JP3450993B2 - 容量内蔵型圧電共振子 - Google Patents

容量内蔵型圧電共振子

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JP3450993B2
JP3450993B2 JP14062297A JP14062297A JP3450993B2 JP 3450993 B2 JP3450993 B2 JP 3450993B2 JP 14062297 A JP14062297 A JP 14062297A JP 14062297 A JP14062297 A JP 14062297A JP 3450993 B2 JP3450993 B2 JP 3450993B2
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一久 百瀬
茂章 荒瀬
英彦 西村
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Description

【発明の詳細な説明】 【0001】 【発明が属する技術分野】本発明は、表面実装可能な容
量内蔵型圧電共振子に関するものである。 【0002】 【従来の技術】従来より、通信機器、電子機器にはマイ
クロコンピュータなどが多用されており、このようなマ
イクロコンピュータにはクロック発振回路などが接続さ
れていた。 【0003】この発振回路は図7に示す等価回路図のよ
うに、圧電共振素子Rの両端と接地電位との間に入出力
容量成分C1 、C2 が接続され、さらに、圧電共振素子
の両端間に帰還抵抗成分r、インバーターIが接続され
ていた。この発振回路を簡単に達成できるように、図中
の点線で示すように上述の2つの容量成分C1 、C2
1つのコンデンサ素子で構成し、一点鎖線で示すように
このコンデンサ素子と圧電共振素子Rとを1つの電子部
品としたものが容量内蔵型圧電共振子である。 【0004】容量内蔵型圧電共振子は、少なくとも圧電
基板の両主面に振動電極を形成した圧電共振素子と2つ
の容量成分を具備したコンデンサ素子とから主に構成さ
れていた。 【0005】従来の圧電共振素子とコンデンサ素子とを
保護する外装構造として、以下の3つの構造が知られて
いる。 【0006】第1の構造は、リード端子の先端に圧電共
振素子、コンデンサ素子を接続させて、圧電共振素子の
周囲に振動空間を形成するように外装樹脂によって被覆
する構造である。 【0007】第2の構造は、上下2分割型ケース内に圧
電共振素子とコンデンサ素子とを収容する構造である。
具体的には、特開平2−44706号に開示されている
ように、コンデンサ素子を一方の筺体状ケースに収容
し、圧電共振素子を他方の筺体状ケースに収容し、両ケ
ースを導電性ペーストを介して互いに接合していた。ま
た、実開昭62−70453号に開示されているよう
に、一方のケースの形状を平板状の誘電体基板とし、こ
の誘電体基板に2つのコンデンサ成分を形成しておき、
この誘電体基板に圧電共振素子を接合し、次に、圧電共
振素子を被覆するように他方の筺体状ケースを一方の平
板状誘電体基板に接着していた。 【0008】第3の構造は、両端が開口し、外表面に2
つの容量成分を形成する容量電極を具備する筒状誘電体
ケースに、圧電共振素子を配置し、両端を導電性キャッ
プ体で封止を行っていた。 【0009】 【発明が解決しようとする課題】第1の構造では、プリ
ント配線基板に表面実装させることが難しく、近年、表
面実装が要求される電子部品の技術の流れに合わない構
造であった。また、第2の構造では、ケースを構成する
部品の点数が増加してしまい、また、圧電共振素子の周
囲に振動空間を形成するために、圧電共振素子を被覆す
る側の筺体状ケースの形状を比較的大きくする必要があ
り、小型化の容量内蔵型圧電共振子を達成することが困
難である。また、特開平2−44706号では、外部回
路に導出させるリード端子が、接合後のケースの両端に
導電性キャップ体を冠着させたり、ケースの外周に巻着
したりする必要があり、リード端子の処理が非常に難し
いかった。 【0010】また、実開昭62−70453号では、2
つのコンデンサ成分を有する誘電体基板に圧電共振素子
が接続した複合素子の外部電極を、誘電体基板と筺体状
