JP3451380B2 - 半導体装置の製造方法 - Google Patents

半導体装置の製造方法

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Description

【発明の詳細な説明】
【0001】
【産業上の利用分野】本発明は、フッ化ケイ素ガスを用
いてプラズマCVD法により形成されたSi酸化膜を備
える半導体装置の製造方法に関する。
【0002】
【従来の技術】LSI,超LSIに使用される絶縁膜に
は、キャパシタ絶縁膜、層間絶縁膜、パッシベーション
膜が挙げられる。これらの内層間絶縁膜は、SiH4
2 又はN2 Oを用いたプラズマCVD法により形成さ
れることが多い。これは、プラズマCVD法が、絶縁膜
にピンホール,クラック等の欠陥を発生させ難いからで
ある。
【0003】
【発明が解決しようとする課題】しかしながら、SiH
4 はO2 又はN2 Oとの反応性が強く、混合されただけ
で爆発的に反応する。プラズマにより活性化されている
場合は更に反応し易く、プラズマCVD法によりSi酸
化膜を形成する場合に、Si酸化膜が形成されるチャン
バ内壁のように半導体上以外の部分に反応物が堆積す
る。この堆積物がパーティクル発生の原因となり、半導
体装置の品質を低下させるという問題があった。また、
パーティクルによる半導体装置の品質低下を下止するた
めに、チャンバ内のクリーニングを頻繁に行う必要があ
り、このため、装置の稼働率が悪化して半導体製造の歩
留りが減少するという問題があった。
【0004】これを解決するために、SiH4 よりも反
応性が弱いフッ化ケイ素ガスを用いてSi酸化膜を形成
する方法が考えられている(J. Appl. Phys. 64(8),15
Oct.1988)。この方法は、原料ガスとしてSi2 6
2 及びSi2 6 を用いて光CVD法により成膜す
る。これにより、反応性は若干弱くなり、チャンバ内壁
に付着する反応物は減少するが、Si2 6 及びO2
けでは成膜しないために、反応性が強いSi2 6 を用
いなければならず、やはり強い反応がおこるという問題
があった。
【0005】また、層間絶縁膜形成には平坦化特性が重
要であるが、配線間が 0.5μm以下の微細なパターンを
覆って層間絶縁膜を形成する場合には、配線のエッジ部
分に堆積した絶縁膜で配線間が覆われ、絶縁膜が配線間
に充分に入り込まずに空間を生じたような欠陥、所謂ボ
イド欠陥が発生し、平坦化特性を悪化させるという問題
があった。
【0006】また、近年特にLSIの高速化を図ること
を目的とし、Al配線を伝わる信号の時定数を小さくす
るために、Al配線の層間絶縁膜、パッシベーション膜
に比誘電率が低いSi酸化膜を用いることが要望されて
いる。SiH4 及びO2 ,SiH4 及びN2 O, 又はT
EOS,O3 及びO2 等を用いた、従来の光CVD法,
熱CVD法,プラズマCVD法等のような酸化膜CVD
法では、Si酸化膜の比誘電率は 3.8以上となり、LS
Iの高速化を妨げる要因であった。この比誘電率の値は
Si酸化中のOH基含有量に因り、上記Si酸化膜中に
はOH基含有量が多いため、比誘電率が大きな値となっ
ている。
【0007】また、アルコキシフルオロシランを主成分
とする原料ガスを用い、熱CVD法によりフッ素を含ん
だシリコン酸化膜を用いることが提案されている(特開
平4−239750号公報)。この膜の比誘電率は 3.7であ
り、従来から1割未満の減少に留まっている。この比誘
電率は成膜温度により変動するが、この膜中にはOH基
が含まれるので、層間絶縁膜として用いる場合に信頼性
が低いという問題があった。
【0008】また、絶縁ゲート型電界効果トランジスタ
のゲート絶縁膜を、ジクロロシラン(SiH2 Cl2
等の塩素を含むモノシラン誘導体ガス又はフッ素を含む
モノシラン誘導体ガスを用い、プラズマCVD法によっ
て形成することが提案されている(特開平3−36767 号
公報)。しかしながら、この提案の内容は多結晶シリコ
