JP3452596B2 - ペネム誘導体の製造法 - Google Patents

ペネム誘導体の製造法

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JP3452596B2 JP35795892A JP35795892A JP3452596B2 JP 3452596 B2 JP3452596 B2 JP 3452596B2 JP 35795892 A JP35795892 A JP 35795892A JP 35795892 A JP35795892 A JP 35795892A JP 3452596 B2 JP3452596 B2 JP 3452596B2
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Description

【発明の詳細な説明】 【0001】 【産業上の利用分野】本発明はペネム誘導体の製造法に
関し、更に詳しくは、2位がエステル化されたカルボキ
シル基を持つペネム誘導体の製造法に関する。 【0002】 【従来の技術】次の式(IV) 【化7】 (式中、R"は水素原子またはアルカリ金属を示す)で
表わされるペネム化合物は、グラム陽性及びグラム陰性
の好気性菌や嫌気性菌に対する優れた抗菌作用を有し、
特に経口吸収されるための化学修飾の必要がなく、それ
自体で注射薬、経口薬両剤の開発が可能である点でも興
味ある化合物であるが、更にこれを修飾し、経口投与し
た場合の生体利用率を高めたペネム化合物とすることが
できれば、安全性および経済性の面から、より有利であ
る。 【0003】そこで、本発明者らは、前記式(IV)で表
させる化合物について、経口投与した場合の生体利用率
を高めることを目的として鋭意研究をした結果、当該ペ
ネム化合物の2位のカルボキシル基を特定のエステル誘
導体として得られる式(I) 【0004】 【化8】 [式中、Rは、基 【化9】 (ここで、R1は水素原子またはC1〜C6の直鎖もしく
は分岐鎖のアルキル基を、R2は、C1〜C6のアルキル
基、C1〜C6のアルケニル基、C6〜C10のアリール基
またはC7〜C11のアラルキル基を示し、それぞれの基
は、更にC1〜C6のアルキル基、C6〜C10のアリール
基、C7〜C11アラルキル基、水酸基、C1〜C6のアル
コキシ基、ハロゲン原子によって置換されていてもよ
く、nは1〜6の数を意味する)、基 【化10】 (ここで、R1及びR2は上記と同一の意味を有し、pは
1または2の数を意味する)、基 【化11】 (ここで、R1は前記した意味を有し、Yは酸素原子を
1個もしくは2個環内に有する5員環または6員環のヘ
テロ脂肪族基を示す)または 基−CH2−Z (ここで、Zは5−置換−2−オキソ−1,3−ジオキ
ソレン−4−イル基を示し、5位置換基はC1〜C6のア
ルキル基、C6〜C10のアリール基、C7〜C11のアラル
キル基を示し、この基は、更にC1〜C6のアルキル基ま
たはC6〜C10のアリール基、C7〜C11のアラルキル
基、水酸基、C1〜C6のアルコキシ基、ハロゲン原子に
よって置換されていてもよい)を示し、mは0または1
を示す]で表される化合物は、上記目的を達することの
できるものであることを見出し、先に特許出願した(W
O92/03442、WO92/03443及びWO9
2/03444号各公開公報参照)。 【0005】このペネム誘導体(I)の製造法として、
上記国際公開公報には、例えば、次式で示すように式
(IV)で表わされるペネム化合物をエステル化し、式
(I)で表わされる2位がエステル化されたカルボキシ
ル基をもつペネム誘導体を製造する方法が開示されてい
る。 【0006】 【化12】 【0007】しかしながら、式(IV)で表わされる化合
物を得るには、特開昭61−207387号及び特開昭
63−162694号公報に示されるように、例えば次
のような工程が必要である。 【0008】 【化13】【0009】従って、従来の方法によれば、式(II)で
