JP3318507B2 - 容量内蔵型圧電共振子 - Google Patents

容量内蔵型圧電共振子

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Description

【発明の詳細な説明】
【0001】
【発明が属する技術分野】本発明は、表面実装可能な容
量内蔵型圧電共振子に関するものである。
【0002】
【従来の技術】従来より、通信機器、電子機器にはマイ
クロコンピュータなどが多用されており、このようなマ
イクロコンピュータにはクロック発振回路などが接続さ
れていた。
【0003】この発振回路は、図5に示す等価回路のよ
うに、圧電共振素子Rの両端と接地電位との間に入出力
容量成分C1 、C2 が接続され、さらに、圧電共振素子
の両端間に帰還抵抗成分R、インバーターIが夫々接続
されていた。この発振回路を簡単に達成できるように、
容量内蔵型圧電共振子は、上述の2つの容量成分C1
2 と圧電共振素子Rとを1つの電子部品として構成し
たものである。
【0004】容量内蔵型圧電共振子は、少なくとも圧電
基板の両主面に振動電極を形成した圧電共振素子と2つ
の容量成分を具備したコンデンサ素子とから主に構成さ
れ、実装形態としてリードピン型と表面実装型の2つに
大別できる。しかし、現在のプリント配線基板への高密
度実装技術からするとプリント配線基板に他の電子部品
と一緒にリフロー半田接合が可能な表面実装型が主流と
なっている。
【0005】そして、表面実装容量内蔵型圧電共振子は
容器構造からみると、上ケースと下ケースとを接合して
構成する分割型容器を用いる方式と、筒状容器にキャッ
プをかぶせる方式の2つに分けられる。
【0006】また容器と容量素子との関係では、容量素
子を容器の内部に独立して配置する構造と、容量成分を
容器の一部で構成する構造とがある。
【0007】ここで、表面実装の容量内蔵型圧電共振子
には、外表面には外部端子が必ず必要であり、仮に容量
素子を容器の内部に配置する構造の場合には、容量素子
と外部端子との接続が重要となる。
【0008】上述の分割型容器内に圧電共振素子及び容
量素子を配置した例として実開平1−77028号等の
表面実装の容量内蔵圧電共振子が例示できる。
【0009】また、分割容器内に圧電共振素子のみを配
置して、容器の一部に容量成分を形成した例として実開
昭62−70453号等の表面実装の容量内蔵型圧電共
振子が例示できる。
【0010】また、容量成分を有する筒状容器内に、圧
電共振子を挿入配置した例として実開平2−8026号
の表面実装容量内蔵型圧電共振子が例示できる。
【0011】
【発明が解決しようとする課題】上述の分割型容器に圧
電共振素子及び容量素子を配置した構造の場合には、例
えば下ケースとなる板状のベース基板上に、コンデンサ
素子、圧電共振素子とを積層し、さらに、圧電共振素子
を筺体状上ケースで被覆して、上ケースを下ケースに封
止接着剤を介して接合する必要がある。
【0012】即ち、上ケースの形状を充分に大きくしな
いと、上ケースと圧電共振素子とが接触したり、下ケー
スにコンデンサ素子や圧電素子を接合するための導電性
ペーストが封止領域が広がり、封止不良を招くことがあ
る。従って、全体の小型化に大きな制約があった。
【0013】上述の分割容器内に圧電共振素子のみを配
置して、下ケース(基板)側に容量成分した場合には、
下ケースの外表面に容量電極が形成されることになる。
これにより、容量電極が腐蝕してしまい、動作信頼性が
低いものであった。
【0014】また、上ケースと下ケースを接合する際、
上述したように、圧電素子と基板とを接合するの導電性
ペーストが封止領域が広がっても、封止不良が発生しな
いように、上ケースの形状を圧電共振素子に比較して大
きくする必要があった。
【0015】上述の容量成分を形成した筒状容器の内部
に、圧電共振素子を配置した構造の場合には、筒状容器
の外表面に容量成分を形成するための電極が設けられて
