JP2004260011A - 電子部品 - Google Patents
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Abstract
【課題】小型化、低背化を図る場合であっても、蓋体をケースに対し強固に取着させておくことができるとともに、接着剤の流れ込みによる特性不良の発生を有効に防止することができ、しかも接着剤の吐出量を管理する必要のない、高信頼性、高生産性の電子部品を提供する。
【解決手段】ケース2と同材質の熱可塑性樹脂からなる柱状凸部8あるいは板状凸部51を軟化・変形させて金属蓋体5の上面に圧着させ、その状態で冷却・硬化させることにより金属蓋体5をケース2に対して強固に固定する。
【選択図】図1
【解決手段】ケース2と同材質の熱可塑性樹脂からなる柱状凸部8あるいは板状凸部51を軟化・変形させて金属蓋体5の上面に圧着させ、その状態で冷却・硬化させることにより金属蓋体5をケース2に対して強固に固定する。
【選択図】図1
Description
【0001】
【発明の属する技術分野】
本発明は、通信機器や電子機器等に組み込まれて使用される表面実装型の電子部品及びその組立方法に関するものである。
【0002】
【従来の技術】
従来より、通信機器や電子機器にはマイクロコンピュータなどが幅広く用いられており、このようなマイクロコンピュータにはクロック発振回路などの電子部品が使用されている。
【0003】
このようなクロック発振回路を構成する電子部品としては、容量内蔵型の圧電共振子が知られており、かかる従来の容量内蔵型圧電共振子100は、例えば図9に示す如く、ケース101に設けられたキャビティ102の内部に電子部品素子103を収納するとともに、キャビティ102の開口部を覆うようにして蓋体104にて塞ぎ、接着した構造を有している。
【0004】
上述した容量内蔵型圧電共振子100のケース101は、例えば、エポキシ樹脂などからなり、ケース101の底面には、ケースの外側面に沿って立ち上がるリード端子105が埋め込まれ、その一端には外部端子106が形成されている。
【0005】
また、前記電子部品素子103は、圧電素子107とコンデンサ素子108とから成る積層体により構成されており、その接続電極109をケース101の底面に露出しているリード端子105に導電性接着剤110を介して接続している。
【0006】
なお、前記蓋体104は、断面凹状に形成された金属から成り、ケース101と接合する内周面には接着剤111が塗布されている。この接着剤111は、蓋体104に塗布された後、希釈剤を蒸発させることによって表面がべとつかない程度の粘度にまで仮硬化され、このような仮硬化状態の接着剤111を介して蓋体104をケース101に被せた後、更に加熱されることによって本硬化される。
【0007】
【特許文献1】
特開2001−237560号公報
【0008】
【発明が解決しようとする課題】
しかしながら、上述した従来の電子部品においては、その全体構造を小型化しようとした際、ケース101と蓋体104との接着面積が小さくなってしまうことにより、両者間の接着強度が低下するという不都合があった。特に近年、通信機器や電子機器の薄型化に伴い、電子部品においても低背化の要求が強く、ケース101と蓋体104との本体厚み方向の接着しろが極めて小さくなる傾向にあることから、電子部品にマザーボード実装時のハンダリフローに伴って熱衝撃が印加されたり、あるいは、落下衝撃等の外力が印加されたりすると、ケース101−蓋体104間の接着剤111がケース101や蓋体104より剥離し、蓋体104がケース101より分離、脱落してしまう等の問題を生じていた。
【0009】
また、蓋体101に塗布される接着剤111は、その本硬化に際して、一時的に低粘度状態となり、ケース101と蓋体104との接着面になじむように流動して拡がってゆく。この時、接着剤111がケース101内部にまで流れ込むと、流れ込んだ接着剤111が内部の圧電共振素子107に付着して特性の劣化を招くことがあり、特に、電子部品の小型化、低背化に伴ない、ケース101の内壁と圧電共振素子107とのクリアランスが小さくなる場合ほど、上述の問題が顕著になるという欠点を有していた。
【0010】
更に、上述した従来の電子部品においては、蓋体104の接着面に接着剤111を塗布する際、ディスペンサより接着剤111を吐出して塗布するのが一般的であるが、その場合、接着剤111の吐出量を管理するのが困難で、吐出量が少ないと接着強度不足になり、また、吐出量が多すぎるとケース101内部への流れ込みが多発するという不都合もあった。
【0011】
本発明は上記欠点に鑑み案出されたもので、その目的は、小型化、低背化を図る場合であっても、蓋体をケースに対し強固に取着させておくことができるとともに、接着剤の流れ込みによる特性不良の発生を有効に防止することができ、しかも接着剤の吐出量を管理する必要のない、高信頼性、高生産性の電子部品及びその組立方法を提供することにある。
【0012】
【課題を解決するための手段】