ケースとの接合面から外部に導出しなくてはならない。
この接合部分は、接合面積が比較的少ない筺体状ケース
の開口周囲面であり、さらに、外部電極を導出させなく
てはならないことから接合信頼性が低下してしまう。 【0011】第3の構造では、筒状ケース内に、圧電共
振素子を挿入配置するにあたり、圧電共振素子の両主面
側の空間は容易に確保できるものの、特開平2−447
06号と同様筒状ケースの両端に導電性キャップ体を冠
着させる必要があり、リード端子の処理が非常に難しい
かった。 【0012】本発明は上述の問題点に鑑みて案出された
ものであり、その目的は、リード端子の導出構造が簡素
化され、且つコンデンサ素子の接続電極とリード端子の
接続信頼性が非常に高い容量内蔵型圧電共振子を提供す
るものである。 【0013】 【課題を解決するための手段】本発明の容量内蔵型圧電
共振子は、底面にリード端子接続用貫通孔が形成され、
且つ少なくとも底面以外の一面が開口した筐体状ケース
と、一端側が前記リード端子接続用貫通孔に固着され、
他端が筐体状ケースの外表面に導出されているリード端
子と、短冊状の誘電体基板の下面に接続電極を設けた2
つの容量成分を形成するコンデンサ素子の上面に、短冊
状の圧電基板の両主面に振動電極を形成した圧電共振素
子を導電性接合部材を介して電機的に接合して成る積層
体と、前記筐体状ケースの開口を封止する封止部材とか
ら成り、前記筐体状ケース内部底面に、前記積層体のコ
ンデンサ素子の下面と当接して前記筐体状ケースの内部
底面とコンデンサ素子の下面の接続電極との間に20μ
m以上の間隔を形成する突出部を設けるとともに、前記
筐体状ケースに前記積層体を収納配置した前記コンデン
サ素子の接続電極とリード端子とを、リード端子接続用
貫通孔内に充填され、且つ前記筐体状ケースの内部底面
とコンデンサ素子下面の接続電極との間隙内に配された
導電性接続部材で接続したことを特徴とするものであ
る。 【0014】 【作用】本発明によれば、底面以外の一面が開口した筐
体状ケースに、圧電共振素子とコンデンサ素子とが一体
化した積層体を収納配置し、開口部を封止部材で封止を
行うものである。 【0015】この圧電共振素子とコンデンサ素子とから
成る積層体が外部回路に接続する構造としては、ケース
の底面に形成した貫通孔、該貫通孔に固着したリード端
子及び該貫通孔内に充填した導電性接続部材によって達
成でき、リード端子は予めケースに固着されていること
から、部品点が非常に少なくて済み、組立工程、電気的
接続工程が非常に簡素化する。 【0016】特に、ケースの内部底面には、積層体を構
成するコンデンサ素子の下面に当接する突出部が形成さ
れているため、ケースの内部においてはケース内部底面
とコンデンサ素子の下面との間に間隙が形成されること
になる。この突出部の高さは20μm以上であるため、
この間隙が20μm以上確保できる。 【0017】このケースの内部底面とコンデンサ素子の
下面との間の20μm以上の間隙によって、ケースの底
面に形成した貫通孔内に導電性接続部材を充填した時、
ケースの内部底面とコンデンサ素子の下面との間の毛細
管現象がなくなり、この間隙に導電性接続部材が広がる
ことが一切なくなり、逆に、導電性接続部材が表面張力
によって、まとまろうとして作用する。 【0018】従って、貫通孔の底面側開口から導電性接
続部材を充填しても、貫通孔の内部側においては開口周
囲付近に安定的に導電性接続部材が集中することにな
り、コンデンサ素子の下面に形成した接続電極と、貫通
孔に固着したリード端子との接続信頼性が非常に向上す
ることになる。 【0019】 【発明の実施の形態】以下、本発明の容量内蔵型圧電共
振子を図面に基づいて詳説する。 【0020】図1は本発明の容量内蔵型圧電共振子の外
観斜視図であり、図2はその縦断面図であり、図3はそ
の横断面図であり、図4は分解斜視図であり、図5は筐
体状ケースの平断面斜視図である。 【0021】図1〜図5は、筺体状ケースは短辺側面が
開口した例であり、図において、1は圧電共振素子、2
はコンデンサ素子、3は圧電共振素子1とコンデンサ素
子2などから成る積層体、4は筺体状ケースであり、5
〜7はリード端子であり、8は封止部材である。 【0022】圧電共振素子1は、PT(チタン酸鉛)、
