JP3449948B2 - 異方導電性接着剤の製造方法及びその方法により製造された接着剤を用いて製作された電子機器 - Google Patents

異方導電性接着剤の製造方法及びその方法により製造された接着剤を用いて製作された電子機器

Info

Publication number
JP3449948B2
JP3449948B2 JP15046799A JP15046799A JP3449948B2 JP 3449948 B2 JP3449948 B2 JP 3449948B2 JP 15046799 A JP15046799 A JP 15046799A JP 15046799 A JP15046799 A JP 15046799A JP 3449948 B2 JP3449948 B2 JP 3449948B2
Authority
JP
Japan
Prior art keywords
anisotropic conductive
conductive adhesive
resin
formula
adhesive
Prior art date
Legal status (The legal status is an assumption and is not a legal conclusion. Google has not performed a legal analysis and makes no representation as to the accuracy of the status listed.)
Expired - Fee Related
Application number
JP15046799A
Other languages
English (en)
Other versions
JP2000234083A (ja
Inventor
哲也 宮本
政和 川田
Current Assignee (The listed assignees may be inaccurate. Google has not performed a legal analysis and makes no representation or warranty as to the accuracy of the list.)
Sumitomo Bakelite Co Ltd
Original Assignee
Sumitomo Bakelite Co Ltd
Priority date (The priority date is an assumption and is not a legal conclusion. Google has not performed a legal analysis and makes no representation as to the accuracy of the date listed.)
Filing date
Publication date
Application filed by Sumitomo Bakelite Co Ltd filed Critical Sumitomo Bakelite Co Ltd
Priority to JP15046799A priority Critical patent/JP3449948B2/ja
Publication of JP2000234083A publication Critical patent/JP2000234083A/ja
Application granted granted Critical
Publication of JP3449948B2 publication Critical patent/JP3449948B2/ja
Anticipated expiration legal-status Critical
Expired - Fee Related legal-status Critical Current