本発明の電子部品は、上面に開口するキャビティ部を有した熱可塑性樹脂製のケースと、前記キャビティ部に収容される電子部品素子と、前記ケース上に載置されて前記キャビティ部の開口を塞ぐ金属蓋体とを備えた電子部品であって、前記ケースの上面に、該ケースと同材質の熱可塑性樹脂から成り、その一部を金属蓋体の上面よりも上方まで延出させた複数個の凸部を形成するとともに、該凸部を軟化・変形させて前記金属蓋体の上面に圧着させることにより金属蓋体をケースに固定せしめたことを特徴とするものである。
【0013】
また、本発明の電子部品は、前記金属蓋体は前記凸部と1対1に対応する複数個の孔部を有しており、該各孔部を対応する凸部の基層部が貫通していることを特徴とするものである。
【0014】
更に、本発明の電子部品は、前記孔部は、その一部が開放されるようにして金属蓋体の外周部に設けられていることを特徴とするものである。
【0015】
また更に、前記凸部の近傍に位置する金属蓋体の端面もしくは前記孔部の内面を、金属蓋体の上面角部が鈍角となるように傾斜させたことを特徴とするものである。
【0016】
更にまた、本発明の電子部品は、前記金属蓋体がグランド電位に接続されることを特徴とするものである。
【0017】
そして、本発明の電子部品の組立方法は、上面に開口するキャビティ部と該キャビティ部の周囲に複数個の柱状凸部とを有した熱可塑性樹脂製のケースを準備する工程と、前記ケースのキャビティ部内に電子部品素子を搭載する工程と、前記ケース上に金属蓋体を載置させる工程と、前記柱状凸部を加熱して軟化させるとともに、圧力を上方より印加してその一部を変形させ、該変形部を金属蓋体の上面に当接させて冷却・硬化させることによって金属蓋体をケースに固定する工程と、を含むことを特徴とするものである。
【0018】
【作用】
本発明によれば、ケースの開口上面にケースと同材質の熱可塑性樹脂で形成された複数の凸部を金属蓋体の上面よりも上方まで延出させた上、これらを軟化・変形させて金属蓋体の上面に圧着させることにより金属蓋体をケースに固定するようにしている。即ち、金属蓋体とケースとが互いに接触する部分において接着するのではなく、凸部を軟化・変形させて金属蓋体の上面を圧着することで、リベット止めと同様の機能をもたせている。これにより、電子部品の小型化、低背化が一層進んでも、接着面積減少による接着強度の低下に起因する金属蓋体の分離・脱落等の問題は発生しない。しかもこの場合、接着剤を用いないため、接着剤のケース内部への流れ込みによる特性不良の発生もなく、接着剤塗布時の吐出量の管理も不要となる。
【0019】
また、本発明によれば、金属蓋体は凸部と1対1に対応する複数個の孔部を有しており、各孔部を対応する凸部の基層部が貫通するようになっているため、金属蓋体のケースへの固定がより強固で、確実なものになり、加えて、ケースに対する金属蓋体の位置合わせも容易になる。
【0020】
更に、本発明によれば、凸部の近傍に位置する金属蓋体の端面もしくは孔部の内面を、金属蓋体の上面角部が鈍角となるように傾斜させることにより、金属蓋体もしくは孔部の内面を上面に向かって拡がるすり鉢状となすことができる。この場合、凸部を金属蓋体の上面に圧着させる際に軟化し変形した熱可塑性樹脂はすり鉢状の領域内に収まるため、金属蓋体の上面に大きく盛り上がることはなく、これによって、電子部品の全体構造を小型に維持することができる。
【0021】
また更に、本発明によれば、金属蓋体をグランド電位に接続しておくことにより、金属蓋体がシールド効果を発揮するようになり、ノイズを発生しない、またノイズの影響を受けない安定した特性を維持することができる。
【0022】
【発明の実施の形態】
以下、本発明を添付図面に基づいて詳説する。
図1は本発明の電子部品を容量内蔵型圧電共振子1に適用した第1の実施形態を示す外観斜視図、図2(a)は図1のA−A線断面図、図2(b)は図2(a)のC部拡大図、図3は図1の容量内蔵型圧電共振子1の組立方法を説明するための斜視図である。
【0023】
容量内蔵型圧電共振子1は、主に、キャビティ部3を有するケース2と、前記キャビティ部3に収容される電子部品素子4と、前記キャビティ部3の開口を塞ぐ金属蓋体5と、前記ケース2の側面に導出したリード端子6とで構成されている。
【0024】
前記ケース2は、液晶ポリマー(LCP)、ポリフェニレンサルファイド(PPS)やポリエーテルエーテルケトン(PEEK)などの熱可塑性樹脂からなり、その内部には、上面に開口するキャビティ部3が形成されている。このキャビティ部3は、その開口が矩形状をなすように形成され、その内部で電子部品素子4を収容するのに充分な形状、寸法となっている。また、ケース2の底面には、後述するリード端子6の一部がキャビティ部3の内面に露出しており、接続パッド7が形成されている。
【0025】
また、前記ケース2の開口上面には、複数の柱状凸部8が形成されている。この柱状凸部8はケース2と同材質の熱可塑性樹脂より形成されており、柱状凸部8を軟化・変形させて金属蓋体5の上面に圧着させることにより金属蓋体5をケース2に固定している。
