JP3451770B2 - 水田作業機 - Google Patents
水田作業機Info
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- JP3451770B2 JP3451770B2 JP00686395A JP686395A JP3451770B2 JP 3451770 B2 JP3451770 B2 JP 3451770B2 JP 00686395 A JP00686395 A JP 00686395A JP 686395 A JP686395 A JP 686395A JP 3451770 B2 JP3451770 B2 JP 3451770B2
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Description
【発明の詳細な説明】
【0001】
【産業上の利用分野】この発明は、田植機や播種機など
の水田作業機に用いるものである。 【0002】 【従来の技術】水田作業機は、走行車体の左右に1対の
車輪を設け、これに苗植装置や播種装置などの作業装置
を装着して構成し、車輪が耕盤上で回転しているときに
作業装置が泥面に苗を移植したり種子を泥面から一定の
深さに散布するように出来ている。そして、耕盤に浅深
の変動があると、センサフロートからの信号で上下シリ
ンダが作業装置を上下に移動させてその泥面からの高さ
を一定範囲内に保ち、作業装置が左右方向に傾斜する
と、ローリングセンサからの信号でローリングシリンダ
が作業装置を左右に揺動させて水平に復元するようにな
っている。また、その作動に当り、単1のポンプが吐出
した油の流路に分流弁が設けられ、その油を上下シリン
ダとローリングシリンダとに常に一定の比率を流すよう
に出来ている。 【0003】 【発明が解決しようとする課題】耕盤が浅い所に来て作
業装置が泥面から上り過ぎると、苗が泥面に差し込まれ
ないで浮苗となって流失したり、種子が泥面上に散布さ
れて正常に発育しないおそれがある。この発明は、この
ようなとき、ポンプが吐出する油の総量を上下シリンダ
に送って作業装置を迅速に下降させ、そのおそれをすみ
やかに解消しようとするものである。 【0004】 【課題を解決するための手段】この発明は、上記の課題
を解決するため、左右1対の車輪9が水田の耕盤A上で
回転して前進する走行車体1に作業装置20が装着さ
れ、作業装置20を水田の泥面Bから上下に移動させる
上下シリンダ10と左右に揺動させるローリングシリン
ダ13が設けられ、後部の横軸16の回りに揺動しなが
ら泥面Bを滑走するセンサフロート14と作業装置20
の左右方向の傾斜を検出するローリングセンサ18を備
え、単一のポンプ24が吐出した油を一定の比率に分け
て上下シリンダ10とローリングシリンダ13に流す分
流路25aと上下シリンダ10のみに流す上下油路25
bとに選択できる切換弁25が設けられ、上下シリンダ
10に達する油路にセンサフロート14の上下動で作業
装置20を上下に移動させる上下弁26が設けられると
ともにローリングシリンダ13に達する油路にローリン
グセンサ18からの指令で作業装置20を左右に揺動さ
せるローリング弁27が設けられ、センサフロート14
の先端が下降して上下弁26が作業装置20を下降する
側に移動したときにのみポンプ24が吐出した油を上下
シリンダ10のみに流す上下油路25bが選択されるよ
うに設けられている水田作業機とした。 【0005】 【作用】この発明を施した水田作業機は、上記のように
構成されるので、1対の車輪9が水田の耕盤A上で回転
して前進し、この前進中に作業装置20が泥土に苗の移
植や種子の散布を行なう。この作業中に車輪9が耕盤A
の浅深のある所に来ると、作業装置20の泥面からの高
さが上下に変化する。すると、センサフロート14の先
が上下に移動し、上下弁26が作動して上下シリンダ1
0内に油が流れて作業装置20を上下させ、その泥面B
からの高さが一定の範囲内に戻る。また、耕盤Aに左右
方向の浅深がある所に来ると、或は作業装置20の重心
が左右に移動すると、作業装置20が左右方向に傾斜す