PZT(チタン酸ジルコン酸鉛)などの圧電セラミック
材料、水晶、タンタル酸リチウム、ニオブ酸リチウム、
四棚酸リチウムなどの単結晶材料から成る短冊状の圧電
基板10と、振動電極11、12とから構成されてい
る。振動電極11及び12は、PTなどの圧電基板10
の両主面の中央部付近で互いに対向するように形成され
ている。振動電極11は圧電基板10の上面に形成さ
れ、一方端部にまで延出されている。尚、他方端部には
引出電極14が形成されている。また、振動電極12は
圧電基板10の下面に形成され、他方端部にまで延出さ
れている。尚、一方端部には引出電極13が形成されて
いる。振動電極11は圧電基板10の一方側の端面に形
成された導体膜17を介して引出電極13に接続してい
る。 【0023】振動電極11、12、引出電極13、14
は例えばAg系材料を主成分とする薄膜導体膜によって
形成され、導体膜17、18は例えばAg系材料を主成
分とする導電性ペーストの印刷、加熱硬化によって形成
されている。 【0024】コンデンサ素子2は、PT(チタン酸
鉛)、PZT(チタン酸ジルコン酸鉛)、BaTiO3
(チタン酸バリウム)などの誘電体セラミック材料から
成る短冊状の誘電体基板20と、該誘電体基板20の上
下両主面に2つの容量成分を形成するための複数の容量
電極とら構成されている。なお、誘電体基板20の平面
形状は、上述の圧電基板10の平面形状と同一形状とな
っている。 【0025】また、図に示すように誘電体基板20の上
下両主面に2つの電極21、22が形成されており、誘
電体基板20の下面に容量成分を形成すると同時に、外
部(リード端子5〜7)との接続を達成するための接続
電極(単に電極という)23、24、25が形成されて
いる。また、上面側の電極21と下面側の電極23と
は、誘電体基板20の他方端面の導体膜26を介して接
続されており、上面側の電極22と下面側の電極25と
は、誘電体基板20の一方端面の導体膜27を介して接
続されている。さらに、誘電体基板20の上面側の電極
21、22は、その一部が誘電体基板20の下面側の電
極24に対向している。即ち、誘電体基板20の下面側
の電極24を中心にみた場合、誘電体基板20の厚みを
介して上面側の電極21との間で所定容量成分が形成さ
れ、さらに、誘電体基板20の下面の平面方向で電極2
3との間で所定容量が形成され、両容量成分が構成され
て第1の容量成分(図7のC1 に相当)となる。また、
誘電体基板20の下面側の電極24を中心にみた場合、
誘電体基板20の厚みを介して上面側の電極22との間
で所定容量成分が形成され、さらに、誘電体基板20の
下面の平面方向で電極25との間で所定容量が形成さ
れ、両容量成分が構成されて第2の容量成分(図7のC
2 に相当)となる。 【0026】このような電極21〜25は、誘電体基板
20の上下主面にAgなどを主成分とする導電性ペース
トの選択的な印刷、焼きつけによって、または、導体膜
26、27は誘電体基板20の端面にAgなどを含む導
電性樹脂ペーストの塗布、熱硬化によって形成される厚
膜導体膜である。 【0027】上述の圧電共振素子1とコンデンサ素子2
とは、両基板の両端部付近に介在された導電性接合部材
15、16によって、両者の間に所定間隔をもって機械
的に接合され、且つ電気的に接続される。これにより、
積層体3が構成される。 【0028】この導電性接合部材15、16は、所定厚
みの導電性接着シートや導電性樹脂ペーストから構成さ
れる。この導電性接着シートの厚み、積層するシートの
枚数、又は導電性ペーストの印刷量、重ね印刷回数によ
って、導電性接合部材16の厚みを制御することがで
き、これによって、積層体3全体の厚みを制御すること
ができる。 【0029】この導電性接合部材16は、例えば、圧電
共振素子1の振動電極11から圧電基板10の底面側主
面に延出した引出電極13とコンデンサ素子2の誘電体
基板20の上面側の電極22とを電気的に接続する。ま
た、この導電性接合部材15は、例えば、圧電共振素子
1の振動電極12とコンデンサ素子2の誘電体基板20
の上面側の電極21とを電気的に接続する。 【0030】尚、圧電基板10の両端面に形成された導