Links

Description

【発明の詳細な説明】
【0001】
【発明の属する技術分野】本発明は、LCD(液晶ディ
スプレイ)とTCP(テープキャリヤパッケージ)との
接続や、TCPとPCB(プリント回路基板)との接続
などの微細な回路同士の電気的接続に使用される異方導
電性接着剤の製造方法に関するものであり、異方導電性
接着剤を用いて接続された電子機器である。
【0002】
【従来の技術】近年、液晶ディスプレイLCDとTCP
やTCPとPCBとの接続等各種微細回路接続の必要性
が飛躍的に増大してきており、その接続方法として接着
性樹脂中に導電性粒子を分散させた異方導電性接着剤が
使用されてきている。この方法は、接続したい部材間に
異方導電性接着剤を挟み加熱加圧することにより、面方
向の隣接端子間では電気的絶縁性を保ち、上下の端子間
では電気的に導通させるものである。このような用途に
異方導電性接着剤が多用されてきたのは、被着体の耐熱
性がないことや微細な回路では隣接端子間で電気的にシ
ョートしてしまうなど半田付けなどの従来の接続方法が
適用できないことが理由である。
【0003】この異方導電性接着剤は、熱可塑タイプの
ものと熱硬化タイプのものに分類されるが、最近では熱
可塑タイプのものより、信頼性の優れたエポキシ樹脂系
の熱硬化タイプのものが広く用いられつつある。
【0004】熱可塑タイプの異方導電性接着剤について
は、SBS(スチレン−ブタジエン−スチレン)、SI
S(スチレン−イソプレン−スチレン)、SEBS(ス
チレン−エチレン−ブタジエン−スチレン)等スチレン
系共重合体が主として用いられてきているが、これら熱
可塑タイプの使用方法は、基本的に溶融融着方式であ
り、その作業性は一般的に条件を選べば熱硬化のものに
比べて、比較的低温・短時間での適用が可能であり良好
であると考えられるが、樹脂の耐湿性・耐薬品性などが
低いため、接続信頼性が低く長期環境試験に耐えうるも
のではなかった。
【0005】一方、現在主流となっている熱硬化タイプ
の異方導電性接着剤は、一般に保存安定性、硬化性のバ
ランスが良いエポキシ樹脂系の熱硬化タイプが広く用い
られている。しかし、実用上これらの熱硬化タイプのも
のは、保存安定性と樹脂の硬化性を両立させるため、そ
の硬化反応性から150〜200℃の温度で30秒前後
加熱、硬化することが必要とされ、たとえば150℃以
下の温度では実用的な接続時間で樹脂を硬化させること
は困難であった。
【0006】更に、保存安定性については、例えば、B
3アミン錯体、ジシアンジアミド、有機酸ヒドラジ
ド、イミダゾール化合物等の潜在性硬化剤を配合した系
のもの等が提案されているが、保存安定性に優れるもの
は硬化に長時間または高温を必要とし、低温・短時間で
硬化できるものは逆に保存安定性に劣るといった問題が
ありいずれも一長一短があった。
【0007】前記問題点に加えて、熱硬化タイプの異方
導電性接着剤を用いた微細な回路同士の接続作業性にお
いて、位置ずれ等の原因によって一度接続したものを被
接続部材を破損または損傷せずに剥離して、再度接合
(所謂リペア)したいという要求が多くでてきている。
しかし殆どのものが高接着力、高信頼性といった長所が
ある反面、この様な一見矛盾する要求に対しては対応が
極めて難しく、満足するものは得られていない。
【0008】特に最近は、LCDモジュールの大画面
化、高精細化、狭額縁化が急速に進み、これに伴って、
接続ピッチの微細化や接続の細幅化も急速に進んでき
た。このため、たとえば、LCDとTCP接続において
は、接続時のTCPののびのため接続パターンずれが生
じたり、接続部が細幅のため接続時の温度でLCD内部
の部材が熱的影響を受けるなどの問題が生じてきた。ま
た、TCPとPCBの接続においては、PCBが長尺化
してきたため接続時の加熱によりPCBとLCDが反
り、TCPの配線が断線するという問題も生じてきた。
【0009】そこで、より低温で接続することによりこ
れらの問題を解決することが考えられたが、たとえば、
従来の熱可塑性タイプの異方導電性接着剤で接続しよう
とすると、比較的低温での接続は可能であるが樹脂の耐
湿性・耐熱性が低いため接続信頼性が悪いという問題が
あった。また、熱硬化タイプの主流であるエポキシ樹脂
系の異方導電性接着剤で低温で接続しようとすると、樹
脂を硬化させるために接続時間を長くする必要があり、
実用上適用できるものではなかった。
【0010】低温接続を可能とする異方導電性接着剤と
して、カチオン重合性物質とスルホニウム塩とを配合し
た接着性樹脂中に導電性粒子を分散させたもの(特開平
7−90237号公報)や、エポキシ樹脂等と4−(ジ
アルキルアミノ)ピリジン誘導体に導電性粒子を分散さ
せたもの(特開平4−189883号公報)も提案され
ているが、接着剤樹脂の保存性や被接続回路端子の腐食
等の問題があり実用には至っていない。