【0026】
そして、前記ケース2のキャビティ部3内に収容される電子部品素子4は、圧電共振素子10とコンデンサ素子11とを重ねて一体化した構造を有している。
【0027】
前記圧電共振素子10は、PT(チタン酸鉛)、PZT(チタン酸ジルコン酸鉛)などの圧電セラミック材料や水晶、タンタル酸リチウム、ニオブ酸リチウムなどの単結晶材料から成る圧電性を有する短冊状の圧電基板に、例えばAg系材料を主成分とする導体膜にて、圧電振動を励振する振動電極12や接続用の接続電極13を形成している。
【0028】
一方、前記コンデンサ素子11は、PT(チタン酸鉛)、PZT(チタン酸ジルコン酸鉛)、BaTiO3(チタン酸バリウム)などの誘電体セラミック材料から成る短冊状の誘電体基板に、例えばAg系材料を主成分とする導体膜にて、静電容量を形成する容量電極14や接続用の接続電極15を形成している。
【0029】
上述の圧電共振素子10とコンデンサ素子11は、その間に介在される導電性接着剤16によって積層体状をなすように接合され、キャビティ部3の内面に露出している接続パッド7に導電性接着剤16にて接続・固定される。
【0030】
また更に、前記キャビティ部3の開口を塞ぐ金属蓋体5は、SUS等の金属材料より成り、ケース2の柱状凸部8と1対1に対応する複数の孔部17を有している。この孔部17では、対応する柱状凸部8の基層部8aが貫通している。そして、孔部17を貫通し、金属蓋体5の上面に延出している柱状凸部8を、軟化・変形させて金属蓋体5の上面に圧着させることで、金属蓋体5はケース2に固定される。
【0031】
この時、孔部17は、その一部が開放されるようにして金属蓋体5の外周部に設けられても良いし、その内面を、図4(a)、(b)に示す如く、金属蓋体5の上面角部が鈍角となるように傾斜させ、孔部17の内面を上面に向かって拡がるすり鉢状となしても良い。この場合、柱状凸部8を軟化・変形させて金属蓋体5の上面に圧着させたとき、軟化し変形した熱可塑性樹脂はすり鉢状の領域内に収まり、金属蓋体5の上面に大きく盛り上がることはないため、電子部品の全体構造を小型に維持することができる。
【0032】
また、図5に示す如く、金属蓋体5の一部に張り出し部5aを設け、張り出し部5aをケース2上面から側面にかけて延出し、リード端子6のグランド端子部6aと接続するようにしておけば、金属蓋体5をグランド電位にし、金属蓋体5にシールド機能をもたせることもできる利点もある。
【0033】
なお、前記リード端子6は、リン青銅や洋白などの金属材料から成り、キャビティ部3の内面に露出する接続パッド7からケース2の両側面方向に広がるように延出しており、ケース2の底面と側面との成す角度で屈曲加工が施され、それぞれの端部がケース2の側面まで延びている。
【0034】
以上のような容量内蔵型圧電共振子1は、以下に示す工程を経て組み立てられる。
まず、上面に開口しているキャビティ部3と、キャビティ部3の周囲に複数の柱状凸部8を有している熱可塑性樹脂製のケース2を用意し、このケース2のキャビティ部3内に電子部品素子4を搭載し、導電性接着剤16にて接続電極13,15と接続パッド7との電気的及び機械的な接続・固定を行う。
【0035】
次に、金属蓋体5をキャビティ部3の開口を塞ぐように載置し、その後、例えば300℃程度の加熱したヒータブロック等を金属蓋体5の上面よりも上方に延出している柱状凸部8に押し当てて軟化させるとともに、上方より加圧することにより柱状凸部8の一部を変形させて金属蓋体5の上面に圧着させる。
【0036】
これによって、変形した柱状凸部8が孔部17と柱状凸部8との隙間を埋めるともに、金属蓋体5の孔部17周辺上面に広がることになる。その後、ヒータブロック等を柱状凸部8から離し柱状凸部8を冷却することで、柱状凸部8は金属蓋体5の上面に変形・圧着したまま硬化し、あたかもリベット止めが行われたかのように金属蓋体5はケース2に固定されることとなる。
【0037】
次に、本発明の第2の実施形態について説明する。
図6は本発明の電子部品を容量内蔵型圧電共振子50に適用した第2の実施形態を示す外観斜視図であり、図7(a)は図6の凸部の軟化・変形前の状態を示す断面図、図7(b)は凸部の軟化・変形後で金属蓋体上面に圧着した後の状態を示す断面図、図8は図6の容量内蔵型圧電共振子50の組立方法を説明するための斜視図である。
【0038】
先に述べた第1の実施形態では、ケース2の開口周囲に形成されている凸部として柱状凸部8を例にとって説明したが、第2の実施形態では、板状凸部51をケース2の開口部に沿って形成し、この板状凸部51を軟化・変形させて金属蓋体5の上面に圧着させるようにしている。なお、本実施形態においては、板状凸部51が矩形状をなすように形成されているキャビティ部3の開口の対向する2辺に沿って1個ずつ立設されている。
【0039】
また、このようなキャビティ部3の内壁には段差部52が形成され、この段差部52に金属蓋体5を載置することにより、安定した固定が可能となる。