表わされる化合物から式(I)で表わされる化合物を製
造するまでには、結局合わせて5工程を要しており、又
カルボキシル基は異なったエステル体となっているもの
を一旦遊離のカルボン酸とした後に改めてエステル化す
るという無駄な工程を含んでいることとなる。これらの
ことから、ペネム化合物(I)を工業的規模において生
産するためには、より工程が短く、しかも効率の良い製
造方法の開発が望まれている。 【0010】 【課題を解決するための手段】本発明者は、この問題を
解決し、工業的に有利なペネム化合物(I)の製造法を
開発すべく鋭意研究を重ねた結果、次の反応式に示すよ
うに式(II)で表わされる化合物から3工程で式(I)
で表わされる2位にエステル化されたカルボキシル基を
もつペネム誘導体に到達する反応工程を見出し、本発明
を確立するに至った。 【0011】 【化14】 【0012】すなわち本発明は、式(I) 【化15】で表わされるペネム誘導体の製造法であって、式(II) 【化16】 (式中、R'は、水酸基の保護基または水素原子を示
し、mは前記と同じ)で表わされるアゼチジノン化合物
を、式(III) 【化17】 (式中、Xはハロゲン原子を示し、Rは前記と同じ)で
表わされるシュウ酸モノエステルの酸ハロゲン化物と反
応させ、次いでこれを環化させることを特徴とする方法
である。 【0013】本発明方法の出発原料である、アゼチジノ
ン化合物(II)は、例えば、特開昭61−207387
号及び特開昭63−162694号公報に示す方法によ
り容易に得ることができる化合物である。また、他の出
発原料であるシュウ酸モノエステルの酸ハロゲン化物
(III)も既知の方法によって得られ、例えば、所望の
基Rを有するアルコールとオキザリルハライド、例えば
オキザリルクロライドの好ましくは1〜2モル当量とを
適当な溶媒中で反応させることにより製造できる化合物
である。 【0014】このシュウ酸モノエステルの酸ハロゲン化
物(III)は、アゼチジノン化合物(II)と効率よく反
応し、一般式(I)で表わされる目的化合物に所望のR
を導入できるものであり、当該化合物(III)の基Rの
例としては、テトラヒドロフリルカルボニルオキシメチ
ル基、テトラヒドロピラニルカルボニルオキシメチル
基、1,3−ジオキシソラニルカルボニルオキシメチル
基、2−オキソ−1,3−ジオキソラニルカルボニルオ
キシメチル基、1,4−ジオキサニルカルボニルオキシ
メチル基等及びこれらの光学活性体である(R)−2−
テトラヒドロフリルカルボニルオキシメチル基、(S)
−2−テトラヒドロフリルカルボニルオキシメチル基
等;(5−メチル−2−オキソ−1,3−ジオキソレン
−4−イル)メチル基、アセチルオキシメチル基、1−
(アセチルオキシ)エチル基、ピバロイルオキシメチル
基、1−(エトキシカルボニルオキシ)エチル基、1−
(イソプロピルオキシカルボニルオキシ)エチル基、1
−(シクロヘキシルオキシカルボニルオキシ)基、3−
フタリジル基等が挙げられ、また、そのXで表わされる
ハロゲンとしては、塩素、臭素、ヨウ素である化合物が
例示される。 【0015】本発明方法を実施するには、まず、アゼチ
ジノン化合物(II)とシュウ酸モノエステルの酸ハロゲ
ン化物(III)とを、適当な溶媒中、塩基の存在下反応
させ、次の式(V) 【化18】 (式中、R、R'及びmは前記と同じ)で表される化合
物を収得する。 【0016】この反応において、シュウ酸モノエステル
の酸ハロゲン化物(III)は、アゼチジノン化合物(I
I)に対し、好ましくは、1〜2モル当量用いれば良
い。 【0017】また、ここで用いられる溶媒は、適宜選択
すればよいが、好ましくは、非プロトン性有機溶媒、例
えば、テトラヒドロフラン、酢酸エチル、ハロゲン化炭
化水素(例えばジクロロメタン又はクロロホルム)又は
芳香族炭化水素(例えば、トルエン又はキシレン)が挙
げられ、これらは単独で使用するか、又は2種以上混合
して用いられる。 【0018】更に、塩基としては、例えば、トリエチル
アミンやジイソプロピルエチルアミンなどの有機塩基が