体膜17、18、誘電体基板20の両端面に形成された
導体膜26、27は、製造工程の簡略化のために、圧電
基板10と誘電体基板20導電性接合部材15、16を
介して一体化した後に、両基板10、20の両端面に導
電性樹脂ペーストの印刷、加熱硬化によって共通的に形
成してもよい。 【0031】このような、導電性接合部材15、16を
介して圧電共振素子1とコンデンサ素子2とが積層され
た積層体3は、一側面が開口した筺体状ケース4に収納
・配置される。 【0032】筺体状ケース4は、液晶ポリマーなどの耐
熱性に優れた樹脂材料などから成り、その一側面に開口
41し、内部に積層体収納領域(内部空間)40が形成
されている。 【0033】開口41の内周囲は外部に向かって広がる
テーパ面42となっており、積層体3の挿入をスムーズ
に行えるようになっている。 【0034】また、ケース4の底面には、リン青銅、洋
白などから成る金属製部材からなる3つのリード端子
5、6、7が一体的に形成されている。リード端子5、
6、7の一部である接続固定部50、60、70には、
筺体状ケース4の底面の厚みを貫く貫通孔51、61、
71が形成されている。 【0035】このような筺体状ケース4、リード端子
5、6、7及び貫通孔51、61、71は、通常の樹脂
のインサートモールドによって形成される。 【0036】ケース4の内部空間40は、実質的に積層
体3の外形寸法に比較して、若干大きな形状となってい
る。これにより、ケース4の内面と積層体3の圧電共振
素子1の長手方向の端面及び表面側の主面との間と、コ
ンデンサ素子2の上面と圧電共振素子1の下面との間に
は所定間隔が形成され、これにより、圧電共振素子1の
振動空間が維持されている。 【0037】なお、ケース4と圧電共振素子1との間の
振動空間を確実に維持するために、圧電共振素子1の上
面側の端部と当接する部分に、突出部44が形成されて
いる。尚、図では省略しているが、ケース4の内部側面
と圧電共振素子1の長手方向側面との間に所定間隙が形
成されるように位置決め用の突出部を形成している。 【0038】また、図5に示すように、ケース4の内部
空間40の内部底面には、積層体3のコンデンサ素子2
の下面に当接する突出部43、43が形成されている。
尚、図5では内部底面の一方側のみしか現れないが、両
側にに形成されている。 【0039】この突出部の43、43の上面は、開口4
1のテーパ面42の頂点部分と同一高さに設定されてお
り、積層体3のコンデンサ素子2の下面をテーパ面42
に摺動して積層体3をケース4の内部に収納配置した時
に、コンデンサ素子2の下面のそのまま突出部43に載
置されるようになっており、この突出部43、43が開
口41の面から奥行き面にまで一連となっている。 【0040】この突出部43、43により、突出部4
3、43との挟まれたケース4の内部底面と積層体3の
コンデンサ素子2の下面との間には、突出部43、43
の突出量に相当する間隔D1 が形成されることになる。 【0041】このように、積層体3をケース4の内部空
間40に収納すると、ケース4の底面に形成した貫通孔
51、61、71からは、コンデンサ素子2の下面に形
成した電極( 接続電極) 23、24、25が露出するこ
とになる。 【0042】そして、この貫通孔51、61、71に、
Agなどの導電性金属粉末をエポキシ系樹脂接着剤に混
合した導電性樹脂ペーストを充填・供給、硬化させる導
電性接続部材52、62、72によって、貫通孔51、
61、71は気密的封止され、ケース4内での積層体3
が完全に固定され、さらに、コンデンサ素子2の下面の
電極23、24、25とリード端子5、6、7とが電気
的な接続される。 【0043】例えば、導電性接続部材52によって、第
1のリード端子5とコンデンサ素子2の下面に形成され
た電極(接続電極)23とが電気的に接続され、導電性
接続部材62によって、第2のリード端子6とコンデン
サ素子2の下面に形成された電極(接続電極)24とが
電気的に接続され、導電性接続部材72によって、第4
のリード端子7とコンデンサ素子2の下面に形成された
電極(接続電極)25とが電気的に接続される。 【0044】この電気的な接続状態を図7の等価回路に
照すと、第1のリード端子5は、圧電共振素子1の振動