【0040】
上述したような板状凸部51を用いて金属蓋体5を固定を封止するようにすれば、第1の実施形態に係る電子部品の柱状凸部8を用いて金属蓋体5を固定する場合と比べて、金属蓋体5を圧着する部分の面積を大きくとることができるため、金属蓋体5とケース2との固着強度は更に増大し、より一層の信頼性を確保することができる。なお、この板状凸部51は、開口部の辺に沿って連続的に形成されたものでなくても良く、櫛歯状に形成された板状凸部であってもかまわない。
【0041】
かくして以上のような本発明の構成によれば、ケース2と同材質の熱可塑性樹脂からなる柱状凸部8あるいは板状凸部51を軟化・変形させ金属蓋体5の上面に圧着させ、その状態で冷却・硬化させることにより、金属蓋体5をケース2に強固に固定することができる。
【0042】
なお、本発明は上述の実施形態に限定されるものではなく、本発明の要旨を逸脱しない範囲において種々の変更・改良等が可能である。
【0043】
例えば、上述した第2の実施形態においては、板状凸部51をキャビティ部開口の対向する2辺に沿って1個ずつ立設するようにしたが、これに代えて、板状凸部がキャビティ部を取り囲むようにキャビティ部開口の4辺に沿って立設するようにしても構わない。
【0044】
【発明の効果】
本発明によれば、ケースの開口上面にケースと同材質の熱可塑性樹脂で形成された複数の凸部を金属蓋体の上面よりも上方まで延出させた上、これらを軟化・変形させて金属蓋体の上面に圧着させることにより金属蓋体をケースに固定するようにしている。即ち、金属蓋体とケースとが互いに接触する部分において接着するのではなく、凸部を軟化・変形させて金属蓋体の上面を圧着することで、リベット止めと同様の機能をもたせている。これにより、電子部品の小型化、低背化が一層進んでも、接着面積減少による接着強度の低下に起因する金属蓋体の分離・脱落等の問題は発生しない。しかもこの場合、接着剤を用いないため、接着剤のケース内部への流れ込みによる特性不良の発生もなく、接着剤塗布時の吐出量の管理も不要となる。
【0045】
また、本発明によれば、金属蓋体は凸部と1対1に対応する複数個の孔部を有しており、各孔部を対応する凸部の基層部が貫通するようになっているため、金属蓋体のケースへの固定がより強固で、確実なものになり、加えて、ケースに対する金属蓋体の位置合わせも容易になる。
【0046】
更に、本発明によれば、凸部の近傍に位置する金属蓋体の端面もしくは孔部の内面を、金属蓋体の上面角部が鈍角となるように傾斜させることにより、金属蓋体もしくは孔部の内面を上面に向かって拡がるすり鉢状となすことができる。この場合、凸部を金属蓋体の上面に圧着させる際に軟化し変形した熱可塑性樹脂はすり鉢状の領域内に収まるため、金属蓋体の上面に大きく盛り上がることはなく、これによって、電子部品の全体構造を小型に維持することができる。
【0047】
また更に、本発明によれば、金属蓋体をグランド電位に接続しておくことにより、金属蓋体がシールド効果を発揮するようになり、ノイズを発生しない、またノイズの影響を受けない安定した特性を維持することができる。
【図面の簡単な説明】
【図1】図1は本発明の電子部品を容量内蔵型圧電共振子に適用した第1の実施形態を示す外観斜視図である。
【図2】(a)は図1のA−A線断面図、(b)は(a)のC部拡大図である。
【図3】図1の容量内蔵型圧電共振子の組立方法を説明するための斜視図である。
【図4】(a)は柱状凸部の軟化・変形前の断面図、(b)は柱状凸部の軟化・変形後、金属蓋体上面に圧着した後の断面図である。
【図5】図1の容量内蔵型圧電共振子において金属蓋体をグランド電位に接続した状態を示す斜視図である。
【図6】本発明の電子部品を容量内蔵型圧電共振子に適用した第2の実施形態を示す外観斜視図である。
【図7】(a)は図6の凸部の軟化・変形前の状態を示す断面図、(b)は凸部の軟化・変形後で金属蓋体上面に圧着した後の状態を示す断面図である。
【図8】図6の容量内蔵型圧電共振子の組立方法を説明するための斜視図である。
【図9】従来の容量内蔵型圧電共振子を示す断面図である。
【符号の説明】
1・・・容量内蔵型圧電共振子(電子部品)
2・・・ケース
3・・・キャビティ部
4・・・電子部品素子
5・・・金属蓋体
6a・・・リード端子(グランド端子部)
6b、6c・・・リード端子
7・・・接続バンプ
8・・・柱状凸部
8a・・・柱状凸部基層部
17・・・孔部
50・・・容量内蔵型圧電共振子
51・・・板状凸部
52・・・段差部
【発明の属する技術分野】
本発明は、通信機器や電子機器等に組み込まれて使用される表面実装型の電子部品及びその組立方法に関するものである。
【0002】
【従来の技術】
従来より、通信機器や電子機器にはマイクロコンピュータなどが幅広く用いられており、このようなマイクロコンピュータにはクロック発振回路などの電子部品が使用されている。
【0003】