る。すると、ローリングセンサ18が信号を発し、その
信号でローリング弁27が作動して油がローリングシリ
ンダ13内に流れて作業装置20の上記の傾斜が水平に
復元する。 【0006】このうち、車輪9が耕盤Aの浅い所に来て
センサフロート14の先端が下ったときだけ、切換弁2
5により単一のポンプ24が吐出した油が選択された上
下油路25bを通り、その総量が上下シリンダ10内に
流れる。 【0007】 【効果】以上のように、この発明によると、水田作業機
が耕盤Aの浅深で泥面Bから上下しても、その作業装置
20が横に傾斜しても、単一のポンプ24が吐出する油
でもって自動的に正常な状態に修正される。そして、そ
の修正に当り、泥面Bから上り過ぎた作業装置20を正
常な高さに下降させるときだけ、単一のポンプ24が吐
出した油の総量を上下シリンダ10内に送って行なうの
で、その下降が迅速となって不適切な作業状態がすみや
かに解消される。 【0008】 【実施例】つぎに、この発明の実施例を説明する。歩行
型の田植機が図1および図2のように構成されている。
その走行車体1はつぎのように構成される。主歯車箱2
の前後にエンジン3とパイプ状のフレーム4が固定さ
れ、その後部に植付ケース5が固定されている。フレー
ム4の後端が斜上に曲ってハンドルフレーム6となり、
その後端に2又状のハンドル7が固定されている。1対
のスリーブ2a,2aが主歯車箱2から左右に突出し、
それぞれにチエンケース8,8の先端の筒部8a,8a
が回動自在に取付けられている。耕盤A上で回転する1
対の車輪9,9がそのチエンケース8,8の後端に設け
られ、エンジン3の回転が主歯車箱2、スリーブ2a,
2a、筒部8a,8aおよびチエンケース8,8内を通
ってこれに伝わっている。 【0009】上下シリンダ10がフレーム4の上で主歯
車箱2に固定され、これから後に突出したピストンロッ
ド10aの後端が横杆11の中央に接続している。アー
ム8b,8bがそれぞれの筒部8a,8aから上に突出
し、右のアーム8bの上端と横杆11の右端がロッド1
2で連接されている。ローリングシリンダ13の前端が
左のアーム8bの上端に取付けられ、これから後に突出
したピストンロッド13aの後端が横杆11の左端に取
付けられている。 【0010】泥面Bを滑走するセンサフロート14がフ
レーム4の下腹部に配置され、その後部がレバー15の
先端の横軸16に、その回りに揺動するように取付けら
れている。センサフロート14の先端は、リンク17で
主歯車箱2に支えられている。重錘式のローリングセン
サ18の上端が前後方向の軸19で主歯車箱2の背面に
取付けられ、主歯車箱2に対して下端が左右方向に揺動
するように出来ている。 【0011】苗植装置20がつぎのように構成される。
後上りに傾斜した苗載台21がハンドルフレーム6の上
に配置され、下端部が苗受板22で支えられるようにし
てエンジン3の回転で左右に往復駆動されるようになっ
ている。この苗載台21の上に2枚のマット苗が横並び
に載せられる。1対の苗植杆23,23が植付ケース5
の両横に設けられ、それぞれの先端がエンジン3の回転
で上下に長い円形軌道で旋回し、下降の途中で苗受板2
2の苗取口22a,22aを通ってそれぞれのマット苗
を欠ぎ取り、下端でその苗を泥面Bに差し込む(移植す
る)ようになっている。 【0012】油圧回路がつぎのように構成されている。
図3のように、単1のポンプ24の先に切換弁25が設
けられ、これで2又に分れて上下シリンダ10とローリ
ングシリンダ13に達する間のそれぞれの油路に上下弁
26とローリング弁27が設けられている。そして、切
換弁25は、ばね28で右に引き寄せられて、左側の分
流路25aが選択され、ポンプ24が吐出した油を定め
られた比率で上下シリンダ10側とローリングシリンダ
13側とに分けて流し(分流弁)、ばね28に抗して左
に引き寄せると、右側の上下油路25bが選択されてポ
ンプ24が吐出した油の総量を上下シリンダ10側に流
すように出来ている。 【0013】上下弁26は、リンク29でセンサフロー
ト14の先端部に接続し、図3の位置が「中立」で、ポ
ンプ24が吐出した油をタンク30に戻し、上下シリン