ン上へのSi酸化膜の形成において、従来の熱酸化法又
はCVD法の問題であった絶縁耐圧の改善と界面準位密
度の低減とを目的としたものであり、塩素又はフッ素等
の元素を含むモノシラン誘導体ガス又は塩化水素の比率
を成膜時に高めることで、シリコン層上の自然酸化膜,
有機物及び金属等の汚染物質を除去しつつ、成膜するこ
とを図ったものであって、フッ素を含有するSi酸化膜
についての記載はない。
【0009】そして逆に、塩素若しくはフッ素等の元素
を含むモノシラン誘導体ガス又は塩化水素等と、モノシ
ランとの混合物を用いた場合には、モノシランガスの比
率を高めることで、膜中に混入する塩素又はフッ素の量
を低減させ、絶縁耐圧が高い良質の酸化膜を形成すると
記載されており、塩素又はフッ素を含むことが好ましく
ないことを示唆している。
【0010】本発明は、かかる事情に鑑みてなされたも
のであり、フッ素を含むシリコン化合物ガスとフッ素を
含まないシリコン化合物ガスとを選択的に用いたプラズ
マCVD法でSi酸化膜を形成することにより、パーテ
ィクルの発生を抑制して品質及び歩留りを向上させ、ま
た層間絶縁膜又はパッシベーション膜としてのSi酸化
膜の平坦化特性を向上させ、さらに信号伝達の高速化を
図ることができる半導体装置及びその製造方法を提供す
ることを目的とする。
【0011】
【課題を解決するための手段】請求項1に係る発明の半
導体装置の製造方法は、Al又はAl合金の配線層が形
成された基板の表面に、フッ素を含まないシリコン化合
物ガスとO2 又はN2Oとを用いたプラズマCVD法に
より、第1のSi酸化膜を形成する工程と、該第1のS
i酸化膜の表面に、フッ素を含むシリコン化合物ガスと
2 又はN2 Oとを用いたプラズマCVD法により、第
2のSi酸化膜を形成する工程とを有することを特徴と
する。
【0012】請求項2に係る発明の半導体装置の製造方
法は、Al又はAl合金の配線層が形成された基板の表
面に、フッ素を含まないシリコン化合物ガスとO2 又は
2Oとを用いたプラズマCVD法により、第1のSi
酸化膜を形成する工程と、該第1のSi酸化膜の表面
に、フッ素を含むシリコン化合物ガスとO2 又はN2
とを用いたプラズマCVD法により、第2のSi酸化膜
を形成する工程と、該第2のSi酸化膜の表面に、フッ
素を含まないシリコン化合物ガスとO2 又はN2Oとを
用いたプラズマCVD法により、第3のSi酸化膜を形
成する工程とを有することを特徴とする。
【0013】請求項3に係る発明の半導体装置の製造方
法は、請求項1,2又は3に係る発明において、基板に
負電位を与えて、フッ素を含むシリコン化合物ガスとO
2 又はN2 Oとを用いたプラズマCVD法を行うことを
特徴とする。
【0014】
【作用】本発明の半導体装置の製造方法では、Al又は
Al合金の配線層の上層に、フッ素を含むシリコン化合
物ガスとO2 又はN2 Oとを用いたプラズマCVD法に
よりフッ素を含む第2のSi酸化膜を、例えば、層間絶
縁膜として形成する際に、このSi酸化膜とAl又はA
l合金の配線層との間に、フッ素を含まないシリコン化
合物ガスとO2 又はN2 Oとを用いたプラズマCVD法
により形成されるフッ素を含まない第1のSi酸化膜を
介在させる。フッ素を含む第2のSi酸化膜は、穏やか
な反応で形成でき、装置壁面への反応物の付着を減ら
し、パーティクルの発生を削減でき、同一層での配線間
容量の増加を抑制し得る。一方、フッ素を含む第2のS
i酸化膜は、Al又はAl合金の配線層との接触部での
フッ素の反応により、腐食及び絶縁物(AlF3 )を生
成する作用をなし、配線間の信号遅延特性が悪化すると
いう難点を招来する。フッ素を含まない第2のSi酸化
膜は、このような難点を解消する作用をなす。第2のS
i酸化膜の上層にAl又はAl合金の配線層を更に形成
する場合、第2のSi酸化膜の表面をフッ素を含まない
第3のSi酸化膜により被覆し、上層のAl又はAl合
金の配線層とフッ素を含む第2のSi酸化膜とが接触し
ないようにする。
