層多孔膜は、多孔膜層
(B)の微細孔の閉塞する機構が膨潤によるために、多
孔膜層(B)を構成する合成樹脂の融点若しくはガラス
転移点よりも低い温度で閉塞されることとなる。前記閉
塞機構を利用するために、本発明の細孔を有する結晶性
樹脂からなる支持体層(A1)が多孔膜層の場合には、
従来の高融点ポリオレフィン系樹脂多孔膜層と低融点ポ
リオレフィン系樹脂多孔膜層との積層体からなるセパレ
ーターに比べ、多孔膜を製造する際の熱処理、即ち樹脂
に可塑剤を混合して製膜し、それを抽出した後の乾燥や
延伸後の熱固定等の熱処理がより高温で行えるため、優
れた突刺強度、引張強度及び寸法安定性を有することと
なる。また、非水溶媒型電池用セパレーターとして使用
した場合には、100〜140℃の温度範囲よりも高温
で膨潤し多孔膜層(B)を閉塞するものでは、短絡が生
じ過熱しても閉塞までに時間がかかるため、安全性が低
下する。
【0012】本発明において多孔膜層(B)を構成する
樹脂が膨潤することにより、多孔膜層(B)が閉塞する
が、膨潤とは、一般に認識されている通り、合成樹脂が
溶媒を吸収して体積を増大させる現象である。また膨潤
には無限膨潤(溶解)と有限膨潤とがあるが、無限膨潤
する前記フッ化ビニリデン系樹脂等も溶媒量が少なけれ
ば溶解に達しなくても微細孔が閉塞することとなる。膨
潤の程度は多孔膜(B)を構成する樹脂と溶媒との組み
合わせで異なるので、多孔膜の用途、使用温度に応じて
多孔膜(B)と溶媒の組み合わせを適宜選択することが
出来る。膨潤に及ぼす要因は種々あるので、膨潤の程度
は後記の「膨潤により閉塞する温度」により使用する非
水溶媒を固定して評価することができる。
【0013】[積層構成] (結晶性樹脂からなる支持体層(A1)と多孔膜層
(B)との組み合わせ) 本発明の第1にかかる積層多孔膜の層構成は、支持体層
(A1)/多孔膜層(B)の2層構造、多孔膜層(B)
/支持体層(A1)/多孔膜層(B)又は支持体層
(A1)/多孔膜層(B)/支持体層(A1)の3層構造
等、少なくとも支持体層(A1)/多孔膜層(B)の2
層構造を含めた多層構造であればよい。また、多孔膜層
(B)/支持体層(A1)/多孔膜層(B)の多孔膜層
(B)を構成する樹脂は同じでも異なっていてもよく、
支持体層(A1)/多孔膜層(B)/支持体層(A1)の
支持体層(A1)を構成する樹脂は同じでも異なってい
てもよい。突刺強度、引張強度および寸法安定性を向上
させるためには、支持体層と多孔膜層とを構成する樹脂
の両方が融点又はガラス転移点の高いものであることが
好ましく、例えば、フッ化ビニリデン系樹脂からなる多
孔膜層(B)とポリプロピレン、ポリ4−メチルペンテ
ン−1、ポリ3−メチルブテン等のポリオレフィン系樹
脂からなる多孔膜層(A1)との2層多孔膜又は3層多
孔膜が挙げられる。これらの組み合わせとしては、例え
ば(フッ化ビニリデン系樹脂/ポリプロピレン)2層多
孔膜、(フッ化ビニリデン系樹脂/ポリ4−メチルペン
テン−1)2層多孔膜、(ポリプロピレン/フッ化ビニ
リデン系樹脂/ポリプロピレン)3層多孔膜、(ポリ4
−メチルペンテン−1/フッ化ビニリデン系樹脂/ポリ
4−メチルペンテン−1)3層多孔膜、(ポリ4−メチ
ルペンテン−1/フッ化ビニリデン系樹脂/ポリプロピ
レン)3層多孔膜、(フッ化ビニリデン系樹脂/ポリプ
ロピレン/フッ化ビニリデン系樹脂)3層多孔膜、(フ
ッ化ビニリデン系樹脂/ポリ4−メチルペンテン−1/
フッ化ビニリデン系樹脂)3層多孔膜が挙げられる。こ
の中でも、(フッ化ビニリデン系樹脂/ポリプロピレ
ン)2層多孔膜、(フッ化ビニリデン系樹脂/ポリ4−
