JPH0713058B2 - 4―置換アゼチジノン誘導体の製造方法 - Google Patents

4―置換アゼチジノン誘導体の製造方法

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JPH0713058B2
JPH0713058B2 JP61315444A JP31544486A JPH0713058B2 JP H0713058 B2 JPH0713058 B2 JP H0713058B2 JP 61315444 A JP61315444 A JP 61315444A JP 31544486 A JP31544486 A JP 31544486A JP H0713058 B2 JPH0713058 B2 JP H0713058B2
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康弘 倉本
壽 清水
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日本レダリ−株式会社
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Description

【発明の詳細な説明】 本発明は、1−置換−2−オキソカルバペナム−3−カ
ルボン酸誘導体の製造法に関し、さらに詳しくは、カル
バペネム系抗生物質の重要な合成中間体である次式I 式中、R1は水素原子またはカルボキシ保護基を表わす、 で示される立体配置を有する(1R,5R,6S)−2−オキソ
−6−[(1R)−1−ヒドロキシエチル]−1−メチル
カルバペナム−3−カルボン酸誘導体の立体配置が高選
択的にコントロールされた製造方法に関する。
これまでに、種々の抗菌活性を目的として数多くのカル
バパネム系抗生物質が提案されてきており、例えば、イ
ミペネムに代表されるチエナマイシン系のカルバペネム
化合物には優れた抗菌作用があることが認められ、実際
の医薬品として上市されつつある化合物も散見される。
しかしながら、これら開発途上にあるカルバペネム系抗
生物質にあっては、生体内に投与された場合、腎デヒド
ロペプチダーゼによる分解不活性化に対する抵抗性が弱
く、そのため効果の優れたイミペネムに関する実際の製
品は、腎デヒドロペプチダーゼ(以下、DHPと略記す
る)阻害剤であるシラスタチンを配合したものとなって
いるというのが現状である。
最近に至り、DHPに対する抵抗性を改善したカルバペネ
ム系抗生物質として、カルバペネム骨格の1位にアルキ
ル基、例えばメチル基を導入した化合物が種々提案され
ている。このカルバペネム系抗生物質は基本的には次式
VIII 式中、Raは有機化合物残基を示す、 で示される構造を有するものであって、これら化合物は
下記反応式A 式中、Rbはエステル残基を表わす、 で示される方法により製造されている。
したがって式IXで示される化合物はこの一連のカルバペ
ネム系抗生物質VIIIの重要な出発化合物となるものであ
るが、従来この化合物の立体選択的な製造方法はあまり
詳細には検討されていない。
ところで従来の式IXで示される化合物の初期の製造は、
例えば下記反応式Bに示すルートで行なわれている。
式中、Rbはエステル残基を表わし、Rcは水酸基の保護基
を表わす。
すなわち、式XIで示されるアゼチジノンカルボン酸を出
発原料として、その3位置換基の水酸基を保護し、式XI
Iで示される化合物となし、ついで4位の酢酸エステル
基のα−炭素をメチル化し、式XIIIで示される化合物を
得、加水分解後増炭反応に付して式XVで示される化合物
となしたのち、目的とする式IXで示される化合物を得る
ものである。
上記反応式で示される製造法にあっては、特に式XIIの
化合物へのメチル基の導入に際して必然的にメチル基の
配位がα−,β−混合物となり、したがって立体選択的
な合成法とはいえず、そのため薬理効果が優れたもので
あるとされているβ−配位化合物の収率は良くないとい
う欠点を有している。そのうえ、原料となる式XIで示さ
れるアゼチジノンカルボン酸に関しても、所望の立体配
置を有する化合物を得るためには複雑な工程を要し、し
かも全合成工程での立体配置のコントロールもかなり困
難であるというのが現状である。
そこで本発明者らは、前記式IXで示される化合物のなか
で特に好ましい配置を有するものであるとされる前記式