電極11に接続し、2つの容量成分のうち一方の容量成
分C1 を導出するための端子として動作する。第2のリ
ード端子6は、2つ容量成分が接地される端子である。
第3のリード端子7は、圧電共振素子1の振動電極12
に接続し、2つの容量成分のうち他方の容量成分C2
導出するための端子として動作する。 【0045】ケース4の開口41は、封止部材8によっ
て気密的に封止されている。封止部材8は、ケース4の
内部40に収納配置した積層体3とケース4の開口41
周囲の間隙を埋める内部側封止樹脂部材81と、ケース
4の開口41全体を隠蔽する厚み20〜100μm程度
のステンレス板、樹脂シート板などから成る封止板82
と、該封止板82の外部側に充填・硬化された外部側封
止樹脂部材83から構成されている。尚、封止信頼性が
確保できれば、内部側封止樹脂部材81を省略したり、
外部側封止樹脂部材83を省略することができる。 【0046】上述の構造において、組立部品としては、
一側面が開口し、且つリード端子5、6、7が固着され
た筺体状ケース4と、圧電共振素子1とコンデンサ素子
2とを一体化した積層体3と、封止部材8とから主に構
成されるため、部品点数が少なく製造工程を簡略化す
る。 【0047】また、圧電共振素子1とコンデンサ素子2
とから成る積層体3は、ケース4への収納配置前で達成
されるため、圧電共振素子1とコンデンサ素子2との接
続、即ち、導電性接合部材15、16の介在を確認して
行えるため、その電気的接続・機械的接合(積層)が非
常に信頼性高くなる。 【0048】また、積層体3をケース4の内部空間に収
納配置した時、ケース4の内部底面とコンデンサ素子2
との間には、突出部43、43の高さに相当する間隙が
形成されるが、これは、コンデンサ素子2の接続電極2
3、24、25と貫通孔51、61、71の内壁を構成
する各リード端子の固定部50、60、70との接続を
確実に行うものである。仮に、ケース4の内部底面にコ
ンデンサ素子2の下面(接続電極23、24、25)に
接触した状態で、貫通孔51、61、71に導電性接続
部材52、62、72を充填した場合には、ケース4の
内部底面とコンデンサ素子2の下面との非常に狭い隙間
に毛細管現象が発生し、ケース4の内部底面とコンデン
サ素子2の下面との間に導電性接続部材52、62、7
2が広がってしまう。これにより、本来短絡してならな
い導電性接続部材52、62、72どうしが短絡した
り、導電性接続部材62が接続電極23、25に短絡し
たり、導電性接続部材52、72が接続電極24に短絡
したりしてしまう。 【0049】これに対して、上述の実施例のように、強
制的にケース4の内部底面と積層体3の下面(コンデン
サ素子2の下面)との間に突出部43、43の高さに相
当する間隙が形成でき、その間に実質的に広がり、毛細
管現象をなくすことができる。しかも、この間隔D1
充分な間隔に設定することにより、導電性接続部材5
2、62、72が間隔D1 内で表面張力が作用してまと
まろうとして、貫通孔51、61、71の内部開口付近
で表面が球状となり、リード端子の固定部50、60、
70と接続電極23、24、25との間に安定して存在
することになる。 【0050】図6(a)は、導電性接続部材62を充填
する前の状態でリード端子6の固定部60及びコンデン
サ素子2の接続電極24部分の断面図であり、図6
(b)は導電性接続部材62を充填した後の断面図であ
る。 【0051】図6(a)において、リード端子6の固着
部60は、貫通孔61の内壁を構成するように、ケース
4に固着されている。そして、この貫通孔61の外部側
開口からは、コンデンサ素子2の接続電極24が現れる
ことになる。 【0052】この貫通孔61内に、導電性接着部材供給
ディスペンサーの供給管( 図示せず) を挿入配置し、所
定量の導電性接着部材62を充填する。 【0053】その結果、導電性接続部材62は貫通孔6
1内に充填され、ケース4の内部底面(図では上面側)
とコンデンサ素子2の下面との間の間隙D1 を越えて、
コンデンサ素子2の接続電極24にまで到達することに
なる。導電性接続部材62の供給量の制御によって、導
電性接続部材62は貫通孔62の内部側開口径よりも大
きく広がり、リード端子6の固定部60の先端部、即ち