挙げられ、これは好ましくは、1.1〜2.2モル当量用
いられる。上記反応における反応温度は、好ましくは、
10℃以下、特に−10℃〜+5℃が好ましく、また、
反応時間は、用いるシュウ酸モノエステルの酸ハロゲン
化物(III)の種類によっても異なるが、好ましい反応
温度下においては数時間で良い。 【0019】目的とする化合物(V)は、例えば反応終
了後、反応混合物を水洗し、残った有機層を硫酸マグネ
シウム、硫酸ナトリウムなどの適当な乾燥剤で乾燥後、
濃縮することにより得られ、多くの場合は精製すること
なく次工程において使用できるが、場合によっては、カ
ラムクロマトグラフィー、再結晶法などの通常の方法に
より精製してから次工程で使用しても良い。 【0020】ついで得られた化合物(V)は環化反応に
付されるが、この反応は、例えば、化合物(V)と、好
ましくは3〜5モル当量の有機リン化合物を、適当な溶
媒中で加熱することにより行われる。 【0021】この環化反応で用いられる有機リン化合物
としては、トリエチルホスファイトのようなトリアルキ
ルホスファイトやトリフェニルホスフィンのようなトリ
アリールホスフィン等が挙げられる。 また当該反応で
使用される有機溶媒は、特に制限はなく、適宜選択すれ
ばよいが、好ましくは、キシレン、クロロベンゼンなど
の高沸点の溶媒が挙げられ、これらは単独で又は2種以
上混合して用いられる。 また、この反応の温度は、好
ましくは120℃〜150℃程度であり、加熱時間は、
好ましい反応温度下では3〜8時間でよい。 【0022】上記環化反応の目的化合物は次の式(I') 【化19】 (式中、R、R'及びmは前記と同じ)で表わされる化
合物であるが、これは環化反応の終了後に、例えば反応
混合物を減圧下濃縮して溶媒等を留去し、キシレン、酢
酸エチル、シクロヘキサンなどの適当な溶媒またはこれ
らの混合物に溶解して水洗し、残った有機層を硫酸ナト
リウムなどの適当な乾燥剤で乾燥後濃縮することにより
得られる。 【0023】このようにして得られた化合物(I')は、
出発原料(II)として、R'が水素原子であるものを利
用したときは、そのまま最終目的化合物(I)となる
が、その6位側鎖の水酸基が保護されている場合には、
更に、その水酸基保護基を除去する必要がある。 【0024】この脱保護反応は、上記の如くして得られ
た化合物(I')をそのまま用いても良いが、必要によ
り、カラムクロマトグラフィー、再結晶法などの通常の
方法による精製の後、脱保護反応をおこなっても良く、
高収率で化合物(I)を得ることができる。 【0025】保護基の除去法は、特に限定されず、例え
ば、特開昭61−207387号、特開昭63−162
694号公報等に記載された方法等の既知の方法によっ
ても実施することができる。 【0026】なお、水酸基保護基の除去は、化合物
(I')からの除去のみでなく、化合物(V)において除
去してもよい。 【0027】最終目的化合物(I)は、例えば上記の反
応終了後、反応混合物を水および炭酸水素ナトリウム水
溶液で洗浄し、残った有機層を硫酸ナトリウムなどの適
当な乾燥剤で乾燥後に濃縮し、溶媒を留去することによ
り得られ、必要に応じ、カラムクロマトグラフィー、再
結晶法などの通常の方法により精製した後、医薬として
利用される。 【0028】以上の各工程においては、本製造法の一般
的手法を記述したが、これらが光学活性体の合成にも全
く同じように使用できることはいうまでもなく、又、化
合物(II)として、2位側鎖についてdl化合物を用い
た場合には、再結晶、カラムクロマトグラフィー、分取
薄層クロマトグラフィーなどにより光学分割も可能であ
る。 【0029】 【実施例】以下、実施例により、本発明をさらに具体的
に説明するが、本発明はこれら実施例により何等限定さ
れるものではない。 【0030】実 施 例 1 4−ホルミルオキシメチル−5−メチル−1,3−ジオ
キソール−2−オンの合成:4−クロロメチル−5−メ
チル−1,3−ジオキソール−2−オン 149.4g