Iで示される化合物の高選択的製造法を開発すべく検討
を行ない、その結果本発明を完成した。
しかして、本発明によれば、次式I 式中、R1は水素原子またはカルボキシ保護基を表わす、 で示される立体配置を有する(1R,5R,6S)−2−オキソ
−6−[(1R)−1−ヒドロキシエチル]−1−メチル
カルバペナム−3−カルボン酸誘導体を製造する方法で
あって、該方法は下記の工程: (a)次式II 式中、R2は水素原子、低級アルキル基、アリール基また
はアルアルキル基を表わす、 で示される3−アシル−1,3−チアゾリジン−2−チオ
ン化合物を塩基の存在下にスズ(II)トリフレートと反
応させ、続いて次式III 式中、R3は水酸基の保護基を表わし、Lは低級アルカノ
イルオキシ基、低級アルキルスルホニル基またはアリー
ルスルホニル基を表わす、 で示されるアゼチジノン化合物と反応させ、次式IV 式中、R2およびR3は前記定義のとおりである、 で示される化合物を得: (b)得られる式IVで示される化合物を、イミダゾール
の存在下に、次式 Mg(OOCCH2COOR4 式中、R4はカルボキシ保護基を表わす、 で示されるマグネシウムマロネート化合物と反応させ、
次式V 式中、R3およびR4は前記定義のとおりである、 で示される化合物を得: (c)得られる式Vで示される化合物を、保護基R3の脱
離反応に付し、次式VI 式中、R4は前記定義のとおりである、 で示される化合物を得: (d)次いで得られる式VIで示される化合物を、塩基の
存在下にアジド化合物で処理し、次式VII 式中、R4は前記定義のとおりである、 で示されるジアゾ化合物を得: (e)得られる式VIIで示されるジアゾ化合物に対し
て、金属触媒の存在下に環化反応を行い、所望によりカ
ルボキシ保護基R4を除去する ことからなり、これにより式Iで示される立体配置を有
する化合物を高選択的コントロールされた状態で製造す
ることができる。
本発明はまた、特に式VIで示される(3S,4R)−3−
[(1R)−1−ヒドロキシエチル]−4−[(1R)−1
−メチル−3−カルボキシ−2−オキソプロピル]−ア
ゼチジン−2−オン誘導体、ならびにその高選択的に立
体配置がコントロールされた製造法にも関し、該方法
は、前記工程(a),(b)および(c)からなるもの
である。
本発明の特徴は、出発化合物として式IIIで示される化
合物にすでに望ましい立体配置が保持されたものを選択
し、その化合物に式IIで示される3−アシルチアゾリジ
ン−2−チオンを反応させることによりアゼチジノン骨
格の4位を立体選択的に固定された式IVで示される化合
物となし、このものから一気に重要な中間体である式VI
で示される化合物を経由し、目的とする式Iで示される
化合物(1R,5R,6S)−2−オキソ−6−[(1R)−1−
ヒドロキシエチル]−1−メチルカルバペナム−3−カ
ルボン酸誘導体へ誘導する点にある。
これら特定の立体配置を保持したままでのカルバペネム
系化合物の製造方法は従来なんら検討されておらず、し
たがって本発明は式Iで表わされる化合物の新規な高立
体選択的な製造方法を提供するものである。
本明細書において、「低級」なる語は、この語が付され
た基又は化合物の炭素原子数が1〜7個、好ましくは1
〜4個であることを意味する。
「低級アルキル基」は直鎖状又は分岐鎖状のいずれであ
ってもよく、好ましくは1〜6個の炭素原子を有するこ
とができ、例えばメチル、エチル、n−プロピル、イソ
プロピル、n−ブチル、イソブチル、sec−ブチル、ter
t−ブチル、n−ペンチル、イソペンチル、n−ヘキシ
ル、イソヘキシル基等が包含される。
「カルボキシル保護基」としては、例えばエステル残基
を例示することができ、かかるエステル残基としてはメ
チル、エチル、n−プロピル、イソプロピル、n−、is
o−、sec−、tert−ブチル、n−ヘキシルエステル等の
低級アルキルエステル残基;ベンジル、p−ニトロベン
ジル、o−ニトロベンジル、p−メトキシベンジル等の
アラアルキルエステル残基;アセトキシメチル、プロピ
オニルオキシメチル、n−、iso−、ブチリルオキシメ
チル、ピバロイルオキシメチル等の低級脂肪族アシルオ
キシメチル残基等が挙げられる。
「アリール基」は単環式又は多環式のいずれであっても
よく、さらに環上に1個もしくはそれ以上の低級アルキ
ル基を有してもよく、例えば、フエニル、トリル、キシ