【0011】また、低温接続を可能にするものとして、
ラジカル重合性樹脂、有機過酸化物、熱可塑性エラスト
マー、マレイミドとを配合した樹脂組成物中に導電性粒
子を分散させた熱硬化型異方導電性接着剤において、ラ
ジカル重合性樹脂がフェノール性水酸基を有する(メ
タ)アクリロイル化ノボラック樹脂で有ることを特徴と
する異方導電性接着剤や、さらに、接着性、接続信頼性
を改良する目的でアミノシランカップリング剤を加えた
ものも提案されているが、硬化性、作業性、高温・高湿
処理後の接着性、接続信頼性、保存性等の全てをバラン
ス良く満足する樹脂系は得られておらず、そのため、よ
り低温短時間で接続でき、且つ、接着性、接続信頼性、
保存安定性、リペア性等に優れる異方導電性接着剤の要
求が強くなっている。
【0012】
【発明が解決しようとする課題】本発明は、LCDとT
CPとの接続や、TCPとPCBとの接続などの微細回
路同士の電気的接続において、特に低温短時間での接続
も可能で、且つ、接着性、接続信頼性、保存安定性、リ
ペア性にも優れる加熱硬化型異方導電性接着剤の製造方
法を提供しようとするものである。
【0013】
【課題を解決するための手段】本発明は、導電粒子、ラ
ジカル重合性樹脂(A)、有機過酸化物(B)、熱可塑
性エラストマー(C)、(1)式で表されるリン酸エス
テル(D)及び(2)式および/又は(3)式で表され
るエポキシシランカップリング剤(E)からなる異方導
電性接着剤において、該ラジカル重合性樹脂(A)、該
熱可塑性エラストマー(C)、該リン酸エステル(D)
および該エポキシシランカップリング剤(E)を反応さ
せた後、他成分を混合する異方導電性接着剤の製造方法
である。
【化4】
【化5】
【化6】
【0014】好ましくは、該ラジカル重合性樹脂
(A)、該熱可塑性エラストマー(C)、該リン酸エス
テル(D)、および該エポキシシランカップリング剤
(E)を0〜50℃で反応させる異方導電性接着剤の製
造方法である。
【0015】また、上記の異方導電性接着剤が、該リン
酸エステル(D)および該エポキシシランカップリング
剤(E)を0〜50℃で予備反応させた後、該ラジカル
重合性樹脂(A)、該熱可塑性エラストマー(C)及び
前述の予備反応生成物とを反応させた後、更に他成分と
混合する異方導電性接着剤の製造方法である。
【0016】
【0017】
【発明の実施の形態】以下、本発明に関して詳細に説明
する。本発明の異方導電性接着剤は、異方導電性接着剤
を構成する樹脂組成物中に(1)式で表されるリン酸エ
ステルを含有することが特徴であり、例えば、LCD用
のTCPとPCBを接続した場合、リン酸エステルがラ
ジカル重合性樹脂と被着体(TCP、PCB等)の金属
部分とをカップリングする作用を示すため、従来のラジ
カル硬化型の異方導電性接着剤では得られなかった接着
性、接続信頼性を得ることが出来る。さらに、(2)、
(3)式で表されるエポキシシランカップリング剤を組
み合わせることにより、ラジカル重合性樹脂と被着体の
金属部分とのカップリング効果をより一層得ることが可
能となる。
【0018】(1)式以外のリン酸エステルでは、ラジ
カル重合性樹脂と被着体の金属部分とのカップリング効
果は低く、(1)式のリン酸エステルのみが比較的低温
短時間でカップリング効果を得ることが出来る。また、
(2)、(3)式で表されるエポキシシランカップリン
グ剤以外のシランカップリング剤では、樹脂組成物と被
着体のカップリング効果は低く、(2)、(3)式で表
されるエポキシシランカップリング剤のみが比較的低温
短時間でカップリング効果を得ることが出来る。
【0019】更に、(A)、(C)、(D)、(E)を
そのまま他成分と混合して樹脂組成物を作製した場合、
接着剤樹脂中で他の成分と反応してしまうため、異方導
電性接着剤とした場合に、作製直後の接着剤は高い接着
力が得られるが、作製から日数が経つと(D)や(E)
のカップリング効果が少なくなる傾向にあり、接着力が
徐々に低下するという傾向にある。そこで、あらかじめ
(A)、(C)、(D)、(E)を予備的に反応させて
おいてから他の成分と混合して樹脂組成物を作製するこ
とにより、異方導電性接着剤としての保存性を長期に維
持しながら高い接着力も得ることができることを見いだ
した。
【0020】(A)、(C)、(D)、(E)をあらか
じめ反応させる条件には特に制限はないが、反応を効率
的に行うためには0〜50℃の温度雰囲気中で行うこと
が好ましい。0℃未満では反応の進行が非常に遅く時間
がかかるため現実的ではなく、50℃を越えると副反応
が起こる可能性があるからである。また、反応時間にも
特に制限はないが、1日〜7日程度が望ましい。1日未
満では反応が十分進行せず、反応が7日を越えると十分
完了しているためそれ以上の時間をかける必要はない。
【0021】また、(A)、(C)、(D)、(E)を
反応させる前に、(D)と(E)だけを更にあらかじめ