リード端子6とケース4との固着界面部分にまで広がる
ことになる。 【0054】そして、導電性接続部材62の供給を停止
し、貫通孔61内に挿入した導電性接着部材供給ディス
ペンサーの供給管を、貫通孔61内から離して、供給し
た導電性接着部材62を150〜180℃程度の加熱処
理を行い硬化する。 【0055】この状態を図6(b)に示す。図6(b)
の硬化後の導電性接着部材62は、リード端子6の固定
部60とコンデンサ素子2の接続電極24間に安定して
存在させることが重要である。これは両者を電気的に導
通させるためである。 【0056】また、導電性接続部材62の供給側の先端
部分を、ケース4の底面よりも突出させないことが重要
である。これは、容量内蔵型圧電共振子の表面実装性を
考慮したものであり、ケース4の底面に形成した3つの
リード端子5、6、7でのプリント配線基板との接合面
を均一な平面とするためである。 【0057】さらに、ケース4の内部底面とコンデンサ
素子2の下面との間の間隔D1 に、導電性接続部材62
が少なくともリード端子6の固定部60の先端部、即
ち、リード端子6とケース4との固着界面部分にまで広
がる程度の充分な導電性接着部材62を供給することが
重要である。これは、1つに貫通孔62を導電性接着部
材62で完全に封止すること、いま1つに、プリント配
線基板上に半田を介して表面実装した時に生じる熱衝撃
によって、リード端子6とケース4との界面に剥離が生
じても、リード端子固着部60とケース4との界面が導
電性接続部材62によって覆われていれば、ケース4の
内部に湿気などが侵入することがなく、長期にわたり安
定した特性を導出できるためである。 【0058】ここで、本発明者らは、貫通孔61に導電
性接着部材62を充填、配置するにあたり、間隔D1
種々変化させて、ケース4の内部底面とコンデンサ素子
2の下面との間隙での導電性接続部材52、62、72
の広がり状況を調べた。尚、実施例では、接続電極2
3、24、25の構造が誘電体基板20の下面の長手方
向の両端部にまで形成されているため、突出部43の高
さとコンデンサ素子2の下面(接続電極23、24、2
5)までの間隔は等しい状態である。 【0059】その結果、ケース4の内部底面とコンデン
サ素子2の下面との間隙D1 が、20μm以下では、こ
の間隙に作用する毛細管現象により、各導電性接着材5
2、62、72は、互いに短絡してしまうことを確認し
た。 【0060】これに対して、間隔D1 を20μm以上に
すると、この間隙の毛細管現象が実質的になくなり、導
電性接続部材52、62、72の広がりにより有効に防
止できる。 【0061】さらに間隔D1 を30μm以上にすると、
導電性接続部材52、62、72にの表面張力により、
この間隙内で導電性接続部材52、62、72の外周面
が球状となり、貫通孔51、61、71及びその周囲の
みに存在させることができる。これにより、接続電極2
3、24、25の形状を、容量成分C1 、C2 に応じて
任意の形状にすることができ、電極23、24、25の
設計自由度が向上し、また、安定して、リード端子6の
固定部60の先端部までも導電性接着部材62によって
被覆することが簡単に行える。 【0062】尚、上述の間隔D1 の上限値については、
間隔D1 が増加すれば、当然ケース4の高さが増し、ま
た、導電性接続部材62がコンデンサ2の接続電極24
にまで到達しなくなることも考えられ、しかも、導電性
接着部材62の供給量も増加してしまい、小型化、接続
信頼性、低コスト化を考慮すると、間隙D1 の上限値は
100μmとなる。 【0063】従って、ケース4の内部底面に形成された
突出部43、43の高さによって制御されるケース4の
内部底面とコンデンサ素子との間隔は、20μm以上、
望ましくは20μm〜100μm、さらに、望ましくは
30μm100μmである。 【0064】尚、突出部43が誘電体基板20の下面に
直接接触する場合には、突出部43の高さを、上述の間
隔に誘電体基板20の下面に被着形成した接続電極の厚
みを加算した値となる。 【0065】尚、上述の実施例では、3つのリード端子
5、6、7が夫々ケース4の底面に固着されて、貫通孔
51、61、71内に導電性接続部材52、62、72