いるため、これにより、容量電極が腐蝕してしまい、動
作信頼性が低いものであった。
【0016】また、圧電振動素子と端子電極との接続に
おいては、両端が開口する筒状容量に配置して、両端の
開口部分をキャップを被せる場合には、このキャップに
よって圧電振動素子の両端と容量成分との電気的な接続
と、開口封止を行っており、封止領域が2つとなり、封
止信頼性が低いものとなってしまう。
【0017】本発明は上述の問題点に鑑みて案出された
ものであり、その目的は、小型で、且つ圧電振動素子、
容量素子とリード端子との電気的な接続が確実であり、
さらに封止信頼性が高い表面実装可能な容量内蔵型圧電
共振子を提供することにある。
【0018】
【課題を解決するための手段】本発明によれば、底面に
3つの外方に広がる漏斗状の貫通孔が形成され、且つ一
側面が開口した筐体状ケースと、一端側が前記漏斗状の
接続貫通孔の内壁斜面に固着され、他端が筺体状ケース
の外表面に導出されている3つのリード端子と、短冊状
の圧電基板の両主面に振動電極を形成した圧電共振素子
と、2つの容量成分を形成し、且つ短冊状の誘電体基板
の一方主面に3つの接続電極を形成したコンデンサ素子
とを、各素子の対向しあう表面の両端部に配した導電性
接合部材を介して電気的に接続した積層体と、前記筺体
状ケースの開口を封止する封止部材とから成り、前記筺
体状ケース内部に、前記積層体を配置させ、前記コンデ
ンサ素子の各接続電極と各リード端子とを各漏斗状の貫
通孔内に充填させた導電性接続部材で接続するととも
に、各リード端子の一端側先端と筺体状ケースとの固着
部を前記導電性接続部材で被覆したことを特徴とする容
量内蔵型圧電共振子である。
【0019】
【作用】本発明では、一側面が開口した筺体状ケース
に、圧電共振素子とコンデンサ素子とを一体化した積層
体が挿入されることから、圧電共振子の周囲の振動空間
を、筺体状ケースの内部空間の形状によって厳密に規定
できるため、全体として、小型な容量内蔵型圧電共振子
となる。
【0020】また、筺体状ケースの開口が1つの側面だ
けであるため、その封止作業が容易となり、封止信頼性
が向上する。しかも、 圧電共振素子、容量素子の挿入
に用いられる開口は、電気的な接続を伴わないことから
も、封止作業を容易にすることができる。
【0021】また、内部に配置された圧電共振素子、容
量素子とリード端子との接続が、コンデンサ素子の下面
に形成された3つの接続電極とケースの底面の3つの漏
斗状貫通孔に充填・配置された導電性接続部材によって
行われる。従って、3つの貫通孔での接続が同一工程
で、且つ同一平面上で処理できるため、接続作業が簡単
となり、また、接続構造も単純化されるため、接続安定
性が向上する。
【0022】貫通孔の形状が外方に向かって広がる漏斗
状となっているため、例えば、細い管などを介して、導
電性接続部材を充填する場合、確実に且つ簡単に充填が
行えるまた、この漏斗状貫通孔の内壁を構成するリード
端子の先端部とケースとの境界部分が、導電性接続部材
によって被覆されているため、リード端子が剥離して
も、ケース内部と外気とがリークすることがないため、
封止信頼性が向上し、耐湿性に優れた表面実装可能な容
量内蔵型圧電共振素子となる。
【0023】
【発明の実施の形態】以下、本発明の容量内蔵型圧電共
振子を図面に基づいて詳説する。
【0024】図1は本発明の容量内蔵型圧電共振子の外
観斜視図であり、図2はその横断面図であり、図3はそ
の縦断面図であり、図4は分解斜視図である。
【0025】図において、1は圧電共振素子、2はコン
デンサ素子であり、3は圧電共振素子1、コンデンサ素
子2などから成る積層体であり、4は筺体状ケースであ
り、5〜7はリード端子であり、8は封止部材である。
【0026】圧電共振素子1は、PT(チタン酸鉛)、
PZT(チタン酸ジルコン酸鉛)などの圧電セラミック
材料、水晶、タンタル酸リチウム、ニオブ酸リチウム、
四棚酸リチウムなどの単結晶材料から成る短冊状の圧電
基板10と、振動電極11、12とから構成されてい