リル、α−ナフチル、β−ナフチル、ビフエニリル基等
が包含される。
「アラルキル基」はアルキル基が上記低級アルキル基で
あり且つアリール基が上記の意味を有するアリール置換
アルキル基であり、具体的には、ベンジル、フエネチ
ル、α−メチルベンジル、フエニルプロピル、ナフチル
メチル基等を例示することができる。
さらに「水酸基の保護基」としては、例えばトリメチル
シリル、トリエチルシリル、tert−ブチルジメチルシリ
ル、ジフエニル−tert−ブチルシリル等のシリル基;ベ
ンジルオキシカルボニル基;p−ニトロベンジルオキシカ
ルボニル、o−ニトロベンジルオキシカルボニル等の置
換ベンジルオキシカルボニル基;その他通常使用される
水酸基の保護基が挙げられる。
また、「低級アルカノイルオキシ基」は低級アルキル部
分が前記の意味を有する低級アルキル であり、例えば、アセトキシ、プロピオニルオキシ、ブ
チリルオキシ基等が挙げられ、「アリールスルホニル
基」はアリール部分が前記の意味を有するアリール−SO
2−基であり、例えば、ベンゼンスルホニル、トリルス
ルホニル、ナフチルスルホニル基等が包含され、「低級
アルキルスルホニル基」は低級アルキル部分が前記の意
味を有する低級アルキル−SO2−基であり、具体的には
メタンスルホニル、エタンスルホニル、プロパンスルホ
ニル基等が例示される。
次に本発明の高立体選択的製造方法を各工程を説明する
ことにより更に詳しく説明する。
工程(a)は、式IIのN−アシル−1,3−チアゾリジン
−2−チオン誘導体を、塩基の存在下にスズ(II)トリ
フレートと反応させてエノレートを生成させ、次いでこ
れに式IIIの化合物を反応させて、式IVのアゼチジン−
2−オン誘導体を製造することからなる。
上記の式IIのN−アシル−1,3−チアゾリジン−2−チ
オン誘導体のスズ(II)トリフレートによるエノール化
反応は、通常反応に不活性な溶媒中、例えば、ジエチル
エーテル、テトラヒドロフラン等のエーテル類;トルエ
ン、キシレン、シクロヘキサン等の炭化水素類;ジクロ
ルメタン、クロロホルム等のハロゲン化炭化水素類な
ど、特にテトラヒドロフラン中で好適に実施することが
できる。
反応温度は厳密に制限されるものではなく、使用する出
発原料等に応じて広範に変えることができるが、一般に
は約−100℃ないしほぼ室温程度、好ましくは約−78℃
〜約0℃の比較的低温が使用される。
式IIの化合物に対するスズ(II)トリフレートの使用量
は臨界的なものではないが、通常、式IIの化合物1モル
に対するスズ(II)トリフレートは約1〜約2モル、好
ましくは1〜1.5モルの割合で使用することができる。
上記エノール化反応は塩基の条件下に実施され、使用し
うる塩基としては、例えば、トリエチルアミン、ジイソ
プロピルエチルアミン、1,4−ジアザビシクロ[2.2.2]
オクタン、N−メチルモルホリン、N−エチルピペリジ
ン、ピリジン等の第三級アミン等が挙げられ、中でもN
−エチルピペリジンが有利に用いられる。これらの塩基
は一般に式IIの化合物1モル当り約1.0〜約3当量、好
ましくは1.0〜2.0当量の割合で使用することができる。
上記エノール化反応は一般に約5分〜約4時間で終らせ
ることができ、これによってエノレートが得られる。
このエノール化反応に引続いてそのまま、生成するエノ
レートに前記式IIIの化合物を反応せしめることができ
る。
前記エノレートと式IIIの化合物との間のアルキル化反
応は一般に、約−100℃ないしほぼ室温、好ましくは約
−78℃〜約10℃の温度において実施することができる。
その際の式IIの化合物の使用量は臨界的ではなく適宜変
更することができるが、通常、前記エノール化反応に用
いた式IIの化合物1モル当り約0.5〜約5モル、好まし
くは0.5〜2モルの割合で用いるのが適当である。
かかる条件下に反応は一般に約5分〜約5時間、より一
般には5分〜約2時間程度で終了させることができる。
前述のエノール化反応及び上記アルキル化反応は、必須
ではないが、不活性雰囲気下、例えば窒素ガス、アルゴ
ンガス雰囲気下に実施するのが望ましい。
最後に反応生成物は水で処理される。例えば、反応終了
後、pH7付近の燐酸緩衝液を加え撹拌し、不溶物を別
したのち、式IVの化合物を常法により、例えば抽出、再
結晶、クロマトグラフイー等により分離精製することが
できる。