ダ10内の油を閉じて苗植装置20と車輪9,9の間隔
を保つように出来ている(このとき、苗植装置20は泥
面Bからの高さが適正範囲内にあってセンサフロート1
4の姿勢が正常)。センサフロート14の先が上ると
(耕盤Aの深い所に来て苗植装置20が泥面Bに接
近)、上下弁26が右に移動して「上げ」となり、ポン
プ24が吐出した油を上下シリンダ10の前室(図3の
左室)に入れて後室の油をタンク30に戻し、ピストン
ロッド10aを後に突出させてアーム8b,8bを時計
方向に回し、車輪9,9を押し下げてフレーム4および
苗植装置20を泥面Bから高くする。これとは逆に、セ
ンサフロート14の先が下ると(耕盤Aの浅い所に来て
苗植装置20が泥面Bから上り過ぎたとき)、上下弁2
6が図3の位置から左に移動して「下げ」となり、ポン
プ24が吐出した油を上下シリンダ10の後室に入れて
前室の油をタンク30に戻し、ピストンロッド10aを
引き戻してアーム8a,8aを反時計方向に回し、車輪
9,9を引き上げて苗植装置20を泥面Bに近寄せる。 【0014】切換弁25がリンク31でセンサフロート
14に連結され、上下弁26が上記の「下げ」になった
とき、図3の位置から左に移動して上下油路25bが用
いられる(選択される)ように出来ている。なお、苗植
装置20が上記のように上下してこれの泥面Bからの高
さが適正になると、上下弁26が図3の「中立」の位置
に復帰する。 【0015】ローリング弁27は、リンク32でローリ
ングセンサ18に連結され、フレーム4および苗植装置
20が左右方向に水平なときは、図3の「中立」の位置
にあって、ポンプ24が吐出した油をタンク30に戻
し、ローリングシリンダ13内の油を閉じるようになっ
ている。左の車輪9が耕盤Aの深い所に来ると(右の車
輪9が浅い所に来ると)、フレーム4や苗植装置20が
左下りに傾斜する。すると、ローリングセンサ18の下
端が主歯車箱2に対して左に回動してローリング弁27
を左に押し、「左上げ」となって、ポンプ24が吐出し
た油をローリングシリンダ13の後室(右室)に入れて
前室の油をタンク30に戻し、ピストンロッド13aを
引き戻して左のアーム8aを時計方向に引き回し、左の
車輪9を押し下げてフレーム4や苗植装置20の左側を
押し上げ、上記の左下りの傾斜を水平に復元するように
出来ている。なお、フレーム4や苗植装置20が右下り
に傾斜したときは、ローリング弁27が右に引かれて
「右上げ」となる。 【0016】以上は、歩行型の田植機であるが、乗用型
においても同様に用いられる。すなわち、図4、図5お
よび図6のように、左右1対の車輪33,33が乗用型
の機台34の後部に設けられている。その支柱35に平
行リンク36,36の前端が取付けられ、機台34に取
付けられた上下シリンダ10からピストンロッド10a
が上に伸びてその突端が上のリンク36に接続し、この
ピストンロッド10aの出没で平行リンク36,36が
揺動して後部の取付枠37が上下に移動するように出来
ている。 【0017】苗植装置38がつぎのように構成されてい
る。歯車箱39が前後方向のローリング軸40でその回
りに揺動するように取付枠37の下部に取付けられてい
る。左右1対の支杆41,41が歯車箱39から上に伸
び、その上で、左右に往復駆動される苗載台42の腹部
の上端を支えている。泥面を滑走するセンサフロート1
4が歯車箱39の下に配置されて後部の横軸16回りに
揺動するように取付けられている。苗植杆43,43…
…が苗載台42の後で旋回して苗を移植するように出来
ている。 【0018】ローリングシリンダ13が取付枠37に横
向に設けられ、これから突出したピストンロッド13a
が出没すると、アーム44が前後方向の軸45の回りに
揺動するように出来ている。アーム44の先端と支杆4
1,41との間にばね46,46が設けられる。電子式
のローリングセンサ18が歯車箱39に取付けられてそ
の左右方向の傾斜を検出するように構成されている。こ
の場合、ローリング弁27は、電磁弁で構成する。そし
て、油圧回路は、図3と同じように構成する。 【0019】以上のように、歩行型の田植機は、走行車
体1と苗植装置20が1体的に構成されるが、乗用型の