反応させれば保存性が更に向上する事も見いだした。
(D)と(E)の反応の方法には特に制限はないが、溶
剤中で行うことが望ましい。溶剤を用いない場合は、反
応が急激に進行するため、ゲル状になる。ここで用いる
溶剤には特に制限はないが、アセトン、メチルエチルケ
トン、メチルイソブチルケトンなどのケトン系が望まし
い。溶剤に対する(D)と(E)の量は特に制限はない
が、1から80重量%が望ましい。1%未満では反応の
進行が非常に遅くなり、80%を越えると逆に反応が急
激に進行する。反応する温度は0〜50℃が望ましい。
0℃未満では反応の進行が非常に遅く時間がかかるため
現実的ではない。また、50℃を越えると副反応が起こ
る可能性がある。反応時間は、10分〜24時間程度が
望ましい。10分未満では反応が十分進行せず、反応は
24時間以内で十分完了しているためそれ以上の時間を
かける必要はない。
【0022】本発明で用いられるラジカル重合性樹脂と
しては、フェノール性水酸基を有する(メタ)アクリロ
イル化フェノールノボラック樹脂、ビニルエステル樹
脂、ウレタンアクリレート樹脂等のアクリレート類、不
飽和ポリエステル樹脂、ジアリルフタレート樹脂、マレ
イミド樹脂などが挙げられる。中でも硬化性と保存性、
硬化物の耐熱性、耐湿性、耐薬品性を兼ね備えたフェノ
ール性水酸基を有する(メタ)アクリロイル化フェノー
ルノボラック樹脂、ビニルエステル樹脂、ウレタンアク
リレート樹脂、マレイミド樹脂を好適に用いる事が出来
る。
【0023】また、その保存性を確保するために、予め
キノン類、多価フェノール類、フェノール類等の重合禁
止剤を添加することも可能である(例えば、特開平4−
146951号公報など)。さらに硬化性、加熱時の流
動性、作業性を改良するため、トリメチロールプロパン
トリアクリレート(TMPTA)、ペンタエリスリトー
ルジアリレートモノステアレート、テトラエチレングリ
コールジアクリレート、ペンタエリスリトールテトラア
クリレートなどのアクリレート類やスチレンなど各種モ
ノマー類や一般的な反応性希釈剤で希釈して使用するこ
とが可能である。
【0024】本発明で用いられる有機過酸化物としては
特に限定されるものではなく、例えば1,1,3,3−
テトラメチルブチルパーオキシ−2−エチルヘキサネー
ト、t−ブチルパーオキシ−2−エチルヘキサネート、
t−ヘキシルパーオキシ−2−エチルヘキサネート、
1,1−ビス(t−ブチルパーオキシ)−3,3,5−
トリメチルシクロヘキサン、1,1−ビス(t−ヘキシ
ルパーオキシ)−3,3,5−トリメチルシクロヘキサ
ン、ビス(4−t−ブチルシクロヘキシル)パーオキシ
ジカーボネート等が挙げられる。これらの過酸化物は単
独あるいは硬化性をコントロールするため2種類以上の
有機過酸化物を混合して用いることも可能である。ま
た、保存性を改良するため各種重合禁止剤を予め添加し
ておく事も可能である。さらに樹脂への溶解作業を容易
にするため溶剤等に希釈して用いる事もできる。本発明
で用いられる有機過酸化物の種類や配合量は各過酸化物
を配合した場合の接着剤の硬化性と保存性との兼ね合い
で決定されることは当然である。
【0025】本発明で用いられる熱可塑性エラストマー
としては特に制限はないが、例えばポリエステル樹脂
類、ポリウレタン樹脂類、ポリイミド樹脂、ポリブタジ
エン、ポリプロピレン、スチレン−ブタジエン−スチレ
ン共重合体、ポリアセタール樹脂、ポリビニルブチラー
ル樹脂、ブチルゴム、クロロプレンゴム、ポリアミド樹
脂、アクリロニトリル−ブタジエン共重合体、アクリロ
ニトリル−ブタジエン−メタクリル酸共重合体、アクリ
ロニトリル−ブタジエン−スチレン共重合体、ポリ酢酸
ビニル樹脂、ナイロン、スチレン−イソプレン共重合
体、スチレン−ブチレン−スチレンブロック共重合体、
スチレン−エチレン−ブチレン−スチレンブロック共重
合体、ポリメチルメタクリレート樹脂などを用いること
ができる。その中で異方導電性接着剤とした時の接着
性、接続信頼性などの特性を考えるとアクリロニトリル
−ブタジエン−メタクリル酸共重合体、ポリエステル、
ポリアミド樹脂、ナイロン、ポリビニルブチラール樹
脂、スチレン−エチレン−ブチレン−スチレンブロック
共重合体等をより好適に用いることができる。
【0026】本発明におけるリン酸エステルとは(1)
式で表されるものであれば特に限定される物ではなく、
単独或いは2種以上混合して用いても良い。具体的には
リン酸エステルとしては、(メタ)アクリロイルオキシ
エチルアシッドホスフェート、(メタ)アクリロイルオ
キシプロピルアシッドホスフェート、(メタ)アクリロ
イルオキシイソプロピルアシッドホスフェート、(メ
タ)アクリロリルオキシポリオキシエチレングリコール
アシッドホスフェート、(メタ)アクリロイルオキシポ
リオキシプロピレングリコールアシッドホスフェート、
カプロラクトン変性(メタ)アクリロイルオキシエチル