【0015】さらにまた、本発明の半導体装置の製造方
法では、基板に負電位を与えて、基板表面の凹凸にスパ
ッタエッチングを行いながら成膜し、比誘電率が低いS
i酸化膜を、凹凸の段差を縮小して平坦性良く形成す
る。
【0016】
【実施例】以下本発明をその実施例を示す図面に基づい
て詳述する。図1は、本発明の実施に使用するECRプ
ラズマCVD装置の構造を示す模式的縦断面図である。
図中1はプラズマ生成室であり、中空の円筒形に形成さ
れている。プラズマ生成室の上部中央には円形のマイク
ロ波導入口1bが開設してあり、円筒形のマイクロ波導
波管3が一端を図示しないマイクロ波発振器に接続し、
他端にフランジ3aを設けて前記マイクロ波導入口1b
に接続されている。またマイクロ波導入口1bには、石
英ガラス板で構成されるマイクロ波導入窓1aが、プラ
ズマ生成室1内への開口を塞ぐ様態で設けられている。
更にプラズマ生成室1の周囲には、マイクロ波導波管3
の一端部にわたって、これらを同心状に囲むように励磁
コイル4が配設されている。この励磁コイル4は図示し
ない直流電源に接続されている。また、プラズマ生成室
1上部壁にはガス導入系6が開口されている。
【0017】プラズマ生成室1下部壁中央には、前記マ
イクロ波導入口1bと対向する位置にプラズマ引出窓1
cを備え、プラズマ引出窓1cに臨ませて反応室2が形
成されている。反応室2内には前記プラズマ引出窓1c
と対向する位置に試料台5が配設され、その上に試料S
が載置されるようになっている。また、反応室2の側壁
にはガス導入系7が、下部壁には図示しない排気装置に
連なる排気系8が開口されている。
【0018】以上の如き装置を用い、試料台5上の試料
S上にフッ素を含むSi酸化膜を形成する場合は、ま
ず、試料台5の温度を 300℃とし、排気系8によりプラ
ズマ生成室1及び反応室2の内部を排気して、これらの
内圧を1×10-6Torr以下としておき、ガス導入系7か
ら、30sccmのSiF4 を反応室2内に供給すると共に、
ガス導入系6から43sccmのAr,70sccmのO2 をプラズ
マ生成室1内に供給する。この後、反応室2の内部を所
定の圧力、例えば2×10-3Torrとし、出力 2.8kWのマイ
クロ波を、図示しないマイクロ波発振器からマイクロ波
導波管3及びマイクロ波導入窓1aを介してプラズマ生
成室1内に導入すると共に、励磁コイル4によりプラズ
マ生成室1内に磁場を生じさせる。これによってプラズ
マ生成室1内にはECR条件が成立し、プラズマ生成室
1内に供給されたAr,O2 ガスは分解されてプラズマ
が生成される。生成されたプラズマは、前記磁場によっ
て反応室2内に導入され、SiF4 ガスを活性化して試
料S表面にフッ素を含むSi酸化膜を形成させる。
【0019】以下に、上述の手順により形成されたSi
酸化膜について説明する。図2は、このSi酸化膜の赤
外吸収スペクトルである。図から明らかなように、 940
cm-1にSi−Fボンドに起因する吸収がみられ、フッ素
がSi酸化膜中に取り込まれており、フッ素を含むSi
酸化膜となっていることが判る。また、従来のCVD法
で形成されたフッ素を含まないSi酸化膜では、3600cm
-1付近にSi−OHボンドに起因する吸収が現れること
が知られているが、図2には、Si−OHボンドに起因
する吸収が現れておらず、上述の手順により形成された
Si酸化膜中にはOH基が存在しないことが判る。
【0020】図3は、上述の手順により形成されたSi
酸化膜の 400cm-1〜1500cm-1までの赤外吸収スペクトル
である。比較例として熱酸化膜の赤外吸収スペクトルを
示している。1000cm-1〜1300cm-1に見られるSi−Oボ
ンドに起因する吸収スペクトルの形状が極めて似てお
り、Si−Oボンドの状態が熱酸化膜と同様に安定であ
り、良質な膜質であることが判る。
【0021】図4は、上述の手順により形成されたSi
酸化膜の比誘電率のSiF4 依存性を示したグラフであ
る。縦軸は比誘電率、横軸はSiF4 流量を表してい