この工程(b)は、前記工程(a)で製造される式IVで
示されるアゼチジン−2−オン誘導体を、イミダゾール
の存在下に式(R3OOCH2CO22Mgで表わされるマグネシ
ウムマロネート化合物と反応させ、式Vで表わされる化
合物を得る工程である。
反応は好ましくは不活性有機溶媒中で行なわれ、例えば
エーテル、テトラヒドロフラン、ジオキサン等のエーテ
ル系溶媒;トルエン、キシレン、シクロヘキサン等の炭
化水素系溶媒;ジクロルメタン、クロロホルム等のハロ
ゲン化炭化水素系溶媒;アセトニトリル等などを挙げる
ことができるが、特にアセトニトリルが好適に使用され
る。
反応温度は厳密に制限されるものではなく、使用する出
発原料等に応じて広範に変えることができるが、一般に
は約0℃ないしほぼ100℃程度、好ましくは室温付近の
比較的低温が使用される。
式IVの化合物に対するマグネシウムマロネート化合物の
使用量はほぼ等モル量が使用され、反応は50時間程度、
好ましくは20時間程度で完了する。
なお、使用するマグネシウムマロネート化合物として
は、例えば、パラニトロベンジルマグネシウムマロネー
ト、ベンジルマグネシウムマロネート、メチルマグネシ
ウムマロネート等を挙げることができるが、なかでもパ
ラニトロベンジルマグネシウムマロネートを用いるのが
好ましい。
工程(c)は、工程(b)で得られる式Vの化合物にお
いてR3で示される水酸基の保護基を脱離させる工程であ
る。例えば、R3がt−ブチルジメチルシリル基のような
トリオルガノシリル基である保護基の除去は、式Vの化
合物をメタノール、エタノール、テトラヒトロフラン、
ジオキサンなどのような溶媒中で、塩酸、硫酸、酢酸な
どのような酸の存在下に、0〜100℃の温度で0.5〜18時
間酸性加水分解することにより実施することができる。
(上記「トリオルガノシリル基」は、より好ましくは低
級アルキル基、フエニル基及びフエニルアルキル基から
独立に選ばれる有機基で置換されたシリル基を包含す
る。) かかる工程により、目的とする式VIで表わされる化合物
を定量的に得ることができる。
工程(d)は工程(c)で得られる式VIで表わされる化
合物を、塩基の存在下に、前記工程(b)で述べたと同
様の不活性有機溶媒中でアジド化合物で処理し、目的と
する式VIIのジアゾ化合物を得る。
使用されるアジト化合物としては、例えば、p−カルボ
キシベンゼンスルホニルアジド、トルエンスルホニルア
ジド、メタンスルホニルアジド、ドデシルベンゼンスル
ホニルアジドなどを挙げることができ、また、塩基とし
ては、トリエチルアミン、ピリジン、ジエチルアミンな
どの塩基を例示することができる。
反応は、好ましくはトリエチルアミンの存在下アセトニ
トリル中で、p−トルエンスルホニルアジドを加え、0
〜100℃、好ましくは室温で1〜50時間処理することに
より行なうことができ、これによって高収率で目的とす
る式VIIのジアゾ化合物を得ることができる。
工程(e)は工程(d)で得られる式VIIのジアゾ化合
物を環化し、本発明の式Iで示される目的化合物とする
工程である。該工程は好適には、例えば式VIIの化合物
を、ベンゼン、トルエン、テトラヒドロフラン、シクロ
ヘキサン、酢酸エチル、ジクロルメタンなどのような不
活性溶媒中、好ましくはトルエン中で、25〜110℃の温
度において1〜5時間、ビス(アセチルアセトナト)Cu
(II)、CuSO4、銅粉末、Rh2(OCOCH3、ロジウムオ
クタノエートまたはPd(OCOCH3のような金属カルボ
キシレート化合物などの金属触媒の存在下で処理するこ
とにより実施される。一方別の方法として、上記環化工
程はまた式VIIの化合物を、ベンゼン、ジエチルエーテ
ルなどのような溶媒中で、0〜250℃の温度において0.5
〜2時間、パイレックスフイルター(波長は300nmより
大)を通して光を照射することにより実施することがで
きる。
また、得られる式Iの化合物においてR1がカルボキシル
保護基を有する化合物の脱保護は、次の目的とする工程
において容易に除去され、R1が水素原子である化合物を
得ることができる。
以上に述べた本発明の方法によれば、カルバペネム骨格
の1位がR配置のメチル基で置換され、これらに5位な
らびに6位がそれぞれR及びS配置であり、また6位の
ヒドロキシエチル基の水酸基がR配置を有する特定の立
体配置を有する式Iで示される化合物を高立体選択的に