アシッドホスフェート、ジ(メタ)アクリロイルオキシ
プロピルアシッドホスフェート、ジ[カプロラクトン変
性(メタ)アクリロイルオキシエチル]アシッドホスフ
ェート等が挙げられる。
【0027】本発明の用いられるエポキシシランカップ
リング剤は(2)、(3)式で表されるものであれば限
定されるものではなく単独或いは2種以上混合して用い
ても良い。具体的にはエポキシシランカップリング剤と
しては、β−(3,4エポキシシクロヘキシル)エチル
トリメトキシシラン、β−(3,4エポキシシクロヘキ
シル)エチルトリエトキシシラン、β−(3,4エポキ
シシクロヘキシル)エチルジメトキシメチルシラン、β
−(3,4エポキシシクロヘキシル)エチルメトキシジ
メチルシラン、β−(3,4エポキシシクロヘキシル)
エチルジエトキシエチルシラン、β−(3,4エポキシ
シクロヘキシル)エチルエトキシジエチルシラン,γ−
グリシドキシプロピルトリメトキシシラン、γ−グリシ
ドキシプロピルトリエトキシシラン、γ−グリシドキシ
プロピルメチルジメトキシシラン、γ−グリシドキシプ
ロピルメトキシジメチルシラン、γ−グリシドキシプロ
ピルエチルジエトキシシラン、γ−グリシドキシプロピ
ルエトキシジエチルシラン等が挙げられる。
【0028】(1)式で表されるリン酸エステル(D)
の配合量は重量割合で、 {(D)}/{(A)+(B)+(C)}=(0.1〜
50)/100 であることが好ましい。配合量が0.1重量%未満であ
るとカップリング効果が得られないため十分な接着力が
得られず、また、配合量が50重量%を越えると硬化性
の低下および保存安定性の低下といった問題が生じる。
【0029】また、(1)式で表されるリン酸エステル
(D)と(2)、(3)式で表されるエポキシシランカ
ップリング剤(E)の配合量は重量割合で、 {(D)+(E)}/{(A)+(B)+(C)}=
(0.1〜20)/100 であることがさらに好ましい。配合量が0.1重量%未
満であるとカップリング効果が得られないため十分な接
着力が得られず、また、配合量が20重量%を越えると
硬化性の低下および保存安定性の低下といった問題が生
じる。
【0030】(1)式で表されるリン酸エステル(D)
と(2)、(3)式で表されるエポキシシランカップリ
ング剤(E)の配合割合は重量割合で、 (D)/(E)=90/10〜10/90 であることが好ましい。リン酸エステル(D)の割合が
90/10を越えると、樹脂組成物のpHが小さくなる
ため保存安定性の低下といった問題が生じる。また、1
0/90未満であると十分なカップリング効果が得られ
ず接着力が悪くなるといった問題が生じる。
【0031】本発明に用いられる導電性粒子は、導電性
を有するものであれば特に制限するものではなく、ニッ
ケル、鉄、銅、アルミニウム、錫、鉛、クロム、コバル
ト、銀、金など各種金属や金属合金、金属酸化物、カー
ボン、グラファイト、ガラスやセラミック、プラスチッ
ク粒子の表面に金属をコートしたもの等が適用できる。
これらの導電性粒子の粒径や材質、配合量は、接続した
い回路のピッチやパターン、回路端子の厚みや材質等に
よって適切なものを選ぶことができる。
【0032】本発明によれば、ラジカル重合性樹脂、有
機過酸化物、熱可塑性エラストマーとを配合した接着剤
中に導電性粒子を分散させる事により得られる異方導電
性接着剤において、該接着剤中に(1)式で表されるリ
ン酸エステルおよび(2)、(3)式で表されるエポキ
シシランカップリング剤が含まれることから、優れた接
着性および接続信頼性が得られ、極めて低温・短時間で
の接続も可能であり、接着性、接続信頼性、保存安定
性、リペア性に優れた異方導電性接着剤が得られる。
【0033】更に、本発明の異方導電性接着剤は、半導
体素子、半導体装置、プリント回路基板、フレキシブル
プリント回路基板、液晶ディスプレイパネル、PDPパ
ネル、ELパネル、FEDパネル、テープキャリアパッ
ケージ等の電子・電機部品の電気的接合に用いることが
できる。それらの電気的接合は各種画像表示モジュール
(LCD、PDP、EL、FED等)、コンピュータ、
テレビ、計測機器、通信機器、その他の電子機器に用い
ることができ、これらを用いることにより電子機器の小
型化、軽量化、製作の容易性を達成すると同時に修復の
容易性も併せて達成している。これらの異方導電接着剤
の使用方法は公知の方法を用いることが出来る。
【0034】
【実施例】以下、本発明を実施例及び比較例により説明
する。実施例、比較例で用いた物質を表1にまとめた。
【表1】
【0035】
【化7】
【化8】
【0036】
【化9】
【化10】
【0037】1.評価サンプルの作製 被着体は銅箔/ポリイミド=25/75μmに0.5μ
mの錫メッキを施したTCP(ピッチ0.3mm、端子
数60本)と0.8mm厚4層板(FR−4)内層・外
層銅箔18μmフラッシュ金メッキPCB(ピッチ0.