る。従来のSiH4 及びO2 を用いてCVD法で形成さ
れたフッ素を含まないSi酸化膜では、比誘電率は 3.8
〜 3.9が最小限界であることが知られている。図から明
らかなように、上述の手順により形成されたフッ素を含
むSi酸化膜の比誘電率は、 3.3〜3.6 であり、比誘電
率の低いSi酸化膜が得られることが判る。
【0022】図5は、上述の手順により形成されたフッ
素を含むSi酸化膜の絶縁耐圧特性を示すグラフであ
る。横軸は絶縁破壊耐圧、縦軸は頻度を表している。図
から明らかなように、絶縁破壊電圧がおよそ 6.5〜8.0
MV/cmの範囲に分布しており、優れた絶縁耐圧特性を
有していると言える。
【0023】次に、上述の手順により形成されたSi酸
化膜中のフッ素含有量の影響について説明する。図1に
示すECRプラズマCVD装置の反応室2内に試料Sを
載置し、マイクロ波パワー及びO2 ガス流量を最適化し
た条件で、試料S上にフッ素含有量の異なるSi酸化膜
を形成し、これらの間にて特性の比較を行った。図6
は、以上の如く形成されたSi酸化膜中のフッ素量に対
する比誘電率を示したグラフである。縦軸は比誘電率
を、横軸はフッ素含有量を表している。なおフッ素含有
量は、全て従来公知のラザフォード後方散乱分析法に依
り求めた値である。図示の如く、フッ素含有量が0.01at
omic%から 0.1atomic%まで変化するに従い比誘電率は
3.9から3.7 まで減少し、 0.1atomic%から20atomic%
まで変化するに従い 3.7から2.9 まで減少している。フ
ッ素含有量が 0.1atomic%より小さいSi酸化膜は、従
来のSi酸化膜と特性上での区別は不可能である。
【0024】また、図7は、上述の手順により形成され
たSi酸化膜中のフッ素量に対するBHFエッチング速
度を示したグラフである。縦軸はBHFエッチング速度
を、横軸はフッ素含有量を表している。図示の如くBH
Fエッチング速度は、フッ素含有量が 0.01atomic %か
ら20atomic%までの領域においては、フッ素含有量の増
加に応じて3000Å/minから4800Å/minまでの間にて漸増
しているのに対し、フッ素含有量が20atomic%より大き
い領域では急増している。BHFエッチング速度が速い
ことは、膜質がポーラス状態になっており、絶縁膜とし
ての信頼性が著しく低下していることを示している。こ
のことから、フッ素含有量が20atomic%より大きいSi
酸化膜は、層間絶縁膜、パッシベーション膜へ適用する
ことが困難であることがいえる。
【0025】次に、本発明に係る半導体装置の製造方法
(以下本発明方法という)の第1実施例の手順につき具
体的に説明する。本発明方法は、図1に示すECRプラ
ズマCVD装置を用い、反応室2内部の試料台5上に載
置された試料Sに対し、前記反応室2に開口するガス導
入系7からSiF4 とSiH4 とを選択的に導入して行
われる。まず、ガス導入系6からプラズマ生成室1内に
Arガス,O2 ガスを供給すると共に、ガス導入系7か
ら反応室2内にSiH4 ガスを供給し、図示しないマイ
クロ波発振器が発振するマイクロ波をプラズマ生成室1
内に導入してプラズマを発生させて、反応室2内部の試
料S上にフッ素を含まない第1のSi酸化膜を形成す
る。形成された第1のSi酸化膜の膜厚が略1000Åに達
した後、マイクロ波の発振を停止して、ガス導入系7か
ら供給するガスをSiH4 からSiF4 に切り換える。
そして、再度マイクロ波をプラズマ生成室1内へ導入
し、フッ素を含む第2のSi酸化膜を形成する。
【0026】図8は、本発明方法の第1実施例により形
成されたSi酸化膜の模式的断面図である。基板21上に
Al配線22,22 が形成された試料Sの表面に、SiH4
ガスの供給下にてフッ素を含まない第1のSi酸化膜23
が1000Åの厚さに形成され、この第1のSi酸化膜23の
上にSiF4 ガスの供給下にてフッ素を含む第2のSi
酸化膜24が堆積されて表面がほぼ平坦になっている。配