メチルペンテン−1)2層多孔膜、(ポリ4−メチルペ
ンテン−1/フッ化ビニリデン系樹脂/ポリ4−メチル
ペンテン−1)3層多孔膜、(ポリ4−メチルペンテン
−1/フッ化ビニリデン系樹脂/ポリプロピレン)3層
多孔膜がより好ましい。
【0014】[平均空孔率] 本発明の積層多孔膜の平均空孔率は30〜65%、好ま
しくは30〜55%、さらに好ましくは35〜45%で
ある。平均空孔率が30%未満では多孔膜としての機能
が達成できず、非水溶媒型電池用セパレーターとして使
用した場合には非水溶媒の吸収保持量が少なくなるた
め、セパレーターの電気抵抗が高くなり電池としての性
能が低下する。一方、平均空孔率が65%を越えると突
刺強度および引張強度等の機械的強度が低下する。
【0015】[平均孔径] 本発明の積層多孔膜の平均孔径は0.01〜5μm、好
ましくは0.05〜3μm、さらに好ましくは0.1〜
1μmである。平均孔径が0.01μm未満では通気性
又はイオン透過性が低下し、非水溶媒型電池用セパレー
ターとして使用した場合には電気抵抗が高くなり電池と
しての機能が十分でない。一方、平均孔径が5μmを越
えると閉塞しにくくなり、非水溶媒型電池用セパレータ
ーとして使用した場合には、電極から滑落したカーボン
等の電極活物質が通過し易く短絡発生率が大きくなる。
【0016】[膜の厚さ] 本発明の積層多孔膜の厚さとしては10〜50μmが好
ましく、15〜25μmの範囲がさらに好ましい。積層
多孔膜の厚さが10μm未満では機械的強度が十分でな
く、非水溶媒型電池用セパレーターとして使用した場合
には短絡を起こし易いという問題も生じる。一方、積層
多孔膜の厚さが50μmを越えると巻き型電池の場合、
電池1個当たりのセパレーターの占める体積割合が高く
なるため、電極面積を減らすこととなり、電池容量が低
下し好ましくない。
【0017】結晶性樹脂からなる細孔を有する支持体層
(A1)の厚さとしては、5〜47μmが好ましく、7
〜20μmの範囲がさらに好ましい。支持体層(A1
の厚さが5μm未満では多孔膜層(B)が膨潤閉塞後の
機械的強度が十分でなく、非水溶媒型電池用セパレータ
ーとして使用した場合には短絡をおこし易いという問題
も生じる。
【0018】多孔膜層(B)の厚さとしては、3〜45
μmが好ましく、5〜20μmの範囲がさらに好まし
い。多孔膜層(B)の厚さが3μm未満では膨潤閉塞が
十分でなく、非水溶媒型電池用セパレーターとして使用
した場合には短絡発生による過熱を抑えることができな
く、電極がセパレーターを突刺し易く、再度短絡し易く
なる。以下に本発明の積層多孔膜の製造方法について説
明する。
【0019】[製造方法] 結晶性樹脂からなる支持体層(A1)および多孔膜層
(B)の製造としては、支持体層(A1)および多孔膜
層(B)を構成する樹脂に可塑剤を混合した組成物を製
膜し、その後、膜から抽出溶媒を用いて可塑剤を抽出
し、多孔膜とするのが1つの方法である。
【0020】例えば、多孔膜層(B)を構成する樹脂が
フッ化ビニリデン系樹脂の場合には次のように製造する
ことが可能である。
【0021】フッ化ビニリデン系樹脂の可塑剤として
は、フッ化ビニリデン系樹脂を可塑化するものであり、
例えば、アジピン酸−プロピレングリコール系、アジピ
ン酸−1,3−ブチレングリコール系等のアジピン酸系
ポリエステル、セバシン酸−プロピレングリコール系、
セバシン酸−1,3−ブチレングリコール系等のセバシ
ン酸系ポリエステル、アゼライン酸−プロピレングリコ
ール系、アゼライン酸−1,3−ブチレングリコール系