田植機は、苗植装置38が走行車体に対して独立して平
行リンク36,36で上下するとともにローリング軸4
0の回りに揺動する。従って、乗用型においては、上下
シリンダ10とローリングシリンダ13が苗植装置38
のみを上下に移動させ、左右に揺動させる。その作用
は、前記とほとんど同様で、説明の重複を避けるために
記載を省略する。 【0020】図7、図8および図9のように、分流弁
(分流路25a)を用いないで安価に構成することがで
きる。以下、図1、図2および図3に示したものと構成
が異なる点について説明する。ポンプ24が吐出した油
が分流弁を用いないで2路に分けて上下弁26とローリ
ング弁27に流れるように設けられている。上下弁26
とローリング弁27が「中立」のとき、ポンプ24が吐
出した油は、リリーフバルブ47からタンク30に戻る
ようになっている。ピン48をローリングセンサ18か
ら後に突出し、センサフロート14の上面に規正板49
を設け、そのダイヤモンド形の規正穴49a内にピン4
8を位置させる。そして、センサフロート14が正常な
姿勢のときは、ピン48が規正穴49aの中央部にあっ
てローリングセンサ18が軸19の回りに揺動し、ロー
リング弁27を作動するが、センサフロート14の先端
が上下に移動すると、ピン48が規正穴49aの上下の
山と谷で導かれてローリングセンサ18が中央で固定さ
れるように設ける。すると、上下弁26が作動したと
き、ローリング弁27が「中立」に位置し、ポンプ24
から吐出した油の総量が上下シリンダ10に流れる。す
なわち、通常上下シリンダ10とローリングシリンダ1
3に分流弁で7対3の比率で油を供給するように構成す
るが、上記のように構成すると、ポンプ24の容量を7
0%のものに小型化できる。 【0021】また、図10のように、上下シリンダ10
の径をローリングシリンダ13の径よりも大きくしてそ
のピストンロッド10aがピストンロッド13aよりも
低い圧力で移動するように構成することができる。する
と、分流弁を用いないで、油が低圧の上下シリンダ10
内に優先的に供給されて、苗植装置20の上下方向の変
動がその左右方向の傾斜よりも先に修正される。
の水田作業機に用いるものである。 【0002】 【従来の技術】水田作業機は、走行車体の左右に1対の
車輪を設け、これに苗植装置や播種装置などの作業装置
を装着して構成し、車輪が耕盤上で回転しているときに
作業装置が泥面に苗を移植したり種子を泥面から一定の
深さに散布するように出来ている。そして、耕盤に浅深
の変動があると、センサフロートからの信号で上下シリ
ンダが作業装置を上下に移動させてその泥面からの高さ
を一定範囲内に保ち、作業装置が左右方向に傾斜する
と、ローリングセンサからの信号でローリングシリンダ
が作業装置を左右に揺動させて水平に復元するようにな
っている。また、その作動に当り、単1のポンプが吐出
した油の流路に分流弁が設けられ、その油を上下シリン
ダとローリングシリンダとに常に一定の比率を流すよう
に出来ている。 【0003】 【発明が解決しようとする課題】耕盤が浅い所に来て作
業装置が泥面から上り過ぎると、苗が泥面に差し込まれ
ないで浮苗となって流失したり、種子が泥面上に散布さ
れて正常に発育しないおそれがある。この発明は、この
ようなとき、ポンプが吐出する油の総量を上下シリンダ
に送って作業装置を迅速に下降させ、そのおそれをすみ
やかに解消しようとするものである。 【0004】 【課題を解決するための手段】この発明は、上記の課題
を解決するため、左右1対の車輪9が水田の耕盤A上で
回転して前進する走行車体1に作業装置20が装着さ
れ、作業装置20を水田の泥面Bから上下に移動させる
上下シリンダ10と左右に揺動させるローリングシリン
ダ13が設けられ、後部の横軸16の回りに揺動しなが
ら泥面Bを滑走するセンサフロート14と作業装置20
の左右方向の傾斜を検出するローリングセンサ18を備
え、単一のポンプ24が吐出した油を一定の比率に分け
て上下シリンダ10とローリングシリンダ13に流す分
流路25aと上下シリンダ10のみに流す上下油路25
bとに選択できる切換弁25が設けられ、上下シリンダ