る。振動電極11及び12は、圧電基板10の両主面に
互いに対向するように形成されている。圧電基板10の
上面側主面には、その中央部から一方端部にまで延びる
振動電極11が、他方端部に引出電極14が形成されて
いる。圧電基板10の下面側主面には、その中央部から
他方端部にまで延びる振動電極12が、一方端部に引出
電極13が形成されている。そして、振動電極11は、
圧電基板10の一方端部側の端面の導体膜17を介して
引出電極13に接続されている。振動電極12は、圧電
基板10の他方端部側の端面の導体膜18を介して引出
電極14に接続されている。
これら、振動電極11、12、引出電極13、14は
例えばAg系材料を主成分とする薄膜導体膜によって形
成され、導体膜17、18は例えばAg系材料を主成分
とする導電性ペーストの印刷、熱硬化によって形成され
る。
【0027】コンデンサ素子2は、PT(チタン酸
鉛)、PZT(チタン酸ジルコン酸鉛)、BaTiO3
(チタン酸バリウム)などの誘電体セラミック材料から
成る短冊状の誘電体基板20と2つの容量成分を形成す
るための複数の容量電極とが形成されている。図におい
て、誘電体基板20の上面側には2つの電極21、22
が、誘電体基板20の一方主面である下面側に、容量成
分を形成すると同時に、外部(リード端子5〜7)との
接続を達成するための接続電極(以下、単に電極)2
3、24、25が形成されている。また、上面側の電極
21と下面側の電極23とは、誘電体基板20の一方端
面の導体膜26を介して接続されており、上面側の電極
22と下面側の電極25とは、誘電体基板20の他方端
面の導体膜27を介して接続されている。さらに、誘電
体基板20の上面側の電極21、22は、その一部が誘
電体基板20の下面側の電極24に対向している。
【0028】即ち、誘電体基板20の下面側の電極24
を中心にみた場合、誘電体基板20の厚みを介して上面
側の電極21との間で所定容量成分が形成され、さら
に、誘電体基板20の下面の平面方向で電極23との間
で所定容量が形成され、両容量成分が構成されて第1の
容量成分(図5のC1 に相当)となる。また、誘電体基
板20の下面側の電極24を中心にみた場合、誘電体基
板20の厚みを介して上面側の電極22との間で所定容
量成分が形成され、さらに、誘電体基板20の下面方向
で電極25との間で所定容量が形成され、両容量成分が
構成されて第2の容量成分(図5のC2 に相当)とな
る。
【0029】このような電極21〜25はAgなどを主
成分とする導電性ペーストの選択的な印刷・焼きつけに
よって、導体膜26、27は、Agなどの導電性材料が
混合されたエポキシ系樹脂から成る導電性樹脂ペースト
の選択的な印刷によって形成される。
【0030】上述の圧電共振素子1とコンデンサ素子2
とは、両基板の両端部付近に介在された導電性接合部材
15、16によって、両者の間に所定間隔が形成されて
電気的に接続され、且つ機械的に接合され、積層体3が
形成されている。この導電性接合部材15によって、例
えば、圧電共振素子1の振動電極11から圧電基板10
の下面側主面にまで延出した引出電極13とコンデンサ
素子2の誘電体基板20の上面側の電極21とが電気的
に接続され、導電性接合部材16によって、例えば、圧
電共振素子1の振動電極12がコンデンサ素子2の誘電
体基板20の上面側主面の電極22とが電気的に接続さ
れている。この導電性接合部材15、16は、仮硬化し
た状態の導電性接着剤シートであったり、また、導電性
樹脂ペーストの塗布、硬化した部材であっても構わな
い。
【0031】尚、上述の導体膜17、18、26、27
は、実際には、圧電共振素子1とコンデンサ素子2とを
積層した後、積層体3の端面には、一括的に形成される
ものである。
【0032】このような、圧電共振素子1とコンデンサ
素子2とを積層した後の積層体3は、一側面が開口した
筺体状ケース4に収納・配置される。
【0033】筺体状ケース4は、液晶ポリマーなどの耐