線材料であるAlはフッ素と反応してAlF3 のような
絶縁物を形成してしまうので、Al配線22,22が形成さ
れた試料S上にSiF4 ガスを接触させることは好まし
くない本実施例においては、Al配線22,22 上にSi
4 ガスの供給下にて形成される第1のSi酸化膜23を
薄く堆積させてあり、その後の第2の酸化膜24の形成工
程において供給されるSiF4 ガスがAl配線22,22 に
接触せず、両者の反応による絶縁物の生成の虞れなく第
2のSi酸化膜24を形成することができる。なお、Al
配線22,22 はAl合金配線であっても良い。
【0027】次に、本発明方法の第2実施例の手順につ
き具体的に説明する。図9は、この実施例において使用
するECRプラズマCVD装置の構造を示す模式的縦断
面図である。図中1はプラズマ生成室であり、2は反応
室である。この装置は、反応室2内に配設された試料S
を載置する試料台5に高周波電源9が接続されており、
試料Sに負のバイアス電圧を印加して、該試料Sの表面
の凹凸にスパッタエッチングを行いつつ、比誘電率が低
いSi酸化膜を、凹凸の段差を縮小して平坦性良く堆積
させる構成となっている。他の部分の構成は、前記図1
に示す装置と同様であり、対応する部分に同符号を付し
て説明は省略する。
【0028】図10は、第2実施例の手順により形成さ
れたフッ素を含むSi酸化膜の比誘電率のSiF4 流量
依存性を示したグラフであり、縦軸は比誘電率、横軸は
SiF4 流量を表している。成膜条件のガス流量は、A
rが43sccm,O2 が70sccmであり、圧力が2×10-3Tor
r、マイクロ波出力が2.8kW 、高周波電力が 400W、基
板温度が 300℃である。図から明らかなように、比誘電
率が2.9 〜3.0 の極めて低い値のSi酸化膜が得られる
ことが判る。また、図11は、第2実施例の手順により
形成されたフッ素を含むSi酸化膜の絶縁耐圧特性を示
すグラフである。横軸は絶縁破壊耐圧、縦軸は頻度を表
している。図から明らかなように、絶縁破壊電圧がおよ
そ 6.0〜7.5 MV/cmの範囲に分布しており、従来と同
様に優れた絶縁耐圧特性を有していると言える。
【0029】図9に示すECRプラズマCVD装置を用
いて行われる本発明方法の第2実施例においては、基板
上にAl配線が形成された試料Sを反応室2内部の試料
台5上に載置し、まず、ガス導入系6からプラズマ生成
室1内にArガス,O2 ガスを供給すると共に、ガス導
入系7から反応室2内にSiH4 ガスを供給し、図示し
ないマイクロ波発振器が発振するマイクロ波をプラズマ
生成室1内に導入してプラズマを発生させて、反応室2
内部の試料S上に、フッ素を含まない第1のSi酸化膜
を1000Å形成する。次いで、マイクロ波の発振を一旦停
止し、ガス導入系7からの供給ガスをSiH4 ガスから
SiF4 ガスに切り換え、再度マイクロ波をプラズマ生
成室1内へ導入し、フッ素を含む第2のSi酸化膜を形
成する。この間、高周波電源9により試料Sに負のバイ
アス電圧が印加され、該試料S上には成膜と同時にスパ
ッタエッチングが行われる。
【0030】図12(a) ,図12(b) は、第2実施例に
より形成されたSi酸化膜の模式的断面図である。図1
2(a) に示すように、半導体基板41上にAl配線42,42
が形成された試料Sの表面に、SiH4 ガスの供給下に
てフッ素を含まない第1のSi酸化膜43が1000Åの厚さ
に形成され、この第1のSi酸化膜43の上にSiF4
スの供給下にてフッ素を含む第2のSi酸化膜44が形成
される。第2のSi酸化膜44のエッジ部44a は平坦部44
b よりもスパッタ効率が大きいために、前述したスパッ
タエッチングにより削られてテーパ状になっている。ま
た、平坦部44cは平坦部44b よりもスパッタ効率が小さ
いために、第2のSi酸化膜44の堆積が進むと共に平坦
部44c の成膜速度が大きくなり、図12(b) に示すよう
に、第2のSi酸化膜44が平坦性良く堆積される。更