10に達する油路にセンサフロート14の上下動で作業
装置20を上下に移動させる上下弁26が設けられると
ともにローリングシリンダ13に達する油路にローリン
グセンサ18からの指令で作業装置20を左右に揺動さ
せるローリング弁27が設けられ、センサフロート14
の先端が下降して上下弁26が作業装置20を下降する
側に移動したときにのみポンプ24が吐出した油を上下
シリンダ10のみに流す上下油路25bが選択されるよ
うに設けられている水田作業機とした。 【0005】 【作用】この発明を施した水田作業機は、上記のように
構成されるので、1対の車輪9が水田の耕盤A上で回転
して前進し、この前進中に作業装置20が泥土に苗の移
植や種子の散布を行なう。この作業中に車輪9が耕盤A
の浅深のある所に来ると、作業装置20の泥面からの高
さが上下に変化する。すると、センサフロート14の先
が上下に移動し、上下弁26が作動して上下シリンダ1
0内に油が流れて作業装置20を上下させ、その泥面B
からの高さが一定の範囲内に戻る。また、耕盤Aに左右
方向の浅深がある所に来ると、或は作業装置20の重心
が左右に移動すると、作業装置20が左右方向に傾斜す
る。すると、ローリングセンサ18が信号を発し、その
信号でローリング弁27が作動して油がローリングシリ
ンダ13内に流れて作業装置20の上記の傾斜が水平に
復元する。 【0006】このうち、車輪9が耕盤Aの浅い所に来て
センサフロート14の先端が下ったときだけ、切換弁2
5により単一のポンプ24が吐出した油が選択された上
下油路25bを通り、その総量が上下シリンダ10内に
流れる。 【0007】 【効果】以上のように、この発明によると、水田作業機
が耕盤Aの浅深で泥面Bから上下しても、その作業装置
20が横に傾斜しても、単一のポンプ24が吐出する油
でもって自動的に正常な状態に修正される。そして、そ
の修正に当り、泥面Bから上り過ぎた作業装置20を正
常な高さに下降させるときだけ、単一のポンプ24が吐
出した油の総量を上下シリンダ10内に送って行なうの
で、その下降が迅速となって不適切な作業状態がすみや
かに解消される。 【0008】 【実施例】つぎに、この発明の実施例を説明する。歩行
型の田植機が図1および図2のように構成されている。
その走行車体1はつぎのように構成される。主歯車箱2
の前後にエンジン3とパイプ状のフレーム4が固定さ
れ、その後部に植付ケース5が固定されている。フレー
ム4の後端が斜上に曲ってハンドルフレーム6となり、
その後端に2又状のハンドル7が固定されている。1対
のスリーブ2a,2aが主歯車箱2から左右に突出し、
それぞれにチエンケース8,8の先端の筒部8a,8a
が回動自在に取付けられている。耕盤A上で回転する1
対の車輪9,9がそのチエンケース8,8の後端に設け
られ、エンジン3の回転が主歯車箱2、スリーブ2a,
2a、筒部8a,8aおよびチエンケース8,8内を通
ってこれに伝わっている。 【0009】上下シリンダ10がフレーム4の上で主歯
車箱2に固定され、これから後に突出したピストンロッ
ド10aの後端が横杆11の中央に接続している。アー
ム8b,8bがそれぞれの筒部8a,8aから上に突出
し、右のアーム8bの上端と横杆11の右端がロッド1
2で連接されている。ローリングシリンダ13の前端が
左のアーム8bの上端に取付けられ、これから後に突出
したピストンロッド13aの後端が横杆11の左端に取
付けられている。 【0010】泥面Bを滑走するセンサフロート14がフ
レーム4の下腹部に配置され、その後部がレバー15の
先端の横軸16に、その回りに揺動するように取付けら
れている。センサフロート14の先端は、リンク17で
主歯車箱2に支えられている。重錘式のローリングセン
サ18の上端が前後方向の軸19で主歯車箱2の背面に
取付けられ、主歯車箱2に対して下端が左右方向に揺動
するように出来ている。 【0011】苗植装置20がつぎのように構成される。
後上りに傾斜した苗載台21がハンドルフレーム6の上
に配置され、下端部が苗受板22で支えられるようにし
てエンジン3の回転で左右に往復駆動されるようになっ