等のアゼライン酸系ポリエステル、脂肪族の二塩基酸と
グリコールからなる脂肪族系ポリエステル可塑剤、ジオ
クチルフタレート等のフタル酸ジエステル可塑剤等が例
示されるが、フッ化ビニリデン系樹脂との相溶性の点か
ら特にアジピン酸系ポリエステルが好ましい。また、可
塑剤の配合量は、空孔率を考慮して、フッ化ビニリデン
系樹脂100重量部に対し30〜250重量部であり、
好ましくは40〜170重量部、より好ましくは50〜
120重量部である。
【0022】成形時の樹脂組成物の溶融温度としては1
70〜250℃が好ましく、より好ましくは180〜2
40℃である。押出は好ましくはTダイを用い、厚さ3
〜45μm、より好ましくは5〜20μmの範囲に製膜
する。
【0023】前記で得られたフィルムから可塑剤を抽出
するための溶媒としては、フッ化ビニリデン系樹脂を溶
解せず、可塑剤を溶解できるものであれば特に限定され
ない。例えば、アルコール類ではメタノール、イソプロ
ピルアルコールなど、塩素化炭化水素類では塩化メチレ
ン、1,1,1−トリクロロエタンなどの溶媒を例示で
きる。
【0024】前記の溶媒による抽出方法は温度10〜1
50℃、好ましくは15〜100℃、さらに好ましくは
20〜50℃の抽出溶媒中に放置する。また、適宜振動
を加え抽出を加速することができる。可塑剤抽出後は、
多孔質膜の乾燥のため温度50〜150℃で、0.5〜
360分間熱処理をする。
【0025】また、支持体層(A1)を構成する樹脂が
ポリオレフィン系樹脂の場合には次のように製造するこ
とが可能である。
【0026】ポリオレフィン系樹脂の可塑剤としては、
ポリオレフィン系樹脂を可塑化するものであり、例え
ば、フタル酸ジエステル、アゼライン酸−プロピレング
リコール系、アゼライン酸−1,3−ブチレングリコー
ル系等のアゼライン酸系ポリエステル等の脂肪族の二塩
基酸とグリコールからなる脂肪族系ポリエステル、リン
酸エステル、グリコールエステル、エポキシ化合物が例
示されるが、ポリオレフィン系樹脂との相溶性の点から
特にフタル酸系ポリエステルが好ましい。また、可塑剤
の配合量は、空孔率を考慮して、ポリオレフィン系樹脂
100重量部に対し30〜250重量部であり、好まし
くは40〜200重量部、より好ましくは50〜150
重量部である。
【0027】成形時の樹脂組成物の溶融温度としては1
80〜340℃が好ましく、より好ましくは200〜2
70℃である。押出は好ましくはTダイを用い、厚さ3
〜45μm、より好ましくは5〜20μmの範囲に製膜
する。
【0028】前記で得られたフィルムから可塑剤を抽出
するための溶媒としては、ポリオレフィン系樹脂を溶解
せず、可塑剤を溶解できるものであれば特に限定されな
い。例えば、トリクロロメタン、トリクロロエタン等の
ハロアルカン、アセトン、メチルエチルケトン等のケト
ン、酢酸エチル等の低級カルボン酸エステル、メタノー
ル等の低級アルコール、トルエン、キシレン等の芳香族
炭化水素などの溶媒を例示できる。
【0029】前記の溶媒による抽出方法は温度10〜1
50℃、好ましくは15〜100℃、さらに好ましくは
20〜50℃の抽出溶媒中に放置する。また、適宜振動
を加え抽出を加速することができる。可塑剤抽出後は、
多孔質膜の乾燥のため温度50〜150℃で、0.5〜
360分間熱処理をする。
【0030】本発明の積層多孔膜は、共押出法又は予め
製膜した各多孔膜を熱プレス、熱ロール等を用いてラミ
ネートする方法、点融着等により積層されたものであっ
てもよい。支持体層(A1)が多孔膜層以外の場合に
は、上記の方法で得られた多孔膜(B)に支持体層(A