このようなクロック発振回路を構成する電子部品としては、容量内蔵型の圧電共振子が知られており、かかる従来の容量内蔵型圧電共振子100は、例えば図9に示す如く、ケース101に設けられたキャビティ102の内部に電子部品素子103を収納するとともに、キャビティ102の開口部を覆うようにして蓋体104にて塞ぎ、接着した構造を有している。
【0004】
上述した容量内蔵型圧電共振子100のケース101は、例えば、エポキシ樹脂などからなり、ケース101の底面には、ケースの外側面に沿って立ち上がるリード端子105が埋め込まれ、その一端には外部端子106が形成されている。
【0005】
また、前記電子部品素子103は、圧電素子107とコンデンサ素子108とから成る積層体により構成されており、その接続電極109をケース101の底面に露出しているリード端子105に導電性接着剤110を介して接続している。
【0006】
なお、前記蓋体104は、断面凹状に形成された金属から成り、ケース101と接合する内周面には接着剤111が塗布されている。この接着剤111は、蓋体104に塗布された後、希釈剤を蒸発させることによって表面がべとつかない程度の粘度にまで仮硬化され、このような仮硬化状態の接着剤111を介して蓋体104をケース101に被せた後、更に加熱されることによって本硬化される。
【0007】
【特許文献1】
特開2001−237560号公報
【0008】
【発明が解決しようとする課題】
しかしながら、上述した従来の電子部品においては、その全体構造を小型化しようとした際、ケース101と蓋体104との接着面積が小さくなってしまうことにより、両者間の接着強度が低下するという不都合があった。特に近年、通信機器や電子機器の薄型化に伴い、電子部品においても低背化の要求が強く、ケース101と蓋体104との本体厚み方向の接着しろが極めて小さくなる傾向にあることから、電子部品にマザーボード実装時のハンダリフローに伴って熱衝撃が印加されたり、あるいは、落下衝撃等の外力が印加されたりすると、ケース101−蓋体104間の接着剤111がケース101や蓋体104より剥離し、蓋体104がケース101より分離、脱落してしまう等の問題を生じていた。
【0009】
また、蓋体101に塗布される接着剤111は、その本硬化に際して、一時的に低粘度状態となり、ケース101と蓋体104との接着面になじむように流動して拡がってゆく。この時、接着剤111がケース101内部にまで流れ込むと、流れ込んだ接着剤111が内部の圧電共振素子107に付着して特性の劣化を招くことがあり、特に、電子部品の小型化、低背化に伴ない、ケース101の内壁と圧電共振素子107とのクリアランスが小さくなる場合ほど、上述の問題が顕著になるという欠点を有していた。
【0010】
更に、上述した従来の電子部品においては、蓋体104の接着面に接着剤111を塗布する際、ディスペンサより接着剤111を吐出して塗布するのが一般的であるが、その場合、接着剤111の吐出量を管理するのが困難で、吐出量が少ないと接着強度不足になり、また、吐出量が多すぎるとケース101内部への流れ込みが多発するという不都合もあった。
【0011】
本発明は上記欠点に鑑み案出されたもので、その目的は、小型化、低背化を図る場合であっても、蓋体をケースに対し強固に取着させておくことができるとともに、接着剤の流れ込みによる特性不良の発生を有効に防止することができ、しかも接着剤の吐出量を管理する必要のない、高信頼性、高生産性の電子部品及びその組立方法を提供することにある。
【0012】
【課題を解決するための手段】
本発明の電子部品は、上面に開口するキャビティ部を有した熱可塑性樹脂製のケースと、前記キャビティ部に収容される電子部品素子と、前記ケース上に載置されて前記キャビティ部の開口を塞ぐ金属蓋体とを備えた電子部品であって、前記ケースの上面に、該ケースと同材質の熱可塑性樹脂から成り、その一部を金属蓋体の上面よりも上方まで延出させた複数個の凸部を形成するとともに、該凸部を軟化・変形させて前記金属蓋体の上面に圧着させることにより金属蓋体をケースに固定せしめたことを特徴とするものである。
【0013】
また、本発明の電子部品は、前記金属蓋体は前記凸部と1対1に対応する複数個の孔部を有しており、該各孔部を対応する凸部の基層部が貫通していることを特徴とするものである。
【0014】
更に、本発明の電子部品は、前記孔部は、その一部が開放されるようにして金属蓋体の外周部に設けられていることを特徴とするものである。
【0015】
また更に、前記凸部の近傍に位置する金属蓋体の端面もしくは前記孔部の内面を、金属蓋体の上面角部が鈍角となるように傾斜させたことを特徴とするものである。
【0016】
更にまた、本発明の電子部品は、前記金属蓋体がグランド電位に接続されることを特徴とするものである。
【0017】
そして、本発明の電子部品の組立方法は、上面に開口するキャビティ部と該キャビティ部の周囲に複数個の柱状凸部とを有した熱可塑性樹脂製のケースを準備する工程と、前記ケースのキャビティ部内に電子部品素子を搭載する工程と、前記ケース上に金属蓋体を載置させる工程と、前記柱状凸部を加熱して軟化させるとともに、圧力を上方より印加してその一部を変形させ、該変形部を金属蓋体の上面に当接させて冷却・硬化させることによって金属蓋体をケースに固定する工程と、を含むことを特徴とするものである。