製造することができ、従来の方法がラセミ体でしか製造
し得なかった点を考慮すると特に優れた製造方法という
ことができる。
かくして製造される本発明の式Iで示される(1R)−1
−置換−2−オキソカルバペネム−3−カルボン酸誘導
体は、優れた抗菌活性を有する2位にメルカプト置換分
を有する(1R)−1−置換カルバペネム−3−カルボン
酸誘導体へ誘導することができる。
以下に本発明を実施例により更に説明するが、本発明の
範囲はこれに限定するものではない。
なお、実施例中の記号は以下の意味を有する。
Ac:アセチル;Et:エチル PNB:パラニトロベンジル 実施例 1 スズトリフレート3.712gを窒素ガス気流下、無水テトラ
ヒドロフラン10mlに溶解し、0℃に冷却したのち、N−
エチルピペリジン1.3mlおよび化合物(2)1.2gの無水
テトラヒドロフラン7ml溶液を加え、同温度にて2時間
撹拌した。次いで化合物(1)1.42gの無水テトラヒド
ロフラン2ml溶液を加え、1時間撹拌する。反応終了
後、クロロホルム100mlを加え、10%クエン酸水溶液で
洗浄し、有機層をMgSO4にて乾燥し溶媒を留去する。残
留物をシリカゲルクロマト(溶出液:n−ヘキサン−酢酸
エチル=2〜1:1)により精製し、黄色固型物として化
合物(3)を1.93g(97%)得た。
NMR(δ,CDCl3):0.07(6H,s)、0.88(9H,s)、1.21
(3H,d)、1.26(3H,d)、3.30(1H,dd)、3.28(2H,
t)、3.94(1H,dd)、4.55(2H,t)、6.24(1H,bs)。
実施例 2 スズトリフレート57.0gを窒素ガス気流下、無水テトラ
ヒドロフラン164mlに溶解し、0℃に冷却したのち、N
−エチルピペリジン19.9mlおよび化合物(4)21.71gの
無水テトラヒドロフラン123ml溶液を加え、同温度にて
1.5時間撹拌した。次いで化合物(1)1.42gの無水テト
ラヒドロフラン123ml溶液を加え、1時間撹拌する。反
応終了後、クロロホルムを加え、10%クエン酸水溶液、
食塩水にて洗浄し、有機層をMgSO4にて乾燥し溶媒を留
去する。残留物をシリカゲルクロマト(溶出液:n−ヘキ
サン−酢酸エチル=2:1)により精製し、融点85.5〜86.
5℃の黄色固型物として化合物(4)を33.57g(98%)
得た。
NMR(δ,CDCl3):0.07(6H,s)、0.90(9H,s)、1.00
(3H,t)、1.23(3H,d)、1.26(3H,d)、2.90(1H,d
d)、3.50(1H,dd)、6.10(1H,bs)。
▲[α]25 D▼=+233.9゜(C=0.77,CHCl3) 実施例 3 実施例2で得た化合物(5)30.66gの無水アセトニトリ
ル740ml溶液に、イミダゾール12.13gを加え、窒素ガス
気流、室温下に5.5時間撹拌した。次いでMg(O2CCH2CO2
PNB)253.39gを加え、60℃にて一夜撹拌した。反応液を
200mlまでに減圧濃縮し、酢酸エチル1を加え、有機
層を1N−HCl水溶液、5%NaHCO3水溶液ならびに食塩水
にて順次洗浄し、MgSO4で乾燥した。溶媒を留去し、残
留物をシリカゲル800gを用いたカラムクロマトにて精製
し、無色油状物として化合物(6)37.47gを得た。
NMR(δ,CDCl3):0.06(6H,s)、0.87(9H,s)、1.16
(3H,d)、1.20(3H,d)、3.63(2H,s)、5.27(2H,
s)、5.92(1H,bs)、7.56,8.24(4H芳香環プロト
ン)。
本品は更に精製することなく、次の実施例4に使用し
た。
実施例 4 実施例3で得た化合物(6)37.47gのメタノール392ml
溶液に、C−HCl19.6mlを加え、室温にて1.5時間撹拌し
た。次いで反応液を約100mlまで減圧濃縮し、酢酸エチ
ル800mlを加え、水、食塩水にて洗浄し、MgSO4乾燥し
た。溶媒を減圧留去し、無色油状物として化合物(7)
を得た。
NMR(δ,CDCl3):1.25(3H,d)、1.30(3H,d)、2.90
(2H,m)、3.65(2H,s)、3.83(1H,m)、4.15(1H,
m)、5.27(2H,s)、6.03(1H,bs)、7.55,8.27(4H芳
香環プロトン)。
次いで上記化合物(7)をそのまま無水アセトニトリル
408mlに溶解し、ドデシルベンゼンスルホニルアジド36.