ている。この苗載台21の上に2枚のマット苗が横並び
に載せられる。1対の苗植杆23,23が植付ケース5
の両横に設けられ、それぞれの先端がエンジン3の回転
で上下に長い円形軌道で旋回し、下降の途中で苗受板2
2の苗取口22a,22aを通ってそれぞれのマット苗
を欠ぎ取り、下端でその苗を泥面Bに差し込む(移植す
る)ようになっている。 【0012】油圧回路がつぎのように構成されている。
図3のように、単1のポンプ24の先に切換弁25が設
けられ、これで2又に分れて上下シリンダ10とローリ
ングシリンダ13に達する間のそれぞれの油路に上下弁
26とローリング弁27が設けられている。そして、切
換弁25は、ばね28で右に引き寄せられて、左側の分
流路25aが選択され、ポンプ24が吐出した油を定め
られた比率で上下シリンダ10側とローリングシリンダ
13側とに分けて流し(分流弁)、ばね28に抗して左
に引き寄せると、右側の上下油路25bが選択されてポ
ンプ24が吐出した油の総量を上下シリンダ10側に流
すように出来ている。 【0013】上下弁26は、リンク29でセンサフロー
ト14の先端部に接続し、図3の位置が「中立」で、ポ
ンプ24が吐出した油をタンク30に戻し、上下シリン
ダ10内の油を閉じて苗植装置20と車輪9,9の間隔
を保つように出来ている(このとき、苗植装置20は泥
面Bからの高さが適正範囲内にあってセンサフロート1
4の姿勢が正常)。センサフロート14の先が上ると
(耕盤Aの深い所に来て苗植装置20が泥面Bに接
近)、上下弁26が右に移動して「上げ」となり、ポン
プ24が吐出した油を上下シリンダ10の前室(図3の
左室)に入れて後室の油をタンク30に戻し、ピストン
ロッド10aを後に突出させてアーム8b,8bを時計
方向に回し、車輪9,9を押し下げてフレーム4および
苗植装置20を泥面Bから高くする。これとは逆に、セ
ンサフロート14の先が下ると(耕盤Aの浅い所に来て
苗植装置20が泥面Bから上り過ぎたとき)、上下弁2
6が図3の位置から左に移動して「下げ」となり、ポン
プ24が吐出した油を上下シリンダ10の後室に入れて
前室の油をタンク30に戻し、ピストンロッド10aを
引き戻してアーム8a,8aを反時計方向に回し、車輪
9,9を引き上げて苗植装置20を泥面Bに近寄せる。 【0014】切換弁25がリンク31でセンサフロート
14に連結され、上下弁26が上記の「下げ」になった
とき、図3の位置から左に移動して上下油路25bが用
いられる(選択される)ように出来ている。なお、苗植
装置20が上記のように上下してこれの泥面Bからの高
さが適正になると、上下弁26が図3の「中立」の位置
に復帰する。 【0015】ローリング弁27は、リンク32でローリ
ングセンサ18に連結され、フレーム4および苗植装置
20が左右方向に水平なときは、図3の「中立」の位置
にあって、ポンプ24が吐出した油をタンク30に戻
し、ローリングシリンダ13内の油を閉じるようになっ
ている。左の車輪9が耕盤Aの深い所に来ると(右の車
輪9が浅い所に来ると)、フレーム4や苗植装置20が
左下りに傾斜する。すると、ローリングセンサ18の下
端が主歯車箱2に対して左に回動してローリング弁27
を左に押し、「左上げ」となって、ポンプ24が吐出し
た油をローリングシリンダ13の後室(右室)に入れて
前室の油をタンク30に戻し、ピストンロッド13aを
引き戻して左のアーム8aを時計方向に引き回し、左の
車輪9を押し下げてフレーム4や苗植装置20の左側を
押し上げ、上記の左下りの傾斜を水平に復元するように
出来ている。なお、フレーム4や苗植装置20が右下り
に傾斜したときは、ローリング弁27が右に引かれて
「右上げ」となる。 【0016】以上は、歩行型の田植機であるが、乗用型
においても同様に用いられる。すなわち、図4、図5お
よび図6のように、左右1対の車輪33,33が乗用型
の機台34の後部に設けられている。その支柱35に平
行リンク36,36の前端が取付けられ、機台34に取
付けられた上下シリンダ10からピストンロッド10a
が上に伸びてその突端が上のリンク36に接続し、この
ピストンロッド10aの出没で平行リンク36,36が