1)を接合する方法で積層多孔膜を得るのが好ましい。
一方、支持体層(A1)が多孔膜である場合には共押出
法が製造工程の少なさの面から好ましい。
【0031】例えば、共押出法を採用した場合、支持体
層(A1)を構成する合成樹脂がポリオレフィン系樹脂
であり、多孔膜層(B)を構成する合成樹脂がフッ化ビ
ニリデン系樹脂である積層多孔膜を例に説明すると次の
ように製造できる。
【0032】可塑剤としては、上記のポリオレフィン系
樹脂の可塑剤およびフッ化ビニリデン系樹脂の可塑剤か
らそれぞれ選択でき、同じ可塑剤又は同一溶媒で抽出可
能な可塑剤の組み合わせを用いるのが好ましい。成形時
の樹脂組成物の溶融温度としては、ポリオレフィン系樹
脂およびフッ化ビニリデン系樹脂の両者とも170〜2
70℃が好ましく、より好ましくは180〜260℃で
ある。押出は好ましくはTダイを用い、製膜する。得ら
れたフィルムから可塑剤を抽出するための溶媒として
は、ポリオレフィン系樹脂およびフッ化ビニリデン系樹
脂を溶解せず、可塑剤を溶解できるものであれば特に限
定されない。一方の合成樹脂の可塑剤のみしか溶解しな
いものであっても、一方の可塑剤を除去後、もう一方の
可塑剤を除去しうる溶剤を用いればよい。抽出温度は1
5〜150℃、好ましくは15〜100℃、さらに好ま
しくは20〜50℃の抽出溶媒中に放置する。また、適
宜振動を加え抽出を加速することができる。可塑剤抽出
後は、多孔質膜の乾燥のため温度50〜150℃で、
0.5〜360分間熱処理をする。
【0033】積層多孔膜は、機械的強度の観点から、一
軸または二軸に延伸されることが好ましい。また、寸法
安定性の観点からは延伸後に各多孔膜層を構成する樹脂
組成物が溶融する温度より低い温度で熱処理を行うこと
が好ましい。突刺強度、引張強度および寸法安定性を向
上させるためには、熱処理温度を高くすることが好まし
いので、この点から支持体層と多孔膜層とを構成する樹
脂の両方が融点又はガラス転移点の高いものであること
が好ましい。
【0034】本発明の積層多孔膜は、非水溶媒型電池用
セパレーターとして使用でき、下記の非水溶媒で膨潤し
得る多孔膜層(B)を構成する樹脂を適宜選択して用い
ればよい。非水溶媒型電池に使われる非水溶媒として
は、例えば、プロピレンカーボネート、エチレンカーボ
ネート、ブチレンカーボネート等の環状炭酸エステル溶
媒、γ−ブチロラクトン、γ−バレロラクトン等の環状
カルボン酸エステル溶媒、ジメトキシメタン、1,2−
ジメトキシエタン、1,3−ジメトキシプロパン等の鎖
状エーテル溶媒、テトラヒドロフラン、1,3−ジオキ
ソラン、2−メチルテトラヒドロフラン、4−メチル−
1,3−ジオキソラン等の環状エーテル溶媒、ギ酸メチ
ル、酢酸メチル、プロピオン酸メチル等の鎖状カルボン
酸エステル溶媒、ジメチルカーボネート、エチルメチル
カーボネート、ジエチルカーボネート等の鎖状炭酸エス
テル溶媒、アセトニトリル、スルフォラン、3−メチル
スルフォラン、ジメチルスルホキシド、N,N−ジメチ
ルホルムアミド、N−メチルオキサゾリジノン等のその
他の有機溶媒の1種又は2種以上の組み合わせが挙げら
れる。例えば、多孔膜層(B)がフッ化ビニリデン系樹
脂からなる場合、環状炭酸エステル類と鎖状エーテル類
もしくは鎖状炭酸エステル類の組み合わせが好ましく、
より好ましくは、プロピレンカーボネートと1,2−ジ
メトキシエタン、プロピレンカーボネートとジメチルカ
ーボネート、プロピレンカーボネートとジエチルカーボ
ネート、プロピレンカーボネートとエチルメチルカーボ
ネートの組み合わせである。
【0035】