3mm、端子数60本)を用いた。 2.接着強度測定方法 130℃、30kg/cm2、15secの条件で圧着
し、90°剥離試験によって評価を行った。 3.接続信頼性測定方法 サンプル作製直後および温度85℃、湿度85%、10
0時間放置後の接続抵抗を測定した。測定できないもの
を導通不良(OPEN)とした。
【0038】4.保存性測定方法 異方導電性接着剤を25℃雰囲気中に2週間保存後、1
30℃、30kg/cm2、15sの条件で圧着し、接続
抵抗を測定した。1.5Ω未満を○(保存性良好)、
1.5Ω以上を×(保存性不良)とした。 5.リペア性評価方法 異方導電性接着剤を130℃、30kg/cm2、15s
ecの条件で圧着し、室温でTCPを引き剥がした後、
PCB上に残っている樹脂をアセトンでふき取り、その
後、そのPCB上に新しい異方導電性接着剤を用いて新
しいTCPを圧着し、接続抵抗および接着力を測定し
た。接続抵抗は、1.5Ω未満を○(リペア性良好)、
1.5Ω以上を×(リペア性不良)とした。接着力は、
リペア前の値の80%以上を○、80%未満を×とし
た。
【0039】
【0040】
【0041】<実施例> カプロラクタン変性(メタ)アクリロイルオキシエチル
アシッドホスフェートを4重量部、β-(3.4エポキシシ
クロヘキシル)エチルトリメトキシシランを1重量部、
メチルエチルケトン100重量部、(5)式の構造を有
するウレタンアクリレート樹脂100重量部、(4)式
の構造を有するメタアクリロイル化フェノールノボラッ
ク樹脂(n/m+n=0.7/1、m+n=8)をメチルエチルケトンに
溶解した50%溶液を60重量部、(7)式の構造を有
するアクリロニトリル-ブタジエン-メタクリル酸共重合
体をメチルエチルケトンに溶解した20%溶液を300
重量部を混合し、25℃で1日反応させた後、1,1,3,3,
-テトラメチルブチルパーオキシヘキサノエートを3重
量部、Ni/Auメッキポリスチレン粒子4重量部を混
合し、均一に分散させ、離型処理を施したポリエチレン
テレフタレートフィルム上に乾燥後の厚さが35μmに
なるように流延・乾燥した後、幅2mmに切断して異方
導電性接着剤を得た。
【0042】<実施例2、3、4及び5> 表2に示す配合割合、条件で、実施例と同様に異方導
電性電接着剤を得た。
【0043】実施例1〜の評価結果を表2に示す。
【表2】
【0044】<実施例11>カプロラクタン変性(メ
タ)アクリロイルオキシエチルアシッドホスフェートを
4重量部、β-(3.4エポキシシクロヘキシル)エチルト
リメトキシシランを1重量部、メチルエチルケトン10
0重量部を22℃で3時間予備反応させておく。この予
備反応物に、メチルエチルケトン100重量部、(5)
式の構造を有するウレタンアクリレート樹脂100重量
部、(4)式の構造を有するメタアクリロイル化フェノ
ールノボラック樹脂(n/m+n=0.7/1、m+n=8)をメチルエ
チルケトンに溶解した50%溶液を60重量部、(7)
式の構造を有するアクリロニトリル-ブタジエン-メタク
リル酸共重合体をメチルエチルケトンに溶解した20%
溶液を300重量部を混合し、25℃で2日反応させた
後、1,1,3,3,-テトラメチルブチルパーオキシヘキサノ
エートを3重量部、Ni/Auメッキポリスチレン粒子
4重量部を混合し、均一に分散させ、離型処理を施した
ポリエチレンテレフタレートフィルム上に乾燥後の厚さ
が35μmになるように流延・乾燥した後、幅2mmに
切断して異方導電性接着剤を得た。
【0045】<実施例12〜20>表3に示す配合割
合、条件で、実施例11と同様に異方導電性電接着剤を
得た。
【0046】実施例11〜20の評価結果を表3に示
す。
【表3】
【0047】<比較例1〜比較例4>表4に示す配合割
合、条件で、実施例1と同様に異方導電性電接着剤を得
た。
【0048】比較例1〜4の評価結果を表4に示す。
【表4】
【0049】
【発明の効果】本発明により、作業性、長期信頼性に優
れた異方導電性接着剤を得ることが出来る。この異方導
電性接着剤を用いることにより130℃前後の低温での
微細な回路電極の接続が可能である。また、この異方導
電性接着剤を用いて製作された電子機器は、異方導電性
接着剤のリペアーが容易であり、高価な電子機器の生産
性向上に有益である。
───────────────────────────────────────────────────── フロントページの続き (51)Int.Cl.7 識別記号 FI H01R 11/01 H01R 11/01 J H05K 1/03 650 H05K 1/03 650 // H01B 5/16 H01B 5/16 (58)調査した分野(Int.Cl.7,DB名) C09J 4/00 - 201/10 H01B 1/20 - 1/22 H01R 11/00 - 1/01 H05K 1/03 H05K 5/16