揺動して後部の取付枠37が上下に移動するように出来
ている。 【0017】苗植装置38がつぎのように構成されてい
る。歯車箱39が前後方向のローリング軸40でその回
りに揺動するように取付枠37の下部に取付けられてい
る。左右1対の支杆41,41が歯車箱39から上に伸
び、その上で、左右に往復駆動される苗載台42の腹部
の上端を支えている。泥面を滑走するセンサフロート1
4が歯車箱39の下に配置されて後部の横軸16回りに
揺動するように取付けられている。苗植杆43,43…
…が苗載台42の後で旋回して苗を移植するように出来
ている。 【0018】ローリングシリンダ13が取付枠37に横
向に設けられ、これから突出したピストンロッド13a
が出没すると、アーム44が前後方向の軸45の回りに
揺動するように出来ている。アーム44の先端と支杆4
1,41との間にばね46,46が設けられる。電子式
のローリングセンサ18が歯車箱39に取付けられてそ
の左右方向の傾斜を検出するように構成されている。こ
の場合、ローリング弁27は、電磁弁で構成する。そし
て、油圧回路は、図3と同じように構成する。 【0019】以上のように、歩行型の田植機は、走行車
体1と苗植装置20が1体的に構成されるが、乗用型の
田植機は、苗植装置38が走行車体に対して独立して平
行リンク36,36で上下するとともにローリング軸4
0の回りに揺動する。従って、乗用型においては、上下
シリンダ10とローリングシリンダ13が苗植装置38
のみを上下に移動させ、左右に揺動させる。その作用
は、前記とほとんど同様で、説明の重複を避けるために
記載を省略する。 【0020】図7、図8および図9のように、分流弁
(分流路25a)を用いないで安価に構成することがで
きる。以下、図1、図2および図3に示したものと構成
が異なる点について説明する。ポンプ24が吐出した油
が分流弁を用いないで2路に分けて上下弁26とローリ
ング弁27に流れるように設けられている。上下弁26
とローリング弁27が「中立」のとき、ポンプ24が吐
出した油は、リリーフバルブ47からタンク30に戻る
ようになっている。ピン48をローリングセンサ18か
ら後に突出し、センサフロート14の上面に規正板49
を設け、そのダイヤモンド形の規正穴49a内にピン4
8を位置させる。そして、センサフロート14が正常な
姿勢のときは、ピン48が規正穴49aの中央部にあっ
てローリングセンサ18が軸19の回りに揺動し、ロー
リング弁27を作動するが、センサフロート14の先端
が上下に移動すると、ピン48が規正穴49aの上下の
山と谷で導かれてローリングセンサ18が中央で固定さ
れるように設ける。すると、上下弁26が作動したと
き、ローリング弁27が「中立」に位置し、ポンプ24
から吐出した油の総量が上下シリンダ10に流れる。す
なわち、通常上下シリンダ10とローリングシリンダ1
3に分流弁で7対3の比率で油を供給するように構成す
るが、上記のように構成すると、ポンプ24の容量を7
0%のものに小型化できる。 【0021】また、図10のように、上下シリンダ10
の径をローリングシリンダ13の径よりも大きくしてそ
のピストンロッド10aがピストンロッド13aよりも
低い圧力で移動するように構成することができる。する
と、分流弁を用いないで、油が低圧の上下シリンダ10
内に優先的に供給されて、苗植装置20の上下方向の変
動がその左右方向の傾斜よりも先に修正される。
【図面の簡単な説明】
【図1】この発明を施した水田作業機の側面図
【図2】その平面図
【図3】その油圧回路図
【図4】この発明を施した乗用型の水田作業機の1部の
側面図 【図5】その平面図 【図6】その1部の背面図 【図7】他の水田作業機の側面図 【図8】その1部の拡大した背面図 【図9】その油圧回路図 【図10】他の油圧回路図 【符号の説明】 1 走行車体 9 車輪 10 上下シリンダ 10a ピストンロッド 13 ローリングシリンダ 13a ピストンロッド 14 センサフロート 16 横軸 18 ローリングセンサ 20 作業装置(苗植装置) 24 ポンプ25 切換弁 25a 分流路 25b 上下油路 26 上下弁 27 ローリング弁 A 耕盤 B 泥面