【0018】
【作用】
本発明によれば、ケースの開口上面にケースと同材質の熱可塑性樹脂で形成された複数の凸部を金属蓋体の上面よりも上方まで延出させた上、これらを軟化・変形させて金属蓋体の上面に圧着させることにより金属蓋体をケースに固定するようにしている。即ち、金属蓋体とケースとが互いに接触する部分において接着するのではなく、凸部を軟化・変形させて金属蓋体の上面を圧着することで、リベット止めと同様の機能をもたせている。これにより、電子部品の小型化、低背化が一層進んでも、接着面積減少による接着強度の低下に起因する金属蓋体の分離・脱落等の問題は発生しない。しかもこの場合、接着剤を用いないため、接着剤のケース内部への流れ込みによる特性不良の発生もなく、接着剤塗布時の吐出量の管理も不要となる。
【0019】
また、本発明によれば、金属蓋体は凸部と1対1に対応する複数個の孔部を有しており、各孔部を対応する凸部の基層部が貫通するようになっているため、金属蓋体のケースへの固定がより強固で、確実なものになり、加えて、ケースに対する金属蓋体の位置合わせも容易になる。
【0020】
更に、本発明によれば、凸部の近傍に位置する金属蓋体の端面もしくは孔部の内面を、金属蓋体の上面角部が鈍角となるように傾斜させることにより、金属蓋体もしくは孔部の内面を上面に向かって拡がるすり鉢状となすことができる。この場合、凸部を金属蓋体の上面に圧着させる際に軟化し変形した熱可塑性樹脂はすり鉢状の領域内に収まるため、金属蓋体の上面に大きく盛り上がることはなく、これによって、電子部品の全体構造を小型に維持することができる。
【0021】
また更に、本発明によれば、金属蓋体をグランド電位に接続しておくことにより、金属蓋体がシールド効果を発揮するようになり、ノイズを発生しない、またノイズの影響を受けない安定した特性を維持することができる。
【0022】
【発明の実施の形態】
以下、本発明を添付図面に基づいて詳説する。
図1は本発明の電子部品を容量内蔵型圧電共振子1に適用した第1の実施形態を示す外観斜視図、図2(a)は図1のA−A線断面図、図2(b)は図2(a)のC部拡大図、図3は図1の容量内蔵型圧電共振子1の組立方法を説明するための斜視図である。
【0023】
容量内蔵型圧電共振子1は、主に、キャビティ部3を有するケース2と、前記キャビティ部3に収容される電子部品素子4と、前記キャビティ部3の開口を塞ぐ金属蓋体5と、前記ケース2の側面に導出したリード端子6とで構成されている。
【0024】
前記ケース2は、液晶ポリマー(LCP)、ポリフェニレンサルファイド(PPS)やポリエーテルエーテルケトン(PEEK)などの熱可塑性樹脂からなり、その内部には、上面に開口するキャビティ部3が形成されている。このキャビティ部3は、その開口が矩形状をなすように形成され、その内部で電子部品素子4を収容するのに充分な形状、寸法となっている。また、ケース2の底面には、後述するリード端子6の一部がキャビティ部3の内面に露出しており、接続パッド7が形成されている。
【0025】
また、前記ケース2の開口上面には、複数の柱状凸部8が形成されている。この柱状凸部8はケース2と同材質の熱可塑性樹脂より形成されており、柱状凸部8を軟化・変形させて金属蓋体5の上面に圧着させることにより金属蓋体5をケース2に固定している。
【0026】
そして、前記ケース2のキャビティ部3内に収容される電子部品素子4は、圧電共振素子10とコンデンサ素子11とを重ねて一体化した構造を有している。
【0027】
前記圧電共振素子10は、PT(チタン酸鉛)、PZT(チタン酸ジルコン酸鉛)などの圧電セラミック材料や水晶、タンタル酸リチウム、ニオブ酸リチウムなどの単結晶材料から成る圧電性を有する短冊状の圧電基板に、例えばAg系材料を主成分とする導体膜にて、圧電振動を励振する振動電極12や接続用の接続電極13を形成している。
【0028】
一方、前記コンデンサ素子11は、PT(チタン酸鉛)、PZT(チタン酸ジルコン酸鉛)、BaTiO3(チタン酸バリウム)などの誘電体セラミック材料から成る短冊状の誘電体基板に、例えばAg系材料を主成分とする導体膜にて、静電容量を形成する容量電極14や接続用の接続電極15を形成している。
【0029】
上述の圧電共振素子10とコンデンサ素子11は、その間に介在される導電性接着剤16によって積層体状をなすように接合され、キャビティ部3の内面に露出している接続パッド7に導電性接着剤16にて接続・固定される。
【0030】
また更に、前記キャビティ部3の開口を塞ぐ金属蓋体5は、SUS等の金属材料より成り、ケース2の柱状凸部8と1対1に対応する複数の孔部17を有している。この孔部17では、対応する柱状凸部8の基層部8aが貫通している。そして、孔部17を貫通し、金属蓋体5の上面に延出している柱状凸部8を、軟化・変形させて金属蓋体5の上面に圧着させることで、金属蓋体5はケース2に固定される。