【実施例】以下に実施例に基づき本発明を具体的に説明
するが、本発明はこれらに限定されるものではない。な
お、実施例、比較例における測定は下記方法に依った。
【0036】[1.平均孔径] 平均孔径は、測定エリア20mmφの試験片を用いAS
TM F−316−86に準拠したエタノールのハーフ
ドライ法によって求めた。
【0037】[2.空孔率] 試料(5cm×5cm)をミネラルオイル(Aldri
ch社製)に6時間浸漬し、表面のミネラルオイルを十
分に拭き取った後の重量(W2)を測定し、該試料の浸
漬前の重量(W1)及びミネラルオイルの密度(ρ)よ
り空孔体積(V1)を次式:V1=(W2−W1)/
ρ、により求めた。空孔率(P)は、見掛け体積(V
2:厚さ及び寸法により計算される値)と空孔体積(V
1)とから、次式:P=V1/V2×100(%)、に
より計算した。
【0038】[3.膨潤により閉塞する温度の測定] 多孔膜試料に電解液(プロピレンカーボネートと1,2
−ジメトキシエタンの1:1の混合溶媒に1mol/l
の過塩素酸リチウムを溶解した物)を含浸させた後、5
cm2の白金電極2枚で挟んで固定し、測定セルとし
た。この測定セルを加熱しながら、電極間に直流4Vの
電圧を印加し、回路電流から直流抵抗(Ω・cm2)の
変化を測定した。このとき、次式:(Y℃における直流
抵抗)/(100℃における直流抵抗)=2、を満足す
る温度(Y℃)を膨潤による閉塞が起こった温度とし
た。
【0039】[4.結晶性樹脂の融点測定] 示差走査熱量計(DSC)を用いたASTM−D341
8に準拠した方法で融点を測定した。
【0040】[5.引張強伸度の測定] 引張強伸度測定機((株)オリエンテック社製テンシロ
ンRTM−100型)を用いて、幅10mm×長さ10
0mmの積層多孔膜の試験片を、チャック間距離50m
m、引張速度100mm/分の条件下で破断強度及び破
断までの伸び量を測定し、次式:破断点応力(MPa)
=[破断点強度(Kgf)/試験片の引張前の断面積
(cm2)]×0.0981、から破断点応力及び次
式:破断点伸度(%)=[破断までの伸び量:変位量
(mm)/50(mm)]×100、から破断点伸度を
求めた。
【0041】[6.突刺強度の測定] 引張強伸度測定機((株)オリエンテック社製テンシロ
ンRTM−100型)の圧縮モードを用いて、サンプル
固定治具に53mmφの円形の試験片をセットし、先端
部のR=0.5mmの円錐形の突刺治具で、圧縮速度
(突刺速度)120mm/分で突刺強度を測定した。な
お、突刺治具により試験片が破断したときの荷重を破断
点荷重(gf)とし、突刺治具が試験片に触れた点(変
位の原点)から破断に至るまでの突刺治具の変位量を破
断点変位(mm)とした。本発明における突刺強度(g
f・mm)とは、変位の原点から破断点に至るまでの各
変位点ごとの荷重の積算値である。
【0042】[7.熱収縮率の測定] サンプルとなる積層多孔膜を100mm×100mmに
切り出し、60℃のオーブン中で1時間熱処理した。熱
処理前後の長さの寸法変化率を測定し、次式:収縮率
(%)={[(熱処理前のサンプルの長さ−熱処理後の
サンプルの長さ)]/(熱処理前のサンプルの長さ)}
×100、で収縮率を計算した。
【0043】(実施例1) B層を構成する樹脂としてポリフッ化ビニリデン(呉羽
化学工業(株)社製、商品名:KF、融点178℃)1
00重量部に対し、アジピン酸系ポリエステル可塑剤
(旭電化工業(株)社製、商品名:PN−640)50
重量部を、2軸押出機を用いて240℃で溶融混合し、