熱性に優れた樹脂材料などから成り、その内部には積層
体収納領域(内部空間)40が形成されており、その一
側面に開口41が形成されている。開口41の内側周囲
は外部に向かって広がるテーパ面42となっている。こ
のテーパ状の開口41によって、圧電共振素子1とコン
デンサ素子2とから成る積層体3の収納・配置をスムー
ズに行えるようになっている。
【0034】また、ケース4の底面には、洋白、リン青
銅などから成る金属製部材からなる3つのリード端子
5、6、7が固着により一体的に形成されている。リー
ド端子5、6、7の一端部である接続先端部50、6
0、70は、筺体状ケース4の底面の厚みを貫き、且つ
外方に広がる漏斗状の貫通孔51、61、71の内壁部
の一部または全部を構成している。尚、図では、接続先
端部50、60、70は貫通孔51、61、71の内壁
部の一部にまで延びており、貫通孔51、61、71の
外方側の内壁の一部を構成している。尚、リード端子
5、6、7の他端側はケース4の底面で2つの方向に分
かれ、ケース4の底面を介して、ケースの両側面に導出
している。
【0035】リード端子5、6、7及び漏斗状の貫通孔
51、61、71は、ケース4を形成する際の樹脂のイ
ンサートモールドによって形成される。即ち、内金型と
貫通孔の形成を決定する突起が形成された外金型との間
にリード端子5、6、7となる所定形状の金属フープ材
を挟持した状態で、ケース4の樹脂材料をインサート・
硬化して、両金型を離脱させることによって形成する。
【0036】ケース4の内部空間40は、実質的に積層
体3の外形寸法に比較して若干大きな形状となってお
り、この形状の差異による間隔が、圧電共振素子1の共
振動作を確保するための間隙となる。即ち、圧電共振素
子1の圧電基板10の上面側には、所定間隔D1 が形成
され、その長手方向の側面側には所定間隔D2 が形成さ
れ、圧電基板10の下面側には、導電性接合部材15、
16の厚みに相当する間隙が形成されることになる。
【0037】また、誘電体基板20の下面とケース4の
内部の底面(以下、内底面という)との間には所定間隔
3 を形成している。各間隙D1 、D2 、D4 は、内部
空間40に突出した突出部43、44、45によって形
成されている。
【0038】ケース4の底面には、上述したように3つ
のリード端子5、6、7が一体的に形成されている。こ
のリード端子5、6、7の一部である接続先端部50、
60、70には、ケース4の底面の厚みを貫く漏斗状の
貫通穴51、61、71が形成されている。そして、リ
ード端子5、6、7の接続先端部50、60、70は、
貫通穴51、61、71の内壁の外部側一部を構成して
いる。また、ケース4底面の貫通穴51、61、71開
口からは、ケース4の内部に収容配置された積層体3を
構成するコンデンサ素子2の下面側に位置する電極2
3、24、25と夫々対向する。
【0039】この貫通穴51、61、71内にはAgな
どの導電性金属粉末をエポキシ系接着剤に混合した導電
性樹脂ペーストが供給、硬化して成る導電性接続部材5
2、62、72が配置されている。この導電性接続部材
52、62、72により、貫通孔51、61、71が気
密的封止され、ケース4内での積層体3が固定される。
【0040】また、導電性接続部材52、62、72
は、コンデンサ素子2の下面の電極23、24、25と
貫通孔51、61、71内のリード端子5、6、7の接
続先端部50、60、70にまで到達するように充填さ
れ、これにより、電極23とリード端子5、電極24と
リード端子6、電極25とリード端子7との電気的な接
続が達成できる。
【0041】即ち、第1のリード端子5は、コンデンサ
素子2の下面側主面に形成された電極(接続電極)23
に接続し、電極23、導体膜26を介して、電極21と
接続し、さらに、導電性接合部材15、引出電極13、
14、導体膜17を介して振動電極11に接続する。
【0042】また、第2のリード端子6は、コンデンサ