が充填配置されているが、少なくともアース端子となる
リード端子6のみを上述の接続構造としても構わない。 【0066】また、筐体状ケース4の構造として、一側
面に開口41を有する筐体状ケース4を用いているが、
上面が開口した筐体状ケース4を用いても構わない。 【0067】 【発明の効果】本発明によれば、筺体状ケース内に圧電
共振素子とコンデンサ素子とが一体化した積層体を収納
配置し、ケースの底面に形成された貫通孔に導電性接続
部材を充填配置して、ケースの貫通孔に固着したリード
端子とコンデンサ素子の接続電極を電気的に接続したも
のであり、リード端子の導出の構造が非常に簡素化され
ることになる。 【0068】しかも、ケースの内部底面とコンデンサ素
子の下面(接続電極)との間に20μm以上の間隔が確
保できるため、導電性接続部材を充填して、ケースの内
部底面とコンデンサ素子の下面との毛細管現象によって
導電性接続部材がその間に広がることがなく、実質的に
当該接続電極と他の接続電極との電気的に短絡が防止で
き、リード端子の接続信頼性が非常に高い容量内蔵型圧
電共振子となる。
【図面の簡単な説明】 【図1】本発明の容量内蔵型圧電共振素子の外観斜視図
である。 【図2】本発明の容量内蔵型圧電共振素子の縦断面図で
ある。 【図3】本発明の容量内蔵型圧電共振素子の横断面図で
ある。 【図4】本発明の容量内蔵型圧電共振子の分解斜視図で
ある。 【図5】筐体状ケースの平断面斜視図である。 【図6】リード端子とコンデンサの接続電極との接続部
分断面図であり、(a)は導電性接続部材を充填・配置
する前の状態を示すものであり、(b)は導電性接続部
材を充填・配置した後の状態を示すものである。 【図7】本発明の容量内蔵型圧電共振子を含む発振回路
の等価回路図である。 【符号の説明】 1・・・・・・・・圧電共振素子 10・・・・・・圧電基板 11、12・・・振動電極 2・・・・・・・・コンデンサ素子 20・・・・誘電体基板 21〜25・・・電極 3・・・・・・積層体 4、9・・・・ケース 43、93・・・突出部 5〜7・・・・リード端子 51、61、71・・・貫通孔 52、62、72・・・導電性接続部材
───────────────────────────────────────────────────── フロントページの続き (72)発明者 大塚 英三 鹿児島県国分市山下町1番1号 京セラ 株式会社鹿児島国分工場内 (56)参考文献 特開 平4−373303(JP,A) 特開 平8−107328(JP,A) 特開 平5−83074(JP,A) 特開 平9−18283(JP,A) 特開 昭60−23120(JP,A) 特開 昭60−256201(JP,A) (58)調査した分野(Int.Cl.7,DB名) H03H 9/17 H03H 9/02 H03H 9/10

Claims (1)

  1. (57)【特許請求の範囲】 【請求項1】底面にリード端子接続用貫通孔が形成さ
    れ、且つ少なくとも底面以外の一面が開口した筐体状ケ
    ースと、一端側が前記リード端子接続用貫通孔に固着さ
    れ、他端が筐体状ケースの外表面に導出されているリー
    ド端子と、短冊状の誘電体基板の下面に接続電極を設け
    た2つの容量成分を形成するコンデンサ素子の上面に、
    短冊状の圧電基板の両主面に振動電極を形成した圧電共
    振素子を導電性接合部材を介して電機的に接合して成る
    積層体と、前記筐体状ケースの開口を封止する封止部材
    とから成り、 前記筐体状ケース内部底面に、前記積層体のコンデンサ
    素子の下面と当接して前記筐体状ケースの内部底面とコ
    ンデンサ素子の下面の接続電極との間に20μm以上の
    間隔を形成する突出部を設けるとともに、 前記筐体状ケースに記積層体を収納配置した前記コン
    デンサ素子の接続電極とリード端子とを、リード端子接
    続用貫通孔内に充填され、且つ前記筐体状ケースの内部
    底面とコンデンサ素子下面の接続電極との間隙内に配
    た導電性接続部材で接続したことを特徴とする容量内
    蔵型圧電共振子。
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