(0.75モル)、ギ酸カリウム 94.5g(1.13モ
ル)、ヨウ化カリウム12.0g(0.075モル)、炭
酸水素ナトリウム 18.0g(0.15モル)およびジ
メチルホルムアミド 600mlの混合物を、60℃で
5時間加熱撹拌後、反応混合物に酢酸エチル及び水を加
えて有機層を分離した。 有機層を食塩水で洗浄し、無
水硫酸マグネシウムで乾燥後、減圧下に溶媒を留去し
た。 残渣を減圧蒸留に付し、bp 114〜126℃
(1.9−0.6mmHg)の留分を集めて標記物質 7
7.0g(65.0%)を得た。 【0031】IR(CHCl3)cm-1:1821(ジ
オキソロン C=O)、1736(ホルミル C=O) NMR(CDCl3/TMS)δ(ppm):2.19
(3H,s,5位メチル), 4.93(2H,s,4位メチ
レン),8.09(1H,s,−CO). 【0032】実 施 例 2 4−ヒドロキシメチル−5−メチル−1,3−ジオキソ
ール−2−オンの合成:実施例1で得た4−ホルミルオ
キシメチル−5−メチル−1,3−ジオキソール−2−
オン 39.0g(1.58モル)をメタノール 300m
lに溶解し、3時間加熱還流した。 減圧下に溶媒を留
去後、残渣を減圧蒸留に付し、bp 116〜118℃
(0.09mmHg以下)の留分を集めて標記化合物 2
3.8g(74.2%)を得た。 【0033】IR(CHCl3)cm-1:3492(−
OH),1802(ジオキソロン C=0). NMR(CDCl3/TMS)δ(ppm):2.14
(3H,s,5位メチル), 2.84(1H,s,−O),
4.41(2H,s,4位メチレン). 【0034】実 施 例 3 (5−メチル−2−オキソ−1,3−ジオキソレン−4
−イル)メトキサリルクロリドの合成:オキザリルクロ
リド7.8ml(88ミリモル)をジクロロメタン5m
lに溶解した溶液中に、実施例2で得た4−ヒドロキシ
メチル−5−メチル−1,3−ジオキソール−2−オン
10.4g(80ミルモル)をジクロロメタン 40ml
に溶解した溶液を、−5〜0℃で滴下した。 0℃で1
5分間撹拌後、溶媒、過剰のオキザリルクロリドを減圧
下留去し、標記化合物を含む油状物を得た。このものは
精製せずに次の反応に用いた。 【0035】NMR(CDCl3/TMS)δ(pp
m):2.24(3H,s,5位メチル), 5.11(2
H,s,4位メチレン). 【0036】実 施 例 4 (3S,4R)−3−[(R)−1−(tert−ブチルジ
メチルシリロキシ)エチル]−1−(5−メチル−2−
オキソ−1,3−ジオキソレン−4−イル) メトキサリ
ル−4−[(R)−2−テトラヒドロフロイルチオ]−
2−アゼチジノンの合成:実施例3で得た(5−メチル
−2−オキソ−1,3−ジオキソレン−4−イル)メト
キサリルクロリドおよび(3S,4R)−3−[(R)
−1−(tert−ブチルジメチルシリロキシ)エチル]−
4−[(R)−2−テトラヒドロフロイルチオ]−2−
アゼチジノン 19.2g(53ミリモル)をジクロロメ
タン 80mlに溶解し、この中にトリエチルアミン 1
1.7ml(84ミリモル)をジクロロメタン 40ml
に溶解した溶液を−5〜5℃で滴下した。 【0037】5℃で30分間撹拌後、ジクロロメタン
400mlを加え、飽和硫酸水素カリウム水溶液 15
0ml、水 150mlで1回ずつ洗浄した。 無水硫酸
マグネシウムで乾燥後、減圧下溶媒を留去し、標記化合
物を含む油状物 32.7gを得た。 このものは精製せ
ずに次の反応に用いた。 【0038】NMR(CDCl3/TMS)δ(pp
m):0.02(3H,s,−Si−Me), 0.08(3
H,s,−Si−Me),0.85(9H,s,−Si−t−
Bu),1.21(3H,d,J=6.5Hz,3位のエチル
のメチル),1.87−1.95(2H,m,テトラヒドロ
フラン環のメチレン),2.05−2.14(1H,m,テ
トラヒドロフラン環のメチレンの中の1H) 2.19(3H,s,ジオキソールのメチル),2.23−