素子2の下面側主面に形成された電極(接続電極)24
に接続する。
【0043】さらに、第3のリード端子7は、コンデン
サ素子2の下面側主面に形成された電極(接続電極)2
5に接続し、電極25、導体膜27を介して、電極22
と接続し、さらに、導電性接合部材16を介して振動電
極12に接続する。
【0044】従って、図5の等価回路に示すように、第
1のリード端子5は、圧電共振素子1(R)の振動電極
11に接続するとともに、2つの容量成分のうち一方の
容量成分C1 を接続するための端子として動作し、第2
のリード端子6は、2つ容量成分が接地されるようにす
るための端子として動作し、第3のリード端子7は、圧
電共振素子1(R)の振動電極12に接続するととも
に、2つの容量成分のうち他方の容量成分C2 を接続す
るための端子として動作する。
【0045】ケース4の開口41は、封止部材8によっ
て気密的に封止されている。封止部材8は、厚み20〜
100μm程度のステンレス板、樹脂シート板などから
成り、ケース4の開口41を封止する封止板82と、該
封止板82の外部側に充填・硬化された外部側封止樹脂
部材83から構成されている。尚、外部側封止樹脂部材
83か封止板82とケース4の隙間から内部空間40に
侵入しないように、積層体3とケース4の内面の周囲の
間隙に内部側封止樹脂部材81を充填しても構わない。
【0046】上述の構造によって、一側面が開口した筺
体状ケース4と、圧電共振素子1とコンデンサ素子2と
を一体化した積層体3と、封止部材8とから主に構成さ
れるため、部品点数が少なく製造工程の簡略化する。
【0047】また、圧電共振素子1とコンデンサ素子2
とから成る積層体3は、ケース4への収納配置前で達成
されるため、圧電共振素子1とコンデンサ素子2との接
続、即ち、導電性接合部材15、16による接続処理、
両素子の積層処理が非常に信頼性高く行うことがてき
る。
【0048】また、積層体3を収納配置するケース4の
内部空間40を、積層体3の形状に比較して、圧電共振
素子1の長手方向の4つ面に振動空間を確保する程度の
間隔に設定できるため、非常に小さいケース4となり、
全体として非常に小型の容量内蔵型圧電共振子となる。
【0049】また、ケース4への積層体3の収納用の開
口41が、一側面のみに形成されているため、封止部材
8による封止作業が簡略化し、確実な封止が達成される
ことになる。
【0050】また、ケース4の内部に、完全に圧電共振
素子1、コンデンサ素子2から成る積層体2が収納され
るため、圧電共振素子1の振動電極11、12やコンデ
ンサ素子の各電極21〜25の腐蝕などがなく、長期に
あたり安定した特性が維持できる。
【0051】特に、3つのリード端子5、6、7が、ケ
ース4の底面に一体形成されており、このリード端子
5、6、7とコンデンサ素子2との電気的な接続が、リ
ード端子の接続先端部50、60、70に形成された貫
通孔51、61、71、及びその内部に充填された導電
性接続部材52、62、72によって達成されるため、
積層体3とリード端子5、6、7との安定した電気的な
接続が達成できる。
【0052】このリード端子5、6、7とコンデンサ素
子2の底面に形成した電極23、24、25との接続構
造を図6を用いて詳細に説明する。尚、リード端子5、
6、7の接続構造は同一であるため、ここでは、リード
端子6の接続構造のみを説明する。
【0053】まず、圧電共振素子1とコンデンサ素子2
とを積層一体化した積層体3を、ケース4内に挿入配置
する。この時、積層体3のコンデンサ素子2が、ケース
4の底面側になるように配置する。その後、ケース4の
底面に形成した貫通孔51、61、71の開口が、上面
側になるようにケース4を反転させる。この状態の漏斗
状の貫通孔61部分の拡大断面図が図6(a)である。
尚、図中Sは、リード端子6の接続先端部60であり、
漏斗状の貫通孔51、61、71の開口面側の内壁を構
成する斜面である。
【0054】次に、漏斗状の貫通孔61に、導電性充填