Claims (3)

    (57)【特許請求の範囲】
  1. 【請求項1】 導電粒子、ラジカル重合性樹脂(A)、
    有機過酸化物(B)、熱可塑性エラストマー(C)、
    (1)式で表されるリン酸エステル(D)及び(2)式
    および/又は(3)式で表されるエポキシシランカップ
    リング剤(E)からなる異方導電性接着剤において、該
    ラジカル重合性樹脂(A)、該熱可塑性エラストマー
    (C)、該リン酸エステル(D)および該エポキシシラ
    ンカップリング剤(E)を反応させた後、他成分を混合
    することを特徴とする異方導電性接着剤の製造方法。 【化1】 【化2】 【化3】
  2. 【請求項2】 該ラジカル重合性樹脂(A)、該熱可塑
    性エラストマー(C)、該リン酸エステル(D)、およ
    び該エポキシシランカップリング剤(E)を0〜50℃
    の範囲で反応させる請求項1記載の異方導電性接着剤の
    製造方法。
  3. 【請求項3】 導電粒子、ラジカル重合性樹脂(A)、
    有機過酸化物(B)、熱可塑性エラストマー(C)、
    (1)式で表されるリン酸エステル(D)及び(2)式
    および/又は(3)式で表されるエポキシシランカップ
    リング剤(E)からなる異方導電性接着剤において、該
    リン酸エステル(D)および該エポキシシランカップリ
    ング剤(E)を0〜50℃で予備反応させた後、該ラジ
    カル重合性樹脂(A)、該熱可塑性エラストマー(C)
    及び前述の予備反応生成物とを反応させた後、他成分を
    混合することを特徴とする異方導電性接着剤の製造方
    法。
JP15046799A 1998-10-13 1999-05-28 異方導電性接着剤の製造方法及びその方法により製造された接着剤を用いて製作された電子機器 Expired - Fee Related JP3449948B2 (ja)