【0031】
この時、孔部17は、その一部が開放されるようにして金属蓋体5の外周部に設けられても良いし、その内面を、図4(a)、(b)に示す如く、金属蓋体5の上面角部が鈍角となるように傾斜させ、孔部17の内面を上面に向かって拡がるすり鉢状となしても良い。この場合、柱状凸部8を軟化・変形させて金属蓋体5の上面に圧着させたとき、軟化し変形した熱可塑性樹脂はすり鉢状の領域内に収まり、金属蓋体5の上面に大きく盛り上がることはないため、電子部品の全体構造を小型に維持することができる。
【0032】
また、図5に示す如く、金属蓋体5の一部に張り出し部5aを設け、張り出し部5aをケース2上面から側面にかけて延出し、リード端子6のグランド端子部6aと接続するようにしておけば、金属蓋体5をグランド電位にし、金属蓋体5にシールド機能をもたせることもできる利点もある。
【0033】
なお、前記リード端子6は、リン青銅や洋白などの金属材料から成り、キャビティ部3の内面に露出する接続パッド7からケース2の両側面方向に広がるように延出しており、ケース2の底面と側面との成す角度で屈曲加工が施され、それぞれの端部がケース2の側面まで延びている。
【0034】
以上のような容量内蔵型圧電共振子1は、以下に示す工程を経て組み立てられる。
まず、上面に開口しているキャビティ部3と、キャビティ部3の周囲に複数の柱状凸部8を有している熱可塑性樹脂製のケース2を用意し、このケース2のキャビティ部3内に電子部品素子4を搭載し、導電性接着剤16にて接続電極13,15と接続パッド7との電気的及び機械的な接続・固定を行う。
【0035】
次に、金属蓋体5をキャビティ部3の開口を塞ぐように載置し、その後、例えば300℃程度の加熱したヒータブロック等を金属蓋体5の上面よりも上方に延出している柱状凸部8に押し当てて軟化させるとともに、上方より加圧することにより柱状凸部8の一部を変形させて金属蓋体5の上面に圧着させる。
【0036】
これによって、変形した柱状凸部8が孔部17と柱状凸部8との隙間を埋めるともに、金属蓋体5の孔部17周辺上面に広がることになる。その後、ヒータブロック等を柱状凸部8から離し柱状凸部8を冷却することで、柱状凸部8は金属蓋体5の上面に変形・圧着したまま硬化し、あたかもリベット止めが行われたかのように金属蓋体5はケース2に固定されることとなる。
【0037】
次に、本発明の第2の実施形態について説明する。
図6は本発明の電子部品を容量内蔵型圧電共振子50に適用した第2の実施形態を示す外観斜視図であり、図7(a)は図6の凸部の軟化・変形前の状態を示す断面図、図7(b)は凸部の軟化・変形後で金属蓋体上面に圧着した後の状態を示す断面図、図8は図6の容量内蔵型圧電共振子50の組立方法を説明するための斜視図である。
【0038】
先に述べた第1の実施形態では、ケース2の開口周囲に形成されている凸部として柱状凸部8を例にとって説明したが、第2の実施形態では、板状凸部51をケース2の開口部に沿って形成し、この板状凸部51を軟化・変形させて金属蓋体5の上面に圧着させるようにしている。なお、本実施形態においては、板状凸部51が矩形状をなすように形成されているキャビティ部3の開口の対向する2辺に沿って1個ずつ立設されている。
【0039】
また、このようなキャビティ部3の内壁には段差部52が形成され、この段差部52に金属蓋体5を載置することにより、安定した固定が可能となる。
【0040】
上述したような板状凸部51を用いて金属蓋体5を固定を封止するようにすれば、第1の実施形態に係る電子部品の柱状凸部8を用いて金属蓋体5を固定する場合と比べて、金属蓋体5を圧着する部分の面積を大きくとることができるため、金属蓋体5とケース2との固着強度は更に増大し、より一層の信頼性を確保することができる。なお、この板状凸部51は、開口部の辺に沿って連続的に形成されたものでなくても良く、櫛歯状に形成された板状凸部であってもかまわない。
【0041】
かくして以上のような本発明の構成によれば、ケース2と同材質の熱可塑性樹脂からなる柱状凸部8あるいは板状凸部51を軟化・変形させ金属蓋体5の上面に圧着させ、その状態で冷却・硬化させることにより、金属蓋体5をケース2に強固に固定することができる。
【0042】
なお、本発明は上述の実施形態に限定されるものではなく、本発明の要旨を逸脱しない範囲において種々の変更・改良等が可能である。
【0043】
例えば、上述した第2の実施形態においては、板状凸部51をキャビティ部開口の対向する2辺に沿って1個ずつ立設するようにしたが、これに代えて、板状凸部がキャビティ部を取り囲むようにキャビティ部開口の4辺に沿って立設するようにしても構わない。
【0044】
【発明の効果】