部材62’の供給手段である細い管63を挿入する。細
い管63の外径は、漏斗状貫通孔61の外表面側の開口
径よりも小さく、漏斗状貫通孔61の内側開口径よりも
大きいものとする。好ましくは、細い管63の先端が、
漏斗状の貫通孔61の内壁面の途中にまで延びたリード
端子6の接続先端部60の傾斜面Sに当接するようにす
る。
【0055】その後、細い管63を介して、貫通孔61
内にAgなどの導電性材料と混合した樹脂ペーストの導
電性接続部材62’を充填する。この状態が図6(b)
である。
【0056】図6(b)のように、細い管63の先端
が、リード端子6の接続先端部60の傾斜面Sに当接
し、導電性接続部材62’が供給されるため、導電性接
続部材62’を供給すべき位置を正確に位置決めでき、
導電性樹脂部材62’がコンデンサ素子2の下面に形成
した電極24に確実に案内される。また、漏斗状貫通孔
61のケース4の材料が露出している内側内壁面及び漏
斗状貫通孔61の外側内壁面となるリード端子6の斜面
Sに付着することになる。
【0057】しかも、細い管から過剰な導電性充填部材
62’を充填しても、貫通孔61の外部開口から導電性
充填部材62’から盛り上がり、ケース4の外側に溢れ
出ることがない。これは、表面実装型圧電共振子をプリ
ント配線基板に半田を介して接合する際に、半田が付着
するリード端子の表面を、半田付着されない導電性接続
部材が汚すことがないものであり、これにより、安定し
た表面実装が可能となる。
【0058】その後、細い管63をケース4から離し
て、充填・配置した導電性充填部材62’を硬化し、導
電性充填部材62とする。
【0059】ここで、重要なことは、リード端子6の接
続先端部60が、漏斗状の貫通孔61の内側開口まで到
達しておらず、その接続先端部60が漏斗状の貫通孔6
1の内壁の途中までしか延出しておらず、しかも、リー
ド端子6の接続先端部60の先端とケース4との固着部
分が導電性接続部材62によって被覆されている。
【0060】これは、リード端子6がケース4を形成す
る際に樹脂のインサートモールドによって固着される
が、この固着部分は表面実装のリフロー処理時、熱衝撃
によって、リード端子6とケース4との界面の接合強度
が低下することがある。極端な場合に、その界面が剥離
してしまい、微小な間隙が形成してしまうことがある。
【0061】しかし、リード端子6の接続先端部60の
先端がケース4の内部にまで到達していないこと、リー
ド端子6の接続先端部60の先端とケース4との固着部
分が導電性接続部材62によって被覆されていることか
ら、このケース4とリード端子6との界面で剥離が発生
しても、ケース4の底面側の外気がケース4の内部にま
で連通することが一切ない。
【0062】従って、漏斗状の貫通孔61部分での封止
状態が、充填時は勿論のこと、長期間の使用に際しても
劣化することが一切なく、封止信頼性が非常に向上する
ことになる。
【0063】図7は、3つのリード端子5、6、7の接
続先端部50、60、70は、漏斗状の貫通孔51、6
1、71の内壁部の全部を構成した場合、即ち、リード
端子5、6、7の接続先端部50、60、70の先端部
がケース4の内部にまで到達している状態の接続部分の
断面図である。尚、リード端子6の接続先端部60のみ
で説明する。
【0064】この場合には、ケース4の内底面に露出す
る接続先端部60の先端部とケース4との固着部分の境
界Zにまで、貫通孔61内に充填・供給された導電性接
続部材62が被覆されている。即ち、図6(b)の導電
性接続部材62’を充填供する工程において、間隙D4
(積層体3とケース4内底面との間隙)内のこの境界Z
に達するに充分な量の導電性接続部材62’を供給す
る。これにより、ケース4の内底面及び接続先端部60
の先端にも導電性接続部材62’が付着され、硬化され
ることになる。
【0065】従って、リード端子6が表面実装のリフロ
ー処理時、熱衝撃によって、リード端子6とケース4と
の界面の固着強度が低下し、剥離が発生して、リード端