2.31(1H,m,テトラヒドロフラン環のメチレンの
中の1H) 【0039】4.55(1H,t,J=7Hz,テトラヒド
ロフラン環のメチン),3.84−3.89(1H,m,テ
トラヒドロフラン環のメチレンの中の1H) 3.96−4.00(1H,m,テトラヒドロフラン環のメ
チレンの中の1H) 3.41(1H,dd,J=6.5,1.5Hz,3位のメチ
ン),4.33(1H,dq,J=6.5,6.5Hz,3位の
エチルのメチン),4.95(1H,d,J=15Hz,ジオ
キソールについたメチレン中の1H) 4.97(1H,d,J=15Hz,ジオキソールについた
メチレン中の1H) 5.86(1H,d,J=1.5Hz,4位のメチン). 【0040】実 施 例 5 (5−メチル−2−オキソ−1,3−ジオキソレン−4
−イル)メチル (5R,6S)−6−[(R)−1−
(tert−ブチルジメチルシリロキシ)エチル]−7−オ
キソ−3−[(R)−2−テトラヒドロフリル]−4−
チア−1−アザビシクロ[3.2.0]ヘプタ−2−エン
−2−カルボキシレートの合成:実施例4で得た(3
S,4R)−3−[(R)−1−(tert−ブチルジメチ
ルシリロキシ)エチル]−1−(5−メチル−2−オキ
ソ−1,3−ジオキソレン−4−イル)メトキサリル−
4−[(R)−2−テトラヒドロフロイルチオ]−2−
アゼチジノン 60.0g(0.11モル)にホスホン酸
トリエチル 56.8ml(0.33モル)、キシレン 6
00mlを加え、3時間45分加熱還流、冷却後、減圧
下溶媒を留去して、 標記化合物 28.1g(HPLC
の定量より)を含む結晶を得た(収率50%)。 【0041】mp: 93−94℃ IR(KBr)cm-1:1835(ジオキソロン C=
O), 1771(7位 C=O), 1710(2位エステ
ル C=O). NMR(CDCl3/TMS)δ(ppm):0.06
(3H,s,−Si−Me), 0.07(3H,s,−Si
Me),0.87(9H,s,−Si−t−Bu),1.2
4(3H,d,J=6Hz,6位エチルのメチル),1.79
−1.86(1H,m,テトラヒドロフラン環のメチレン
の中の1H) 1.94−2.06(2H,m,テトラヒドロフラン環のメ
チレン), 【0042】2.18(3H,s,ジオキソールのメチ
ル),2.41−2.48(1H,m,テトラヒドロフラン
環のメチレンの中の1H) 3.67(1H,dd,J=6,1.5Hz,6位のメチン),
3.84−3.89(1H,m,テトラヒドロフラン環のメ
チレンの中の1H) 3.96−4.00(1H,m,テトラヒドロフラン環のメ
チレンの中の1H) 4.15(1H,dq,J=6,6Hz,6位のエチルのメチ
ン),4.87(1H,d,J=14Hz,ジオキソールにつ
いたメチレン),4.99(1H,d,J=14Hz,ジオキ
ソールについたメチレン),5.33(1H,t,J=7H
z,テトラヒドロフラン環のメチン) 5.47(1H,d,J=1.5Hz,5位のメチン). 【0043】実 施 例 6 (5−メチル−2−オキソ−1,3−ジオキソレン−4
−イル)メチル (5R,6S)−6−[(R)−1−ヒ
ドロキシエチル]−7−オキソ−3−[(R)−2−テ
トラヒドロフリル]−4−チア−1−アザビシクロ
[3.2.0]ヘプタ−2−エン−2−カルボキシレート
の合成: 実施例5で得た(5−メチル−2−オキソ−1,3−ジ
オキソレン−4−イル)メチル (5R,6S)−6−
[(R)−1−(tert−ブチルジメチルシリロキシ)エ
チル]−7−オキソ−3−[(R)−2−テトラヒドロ
フリル]−4−チア−1−アザビシクロ[3.2.0]ヘ
プタ−2−エン−2−カルボキシレート5.0g(9.8
ミリモル)をテトラヒドロフラン 27mlに溶解し、
酢酸 3.52g(59ミリモル)およびテトラ−n−ブ
チルアンモニウムフルオリド 5.11g(20ミリモ
ル)を加え、室温で20時間撹拌した。 【0044】減圧下溶媒を留去した後、酢酸エチル 1
00mlを加え、水、飽和炭酸水素ナトリウム水溶液、