側面図 【図5】その平面図 【図6】その1部の背面図 【図7】他の水田作業機の側面図 【図8】その1部の拡大した背面図 【図9】その油圧回路図 【図10】他の油圧回路図 【符号の説明】 1 走行車体 9 車輪 10 上下シリンダ 10a ピストンロッド 13 ローリングシリンダ 13a ピストンロッド 14 センサフロート 16 横軸 18 ローリングセンサ 20 作業装置(苗植装置) 24 ポンプ25 切換弁 25a 分流路 25b 上下油路 26 上下弁 27 ローリング弁 A 耕盤 B 泥面
Claims (1)
- (57)【特許請求の範囲】 【請求項1】 左右1対の車輪9が水田の耕盤A上で回
転して前進する走行車体1に作業装置20が装着され、
作業装置20を水田の泥面Bから上下に移動させる上下
シリンダ10と左右に揺動させるローリングシリンダ1
3が設けられ、後部の横軸16の回りに揺動しながら泥
面Bを滑走するセンサフロート14と作業装置20の左
右方向の傾斜を検出するローリングセンサ18を備え、
単一のポンプ24が吐出した油を一定の比率に分けて上
下シリンダ10とローリングシリンダ13に流す分流路
25aと上下シリンダ10のみに流す上下油路25bと
に選択できる切換弁25が設けられ、上下シリンダ10
に達する油路にセンサフロート14の上下動で作業装置
20を上下に移動させる上下弁26が設けられるととも
にローリングシリンダ13に達する油路にローリングセ
ンサ18からの指令で作業装置20を左右に揺動させる
ローリング弁27が設けられ、センサフロート14の先
端が下降して上下弁26が作業装置20を下降する側に
移動したときにのみポンプ24が吐出した油を上下シリ
ンダ10のみに流す上下油路25bが選択されるように
設けられている水田作業機。
Priority Applications (1)
Application Number | Priority Date | Filing Date | Title |
---|---|---|---|
JP00686395A JP3451770B2 (ja) | 1995-01-20 | 1995-01-20 | 水田作業機 |
Applications Claiming Priority (1)
Application Number | Priority Date | Filing Date | Title |
---|---|---|---|
JP00686395A JP3451770B2 (ja) | 1995-01-20 | 1995-01-20 | 水田作業機 |
Publications (2)
Publication Number | Publication Date |
---|---|
JPH08196115A JPH08196115A (ja) | 1996-08-06 |
JP3451770B2 true JP3451770B2 (ja) | 2003-09-29 |
Family
ID=11650089
Family Applications (1)
Application Number | Title | Priority Date | Filing Date |
---|---|---|---|
JP00686395A Expired - Fee Related JP3451770B2 (ja) | 1995-01-20 | 1995-01-20 | 水田作業機 |
Country Status (1)
Country | Link |
---|---|
JP (1) | JP3451770B2 (ja) |
-
1995
- 1995-01-20 JP JP00686395A patent/JP3451770B2/ja not_active Expired - Fee Related
Also Published As
Publication number | Publication date |
---|---|
JPH08196115A (ja) | 1996-08-06 |
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