子6の固着面に間隙が形成されても、ケース4の内底面
に付着し、硬化した導電性接続部材62によって、ケー
ス4の内部と外気との遮断が達成でき、ケース4の内部
の気密性が維持できる。
【0066】
【発明の効果】本発明によれば、一側面が開口した筺体
状ケースに、圧電共振素子とコンデンサ素子との積層体
を挿入配置した構造であるため、全体として、小型な容
量内蔵型圧電共振子となり、しかも、筺体状ケースの開
口が1つの側面だけであるため、その封止作業が容易と
なり、封止信頼性が向上する。
【0067】また、コンデンサ素子の下面の接続電極と
リード端子との接続が、ケース底面に形成した漏斗状の
貫通孔を介して行われるため、接続が同一工程で、且つ
同一平面状で接続処理が行うことができ、接続構造も単
純化されるため、接続安定性が向上する。
【0068】また、リード端子の接続先端部の先端のケ
ースとの境界部分が導電性接続部材が被覆しているた
め、リード端子とケースとの固着界面で熱衝撃等で剥離
しても、ケース内部と外気とがリークすることがないた
め、封止信頼性が向上し、耐湿性に優れた表面実装可能
な容量内蔵型圧電共振素子となる。
【図面の簡単な説明】
【図1】本発明の容量内蔵型圧電共振素子の外観斜視図
である。
【図2】本発明の容量内蔵型圧電共振素子の縦断面図で
ある。
【図3】本発明の容量内蔵型圧電共振素子の横断面図で
ある。
【図4】本発明の容量内蔵型圧電共振素子の分解斜視図
ある。
【図5】本発明の容量内蔵型圧電共振素子の等価回路図
である。
【図6】(a)〜(c)は、本発明の積層体とリード端
子との接続部分の断面構造図である。
【図7】本発明の他の接続部分の断面構造図である。
【符号の説明】
1・・・・・・・・圧電共振素子 10・・・・・・圧電基板 11、12・・・振動電極 2・・・・・・・・コンデンサ素子 20・・・・誘電体基板 21〜26・・・電極 3・・・・・・積層体 4・・・・・・ケース 5〜7・・・・リード端子 51、61、71・・・貫通穴 52、62、72・・・導電性接続部材
───────────────────────────────────────────────────── フロントページの続き (72)発明者 大塚 英三 鹿児島県国分市山下町1番1号 京セラ 株式会社鹿児島国分工場内 審査官 山崎 慎一 (56)参考文献 特開 平8−65093(JP,A) 実開 平6−81140(JP,U) 実開 平4−119124(JP,U) 実開 平5−21529(JP,U) 実開 平1−77028(JP,U) 実開 平2−8026(JP,U) 実開 昭62−70453(JP,U) (58)調査した分野(Int.Cl.7,DB名) H03H 9/17 H03H 9/02

Claims (1)

    (57)【特許請求の範囲】
  1. 【請求項1】 底面に3つの外方に広がる漏斗状の貫通
    孔が形成され、且つ一側面が開口した筐体状ケースと、 一端側が前記漏斗状の接続貫通孔の内壁斜面に固着さ
    れ、他端が筺体状ケースの外表面に導出されている3つ
    のリード端子と、 短冊状の圧電基板の両主面に振動電極を形成した圧電共
    振素子と、2つの容量成分を形成し、且つ短冊状の誘電
    体基板の一方主面に3つの接続電極を形成したコンデン
    サ素子とを、各素子の対向しあう表面の両端部に配した
    導電性接合部材を介して電気的に接続した積層体と、 前記筺体状ケースの開口を封止する封止部材とから成
    り、 前記筺体状ケース内部に、前記積層体を配置させ、前記
    コンデンサ素子の各接続電極と各リード端子とを各漏斗
    状の貫通孔内に充填させた導電性接続部材で接続すると
    ともに、各リード端子の一端側先端と筺体状ケースとの
    固着部を前記導電性接続部材で被覆したことを特徴とす
    る容量内蔵型圧電共振子。
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