水で洗浄した。 無水硫酸ナトリウムで乾燥後、減圧下
溶媒を留去した。 残渣を酢酸エチル−ヘキサンより再
結晶し、mp125−130℃の無色結晶として標記化
合物 3.14g(81.0%)を得た。 【0045】IR(KBr)cm-1:3512(−O
H), 1840(ジオキソロン C=O), 1769(7
位C=O),1711(2位エステル C=O). NMR(CDCl3/TMS)δ(ppm):1.33
(3H,d,J=6.5Hz,6位エチルのメチル),1.7
8−1.86(1H,m,テトラヒドロフラン環のメチレ
ンの中の1H) 1.93−2.08(2H,m,テトラヒドロフラン環のメ
チレン),2.20(3H,s,ジオキソールのメチル),
2.41−2.48(1H,m,テトラヒドロフラン環のメ
チレンの中の1H) 2.95(1H,s,−O), 【0046】3.72(1H,dd,J=6.5,1.5Hz,
6位のメチン),3.84−3.89(1H,m,テトラヒ
ドロフラン環のメチレンの中の1H) 3.95−4.00(1H,m,テトラヒドロフラン環のメ
チレンの中の1H) 4.20(1H,dq,J=6.5,6.5Hz,6位のエチル
のメチン),4.97(2H,s,ジオキソールについたメ
チレン),5.30(1H,t,J=7Hz,テトラヒドロフ
ラン環のメチン) 5.51(1H,d,J=1.5Hz,5位のメチン). 【0047】 【発明の効果】本発明によれば、抗菌剤として有用なペ
ネム誘導体(I)の製造工程を従来方法よりも短縮する
ことができ、ペネム化合物のエステル体を一旦遊離のカ
ルボン酸とした後、改めてエステル化するといった無駄
な工程も必要としないので、ペネム誘導体(I)の製造
法として工業的に極めて優れたものである。 以 上
───────────────────────────────────────────────────── フロントページの続き (72)発明者 柴田 誠 大阪府三島郡島本町若山台1丁目1番1 号 サントリー株式会社生物医学研究所 内 (72)発明者 関内 和人 群馬県邑楽郡千代田町大字赤岩字くらか け2716番地1 サントリー株式会社千代 田医薬工場内 (72)発明者 岩浪 辰也 群馬県邑楽郡千代田町大字赤岩字くらか け2716番地1 サントリー株式会社千代 田医薬工場内 (72)発明者 水川 康正 群馬県邑楽郡千代田町大字赤岩字くらか け2716番地1 サントリー株式会社千代 田医薬工場内 (72)発明者 島 啓祐 群馬県邑楽郡千代田町大字赤岩字くらか け2716番地1 サントリー株式会社千代 田医薬工場内 (72)発明者 吉田 卓朗 群馬県邑楽郡千代田町大字赤岩字くらか け2716番地1 サントリー株式会社医薬 センター内 (72)発明者 岩田 裕光 大阪府高槻市南平台5−27−7 (56)参考文献 特開 昭63−162694(JP,A) 特開 昭62−61984(JP,A) 国際公開92/003442(WO,A1) 国際公開92/003443(WO,A1) 国際公開92/003444(WO,A1) 国際公開91/014691(WO,A1) (58)調査した分野(Int.Cl.7,DB名) C07D 499/88 CA(STN) REGISTRY(STN)

Claims (1)

  1. (57)【特許請求の範囲】 【請求項1】 式(1) 【化1】で表わされるペネム誘導体の製造法であって、式(2) 【化2】 (式中、R’は水素原子または水酸基の保護基を示す)
    で表わされる1モル当量のアゼチジノン化合物を、適当
    な溶媒中で1.1〜2.2モル当量の塩基の存在下、−1
    0℃〜+5℃で、式(3) 【化3】 (式中、Xはハロゲン原子を示す)で表わされる1〜2
    モル当量のシュウ酸モノエステルの酸ハロゲン化物と反
    応させ、次いでこれを環化させ、必要により水酸基の保
    護基を除去することを特徴とする方法。
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