に、前述したスパッタエッチングによって第2のSi酸
化膜44のエッジ部44a がテーパ状となることにより、A
l配線42,42 間にも第2のSi酸化膜44が入り込み易く
なり、ボイドのような欠陥が生じない。なお、Al配線
22,22 はAl合金配線であっても良い。
【0031】図13は、SiH4 を用いたCVD法によ
り形成された従来例のSi酸化膜の模式的断面図であ
る。半導体基板51上に形成されたAl配線42,42 の表面
にSiH4 によるSi酸化膜53が堆積されている。Al
配線42,42 上に堆積したエッジ部52a,52a は成膜が進む
に従いその上部で接触し、Al配線42,42 間にSi酸化
膜53を入り込み難くし、さらに成膜が進むとAl配線4
2,42 間の上方がエッジ部52a で覆われて、ボイド55を
発生している。以上のように、本実施例により、平坦化
特性を向上させたSi酸化膜を有する半導体装置が製造
される。
【0032】次に、本発明方法の第3実施例の手順につ
き具体的に説明する。図14は、第3実施例の手順によ
り製造された半導体装置の模式的断面図である。この第
3実施例は、第2実施例と同様、前記図9に示すECR
プラズマCVD装置を用いて行われ、半導体基板61上に
Al配線62,62 が形成された試料Sの表面に、まずSi
4 ガスの供給下でのプラズマCVD 法により、フッ素を
含まない第1のSi酸化膜63を形成し、つぎに、マイク
ロ波の発振を一旦停止し、SiH4 ガスをSiF4 ガス
に切り換え、このSiF4 ガスの供給下でのプラズマC
VD法を、高周波電源9により試料Sに負のバイアス電
圧を印加しつつ実施し、前記第1のSi酸化膜63上にフ
ッ素を含む第2のSi酸化膜64を形成する。次いで、S
iF4 ガスをSiH4 ガスに再度切り換え、前記第2の
Si酸化膜64上にフッ素を含まない第3のSi酸化膜66
を、300 Åなる膜厚を有して形成する。そして、第3の
Si酸化膜66上にAl配線65,65 を形成して、図14に
示す半導体装置が得られる。このように製造された半導
体装置では、Al配線62,62 及びAl配線65,65 が第2
のSi酸化膜64と接触せず、フッ素との接触による腐
食,結晶粒径の変化、絶縁物(AlF4 )の生成が有効
に防止される。なお、Al配線62,62 及びAl配線65,6
5 は、Al合金配線であっても良い。
【0033】ここで、SiF4 ガスの供給下にて形成さ
れるフッ素を含む第2のSi酸化膜64は、前述した如く
比誘電率が 2.9〜3.7 であるので、図14に示す如く、
層間絶縁膜として第2のSi酸化膜64が介在するAl配
線62,62 及びAl配線65,65間の相互干渉ノイズが減少
し、また、Al配線62,62 及びAl配線65,65 間の信号
遅延特性が向上する。
【0034】また、比誘電率が4.0 程度の従来の層間S
i酸化膜と比較して、配線間容量を一定とした場合に、
本実施例の比誘電率が3.0 程度の層間Si酸化膜の方が
膜厚を薄くできる。例えば、従来では1μmの膜厚が必
要であった場合に、本発明のフッ素を含む第2のSi酸
化膜64を0.75μmで形成することにより、同配線間容量
を有することができる。このように、本発明によるフッ
素を含む第2のSi酸化膜64を用いることにより、配線
間容量を維持したまま膜厚を薄くすることが可能であ
る。これにより、例えば微細化に伴いますます大きくな
るビアホールのアスペクト比を軽減できる。
【0035】なお以上の各実施例においては、フッ素を
含むシリコン化合物ガスとしてSiF4 ガスを、フッ素
を含まないシリコン化合物ガスとしてSiH4 ガスを夫
々用いているが、これらに代えて他のガスを用いてもよ
く、またこれらのガスと共に用いるガスも、以上の各実
施例に示すO2 ガスに代えてN2 Oガスを用いても良
い。
【0036】また、上述の実施例ではプラズマCVD法
としてECRプラズマCVD法を用いているが、これに
限るものではなく、マイクロ波プラズマCVD法、RF