本発明によれば、ケースの開口上面にケースと同材質の熱可塑性樹脂で形成された複数の凸部を金属蓋体の上面よりも上方まで延出させた上、これらを軟化・変形させて金属蓋体の上面に圧着させることにより金属蓋体をケースに固定するようにしている。即ち、金属蓋体とケースとが互いに接触する部分において接着するのではなく、凸部を軟化・変形させて金属蓋体の上面を圧着することで、リベット止めと同様の機能をもたせている。これにより、電子部品の小型化、低背化が一層進んでも、接着面積減少による接着強度の低下に起因する金属蓋体の分離・脱落等の問題は発生しない。しかもこの場合、接着剤を用いないため、接着剤のケース内部への流れ込みによる特性不良の発生もなく、接着剤塗布時の吐出量の管理も不要となる。
【0045】
また、本発明によれば、金属蓋体は凸部と1対1に対応する複数個の孔部を有しており、各孔部を対応する凸部の基層部が貫通するようになっているため、金属蓋体のケースへの固定がより強固で、確実なものになり、加えて、ケースに対する金属蓋体の位置合わせも容易になる。
【0046】
更に、本発明によれば、凸部の近傍に位置する金属蓋体の端面もしくは孔部の内面を、金属蓋体の上面角部が鈍角となるように傾斜させることにより、金属蓋体もしくは孔部の内面を上面に向かって拡がるすり鉢状となすことができる。この場合、凸部を金属蓋体の上面に圧着させる際に軟化し変形した熱可塑性樹脂はすり鉢状の領域内に収まるため、金属蓋体の上面に大きく盛り上がることはなく、これによって、電子部品の全体構造を小型に維持することができる。
【0047】
また更に、本発明によれば、金属蓋体をグランド電位に接続しておくことにより、金属蓋体がシールド効果を発揮するようになり、ノイズを発生しない、またノイズの影響を受けない安定した特性を維持することができる。
【図面の簡単な説明】
【図1】図1は本発明の電子部品を容量内蔵型圧電共振子に適用した第1の実施形態を示す外観斜視図である。
【図2】(a)は図1のA−A線断面図、(b)は(a)のC部拡大図である。
【図3】図1の容量内蔵型圧電共振子の組立方法を説明するための斜視図である。
【図4】(a)は柱状凸部の軟化・変形前の断面図、(b)は柱状凸部の軟化・変形後、金属蓋体上面に圧着した後の断面図である。
【図5】図1の容量内蔵型圧電共振子において金属蓋体をグランド電位に接続した状態を示す斜視図である。
【図6】本発明の電子部品を容量内蔵型圧電共振子に適用した第2の実施形態を示す外観斜視図である。
【図7】(a)は図6の凸部の軟化・変形前の状態を示す断面図、(b)は凸部の軟化・変形後で金属蓋体上面に圧着した後の状態を示す断面図である。
【図8】図6の容量内蔵型圧電共振子の組立方法を説明するための斜視図である。
【図9】従来の容量内蔵型圧電共振子を示す断面図である。
【符号の説明】
1・・・容量内蔵型圧電共振子(電子部品)
2・・・ケース
3・・・キャビティ部
4・・・電子部品素子
5・・・金属蓋体
6a・・・リード端子(グランド端子部)
6b、6c・・・リード端子
7・・・接続バンプ
8・・・柱状凸部
8a・・・柱状凸部基層部
17・・・孔部
50・・・容量内蔵型圧電共振子
51・・・板状凸部
52・・・段差部
Claims (6)
- 上面に開口するキャビティ部を有した熱可塑性樹脂製のケースと、前記キャビティ部に収容される電子部品素子と、前記ケース上に載置されて前記キャビティ部の開口を塞ぐ金属蓋体とを備えた電子部品であって、
前記ケースの上面に、該ケースと同材質の熱可塑性樹脂から成り、その一部を金属蓋体の上面よりも上方まで延出させた複数個の凸部を形成するとともに、該凸部を軟化・変形させて前記金属蓋体の上面に圧着させることにより金属蓋体をケースに固定せしめたことを特徴とする電子部品。 - 前記金属蓋体は前記凸部と1対1に対応する複数個の孔部を有しており、該各孔部を対応する凸部の基層部が貫通していることを特徴とする請求項1に記載の電子部品。
- 前記孔部は、その一部が開放されるようにして金属蓋体の外周部に設けられていることを特徴とする請求項2に記載の電子部品。
- 前記凸部の近傍に位置する金属蓋体の端面もしくは前記孔部の内面を、金属蓋体の上面角部が鈍角となるように傾斜させたことを特徴とする請求項1乃至請求項3のいずれかに記載の電子部品。
- 前記金属蓋体がグランド電位に接続されることを特徴とする請求項1乃至請求項4のいずれかに記載の電子部品。
- 上面に開口するキャビティ部と該キャビティ部の周囲に複数個の柱状凸部とを有した熱可塑性樹脂製のケースを準備する工程と、
前記ケースのキャビティ部内に電子部品素子を搭載する工程と、
前記ケース上に金属蓋体を載置させる工程と、
前記柱状凸部を加熱して軟化させるとともに、圧力を上方より印加してその一部を変形させ、該変形部を金属蓋体の上面に当接させて冷却・硬化させることによって金属蓋体をケースに固定する工程と、を含む電子部品の組立方法。
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-
2003
- 2003-02-26 JP JP2003050034A patent/JP2004260011A/ja active Pending
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