ペレット化した。A層を構成する樹脂としてポリ4−メ
チルペンテン−1(三井石油化学工業(株)社製、商品
名:TPX、融点235℃)100重量に対し、65重
量部のアジピン酸系ポリエステル可塑剤(旭電化工業
(株)社製、商品名:PN−640)を、2軸押出機を
用いて260℃で溶融混合し、ペレット化した。得られ
たペレットを幅370mmの3層共押出用Tダイの設置
された3台の押出機から溶融押出して、A層/B層/A
層からなる溶融シートを成形し、80℃のチルロール上
で冷却して、多孔膜原反を得た。得られた原反を200
mm四方に切り出し、30℃のイソプロピルアルコール
中で超音波を当てながら、5分間処理した。乾燥後、室
温で1.5倍に1軸延伸した後、120℃で30分間熱
処理を行って積層多孔膜を得た。得られた積層多孔膜の
断面を偏向顕微鏡を用いて観察したところ、A層/B層
/A層の厚みは各8μm/9μm/8μmであった。ま
た、上記測定方法で得られた積層多孔膜の物性を表1に
示した。
【0044】(比較例1) B層を構成する樹脂として電解液に膨潤しないポリプロ
ピレン(チッソ(株)社製、商品名:チッソポリプロ、
融点165℃)100重量部に対し、アジピン酸系ポリ
エステル(旭電化工業(株)社製、商品名:PN−64
0)70重量部を、2軸押出機を用いて240℃で溶融
混合し、ペレット化した。A層を構成する樹脂としてポ
リ4−メチルペンテン−1(三井石油化学工業(株)社
製、商品名:TPX、融点235℃)100重量に対
し、65重量部のアジピン酸系ポリエステル(旭電化工
業(株)社製、商品名:PN−640)を、2軸押出機
を用いて260℃で溶融混合し、ペレット化した。得ら
れたペレットを幅370mmの3層共押出用Tダイの設
置された3台の押出機から溶融押出して、A層/B層/
A層からなる溶融シートを成形し、80℃のチルロール
上で冷却して、多孔膜原反を得た。得られた原反を20
0mm四方に切り出し、30℃のイソプロピルアルコー
ル中で超音波を当てながら、5分間処理した。乾燥後、
室温で1.5倍に1軸延伸した後、120℃で30分間
熱処理を行って積層多孔膜を得た。得られた積層多孔膜
の断面を偏向顕微鏡を用いて観察したところ、A層/B
層/A層の厚みは各8μm/9μm/8μmであった。
また、上記測定方法で得られた積層多孔膜の物性を表1
に示した。
【0045】(比較例2) B層を構成する樹脂として電解液に膨潤しないポリブテ
ン−1(三井石油化学工業(株)社製、商品名:ビュー
ロン、融点123℃)100重量部に対し、アジピン酸
系ポリエステル(旭電化工業(株)社製、商品名:PN
−640)80重量部を、2軸押出機を用いて240℃
で溶融混合し、ペレット化した。A層を構成する樹脂と
してポリ4−メチルペンテン−1(三井石油化学工業
(株)社製、商品名:TPX、融点235℃)100重
量に対し、65重量部のアジピン酸系ポリエステル(旭
電化工業(株)社製、商品名:PN−640)を、2軸
押出機を用いて260℃で溶融混合し、ペレット化し
た。得られたペレットを幅370mmの3層共押出用T
ダイの設置された3台の押出機から溶融押出して、A層
/B層/A層からなる溶融シートを成形し、80℃のチ
ルロール上で冷却して、多孔膜原反を得た。得られた原
反を200mm四方に切り出し、30℃のイソプロピル
アルコール中で超音波を当てながら、5分間処理した。
乾燥後、室温で1.5倍に1軸延伸した後、60℃で3
0分間熱処理を行って積層多孔膜を得た。得られた積層
多孔膜の断面を偏向顕微鏡を用いて観察したところ、A
層/B層/A層の厚みは各7.5μm/10μm/7.