Priority Applications (1)

Application Number Priority Date Filing Date Title
JP15046799A JP3449948B2 (ja) 1998-10-13 1999-05-28 異方導電性接着剤の製造方法及びその方法により製造された接着剤を用いて製作された電子機器

Applications Claiming Priority (5)

Application Number Priority Date Filing Date Title
JP10-291101 1998-10-13
JP29110198 1998-10-13
JP10-354953 1998-12-14
JP35495398 1998-12-14
JP15046799A JP3449948B2 (ja) 1998-10-13 1999-05-28 異方導電性接着剤の製造方法及びその方法により製造された接着剤を用いて製作された電子機器

Publications (2)

Publication Number Publication Date
JP2000234083A JP2000234083A (ja) 2000-08-29
JP3449948B2 true JP3449948B2 (ja) 2003-09-22

Family

ID=27319929

Family Applications (1)

Application Number Title Priority Date Filing Date
JP15046799A Expired - Fee Related JP3449948B2 (ja) 1998-10-13 1999-05-28 異方導電性接着剤の製造方法及びその方法により製造された接着剤を用いて製作された電子機器

Country Status (1)

Country Link
JP (1) JP3449948B2 (ja)

Cited By (1)

* Cited by examiner, † Cited by third party
Publication number Priority date Publication date Assignee Title
KR100835818B1 (ko) 2006-12-27 2008-06-09 제일모직주식회사 이방 도전성 필름 조성물 및 그로부터 제조되는 이방도전성 필름

Families Citing this family (9)

* Cited by examiner, † Cited by third party
Publication number Priority date Publication date Assignee Title
JP2001257219A (ja) * 2000-03-13 2001-09-21 Sumitomo Bakelite Co Ltd ダイアタッチペースト及び半導体装置
JP2001257220A (ja) * 2000-03-13 2001-09-21 Sumitomo Bakelite Co Ltd ダイアタッチペースト及び半導体装置
US7691475B2 (en) * 2006-07-21 2010-04-06 3M Innovative Properties Company Anisotropic conductive adhesives
KR20120036721A (ko) * 2010-10-08 2012-04-18 제일모직주식회사 이방성 도전 필름
US10141084B2 (en) 2010-10-08 2018-11-27 Cheil Industries, Inc. Electronic device
JP5934528B2 (ja) * 2012-03-12 2016-06-15 デクセリアルズ株式会社 回路接続材料、及びそれを用いた実装体の製造方法
JP6127806B2 (ja) * 2013-07-24 2017-05-17 日立化成株式会社 接続材料、接続構造体及びその製造方法
JP2017145382A (ja) * 2016-02-15 2017-08-24 太陽インキ製造株式会社 導電性接着剤とその製造方法、硬化物および電子部品
WO2024034575A1 (ja) * 2022-08-08 2024-02-15 積水化学工業株式会社 層間接着剤、タッチパネル用層間接着剤、及びタッチパネル

Cited By (1)

* Cited by examiner, † Cited by third party
Publication number Priority date Publication date Assignee Title
KR100835818B1 (ko) 2006-12-27 2008-06-09 제일모직주식회사 이방 도전성 필름 조성물 및 그로부터 제조되는 이방도전성 필름

Also Published As

Publication number Publication date
JP2000234083A (ja) 2000-08-29

Similar Documents

Publication Publication Date Title
US6039896A (en) Anisotropic conductive adhesive and method for preparation thereof and an electronic apparatus using said adhesive
JP3503740B2 (ja) 異方導電性接着剤及びそれを用いた電子機器
KR101098205B1 (ko) 이방성 도전 필름
JP3522634B2 (ja) 異方導電性接着剤
US7727423B2 (en) Anisotropic conductive film composition and film including the same
JPH10168412A (ja) 異方導電性接着剤
JP3449948B2 (ja) 異方導電性接着剤の製造方法及びその方法により製造された接着剤を用いて製作された電子機器
JPH10168413A (ja) 異方導電性接着剤
JP2001126541A (ja) 異方導電フィルム及び電気・電子部品
JP2002285103A (ja) 異方導電性接着剤
JPH11209713A (ja) 異方導電性接着剤
JP2000044905A (ja) 異方導電性接着剤及びそれを用いた電子機器
JP2001254058A (ja) 異方導電性接着剤
JPH10147762A (ja) 異方導電性接着剤
JP2001164210A (ja) 異方導電フィルム及びそれを用いた電子機器
JP2003313533A (ja) 異方導電性接着剤
JP3425546B2 (ja) 異方導電性接着剤
JPH1135903A (ja) 異方導電性接着剤
JPH11236540A (ja) 異方導電性接着剤
JP2002285128A (ja) 異方導電性接着剤
JP3363331B2 (ja) 異方導電性接着剤
JP2001115132A (ja) 異方導電性接着剤
JP3447201B2 (ja) 異方導電性接着剤
JP3981341B2 (ja) 異方導電性接着剤
JP2003105308A (ja) 異方導電性接着剤

Legal Events

Date Code Title Description
FPAY Renewal fee payment (event date is renewal date of database)

Free format text: PAYMENT UNTIL: 20090711

Year of fee payment: 6

FPAY Renewal fee payment (event date is renewal date of database)

Free format text: PAYMENT UNTIL: 20100711

Year of fee payment: 7

FPAY Renewal fee payment (event date is renewal date of database)

Free format text: PAYMENT UNTIL: 20110711

Year of fee payment: 8

FPAY Renewal fee payment (event date is renewal date of database)

Free format text: PAYMENT UNTIL: 20120711

Year of fee payment: 9

FPAY Renewal fee payment (event date is renewal date of database)

Free format text: PAYMENT UNTIL: 20130711

Year of fee payment: 10

LAPS Cancellation because of no payment of annual fees