プラズマCVD法等の他のプラズマCVD法であっても
良い。
【0037】
【発明の効果】以上のように本発明においては、Al又
はAl合金の配線層の表面に、フッ素を含まないSi酸
化膜を介してフッ素を含むSi酸化膜を形成することに
より、パーティクルの発生を抑制して半導体装置の品質
及び歩留りを向上させ、またSi酸化膜の平坦化特性を
向上させ、半導体装置の高速化を図り、さらに配線間容
量の増加を抑制することができる上、フッ素との接触に
よるAl又はAl合金の配線層の腐食,結晶粒径の変
化,絶縁物(AlF4 )の生成が、フッ素を含まないS
i酸化膜の作用により有効に防止されて、配線間の信号
遅延特性の悪化を防止することができる等、本発明は優
れた効果を奏するものである。
【図面の簡単な説明】
【図1】本発明の第1実施例に使用するECRプラズマ
CVD装置の構造を示す模式的縦断面図である。
【図2】Si酸化膜の赤外吸収スペクトルである。
【図3】Si酸化膜の400 cm-1〜1500cm-1までの赤外吸
収スペクトルである。
【図4】Si酸化膜の比誘電率のSiF4 依存性を示し
たグラフである。
【図5】Si酸化膜の絶縁耐圧特性を示すグラフであ
る。
【図6】Si酸化膜中のフッ素量に対する比誘電率を示
したグラフである。
【図7】Si酸化膜中のフッ素量に対するBHFエッチ
ング速度を示したグラフである。
【図8】本発明方法の第1実施例により形成されたSi
酸化膜の模式的断面図である。
【図9】本発明方法の第2実施例において使用するEC
RプラズマCVD装置の構造を示す模式的縦断面図であ
る。
【図10】第2実施例の手順により形成されたSi酸化
膜の比誘電率のSiF4 流量依存性を示したグラフであ
る。
【図11】第2実施例の手順により形成されたSi酸化
膜の絶縁耐圧特性を示すグラフである。
【図12】第2実施例の手順により形成されたSi酸化
膜の模式的断面図である。
【図13】従来例のSi酸化膜の模式的断面図である。
【図14】本発明方法の第3実施例の手順により製造さ
れた半導体装置の模式的断面図である。
【符号の説明】
1 プラズマ生成室 2 反応室 5 試料台 6 ガス導入系 9 高周波電源 21,41,61 基板 23,43,63 第1のSi酸化膜 22,42,62,65 アルミ配線 24,44,64 第2のSi酸化膜 66 第3のSi酸化膜

Claims (3)

    (57)【特許請求の範囲】
  1. 【請求項1】 Al又はAl合金の配線層が形成された
    基板の表面に、フッ素を含まないシリコン化合物ガスと
    2 又はN2 Oとを用いたプラズマCVD法により、第
    1のSi酸化膜を形成する工程と、該第1のSi酸化膜
    の表面に、フッ素を含むシリコン化合物ガスとO2 又は
    2 Oとを用いたプラズマCVD法により、第2のSi
    酸化膜を形成する工程とを有することを特徴とする半導
    体装置の製造方法。
  2. 【請求項2】 Al又はAl合金の配線層が形成された
    基板の表面に、フッ素を含まないシリコン化合物ガスと
    2 又はN 2 Oとを用いたプラズマCVD法により、第
    1のSi酸化膜を形成する工程と、該第1のSi酸化膜
    の表面に、フッ素を含むシリコン化合物ガスとO 2 又は
    2 Oとを用いたプラズマCVD法により、第2のSi
    酸化膜を形成する工程と、該第2のSi酸化膜の表面
    に、フッ素を含まないシリコン化合物ガスとO 2 又はN
    2 Oとを用いたプラズマCVD法により、第3のSi酸
    化膜を形成する工程とを有することを特徴とする半導体
    装置の製造方法。
  3. 【請求項3】 基板に負電位を与えて、フッ素を含むシ
    リコン化合物ガスとO 2 又はN 2 Oとを用いたプラズマ
    CVD法を行う請求項1又は2記載の半導体装置の製造
    方法。
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