31gおよびトリエチルアミン13.8mlを加え、室温にて20
分間撹拌し、溶媒を留去する。残留物をシリカゲル800g
を用いたカラムクロマト(溶出液:クロロホルム−アセ
トン=2:1)にて精製し、無色油状物として化合物
(8)21.57g(実施例2,3および4の全収率として69.4
%)を得た。
IR(CHCl3)cm-1:2150、1750、1720、1650 NMR(δ,CDCl3):1.23(3H,d)、1.30(3H,d)、2.92
(1H,m)、3.50〜4.30(3H,m)、5.38(2H,s)、6.40
(1H,bs)、7.57、8.30(4H,芳香環プロトン) ▲21 D▼=−41.6゜(C=3.1,CH2Cl2) 実施例 5 実施例4で得た化合物(8)21.57gを酢酸エチル134ml
に溶解し、ロジウムオクタノエート0.065gを加え、80℃
にて0.5時間撹拌した。次いで溶媒を留去し、乾燥し、
化合物(9)を固型物として得た。
IR(CHCl3)cm-1:2950、2925、1860、1830 NMR(δ,CDCl3):1.22(3H,d,J=8.0Hz)、1.37(3H,d,
J=6.0Hz)、2.40(1H,bs)、2.83(1H,q,J=8.0Hz)、
3.28(1H,d,d)、4.00〜4.50(2H,m)、4.75(1H,s)、
5.28及び5.39(2H,ABq,J=12Hz)、7.58,8.24(4H,芳香
環プロトン)。
───────────────────────────────────────────────────── フロントページの続き (72)発明者 長瀬 祐之助 東京都練馬区西大泉3−2−7 (56)参考文献 特開 昭58−26887(JP,A) 特開 昭59−130884(JP,A) 特開 昭60−104088(JP,A) 特開 昭61−275267(JP,A)

Claims (2)

    【特許請求の範囲】
  1. 【請求項1】次式IV 式中、R2は水素原子、低級アルキル基、アリール基また
    はアルアルキル基を表わし、R3は水酸基の保護基を表わ
    す、 で示される化合物を、イミダゾールの存在下に、次式 Mg(OOCCH2COOR4 式中、R4はカルボキシ保護基を表わす、 で示されるマグネシウムマロネート化合物と反応させる
    ことを特徴とする次式V 式中、R3およびR4は前記定義のとおりである、 で示される化合物の製造方法。
  2. 【請求項2】(a)次式II 式中、R2は水素原子、低級アルキル基、アリール基また
    はアルアルキル基を表わす、 で示される3−アシル−1,3−チアゾリジン−2−チオ
    ン化合物を塩基の存在下にスズ(II)トリフレートと反
    応させ、続いて次式III 式中、R3は水酸基の保護基を表わし、Lは低級アルカノ
    イルオキシ基、低級アルキルスルホニル基またはアリー
    ルスルホニル基を表わす、 で示されるアゼチジノン化合物と反応させ、次式IV 式中、R2およびR3は前記定義のとおりである、 で示される化合物を得: (b)得られる式IVで示される化合物を、イミダゾール
    の存在下に、次式 Mg(OOCCH2COOR4 式中、R4はカルボキシ保護基を表わす、 で示されるマグネシウムマロネート化合物と反応させる
    ことを特徴とする次式V 式中、R3およびR4は前記定義のとおりである、 で示される化合物の製造方法。
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