5μmであった。また、上記測定方法で得られた積層多
孔膜の物性を表−1に示した。
【0046】
【表1】
【0047】
【発明の効果】本発明の積層多孔膜によれば、寸法安定
性および機械的強度に優れている。また、前記積層多孔
膜からなる本発明の非水溶媒型電池用セパレーターによ
れば、突刺強度、引張強度に優れている上、短絡が発生
して電池内に過大な電流が流れても、その際に発生する
熱により膨潤可能な合成樹脂多孔膜が非水溶媒を取り込
んで膨潤し、比較的低温で細孔が閉塞封止され、電流の
流れを止めて過熱を抑制するという効果を有する。また
本発明の非水溶媒型電池用セパレーターは寸法安定性に
も優れているので、セパレーターの収縮による正負電極
の接触を防止することができる。さらに、本発明の非水
溶媒型電池用セパレーターは機械的強度が優れているこ
とから、セパレーターの引き裂きを生じないで非水溶媒
型電池を製造することができる。
フロントページの続き (72)発明者 水野 斌也 茨城県土浦市東崎町13−1−201 (56)参考文献 特開 平6−76808(JP,A) 特開 平6−182918(JP,A) (58)調査した分野(Int.Cl.7,DB名) B32B 1/00 - 35/00 H01M 2/16

Claims (8)

    (57)【特許請求の範囲】
  1. 【請求項1】 結晶性樹脂からなる細孔を有する支持体
    層(A1)と合成樹脂からなる微細孔を有する多孔膜層
    (B)とが積層された多孔膜において、支持体層
    (A 1 )が融点160℃以上の結晶性樹脂からなる多孔
    膜層であり、多孔膜層(B)を構成する合成樹脂の融点
    若しくはガラス転移点が150℃以上であり、該結晶性
    樹脂の融点より低い温度で合成樹脂が非水溶媒型電池
    に使われる非水溶媒により膨潤して多孔膜層(B)の微
    細孔が閉塞することを特徴とする積層多孔膜。
  2. 【請求項2】 結晶性樹脂からなる細孔を有する支持体
    層(A1)と合成樹脂からなる微細孔を有する多孔膜層
    (B)とが積層された多孔膜において、支持体層
    (A1)が融点160℃以上の結晶性樹脂からなる多孔
    膜層であり、多孔膜層(B)を構成する合成樹脂の融点
    若しくはガラス転移点が150℃以上であり、該結晶性
    樹脂の融点より低い温度で該合成樹脂が環状炭酸エステ
    ル溶媒、環状カルボン酸エステル溶媒、鎖状エーテル溶
    媒、環状エーテル溶媒、鎖状カルボン酸エステル溶媒、
    鎖状炭酸エステル溶媒、アセトニトリル、スルフォラ
    ン、3−メチルスルフォラン、ジメチルスルホキシド、
    N,N−ジメチルホルムアミド、N−メチルオキサゾリ
    ジノンからなる有機溶媒の1種又は2種以上の組合わせ
    からなる非水溶媒により膨潤して多孔膜層(B)の微細
    孔が閉塞することを特徴とする積層多孔膜。
  3. 【請求項3】 多孔膜層(B)を構成する合成樹脂が
    ッ化ビニリデン系樹脂、ポリエーテルスルホン、ポリス
    ルホン、ポリアクリルニトリルから選ばれた少なくとも
    一種の樹脂であることを特徴とする請求項1又は2記載
    の積層多孔膜。
  4. 【請求項4】 温度範囲100〜140℃で合成樹脂が
    非水溶媒により膨潤して多孔膜層(B)の微細孔が閉塞
    することを特徴とする請求項1〜3の何れかに記載の積
    層多孔膜。
  5. 【請求項5】 支持体層(A1)を構成する結晶性樹脂
    がポリオレフィン系樹脂であり、多孔膜層(B)を構成
    する合成樹脂がフッ化ビニリデン系樹脂である請求項1
    〜4の何れかに記載の積層多孔膜。
  6. 【請求項6】 積層多孔膜の平均空孔率が30〜65%
    である請求項1〜5の何れかに記載の積層多孔膜。
  7. 【請求項7】 積層多孔膜の平均孔径が0.01〜5μ
    mである請求項1〜6の何れかに記載の積層多孔膜。
  8. 【請求項8】 請求項1〜7の何れかに記載の積層多孔
    膜からなる非水溶媒型電池用セパレーター。
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